JP3728242B2 - 回転翼航空機のロータの揺動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリコプタなどの回転翼航空機において、突風(ガスト)によってロータが揺動したとき、この揺動を抑制する回転翼航空機の揺動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリコプタなどの回転翼航空機は、複数枚のブレードを有するロータを有し、飛行時にはこのロータが円錐形(コーン形)となっている。無風状態で、ヘリコプタがホバリングしているときにはロータ面は水平にある。このとき、各ブレードのピッチ角は一定である。
【0003】
この状態で、たとえば前方から突風を受けると、前進側のブレードの対気速度が増してブレードの揚力が増し、前進側ではブレードは回転するにつれて上昇する。逆に、後退側のブレードでは対気速度が低下して揚力が低下するため、後退側では回転するにつれてブレードは下降する。すなわち、ロータの前方が最も高くなり、後方が最も低くなるようにロータ面が後方に傾斜する。
【0004】
このように突風によってロータが一旦後方に傾斜すると、これをきっかけにしてロータは前後に揺動し始める。また、垂直方向に突風を受けると、各ブレードの揚力が一様に変動し、ロータのコーニング角が増減を繰り返すようにロータが揺動し始める。
【0005】
このような突風によってロータが揺動すると、この揺動が機体に伝達されて機体が振動し、乗り心地が悪くなる。また、これによってパイロットのワークロードが増し、安全な飛行を継続することが困難になるといった問題を有する。
【0006】
ロータの角度調整は、ロータのブレードのピッチ角制御によって行うことができる。たとえば、ロータ面の傾斜角の調整は、ブレードのサイクリックピッチ角制御によって行い、コーニング角の調整は、ブレードのコレクティブピッチ角制御によって行うことができる。したがって、突風によってロータが揺動し始めたとき、ブレードのピッチ角制御によってロータの揺動を打ち消すようロータ角度を制御すれば、ロータの揺動による機体の振動を抑制することができる。
【0007】
たとえば、ロータ面の傾斜角変位およびロータのコーニング角の変位を検出するセンサを設け、検出した傾斜角変位量に基づいて、ロータの傾斜角変位が減少するようにブレードのサイクリックピッチ角をフィードバック制御し、また検出したコーニング角変位量に基づき、コーニング角変位が減少するように、ブレードのコレクティブピッチ角をフィードバック制御することによって、ロータの揺動を抑制することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロータ面の傾斜角変位量、およびコーニング角の変位量に基づいたフィードバック制御、すなわち、比例制御を行っただけではシステムのダンピングが悪化するなど、制御特性が悪いといった問題を有する。
【0009】
本発明の目的は、制御特性の良好な回転翼航空機のロータの揺動制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ロータ面の傾斜角変位およびコーニング角の変位を検出するロータ角度検出手段と、
ロータ角度検出手段の検出出力に基づき、ロータ面の傾斜角変位およびコーニング角変位の1階時間微分を算出する微分演算手段と、
ロータ面の傾斜角変位量およびロータ面の傾斜角変位の1階時間微分値に基づいて、ロータ面の傾斜角変動を抑制し基準位置に戻るようにロータのブレードのサイクリックピッチ角を制御し、コーニング角の変位量およびコーニング角変位の1階時間微分値に基づき、コーニング角変動を抑制し基準位置に戻るように、ブレードのコレクティブピッチ角を制御する制御手段とを有し、
前記ロータ角度検出手段が検出するロータ面の傾斜角は、機体の前後軸に平行な縦方向におけるロータ面の傾斜角である縦フラップ角、および前後軸に垂直な横方向におけるロータ面の傾斜角である横フラップ角から成り、
前記微分演算手段は、検出した縦フラップ角および横フラップ角に基づき、縦フラップ角の1階時間微分、および横フラップ角の1階時間微分を算出し、
前記制御手段は、縦フラップ角および横フラップ角の1階時間微分値に基づいて、縦方向のロータ面の傾斜制御を行う縦サイクリックピッチ角を制御し、横フラップ角および縦フラップ角の1階時間微分値に基づいて、横方向のロータ面の傾斜制御を行う横サイクリックピッチ角を制御することを特徴とする回転翼航空機のロータの揺動制御装置である。
【0011】
本発明に従えば、ロータ面の傾斜制御は、ロータ面の傾斜角変位量、およびロータ面の傾斜角の1階時間微分値に基づいて、ブレードのピッチ角制御を行う。すなわち、フィードバック制御において、比例制御だけでなく微分制御も行うので、システムのダンピングが増大し、極めて良好に制御することができる。したがって、たとえば前方からの突風によって生じるロータの前後揺動を効果的に抑制することができる。これによって乗り心地が改善し、パイロットのワークロードも軽減し、安全な飛行を継続することが可能となる。
また、縦サイクリックピッチ角の制御は、縦フラップ角と縦フラップ角の1階時間微分値に基づいて行うのでなく、縦フラップ角と横フラップ角の1階時間微分値に基づいて制御を行う。この理由について、図1を参照して説明する。
図1はヘリコプタの平面図を示し、ロータは反時計回りに回転しているものとする。この状態で前方から突風を受けると、前述したようにロータの前進側(図1の右側)の対気速度が増加して右側の揚力が増すとともに、ロータの後退側(図1の左側)では対気速度が低下して左側の揚力が低下する。これによって前述したようにロータ面が後方に傾斜するが、その直前に揚力が増したロータの右側と、揚力が減少したロータの左側とによってロータには左右方向に振れが生じる。
このように、前方からの突風によってロータが後方に傾斜する直前に、その前兆として左右方向に運動が生じる。したがって、この左右の運動を検出し、ロータの前後の揺動制御に用いれば応答性が向上し、迅速にロータの揺動抑制制御を行うことができる。
したがって本発明では、縦方向のロータ面の傾斜制御に横フラップ角の1階時間微分値を用いてフィードバック制御し、横方向のロータ面の傾斜制御に縦フラップ角の1階時間微分値を用いてフィードバック制御することによって、ロータの揺動を迅速に抑制することができる。これは、前方だけでなく後方、側方、斜めなどいずれの方向からの突風に対しても同様の効果を奏する。
【0012】
請求項2記載の本発明の前記微分演算手段は、ロータ角度検出手段で検出したロータのコーニング角の変位に基づき、コーニング角の1階時間微分を算出し、前記制御手段は、コーニング角の変位量およびコーニング角の変位の1階時間微分値に基づいて、ロータのブレードのコレクティブピッチ角を制御することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、ロータのコレクティブピッチ角制御は、コーニング角の変位量、およびコーニング角の変位の1階時間微分値に基づいて制御する。すなわち、コレクティブピッチ角のフィードバック制御において、比例制御だけでなく微分制御も行うので、システムのダンピングが増大し、極めて高精度に制御することができる。したがって、たとえば垂直方向の突風を受けてロータのコーニング角が変動するようなロータの揺動を効果的に抑制することができる。
【0019】
請求項3記載の本発明の前記ロータ角度検出手段は、回転翼航空機の機体に設けられ、予め定める複数のロータの位置におけるブレードの高さ位置を検出し、これらの検出値に基づいてロータ面の傾斜角およびコーニング角を算出することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、ロータ角度検出手段は機体に取付けられ、機体に対するブレードの位置からロータのコーニング角およびロータ面の傾斜角などのロータ角度を検出する。したがって、たとえばブレードに取付けた歪みセンサなどによってロータ角度を検出する場合に比べてノイズが入りにくく、格段に高精度にロータの角度を検出することができる。また、ロータの位置を直接検出することから、ロータ角の時間微分も容易に算出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の回転翼航空機のロータの揺動制御装置10を用いたヘリコプタ1の構成を示す図である。図2において、参照符2はヘリコプタ1の機体であり、参照符3はロータであり、複数、本実施形態では4枚のブレードを備える。
【0022】
揺動制御装置10は、ロータのフラップ角およびコーニング角などのロータ角度を検出するロータ角度検出手段4と、ロータ角度を制御するアクチュエータ5〜7と、ロータ角度検出手段4に基づいてアクチュエータを変位駆動させ、ロータ角度を制御する制御信号演算装置8とを有する。アクチュエータ5〜7は、スワッシュプレート(図示せず)を変位駆動してブレードのピッチ角を制御し、コレクティブピッチアクチュエータ5、縦サイクリックピッチアクチュエータ6、および横サイクリックピッチアクチュエータ7とを有する。
【0023】
揺動制御装置10は、突風によってロータ3が揺動し始めたとき、このロータ3の揺動を打ち消すようにロータ3を制御する。
【0024】
図3は、ロータ角度を説明する図である。ロータ3は図3に示すように、回転時には円錐形(コーン形)となる。ここで、無風状態でホバリング状態にあるときのロータの位置をロータ基準位置11とし、図3で仮想線で示す。ロータ3のコーニング角β0は、ロータ3が形成するコーンの底面であるロータ面3aとブレードとのなす角度であり、ロータ3の傾斜角はロータ基準位置11のロータ面11aとロータ面3aとのなす角度であり、縦フラップ角β1cと横フラップ角β1sとで表す。縦フラップ角β1cは、機体2の前後方向に平行な縦方向におけるロータ基準位置11のロータ面11aと、ロータ3のロータ面3aとのなす角度であり、横フラップ角β1sは、前後方向に垂直な横方向におけるロータ基準位置11の回転面11aと、ロータ3のロータ面3aとのなす角度である。
【0025】
前記縦サイクリックピッチアクチュエータ6は、制御信号演算装置8から与えられる縦サイクリック操舵量δyに応じてスワッシュプレートを傾けてロータ3の縦サイクリックピッチ角を変化させ、縦フラップ角β1cを制御する。また、横サイクリックピッチアクチュエータ7は、制御信号演算装置8から与えられる横サイクリック操舵量δxに応じてスワッシュプレートを傾けてロータ3の横サイクリックピッチ角を変化させ、横フラップ角β1sを制御する。また、コレクティブピッチアクチュエータ5は、制御信号演算装置8から与えられるコレクティブ操舵量δcpに応じてスワッシュプレートを上下に変位させてコレクティブピッチ角を変化させ、ロータ3のコーニング角β0を制御する。
【0026】
したがって、揺動制御装置10は、突風によってロータ3が急激に揺動し始めたとき、ロータ3の変位量を、角度β0,β1c,β1sとしてロータ角度検出手段4で検出し、制御信号演算装置8は、検出したロータ角度β0,β1c,β1sに基づき、ロータ3の変位が減少するように、すなわちロータ3がロータ基準位置11に戻るような縦サイクリック操舵量δy、横サイクリック操舵量δx、およびコレクティブ操舵量δcpを算出し、それぞれアクチュエータ5〜7に与える。このようにして、ロータ3の揺動を抑制する。
【0027】
なお、戻すべきロータ基準位置11は、上述した無風状態でホバリングするときの位置に限らず、操縦量などに基づいて、定常状態のロータ位置がロータ基準位置として適宜算出され、制御信号演算装置8に与えられる。また、ロータの基準位置を逐次算出するのでなく、ロータ角度が急激に変化したとき、変化する直前のロータの位置をロータ基準位置とし、このロータ基準位置に戻るように制御してもよい。
【0028】
図4は、揺動制御装置10のブロック図である。このブロック図に基づいて縦サイクリック操舵量δy、横サイクリック操舵量δx、およびコレクティブ操舵量δcpの算出方法を説明する。
【0029】
ロータ角度検出手段4は、ロータ3の予め定める4箇所におけるブレードの高さ位置を検出するためのセンサ15〜18と、検出したロータ3の複数箇所での高さ位置に基づいて、ロータ3の縦フラップ角β1c、横フラップ角β1sおよびコーニング角β0を算出する角度算出手段20とを有する。なお、ロータ角度検出手段4の検出方法については後述する。
【0030】
制御信号演算装置8は微分演算回路21と操舵量算出回路22とを有し、微分演算回路21では、ロータ角度検出手段4で検出したコーニング角β0、縦フラップ角β1cおよび横フラップ角β1sの1階時間微分を算出する。操舵量算出回路22では、ロータ角度検出手段4で検出したコーニング角β0、縦フラップ角β1cおよび横フラップ角β1s、および微分演算回路21で算出したこれらの1階時間微分値に基づいて、縦サイクリック操舵量δy、横サイクリック操舵量δx、およびコレクティブ操舵量δcpを算出する。
【0031】
図5は、操舵量算出回路22のブロック図である。コレクティブ操舵量δcpは、図5(a)で示すように、コーニング角β0およびコーニング角β0の1階時間微分値β0’に基づいて算出される。すなわち、コーニング角β0は、PD(比例微分)フィードバック制御される。
【0032】
縦サイクリック操舵量δyは、図5(b)に示すように、縦フラップ角β1cおよび横フラップ角の1階時間微分値β1s’に基づいて算出され、縦フラップ角β1cは、PDフィードバック制御される。なお、図1を用いて説明したように、本発明では、縦フラップ角β1cの制御に、縦フラップ角β1cと横フラップ角β1sの1階時間微分値を用いることによって、縦フラップ角の揺動を迅速に抑制することができる。
【0033】
横サイクリック操舵量δxは、図5(c)に示すように、横フラップ角β1sおよび縦フラップ角β1cの1階時間微分値β1c’に基づいて算出され、横フラップ角β1sは、PDフィードバック制御される。なお、この横フラップ角制御も縦フラップ角制御と同様に、縦フラップ角β1cの1階時間微分値を導入することによって、横フラップ角の揺動を迅速に抑制することができる。
【0034】
図6は、ロータ角度検出手段4の検出原理を説明する図である。ロータ角度検出手段4の4つのセンサ15〜18は、機体2に取付けられ、これらのセンサの検出出力に基づいてロータ3の予め定める位置、本実施形態ではロータ3のアジマス角0°,90°,180°,270°の位置におけるブレードBの高さ位置を測定し、これに基づいてロータ3の縦フラップ角β1c、横フラップ角β1sおよびコーニング角β0を算出する。なお、本実施形態では、ブレードBの高さ位置は、機体2に取付けられる各センサ15〜18からロータ3の前記予め定める位置までの距離Lとして算出する。
【0035】
各センサ15〜18は、それぞれ受光素子として2つのフォトダイオード25、26を有する。フォトダイオード25,26は、それぞれロータ面3aに向けて取付けられ、距離Lは、ブレードBがフォトダイオード25,26上を通過する際に太陽光を遮り、フォトダイオード25,26の受光量が変化することを利用して測定する。
【0036】
図6に示すように、各フォトダイオード25,26は、互いに所定の角度θ、本実施形態では11°をなしてロータ面3aに向いている。いま、ブレードBの先端がフォトダイオード25の視野に入った瞬間の時刻をT1とし、同じくブレードBの先端がフォトダイオード26の視野に入った瞬間の時刻をT2とすれば、ブレードBがフォトダイオード25の視野からフォトダイオード26の視野へ移動するために要する時間T2−T1は、ブレードBとセンサ15との間の距離Lが長いほど、つまりブレードBフラッピングが大きいほど長くなる。
【0037】
たとえば、図6において、破線で示した位置をブレードBが横切る場合と実線で示した位置をブレードBが横切る場合とでは、破線線で示した位置を横切る場合の方が長い時間を要する。これによってロータ角度検出手段4の角度算出手段20は、センサ15の各フォトダイオード25,26の検出出力、センサ15の取付け位置、およびロータ3の回転速度などに基づいて前記距離Lを正確に算出することができる。さらに角度検出手段20は、算出した4つのセンサ15〜18からブレードBまでの各距離L、各センサ15の取付け位置などに基づいて、ロータ3のコーニング角β0、縦フラップ角β1c、および横フラップ角β1sを算出する。
【0038】
ロータ角度検出手段4のセンサは上述したように2つの受光素子で、ブレードが太陽光を遮る時間を検出してブレードまでの距離Lを算出する方法に限らず、たとえば、機体に取付けるセンサとして発光素子と受光素子とを設け、ブレードには反射板を取付け、ブレードが横切る毎に、発光素子から照射され、ブレードの反射板で反射した光を受光素子で受光し、照射してから受光するまでの間の時間を測定することによってブレードまでの距離Lを測定するように構成してもよい。
【0039】
本件発明者らは、本発明の揺動抑制装置10の有効性を評価するために突風応答シミュレーションを行い、この結果に基づいて突風振幅から垂直加速度への伝達率を求めた。図7〜図9は、揺動制御を施した場合と施さない場合の前記伝達率(g/ft/sec)の比較を、シミュレーション結果に基づいて算出したグラフであり、図7は、垂直方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフであり、図8は、横方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフであり、図9は、縦方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフである。いずれも高度は100ftとし、速度は60ktであり、グラフの横軸は突風の周波数(Hz)であり、縦軸が伝達率(g/ft/sec)であり、破線が揺動制御を施さない場合のグラフであり、実線が揺動制御を施した場合のグラフである。
【0040】
図7〜図9のグラフから判るように、揺動制御装置10によって、突風振幅から垂直加速度への伝達率が2割から5割程度低減していることがわかる。このことから、本発明の揺動抑制装置10をヘリコプタなどの回転翼航空機に適用することによって、ロータの振動を効果的に抑制することができることが確認できる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ロータの揺動制御において、ロータのフラップ角およびコーニング角の変位に加えて、フラップ角およびコーニング角の1階時間微分値を用いてフィードバック制御を行うことによって、高精度にロータの揺動を抑制することができる。これによって、突風によって生じるロータの揺動を効果的に抑制して乗り心地を改善し、パイロットのワークロードを軽減し、安全な飛行を継続することができる。
【0042】
また、縦フラップ角の振動は、縦フラップ角の変位量と横フラップ角変位の1階時間微分を用いてフィードバック制御し、横フラップ角の振動は、横フラップ角の変位量と縦フラップ角変位の1階時間微分を用いてフィードバック制御することによって、ロータ面の振動を迅速に抑制することができる。
【0043】
また、ロータのフラップ角およびコーニング角の検出は、機体に取付けられたセンサによってブレードの高さ位置を直接検出し、これに基づいて各ロータ角度を算出するので、各ロータ角度およびロータ角度の1階時間微分値を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】前方から突風を受けたときのロータの前後揺動とその直前の左右の運動との関係を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の一形態である揺動制御装置10を適用したヘリコプタ1の構成を示す図である。
【図3】ロータ3の縦フラップ角β1c、横フラップ角β1sおよびコーニング角β0を示す図である。
【図4】揺動制御装置10の構成を示すブロック図である。
【図5】操舵量算出回路22の構成を示すブロック図である。
【図6】ロータ角度検出手段4の検出原理を説明する図である。
【図7】垂直方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフである。
【図8】横方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフである。
【図9】縦方向に突風を受けた場合の伝達率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ヘリコプタ
2 機体
3 ロータ
4 ロータ角度検出手段
8 制御信号演算装置
10 揺動制御装置
21 微分演算回路
22 操舵量算出回路
Claims (3)
- ロータ面の傾斜角変位およびコーニング角の変位を検出するロータ角度検出手段と、
ロータ角度検出手段の検出出力に基づき、ロータ面の傾斜角変位およびコーニング角変位の1階時間微分を算出する微分演算手段と、
ロータ面の傾斜角変位量およびロータ面の傾斜角変位の1階時間微分値に基づいて、ロータ面の傾斜角変動を抑制し基準位置に戻るようにロータのブレードのサイクリックピッチ角を制御し、コーニング角の変位量およびコーニング角変位の1階時間微分値に基づき、コーニング角変動を抑制し基準位置に戻るように、ブレードのコレクティブピッチ角を制御する制御手段とを有し、
前記ロータ角度検出手段が検出するロータ面の傾斜角は、機体の前後軸に平行な縦方向におけるロータ面の傾斜角である縦フラップ角、および前後軸に垂直な横方向におけるロータ面の傾斜角である横フラップ角から成り、
前記微分演算手段は、検出した縦フラップ角および横フラップ角に基づき、縦フラップ角の1階時間微分、および横フラップ角の1階時間微分を算出し、
前記制御手段は、縦フラップ角および横フラップ角の1階時間微分値に基づいて、縦方向のロータ面の傾斜制御を行う縦サイクリックピッチ角を制御し、横フラップ角および縦フラップ角の1階時間微分値に基づいて、横方向のロータ面の傾斜制御を行う横サイクリックピッチ角を制御することを特徴とする回転翼航空機のロータの揺動制御装置。 - 前記微分演算手段は、ロータ角度検出手段で検出したロータのコーニング角の変位に基づき、コーニング角の1階時間微分を算出し、
前記制御手段は、コーニング角の変位量およびコーニング角の変位の1階時間微分値に基づいて、ロータのブレードのコレクティブピッチ角を制御することを特徴とする請求項1記載の回転翼航空機のロータの揺動制御装置。 - 前記ロータ角度検出手段は、回転翼航空機の機体に設けられ、予め定める複数のロータの位置におけるブレードの高さ位置を検出し、これらの検出値に基づいてロータ面の傾斜角およびコーニング角を算出することを特徴とする請求項1または2記載の回転翼航空機のロータの揺動制御装置。
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