JP3727397B2 - 燃料タンク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料タンク装置に関し、特に車両に搭載される内面に金属めっきを施した燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガソリンや軽油等のための燃料タンクには、図7に示すように、低炭素鋼板101の表面にNi−Sn合金めっき層102を形成し、更に、このNi−Sn合金めっき層102の表面にPb−Sn合金めっき層103が形成され、燃料タンク内面が腐食しないようにしたり、プレスによる深絞り成型を行う際にめっき層にクラックが発生しないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
燃料タンク内の燃料や燃料蒸気に空気が触れると、燃料や燃料蒸気は酸化し、経時変化して蟻酸や酢酸等の有機酸が発生する。これらの有機酸は燃料液中や蒸気中に混入し、タンク材100内面を腐食させ、鉛層と化合して塩基性炭酸鉛(鉛白)の生成が見られる場合がある。この鉛白が燃料配管や燃焼室から排出される排気ガスに混入し、触媒やセンサ−等への付着により、関連材料の耐用年数を増す上で制約となっていた。
本発明の目的は、燃料タンク内面の腐食による塩基性炭酸鉛の生成を抑止すると共に、燃料の蒸発を抑えることのできる燃料タンク装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1は、エンジンの排気ガスの一部を排気ガス導入配管を介して燃料タンク内に導入し、排気ガスに含まれる二酸化炭素等の空気の比重より重く、且つ不活性な排気ガス成分で燃料タンク内に収容されている炭化水素系燃料と空気溜まりとの境界面上を被覆した。
炭化水素系燃料は空気に触れなくなり酸化しにくくなる。
【0005】
請求項2は、鉛と錫との合金めっき層中の鉛の比率が多くなり、燃料タンク本体を極端に深絞り成形したときでもめっき層のクラックの発生を抑えることができる。
【0006】
請求項3は、排気ガス導入配管の上流側開口をエンジンの排気管下流の消音器の上部消音室内に配設し、下流側開口を燃料タンクの上部に配設し、該導入配管の排気ガス経路中には蓄圧タンクを配設した。
排気ガスは消音器上部の水分の溜まらない部分から排気ガス導入管に流入し、蓄圧タンクで排気の脈動が抑えられ、燃料タンク内に定圧で供給される。
【0007】
請求項4は、蒸発燃料吸着手段を備え、この燃料吸着手段への配管に弁手段を設け、該弁手段により記燃料タンクの排気ガス導入による圧力上昇を制御するようにした。
燃料タンク内の圧力を高くでき、燃料の蒸発を抑えることができる。また、燃料タンクの内圧が所定値より上昇した場合には、弁手段が開いて圧力上昇を抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る燃料タンク装置の模式図であり、燃料タンク装置1は、エンジン2の排気管3に触媒4を介して接続したマフラー5の上部に接続した排気ガス導入配管6と、この排気ガス導入配管6に順に介設した第1逆止弁7、エキゾーストチャンバ9、排気ガス中のカーボンを除去するカーボンフィルター12、第2逆止弁13と、排気ガス導入配管6の開口部を上部に有する燃料タンク14と、この燃料タンク14上部に接続する燃料蒸発ガス配管16と、この燃料蒸発ガス配管16に順に介設した第1ソレノイドバルブ17、2ウェイバルブ18、蒸発ガスを吸着するキャニスタ21と、2ウェイバルブ18とキャニスタ21との間の燃料蒸発ガス配管16から分岐して設けた圧力センサ22と、キャニスタ21に吸着された蒸発ガスに空気を混合するための第2ソレノイドバルブ24と、圧力センサ22からの信号を受けて第1ソレノイドバルブ17を制御するためのコントロールユニット25とを備える。なお、8はドレンプラグ、9a…(…は複数個を示す。以下同様。)は冷却するためのフィン、14aは燃料タンク14のフィラーキャップ、27は燃料ポンプ、28は燃料フィルタ、29は燃料噴射弁である。
【0009】
以上に述べた燃料タンク装置の作用を次に説明する。
図1において、排気ガスの流れに沿って順に説明すると、
▲1▼マフラー5から温度が高く水分を含む排気ガスが第1逆止弁7を通り、エキゾーストチャンバ9内に入る。
【0010】
▲2▼排気ガスはエキゾーストチャンバ9からカーボンフィルター12に入り排気ガス中の粒状となったカーボンが除かれ、第2逆止弁13を通って燃料タンク14に入る。
この時、第1ソレノイドバルブ17は開度小であり、圧力センサー22で燃料蒸発ガス配管16内の圧力をモニターする。また、エンジン2の吸気管2aに取付けた図示せぬスロットル開度センサから開度信号がコントロールユニット25に送られ、コントロールユニットはこの開度信号に基づいて第2ソレノイドバルブ24を開閉し、キャニスタ21への空気の導入を制御する。
【0011】
▲3▼燃料タンク14内の圧力が所定圧力より高くなると、圧力センサ22からコントロールユニット25に圧力増加の信号が発せられ、コントロールユニット25はこの信号に基づいて第1ソレノイドバルブ17の開度を大とする。これにより、燃料タンク14内の圧力増加は抑えられる。
【0012】
図2は本発明に係る燃料タンク装置の燃料タンク内の作用図であり、燃料タンク14内に供給された排気ガスEは、二酸化炭素等の空気Aより重い不活性ガスであるため燃料Fの液面Sに接している空気Aと置換する。従って、燃料Fの液面Sは排気ガスEで覆われ、空気Aに触れなくなり、酸化しにくくなる。よって、蒸発燃料中の酸化物及び液体中の酸化物を大幅に低減できる。しかも、排気ガスEにより燃料注入管14bの中も覆われるので、フィラーキャップ14aからの蒸発燃料を抑えることもできる。
【0013】
図3は本発明と従来の燃料タンク装置の燃料酸化度合いを比較するグラフであり、縦軸は酸化度、横軸は時間を表わす。
酸化度は酸化の速度に相当し、平衡状態に達するまでの傾き角が大であると酸化が速く進み、傾き角が小であると酸化が遅いことを意味する。
本実施例の場合、従来例に比べて初期の急激な増加は見られず、傾きが小さく、酸化の速度の増加は小さい。
【0014】
図4は本発明に係る燃料タンク装置の燃料タンクの絞り部分を示す断面図であり、燃料タンク14は、低炭素鋼板31の内面に形成したNi−Sn合金めっき層32と、このNi−Sn合金めっき層32の内面に形成した燃料に接するPb−Sn合金めっき層33とを有する。
燃料タンク14のタンク材の内面に面して鉛比率(80〜99.5%)が大きいPb−Sn合金めっき層33を有しているため、深絞りを実施してもこのPb−Sn合金めっき層33にクラックが発生することはない。
【0015】
図5(a),(b)は本発明に係る燃料タンク装置のエキゾーストチャンバの作用を示す断面図であり、(a)は排気ガスの脈動除去及び冷却、(b)は排気ガスの水分除去の状態を示す。
(a)において、エキゾーストチャンバ9内に脈動する高温で水分を含む排気ガスEが入ると、脈動、即ち排気圧力変動は、細長い排気ガス導入配管6から大きな体積を有するエキゾーストチャンバ9に入ることで圧力が弱まり、圧力変動は低減される。
また、高温の排気ガスEは、エキゾーストチャンバ9外面に設けたフィン9a…から熱を逃がすことによって冷却され、燃料タンク14(図1参照)内に高温の排気ガスEが送られることはない。
【0016】
(b)において、エキゾーストチャンバ9内で排気ガスEが冷やされると、排気ガスEに含まれる蒸気となっている水分は凝縮し、液体Wとなってエキゾーストチャンバ9の底面に溜まる。この溜まった水分はドレンプラグ8(図6(a)参照)を外して、排出する。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の燃料タンク装置は、エンジンの排気ガスの一部を排気ガス導入配管を介して燃料タンク内に導入し、排気ガスに含まれる二酸化炭素等の空気の比重より重く、且つ不活性な排気ガス成分で燃料タンク内に収容されている炭化水素系燃料と空気溜まりとの境界面上を被覆したので、炭化水素系燃料は空気に触れなくなり有機酸等の酸化物が発生しにくくなって、タンク材は腐食せず、燃料タンクの寿命が増す。また、腐食によって燃料に溶出した塩基性炭酸鉛等による排気系デバイスへの悪影響を抑止できる。
【0018】
請求項2の燃料タンク装置は、鉛合金層を鉛と錫との合金としたので、鉛の比率が多くなり、燃料タンク本体の深絞り成形が容易となり、加工性が向上する。
【0019】
請求項3の燃料タンク装置は、排気ガス導入配管の上流側開口をエンジンの排気管下流の消音器の上部消音室内に配設し、下流側開口を燃料タンクの上部に配設し、該導入配管の排気ガス経路中には蓄圧タンクを配設したので、排気ガスは消音器上部の水分の溜まらない部分から排気ガス導入管に流入し、蓄圧タンクで排気の脈動が抑えられ、燃料タンク内に定圧で供給され都合がよい。
【0020】
請求項4の燃料タンク装置は、蒸発燃料吸着手段を備え、この蒸発燃料吸着手段への配管に弁手段を設け、該弁手段により記燃料タンクの排気ガス導入による圧力上昇を制御するようにしたので、燃料タンク内の圧力を高くでき、燃料の蒸発を抑えることができる。また、燃料タンクの内圧が所定値より上昇した場合には、弁手段が開動して圧力上昇を抑え、フィラーキャップ等からの放出量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料タンク装置の模式図
【図2】本発明に係る燃料タンク装置の燃料タンク内の作用図
【図3】本発明と従来の燃料タンク装置の燃料酸化度合いを比較するグラフ
【図4】本発明に係る燃料タンク装置の燃料タンクの絞り部分を示す断面図
【図5】本発明に係る燃料タンク装置のエキゾーストチャンバの作用を示す断面図
【図6】従来のタンク材の断面図(模式図)
【符号の説明】
1…燃料タンク装置、2…エンジン、3…排気管、5…消音器(マフラー)、6…排気ガス導入配管、9…蓄圧タンク(エキゾーストチャンバ)、14…燃料タンク本体(燃料タンク)、17…弁手段(第1ソレノイドバルブ)、21…蒸発燃料吸着手段(キャニスタ)、E…排気ガス、F…燃料、S…境界面(液面)。
Claims (4)
- 燃料タンク本体の内面をめっき層で被覆した燃料タンクにおいて、エンジンの排気ガスの一部を排気ガス導入配管を介して燃料タンク内に導入し、前記排気ガスに含まれる二酸化炭素等の空気の比重より重く、且つ不活性な排気ガス成分で前記燃料タンク内に収容されている炭化水素系燃料と空気溜まりとの境界面上を被覆したことを特徴とする燃料タンク装置。
- 前記めっき層は鉛と錫との合金であることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク装置。
- 排気ガス導入配管の上流側開口はエンジン排気管下流の消音器の上部消音室内に配設され、下流側開口は燃料タンクの上部に配設され、該導入配管の排気ガス経路中には蓄圧タンクが配設されていることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク装置。
- 蒸発燃料吸着手段を備え、この蒸発燃料吸着手段への配管に弁手段を設け、該弁手段により前記燃料タンクの排気ガス導入による圧力上昇を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンク装置。
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