JP3726026B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものであり、詳しくは、カブリ現象が少なく且つ良好な画質を与える静電荷像現像用トナーの経済的有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略記する。)は、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂中に着色剤と必要に応じてトナー特性付与剤(例えば、帯電制御剤、磁性粒子など)を分散した1〜50μm、好適には分級平均径で3〜15μmの樹脂粒子である。そして、トナーのみから成る1成分現像剤、キャリアとの混合物から成る2成分現像剤として使用される。
【0003】
一般に、上記のトナーは、トナー原料を混合し、溶融押出機などで混練し、次いで、冷却したのち粉砕して製造される。斯かるトナーの製造において、特に、粉砕プロセスは、トナーの特性に影響を与える重要な工程である。すなわち、過粉砕されたトナーはカブリ現象が生じ、粉砕不十分のトナーは画質を低下させる。
【0004】
トナーを製造するための粉砕プロセスは、通常、粗粉砕工程、中粉砕工程、微粉砕工程の3工程から構成される。斯かる粉砕プロセスは、例えば、特開昭58−42057号によって提案されている。上記の特許公報に記載された粉砕プロセスでは、先ず、溶融押出機から板状などに押し出されて冷却固化されたトナー材料をハンマー式粉砕機にて粗粉砕し、次いで、衝撃式粉砕機にて中粉砕し、更に、ジェット式粉砕機にて微粉砕する。そして、その後、分級処理してトナーを回収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の粉砕プロセスでは、中粉砕工程および微粉砕工程での消費エネルギーが大きく経済的に有利な方法とは言えない。また、ジェット式粉砕機による粉砕では、微粉の発生が15〜40%とかなり多く、それがために、製品トナーへの微粉の混入を招き易く、微粉を除去するためのに生産効率が悪く、しかも、除去した微粉を再利用する際には追加エネルギーを必要とする。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、カブリ現象が少なく且つ良好な画質を与える静電荷像現像用トナー製造方法であって、トナー原料の過粉砕による微粉発生が少なく、得られるトナーにおいて粒径分布のバラツキを一層低減することが出来、そして、所定粒径の製品トナーを効率的に製造し得る経済的に有利な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも樹脂および着色剤を含有して成るトナー原料を溶融混練して冷却した後、粗粉砕し、次いで、衝撃式粉砕機で粉砕するにあたり、当該衝撃式粉砕機として、内側表面に突起が多数設けられた固定子と外側表面に突起が多数設けられた回転子とが微小間隙を設けて配置された粉砕部を備え、前記固定子の突起は、回転軸に直交して断面視した場合、前記回転子の回転方向に傾倒した略三角形が連続する波形状に形成され、前記回転子の突起は、回転軸に直交して断面視した場合、当該回転子の回転方向と逆方向に傾倒した略三角形が連続する波形状に形成され、かつ、前記固定子と前記回転子の各突起の長辺部および短辺部は、その突起の傾倒方向と同方向に傾斜し、そして、前記微小間隙が2mmに設定された衝撃式粉砕機を使用することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明においては、トナー原料を混合し、溶融押出機などで混練して板状などに押し出して冷却固化する。トナー原料としては、バインダー樹脂と着色剤とが必須成分として使用されるが、必要に応じ、例えば、帯電制御剤を使用することも出来る。
【0009】
樹脂としては、例えば、トナーに適した公知の各種の樹脂を使用することが出来る。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
【0010】
上記のスチレン系樹脂は、スチレン若しくはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合体であり、具体的には、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
【0011】
上記の樹脂の中では、特に、スチレン系樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂が好適に使用される。また、特公昭51−23354号公報や特開昭50−44836号公報に記載された架橋系バインダー樹脂、特公昭55−6895号公報や特公昭63−32180号公報に記載されている非架橋系バインダー樹脂を使用することも出来る。そして、これらの樹脂は、2種以上を併用することも出来る。
【0012】
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン、ベンジジンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルー等が好適に使用される。着色剤は、熱可塑性樹脂100重量部当たり、通常、0.1〜30重量部、好ましくは3〜15重量部の割合で使用される。
【0013】
帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、ニグロシン染料、トリフェニルメタン染料、スチレン−アミノアクリレート共重合体、ポリアミン樹脂などの正帯電制御剤、モノアゾ系金属錯塩などの負帯電制御剤が挙げられる。帯電制御剤熱可塑性樹脂100重量部当たり、通常、0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0014】
また、本発明においては、各種のトナー特性付与剤を使用することも出来る。例えば、オフセット防止のため、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスを使用することが出来る。また、流動性および耐凝集性の向上のために、チタニア、アルミナ、シリカ等の無機微粒子を使用することが出来る。これらのトナー特性付与剤は、熱可塑性樹脂100重量部当たり、通常、0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0015】
次に、本発明においては、冷却固化されたトナー材料を粉砕する。本発明の粉砕プロセスは少なくとも2つの粉砕工程から構成される。第1の粉砕工程では、トナー材料をハンマー式粉砕機などの粗粉砕機にて粗粉砕する。粗粉砕の程度は、重量平均粒径として、100〜1000μmの範囲が好適である。ここに、重量平均粒径は、粒径−重量分布のメジアン値粒径であり、例えば、コールタエレクトロニクス社製コールカウンタで測定することが出来る。本発明の特徴は、第2の粉砕工程に存し、粗粉砕されたトナー材料を特定の粉砕部を備えた衝撃式粉砕機で粉砕する。
【0016】
従来、一般的な固体物質をミクロンオーダ乃至は10数ミクロンの微細な粒子に微粉砕し得る粉砕機として、幾つかの粉砕機が提案されている。例えば、特開昭59−105853号公報公報には、内側表面に波形状の突起を多数有する固定子と外側表面に凹凸状の突起を多数有する回転子とを微小間隙を設けて配置して成る粉砕部を備えた縦型粉砕機が提案されている。そして、本公開公報によれば、従来技術として、固定子および回転子の突起が共に凹凸状になされた粉砕機、固定子の突起が凹凸状になされ且つ回転子の突起が平板の埋め込みによって形成された縦型粉砕機が記載されている。そして、上記の公開公報に記載の粉砕部と同様の粉砕部を有する縦型粉砕機は、特開昭59−18994号公報および同59−196751号によっても提案されている。
【0017】
また、特開昭59−127651号公報には、木屑、オガ屑などの繊維質の植物性物質またはゴム等の軟質物質を数10ミクロンまで容易に粉砕し得る粉砕機として、シャープな鋭角な粉砕刃を持つ突起を内側表面に多数有する固定子と外側表面にシャープな鋭角な粉砕刃を持つ突起を多数有する回転子とを微小間隙を設けて配置して成る粉砕部を備えた縦型粉砕機が提案されている。そして、上記の突起の形状としては、波形状と逆台形状が開示されている。
【0018】
また、特開昭63−104658号公報には、前述の特開昭59−105853号公報の提案と同様に、一般的な固体物質をミクロンオーダ乃至は10数ミクロンの微細な粒子に微粉砕し得る粉砕機として、固定子および回転子の突起が共に凹凸状になされた粉砕部、固定子の突起が凹凸状になされ且つ回転子の突起が平板の埋め込みによって形成された粉砕部、または、固定子および回転子の突起が共に波形状になされた粉砕部の何れかを備えた縦型粉砕機が提案されている。
【0019】
本発明においては、特開昭59−127651号公報にて提案された粉砕機におけるのと同様の粉砕部、すなわち、内側表面に波形状の突起を多数有する固定子と外側表面に波形状の突起を多数有する回転子とを微小間隙を設けて配置して成る粉砕部を備えた粉砕機を使用することが必要である。
【0020】
すなわち、前述の公開公報により、各種の突起形状の粉砕部が提案されているが、本発明者等の知見によれば、意外にも、ミクロンオーダ乃至は10数ミクロンの微細な粒子に微粉砕し得るのに好適な粉砕機として提案された粉砕機における粉砕部ではなく、逆に、数10ミクロンの粉砕に好適な粉砕機として提案された特開昭59−127651号公報記載の粉砕機におけるのと同様の粉砕部を備えた粉砕機を使用するならば、従来の中粉砕工程および微粉砕工程の代えて、1つの粉砕工程のみでカブリ現象が少なく且つ良好な画質を与えるトナーを製造することが出来る。
【0021】
図1は、本発明で使用する衝撃式粉砕機の一例の断面図であり、図2は、図1におけるA−A線に沿った矢視断面図である。本発明で使用する粉砕機は、特開昭59−127651号公報記載の縦型粉砕機に限定されず、横型であってもよい。本発明で使用する例えば横型粉砕機は、基本的には、水平回転軸(2)に支持され且つ外側表面の母線に沿って多数の突起(3)を有する回転子(1)と、当該回転子との間に微小間隙を設けて嵌装され且つ内側表面の母線に沿って多数の突起(5)を有する固定子(6)との間に形成される粉砕部(4)を具備して構成される。
【0022】
固定子(6)を構成するケーシングの左側上部と右側上部には、それぞれ、供給口(7)および排出口(8)とが設けられている。また、回転子(1)の左側面と右側面には、それぞれ、回転子(1)と一体に高速回転する攪拌羽根(9)、(10)が固設されているが、これらの攪拌羽根は省略することも出来る。
【0023】
本発明で使用する粉砕機においては、固定子(6)および回転子(1)の突起(5)、(3)は、回転軸(2)に直交して断面視した場合、図2に示す様に、共に略三角形が連続する波形状に成されていることが重要である。波形状突起(5)は、略三角形の凹部(5a)と凸部(5b)とを連続して形成することにより、回転子(1)の回転方向に傾倒した略三角形が連続する波形状とされ、また、波形状突起(3)は、略三角形の凹部(3a)と凸部(3b)とを連続して形成することにより、回転子(1)の回転方向と逆方向に傾倒した略三角形が連続する波形状とされる。
【0024】
すなわち、固定子(6)および回転子(1)の突起(5)、(3)は、略三角形の均一に配列された波形状の突起として形成される。そして、各突起(5)、(3)の先端部の角度(突起を形成する回転方向前方側の傾斜面と回転方向後方側の傾斜面とのなす角度)、ならびに、突部間の凹部(溝)の角度は鋭角に設定される。換言すれば、図2に示す様に、固定子(6)と回転子(1)の各突起(5)、(3)の長辺部および短辺部は、その突起の傾倒方向と同方向に傾斜している。図2に示すような形状に突起(5)、(3)を形成することにより、融点の高い柔軟なトナー原料でも、付着や閉塞なく粉砕できる。
【0025】
回転子(1)の回転方向は、図2中において矢印で示した方向、すなわち、固定子(6)の波形状の突起(5)と回転子(1)の波形状の突起(3)との各波形が衝突しない方向、換言すれば、固定子(6)の波形状の突起(5)に対して、回転子(1)の波形状の突起(3)がなめるように回転する方向にするのが好ましい。
【0026】
ところで、前述した通り、従来の粉砕機で言えば、製造すべきトナーの粒径よりも遥かに大きな数10ミクロンと言う粒径を得るための粉砕に好適な粉砕機を使用するならば、意外にも、好適な粒径のトナーが得られることが見出された。すなわち、本発明において、回転子(1)と固定子(6)との間に設けられる微小間隙(t)は、通常、数mm以下とされるが、2mm前後の範囲が好ましい。本発明においては、上記のような突起(5)、(3)の形状に加え、回転子(1)と固定子(6)の間の微小間隙(t)を上記のように設定することにより、過粉砕による微粉の発生や粒径分布のバラツキを一層低減することが出来、そして、後述するような所定粒径の製品トナーを効率的に生産できる。
【0027】
粗粉砕されたトナー材料は、前述の粉砕機により次のように処理される。すなわち、上記のトナー材料は、供給口(7)から供給され、回転子(1)によって起こる気流によって粉砕部(4)に送り込まれて粉砕された後、回転子(1)によって起こる気流によって排出口(8)から排出される。粉砕機の運転条件は適宜選択されるが、雰囲気温度は30〜50℃、回転子(1)の周速は100〜200m/secの範囲から選択するのがよい。
【0028】
前述の粉砕機にて処理され、排出口(8)から排出されたトナー原料は、通常、分級処理される。そして、所望の粒径範囲の微粉砕品のみがトナーとして回収される。トナーの平均粒径は、3〜15μmの範囲が好適である。分級装置としては、特に制限されず、各種の分級機、例えば、風力分級機やコアンダ効果を利用した多分割分級機などを採用することが出来る。そして、僅かに生じる粗大のトナー材料は、前述の粉砕機に循環して再粉砕することが出来、過粉砕されたトナー材料は、溶融押出機に循環することが出来る。
【0029】
上記のようにして得られたトナーには、必要に応じ、磁性粒子などの添加剤を添加することが出来る。磁性粒子としては、フェライト、マグネタイトを始め、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性元素を含む合金または化合物が挙げられる。磁性粒子は、熱可塑性樹脂100重量部当たり、通常、20〜70重量部の割合で使用される。
【0030】
本発明の製造方法によれば、前述のような2つの粉砕工程を経て製造すると共に、衝撃式粉砕機として、粉砕部(4)の固定子(6)および回転子(1)の突起(5)、(3)が図2に示すような特有の形状になされ且つ突起(5)、(3)の間の微小間隙(t)が特定の隙間距離に設定された衝撃式粉砕機を使用することにより、トナー原料の過粉砕を抑制でき且つ得られるトナーにおいて粒径分布のバラツキを一層低減でき、しかも、融点の高い柔軟なトナー原料であっても付着や閉塞がなく、所定粒径のトナーを効率的に製造できる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1;
先ず、スチレンアクリレート共重合体(軟化点145℃、ガラス転移点64℃)100重量部、カーボンブラック(三菱化成株式会社製「MA100」、6重量部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成株式会社製「ビスコール550P」)1重量部、帯電制御剤(オリエント化学株式会社製の4級アンモニウム塩「ボントロンP51」)2重量部を配合してトナー原料を調製し、溶融押出機にて混練し、冷却ベルト上に板状に押し出して冷却固化した。
【0032】
次いで、冷却固化されたトナー原料をハンマーミルにて粉砕し、重量平均粒径300μm前後に粗粉砕した後、図1に示す構造を有し、回転子と固定子との間の微小間隙が約2mmの横型粉砕機に150Kg/Hrの速度で供給し、雰囲気温度50℃以下、回転子の周速150m/secの運転条件で粉砕した。続いて、分級機にて上記の粉砕されたトナー原料を分級し、分級平均径8.0μmのトナーを回収した。分級平均径4μm以下の微粉砕品の発生率は20%であった。また、粉砕および分級工程における消費電力は、トナー1t当たり約2,500KWHであった。
【0033】
上記のトナー4重量部とフェライト粉末をコア材とするキャリアー100重量部とを混合して現像剤となし、有機光導電体を感光体とした複写機を使用して実写テストを行った。なお、実写テストにおける補給用トナーには、上記の現像剤に使用したのと同一のトナーを使用した。実写テストの結果は、カブリが無くコピー濃度も適切であり実写品質は良好であった。また、その他の使用上の不都合も無かった。
【0034】
実施例2;
先ず、スチレンアクリレート共重合体(軟化点145℃、ガラス転移点64℃)100重量部、カーボンブラック(三菱化成株式会社製「♯30」5.5重量部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成株式会社製「ビスコール550P」)2重量部、帯電制御剤(オリエント化学株式会社製の4級アンモニウム塩「ボントロンP51」)2重量部を配合してトナー原料を調製し、溶融押出機にて混練し、冷却ベルト上に板状に押し出して冷却固化した。
【0035】
次いで、冷却固化されたトナー原料をハンマーミルにて粉砕し、重量平均粒径300μm前後に粗粉砕した後、実施例1と同様の横型粉砕機に200Kg/Hrの速度で供給し、雰囲気温度50℃以下、回転子の周速138m/secの運転条件で粉砕した。続いて、分級機にて上記の粉砕されたトナー原料を分級し、分級平均径10.5μmのトナーを回収した。分級平均径6μm以下の微粉砕品の発生率は15%であった。また、粉砕および分級工程における消費電力は、トナー1t当たり2,500KWHであった。
【0036】
比較例1;
先ず、実施例1と同一組成の粗粉砕トナー原料を衝撃式粉砕機にて中粉砕し、更に、ジェット式粉砕機にて微粉砕した。衝撃式粉砕機には、固定子の突起が凹凸状になされ且つ回転子の突起が平板の埋め込みによって形成された粉砕部を具備する衝撃式粉砕機(ターボ工業社製「ターボミルT400」)を使用し、ジェット式粉砕機には、日本ニューマチック工業社製超音速ジェットミル「I−10」を使用した。そして、粗粉砕トナー原料は、50Kg/Hrの速度で衝撃式粉砕機に供給し、雰囲気温度50℃以下、回転子の周速115m/secの運転条件で粉砕した。
【0037】
次いで、分級機にて上記の粉砕されたトナー原料を分級し、分級平均径10.5μmのトナーを回収した。分級平均径6μm以下の微粉砕品の発生率は40%であった。また、粉砕および分級工程における消費電力は、トナー1t当たり5,000KWHであった。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、カブリ現象が少なく且つ良好な画質を与える静電荷像現像用トナー製造方法であって、微粉発生が少なくて生産効率が良好な経済的有利な製造方法が提供され、本発明の工業価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する衝撃式粉砕機の一例の断面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った矢視図であり、固定子および回転子の各突起の形状ならびに微小間隙を示す断面図である。
【符号の説明】
1 :回転子
2 :回転軸
3 :突起
4 :粉砕部
5 :突起
6 :固定子
7 :供給口
8 :排出口
9 :攪拌羽根
10:攪拌羽根
t :微小間隙
Claims (1)
- 少なくとも樹脂および着色剤を含有して成るトナー原料を溶融混練して冷却した後、粗粉砕し、次いで、衝撃式粉砕機で粉砕するにあたり、当該衝撃式粉砕機として、内側表面に突起が多数設けられた固定子と外側表面に突起が多数設けられた回転子とが微小間隙を設けて配置された粉砕部を備え、前記固定子の突起は、回転軸に直交して断面視した場合、前記回転子の回転方向に傾倒した略三角形が連続する波形状に形成され、前記回転子の突起は、回転軸に直交して断面視した場合、当該回転子の回転方向と逆方向に傾倒した略三角形が連続する波形状に形成され、かつ、前記固定子と前記回転子の各突起の長辺部および短辺部は、その突起の傾倒方向と同方向に傾斜し、そして、前記微小間隙が2mmに設定された衝撃式粉砕機を使用することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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