JP3725243B2 - 包装材繰出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、本体モータをメインモータとして被包装物の搬送および上包み動作を行なう包装装置に組み込まれる包装材繰出し装置に関し、更に詳しくは、帯状の包装材を連続的に繰り出し、所定長さに切断するとともに、当該切断した包装材を包装装置上に定められた所定の包装材供給位置に配置する、連続繰出し方式の包装材繰出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装装置には、セロハン,プラスチックフィルム,アルミ箔などの薄い包装材を用いて被包装物をおおい包む形式のものがある。一般に、この種の包装装置を上包機(または上包み機)と称している。
【0003】
図33は箱状の被包装物を対象とする上包機(包装装置)の概要を示す構成図である。
同図に示すように、搬送経路100に沿って搬送されてきた箱状の被包装物Sは、搬送経路100の所定位置に設けられた包装材供給位置101において包装材Fを巻きつけられ(胴巻き)、続いて包装材Fの胴折り,耳折り,下折り,上折りなどの折り込み工程を経て、包装材Fにおおい包まれ、検査,搬出工程などの次工程に移送されていく。
【0004】
ここで、上包機の包装材供給位置101には、包装材繰出し装置が組み込まれている。この包装材繰出し装置は、ローラ103に巻付けられた帯状の包装材Fを繰り出し、被包装物Sの外形寸法に合わせて適宜の長さに切断した後、搬送経路100と交差する位置に配置するための基本構成を備えている。
【0005】
すなわち、包装材繰出し装置には、包装材Fを繰り出すための繰出しローラ、繰り出された包装材Fを所定の長さに切断するカッタが、基本構成要素として備わっている。さらに、必要に応じて包装の開封を容易化するためのテイアテープTを包装材と重ね合わせて繰り出す機構や、包装材Fの切断端にこのテイアテープTの開封端を突片状に形成するための小口カッタ、切断された包装材Fを搬送経路と交差する所定の位置に位置決めするための搬送ベルトなどが、この包装材繰出し装置には備わっている。
【0006】
このような包装材繰出し装置の各構成要素は、包装装置における被包装物の送り込み動作と連係してそれぞれの動作が行なわれなければならない。包装装置は、プッシャと呼ばれる被包装物搬送手段によって、被包装物を包装材供給位置まで間欠的に送り込んでいく。このプッシャによる被包装物の送り込みが行なわれる間に、包装材繰出し装置では、包装材の繰出し,切断,搬送位置決め、さらに必要に応じて小口カッタによる開封端の形成などを終了させる必要がある。
【0007】
ここで、従来の包装材繰出し装置は、各構成要素の駆動を、包装装置に設けた本体モータにより行なわせていた。すなわち、包装材繰出し装置の各構成要素(繰出しローラ,小口カッタ,カッタ,搬送ベルトなど)は、楕円歯車による変速機構を含む動力伝達機構を介して本体モータと機械的に連結され、この本体モータから駆動力を得ていた。包装装置のプッシャも、この本体モータから駆動力を受けて往復運動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、包装装置に供給される被包装物が変更になり、その大きさが変わると、プッシャによる包装材供給位置への送り込みタイミングが変わるとともに、その被包装物を包み込むのに必要となる包装材の長さも変わってくる。
【0009】
したがって、包装装置に供給される被包装物が変更される度に、まず、プッシャによる被包装物の送り込みタイミングと包装材繰出し装置の各構成要素との間の動作タイミングを調整する必要がある。また、包装装置に供給される被包装物の大きさに合わせて、包装材繰出し装置における包装材の送り出し量なども変更する必要がある。
【0010】
これらの調整は、包装材繰出し装置の各構成要素と本体モータとを連結する動力伝達機構に組み込んである楕円歯車を交換することによって行なわれる。
【0011】
しかし、被包装物の大きさに合わせて適切な楕円歯車を選択し、交換する作業は以外と時間がかかり、さらに交換した各楕円歯車の相対的な回転角度の調整(すなわち、各構成要素間の動作タイミング調整)は、熟練者であっても相当な時間を必要としていた。
【0012】
近年、包装分野においても多品種少量化の形態が顕著になってきており、包装対象となる被包装物の変更に伴う、段取り時間の短縮が包装装置全般の課題となっている。
上述の包装装置(上包機)およびそれに組み込まれる包装材繰出し装置についてみれば、被包装物の変更に伴う上述した動作タイミングの調整などを如何に短時間で終了させるかが、多品種少量化に対応する上で解決すべき課題であった。
【0013】
なお、包装材繰出し装置には、連続繰出し方式のものと間欠繰出し方式のものがある。前者は、被包装物の高速供給に対応したものであり、繰出しローラを連続回転させて包装材を常に繰り出していく構成のものである。一方、後者は、被包装物の供給間隔が比較的遅い包装装置に適用されるもので、包装材の繰出し,切断,搬送位置決めなどの一連の動作も間欠的に行なう構成となっている。
【0014】
このうち、後者の間欠繰出し方式は、包装装置側での被包装物の供給間隔が遅いため、包装材繰出し装置の各構成要素が余裕をもって動作できる。したがって、動作タイミングについてもさほど厳密に調整する必要がなく、本体モータの回転と包装材繰出し装置の各構成要素の作動とが同期していなくとも、包装不良を引き起こす確立は少ない。
【0015】
しかしながら、前者の連続繰出し式では、各構成要素の動作相互間にゆとりがなく、包装装置における被包装物の送り込み動作との間にも厳密なタイミング調整が要求されるため、本体モータとの同期をとることが必要となる。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特に連続繰出し方式の包装材繰出し装置について、各種構成要素を個別の駆動モータによって駆動させる構成とすることによって、各種構成要素間の動作タイミングを容易に調整できるとともに、再び同じタイミングに戻したときの再現性もあるようにし、しかも各構成要素が包装装置の本体モータに同期して作動するようにして、高速かつ高精度な連続包装作業を実現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、搬送経路上に供給された被包装物を所定の包装材供給位置に搬送する被包装物搬送手段と、この被包装物搬送手段を駆動する本体モータとを備えた包装装置に組み込まれ、帯状の包装材を所定長さに切断するとともに、当該切断した包装材を包装材供給位置に配置する包装材繰出し装置において、次の構成を備えたことを特徴としている。
【0018】
▲1▼ 本体モータの回転をパルス信号に変換するエンコーダ
▲2▼ エンコーダから出力されたパルス信号を計数して同期パルス信号を出力するカウンタ
▲3▼ 帯状の包装材を連続的に繰り出す繰出しローラ
▲4▼ この繰出しローラを回転駆動する繰出しモータ
▲5▼ 包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設けられ、繰出しローラによって繰り出された包装材を切断する回転式カッタ
▲6▼ 回転式カッタを駆動するカッタ駆動用モータ
▲7▼ カウンタからの同期パルス信号に同期して、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じ回転速度で、繰出しモータを回転させる繰出し制御手段
▲8▼ カウンタからの同期パルス信号に同期して、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、回転式カッタが包装材を切断するように、カッタ駆動用モータの回転速度を制御するカッタ制御手段
【0019】
エンコーダは、本体モータの回転をパルス信号に変換して出力する。このパルス信号の計数により、本体モータの原点(本体原点)に対する回転角度が認識できる。そこで、カウンタによってエンコーダからのパルス信号を計数して、本体モータの本体原点に対する回転角度を示す同期パルス信号を該カウンタから出力する。
【0020】
帯状の包装材は、繰出しローラにより繰り出され、その後、回転式カッタによって所定長さ毎に切断されて包装材供給位置へと搬送される。これら繰出しローラおよび回転式カッタは、それぞれ本体モータとは別個の駆動源である繰出しモータおよびカッタ駆動用モータから駆動力を得て回転する。
そして、これら繰出しモータおよびカッタ駆動用モータは、それぞれ繰出し制御手段およびカッタ制御手段によって、本体モータの回転に同期して作動するように制御されている。
【0021】
本発明の包装材繰出し装置は、高速処理を実現できる連続繰出し方式を採用し、繰出しローラは連続的に包装材を繰り出していく。したがって、この繰出し速度と回転式カッタによる切断動作との間のタイミングを調整することにより、連続して包装材を必要長さに切断することができる。これらのタイミングは、繰出し制御手段およびカッタ制御手段によって、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに対応して正確に制御されるので、過不足のない高精度な包装を実現することができる。
【0022】
しかも供給される被包装物が変更となった際のタイミング調整も、繰出し制御手段およびカッタ制御手段による制御内容を変更するだけでよく、機械的な部品変更や変更部品間の調整が必要ないので、容易かつ迅速に行なうことができる。
【0023】
また、この発明の包装材繰出し装置は、本体モータが逆転した際に、同モータとの同期状態を解除し、繰出しローラや回転式カッタなどの構成要素の逆転を防止する逆転防止手段を備えることが好ましい。
【0024】
この逆転防止手段は、エンコーダから出力されたパルス信号に基づいて、本体モータの逆転を検出してその逆転動作の開始時点における本体モータの回転角度を認識する。そして、本体モータが、逆転した後、再び正転動作に切り換わり、そして検出した逆転動作の開始時点における回転角度に到達するまでの間、エンコーダから出力されたパルス信号の前記カウンタへの出力を禁止する。
【0025】
これにより本体モータが逆転した後、再びもとの回転角度位置に戻るまで、カウンタから同期パルス信号が出力されないため、繰出し制御手段やカッタ制御手段などの制御手段は、繰出しローラや回転式カッタを停止させる。その結果、包装材の逆流などによる損傷や詰まり、蛇行などを防止することができる。
【0026】
また、この発明の包装材繰出し装置は、包装材供給位置へ搬送されるべき被包装物が途切れたときに、本体モータとの同期状態を解除し、繰出しローラや回転式カッタなどの構成要素を停止させる構成とすることが好ましい。
すなわち、搬送経路に被包装物の有無を検出する被包装物検出センサを設けるとともに、当該被包装物検出センサが被包装物なしを検出した後、所定のタイミングで、エンコーダから出力されたパルス信号のカウンタへの出力を停止するクラッチ手段を備えた構成とする。
【0027】
クラッチ手段は、その後に被包装物検出センサが被包装物ありを検出したとき、所定のタイミングで、エンコーダから出力されたパルス信号のカウンタへの出力を開始する。
これにより、包装材供給位置へ搬送されるべき被包装物が途切れたときは、包装材の繰出しを停止することができる。
【0028】
さらに、クラッチ手段が行なうエンコーダから出力されたパルス信号のカウンタへの出力停止動作および出力開始動作に所定の回転角度幅を設け、これら各動作の実行に際して次のような制御を行なう構成としてもよい。
【0029】
すなわち、カウンタへの出力停止動作の際は、上記回転角度幅の間に、エンコーダから入力したパルス信号のカウンタへの出力数を徐々に減少していく。一方、カウンタへの出力開始動作の際は、上記回転角度幅の間に、エンコーダから入力したパルス信号のカウンタへの出力数を徐々に増加していき、上記回転角度幅だけの出力時点で、再びエンコーダからの出力に相当するパルス信号をカウンタへ出力する。
【0030】
このような構成とすることにより、被包装物が途切れた場合に、繰出しローラや回転式カッタの回転をスロー停止させていくことができる。そして、次に繰出しローラや回転式カッタを始動させるときは、本体モータと徐々に同期させていきスロースタートさせることができる。このため、繰出しモータやカッタ駆動用モータにかかる負荷を軽減させることができるとともに、円滑な駆動制御を実現することができる。
【0031】
また、上記カッタ制御手段は、カッタ制御原点設定手段、カッタ速度変換手段、および切断時速度同期手段を含む構成とすることができる。
ここで、カッタ制御原点設定手段は、カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材の切断タイミングに、切断時の回転角度を示すカッタ制御原点アドレスを設定する。また、カッタ速度変換手段は、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式カッタの切断時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、カッタ駆動用モータを駆動する。
【0032】
そして、切断時速度同期手段は、カッタ制御原点設定手段により設定されたカッタ制御原点アドレスのタイミングに、回転式カッタの切断時速度を合わせる。これにより、包装材の繰出し量(被包装物の大きさに対応)に応じた適正な回転式カッタの速度制御を実現することができる。特に、包装材の切断時における回転式カッタの速度を適正なものとすることができる。
【0033】
さらに、この発明の包装材繰出し装置は、回転式カッタの切断動作時の回転角度を示すカッタ原点を検出したときカッタ原点検出信号を出力するカッタ原点検出センサを設けることにより、カッタ制御手段が次のような制御を行なう構成としてもよい。
【0034】
すなわち、カッタ制御手段は、カッタ原点検出センサからのカッタ原点検出信号を入力し、当該カッタ原点検出信号の入力タイミングと、カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、カッタ原点検出信号の入力タイミングに、回転式カッタの切断時速度を合わせる。
このような構成とすれば、包装材に対する現実の切断動作時点において、常に回転式カッタを適正な回転速度とすることができる。
【0035】
さらにまた、上記のカッタ制御手段は、次のような制御を行なう構成としてもよい。すなわち、カッタ制御手段は、カッタ原点検出信号の入力タイミングと、カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、このタイミングずれをなくすために必要な回転式カッタの速度補正値を算出する。そして、カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、算出した速度補正値に基づき回転式カッタの速度を補正する。
これにより、回転式カッタの回転角度ずれを適時補正して、包装材を安定して所望の長さに切断することができる。
【0036】
この発明の包装材繰出し装置は、回転式小口カッタを備えた構成とすることもできる。この回転式小口カッタは、繰出しローラによって繰り出された包装材に開封端形成用の切欠きを形成するもので、包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設け、小口カッタ駆動用モータによって駆動する。
【0037】
このような構成とした場合は、小口カッタ制御手段を付加し、この小口カッタ制御手段によりカウンタからの同期パルス信号に同期して、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、回転式小口カッタが包装材を切欠くように、小口カッタ駆動用モータの回転速度を制御する。
【0038】
これにより本体モータに同期して高精度に小口カッタを制御することができ、しかも供給される被包装物が変更となった際のタイミング調整も、小口カッタ制御手段による制御内容を変更するだけでよく、機械的な部品変更や変更部品間の調整が必要ないので、容易かつ迅速に行なうことができる。
【0039】
また、上記小口カッタ制御手段は、小口カッタ制御原点設定手段、小口カッタ速度変換手段、および切断時速度同期手段を含む構成とすることができる。
ここで、小口カッタ制御原点設定手段は、カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材への切欠き形成タイミングに、当該切欠き形成時の回転角度を示す小口カッタ制御原点アドレスを設定する。また、小口カッタ速度変換手段は、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式小口カッタの切欠き形成時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、小口カッタ駆動用モータを駆動する。
【0040】
そして、切欠き形成時速度同期手段は、小口カッタ制御原点設定手段により設定された小口カッタ制御原点アドレスのタイミングに、回転式小口カッタの切欠き形成時速度を合わせる。
これにより、包装材の繰出し量(被包装物の大きさに対応)に応じた適正な回転式小口カッタの速度制御を実現することができる。特に、包装材の切欠き形成時における回転式小口カッタの速度を適正なものとすることができる。
【0041】
さらに、この発明の包装材繰出し装置は、回転式小口カッタの切欠き形成時の回転角度を示す小口カッタ原点を検出したとき小口カッタ原点検出信号を出力する小口カッタ原点検出センサを設けることにより、小口カッタ制御手段が次のような制御を行なう構成としてもよい。
【0042】
すなわち、小口カッタ制御手段は、小口カッタ原点検出センサからの小口カッタ原点検出信号を入力し、当該小口カッタ原点検出信号の入力タイミングと、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、小口カッタ原点検出信号の入力タイミングに、回転式小口カッタの切欠き形成時速度を合わせる。
このような構成とすれば、包装材に対する現実の切欠き形成時点において、常に回転式小口カッタを適正な回転速度とすることができる。
【0043】
さらにまた、上記の小口カッタ制御手段は、次のような制御を行なう構成としてもよい。すなわち、小口カッタ制御手段は、小口カッタ原点検出信号の入力タイミングと、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、このタイミングずれをなくすために必要な回転式小口カッタの速度補正値を算出する。そして、カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、算出した速度補正値に基づき回転式小口カッタの速度を補正する。
これにより、回転式小口カッタの回転角度ずれを適時補正して、包装材の適正位置に安定して切欠きを形成することができる。
【0044】
さて、模様が印刷された包装材などにおいては、模様に合わせて包装材を切断し、包装材供給位置に配置することを必要とする場合がある。一般にこの種の包装材には、切断位置を指示するレジマークが一定の間隔で付されている。
このようなレジマークが付された包装材に対しては、当該レジマークを所定の検出地点で検出してレジマーク検出信号を出力するレジマーク検出センサを設けた構成とすることが好ましい。
【0045】
この場合、繰出し制御手段は、繰出しローラの包装材繰出し原点となる繰出し制御原点アドレスを設定する繰出し制御原点設定手段を含んだ構成とする。この繰出し制御原点設定手段は、カウンタからの同期パルス信号に同期して、レジマークの検出タイミングに対応したタイミングをもって、繰出しローラの包装材繰出し原点となる繰出し制御原点アドレスを設定する。
【0046】
そして、繰出し制御手段は、レジマーク検出センサからのレジマーク検出信号の入力タイミングと、繰出し制御原点設定手段により設定された繰出しローラ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、当該タイミングずれをなくすために必要な繰出しローラの速度補正値を算出する。
【0047】
さらに、繰出し制御手段は、カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、算出した速度補正値に基づき前記繰出しローラの速度を補正する。
これにより、繰出しローラによる包装材繰出し量のずれを適時補正して、包装材のレジマーク位置に対応した適正な包装材の繰出しを安定して維持することができる。その結果、いわゆる模様ずれなどの包装ミスを防止することができる。
【0048】
また、この発明の包装材繰出し装置は、回転式印字ヘッドを備えた構成とすることもできる。この回転式印字ヘッドは、繰出しローラによって繰り出された包装材に所定の印字を行なうもので、包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設け、印字ヘッド駆動用モータによって駆動する。
【0049】
このような構成とした場合は、印字ヘッド制御手段を付加し、この印字ヘッド制御手段によりカウンタからの同期パルス信号に同期して、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、回転式印字ヘッドが包装材に印字するように、印字ヘッド駆動用モータの回転速度を制御する。
【0050】
これにより本体モータに同期して高精度に印字ヘッドを制御することができ、しかも供給される被包装物が変更となった際のタイミング調整も、印字ヘッド制御手段による制御内容を変更するだけでよく、機械的な部品変更や変更部品間の調整が必要ないので、容易かつ迅速に行なうことができる。
【0051】
また、上記印字ヘッド制御手段は、印字ヘッド制御原点設定手段、印字ヘッド速度変換手段、および切断時速度同期手段を含む構成とすることができる。
ここで、印字ヘッド制御原点設定手段は、カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材への印字タイミングに、当該印字時の回転角度を示す印字ヘッド制御原点アドレスを設定する。また、印字ヘッド速度変換手段は、搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式印字ヘッドの印字時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、印字ヘッド駆動用モータを駆動する。
【0052】
そして、切欠き形成時速度同期手段は、印字ヘッド制御原点設定手段により設定された印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングに、回転式印字ヘッドの印字時速度を合わせる。
これにより、包装材の繰出し量(被包装物の大きさに対応)に応じた適正な回転式印字ヘッドの速度制御を実現することができる。特に、包装材の印字時における回転式印字ヘッドの速度を適正なものとすることができる。
【0053】
さらに、この発明の包装材繰出し装置は、回転式印字ヘッドの印字時の回転角度を示す印字ヘッド原点を検出したとき印字ヘッド原点検出信号を出力する印字ヘッド原点検出センサを設けることにより、印字ヘッド制御手段が次のような制御を行なう構成としてもよい。
【0054】
すなわち、印字ヘッド制御手段は、印字ヘッド原点検出センサからの印字ヘッド原点検出信号を入力し、当該印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングと、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングに、回転式印字ヘッドの印字時速度を合わせる。
このような構成とすれば、包装材に対する現実の印字時点において、常に回転式印字ヘッドを適正な回転速度とすることができる。
【0055】
さらにまた、上記の印字ヘッド制御手段は、次のような制御を行なう構成としてもよい。すなわち、印字ヘッド制御手段は、印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングと、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、このタイミングずれをなくすために必要な回転式印字ヘッドの速度補正値を算出する。そして、カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、算出した速度補正値に基づき回転式印字ヘッドの速度を補正する。
これにより、回転式印字ヘッドの回転角度ずれを適時補正して、包装材の適正位置に安定して印字することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの発明の実施形態に係る包装材繰出し装置の制御系を示すブロック図、図2は同装置の機械的構造を示す斜視図である。
まず、図2を参照してこの実施形態に係る包装材繰出し装置の機械的構造を説明する。
【0057】
同図に示すように、この実施形態に係る包装材繰出し装置は、繰出しローラ1、回転式カッタ(以下、カッタと省略する)2、回転式小口カッタ(以下、小口カッタと省略する)3、および搬送ベルト4を備えている。
繰出しローラ1は、繰出しモータ8によって回転駆動される。
図33に示したようにローラに巻かれた帯状の包装材Fは、繰出しローラ1により所定の繰出し経路に沿って繰り出されていく。この繰出し経路は、図33に示した包装装置における被包装物Sの搬送経路100と交差するように設定してあり、その終端は、被包装物Sの搬送経路100上に設定した包装材供給位置101におかれる。
【0058】
カッタ2は、繰出しローラ1の下流側に設けられ、繰り出された包装材Fを、包装装置に供給される被包装物Sの大きさに合わせた長さに切断していく。このカッタ2は、カッタ駆動用モータ5によって回転駆動される。
小口カッタ3は、カッタ2の上流側(一般に、繰出しローラ1の上流側)に設けられ、繰出しローラ1によって繰り出された包装材Fの所定箇所を切り欠いて、突片状の開封端Faを形成する(図2参照)。ここで、開封端Faの位置は、包装材Fにおける一方の切断端としてある。したがって、小口カッタ3による包装材Fの切欠き形成位置は、カッタ2による包装材Fの切断端と合致しなければならない。この小口カッタ3は、小口カッタ駆動用モータ6によって回転駆動される。
【0059】
搬送ベルト4は、回転式カッタ2によって所定の長さに切断された包装材Fを受け取り、包装装置の包装材供給位置101まで搬送し、搬送経路100と交差する状態に包装材Fを配置する。この搬送ベルト4は、搬送ベルト駆動用モータ7の駆動力によって駆動される。この搬送ベルト4には、図には示されていないが、ベルト表面に包装材Fを吸着固定する吸引ノズルが設けてあり、繰り出されてきた包装材Fを、ベルト表面に吸着して搬送する。
【0060】
包装材供給位置101には、包装装置のプッシャ(被包装物搬送手段)102により被包装物Sが間欠的に送り込まれる。包装材供給位置101に送り込まれた被包装物Sは、搬送ベルト4によって包装材供給位置101に配置されている包装材Fを押し出す。この押出し動作に伴い、包装材Fが被包装物Sの表面に胴巻きされる。
【0061】
包装装置のプッシャ102は、同装置の本体モータ103から駆動力を得て往復運動する。このプッシャ102は、本体モータ103の1回転に対して1往復し、1つの被包装物Sを包装材供給位置101へと送り込む。図33に示すように、搬送経路100の終端には昇降装置104が設けてあり、終端に到達した被包装物Sを1個ずつ持ち上げていく。そして、この持ち上げられた被包装物Sに対してプッシャ102が側方から当接し、対向する包装材供給位置101へと当該被包装物Sを送り込んでいく。
【0062】
次に、包装材繰出し装置の制御系の概要について図1を主に参照して説明する。
図1に示すように、中央処理・制御部10を中心として、ロータリーエンコーダ11、逆転防止部12、クラッチ部13、クラッチ切替制御部14、ユニットカウンタ15等からなる同期制御系統と、速度変換部、補正部、モータドライバ等からなる駆動制御系統とを備えている。なお、駆動制御系統は、繰出しローラ1の駆動制御系20、カッタ2の駆動制御系30、小口カッタ3の駆動制御系40、搬送ベルト4の駆動制御系50にそれぞれ分かれている。
【0063】
ロータリーエンコーダ11は、包装装置のメインモータである本体モータ103の回転をパルス信号に変換する回転角度検出器である。
ロータリーエンコーダ11からは本体モータ103の回転に対応してパルス信号が出力される。このパルス信号の出力数をカウントすることによって、本体モータ103の回転角度、すなわち任意の回転角度原点(本体原点=角度0)からの回転角度を検出することができる。
【0064】
パルス信号のカウントは、図1に示す本体カウンタ16によって行なわれる。すなわち、本体カウンタ16は、本体原点からスタートしてパルス信号の入力数をカウントしていき、本体モータ103の1回転分のパルス信号数をカウントする毎にカウント値をクリアして、次サイクルのカウント動作を続行する。
この本体カウンタ16によるパルス信号のカウント値(本体カウント値)は、中央処理・制御部10へ入力される。
【0065】
なお、この実施形態では、本体モータ103が1回転する間に、ロータリーエンコーダ11から一定数(L0)のパルス信号が出力されるものとして説明を進めていく(例えば、図7参照)。
【0066】
逆転防止部(逆転防止手段)12は、本体モータ103が逆転動作したとき、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号を、後段のクラッチ部13へ出力しないようにするための構成要素である。
クラッチ部13は、包装装置の搬送経路100に被包装物Sが供給されていないとき、すなわちプッシャ102による被包装物Sの送り込み動作が行なわれないときに、クラッチ切替制御部14の制御により、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号を後段のユニットカウンタ15へ出力しないようにするための構成要素である。
【0067】
ユニットカウンタ15は、逆転防止部12およびクラッチ部13を介して送られてきたロータリーエンコーダ11からのパルス信号をカウントし、同期パルス信号を中央処理・制御部10へ出力する。同期パルス信号は、逆転防止部12およびクラッチ部13による出力禁止動作が行なわれていないときは、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号と一致する。
【0068】
このユニットカウンタ15は、本体原点に対応して任意に設定したユニット原点からスタートしてパルス信号の入力数をカウントしていき、本体モータ1031回転分のパルス信号数L0をカウントする毎にカウント値をクリアして、次サイクルのカウント動作を続行する。
【0069】
中央処理・制御部10は、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号を入力し、同信号に同期して駆動制御系統に各種信号を送出する。また、中央処理・制御部10は、駆動制御系統を制御するために必要な各種演算処理を実行する。
【0070】
さて、カッタ2の近傍位置には、包装材F切断時のカッタ2の回転角度を示すカッタ原点を検出したとき、カッタ原点検出信号を出力するカッタ原点検出センサ2aが設けてある。また、小口カッタ3の近傍位置には、切欠き形成時の小口カッタ3の回転角度を示す小口カッタ原点を検出したとき、小口カッタ原点検出信号を出力する小口カッタ原点検出センサ3aが設けてある。さらに、包装材Fの繰出し経路における所定位置には、包装材Fに付されたレジマークを検出するレジマーク検出センサ9が設けてある。このレジマーク検出センサ9は、レジマークを検出した時にレジマーク検出信号を出力する。これら各センサからの検出信号は、中央処理・制御部10へ出力される。
【0071】
また、包装装置における被包装物Sの搬送経路100には、所定位置で被包装物Sの有無を検出する被包装物検出センサ100aが設けてある。例えば、この被包装物検出センサ100aは、図33に示した搬送経路100の終端において、昇降装置104によって持ち上げられる前の被包装物Sを検出する。この被包装物検出センサ100aからの検出信号は、後述するようにクラッチ切替制御部14に出力される。
【0072】
なお、中央処理・制御部10には、タッチパネル等からなる入力部17が接続してある。この入力部17からは、制御に必要となる各種の設定値や情報等が入力される。
【0073】
次に、逆転防止部12の構成および動作について、図3〜図5を主に参照して詳細に説明する。
図3は、図1における本体モータ103から逆転防止部12にかけての構成を抜き出して示すブロック図、図4は逆転防止部12の動作を説明するためのタイミングチャート、図5は同じくフローチャートである。
【0074】
逆転防止部12は、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号を入力し、このパルス信号によって、本体モータ103の回転方向を判別する。例えば、本体モータ103の正転,逆転は、ロータリーエンコーダ11の出力であるA相とB相との位相のずれによって判別することができる。
【0075】
この逆転防止部12は、本体モータ103が正転している間は、入力したパルス信号をそのままクラッチ部13乃至ユニットカウンタ15へと出力する。
一方、本体モータ103が逆転を開始したときは、クラッチ部13へのパルス信号の出力を禁止する。そして、本体モータ103が正転動作に切り替わり、再び逆転開始時の回転角度まで回転した時点で、クラッチ部13乃至ユニットカウンタ15へのパルス信号の出力を再開する。
【0076】
後述するように、繰出しモータ8、カッタ2、小口カッタ3等の構成要素は、本体モータ103に同期して駆動制御されている。したがって、もし仮に本体モータ103の逆転にも同期させた場合、これらの構成要素も逆回転し、その結果、包装材Fが逆流して詰まりや破断等の障害を生じるおそれがある。このような障害をなくすために、逆転防止部12が有効に機能する。
【0077】
ここで図4に示すように、本体原点(図中、白丸で示す。他の図において同じ)からカウントL0′の回転角度で本体モータ103の逆転が始まったと仮定すると、後段に設けたユニットカウンタ15は、逆転防止部12から送られてきたパルス信号をL0′だけカウントした時点で、逆転防止部12からパルス信号が出力されなくなるので、カウント動作を停止する。その後、再び逆転防止部12からパルス信号が出力されたときカウントを再開し、1サイクル中の残りのパルス信号数L0″(=L0−L0′)をカウントした時点で、次サイクルのユニット原点(図中、黒丸で示す。他の図において同じ)を設定し、0からのカウント動作を実行する。
【0078】
逆転防止動作の後、再び逆転防止部12からパルス信号が出力されるのは、本体モータ103が逆転開始時の回転角度に到達した時点であるため、その後、ロータリーエンコーダ11からL0″の数だけパルス信号が出力されたとき、本体モータ103も次サイクルの本体原点に到達する。したがって、逆転防止動作が介在しても、ユニット原点は本体原点に同期することになる。
【0079】
また、本体モータ103が逆転開始時の回転角度(θ0とする)からn回転(nは整数)して、更にθ0からα°ずれた回転角度で逆転が止まり、正転に切り替わった場合には、n回転分の回転角度は無視することができる。すなわち、1回転の範囲内における逆転開始時の回転角度θ0とのずれ(α°)だけ、本体モータ103が正転した時点で、逆転防止部12がパルス信号の出力を開始するようにしても、本体原点とユニット原点との間にずれを生じることはない。
【0080】
しかも、このようにすることで、本体モータ103が正転動作に切り替わった後、ユニットカウンタ15から同期パルス信号が出力されるまでの時間を短縮し、後述する繰出しローラ1やカッタ2等の同期制御を迅速化することができる。
【0081】
逆転防止部12に関する以上の動作を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、逆転防止部12は、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号を入力すると(S1)、逆転防止動作のON/OFFを確認する(S2)。一方、ロータリーエンコーダ11からパルス信号を入力しないときは、そのままリターンしてパルス信号の入力確認を繰り返す。
【0082】
パルス信号を入力し、かつその時点で逆転防止動作がOFFのときは、さらに入力したパルス信号が本体モータ103の逆転を示すものか否かを判別して、逆転動作の開始時点を検出する(S3)。すなわち、このとき入力したパルス信号が本体モータ103の逆転を示すものであったときは、その時点から本体モータ103の逆転が開始されたものと認識し、逆転防止動作をONして、パルス信号の出力を禁止する(S4)。
【0083】
一方、入力したパルス信号が本体モータ103の正転を示すものであったときは、そのままパルス信号の出力を続行する(S5)。
逆転防止動作をONした後は、S2のステップにおいて逆転防止動作のONを確認するためS6に移行する。S6でもロータリーエンコーダ11から入力したパルス信号が本体モータ103の逆転を示すものか否かを判別し、逆転を示すものであったときは、パルス信号の入力数をカウントアップしていく(S7)。
【0084】
ここで、カウント数が本体モータ103の1回転を示すL0となったときは(S8)、L0分のカウント数をキャンセルしてリターンする(S9)。
本体モータ103が逆転中は、S6,S7,S8,S9,リターン,S1,S2のステップを繰返し、S6において、ロータリーエンコーダ11から入力したパルス信号が本体モータ103の正転に切り替わったこと検出した時点で、次にパルス信号の入力数をカウントダウンしていく(S10)。
【0085】
逆転防止部12は、このように本体モータ103の逆転を示すパルス信号の入力をカウントアップし、一方、正転を示すパルス信号の入力をカウントダウンするためのカウンタを備えている。
そして、カウント値が0を示すまでS11,リターン,S1,S2,S6,S10のステップを繰り返し、カウント値が0となった時点で逆転防止動作をOFFにして(S12)、パルス信号の出力を開始する。
【0086】
次に、クラッチ部13の構成および動作について、図6〜図8を主に参照して詳細に説明する。
図6は、図1におけるクラッチ部13、クラッチ切替制御部14、およびユニットカウンタ15の構成を抜き出して示すブロック図、図7はクラッチ部13およびクラッチ切替制御部14の動作を説明するためのタイミングチャート、図8は同じくフローチャートである。
【0087】
クラッチ部13は、逆転防止部12を介してロータリーエンコーダ11からのパルス信号を入力し、そのまま後段のユニットカウンタ15へ出力する。
そして、クラッチ部13およびクラッチ切替制御部14は、図1に示した被包装物検出センサ100aが被包装物Sなしを検出したとき、所定のクラッチタイミングで、パルス信号の出力を停止するクラッチ手段を構成している。これら、クラッチ部13およびクラッチ切替制御部14は、その後に被包装物検出センサ100aが被包装物Sありを検出したとき、所定のクラッチタイミングで、パルス信号の出力を再開する。
【0088】
被包装物検出センサ100aからの検出信号に基づく上記の切替制御は、クラッチ切替制御部14によって行なわれる。この切替制御のために、クラッチ切替制御部14は、被包装物検出センサ100aからの検出信号を入力している。
すなわち、被包装物検出センサ100aからは、被包装物Sを検出したとき、被包装物Sありを示す検出信号が出力される。被包装物検出センサ100aが被包装物Sを検出しないときは、この検出信号は出力されない。通常、被包装物Sは、昇降装置104の昇降動作に対応して間欠的に搬送経路100の終端に配置されるため、この検出信号は、一定の時間間隔をおいて周期的に出力されることになる。
【0089】
クラッチ切替制御部14からクラッチ部13へは、常時、クラッチ切替指令パルスが出力されている。クラッチ切替指令パルスは、図7に示すように、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号に同期して、本体カウンタ16(またはユニットカウンタ15)が、本体原点(またはユニット原点)から適宜のパルス信号数Lcoをカウントした時点(切替タイミング)で更新される。
【0090】
すなわち、クラッチ切替制御部14は、被包装物検出センサ100aから検出信号を入力したときは、上記の切替タイミングでクラッチ切替指令パルスをハイに設定し、次の切替タイミングまでその状態を維持する。
【0091】
また、被包装物検出センサ100aから検出信号を入力しなかったときは(図7の第2サイクルを参照)、その後の切替タイミングでクラッチ切替指令パルスをローに切り替え、次の切替タイミングまでその状態を維持する。
なお、切替タイミングを設定するために、クラッチ切替制御部14には、中央処理・制御部10から、本体カウント値が常時出力されている。
【0092】
クラッチ部13は、クラッチ切替制御部14からクラッチ切替指令パルスを入力するとともに、中央処理・制御部10からクラッチタイミング信号を入力している。
クラッチタイミング信号は、図7に示すように、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号に同期して、本体カウンタ16(またはユニットカウンタ15)が、本体原点(またはユニット原点)から適宜のパルス信号数Lctをカウントした時点で出力される。
【0093】
そして、クラッチ部13は、クラッチタイミング信号の入力時点において、クラッチ切替指令パルスの状態を判別し、同パルスがハイのときは入力パルス信号をそのままユニットカウンタ15へと出力する。一方、クラッチタイミング信号の入力時点において、クラッチ切替指令パルスがローのときは、クラッチ切断動作を実行する(図7の第3サイクルを参照)。
【0094】
クラッチ切断動作には、パルス信号出力に関する一定の回転角度幅を設けてあり、この回転角度幅の間にパルス信号の出力数を徐々に減少していき、出力停止に至るようにしてある。この実施形態では、ロータリーエンコーダ11からL0/4のパルス信号を入力するだけ回転角度幅を設定し、この間に出力パルス信号数を徐々に減少させていき、最終的にL0/8だけのパルス信号を出力する構成としてある。
【0095】
このようにクラッチ切断動作を実行することで、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号の出力数も徐々に減少していく。その結果、クラッチ切断時、後述する繰出しローラ1やカッタ2等が徐々に減速(スローストップ)して停止するようになり、これらの構成要素にかかる負荷を軽減することができる(図7参照)。
【0096】
また、1サイクル手前のクラッチタイミング信号入力時点において、クラッチ切替指令パルスがローであったものが、次のクラッチタイミング信号入力時点において、クラッチ切替指令パルスがハイに切り替わっていたとき、クラッチ部13はクラッチ接続動作を実行する。
【0097】
このクラッチ接続動作にも、クラッチ切断動作時と同様の回転角度幅を設けてあり、この回転角度幅の間にパルス信号の出力数を徐々に増加させていき、通常の出力状態に戻すようにしてある。すなわち、ロータリーエンコーダ11からL0/4のパルス信号を入力するだけ回転角度幅の間に、パルス信号の出力数を徐々に増加させていき、最終的にL0/8だけのパルス信号を出力する構成としてある。
【0098】
このようにクラッチ接続動作を実行することで、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号の出力数も徐々に増加して通常出力に戻っていく。その結果、クラッチ接続時、後述する繰出しローラ1やカッタ2等が徐々に加速(スロースタート)していくので、これらの構成要素にかかる負荷を軽減することができる(図7参照)。
【0099】
クラッチ部13およびクラッチ切替制御部14に関する以上の動作を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、クラッチ切替制御部14が、被包装物検出センサ100aからの検出信号を入力しなかった場合には(S21)、その後の切替タイミングにおいてクラッチ切替制御パルスをハイからローに切り替えるか否かを判断する(S22)。
【0100】
クラッチ切替制御パルスが当該切替タイミング前にローであれば、そのままローの状態を維持してリターンする。一方、クラッチ切替制御パルスが当該切替タイミング前にハイであったならば、当該切替タイミング時にクラッチ切替制御パルスをハイからローに切り替える。
【0101】
次いで、クラッチ部13がクラッチタイミングの入力を待ち(S23)、クラッチタイミングを入力した時点で、クラッチ切断動作を実行する(S24)。そして、このクラッチ切断動作を、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号の入力数がL0/4となるまでの間繰返し(S25)、スローストップ動作を実現する。そして、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号の入力数がL0/4となった時点でクラッチ切断動作を終了する。
【0102】
また、クラッチ切替制御部14が、被包装物検出センサ100aからの検出信号を入力した場合には(S21)、その後の切替タイミングにおいてクラッチ切替制御パルスをローからハイに切り替えるか否かを判断する(S26)。
クラッチ切替制御パルスが当該切替タイミング前にハイであれば、そのままハイの状態を維持してリターンする。一方、クラッチ切替制御パルスが当該切替タイミング前にローであったならば、当該切替タイミング時にクラッチ切替制御パルスをローからハイに切り替える。
【0103】
次いで、クラッチ部13がクラッチタイミングの入力を待ち(S27)、クラッチタイミングを入力した時点で、クラッチ接続動作を実行する(S28)。そして、このクラッチ接続動作を、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号の入力数がL0/4となるまでの間繰返し(S29)、スロースタート動作を実現する。そして、ロータリーエンコーダ11からのパルス信号の入力数がL0/4となった時点でクラッチ接続動作を終了する。
【0104】
次に、繰出しローラ1を駆動制御するための構成について、図9および図10を主に参照して説明する。
図9は図1に示した繰出しローラの駆動制御系20を抜き出して示すブロック図、図10は同制御系20および中央処理・制御部10による繰出しローラ1の速度補正を説明するためのタイミングチャートである。
【0105】
繰出しローラの駆動制御系20は、補正部22およびモータドライバ23からなり、これら補正部22およびモータドライバ23と中央処理・制御部10とで繰出し制御手段が構成されている。
【0106】
補正部22には、ユニットカウンタ15の出力する同期パルス信号がユニット原点を示すアドレスとともに、中央処理・制御部10を介して入力されており、この同期パルス信号は補正部22を介してモータドライバ23にも入力されている。
【0107】
また、モータドライバ23には、被包装物Sの大きさに応じて決められる包装材Fの繰出し長さに対応して、繰出しローラ1の回転速度があらかじめ設定されており、中央処理・制御部10を介して送られてくる同期パルス信号に同期して繰出しモータ8を制御することにより、繰出しローラ1を当該回転速度で駆動する。
【0108】
特に、模様合わせなどを必要としない包装材F、すなわちレジマークpが付されていない包装材Fに対しては、同期パルス信号に同期して、上記モータドライバ23に設定された回転速度で繰出しローラを駆動する。これにより、被包装物Sの大きさに対応して算出した包装材Fの繰出し量を、ユニット原点から次のユニット原点までの間の1サイクルで繰り出していく。なおこの場合には、後述する補正部22による上述した繰出しローラ1の速度補正は行なわれない。
【0109】
補正部22は、特に模様合わせの必要とする包装材Fに対して、レジマークpの検出に基づいて繰出しローラ1の回転速度を補正する。この補正のために、補正部22には、中央処理・制御部10から繰出しローラ1の回転速度に関する補正値εが一定のタイミングで送られてくる。
【0110】
補正値εを算出するために、中央処理・制御部10には繰出し制御原点アドレスがあらかじめ設定されている。この繰出し制御原点アドレスは、図10に示すように、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点から所定の同期パルス信号数Lkdをカウントするタイミングに、あらかじめ設定されている。
この繰出し制御原点アドレスは、繰出しローラ1における包装材Fの繰出し原点となるもので、繰出しローラ1が正常運転時には、レジマーク検出センサ9からのレジマーク検出信号の出力タイミングが、この繰出し制御原点アドレスと合致する。
【0111】
そして、中央処理・制御部10は、レジマーク検出センサ9からのレジマーク検出信号を入力し、その入力タイミングと繰出し制御原点アドレスとの誤差を算出し、当該誤差を補正値εとして補正部22に出力する。
補正部22は、この補正値εを入力したときは、所定の補正タイミングで該補正値εに対応した速度補正をモータドライバ23に指令する。
【0112】
例えば、繰出し制御原点アドレスよりも遅いタイミングで中央処理・制御部10がレジマーク検出信号を入力したときの補正値εは、繰出しローラ1による包装材Fの繰出しが、正常時と比較して遅れていることを示す内容となる。そこで、この補正値εを受けた補正部22は、当該遅れを解消するだけの速度増加をモータドライバ23に指令する。
【0113】
一方、繰出し制御原点アドレスよりも早いタイミングで中央処理・制御部10がレジマーク検出信号を入力したときの補正値εは、繰出しローラ1による包装材Fの繰出しが、正常時と比較して進んでいることを示す内容となる。そこで、この補正値εを受けた補正部22は、当該進みを解消するだけの速度低下をモータドライバ23に指令する。
【0114】
補正タイミングを示す補正タイミングパルスは、中央処理・制御部10から補正部22に、常時出力されている。この補正タイミングパルスは、同期パルス信号に同期して、一定のサイクルでローからハイに切り替わり、ハイの状態を一定回転角度分持続してローに切り替わる。補正部22は、この補正タイミングパルスがハイの状態の間だけ繰出しローラ1の回転速度を変更するように、モータドライバ23に指令を発する。
【0115】
次に、上述した繰出しローラ1の駆動制御系および中央処理・制御部10の制御動作について、図11を参照して説明する。
図11は繰出しローラ1の駆動制御系および中央処理・制御部10の制御動作を示すフローチャートである。
中央処理・制御部10は、レジマーク検出センサ9からレジマークp検出信号を入力すると(S31)、繰出し制御原点アドレスの設定タイミングと比較して、補正値εを算出し補正部22に出力する(S32)。
【0116】
補正部22は、補正値εが繰出しの遅れを示す場合には(S33)、繰出しローラ1の回転速度を上げるようにモータドライバ23に指令を出し(S34)、一方、繰出しの進みを示す場合には(S35)、繰出しローラ1の回転速度を下げるようにモータドライバ23に指令を出す(S36)。また、補正値ε=0、すなわちレジマーク検出信号の入力タイミングが繰出し制御原点アドレスと合致していたときは、通常速度で繰出しローラ1を回転させるようにモータドライバ23に指令を発する(S37)。
【0117】
次に、カッタ2を駆動制御するための構成について、図12乃至図15を主に参照して説明する。
図12は図1に示したカッタの駆動制御系30を抜き出して示すブロック図、図13は同制御系30および中央処理・制御部10によるカッタ2の切断時速度同期制御を説明するためのタイミングチャートである。また図14は速度変換部にあらかじめ設定される速度パターン例を示す図であり、図15は同制御系30および中央処理・制御部10によるカッタ2の速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【0118】
カッタの駆動制御系30は、速度変換部31、補正部32およびモータドライバ33からなり、これらの駆動制御系と中央処理・制御部10とでカッタ制御手段が構成されている。
さて、包装材Fを切断する時点におけるカッタ2の回転速度(切断時速度)は、繰出しローラ1によって連続的に繰り出される包装材Fの周速よりも速くする必要がある。これは、包装材Fの周速に比べてカッタ2の切断時速度が遅い場合、カッタ2が包装材Fの繰出しを堰き止める状態となり、切断部分にしわができたり包装材Fの切断端が波打った状態に形成されるなどの障害を発生させるおそれがあるからである。
【0119】
また、回転式のカッタ2は1回転で1回の切断動作を行なうため、本体モータ103の1回転(これにより1サイクルの包装作業が実行される)に対して、カッタ2も1回転しなければならない。
そこでカッタ2は、被包装物Sの大きさに対応して設定された包装材Fの繰出し速度に関連して、1回転の間に適宜の速度変化をもたせて駆動制御するようにしてある。
【0120】
カッタ2が1回転する間の速度パターンは、搬送装置に供給される被包装物Sの大きさをあらかじめ想定して複数種類のものを設定し、この速度パターンを中央処理・制御部10に記憶させておく。例えば、図14に示す複数の速度パターンは、SP1が定速パターンで、SP2,SP3,SP4の順に1回転中の速度変化が大きくなっている。ただし、これらの速度パターンはいずれも本体モータ103の1回転、すなわちユニットカウンタ15から同期パルス信号がL0の数だけ出力される間に、カッタ2が1回転するように調整してある。
【0121】
中央処理・制御部10から速度変換部31へは、包装材Fの繰出し速度に関連して上記の速度パターンから選択した適宜の速度パターンが入力され、当該速度パターンが速度変換部31に設定される。
さらに、中央処理・制御部10から速度変換部31へは、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号がユニット原点を示すアドレスとともに出力されている。この同期パルス信号およびユニット原点を示すアドレスは、速度変換部31を介して補正部32へも出力され、さらにモータドライバ33へも出力されている。そして、速度変換部31,補正部32,モータドライバ33の各部は、この同期パルス信号に同期して、それぞれの担当する制御動作を実行する。
【0122】
また、中央処理・制御部10には、カッタ制御原点アドレスがあらかじめ設定されている。このカッタ制御原点アドレスは、図13および図15に示すように、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点から所定の同期パルス信号数Lcgをカウントするタイミングにあらかじめ設定されている。
このカッタ制御原点アドレスは、カッタ2による包装材F切断時のタイミングを示すもので、カッタ2が正常運転時には、先に説明したカッタ原点検出センサ2aからのカッタ原点検出信号の出力タイミングが、このカッタ原点制御アドレスと合致する。このカッタ制御原点アドレスも、中央処理・制御部10から速度変換部31へと出力される。
【0123】
速度変換部31は、中央処理・制御部10から入力した同期パルス信号に同期して、あらかじめ設定してある速度パターンにしたがった速度変換制御を実行するカッタ速度変換手段として機能するとともに、カッタ制御原点アドレスのタイミングに、カッタ2の切断時速度を合わせる切断時速度同期手段として機能する。
【0124】
すなわち、カッタ原点制御アドレスのタイミングに、速度変換パターンにおける切断時速度として適した速度を合わせる。上述のとおり切断時速度は、包装材Fの繰出し速度よりも速い速度に設定する必要があるので、速度パターンの最速部(例えば、図14のHSの位置)を、カッタ原点制御アドレスのタイミングに合わせる。
【0125】
そして、カッタ原点制御アドレスからスタートして同期パルス信号をL0カウントする間(この間に本体モータ103が1回転する)に、速度変換パターンに沿った速度変換制御を実行して、次のカッタ原点制御アドレスで、再び最速部(例えば、図14のHSの位置)に戻すというサイクルを繰り返す。
【0126】
速度変換部31は、上記内容の速度変換制御に関する制御信号(速度変換信号)を、補正部32を経由してモータドライバ33に出力する。モータドライバ33は、この速度変換信号に基づいて、カッタ駆動用モータ5を駆動する。
また、速度変換部31は、カッタ制御原点アドレスのタイミングと、カッタ原点検出センサ2aからのカッタ原点検出信号の出力タイミングとにずれが生じた場合、カッタ原点検出信号の入力タイミングに、速度パターンにおける切断時速度として設定した速度位置を合わせる機能を有している。このために、速度変換部31は中央処理・制御部10を介して、カッタ原点検出センサ2aからのカッタ原点検出信号も入力している。
【0127】
すなわち、図13に示すタイミングチャートの第1,第3サイクルのように、カッタ制御原点アドレスのタイミングに対して、カッタ原点検出信号が遅い時点あるいは早い時点に入力された場合に、速度変換部31は、カッタ原点検出信号の入力時点に、速度パターンにおける切断時速度として設定した速度位置を強制的に合致させる。その後は、引き続き速度パターンに沿った速度変換制御を、次のカッタ制御原点アドレスのタイミングまたはカッタ原点検出信号の入力時点まで実行していく。
【0128】
このように実際の切断時(カッタ原点検出信号の入力時点)に、本来の切断時速度を合わせることで、タイミングずれが生じた場合にも適正な包装材Fの切断動作を継続させることができる。
【0129】
次に、補正部32は、図15に示すように、カッタ制御原点アドレスとカッタ原点検出信号の入力タイミングとの間にずれが生じた場合、このタイミングずれをなくすために必要なカッタ2の速度補正を実行する。
この速度補正のために、補正部32には、中央処理・制御部10からカッタ2の回転速度に関する補正値δが一定のタイミングで送られてくる。
【0130】
中央処理・制御部10は、カッタ制御原点アドレスのタイミングと、カッタ原点検出センサ2aから送られてくるカッタ原点検出信号の入力タイミングとを監視して、それらのタイミング間の誤差を算出し、当該誤差を補正値δとして補正部32に出力する。
【0131】
補正部32が、この補正値δを入力したときは、所定の補正タイミングで該補正値δに対応した速度補正をモータドライバ33に指令する。
【0132】
例えば、カッタ制御原点アドレスよりも遅いタイミングで中央処理・制御部10がカッタ原点検出信号を入力したときの補正値δは、カッタ2による包装材Fの切断動作が適正な動作状態のときよりも遅いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、カッタ2の回転速度を上げ、切断動作タイミングを早めることが必要となる。
【0133】
一方、カッタ制御原点アドレスよりも早いタイミングで中央処理・制御部10がカッタ原点検出信号を入力したときの補正値δは、カッタ2による包装材Fの切断動作が適正な動作状態のときよりも早いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、カッタ2の回転速度を下げ、切断動作タイミングを遅延させることが必要となる。
【0134】
そこで、補正部32は、これらの補正値δに対応する回転速度をモータドライバ33に指令する。この実施形態では、所定のタイミングで中央処理・制御部10から送られてくる補正タイミング信号に合わせてカッタ2の速度補正を実行し、次の補正タイミング信号を入力するまでの1サイクルで、補正値δが示す誤差を解消するようにしている(図15参照)。
【0135】
補正タイミング信号は、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期し、ユニット原点からスタートして適宜の数Lhtの同期パルス信号をカウントした時点で、中央処理・制御部10から補正部32へと出力される。
【0136】
次に、上述した補正部32および中央処理・制御部10による速度補正動作について、図16のフローチャートを参照して説明する。
中央処理・制御部10は、カッタ原点検出センサ2aからカッタ原点検出信号を入力すると(S41)、カッタ制御原点アドレスの設定タイミングと比較して、補正値δを算出し補正部32に出力する(S42)。
【0137】
補正部32は、補正値δが包装材切断タイミングの遅れを示す場合には(S43)、カッタ2の回転速度を上げるようモータドライバ33に指令し(S44)、一方、包装材切断タイミングの進みを示す場合には(S45)、カッタ2の回転速度を下げるようモータドライバ33に指令する(S46)。また、補正値δ=0、すなわちカッタ原点検出信号の入力タイミングがカッタ制御原点アドレスと合致していたときは、あらかじめ設定してある通常の速度パターンでカッタ2を回転させるようにモータドライバ33に指令を発する(S47)。
【0138】
次に、小口カッタ3を駆動制御するための構成について、図17乃至図19を主に参照して説明する。
図17は図1に示した小口カッタ3の駆動制御系40を抜き出して示すブロック図、図18は同制御系40および中央処理・制御部10による小口カッタ3の切欠き形成時速度の同期制御を説明するためのタイミングチャートである。また図19は同制御系40および中央処理・制御部10による小口カッタ3の速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【0139】
小口カッタ3の駆動制御系40は、先に説明したカッタ2の駆動制御系30と同じく、速度変換部41、補正部42およびモータドライバ43からなり、これらの駆動制御系40と中央処理・制御部10とで小口カッタ制御手段が構成されている。
【0140】
さて、切欠き形成時の小口カッタ3の回転速度(切欠き形成時速度)は、繰出しローラ1によって連続的に繰り出される包装材Fの周速とほぼ等しくする必要がある。これは、包装材Fの周速に比べて小口カッタ3の切欠き形成時速度が遅い場合、小口カッタ3が包装材Fの繰出しを堰き止める結果となり、逆に小口カッタ3の切欠き形成時速度が速い場合は、切欠き形成によって形成された突片状の開封端Faが掻き上げられて包装材Fを引き裂くおそれがあるからである。
【0141】
また、回転式の小口カッタ3は1回転で1回の切欠き形成動作を行なうため、本体モータ103の1回転(これにより1サイクルの包装作業が実行される)に対して、小口カッタ3も1回転しなければならない。
そこで小口カッタ3は、被包装物Sの大きさに対応して設定された包装材Fの繰出し速度に関連して、1回転の間に適宜の速度変化をもたせて駆動制御するようにしてある。
【0142】
小口カッタ3が1回転する間の速度パターンは、搬送装置に供給される被包装物Sの大きさをあらかじめ想定して複数種類のものを設定し、この速度パターンを中央処理・制御部10に記憶させておく。例えば、図14に示したような速度パターンを、あらかじめ中央処理・制御部10に記憶させておく。
【0143】
中央処理・制御部10から速度変換部41へは、包装材Fの繰出し速度に関連して上記の速度パターンから選択した適宜の速度パターンが入力され、当該速度パターンが速度変換部41に設定される。
【0144】
さらに、中央処理・制御部10から速度変換部41へは、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号がユニット原点を示すアドレスとともに出力されている。この同期パルス信号およびユニット原点を示すアドレスは、速度変換部41を介して補正部42へも出力され、さらにモータドライバ43へも出力されている。そして、速度変換部41,補正部42,モータドライバ43の各部は、この同期パルス信号に同期して、それぞれの担当する制御動作を実行する。
【0145】
また、中央処理・制御部10には、小口カッタ制御原点アドレスがあらかじめ設定されている。この小口カッタ制御原点アドレスは、図18および図19に示すように、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点から所定の同期パルス信号数Lkgをカウントするタイミングにあらかじめ設定されている。
【0146】
この小口カッタ制御原点アドレスは、小口カッタ3による切欠き形成時のタイミングを示すもので、小口カッタ3が正常運転時には、先に説明した小口カッタ原点検出センサ3aから送られてくる小口カッタ原点検出信号の出力タイミングが、この小口カッタ原点制御アドレスと合致する。この小口カッタ制御原点アドレスも、中央処理・制御部10から速度変換部41へと出力される。
【0147】
速度変換部41は、中央処理・制御部10から入力した同期パルス信号に同期して、あらかじめ設定してある速度パターンにしたがった速度変換制御を実行する小口カッタ速度変換手段として機能するとともに、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングに、小口カッタ3の切欠き形成時速度を合わせる切欠き形成時速度同期手段として機能する。
【0148】
すなわち、小口カッタ原点制御アドレスのタイミングに、速度変換パターンにおける切欠き形成時速度として適した速度を合わせる。上述のとおり切欠き形成時速度は、包装材Fの繰出し速度とほぼ等しい速度に設定する必要がある。
そして、小口カッタ原点制御アドレスからスタートして同期パルス信号をL0カウントする間(この間に本体モータ103が1回転する)に、速度変換パターンに沿った速度変換制御を実行して、次の小口カッタ原点制御アドレスで、再び切欠き形成時速度に戻すというサイクルを繰り返す。
【0149】
速度変換部41は、上記内容の速度変換制御に関する制御信号(速度変換信号)を、補正部42を経由してモータドライバ43に出力する。モータドライバ43は、この速度変換信号に基づいて、小口カッタ駆動用モータ6を駆動する。
【0150】
また、速度変換部41は、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングと、小口カッタ原点検出センサ3aからの小口カッタ原点検出信号の出力タイミングとにずれが生じた場合、小口カッタ原点検出信号の入力タイミングに、速度パターンにおける切欠き形成時速度として設定した速度位置を合わせる機能を有している。このために、速度変換部41は中央処理・制御部10を介して、小口カッタ原点検出センサ3aからの小口カッタ原点検出信号も入力している。
【0151】
すなわち、図18に示すタイミングチャートの第1,第3サイクルのように、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングに対して、小口カッタ原点検出信号が遅い時点あるいは早い時点に入力された場合に、速度変換部41は、小口カッタ原点検出信号の入力時点に、速度パターンにおける切欠き形成時速度として設定した速度位置を強制的に合致させる。その後は、引き続き速度パターンに沿った速度変換制御を、次の小口カッタ制御原点アドレスのタイミングまたは小口カッタ原点検出信号の入力時点まで実行していく。
【0152】
このように実際の切欠き形成時(小口カッタ原点検出信号の入力時点)に、本来の切欠き形成時速度を合わせることで、タイミングずれが生じた場合にも適正な包装材Fの切欠き形成動作を継続させることができる。
【0153】
次に、補正部42は、図19に示すように、小口カッタ制御原点アドレスと小口カッタ原点検出信号の入力タイミングとの間にずれが生じた場合、このタイミングずれをなくすために必要な小口カッタ3の速度補正を実行する。
この速度補正のために、補正部42には、中央処理・制御部10から小口カッタ3の回転速度に関する補正値γが一定のタイミングで送られてくる。
【0154】
中央処理・制御部10部は、小口カッタ制御原点アドレスのタイミングと、小口カッタ原点検出センサ3aから送られてくる小口カッタ原点検出信号の入力タイミングとを監視して、それらのタイミング間の誤差を算出し、当該誤差を補正値γとして補正部42に出力する。
補正部42が、この補正値γを入力したときは、所定の補正タイミングで該補正値γに対応した速度補正をモータドライバ43に指令する。
【0155】
例えば、小口カッタ制御原点アドレスよりも遅いタイミングで中央処理・制御部10が小口カッタ原点検出信号を入力したときの補正値γは、小口カッタ3による包装材Fの切欠き形成動作が適正な動作状態のときよりも遅いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、小口カッタ3の回転速度を上げ、切欠き形成の動作タイミングを早めることが必要となる。
【0156】
一方、小口カッタ制御原点アドレスよりも早いタイミングで中央処理・制御部10が小口カッタ原点検出信号を入力したときの補正値γは、小口カッタ3による包装材Fの切欠き形成動作が適正な動作状態のときよりも早いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、小口カッタ3の回転速度を下げ、切欠き形成の動作タイミングを遅延させることが必要となる。
【0157】
そこで、補正部42は、これらの補正値γに対応する回転速度をモータドライバ43に指令する。この実施形態では、所定のタイミングで中央処理・制御部10から送られてくる補正タイミング信号に合わせて小口カッタ3の速度補正を実行し、次の補正タイミング信号を入力するまでの1サイクルで、補正値γが示す誤差を解消するようにしている(図19参照)。
【0158】
補正タイミング信号は、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点からスタートして適宜の数Lkhの同期パルス信号をカウントした時点で、中央処理・制御部10から補正部42へと出力される。
【0159】
次に、上述した補正部42および中央処理・制御部10による速度補正動作について、図20のフローチャートを参照して説明する。
中央処理・制御部10は、小口カッタ原点検出センサ3aから小口カッタ原点検出信号を入力すると(S51)、小口カッタ制御原点アドレスの設定タイミングと比較して、補正値γを算出し補正部42に出力する(S52)。
【0160】
補正部42は、補正値γが包装材F切欠き形成タイミングの遅れを示す場合には(S53)、小口カッタ3の回転速度を上げるようモータドライバ43に指令し(S54)、一方、包装材F切欠き形成タイミングの進みを示す場合には(S55)、小口カッタ3の回転速度を下げるようモータドライバ43に指令する(S56)。また、補正値γ=0、すなわち小口カッタ原点検出信号の入力タイミングが小口カッタ制御原点アドレスと合致していたときは、あらかじめ設定してある通常の速度パターンで小口カッタ3を回転させるようにモータドライバ43に指令を発する(S57)。
【0161】
さて、上述した構成の包装材繰出し装置において、中央処理・制御部10は入力部17からの入力データに基づいて、カッタ制御原点アドレスの出力タイミング(以下、カッタタイミングともいう)Lcg、小口カッタ制御原点アドレスの出力タイミング(以下、小口カッタタイミングともいう)Lkg、繰出し制御原点アドレスの出力タイミング(以下、繰出しタイミングともいう)Lkdを演算し、自ら設定する機能を有している。
【0162】
すなわち、中央・処理制御部10は、カッタ制御原点アドレス設定手段、小口カッタ制御原点アドレス設定手段、および繰出し制御原点アドレス設定手段としての機能を備えている。
さらに、この中央・処理制御部10は、クラッチタイミングLctを演算し、自ら設定する機能をも有している。
【0163】
図21は入力部17から中央処理・制御部10に入力される包装材繰出し装置の各部寸法、図22は同様に入力部17から中央処理・制御部10に入力される包装材Fの各部寸法を示す図である。
すなわちこの実施形態では、包装材供給位置101に送り込まれる被包装物Sの中心からカッタ2の駆動軸中心までの距離A、カッタ2の駆動軸中心から小口カッタ3の駆動軸中心までの距離B、カッタ2の駆動軸中心からレジマーク検出センサ9までの距離、包装材Fの切断長さD、包装材Fの切断端(先端側)からレジマークpまでの長さEを、入力部17からインプットし、中央処理・制御部10に記憶させるようにしている。
中央処理・制御部10は、これらの入力情報に基づいて次のような演算処理を実行する。
【0164】
まず、カッタタイミングLcgは、換言すれば本体モータ103が所定の角度X(°)回転したとき被包装物Sと包装材Fとが包装材供給位置101において接触するように、あらかじめカッタ2が包装材Fを切断しなければならないタイミングでということができる。
上記被包装物Sと包装材Fとの接触タイミング角度X(°)を、ユニットカウンタ15から出力される同期パルス信号数で表わすと次のようになる。
X(L)={X(°)/360(°)}×L0
なお、L0は本体モータ103が1回転する間に出力される同期パルス信号数である。
【0165】
ここで、図23に示すように、カッタ2により切断してから包装材供給位置101へ配置するまでの包装材Fの移動量Y(mm)は、
Y(mm)=A−D/2
となる。
【0166】
また、包装材Fは搬送ベルト4によって搬送されるので、本体モータ103に対する搬送ベルト4の速度比をBLTとすると、
0=D×BLT
となる。
したがって、包装材Fの移動量Y(mm)を、ユニットカウンタ15から出力される同期パルス信号数で表わすと次のようになる。
Y(L)={Y(mm)/(D×BLT)}×L0
【0167】
カッタタイミングLcgは、上記接触タイミングX(L)より包装材Fの移動量Y(L)だけ前であればよく、ゆえに、
Lcg=X(L)−Y(L)
となる。
【0168】
次に、小口カッタタイミングLkgは、上記のカッタタイミングLcgを基準として、同期パルス信号が何パルス出力された後に、小口カッタ3の切欠き形成動作を行なえばよいかという観点から導き出せばよい。
図24の長さx1(mm)を、
1(mm)=B−nD
とすると、同図の長さx2(mm)は次のようになる。
2(mm)=D−x1(mm)
【0169】
このx2(mm)を、ユニットカウンタ15から出力される同期パルス信号数で表わすと次のようになる。
2(L)={x2(mm)/D}×L0
よって、小口カッタタイミングLkgは、カッタタイミングLcgよりx2(L)後にくればよい。すなわち、小口カッタタイミングLkgは、
Lkg=Lcg+x2(L)
となる。
【0170】
次に、繰出しタイミングLkdは、小口カッタタイミングLkgと同様、上記のカッタタイミングLcgを基準として、同期パルス信号が何パルス出力された時点に合わせればよいかという観点から導き出せばよい。
図25の長さy1(mm)を、
1(mm)=C−nD
とすると、同図の長さy2(mm)は次のようになる。
2(mm)=E−y1(mm)
【0171】
このy2(mm)を、ユニットカウンタ15から出力される同期パルス信号数で表わすと次のようになる。
2(L)={y2(mm)/D}×L0
よって、繰出しタイミングLkdは、カッタタイミングLcgよりy2(L)後にくればよい。すなわち、繰出しタイミングLkdは、
Lkd=Lcg+y2(L)
となる。
【0172】
次に、クラッチタイミングLctは、切断された包装材Fが搬送ベルト4に吸着され、かつ包装材供給位置101の中心より任意の高さz(mm)だけ上方で停止するようなタイミングに設定する(図26参照)。
ここで、包装材Fの移動量Z(mm)は、
Z(mm)=A−D−z(mm)
【0173】
このZ(mm)を、ユニットカウンタ15から出力される同期パルス信号数で表わすと次のようになる。
Z(L)={Z(mm)/(D×BLT)}×L0
また、上述の実施形態では、クラッチタイミング後、L0/8だけ包装材Fは繰り出されるので、Z(L)−L0/8だけの同期パルス信号数が、カッタタイミングLcgから必要となる。ゆえに、クラッチタイミングLctは、
Lct=Lcg+Z(L)−L0/8
となる。
【0174】
次に、上述した繰出しローラ、カッタ、および小口カッタの初期合わせについて図27を主に参照して説明する。
上述したように、繰出しローラ1、カッタ2、および小口カッタ3の各構成要素は、それぞれ繰出しモータ8、カッタ駆動用モータ5、および小口カッタ駆動用モータ6からの駆動力によって回転する。これら各構成要素間の動作タイミングをとる前提として、中央処理・制御部10が、初期設定段階で小口カッタ原点およびカッタ原点を認識するとともに、小口カッタ3による切欠き形成位置にカッタ2による切断位置を合致させるのに必要となる繰出しローラ1の繰出し量を認識していなければならない。さらに、模様などが付された印刷仕様の包装材Fについては、レジマークpの位置をも認識しておく必要がある。
【0175】
そこで、この実施形態では、図27に示すフローチャートに沿って繰出しローラ1、カッタ2、および小口カッタ3の初期合わせを実行するように制御プログラムが組んである。この制御プログラムは中央処理・制御部10にあらかじめ記憶してあり、入力部17から初期設定の実行指令が入ると、中央処理・制御部10が自動的にその制御プログラムに沿った初期合わせを開始する。
【0176】
初期合わせに際しては、中央処理・制御部10からユニットカウンタ15へと初期設定パルスを出力し、同パルスにより各構成要素を駆動する。
まず、小口カッタ3と繰出しローラ1とを回転させながら(S71)、小口カッタ原点検出センサ3aからの小口カッタ原点検出信号の入力を待ち(S72)、この小口カッタ原点検出信号の入力により小口カッタ原点を認識する。
【0177】
次に、印刷仕様の包装材Fについては(S73)、繰出しローラ1を回転させながら(S74)、レジマーク検出センサ9からのレジマーク検出信号の入力を待ち(S75)、レジマーク検出信号の入力によりレジマーク位置を認識する。さらに、繰出しローラ1を回転して(S76)、レジマークpを検出してから小口カッタ3に対するレジマークpの適当な位置まで包装材Fを繰り出す(S77)。
【0178】
次に、小口カッタ3を回転させながら繰出しローラ1を回転させて(S78)、切欠き形成位置がカッタ切断位置にくるまでの長さだけ包装材を繰り出す(S79)。
続いて、カッタ2を回転させながら(S80)、カッタ原点検出センサ2aからのカッタ原点検出信号の入力を待ち(S81)、このカッタ原点検出信号の入力によりカッタ原点を認識する。
【0179】
その後、小口カッタ3、繰出しローラ1、およびカッタ2を初期設定パルスにより回転させ(S82)、図21および図22に示した所要の設定寸法に基づいて算出した1サイクルの設定動作を行ない(S83)、続いてユニットカウンタ15をセットする(S84)。
以上の手順により、各構成要素間の初期合わせが完了する。なお、印刷仕様でない包装材Fを繰り出す場合には、上述したS74〜S77のステップは実行せず、S73からS78へと移行する。
【0180】
ところで、カッタ2の刃は、切欠き形成位置に対応する箇所が抜けているため、切断時に切欠き形成位置と切断位置とがずれていた場合、包装材を完全に切断できず、その切断されなかった包装材部分が不安定にぶら下がった状態となり、繰出し経路の途中で詰まりを引き起こすなどのおそれがある。
【0181】
この点、上述した初期合わせは、まず小口カッタ3の原点を検出した後、小口カッタ3による切欠き形成位置からカッタ2による切断位置までの繰出しタイミングを検出し、最後にカッタ原点を検出する順番で行なうので、最後のカッタ原点検出時には、切欠き形成位置と切断位置とが一致している。したがって、上記のような詰まりなどの障害を引き起こすおそれがない。
【0182】
次に、搬送ベルト4の駆動制御系統について説明する。
図1に示すように、搬送ベルト4の駆動制御系50はモータドライバ53のみで構成してある。モータドライバ53には、あらかじめ包装材Fの搬送に適した搬送速度が設定され、この搬送速度をもって切断済みの包装材Fを搬送するように、搬送ベルト駆動用モータ7を制御する。
【0183】
例えば、モータドライバ53に設定する搬送速度は、被包装物Sの大きさに対応して設定された繰出しローラ1による包装材Fの繰出し速度より僅かに速くすれば、カッタ2によって切断した包装材Fを円滑に分離することができる。
そして、モータドライバ53は、中央処理・制御部10を介して送られてくるユニットカウンタ15の同期パルス信号に同期して、上記の搬送速度で搬送ベルト4を駆動する。
【0184】
なお、繰出しローラ1は、先に説明したとおり模様合わせの必要がない包装材Fに対しては、一定の速度で包装材Fを繰り出していくのみで速度補正は行なわない。このように繰り出しローラによる包装材Fの繰出し速度が、一定の速度に保たれるとき(すなわち、速度補正がないとき)は、搬送ベルト駆動用モータ7によらず、繰出しモータ8からの駆動力を機械的な動力伝達機構を介して搬送ベルト4に伝達して駆動することもできる。その場合には、搬送ベルト4の駆動制御系統に設けられたモータドライバ53による駆動制御は行なわない。
【0185】
さて、この発明の包装材F繰出し装置は、必要に応じて図28に示すように、包装材Fの繰出し経路に沿って回転式印字ヘッド(以下、印字ヘッドと省略する)65およびプラテン66を設置し、印字ヘッド65を印字ヘッド駆動用モータ67で回転駆動することにより、繰り出されてくる包装材Fの所定箇所に製造年月日,賞味期限などの印字を行なわせる構造としてもよい。
【0186】
この場合には、図1に示した中央処理・制御部10へさらに印字ヘッド65の駆動制御系を付加し、以下のような印字ヘッド65に対する駆動制御を行なうようにする。印字ヘッド65の近傍には、印字時における印字ヘッドの回転角度を示す印字ヘッド原点を検出して、印字ヘッド原点検出信号を中央処理・制御部10へ出力する印字ヘッド原点検出センサ68を設ける。
【0187】
図29は中央処理・制御部10に接続される印字ヘッド65の駆動制御系を示すブロック図、図30は同制御系および中央処理・制御部10による印字ヘッド65に対する印字時速度の同期制御を説明するためのタイミングチャートである。また図31は同制御系および中央処理・制御部10による印字ヘッド65の速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【0188】
印字ヘッド65の駆動制御系は、先に説明したカッタ2や小口カッタ3の駆動制御系と同じく、速度変換部61、補正部62およびモータドライバ63からなり、これらの駆動制御系と中央処理・制御部10とで印字ヘッド制御手段が構成されている。
【0189】
さて、印字時点における印字ヘッド65の回転速度(印字時速度)は、繰出しローラ1によって連続的に繰り出される包装材Fの周速とほぼ等しくする必要がある。これは、包装材Fの周速に比べて印字ヘッド65の印字時速度が遅い場合、印字ヘッド65が包装材Fの繰出しを堰き止める結果となり、逆に印字ヘッド65の印字時速度が速い場合は、印字ヘッド65によって包装材Fが掻き上げられて破損するおそれがあるからである。
【0190】
また、回転式の印字ヘッド65は1回転で1回の印字動作を行なうため、本体モータ103の1回転(これにより1サイクルの包装作業が実行される)に対して、印字ヘッド65も1回転しなければならない。
そこで印字ヘッド65は、被包装物Sの大きさに対応して設定された包装材Fの繰出し速度に関連して、1回転の間に適宜の速度変化をもたせて駆動制御するようにしてある。
【0191】
印字ヘッド65が1回転する間の速度パターンは、搬送装置に供給される被包装物Sの大きさをあらかじめ想定して複数種類のものを設定し、この速度パターンを中央処理・制御部10に記憶させておく。例えば、図14に示したような速度パターンを、あらかじめ中央処理・制御部10に記憶させておく。
【0192】
中央処理・制御部10から速度変換部61へは、包装材Fの繰出し速度に関連して上記の速度パターンから選択した適宜の速度パターンが入力され、当該速度パターンが速度変換部61に設定される。
【0193】
さらに、中央処理・制御部10から速度変換部61へは、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号がユニット原点を示すアドレスとともに出力されている。この同期パルス信号およびユニット原点を示すアドレスは、速度変換部61を介して補正部62へも出力され、さらにモータドライバ63へも出力されている。そして、速度変換部61,補正部62,モータドライバ63の各部は、この同期パルス信号に同期して、それぞれの担当する制御動作を実行する。
【0194】
また、中央処理・制御部10には、印字ヘッド制御原点アドレスがあらかじめ設定されている。この印字ヘッド制御原点アドレスは、図30および図31に示すように、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点から所定の同期パルス信号数Lpgをカウントするタイミングにあらかじめ設定される。
【0195】
この印字ヘッド制御原点アドレスは、印字ヘッド65による印字時のタイミングを示すもので、印字ヘッド65が正常運転時には、印字ヘッド原点検出センサ68から送られてくる印字ヘッド原点検出信号の出力タイミングが、この印字ヘッド原点制御アドレスと合致する。この印字ヘッド制御原点アドレスも、中央処理・制御部10から速度変換部61へと出力される。
【0196】
中央処理・制御部10は、この印字ヘッド制御原点アドレスの設定手段としても機能し、図21および図22に示した各種設定寸法に基づいて、この印字ヘッド制御原点アドレスを自ら設定する機能を備えている。
この印字ヘッド制御原点アドレスの出力タイミングは、先に説明した小口カッタタイミングLkgと同様にして演算することができる。
【0197】
速度変換部61は、中央処理・制御部10から入力した同期パルス信号に同期して、あらかじめ設定してある速度パターンにしたがった速度変換制御を実行する印字ヘッド速度変換手段として機能するとともに、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングに、印字ヘッド65の印字時速度を合わせる印字時速度同期手段として機能する。
【0198】
すなわち、印字ヘッド原点制御アドレスのタイミングに、速度変換パターンにおける印字時速度として適した速度を合わせる。上述のとおり印字時速度は、包装材Fの繰出し速度とほぼ等しい速度に設定する必要がある。
【0199】
そして、印字ヘッド原点制御アドレスからスタートして同期パルス信号をL0カウントする間(この間に本体モータ103が1回転する)に、速度変換パターンに沿った速度変換制御を実行して、次の印字ヘッド原点制御アドレスで、再び印字時速度に戻すというサイクルを繰り返す。
速度変換部61は、上記内容の速度変換制御に関する制御信号(速度変換信号)を、補正部62を経由してモータドライバ63に出力する。モータドライバ63は、この速度変換信号に基づいて、印字ヘッド駆動用モータ67を駆動する。
【0200】
また、速度変換部61は、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングと、印字ヘッド原点検出センサ68からの印字ヘッド原点検出信号の出力タイミングとにずれが生じた場合、印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングに、速度パターンにおける印字時速度として設定した速度位置を合わせる機能を有している。このために、速度変換部61は中央処理・制御部10を介して、印字ヘッド原点検出センサ68からの印字ヘッド原点検出信号も入力している。
【0201】
すなわち、図30に示すタイミングチャートの第1,第3サイクルのように、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングに対して、印字ヘッド原点検出信号が遅い時点あるいは早い時点に入力された場合に、速度変換部41は、印字ヘッド原点検出信号の入力時点に、速度パターンにおける印字時速度として設定した速度位置を強制的に合致させる。その後は、引き続き速度パターンに沿った速度変換制御を、次の印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングまたは印字ヘッド原点検出信号の入力時点まで実行していく。
【0202】
このように実際の印字時(印字ヘッド原点検出信号の入力時点)に、本来の印字時速度を合わせることで、タイミングずれが生じた場合にも適正な包装材Fの印字動作を継続させることができる。
【0203】
次に、補正部42は、図31に示すように、印字ヘッド制御原点アドレスと印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングとの間にずれが生じた場合、このタイミングずれをなくすために必要な印字ヘッド65の速度補正を実行する。
この速度補正のために、補正部62には、中央処理・制御部10から印字ヘッド65の回転速度に関する補正値βが一定のタイミングで送られてくる。
中央処理・制御部10は、印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングと、印字ヘッド原点検出センサ68から送られて来る印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングとを監視して、それらのタイミング間の誤差を算出し、当該誤差を補正値βとして補正部62に出力する。
補正部62が、この補正値βを入力したときは、所定の補正タイミングで該補正値βに対応した速度補正をモータドライバ63に指令する。
【0204】
例えば、印字ヘッド制御原点アドレスよりも遅いタイミングで中央処理・制御部10が印字ヘッド原点検出信号を入力したときの補正値βは、印字ヘッド65による包装材Fの印字動作が適正な動作状態のときよりも遅いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、印字ヘッド65の回転速度を上げ、印字の動作タイミングを早めることが必要となる。
【0205】
一方、印字ヘッド制御原点アドレスよりも早いタイミングで中央処理・制御部10が印字ヘッド原点検出信号を入力したときの補正値βは、印字ヘッド65による包装材Fの印字動作が適正な動作状態のときよりも早いタイミングで行なわれていることを示す。したがって、この場合には、印字ヘッド65の回転速度を下げ、印字の動作タイミングを遅延させることが必要となる。
【0206】
そこで、補正部62は、これらの補正値βに対応する回転速度をモータドライバ63に指令する。この実施形態では、所定のタイミングで中央処理・制御部10から送られてくる補正タイミング信号に合わせて印字ヘッド65の速度補正を実行し、次の補正タイミング信号を入力するまでの1サイクルで、補正値βが示す誤差を解消するようにしている(図31参照)。
【0207】
補正タイミング信号は、ユニットカウンタ15からの同期パルス信号に同期して、ユニット原点からスタートして適宜の数Lphの同期パルス信号をカウントした時点で、中央処理・制御部10から補正部62へと出力される。
【0208】
次に、上述した補正部62および中央処理・制御部10による速度補正動作について、図32のフローチャートを参照して説明する。
中央処理・制御部10は、印字ヘッド原点検出センサから印字ヘッド原点検出信号を入力すると(S61)、印字ヘッド制御原点アドレスの設定タイミングと比較して、補正値βを算出し補正部62に出力する(S62)。
【0209】
補正部62は、補正値βが包装材Fの印字タイミングの遅れを示す場合には(S63)、印字ヘッドの回転速度を上げるようモータドライバ63に指令し(S64)、一方、包装材Fの印字タイミングの進みを示す場合には(S65)、印字ヘッドの回転速度を下げるようモータドライバ63に指令する(S66)。また、補正値β=0、すなわち印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングが印字ヘッド制御原点アドレスと合致していたときは、あらかじめ設定してある通常の速度パターンで印字ヘッドを回転させるようにモータドライバ63に指令を発する(S67)。
【0210】
なお、この発明は上述した実施形態に限定されるものではない。特に、繰出し制御手段,カッタ2制御手段,小口カッタ3制御手段,または印字ヘッド制御手段は、図1に示した中央処理・制御部10および各駆動制御系統によるブロック構成に限定されるものではない。
【0211】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の包装材繰出し装置によれば、繰出しローラを繰出しモータによって駆動するとともに、この繰出しモータを繰出し制御手段により本体モータに同期して制御し、かつ回転式カッタをカッタ駆動用モータによって駆動するとともに、このカッタ駆動用モータをカッタ制御手段により本体モータに同期して制御するようにしたので、繰出しローラと回転式カッタとの間の動作タイミングを、本体モータに同期させることで容易かつ迅速に調整することができ、特に包装すべき被包装物の変更時における段取り替えを迅速化することができる。
【0212】
さらに、この発明の包装材繰出し装置が小口カッタを備える場合には、小口カッタを小口カッタ駆動用モータによって駆動するとともに、この小口カッタ駆動用モータを小口カッタ制御手段により本体モータに同期して制御することにより、小口カッタについても繰出しローラや回転式カッタとの間の動作タイミングを、本体モータに同期して容易かつ迅速に調整することができる。
【0213】
さらにまた、この発明の包装材繰出し装置が印字ヘッドを備える場合には、印字ヘッドを印字ヘッド駆動用モータによって駆動するとともに、この印字ヘッド駆動用モータを印字ヘッド制御手段により本体モータに同期して制御することにより、印字ヘッドについても繰出しローラや回転式カッタとの間の動作タイミングを、本体モータに同期して容易かつ迅速に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る包装材繰出し装置の制御系を示す全体ブロック図である。
【図2】同装置の機械的構造を示す斜視図である。
【図3】図1における本体モータから逆転防止部にかけての構成を抜き出して示すブロック図である。
【図4】逆転防止部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】同じくフローチャートである。
【図6】図1におけるクラッチ部、クラッチ切替制御部、およびユニットカウンタの構成を抜き出して示すブロック図である。
【図7】クラッチ部およびクラッチ切替制御部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】同じくフローチャートである。
【図9】図1に示した繰出しローラの駆動制御系を抜き出して示すブロック図である。
【図10】同制御系および中央処理・制御部による繰出しローラの速度補正を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】繰出しローラの駆動制御系および中央処理・制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】図1に示したカッタの駆動制御系を抜き出して示すブロック図である。
【図13】同制御系および中央処理・制御部によるカッタの切断時速度同期制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】速度変換部にあらかじめ設定される速度パターン例を示す図である。
【図15】同制御系および中央処理・制御部によるカッタの速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】同じくフローチャートを参照して説明する。
【図17】図1に示した小口カッタの駆動制御系を抜き出して示すブロック図である。
【図18】同制御系および中央処理・制御部による小口カッタの切欠き形成時速度の同期制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】同制御系および中央処理・制御部による小口カッタの速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】同じくフローチャートである。
【図21】包装材繰出し装置の制御に必要となる機械的構造部分の各部寸法を示す図である。
【図22】同じく包装材Fの各部寸法を示す図である。
【図23】カッタタイミングの設定方法を説明するための模式図である。
【図24】小口カッタタイミングの設定方法を説明するための模式図である。
【図25】繰出しタイミングの設定方法を説明するための模式図である。
【図26】クラッチタイミングの設定方法を説明するための模式図である。
【図27】この発明の実施形態に係る包装材繰出し装置の初期合わせ動作を示すフローチャートである。
【図28】この発明の実施形態に係る包装材繰出し装置に印字ヘッドを付加した構成を示す模式図である。
【図29】中央処理・制御部に接続される印字ヘッドの駆動制御系を示すブロック図である。
【図30】同制御系および中央処理・制御部による印字ヘッドに対する印字時速度の同期制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図31】同制御系および中央処理・制御部による印字ヘッドの速度補正制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図32】同じくフローチャートである。
【図33】箱状の被包装物を対象とする上包機(包装装置)の概要を示す構成図である。
【符号の説明】
1:繰出しローラ
2:カッタ
2a:カッタ原点検出センサ
3:小口カッタ
3a:小口カッタ原点検出センサ
4:搬送ベルト
5:カッタ駆動用モータ
6:小口カッタ駆動用モータ
7:搬送ベルト駆動用モータ
8:繰出しモータ
9:レジマーク検出センサ
10:中央処理・制御部
11:ロータリーエンコーダ
12:逆転防止部
13:クラッチ部
14:クラッチ切替制御部
15:ユニットカウンタ
16:本体カウンタ
17:入力部
20:繰出しローラの駆動制御系
30:カッタの駆動制御系
40:小口カッタの駆動制御系
50:搬送ベルトの駆動制御系
65:印字ヘッド
66:プラテン
67:印字ヘッド駆動用モータ
68:印字ヘッド原点検出センサ
31,41,61:速度変換部
22,32,42,62:補正部
23,33,43,63:モータドライバ
100a:被包装物検出センサ

Claims (15)

  1. 搬送経路上に供給された被包装物を所定の包装材供給位置に搬送する被包装物搬送手段と、この被包装物搬送手段を駆動する本体モータとを備えた包装装置に組み込まれ、
    帯状の包装材を所定長さに切断するとともに、当該切断した包装材を前記包装材供給位置に配置する包装材繰出し装置において、
    前記本体モータの回転をパルス信号に変換するエンコーダと、
    このエンコーダから出力されたパルス信号を計数して同期パルス信号を出力するカウンタと、
    帯状の包装材を連続的に繰り出す繰出しローラと、
    この繰出しローラを回転駆動する繰出しモータと、
    包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設けられ、前記繰出しローラによって繰り出された包装材を切断する回転式カッタと、
    この回転式カッタを駆動するカッタ駆動用モータと、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期して、前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じた回転速度で、前記繰出しモータを回転させる繰出し制御手段と、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期して、前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、前記回転式カッタが包装材を切断するように、前記カッタ駆動用モータの回転速度を制御するカッタ制御手段と、を備え、
    更に、前記エンコーダから出力されたパルス信号に基づいて、前記本体モータの逆転を検出するとともに、当該逆転動作の開始時点における前記本体モータの回転角度を認識し、
    前記本体モータが、逆転した後、再び正転動作に切り換わり、そして前記検出した逆転動作の開始時点における回転角度に到達するまでの間、
    前記エンコーダから出力されたパルス信号の前記カウンタへの出力を禁止する逆転防止手段を備えたことを特徴とする包装材繰出し装置。
  2. 請求項1の包装材繰出し装置において、
    前記搬送経路に被包装物の有無を検出する被包装物検出センサを設け、
    かつ当該被包装物検出センサが被包装物なしを検出したとき、所定のタイミングで、前記エンコーダから出力されたパルス信号の前記カウンタへの出力を停止するとともに、その後に前記被包装物検出センサが被包装物ありを検出したとき、所定のタイミングで、前記エンコーダから出力されたパルス信号の前記カウンタへの出力を開始するクラッチ手段を備えたことを特徴とする包装材繰出し装置。
  3. 請求項2記載の包装材繰出し装置において、
    前記クラッチ手段は、前記エンコーダから出力されたパルス信号の前記カウンタへの出力停止動作および出力開始動作に所定の回転角度幅を設け、
    前記カウンタへの出力停止動作の際は、前記回転角度幅の間に、前記エンコーダから入力したパルス信号の前記カウンタへの出力数を徐々に減少していき、
    一方、前記カウンタへの出力開始動作の際は、前記回転角度幅の間に、前記エンコーダから入力したパルス信号の前記カウンタへの出力数を徐々に増加していき、前記回転角度幅だけの出力時点で再び前記エンコーダからの出力に相当するパルス信号を前記カウンタへ出力するものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の包装材繰出し装置において、
    前記カッタ制御手段は、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材の切断タイミングに、切断時の回転角度を示すカッタ制御原点アドレスを設定するカッタ制御原点設定手段と、
    前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式カッタの切断時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、前記カッタ駆動用モータを駆動するカッタ速度変換手段と、
    前記カッタ制御原点設定手段により設定されたカッタ制御原点アドレスのタイミングに、前記回転式カッタの切断時速度を合わせる切断時速度同期手段と、
    を含むことを特徴とする包装材繰出し装置。
  5. 請求項4記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式カッタの切断動作時の回転角度を示すカッタ原点を検出したときカッタ原点検出信号を出力するカッタ原点検出センサを設け、
    かつ前記カッタ制御手段は、前記カッタ原点検出センサからのカッタ原点検出信号を入力し、当該カッタ原点検出信号の入力タイミングと前記カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、前記カッタ原点検出信号の入力タイミングに、前記回転式カッタの切断時速度を合わせるものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  6. 請求項4記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式カッタの切断動作時の回転角度を示すカッタ原点を検出したときカッタ原点検出信号を出力するカッタ原点検出センサを設け、
    かつ前記カッタ制御手段は、
    前記カッタ原点検出信号の入力タイミングと、前記カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、
    当該タイミングずれをなくすために必要な前記回転式カッタの速度補正値を算出し、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、前記算出した速度補正値に基づき前記回転式カッタの速度を補正するものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の包装材繰出し装置において、
    包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設けられ、前記繰出しローラによって繰り出された包装材に開封端形成用の切欠きを形成する回転式小口カッタと、
    この回転式小口カッタを駆動する小口カッタ駆動用モータと、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期して、前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、前記回転式小口カッタが包装材を切欠くように、前記小口カッタ駆動用モータの回転速度を制御する小口カッタ制御手段と、
    を備えたことを特徴とする包装材繰出し装置。
  8. 請求項7記載の包装材繰出し装置において、
    前記小口カッタ制御手段は、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材への切欠き形成タイミングに、当該切欠き形成時の回転角度を示す小口カッタ制御原点アドレスを設定する小口カッタ制御原点設定手段と、
    前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式小口カッタの切欠き形成時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、前記小口カッタ駆動用モータを駆動する小口カッタ速度変換手段と、
    前記小口カッタ制御原点設定手段により設定された小口カッタ制御原点アドレスのタイミングに、前記回転式小口カッタの切欠き形成時速度を合わせる切欠き形成時速度同期手段と、
    を含むことを特徴とする包装材繰出し装置。
  9. 請求項8記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式小口カッタの切欠き形成時の回転角度を示す小口カッタ原点を検出したとき小口カッタ原点検出信号を出力する小口カッタ原点検出センサを設け、
    かつ前記小口カッタ制御手段は、前記小口カッタ原点検出センサからの小口カッタ原点検出信号を入力し、当該小口カッタ原点検出信号の入力タイミングと前記小口カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、前記小口カッタ原点検出信号の入力タイミングに、前記回転式小口カッタの切欠き形成時速度を合わせるものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  10. 請求項8記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式小口カッタの切断動作時の回転角度を示す小口カッタ原点を検出したとき小口カッタ原点検出信号を出力する小口カッタ原点検出センサを設け、
    かつ前記小口カッタ制御手段は、
    前記小口カッタ原点検出信号の入力タイミングと、前記小口カッタ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、
    当該タイミングずれをなくすために必要な前記回転式小口カッタの速度補正値を算出し、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、前記算出した速度補正値に基づき前記回転式小口カッタの速度を補正するものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  11. 切断位置を指示するレジマークが一定の間隔で付された帯状の包装材を、当該レジマーク間隔に合わせて切断するとともに、当該切断した包装材を前記包装材供給位置に配置する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の包装材繰出し装置において、
    前記レジマークを所定の検出地点で検出してレジマーク検出信号を出力するレジマーク検出センサを設けるとともに、
    前記繰出し制御手段が、前記カウンタからの同期パルス信号に同期して、前記レジマークの検出タイミングに対応したタイミングをもって、繰出しローラの包装材繰出し原点となる繰出し制御原点アドレスを設定する繰出し制御原点設定手段を含み、
    かつ前記繰出し制御手段は、
    前記レジマーク検出センサからのレジマーク検出信号の入力タイミングと、前記繰出し制御原点設定手段により設定された繰出しローラ制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、
    当該タイミングずれをなくすために必要な前記繰出しローラの速度補正値を算出し、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、前記算出した速度補正値に基づき前記繰出しローラの速度を補正するものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の包装材繰出し装置において、
    包装材の繰出し軌道上に設定した所定位置に設けられ、前記繰出しローラによって繰り出された包装材に所定の印字を行なう回転式印字ヘッドと、
    この回転式印字ヘッドを駆動する印字ヘッド駆動用モータと、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期して、前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じたタイミングで、前記回転式印字ヘッドが包装材に印字するように、前記印字ヘッド駆動用モータの回転速度を制御する印字ヘッド制御手段と、
    を備えたことを特徴とする包装材繰出し装置。
  13. 請求項12記載の包装材繰出し装置において、
    前記印字ヘッド制御手段は、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した包装材への印字タイミングに、当該印字時の回転角度を示す印字ヘッド制御原点アドレスを設定する印字ヘッド制御原点設定手段と、
    前記搬送経路上に供給される被包装物の大きさに応じて設定した、回転式印字ヘッドの印字時速度を含む所定の回転速度パターンにしたがって、前記印字ヘッド駆動用モータを駆動する印字ヘッド速度変換手段と、
    前記印字ヘッド制御原点設定手段により設定された印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングに、前記回転式印字ヘッドの印字時速度を合わせる印字時速度同期手段と、
    を含むことを特徴とする包装材繰出し装置。
  14. 請求項13記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式印字ヘッドの印字時の回転角度を示す印字ヘッド原点を検出したとき印字ヘッド原点検出信号を出力する印字ヘッド原点検出センサを設け、
    かつ前記印字ヘッド制御手段は、前記印字ヘッド原点検出センサからの印字ヘッド原点検出信号を入力し、当該印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングと前記印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングとの間にずれが生じたとき、前記印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングに、前記回転式印字ヘッドの印字時速度を合わせるものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
  15. 請求項13記載の包装材繰出し装置において、
    前記回転式印字ヘッドの印字時の回転角度を示す印字ヘッド原点を検出したとき印字ヘッド原点検出信号を出力する印字ヘッド原点検出センサを設け、
    かつ前記印字ヘッド制御手段は、
    前記印字ヘッド原点検出信号の入力タイミングと、前記印字ヘッド制御原点アドレスのタイミングとの間のずれを検出するとともに、
    当該タイミングずれをなくすために必要な前記回転式印字ヘッドの速度補正値を算出し、
    前記カウンタからの同期パルス信号に同期した所定の補正タイミングに合わせて、前記算出した速度補正値に基づき前記回転式印字ヘッドの速度を補正するものであることを特徴とする包装材繰出し装置。
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