JP3726739B2 - Icカードおよびリーダライタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードおよびリーダライタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、接触式ICカード制御システムにおいては、ICカードのパワーオンリセット時等のリセット時にこのICカードが発生するリセット通知によりICカードの種別等を識別し、このように識別したICカードにリーダライタにより論理アドレスを割り付け、この論理アドレスを用いてリーダライタによるICカードからの読み出しや当該ICカードへの書き込み等の制御を行っている。
【0003】
また、ICカードに割り付けた論理アドレスの開放は、電源のオフによるICカードのリセットで行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非接触式ICカード制御システムにおいて、複数のICカードを制御するために論理アドレスを用いる場合や論理アドレスを開放するために、上記接触式ICカード通信システムと同様に電源をオフすると、すべてのICカードへの電力供給が停止するため、特定の論理アドレスのみを開放することができないという不具合がある。
【0005】
これに対し、論理アドレスの数をICカードの数まで増大すると、各論理アドレス全体のビット長がのびるという不具合が生ずる。
【0006】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、リーダライタにより割りつけられた論理アドレスを特定のICカードから開放することで、限られた数の論理アドレスにて、論理アドレスの数以上のICカードを制御できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、リーダライタから識別情報を要求する識別情報要求信号を受信すると、識別情報を表す識別情報応答信号を前記リーダライタに送信する手段と、
前記リーダライタから論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を受信すると、当該ICカードがその論理アドレスに割り付けられたことを判断し、割り付け応答信号を前記リーダライタに送信する手段と、
前記リーダライタから当該ICカードを制御するためのコマンド信号を受信すると、そのコマンドの論理アドレスが前記割り付けられた論理アドレスと一致することを判定して、そのコマンドを実行する手段と、
前記リーダライタから前記割り付けられた論理アドレスの開放を要求する論理アドレス開放要求信号を受信すると、前記割り付けられた論理アドレスを開放し、論理アドレスの開放を表す論理アドレス開放応答信号を前記リーダライタに送信する手段と備えたICカードが提供される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明によれば、ICカードに識別情報を要求する識別情報要求信号を送信する手段と、
前記識別情報要求信号に対し識別情報を表す識別情報応答信号を返信したICカードのうち、論理アドレスの割り付けが可能な数のICカードに対して、論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を送信するとともにそのICカードから割り付け応答信号を受信するようにして、論理アドレスの割り付けを行い、その論理アドレスを用いてICカードを制御するためのコマンド信号を送信する手段と、
前記論理アドレスが割り付けられたICカードに対する制御が終了したことを判定すると、前記論理アドレスが割り付けられたICカードに論理アドレスの開放を要求する論理アドレス開放要求信号を送信するとともにそのICカードから論理アドレスの開放を表す論理アドレス開放応答信号を受信するようにして、論理アドレスの開放を行う手段と、
前記識別情報応答信号を返信したICカードのうち論理アドレスが割り付けられていないICカードがある場合には、そのICカードに対し、前記開放された論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を送信するとともにそのICカードから割り付け応答信号を受信するようにして前記開放された論理アドレスの割り付けを行い、その論理アドレスを用いてICカードを制御するためのコマンド信号を送信する手段とを備えたリーダライタが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明に係るICカード制御システムの一例を示している。
【0011】
当該ICカード制御システムは、単一のリーダライタRWを備えている。このリーダライタRWは、例えば、電話機に装備されており、当該リーダライタRWは、本実施形態では、その通信可能領域Area内において、3枚のテレフォンカード(以下、ICカードA、B及びCという)と通信を行う。
【0012】
リーダライタRWは、図2にて示すごとく、マイクロコンピュータ10と、メモリ20と、変調回路30と、送受信アンテナ40と、復調回路50とにより構成されている。
【0013】
マイクロコンピュータ10は、図4及び図5にて示すフローチャートに従い、リーダライタプログラムを実行し、この実行中において、メモリ20、変調回路30、送受信アンテナ40及び復調回路50を介する上記ICカードとの通信処理のもと、ICカードの識別、論理アドレスの開放やICカードの制御等の演算処理をする。なお、リーダライタプログラムは、マイクロコンピュータ10のROMに予め記憶されている。
【0014】
メモリ20には、各ICカードA、B、Cの識別コード及び両論理アドレス1、2等のデータが予め記憶されている。
【0015】
変調回路30は、マイクロコンピュータ10の出力データに基づき変調信号を送信信号として送受信アンテナ40に出力する。送受信アンテナ40は、変調回路30からの送信信号を電磁波を媒体として送信し、また、ICカードからの返信信号を電磁波を媒体として受信し復調回路50に出力する。
【0016】
復調回路50は、送受信アンテナ40からの受信信号を復調し復調信号としてマイクロコンピュータ10に出力する。
【0017】
ICカードA乃至Cは、図3にて示すごとく、送受信アンテナ60と、電源回路70と、復調回路80と、メモリ90と、マイクロコンピュータ100と、変調回路110とを備えている。
【0018】
ICカードAを例にとってその構成を詳細に説明すると、送受信アンテナ60は、リーダライタRWの送受信アンテナ40からの送信信号を電磁波を媒体として受信し復調回路80に出力する。
【0019】
この復調回路80は、送受信アンテナ60の受信信号を復調し復調信号としてマイクロコンピュータ100に出力する。
【0020】
マイクロコンピュータ100は、図6にて示すフローチャートに従い、カードプログラムを実行し、この実行中において、復調回路80、メモリ90、変調回路110及び送受信アンテナ60を介するリーダライタRWとの通信処理のもと、ICカードの識別、論理アドレスの割り付けや書き込み等の演算処理をする。なお、上記カードプログラムは、マイクロコンピュータ100のROMに予め記憶されている。
【0021】
メモリ90には、ICカードAの識別コード等のデータが予め記憶されている。
【0022】
変調回路110は、マイクロコンピュータ100の出力データを変調し返信信号として送受信アンテナ60に出力する。送受信アンテナ60は、リーダライタRWの送受信アンテナ40からの送信信号を受信し受信信号として復調回路80に出力するとともに、変調回路110からの返信信号を電磁波を媒体としてリーダライタRWに返信する。
【0023】
なお、電源回路70は、ICカードAの各構成素子に対し電力供給する。
【0024】
また、ICカードB及びCのメモリには、当該ICカードB及びCを特定する識別コード等のデータが予め記憶されている点を除き、ICカードB及びCの構成はICカードAと実質的に同様である。
【0025】
また、両ICカードC、Dの各カードプログラムは、ICカードAのカードプログラム(図6のフローチャート)と実質的に同様である。
【0026】
このように構成した本実施形態において、3枚のICカードA乃至Cが、図1にて示すごとく、リーダライタRWの通信可能領域Area内にあるものとする。ここで、リーダライタRWのマイクロコンピュータ10が、図4及び図5のフローチャートに従いリーダライタプログラムの実行を開始するとともに、各ICカードA乃至Cのマイクロコンピュータ100が、図6のフローチャートに従い、カードプログラムの実行を開始するものとする。
【0027】
ついで、マイクロコンピュータ10が、図4のステップ200にて、ICカードの識別情報要求信号Drw(図7参照)を変調回路30に出力すると、変調回路30は、当該識別情報要求信号Drwに基づき変調信号を送信信号として出力する。ここで、識別情報要求信号Drwは、各ICカードの識別コードを情報として要求する信号である。
【0028】
ついで、送受信アンテナ40は、変調回路30の送信信号をコマンド信号の一つとして電磁波を媒体として送信する。これに伴い、各ICカードA乃至Cにおいて、送受信アンテナ60が当該コマンド信号を受信すると、この送受信アンテナ60の受信信号は、復調回路80により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ100に出力される。
【0029】
しかして、各ICカードA乃至Cにおいて、マイクロコンピュータ100が、図6のステップ300におけるNOとの判定処理を繰り返している間に、復調回路80の復調信号をリーダライタRWからのコマンド信号の一つとして入力されると、このコマンド信号が識別情報要求信号Drwであることから、ステップ300における判定がYESとなる。
【0030】
ついで、各ICカードA乃至Cにおいて、マイクロコンピュータ100は、ステップ310にて、識別情報応答信号Da乃至Dc(図7参照)を出力する。
【0031】
ここで、識別情報応答信号Daは、ICカードAの識別コードを表す。識別情報応答信号Dbは、ICカードBの識別コードを表す。また、識別情報応答信号Dcは、ICカードCの識別コードを表す。
【0032】
そして、ICカードAでは、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの識別情報応答信号Daに基づき変調信号を返信信号として出力すると、送受信アンテナ60が当該返信信号を電磁波を媒体として返信する。ICカードBでは、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの識別情報応答信号Dbに基づき変調信号を返信信号として出力すると、送受信アンテナ60が当該返信信号を電磁波を媒体として返信する。また、ICカードCでは、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの識別情報応答信号Dcに基づき変調信号を返信信号として出力すると、送受信アンテナ60が当該返信信号を電磁波を媒体として返信する。
【0033】
ついで、リーダライタRWでは、送受信アンテナ40が、各ICカードA乃至Cの送受信アンテナ60から返信信号を受信する。
【0034】
すると、復調回路50が、各ICカードA乃至Cからの返信信号に相当する送受信アンテナ40の各受信信号をそれぞれ復調し復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力する。このため、このマイクロコンピュータ10は、図4のステップ210にて、識別情報応答ありとの判断に基づきYESと判定し、ステップ211において、各ICカードA乃至Cの識別コードを識別情報としてセットする。
【0035】
然る後、マイクロコンピュータ10は、図4のステップ212乃至230の繰り返し処理により、各ICカードに対する論理アドレスの割り付けを行う。
【0036】
具体的には、マイクロコンピュータ10は、ステップ212において、ICカードAに対する選択要求信号Srwa(図7参照)を出力する。ここで、選択要求信号Srwaは、選択コマンド並びにメモリ20に記憶してある論理アドレス1及びICカードAの識別コード(識別情報)の組み合わせからなる信号を表す。
【0037】
そして、リーダライタRWでは、変調回路30がマイクロコンピュータ10からの選択要求信号Srwaに基づき変調信号を送信信号として出力し、送受信アンテナ40が、当該送信信号を電磁波を媒体として送信する。
【0038】
すると、ICカードAでは、送受信アンテナ60が当該送信信号を受信し、受信信号として出力すると、この受信信号が復調回路80により選択要求信号Srwaを表す復調信号としてマイクロコンピュータ100に入力される。
【0039】
これに伴い、ICカードAでは、マイクロコンピュータ100が、図6のステップ320にて、選択要求信号Srwaの識別コードを前提にICカードAに対する選択要求ありとの判断に基づきYESと判定する。そして、マイクロコンピュータ100は、ステップ330にて、選択要求信号Srwaの論理アドレス1に基づきICカードAに対し当該論理アドレス1を割り付けられたと判断し、割り付け応答信号Sa(図7参照)を出力する。ここで、割り付け応答信号Saは、割り付けレスポンスコードに論理アドレス1を組み合わせた信号である。
【0040】
すると、ICカードAにて、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの割り付け応答信号Saに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号は、送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0041】
ついで、リーダライタRWにおいて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60からの当該返信信号(割り付け応答信号Saを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路80により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。このため、マイクロコンピュータ10は、図4のステップ213にてICカードAの論理アドレス1の割り付け応答をセットする。
【0042】
このステップ213の処理後、マイクロコンピュータ10は、選択要求未実施のICカード(ICカードB、C)があることにより、ステップ220にてYESと判定し、論理アドレスの残り(論理アドレス2)があるため論理アドレスの割りつけ可能であることにより、ステップ230にてYESと判定する。
【0043】
これに伴い、マイクロコンピュータ10は、ステップ212において、ICカードBに対する選択要求信号Srwb(図7参照)を出力する。ここで、選択要求信号Srwbは、選択コマンド並びにメモリ20に記憶してある論理アドレス2及びICカードBの識別コード(識別情報)の組み合わせからなる信号を表す。
【0044】
そして、リーダライタRWでは、変調回路30がマイクロコンピュータ10からの選択要求信号Srwbに基づき変調信号を送信信号として出力し、送受信アンテナ40が、当該送信信号を電磁波を媒体として送信する。
【0045】
すると、ICカードBでは、送受信アンテナ60が当該送信信号を受信し、受信信号として出力すると、この受信信号が復調回路80により選択要求信号Srwbを表す復調信号としてマイクロコンピュータ100に入力される。
【0046】
これに伴い、ICカードBでは、マイクロコンピュータ100が、図6のステップ320にて、選択要求信号Srwbの識別コードを前提にICカードBに対する選択要求ありとの判断に基づきYESと判定する。そして、マイクロコンピュータ100は、ステップ330にて、選択要求信号Srwbの論理アドレス2に基づきICカードBに対し当該論理アドレス2を割り付けられたと判断し、割り付け応答信号Sb(図7参照)を出力する。ここで、割り付け応答信号Sbは、割り付けレスポンスコードに論理アドレス2を組み合わせた信号である。
【0047】
すると、ICカードBにて、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの割り付け応答信号Sbに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号は、送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0048】
ついで、リーダライタRWにおいて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60からの当該返信信号(割り付け応答信号Sbを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路80により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。このため、マイクロコンピュータ10は、図4のステップ213にてICカードBの論理アドレス2の割り付け応答をセットする。
【0049】
このステップ213の処理後、マイクロコンピュータ10は、選択要求未実施のICカード(ICカードC)があることにより、ステップ220にてYESと判定し、論理アドレスの残りがないため論理アドレスの割りつけ不能であることにより、ステップ230にてNOと判定する。
【0050】
以上のようにしてステップ230までの処理が終了すると、マイクロコンピュータ10は、図4のステップ240において、選択済みのICカードA、Bの制御のためのコマンドの実行であることから、YESと判定し、ステップ241にて、ICカードAに対するコマンドの実行を行い、リード要求信号Rrwa(図7参照)を出力する。ここで、リード要求信号Rrwaは、リードコマンド、論理アドレス1及びICカードAに対するリード要求情報の組み合わせからなる信号である(図7参照)。
【0051】
しかして、変調回路30がリード要求信号Rrwaに基づき変調信号を送信信号として出力すると、この送信信号が送受信アンテナ40によりコマンド信号の一つとして電磁波を媒体として送信される。
【0052】
これに伴い、ICカードAでは、送受信アンテナ60が当該コマンド信号(リード要求信号Rrwaを表す)を受信して受信信号として出力すると、復調回路80が当該受信信号を復調し復調信号として出力する。
【0053】
このため、ICカードAでは、マイクロコンピュータ100は、図6のステップ340にて、コマンド要求ありであることからYESと判定する。そして、ステップ350において、当該コマンド、即ち、リード要求信号Rrwaの論理アドレス1が、ICカードAに割り付けられた論理アドレスと一致することから、YESとの判定がなされる。
【0054】
さらに、ICカードAでは、マイクロコンピュータ100が、リード要求信号Rrwaは論理アドレス開放要求ではないことから、ステップ360にて、NOと判定し、その後、ステップ370において、リード要求信号Rrwaに基づくコマンドの実行を行う。例えば、マイクロコンピュータ100のリード情報がリード応答信号Ra(図7参照)として出力される。ここで、リード応答信号Raは、リードレスポンスコード、論理アドレス1及びリード情報の組み合わせからなる信号である。
【0055】
しかして、ICカードAでは、変調回路110が、リード応答信号Raに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号が送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0056】
その後、リーダライタRWにて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60の返信信号(リード応答信号Raを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路50により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。これに伴い、このマイクロコンピュータ10は、ステップ241にて、ICカードAからのリード情報を読み出しデータとしてセットする。
【0057】
この処理後、現段階では、すべての選択済みICカードへのコマンドの実行が終了していないため、図4のステップ250においてNOと判定される。
【0058】
これに伴い、マイクロコンピュータ10は、図4のステップ240において、再び、YESと判定し、ステップ241にて、ICカードBに対するコマンドの実行を行い、リード要求信号Rrwb(図7参照)を出力する。ここで、リード要求信号Rrwbは、リードコマンド、論理アドレス2及びICカードBに対するリード要求情報の組み合わせからなる信号である(図7参照)。
【0059】
しかして、変調回路30がリード要求信号Rrwbに基づき変調信号を送信信号として出力すると、この送信信号が送受信アンテナ40によりコマンド信号の一つとして電磁波を媒体として送信される。
【0060】
これに伴い、ICカードBでは、送受信アンテナ60が当該コマンド信号(リード要求信号Rrwbを表す)を受信して受信信号として出力すると、復調回路80が当該受信信号を復調し復調信号として出力する。
【0061】
このため、ICカードBでは、マイクロコンピュータ100は、図6のステップ340にて、コマンド要求ありであることからYESと判定する。そして、ステップ350において、当該コマンド、即ち、リード要求信号Rrwbの論理アドレス2が、ICカードBに割り付けられた論理アドレスと一致することから、YESとの判定がなされる。
【0062】
さらに、ICカードBでは、マイクロコンピュータ100が、リード要求信号Rrwbは論理アドレス開放要求ではないことから、ステップ360にて、NOと判定し、その後、ステップ370において、リード要求信号Rrwbに基づくコマンドの実行を行う。例えば、マイクロコンピュータ100のリード情報がリード応答信号Rb(図7参照)として出力される。ここで、リード応答信号Rbは、リードレスポンスコード、論理アドレス2及びリード情報の組み合わせからなる信号である。
【0063】
しかして、ICカードBでは、変調回路110が、リード応答信号Rbに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号が送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0064】
その後、リーダライタRWにて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60の返信信号(リード応答信号Rbを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路50により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。これに伴い、このマイクロコンピュータ10は、ステップ241にて、ICカードBからのリード情報を読み出しデータとしてセットする。
【0065】
この処理後、すべての選択済みICカードへのコマンドの実行が終了したことから、図4のステップ250においてYESと判定される。
【0066】
この判定に基づき未選択ICカードへのコマンド実行の段階に達しているとの判断により、マイクロコンピュータ10は、図5のステップ260において、YESと判定し、次のステップ261にて、論理アドレス1の開放を要求する論理アドレス開放要求信号Lrw(図8参照)を出力する。ここで、この論理アドレス開放要求信号Lrwは、開放コマンドと開放要求の対象である論理アドレス1とを組み合わせた信号である。
【0067】
そして、変調回路30が、論理アドレス開放要求信号Lrwに基づき変調信号送信信号として出力すると、この送信信号が、送受信アンテナ40により電磁波を媒体として送信される。
【0068】
これに伴い、ICカードAにおいて、送受信アンテナ60が当該送信信号(論理アドレス開放要求信号Lrwを表す)を受信して受信信号として復調回路80に出力する。このため、当該受信信号が復調回路80により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ100に入力される。
【0069】
このため、ICカードAにおいて、マイクロコンピュータ100は、図6のステップ360にて、YESと判定し、ステップ380において、論理アドレス1を開放し、この開放を表す論理アドレス開放応答信号La(図8参照)を出力する。ここで、当該論理アドレス開放応答信号Laは、開放レスポンスコードと論理アドレス1とを組み合わせた信号である。
【0070】
ついで、変調回路110が、論理アドレス開放応答信号Laに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号が送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0071】
これに伴い、リーダライタRWにおいて、送受信アンテナ40が当該返信信号(論理アドレス開放応答信号Laを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路50により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。このため、マイクロコンピュータ10は、図5のステップ262にて、ICカードAに対する論理アドレス1の割り付けが既に開放されていることから、未選択ICカード(ICカードC)への選択要求信号Srwc(図8参照)を出力する。ここで、選択要求信号Srwcは、選択コマンド、論理アドレス1及びICカードCの識別コード(識別情報)の組み合わせからなる信号である。
【0072】
そして、リーダライタRWでは、変調回路30がマイクロコンピュータ10からの選択要求信号Srwcに基づき変調信号を送信信号として出力し、送受信アンテナ40が、当該送信信号を電磁波を媒体として送信する。
【0073】
すると、ICカードCでは、送受信アンテナ60が当該送信信号を受信し、受信信号として出力すると、この受信信号が復調回路80により選択要求信号Srwcを表す復調信号としてマイクロコンピュータ100に入力される。
【0074】
これに伴い、ICカードCでは、マイクロコンピュータ100が、図6のステップ320にて、選択要求信号Srwcの識別コードを前提にICカードCに対する選択要求ありとの判断に基づきYESと判定する。そして、マイクロコンピュータ100は、ステップ330にて、選択要求信号Srwcの論理アドレス1に基づきICカードCに対し当該論理アドレス1を割り付けられたと判断し、割り付け応答信号Sc(図8参照)を出力する。ここで、割り付け応答信号Scは、割り付けレスポンスコードに論理アドレス1を組み合わせた信号である。
【0075】
すると、ICカードCにて、変調回路110が、マイクロコンピュータ100からの割り付け応答信号Scに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号は、送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0076】
ついで、リーダライタRWにおいて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60からの当該返信信号(割り付け応答信号Scを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路80により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。このため、マイクロコンピュータ10は、図5のステップ263にて、ICカードCの論理アドレス1の割り付け応答をセットする。
【0077】
この処理後、マイクロコンピュータ10は、ステップ264にて、ICカードCに対するコマンドの実行を行い、リード要求信号Rrwc(図8参照)を出力する。ここで、リード要求信号Rrwcは、リードコマンド、論理アドレス1及びICカードCに対するリード要求情報の組み合わせからなる信号である(図8参照)。
【0078】
しかして、変調回路30がリード要求信号Rrwcに基づき変調信号を送信信号として出力すると、この送信信号が送受信アンテナ40によりコマンド信号の一つとして電磁波を媒体として送信される。
【0079】
これに伴い、ICカードCでは、送受信アンテナ60が当該コマンド信号(リード要求信号Rrwcを表す)を受信して受信信号として出力すると、復調回路80が当該受信信号を復調し復調信号として出力する。
【0080】
このため、ICカードCでは、マイクロコンピュータ100は、図5のステップ340にて、コマンド要求ありであることからYESと判定する。そして、ステップ350において、当該コマンド、即ち、リード要求信号Rrwcの論理アドレス1が、ICカードCに割り付けられた論理アドレスと一致することから、YESとの判定がなされる。
【0081】
さらに、ICカードCでは、マイクロコンピュータ100が、リード要求信号Rrwcは論理アドレス開放要求ではないことから、ステップ360にて、NOと判定し、その後、ステップ370において、リード要求信号Rrwcに基づくコマンドの実行を行う。例えば、マイクロコンピュータ100のリード情報がリード応答信号Rc(図8参照)として出力される。ここで、リード応答信号Rcは、リードレスポンスコード、論理アドレス1及びリード情報の組み合わせからなる信号である。
【0082】
しかして、ICカードCでは、変調回路110が、リード応答信号Rcに基づき変調信号を返信信号として出力すると、この返信信号が送受信アンテナ60により電磁波を媒体として返信される。
【0083】
その後、リーダライタRWにて、送受信アンテナ40が送受信アンテナ60の返信信号(リード応答信号Rcを表す)を受信すると、この受信信号が復調回路50により復調されて復調信号としてマイクロコンピュータ10に入力される。これに伴い、このマイクロコンピュータ10は、ステップ264にて、ICカードCからのリード情報を読み出しデータとしてセットする。
【0084】
以上述べたように、単一のリーダライタRWと通信するICカードの数が論理アドレスの数よりも多くても、各ICカードに対する論理アドレスの割り付け後、これらICカードとリーダライタRWとの通信を行い、その後、論理アドレスを割り付けたICカードから当該論理アドレスを開放し、この開放論理アドレスを、論理アドレスを割り付けしてないICカードに割り付けるようにしたので、限られた数の論理アドレスにて、論理アドレスの数以上のICカードの制御を可能とする。
【0085】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた非接触式ICカード制御システムは、電話機に限ることなく、ディスペンサー等に採用して実施してもよい。
【0086】
また、本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた両マイクロコンピュータ10、100に代えて、これら両マイクロコンピュータ10、100と同様の機能を発揮するディスクリートなアナログ回路やディジタル回路からなる専用制御回路を採用して実施してもよい。
【0087】
また、上記実施形態にて述べたマイクロコンピュータ10、メモリ20、変調回路30及び復調回路50については、これらの全体或いは一部を単一のチップのIC素子により構成してもよい。また、上記実施形態にて述べたメモリ90、マイクロコンピュータ100、電源回路70、変調回路110及び復調回路80については、これらの全体或いは一部を単一のチップのIC素子により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のリーダライタのブロック図である。
【図3】図1の各ICカードのブロック図である。
【図4】図1のリーダライタのマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの前段部である。
【図5】図1のリーダライタのマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの後段部である。
【図6】図1の各ICカードのマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。
【図7】リーダライタと各ICカードとの間の制御のやりとりの一部分を示す図である。
【図8】リーダライタと各ICカードとの間の制御のやりとりの残りの部分を示す図である。
【符号の説明】
A乃至C…ICカード、RW…リーダライタ、
10、100…マイクロコンピュータ、20、90…メモリ、
30、110…変調回路、40、60…送受信アンテナ、
50、80…復調回路。
Claims (2)
- リーダライタから識別情報を要求する識別情報要求信号を受信すると、識別情報を表す識別情報応答信号を前記リーダライタに送信する手段と、
前記リーダライタから論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を受信すると、当該ICカードがその論理アドレスに割り付けられたことを判断し、割り付け応答信号を前記リーダライタに送信する手段と、
前記リーダライタから当該ICカードを制御するためのコマンド信号を受信すると、そのコマンドの論理アドレスが前記割り付けられた論理アドレスと一致することを判定して、そのコマンドを実行する手段と、
前記リーダライタから前記割り付けられた論理アドレスの開放を要求する論理アドレス開放要求信号を受信すると、前記割り付けられた論理アドレスを開放し、論理アドレスの開放を表す論理アドレス開放応答信号を前記リーダライタに送信する手段とを備えたICカード。 - ICカードに識別情報を要求する識別情報要求信号を送信する手段と、
前記識別情報要求信号に対し識別情報を表す識別情報応答信号を返信したICカードのうち、論理アドレスの割り付けが可能な数のICカードに対して、論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を送信するとともにそのICカードから割り付け応答信号を受信するようにして、論理アドレスの割り付けを行い、その論理アドレスを用いてICカードを制御するためのコマンド信号を送信する手段と、
前記論理アドレスが割り付けられたICカードに対する制御が終了したことを判定すると、前記論理アドレスが割り付けられたICカードに論理アドレスの開放を要求する論理アドレス開放要求信号を送信するとともにそのICカードから論理アドレスの開放を表す論理アドレス開放応答信号を受信するようにして、論理アドレスの開放を行う手段と、
前記識別情報応答信号を返信したICカードのうち論理アドレスが割り付けられていないICカードがある場合には、そのICカードに対し、前記開放された論理アドレスを割り付けるための選択要求信号を送信するとともにそのICカードから割り付け応答信号を受信するようにして前記開放された論理アドレスの割り付けを行い、その論理アドレスを用いてICカードを制御するためのコマンド信号を送信する手段とを備えたリーダライタ。
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