JP3728493B2 - プーリユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方向クラッチを備えるプーリユニットに関する。このプーリユニットは、例えば自動車などのエンジンのクランクシャフトからベルトを介して駆動される補機に装備することができる。補機としては、例えば自動車のエアコンディショナ用コンプレッサ、ウォーターポンプ、オルタネータ、冷却ファンなどが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンに装着される各種の補機は、エンジンのクランクシャフトによりベルトを介して駆動されるようになっている。ここで、補機のうち、例えばオルタネータの場合、エンジンのクランクシャフトと同期回転するように連結していると、クランクシャフトの回転数が低下するとき、オルタネータの発電能力が低下する。
【0003】
そこで、オルタネータのプーリ部分に上記一方向クラッチを内蔵し、クランクシャフトの回転数が低下するときに、オルタネータのロータの回転をその慣性力により継続させるようにして、発電効率を高められるようにしたプーリユニットが考えられている。
【0004】
このプーリユニットは、オルタネータのプーリとロータとの間に一方向クラッチを介装し、プーリとロータとの回転差に応じて、一方向クラッチをロック状態(動力伝達状態)とフリー状態(動力伝達遮断状態)とに切り替え、プーリとロータとの間で動力を伝達させたり遮断させたりするようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本願出願人は、このようなプーリユニットにおいて、泥水等の浸入を防止するシールドカバーを取り付けるとともに、そのシールドカバーの形態として、プーリとロータとの間で形成される環状空間の軸方向一側を塞ぐものを、種々、考えたうえで既にそのいくつかについて出願している。
【0006】
しかしながら、自動車におけるオルタネータの取付位置によっては、泥水がかかりやすい箇所に設置される場合、より確実に水の浸入を有効に防止できることが求められており、そこに改善の余地がある。
【0007】
したがって、本発明は、プーリユニットに設けるシールドカバーとして水の浸入をより確実に防止できるようにすることを共通の解決すべき課題とする。
【0008】
また、本発明は、プーリユニットに設けるシールドカバーとして水の浸入を有効に防止できる一方で、プーリユニットから着脱可能としてオルタネータの定期的あるいは不定期の検査を容易に実施可能とし、さらには、動力伝達動作中にプーリユニットからシールドカバーが脱落するのを確実に防止可能とすることを他の解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のプーリユニットは、互いに相対回転可能に外側環体とこれの内側に同心状に配設された内側環体との間に形成される環状空間に一方向クラッチを介装するとともに、前記環状空間において一方向クラッチの少なくとも一側に転がり軸受が配設され、前記一側の転がり軸受の少なくとも軸方向外端にシールが設けられ、前記内側軸体に、前記環状空間の軸方向一側を塞ぐとともに前記外側環体の外周面との間で微小隙間からなる非接触密封部を形成するシールドカバーが装着されているプーリユニットにおいて、前記シールドカバーは、前記内側軸体における軸体挿通孔の内周面に着脱自在に内嵌される内筒部と、この内筒部に連なり前記環状空間の軸方向一側を塞ぐよう径方向外向きに延ばされる環状部とを有しており、前記シールドカバーの内筒部と前記内側軸体の軸体挿通孔内周面とに互いの間でスナップ嵌合する凸部と凹部とがそれぞれ振り分けられて形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によると、シールドカバーが、前記環状空間の軸方向一側を塞いでいるから、このプーリユニットを装備した補機例えばオルタネータの取り付け位置が自動車において泥水がかかりやすい箇所に設置されても、まず、シールドカバーが前記環状空間の軸方向一方側を塞いでいることで直接、水がプーリユニットにかかるのを防ぐことができる。
【0012】
本発明は、これに加えて、シールドカバーが前記外側環体の外周面との間で微小隙間からなる非接触密封部を形成しているから、その非接触密封部により泥水等の浸入を確実に防ぐことができる。
【0013】
本発明は、この場合、シールドカバーが内側軸体に装着されていて前記非接触密封部が外側環体側に位置しているので、水がその非接触密封部に浸入しようとしても外側環体と内側軸体が相対回転した場合に作用する回転遠心力でその浸入を防ぐことができ、より泥水等の浸入防止の効果がある。
【0014】
本発明は、この場合、シールドカバーが前記回転のほぼ中心に位置する内側軸体に装着されているから、前記非接触密封部を構成する微小隙間の間隔を長期にわたり高精度に確保しやすくなり、水の浸入防止作用を長期にわたり保持させることができる。
【0015】
本発明は、さらに加えて、前記環状空間の軸方向一方側を塞いでいることで直接、水がプーリユニットにかかるのを防ぐシールドカバーの一枚構成をそのまま利用して、外側環体に対してシールドカバーの非接触密封部を構成したから、水がかかる部位(前記環状空間の軸方向一側)と水が浸入する部位(非接触密封部)との間が連続した構成となり、水の浸入に対する防止効果を全体的により高くすることができるうえ、前記各部位に別途にシールドカバーを装着する必要がなくなり、シールドカバーとしては簡易構造でかつコスト低減に有利な構造となる。
【0018】
本願発明では、さらにシールドカバーがその内筒部によって内側軸体の軸体挿通孔に着脱可能とされているから、シールドカバーを例えばプーリユニットから取り外せてオルタネータの定期的あるいは不定期の検査が容易に実施可能となる。
【0019】
本願発明では、内側軸体の軸体挿通孔に内装されているから動力伝達動作中にプーリユニットからのシ−ルドカバーの確実な脱落防止をも可能となって好ましい。
【0020】
つまり、本願発明では、シールドカバーが内筒部、環状部、外筒部とで構成されているから、総合的に、水の直接かかり防止、水の浸入防止、オルタネータ等の補機の検査、その脱落防止、などに、大きな作用効果を発揮することができる。
さらに、本願発明では、シールドカバーが内側軸体に凸部と凹部とがスナップ嵌合するものであるから、プーリユニットからの着脱作業がきわめて容易になる一方で、内側軸体への良好な装着状態を確保できるものとなり、例えばオルタネータの定期的あるいは不定期の検査がより容易に実施可能となって好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施態様として、前記シールドカバーの前記環状部に連なり前記外側環体の外周面に対して微小空間を介して対向させられる外筒部を備えている。
【0024】
この実施態様によると、環状部と外筒部とで水の浸入を確実に防止できると同時にシールドカバーが内側軸体の軸体挿通孔に着脱可能に内嵌されているから、シールドカバーを例えばプーリユニットから取り外してオルタネータの定期的あるいは不定期の検査が容易に実施可能となり、また、動力伝達動作中にプーリユニットからのシールドカバーの確実な脱落防止をも可能となって好ましい。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様として前記シールドカバーの外筒部の内周面および前記外側環体の外周面のいずれか一方に周溝が、また、そのいずれか他方に前記周溝に非接触状態で入り込む環状凸部がそれぞれ形成されていて、この周溝と環状凸部の間の対向空間により屈曲した微小隙間からなる非接触密封部が形成されている。この実施態様によると、前記微小隙間が周溝と環状凸部の間の対向空間により屈曲して形成されているから、その微小隙間における密封性が高まり水の浸入防止効果がより高くなって好ましい。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様として、前記外側環体の軸方向端面と前記シールドカバーの外筒部の内周面とにテーパ面が形成されており、両テーパ面の対向空間で前記微小隙間が形成されている。
【0027】
この実施態様によると、前記微小隙間が前記両テーパ面により屈曲して形成されて隙間で形成されているから、外側環体と内側軸体との相対回転による回転遠心力によってその微小隙間に浸入しようとする水がそのテーパ面に沿い外部により容易に排出されやすくなり、結果的に、密封性がより高まり水の浸入防止効果がより高くなって好ましい。この場合、微小隙間が垂直の場合と比較した場合、垂直では水がそれ自体の重力で内部に浸入しようとするが、テーパ面であると、水はテーパ面に付着して重力が作用しても徐々に内部に向けて下降しようとするに止まる一方で、回転遠心力でテーパ面を上昇させやすく、したがって、外部に排出させやすくなる。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様として、前記外側環体の外周面において前記微小隙間の開口端近傍に水きり用の周溝が形成されている。
【0029】
この実施態様によると、前記微小隙間に水が浸入する手前でその水きりが可能となり、水の浸入防止効果がより高くなって好ましい。つまり、前記微小隙間で構成する非接触密封部に浸入しようとする水のほとんどをこの周溝で捕捉できるから、非接触密封部に浸入しようとする水の多くは直接それにかかる水だけとすることができ、より水の浸入を効果的に防止できることになって好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0031】
図1ないし図4は、本発明の実施形態にかかり、図1は、プーリユニットの縦断面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図3は、図1の要部拡大図、図4は、図1のカバーの部分破断斜視図である。なお、図2において、外側環体と内側軸体の断面の図示は省略されている。
【0032】
図例のプーリユニットAは、相対回転可能に同心状に配設される内外2つの環体1,2と、両環体1,2の環状空間に介装された一方向クラッチ3と、この環状空間において一方向クラッチ3の軸方向両側に配設された2つの転がり軸受4,4とを備えている。
【0033】
プーリユニットAの動作としては、要するに、外側環体1と内側軸体2との回転速度差に応じて、一方向クラッチ3がロック状態またはフリー状態となり、外側環体1から内側軸体2へ動力を伝達したり、動力伝達を遮断したりする。なお、一方向クラッチ3がフリー状態となったときは、内側軸体2が自身の回転慣性力により回転継続する。
【0034】
外側環体1は、その外周に形成される波状の溝に巻き掛けられるベルトB(自動車エンジンのクランクシャフトにより回転駆動されるベルト)により回転駆動されるようになっている。
【0035】
内側軸体2は、その中心に軸方向のボルト挿通孔21が設けられている。
【0036】
このボルト挿通孔21は、ボルトそのものの挿通用に限定されず、オルタネータのロータ軸のように周面にネジが切られている軸など、ネジが切られているもののすべての挿通用である。さらに、ネジの挿通だけでなく、スプライン嵌合するため、スプライン溝を備えたものの挿通にも適用することができる。要するに軸体を挿通できる挿通孔であればよい。
【0037】
ボルト挿通孔21は、その一方開口に正六角形状の大径部22が、軸方向中央に円形の小径部23が、他方開口に円形の大径部24がそれぞれ設けられており、小径部23の内周面には、オルタネータのロータ軸に螺合するためのネジ溝が設けられている。
【0038】
一方の大径部24から不図示の自動車の補機の駆動軸例えばオルタネータのロータ軸が挿入され、小径部23にネジ止めされるようになっている。
【0039】
一方向クラッチ3は、内周面の円周数箇所にカム面31aが設けられた内輪31と、外輪32と、カム面31aに対応して径方向内外に貫通形成されるポケット33aを有する保持器33と、保持器33の各ポケット33aに1つずつ収納される複数のころ34と、保持器33の各ポケット33aに1つずつ収納されかつころ34をカム面31aと外輪32の内周面とで形成するくさび状空間の狭い側(ロック側)へ弾発付勢する板ばねなどの弾性部材35とを備えている。
【0040】
2つの転がり軸受4,4は、いずれも、内輪41、外輪42、複数の玉43、保持器44を含む一般的な深溝型玉軸受からなり、内・外輪41,42間の軸方向外端側にのみシール45が装着されている。つまり、このシール45でもって、2つの転がり軸受4,4および一方向クラッチ3を配設する環状空間を外部から密封するようになっている。
【0041】
次に、この実施形態の特徴構成について説明する。
【0042】
本実施形態は、内側軸体2にシールドカバー50が装着されている。
【0043】
このシールドカバー50は、例えば鋼板などの金属材あるいは合成樹脂などで形成され、外側環体1と内側軸体2との環状空間の軸方向一側を塞ぐとともに、外側環体1の外周面との間で微小隙間51からなる非接触密封部を形成する。
【0044】
この微小隙間51は、好ましくは、0.5mm以下に設定される。
【0045】
シールドカバー50は、内筒部52、環状部53および外筒部54からなる。
【0046】
内筒部52は、内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22の内面と同サイズの外形である断面正六角形をなして軸方向に延びる短筒体で構成され、内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内面に対して着脱可能に内嵌されるものであって、その内嵌のため外周面に周方向等間隔に複数の凸部56が形成されている。
【0047】
この場合、内筒部52は、断面が正六角形であったが、内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22の内面を断面円形とした場合、内筒部52の断面も円形であってよい。
【0048】
環状部53は、環状平板形状をなして内筒部52の軸方向外端に連なり外側環体1と内側軸体2との環状空間の軸方向一側を塞ぐよう径方向外向きに延ばされてなるものである。この場合、環状部53は、外側環体1の一方軸端面1aに微小隙間55を介して対向する位置まで径方向外向きに延ばされている。
【0049】
外筒部54は、断面円形をなして軸方向に延びる短筒体で構成され、環状部53に連なりその内周面における周方向に環状凸部57が形成されている。
【0050】
一方、外側環体1においてシールドカバー50の外筒部54の内周面上の環状凸部57と対向しかつこの環状凸部57の外面より大径の内面を有した周溝58が形成されている。これによって、環状凸部57と周溝58との対向間に屈曲した微小隙間51からなる非接触密封部が形成されるようになっている。
【0051】
内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内周面に、シールドカバー50の内筒部52の前記各凸部56に対応しかつ各凸部56の外面とほぼ同形状の内面を有する複数の凹部59が周方向等間隔に形成されている。これによって、各凸部56と各凹部59はスナップ嵌合可能とされている。
【0052】
この場合、シールドカバー50の内筒部52の各凸部56に代えて環状の凸部とし、これに対応して内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内周面にこの環状凸部にスナップ嵌合可能な環状凹部を構成してもよい。
【0053】
また、シールドカバー50の内筒部52に各凹部または環状凹部を設け、これに対応して内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内周面に各凸部または環状凸部を設け、これらを互いにスナップ嵌合可能な構成とするなど、その凹凸の振り分けは任意に可能である。
【0054】
さらに、シールドカバー50における前記環状凸部57の設置数を複数としかつこれに対向する外側環体1の周溝58の設置数を複数としてもよい。
【0055】
そして、シールドカバー50においては、それの内筒部52が内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に挿入されると、内筒部52の各凸部56が、内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内周面の各凹部59にスナップ嵌合つまりシールドカバー50の内筒部52が内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に内嵌される。この場合、前記凹凸部56,59はスナップ嵌合であるから、シールドカバー50は内側軸体2に対して着脱可能となる。
【0056】
また、シールドカバー50においては、内筒部52が内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に内嵌された状態で、外筒部54の環状凸部57が、外側環体1の周溝58に微小隙間51を介して入り込んで屈曲したいわゆるラビリンス構造の非接触密封部を形成している。
【0057】
また、前記スナップ嵌合によりシールドカバー50の内筒部52が内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に内嵌された状態で、シールドカバー50の環状部53により外側環体1と内側軸体2との環状空間の軸方向一側が塞がれる。
【0058】
以上の構成によると、シールドカバー50の環状部53により外側環体1と内側軸体2との環状空間の軸方向一側が塞がれているから、外側環体1の軸方向一側の転がり軸受4に装着してあるシール45を外部から隠蔽することにより、水などがシール45に対して直接かかるのを防止することができる。
【0059】
しかも、シールドカバー50の外筒部54内周面と外側環体1の外周面との間で形成されている微小隙間51からなるいわゆるラビリンスシールと呼ばれる非接触密封部で密封されているから、このプーリユニットAを装備した補機例えばオルタネータの取り付け位置が自動車において泥水がかかりやすい箇所に設置されても、泥水等の浸入を確実に防止することができる。
【0060】
また、シールドカバー50が内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に着脱可能に内嵌されているから、シールドカバー50を例えばプーリユニットAから取り外してオルタネータの定期的あるいは不定期の検査が容易に実施可能となり、また、動力伝達動作中にプーリユニットAからのシールドカバー50の確実な脱落防止が可能となる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0062】
(1)上述の実施の形態の場合、シールドカバー50は内筒部52を有していたが、参考例としてシールドカバー50を環状部53と外筒部54とで構成するプーリユニットの実施形態のシールドカバー50を図5ないし図7に示す。図5は、参考例のプーリユニットの縦断面図、図6は、図5の要部の拡大図、図7は、シールドカバーの斜視図である。
【0063】
すなわち、この実施形態のシールドカバー50Aの場合、環状部53と外筒部54とで構成され、内筒部を有していない。
【0064】
シールドカバー50Aの環状部53は、その内径部53aが内側軸体2の一方軸端外周面に外嵌固定されかつ外側環体1の一方軸端面1aに微小隙間60を介して対向する位置まで径方向外向きに延ばされている。
【0065】
シールドカバー50Aの外筒部54は、断面円錐台形状をなして環状部53に連なりかつ外側環体1の軸方向外端面1bに対して微小隙間61を介して対向させられる。この微小隙間61は、径方向に対して傾斜した微小隙間61aと径方向の微小隙間61bとからなっていて屈曲した非接触密封部を構成している。
【0066】
なお、外筒部54が断面円錐台形状をなしているから、この外筒部54外周面に付着した水は、それに回転遠心力が作用してその外周面を上昇しようとしても、その微小隙間61にまでたどり着けず、微小隙間61へ浸入しにくく、そして、回転停止した場合は、外周面を下降し微小隙間61に浸入することがない。
【0067】
この微小隙間61は、好ましくは、0.5mm以下に設定される。
【0068】
この場合、外側環体1の軸方向外端面1bとシールドカバー50Aの外筒部54の内周面54aとは屈曲した面構成となり、微小隙間61aを構成する外側環体1の軸方向外端面1bの部分とシールドカバー50Aの外筒部54の内周面54aの部分とにおいては一対の対向テーパ面が形成され、微小隙間61bを構成する外側環体1の軸方向外端面1bの部分とシールドカバー50Aの外筒部54の内周面54aの部分とにおいては一対の軸方向対向面が形成される。
【0069】
なお、前記微小隙間61は、特に、微小隙間61bが0.5mm以下に設定されることが好ましい。
【0070】
上述の場合、微小隙間61aだけでも、また、微小隙間61bだけでも、それぞれ、非接触密封部を構成可能であるし、微小隙間61a,61bの両方で非接触密封部を構成可能であるし、微小隙間60と微小隙間61とで屈曲した非接触密封部を構成可能である。
【0071】
なお、微小隙間61aの場合、一対の対向テーパ面間の隙間で構成されているから、回転中に水が微小隙間61bからたとえ僅かでも入り込むと、そのテーパ面を利用して微小隙間62bから外部へと回転遠心力で排出させやすいし、回転停止した場合は、下半分から滴下排出させやすい。
【0072】
外側環体1の外周面において微小隙間61の開口端近傍に水きり用周溝62が形成されている。この水きり用周溝62は、軸端方向に昇り勾配をなす環状曲面部62aと、径方向の環状垂直部62bとで囲まれて構成されている。
【0073】
そして、外部からの水は、微小隙間61に浸入する前に水きり用周溝62に誘導されて水きりされる。また、水きり用周溝62に入り込んだ水は、外側環体1が回転中は回転遠心力で排出され、回転停止したときは、水きり用周溝62の下半分から滴下排出される。したがって、水きり用周溝62により微小隙間61には水が浸入しにくくなる。
【0074】
ここで、水きり用周溝62において、前記環状曲面部62aの勾配を軸端方向に対して昇り勾配としているから、外部からの水を誘導する効果がある。
【0075】
(2)上述の実施形態のシールドカバー50は、内筒部52を有していたが、別の参考例を図8に示す。図8のシールドカバー50Bで示すように、内筒部52を省略し、環状部53と外筒部54とで構成するとともに、環状部53の内径部53aを内側軸体2の外周面に外嵌した構成としている。
【0076】
(3)上述の参考例の実施形態のシールドカバー50Aは、内筒部52を有していないが、本発明に係る実施形態を図示する図9のシールドカバー50Cで示すように、内筒部52を設け、この内筒部52の各凸部56を、内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22内周面の各凹部59にスナップ嵌合つまりシールドカバー50の内筒部52を内側軸体2のボルト挿通孔21の大径部22に内嵌させてもよい。
【0077】
(4)上述の実施形態のプーリユニットにおいては、外側環体1がプーリそのものとなっているが、外側環体1の外周にプーリを外嵌装着する形態としてもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、シールドカバーにより外側環体と内側軸体との環状空間の軸方向一側を塞ぐとともに、前記外側環体の外周面との間で微小隙間からなる非接触密封部を形成するから、プーリユニットを装備した補機例えばオルタネータの取り付け位置が自動車において泥水がかかりやすい箇所に設置されても、泥水等の浸入を確実に防止することができる結果、優れた防水構造により2つの環体間で動力を伝達する状態と動力伝達を遮断する状態との切り換えを長期にわたって安定化できるなど、信頼性の向上に貢献できるプーリユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のプーリユニットの縦断面図
【図2】 図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】 図1の要部の断面図
【図4】 図1のシールドカバーの部分破断斜視図
【図5】 参考例の実施形態のプーリユニットの縦断面図
【図6】 図5の要部の断面図
【図7】 図5のシールドカバーの部分破断斜視図
【図8】 別の参考例の実施形態のプーリユニットの要部断面図
【図9】 本発明の他の実施形態のプーリユニットの要部断面図
【符号の説明】
A プーリユニット
B ベルト
1 プーリ
2 内側軸体
3 一方向クラッチ
4 転がり軸受
50 シールドカバー
51 微小隙間(非接触密封部)
52 シールドカバーの内筒部
53 シールドカバーの環状部
54 シールドカバーの外筒部
56 シールドカバーの内筒部の凸部
57 シールドカバーの外筒部の環状凸部
58 外側環体の周溝
Claims (4)
- 互いに相対回転可能に外側環体とこれの内側に同心状に配設された内側環体との間に形成される環状空間に一方向クラッチを介装するとともに、前記環状空間において一方向クラッチの少なくとも一側に転がり軸受が配設され、前記一側の転がり軸受の少なくとも軸方向外端にシールが設けられ、前記内側軸体に、前記環状空間の軸方向一側を塞ぐとともに前記外側環体の外周面との間で微小隙間からなる非接触密封部を形成するシールドカバーが装着されているプーリユニットにおいて、
前記シールドカバーは、前記内側軸体における軸体挿通孔の内周面に着脱自在に内嵌される内筒部と、この内筒部に連なり前記環状空間の軸方向一側を塞ぐよう径方向外向きに延ばされる環状部とを有しており、
前記シールドカバーの内筒部と前記内側軸体の軸体挿通孔内周面とに互いの間でスナップ嵌合する凸部と凹部とがそれぞれ振り分けられて形成されている、ことを特徴とするプーリユニット。 - 請求項1に記載のプーリユニットにおいて、
前記シールドカバーの前記環状部に連なり前記外側環体の外周面に対して微小空間を介して対向させられる外筒部を備えている、ことを特徴とするプーリユニット。 - 請求項2に記載のプーリユニットにおいて、
前記シールドカバーの外筒部の内周面および前記外側環体の外周面のいずれか一方に周溝が、また、そのいずれか他方に前記周溝に非接触状態で入り込む環状凸部がそれぞれ形成されていて、この周溝と環状凸部との間の対向空間により屈曲した微小隙間からなる非接触密封部が形成されている、ことを特徴とするプーリユニット。 - 請求項1から3のいずれかに記載のプーリユニットにおいて、前記外側環体の外周面において前記微小隙間の開口端近傍に水きり用の周溝が形成されている、ことを特徴とするプーリユニット。
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