JP3724888B2 - 包装用フィルム、その製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用フィルム、とくに例えばソーセージ等の練り製品等を包装する筒状包装用フィルムに関し、詳しくは製袋前の帯状フィルム1に、易開封用のテープ2を一定長さに切断し溶着する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソーセージ等の練り製品等を包装する筒状フィルム3を形成する包装用フィルムにおいて、製袋前の帯状フィルム1に易開封用テープ2を溶着する場合、従来は、特開平5−246458に記載されている様に、易開封テープ2の長手方向の両端は、筒状製品4を形成する帯状フィルム1と易開封用のテープ2の未溶着の摘み部分22を備えていた(図4)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来この分野における品質要求は、特公平05−071470に述べられている製袋工程や後処理工程における、顕在化している欠陥製品である、破袋数を少なくすることであった。しかし、最近品質要求が高まり、従来問題にされていなかった、潜在化している欠陥製品である後処理工程のレトルト処理、包装処理等において、破袋はしていないが破袋の主原因となる図5に示す易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分40がない製品作りを要求されるようになってきた。本発明は、易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分40を生じることがない包装用フィルム、その製造方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、帯状フィルムに易開封テープを溶着するにあたって端部に未溶着部分を残さないように溶着部を形成し、かつ易開封テープの溶着端部が確実に帯状フィルムに固着されるように該端部が帯状フィルムにより包み込まれるようにすることが有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)内容物が充填される包装用フィルムであって、所定の間隔で溶着された易開封テープを有する帯状フィルムからなり、該溶着が易開封テープの端部間の溶着部によりなり、かつ該溶着部の少なくとも両端部が前記帯状フィルムにより包み込まれていることを特徴とする包装用フィルム、
(2)高周波電極間に帯状フィルムと該帯状フィルムの所定位置に対向する易開封テープとを配置し、一方の電極面を易開封テープに接して該テープを保持し、前記電極面の両端部において前記テープを一定長に切断し、該切断テープを保持した電極面と他方の電極面とで前記帯状フィルムと前記切断テープとを挾持し、加熱することにより帯状フィルムに易開封テープを両端部間で溶着することを特徴とする前記1記載の包装用フィルムの製造方法、
(3)帯状フィルムとその所定位置に対向する易開封テープと該テープを切断する切断装置とを電極間に挾むように配設された一対の高周波電極からなり、前記切断装置により切断された前記テープを前記帯状フィルムとともに前記電極間に挾持し、加熱して前記帯状フィルム上に前記テープを両端部間で溶着する包装用フィルムの製造装置であって、前記切断装置が一方の電極面に保持された前記易開封テープを該電極面の両端部にて切断するように配設されていることを特徴とする前記(1)記載の包装用フィルムの製造装置に関する。
【0006】
本発明の包装用フィルムは、上記のように帯状フィルムに対する易開封テープの溶着がその両端部に至るまで溶着され、かつその溶着部端部においては帯状フィルムに包み込まれていることが重要である。好ましくはその溶着部は、易開封テープの長手方向の両端に至る溶着部とする。
【0007】
本発明の包装用フィルムの製造方法および製造装置において、高周波電流の最小値は、未溶着時間には溶着時間に通電する高周波電流の50%以上90%以下の電流を通電するのが安定した溶着を行うのに好ましく、一定長さに送り出された易開封テープを真空吸引方法にて高周波電極に吸引し、一定長さに切断し、しかる後に帯状フィルムと溶着させるのが、易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設けるのに好ましい。
【0008】
易開封テープを一定長さに切断するに際し、高周波電極の陰極または陽極側面に沿って切断装置を相対的に移動させるのが易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設けるために高周波電極と一定長さに切断された易開封テープの長さを揃えるのに有効である。
【0009】
また溶着線は、その中心を易開封テープの長手方向の中心線と異なる位置に設けるのが開封を行うのに好ましい。
【0010】
易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設ける溶着方法を実現するための装置として、溶着に用いる高周波電極の陽極と陰極の間隔が、両極が近接する溶着時において、帯状フィルムや易開封テープが無い状態で中央部で接っしており両端部で10ミクロンメータ以下2ミクロンメータ以上の間隔があり、帯状フィルムと易開封テープに接する陽極と陰極の面は、金属表面であり、かつ帯状フィルムと易開封テープに接する面積は30平方mm以下、陽極と陰極の幅は0.5mm以上である装置が好ましい。
【0011】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
図1,3に示すように、易開封テープ2の長手方向の両端にいたるまで溶着線21を設けることにより、高周波電流により溶けた、筒状製品4を形成する帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むようにする。この状態を示す溶着部の長手方向の断面を図1、図2に示す。図2は図1のA部で拡大写真をとり、それをスケッチした模式図である。図2のB部で易開封テープ2の長手方向の端が帯状フィルム1に包む込まれている状態がよく分かる。従来技術では、図4に示すように易開封テープ2の長手方向の端は開封するため帯状フィルム1と易開封テープ2の未溶着の摘み部分22があり、未溶着部分なので図4のD−D断面図である図6に示すように、筒状フィルム3から浮き上がっている。ソーセージ等の筒状製品4が平面でなく円形の断面のために、より浮き上がり易いようである。
【0013】
このために、後処理工程であるレトルト処理や包装処理において、製品どうしの擦れや製品と装置との擦れが起こると、易開封テープ2の溶着部が僅かに筒状製品4より剥がれる現象が起こり易く、この部分が起点になり以後の取り扱われかたによっては、破袋を起こすことが懸念されていた。本発明では、図2に示すように帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の両端を包み込んでおり、製品どうしや製品と装置との擦れでは易開封テープ2が剥がれる現象は容易に起こらない。帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むのは、陽極32と陰極33との間で帯状フィルムと易開封テープが強い力で押しつけられており、溶着時に柔らかくなった帯状フィルム1に多少固さのある易開封テープ2が押し込まれることでなされる。したがって、易開封テープには、帯状フィルムに比して加熱による軟化に抵抗の大きい材質を選択するか、あるいは材質が同じであれば厚みを厚くすることが好ましい。こうした点を満足する限り、本発明の包装用フィルムに使用される帯状フィルム、易開封テープの材質にはとくに制限はない。
【0014】
好ましいフィルムおよびテープの材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのポリマーにはホモポリマーだけでなく、コポリマーも包含する。またこれらポリマーフィルムの積層フィルムももちろん使用することができる。内容物が食品など酸素と接触して品質が劣下する場合には、帯状フィルムの材質はガス不透過性のフィルムから選択される。このようなフィルム自体は各種のものが知られている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の包装用フィルムの製造方法及び製造装置について説明する。
【0016】
図7〜11は、本発明の包装用フィルムの製造装置を説明する説明図である。図7は側面図、図8〜11は平面図である。図中、1は帯状テープ、2は易開封テープ、32は陽極、33は陰極、34は易開封テープ切断装置としての切断刃、36は易開封テープを陰極面に保持するための真空装置に連通する真空吸入口を示す。図示しないフィルム送り装置により高周波電極間32、33に、図7において図面上、下方向から帯状フィルム1を供給し、その所定位置に、同図面上手前から紙面の向こう側に供給される易開封テープ2を対向させるため、図示しないテープ摘み装置により易開封テープをA部よりB部に引き出す(図8)。テープ摘み装置により保持されている状態で陰極33を前進させ、易開封テープ2に接触させ、同時に真空吸入口36上に該テープを保持固定させる。
【0017】
このとき易開封テープを保持していたテープ摘み装置は該テープを解放する。易開封テープ2を固定した陰極33をさらに前進させ、切断装置としての切断刃34に至る(図9)。さらに陰極33を前進させて易開封テープ2を陰極33の両端部において一定長に切断する(図10)。なお、易開封テープ2は真空吸入口36により吸引され陰極33面に固定され続けており、切断された易開封テープ2のB部は図示しない別の真空吸入装置により吸引廃棄される。さらに易開封テープ2を固定した陰極33を前進させて陽極32に所定の圧力で押しつけ、所定時間その状態を維持して、帯状フィルム1の所定位置に易開封テープ2を溶着させる(図11)。その後陰極33を図8に示す位置まで後退させ、該テープが溶着された帯状フィルムは送り出され、上記の工程が繰返される。
【0018】
本発明の包装用フィルムの製造方法および装置は、包装用フィルムにソーセージ等練り製品を充填・包装・結紮する場合に使用されている公知の包装装置において帯状フィルムに易開封テープを溶着する工程を実施する方法および装置の改良技術として利用することができる。したがって、本発明包装用フィルムの製造方法および装置においては帯状フィルムに易開封テープを溶着する工程が重要であり、それ以外の関連工程、例えば易開封テープ溶着後帯状フィルムを筒状にシールする工程あるいは内容物充填・結紮工程などは公知の技術が利用できる。
【0019】
溶着に用いる高周波電流の通電方法はとくに制限はなく、たとえば特開平03−138130に開示された方法でもよいが、同公報に示されている未溶着時間にも通電を行う方法が好ましい。本発明では、溶着時間に通電する電流と未溶着時間に通電する電流の比率に好ましい範囲がある。
【0020】
溶着時間に通電する電流に比し未溶着時間に通電する電流が小さいと溶着時間に通電する電流が一時的に設定の電流を越えるので、スパークの原因になり好ましくない。溶着時間に通電する電流の40%程度を未溶着時間に通電すれば一時的に設定の電流を越えることはないと考えられるが、実用上は、50%以上の電流を通電するのが安定運転を続けるために好ましい。未溶着時間に通電する電流の上限は、溶着時間に通電する電流と同じでよいと考えられるが、このような状態で装置の運転を続けると、高周波電極が蓄熱して、帯状フィルム1と易開封テープ2とを正常に溶着することが出来なくなる。そこで未溶着時間に通電する電流の上限は、90%以下より好ましくは75%以下である。
【0021】
テープ切断方法に関して、従来技術、例えば特公平05−071470で開示されている方法は、図20〜22に図示されているとおりであり一定長さに送り出された易開封テープ2の摘み部分22を摘み装置51により保持して帯状フィルム1と易開封テープ2を溶着し、その後切断装置54、55により易開封テープ2を一定の長さに切断していた。本発明では、易開封テープ2の長手方向の両端に未溶着部よりなる摘み部分22を設けないので帯状フィルム1と易開封テープ2を溶着する時に易開封テープ2を保持する部分が無く、従来技術で行っている溶着後の切断はできない。溶着する前に切断しなければならない。易開封テープ2を筒状製品4の同じ位置に溶着することは外観上の商品価値と、易開封テープ2を用いて開封する図13に示す開封方法にとって重要であり、このために易開封テープ2を何時も高周波電極31の一定の位置に保持することが重要である。このために例えば陰極33に開けられた真空吸引方口36により易開封テープ2を陰極33の一定位置に保つ方法が有効である。
【0022】
本発明の包装用フィルムの製造方法および製造装置において、易開封テープ2の長手方向の幅と高周波電極31の陽極32陰極33少なくともどちらかの電極幅を一致させる事が重要である。そのために、本発明では、図8〜11に示すように、たとえば高周波電極31の陰極33を陽極32に強い力で押しつけるための移動時に切断装置としての刃物34に沿って陰極33の側面を移動させ陰極33と一定長さに切断される易開封テープ2の長さを一致させる。なお、機械の構成により刃物34に沿って陽極32の側面を移動させても、陰極33の側面に沿って刃物34を移動させても、陽極32の側面に沿って刃物34を移動させ切断させてもその効果は同一である。なお、図12に陽極32と易開封テープ2と陰極33の位置関係を例示する。
【0023】
本発明の包装用フィルムによる包装製品は、たとえばソーセージ等の練り製品であるが、これを開封するに際し、易開封テープ2の開封するための摘み部分22が従来技術と大きく異なっている。従来は、易開封テープ2のどちらかの端の摘み部22を持って開封できた。この開封方法は、すでに特開平5−246458に開示されており、図13に図示している。これに対し本発明では従来技術における摘み部22は溶着しており摘めない。易開封テープ2の幅を広くする方法は、帯状フィルム1を折り返し製袋するフォルダーで易開封テープ2が折れる恐れがあり、さらには易開封テープの使用量が増加しコスト高になり好ましい解決策ではない。本発明者はこの点についても鋭意検討を進め、従来技術と同一寸法の幅の狭い易開封テープ2を用いて、溶着線21を易開封テープ2の中心線と異なる位置に設ければ、易開封テープ2の上部または下部を摘めるので、従来技術における摘み部22と同様に容易に開封が可能であることを見いだした。溶着線21と易開封テープ2の中心線の関係は色々考案することができるが、図14に示すように例えば、溶着線21を易開封テープ2の中心線に対して平行移動する方法や、図15に示す溶着線21を易開封テープ2の中心線に対し斜めに位置させる方法等が好ましい。
【0024】
この易開封テープ2の長手方向の両端に至まで溶着線21を設けるためには、溶着に用いる高周波電極31の陽極32と陰極33の間隔を調整することが好ましい。高周波電極31は帯状フィルム1や易開封テープ2の無い状態で中央部で接し両端部では間隔が開くのがよく、高周波電極31の少なくとも一方は、若干凸型をしているのが好ましい。図16では陽極を凸型にして例示している。このために、易開封テープ2と同一長さの陰極33の長手方向の両端部で陽極32と陰極33は線接触しない。従来技術では図17に示すように陽極32を凹にして、長手方向の両端部の押しつけ力を強くして長手方向の両端部において剥がれを防止していた。この場合には長手方向の両端部には必ず帯状フィルム1と易開封テープ2が存在しておりスパークの起こる恐れは少なかった。本発明で陽極32を凹にすると、長手方向の両端部には必ずしも易開封テープ2が存在していないので長手方向の両端部で帯状フィルム1のみを介して線接触しやすくスパークの原因になる。だだし、両端部の間隙が大きすぎるとこの部分での溶着が行われなく本発明である帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むことができない。間隙の最大は、10ミクロンメートルであり、8ミクロンメートル以下が好ましい。また、陽極32と陰極33が平滑面で間隔がゼロでも理屈ではよいが、実用上は完全な平滑面は作りにくく、スパークが起きやすく安定操業ができない。(中央部で接し両端部で開けるその)両端部の間隔の最小値は、2ミクロンメートルである。間隔の調整は例えば図18に図示する陽極32の構造の場合には締め付けボルト37により2ツ割りの間隔Cを変えることにより調整可能にしている。この場合の凸の形状は多次曲線になっているが、これに限定されるものではない。また、陽極32を平面にし、陰極33に凸を付けるのも、陽極32と陰極33の両極に凸を付けるのも同一の効果が得られる。
【0025】
従来高周波電極31の帯状フィルム1や易開封テープ2に接する面は、特公平05−034233に示されている弾性体35を介して接していた。図19に従来技術の高周波電極31と弾性体35の位置関係を示す。弾性体35を介していたのは、高周波電極31の全面が均一に接触するのでなく一部分のみが接触してその部分の電流密度が上昇しスパークが発生するのを防止するためであった。しかし、弾性体35を取り付けると、例えば高周波電極31を凹型にして高周波電極31の両端部がより強く押しつけられるような高周波電極31を用いても、両端部における剥がれ現象の解消ができない。これは両端部において帯状フィルム1と易開封テープ2を押しつけ力が弾性体35の介在により分散され弱くなるためのようである。本発明の課題を達成するためにはこの弾性体35を取り除き、金属表面に直接帯状フィルム1や易開封テープ2を接するのが好ましい。なお、弾性体35を取りはずすことにより、両電極間距離が狭まり、このため溶着時の両電極間電圧は下がり両電極間を流れる電流も小さくなる。このことは、安定運転にとっては有効なことである。また、弾性体35の保守や調整に時間と労力を費していたが、本発明ではこれらの作業の必要は無くなった。
【0026】
また、高周波電極31の陽極32と陰極33の帯状フィルム1と易開封テープ2に接する面積はその面積が広過ぎると溶着に必要とされる電圧を保つには電流が流れ過ぎ、また高周波電極31の幅が狭すぎると高周波電極31が刃物状になり帯状フィルム1や易開封テープ2を切り裂いてしまう。帯状フィルム1と易開封テープ2に接する面積は30平方mm以下が好ましく、幅は0.5mm以上が好ましい。
【0027】
本発明の包装用フィルムにより、課題である易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる現象を解決できるのみならず、従来運転開始直後は、高周波電極31が一定温度に達していないために、電圧を細かく変更させていたが、溶着時の許容電圧値の幅が広がり電流の細かな変更作業は不要になった。
【0028】
以下実施例により、詳細を説明する。
【0029】
以下の条件で検討した。
【0030】
実施例および比較例
下記の条件でソーセージを充填し、易開封テープ2を用いた場合のソーセージ開封率について評価をおこなった。ここで開封率とは、高温高圧殺菌(レトルト処理)を行い取り出した製品を24時間静地冷却後、易開封テープ2を剥し、その際に易開封テープ2と共に筒状フィルム3の一部が破けた場合は開封であり、易開封テープ2のみ剥がれ筒状フィルム3は破れない場合は未開封であり、開封と未開封の合計に対する開封の割合をいう。その結果を表1に示す。本発明による溶着方法と溶着装置をもち易開封テープ2の両端に至るまで溶着線21を設けると、剥がれがなくかつ開封が完全な製品を得る事が出来た。
【0031】
【表1】
【0032】
以下の条件で実施した。
【0033】
以上の条件を実施例と比較例において共通とし、帯状フィルムへの易開封テープの溶着工程を実施例においては図7〜11に示す装置により実施し、溶着部を易開封テープの両端部間に形成し、他方比較例においては図20〜22に示す装置により実施し、テープの左右両端部に5mmを摘み部として未溶着とした。なお、電極間間隔は本発明においては帯状フィルム1と易開封テープ2がない状態で、凸型陽極と平面陰極を合わせ中央部で接し両端部では5ミクロンメートルの間隔とし、比較例においては帯状フィルム1と易開封テープ2がない状態で、凹型陽極と平面陰極を合わせ両端部で接し中央部では5ミクロンメートルの間隔とした。また、本発明においては真空吸引装置に通じる吸引ノズル36を取り付けた陰極を使用し、比較例においては吸引ノズルは使用しなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の包装用フィルムによれば、以上説明したように、帯状フィルム溶着された易開封テープが溶着端部において帯状フィルムにより包み込まれているので、該溶着部が不用意に剥がれることはない。例えばソーセージ等練り製品を充填・結紮工程の後、後処理工程であるレトルト処理・包装処理において易開封テープ2が筒状製品4よりわずかに剥がれることがなくなり、それが引き起こしていた破袋がなくなり、安定した生産が可能になった。また、金属表面を直接帯状フィルム1と易開封テープ2に接することが可能になり運転当初から安定した溶着が出来、使用電圧領域が広く操作が楽に出来るのみならず、弾性体35の保守それに伴う機械の調整が不要になり、機械整備のための作業が大幅に減った。両端の摘み部分がなくなりテープの使用量も大幅に削減出来る。以上のように本発明による、効果は多大なものがあり工業生産に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装用フィルムの説明図で、帯状フィルム1に対して易開封テープ2を高周波電極32、33により溶着した状態を示す。
【図2】図1A部の部分拡大説明図。
【図3】本発明の包装用フィルムによる練り製品の一例を示す説明図で易開封テープの溶着部が両端まで形成されている。
【図4】従来の易開封テープを説明する説明図。
【図5】従来の包装用フィルムによる練り製品の一例を示す説明図で、易開封テープの左右両端に未溶着の摘み部22がある。
【図6】図4DD線断面説明図。
【図7】本発明の包装用フィルムの製造装置の実施例を説明する側面図。
【図8】同上平面図で、易開封テープ2を図示しないテープ摘み装置によりA部よりB部に引き出した状態を示す。
【図9】同上平面図で、陰極33を前進させて易開封テープを電極面で保持させ、切断装置34に接触させた状態を示す。
【図10】同上平面図で、易開封テープを陰極両端部において切断した状態を示す。
【図11】同上平面図で、切断した易開封テープを陰極面に保持したまま前進させて、帯状フィルム1とともに陽極32に押しつけ加熱溶着する状態を示す。
【図12】本発明の包装用フィルムの製造装置における陽極32と易開封テープと陰極33の位置関係の一例を示す説明図。
【図13】従来の易開封テープの作用の説明図。
【図14】本発明の包装用フィルムにおける溶着部21と易開封テープとの位置関係の一例を示す説明図。
【図15】同上、別の例を示す説明図。
【図16】本発明の包装用フィルムの製造装置における高周波電極の構造の一例を示す説明図。
【図17】同上、従来の高周波電極の構造を示す説明図。
【図18】本発明の包装用フィルムの製造装置に用いる電極間間隔調整装置の説明図。
【図19】弾性体35を備えた従来技術の高周波加熱電極の説明図。
【図20】従来の(特公平5−71470号)包装用フィルムの製造装置の説明図で、易開封テープを摘み装置51により保持している状態を示す。
【図21】同上説明図で、帯状フィルムの所定位置に対向するように易開封テープを摘み装置51により電極間に引き出した状態を示す。
【図22】同上説明図で、電極間で帯状フィルム上に易開封テープを押しつけ溶着し、切断装置54によりテープを切断しようとする状態を示す。
【符号の説明】
1 帯状フィルム
2 易開封テープ
4 筒状製品
21 溶着線
22 摘み部
31 高周波電極
32 陽極
33 陰極
34 刃物
35 弾性体
36 真空吸入口
37 締め付けボルト
40 易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分
51 テープ摘み装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用フィルム、とくに例えばソーセージ等の練り製品等を包装する筒状包装用フィルムに関し、詳しくは製袋前の帯状フィルム1に、易開封用のテープ2を一定長さに切断し溶着する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソーセージ等の練り製品等を包装する筒状フィルム3を形成する包装用フィルムにおいて、製袋前の帯状フィルム1に易開封用テープ2を溶着する場合、従来は、特開平5−246458に記載されている様に、易開封テープ2の長手方向の両端は、筒状製品4を形成する帯状フィルム1と易開封用のテープ2の未溶着の摘み部分22を備えていた(図4)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来この分野における品質要求は、特公平05−071470に述べられている製袋工程や後処理工程における、顕在化している欠陥製品である、破袋数を少なくすることであった。しかし、最近品質要求が高まり、従来問題にされていなかった、潜在化している欠陥製品である後処理工程のレトルト処理、包装処理等において、破袋はしていないが破袋の主原因となる図5に示す易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分40がない製品作りを要求されるようになってきた。本発明は、易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分40を生じることがない包装用フィルム、その製造方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、帯状フィルムに易開封テープを溶着するにあたって端部に未溶着部分を残さないように溶着部を形成し、かつ易開封テープの溶着端部が確実に帯状フィルムに固着されるように該端部が帯状フィルムにより包み込まれるようにすることが有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)内容物が充填される包装用フィルムであって、所定の間隔で溶着された易開封テープを有する帯状フィルムからなり、該溶着が易開封テープの端部間の溶着部によりなり、かつ該溶着部の少なくとも両端部が前記帯状フィルムにより包み込まれていることを特徴とする包装用フィルム、
(2)高周波電極間に帯状フィルムと該帯状フィルムの所定位置に対向する易開封テープとを配置し、一方の電極面を易開封テープに接して該テープを保持し、前記電極面の両端部において前記テープを一定長に切断し、該切断テープを保持した電極面と他方の電極面とで前記帯状フィルムと前記切断テープとを挾持し、加熱することにより帯状フィルムに易開封テープを両端部間で溶着することを特徴とする前記1記載の包装用フィルムの製造方法、
(3)帯状フィルムとその所定位置に対向する易開封テープと該テープを切断する切断装置とを電極間に挾むように配設された一対の高周波電極からなり、前記切断装置により切断された前記テープを前記帯状フィルムとともに前記電極間に挾持し、加熱して前記帯状フィルム上に前記テープを両端部間で溶着する包装用フィルムの製造装置であって、前記切断装置が一方の電極面に保持された前記易開封テープを該電極面の両端部にて切断するように配設されていることを特徴とする前記(1)記載の包装用フィルムの製造装置に関する。
【0006】
本発明の包装用フィルムは、上記のように帯状フィルムに対する易開封テープの溶着がその両端部に至るまで溶着され、かつその溶着部端部においては帯状フィルムに包み込まれていることが重要である。好ましくはその溶着部は、易開封テープの長手方向の両端に至る溶着部とする。
【0007】
本発明の包装用フィルムの製造方法および製造装置において、高周波電流の最小値は、未溶着時間には溶着時間に通電する高周波電流の50%以上90%以下の電流を通電するのが安定した溶着を行うのに好ましく、一定長さに送り出された易開封テープを真空吸引方法にて高周波電極に吸引し、一定長さに切断し、しかる後に帯状フィルムと溶着させるのが、易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設けるのに好ましい。
【0008】
易開封テープを一定長さに切断するに際し、高周波電極の陰極または陽極側面に沿って切断装置を相対的に移動させるのが易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設けるために高周波電極と一定長さに切断された易開封テープの長さを揃えるのに有効である。
【0009】
また溶着線は、その中心を易開封テープの長手方向の中心線と異なる位置に設けるのが開封を行うのに好ましい。
【0010】
易開封テープの長手方向の両端に至るまで溶着線を設ける溶着方法を実現するための装置として、溶着に用いる高周波電極の陽極と陰極の間隔が、両極が近接する溶着時において、帯状フィルムや易開封テープが無い状態で中央部で接っしており両端部で10ミクロンメータ以下2ミクロンメータ以上の間隔があり、帯状フィルムと易開封テープに接する陽極と陰極の面は、金属表面であり、かつ帯状フィルムと易開封テープに接する面積は30平方mm以下、陽極と陰極の幅は0.5mm以上である装置が好ましい。
【0011】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
図1,3に示すように、易開封テープ2の長手方向の両端にいたるまで溶着線21を設けることにより、高周波電流により溶けた、筒状製品4を形成する帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むようにする。この状態を示す溶着部の長手方向の断面を図1、図2に示す。図2は図1のA部で拡大写真をとり、それをスケッチした模式図である。図2のB部で易開封テープ2の長手方向の端が帯状フィルム1に包む込まれている状態がよく分かる。従来技術では、図4に示すように易開封テープ2の長手方向の端は開封するため帯状フィルム1と易開封テープ2の未溶着の摘み部分22があり、未溶着部分なので図4のD−D断面図である図6に示すように、筒状フィルム3から浮き上がっている。ソーセージ等の筒状製品4が平面でなく円形の断面のために、より浮き上がり易いようである。
【0013】
このために、後処理工程であるレトルト処理や包装処理において、製品どうしの擦れや製品と装置との擦れが起こると、易開封テープ2の溶着部が僅かに筒状製品4より剥がれる現象が起こり易く、この部分が起点になり以後の取り扱われかたによっては、破袋を起こすことが懸念されていた。本発明では、図2に示すように帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の両端を包み込んでおり、製品どうしや製品と装置との擦れでは易開封テープ2が剥がれる現象は容易に起こらない。帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むのは、陽極32と陰極33との間で帯状フィルムと易開封テープが強い力で押しつけられており、溶着時に柔らかくなった帯状フィルム1に多少固さのある易開封テープ2が押し込まれることでなされる。したがって、易開封テープには、帯状フィルムに比して加熱による軟化に抵抗の大きい材質を選択するか、あるいは材質が同じであれば厚みを厚くすることが好ましい。こうした点を満足する限り、本発明の包装用フィルムに使用される帯状フィルム、易開封テープの材質にはとくに制限はない。
【0014】
好ましいフィルムおよびテープの材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのポリマーにはホモポリマーだけでなく、コポリマーも包含する。またこれらポリマーフィルムの積層フィルムももちろん使用することができる。内容物が食品など酸素と接触して品質が劣下する場合には、帯状フィルムの材質はガス不透過性のフィルムから選択される。このようなフィルム自体は各種のものが知られている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の包装用フィルムの製造方法及び製造装置について説明する。
【0016】
図7〜11は、本発明の包装用フィルムの製造装置を説明する説明図である。図7は側面図、図8〜11は平面図である。図中、1は帯状テープ、2は易開封テープ、32は陽極、33は陰極、34は易開封テープ切断装置としての切断刃、36は易開封テープを陰極面に保持するための真空装置に連通する真空吸入口を示す。図示しないフィルム送り装置により高周波電極間32、33に、図7において図面上、下方向から帯状フィルム1を供給し、その所定位置に、同図面上手前から紙面の向こう側に供給される易開封テープ2を対向させるため、図示しないテープ摘み装置により易開封テープをA部よりB部に引き出す(図8)。テープ摘み装置により保持されている状態で陰極33を前進させ、易開封テープ2に接触させ、同時に真空吸入口36上に該テープを保持固定させる。
【0017】
このとき易開封テープを保持していたテープ摘み装置は該テープを解放する。易開封テープ2を固定した陰極33をさらに前進させ、切断装置としての切断刃34に至る(図9)。さらに陰極33を前進させて易開封テープ2を陰極33の両端部において一定長に切断する(図10)。なお、易開封テープ2は真空吸入口36により吸引され陰極33面に固定され続けており、切断された易開封テープ2のB部は図示しない別の真空吸入装置により吸引廃棄される。さらに易開封テープ2を固定した陰極33を前進させて陽極32に所定の圧力で押しつけ、所定時間その状態を維持して、帯状フィルム1の所定位置に易開封テープ2を溶着させる(図11)。その後陰極33を図8に示す位置まで後退させ、該テープが溶着された帯状フィルムは送り出され、上記の工程が繰返される。
【0018】
本発明の包装用フィルムの製造方法および装置は、包装用フィルムにソーセージ等練り製品を充填・包装・結紮する場合に使用されている公知の包装装置において帯状フィルムに易開封テープを溶着する工程を実施する方法および装置の改良技術として利用することができる。したがって、本発明包装用フィルムの製造方法および装置においては帯状フィルムに易開封テープを溶着する工程が重要であり、それ以外の関連工程、例えば易開封テープ溶着後帯状フィルムを筒状にシールする工程あるいは内容物充填・結紮工程などは公知の技術が利用できる。
【0019】
溶着に用いる高周波電流の通電方法はとくに制限はなく、たとえば特開平03−138130に開示された方法でもよいが、同公報に示されている未溶着時間にも通電を行う方法が好ましい。本発明では、溶着時間に通電する電流と未溶着時間に通電する電流の比率に好ましい範囲がある。
【0020】
溶着時間に通電する電流に比し未溶着時間に通電する電流が小さいと溶着時間に通電する電流が一時的に設定の電流を越えるので、スパークの原因になり好ましくない。溶着時間に通電する電流の40%程度を未溶着時間に通電すれば一時的に設定の電流を越えることはないと考えられるが、実用上は、50%以上の電流を通電するのが安定運転を続けるために好ましい。未溶着時間に通電する電流の上限は、溶着時間に通電する電流と同じでよいと考えられるが、このような状態で装置の運転を続けると、高周波電極が蓄熱して、帯状フィルム1と易開封テープ2とを正常に溶着することが出来なくなる。そこで未溶着時間に通電する電流の上限は、90%以下より好ましくは75%以下である。
【0021】
テープ切断方法に関して、従来技術、例えば特公平05−071470で開示されている方法は、図20〜22に図示されているとおりであり一定長さに送り出された易開封テープ2の摘み部分22を摘み装置51により保持して帯状フィルム1と易開封テープ2を溶着し、その後切断装置54、55により易開封テープ2を一定の長さに切断していた。本発明では、易開封テープ2の長手方向の両端に未溶着部よりなる摘み部分22を設けないので帯状フィルム1と易開封テープ2を溶着する時に易開封テープ2を保持する部分が無く、従来技術で行っている溶着後の切断はできない。溶着する前に切断しなければならない。易開封テープ2を筒状製品4の同じ位置に溶着することは外観上の商品価値と、易開封テープ2を用いて開封する図13に示す開封方法にとって重要であり、このために易開封テープ2を何時も高周波電極31の一定の位置に保持することが重要である。このために例えば陰極33に開けられた真空吸引方口36により易開封テープ2を陰極33の一定位置に保つ方法が有効である。
【0022】
本発明の包装用フィルムの製造方法および製造装置において、易開封テープ2の長手方向の幅と高周波電極31の陽極32陰極33少なくともどちらかの電極幅を一致させる事が重要である。そのために、本発明では、図8〜11に示すように、たとえば高周波電極31の陰極33を陽極32に強い力で押しつけるための移動時に切断装置としての刃物34に沿って陰極33の側面を移動させ陰極33と一定長さに切断される易開封テープ2の長さを一致させる。なお、機械の構成により刃物34に沿って陽極32の側面を移動させても、陰極33の側面に沿って刃物34を移動させても、陽極32の側面に沿って刃物34を移動させ切断させてもその効果は同一である。なお、図12に陽極32と易開封テープ2と陰極33の位置関係を例示する。
【0023】
本発明の包装用フィルムによる包装製品は、たとえばソーセージ等の練り製品であるが、これを開封するに際し、易開封テープ2の開封するための摘み部分22が従来技術と大きく異なっている。従来は、易開封テープ2のどちらかの端の摘み部22を持って開封できた。この開封方法は、すでに特開平5−246458に開示されており、図13に図示している。これに対し本発明では従来技術における摘み部22は溶着しており摘めない。易開封テープ2の幅を広くする方法は、帯状フィルム1を折り返し製袋するフォルダーで易開封テープ2が折れる恐れがあり、さらには易開封テープの使用量が増加しコスト高になり好ましい解決策ではない。本発明者はこの点についても鋭意検討を進め、従来技術と同一寸法の幅の狭い易開封テープ2を用いて、溶着線21を易開封テープ2の中心線と異なる位置に設ければ、易開封テープ2の上部または下部を摘めるので、従来技術における摘み部22と同様に容易に開封が可能であることを見いだした。溶着線21と易開封テープ2の中心線の関係は色々考案することができるが、図14に示すように例えば、溶着線21を易開封テープ2の中心線に対して平行移動する方法や、図15に示す溶着線21を易開封テープ2の中心線に対し斜めに位置させる方法等が好ましい。
【0024】
この易開封テープ2の長手方向の両端に至まで溶着線21を設けるためには、溶着に用いる高周波電極31の陽極32と陰極33の間隔を調整することが好ましい。高周波電極31は帯状フィルム1や易開封テープ2の無い状態で中央部で接し両端部では間隔が開くのがよく、高周波電極31の少なくとも一方は、若干凸型をしているのが好ましい。図16では陽極を凸型にして例示している。このために、易開封テープ2と同一長さの陰極33の長手方向の両端部で陽極32と陰極33は線接触しない。従来技術では図17に示すように陽極32を凹にして、長手方向の両端部の押しつけ力を強くして長手方向の両端部において剥がれを防止していた。この場合には長手方向の両端部には必ず帯状フィルム1と易開封テープ2が存在しておりスパークの起こる恐れは少なかった。本発明で陽極32を凹にすると、長手方向の両端部には必ずしも易開封テープ2が存在していないので長手方向の両端部で帯状フィルム1のみを介して線接触しやすくスパークの原因になる。だだし、両端部の間隙が大きすぎるとこの部分での溶着が行われなく本発明である帯状フィルム1の一部が易開封テープ2の長手方向の端を包み込むことができない。間隙の最大は、10ミクロンメートルであり、8ミクロンメートル以下が好ましい。また、陽極32と陰極33が平滑面で間隔がゼロでも理屈ではよいが、実用上は完全な平滑面は作りにくく、スパークが起きやすく安定操業ができない。(中央部で接し両端部で開けるその)両端部の間隔の最小値は、2ミクロンメートルである。間隔の調整は例えば図18に図示する陽極32の構造の場合には締め付けボルト37により2ツ割りの間隔Cを変えることにより調整可能にしている。この場合の凸の形状は多次曲線になっているが、これに限定されるものではない。また、陽極32を平面にし、陰極33に凸を付けるのも、陽極32と陰極33の両極に凸を付けるのも同一の効果が得られる。
【0025】
従来高周波電極31の帯状フィルム1や易開封テープ2に接する面は、特公平05−034233に示されている弾性体35を介して接していた。図19に従来技術の高周波電極31と弾性体35の位置関係を示す。弾性体35を介していたのは、高周波電極31の全面が均一に接触するのでなく一部分のみが接触してその部分の電流密度が上昇しスパークが発生するのを防止するためであった。しかし、弾性体35を取り付けると、例えば高周波電極31を凹型にして高周波電極31の両端部がより強く押しつけられるような高周波電極31を用いても、両端部における剥がれ現象の解消ができない。これは両端部において帯状フィルム1と易開封テープ2を押しつけ力が弾性体35の介在により分散され弱くなるためのようである。本発明の課題を達成するためにはこの弾性体35を取り除き、金属表面に直接帯状フィルム1や易開封テープ2を接するのが好ましい。なお、弾性体35を取りはずすことにより、両電極間距離が狭まり、このため溶着時の両電極間電圧は下がり両電極間を流れる電流も小さくなる。このことは、安定運転にとっては有効なことである。また、弾性体35の保守や調整に時間と労力を費していたが、本発明ではこれらの作業の必要は無くなった。
【0026】
また、高周波電極31の陽極32と陰極33の帯状フィルム1と易開封テープ2に接する面積はその面積が広過ぎると溶着に必要とされる電圧を保つには電流が流れ過ぎ、また高周波電極31の幅が狭すぎると高周波電極31が刃物状になり帯状フィルム1や易開封テープ2を切り裂いてしまう。帯状フィルム1と易開封テープ2に接する面積は30平方mm以下が好ましく、幅は0.5mm以上が好ましい。
【0027】
本発明の包装用フィルムにより、課題である易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる現象を解決できるのみならず、従来運転開始直後は、高周波電極31が一定温度に達していないために、電圧を細かく変更させていたが、溶着時の許容電圧値の幅が広がり電流の細かな変更作業は不要になった。
【0028】
以下実施例により、詳細を説明する。
【0029】
以下の条件で検討した。
【0030】
実施例および比較例
下記の条件でソーセージを充填し、易開封テープ2を用いた場合のソーセージ開封率について評価をおこなった。ここで開封率とは、高温高圧殺菌(レトルト処理)を行い取り出した製品を24時間静地冷却後、易開封テープ2を剥し、その際に易開封テープ2と共に筒状フィルム3の一部が破けた場合は開封であり、易開封テープ2のみ剥がれ筒状フィルム3は破れない場合は未開封であり、開封と未開封の合計に対する開封の割合をいう。その結果を表1に示す。本発明による溶着方法と溶着装置をもち易開封テープ2の両端に至るまで溶着線21を設けると、剥がれがなくかつ開封が完全な製品を得る事が出来た。
【0031】
【表1】
【0032】
以下の条件で実施した。
【0033】
以上の条件を実施例と比較例において共通とし、帯状フィルムへの易開封テープの溶着工程を実施例においては図7〜11に示す装置により実施し、溶着部を易開封テープの両端部間に形成し、他方比較例においては図20〜22に示す装置により実施し、テープの左右両端部に5mmを摘み部として未溶着とした。なお、電極間間隔は本発明においては帯状フィルム1と易開封テープ2がない状態で、凸型陽極と平面陰極を合わせ中央部で接し両端部では5ミクロンメートルの間隔とし、比較例においては帯状フィルム1と易開封テープ2がない状態で、凹型陽極と平面陰極を合わせ両端部で接し中央部では5ミクロンメートルの間隔とした。また、本発明においては真空吸引装置に通じる吸引ノズル36を取り付けた陰極を使用し、比較例においては吸引ノズルは使用しなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の包装用フィルムによれば、以上説明したように、帯状フィルム溶着された易開封テープが溶着端部において帯状フィルムにより包み込まれているので、該溶着部が不用意に剥がれることはない。例えばソーセージ等練り製品を充填・結紮工程の後、後処理工程であるレトルト処理・包装処理において易開封テープ2が筒状製品4よりわずかに剥がれることがなくなり、それが引き起こしていた破袋がなくなり、安定した生産が可能になった。また、金属表面を直接帯状フィルム1と易開封テープ2に接することが可能になり運転当初から安定した溶着が出来、使用電圧領域が広く操作が楽に出来るのみならず、弾性体35の保守それに伴う機械の調整が不要になり、機械整備のための作業が大幅に減った。両端の摘み部分がなくなりテープの使用量も大幅に削減出来る。以上のように本発明による、効果は多大なものがあり工業生産に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装用フィルムの説明図で、帯状フィルム1に対して易開封テープ2を高周波電極32、33により溶着した状態を示す。
【図2】図1A部の部分拡大説明図。
【図3】本発明の包装用フィルムによる練り製品の一例を示す説明図で易開封テープの溶着部が両端まで形成されている。
【図4】従来の易開封テープを説明する説明図。
【図5】従来の包装用フィルムによる練り製品の一例を示す説明図で、易開封テープの左右両端に未溶着の摘み部22がある。
【図6】図4DD線断面説明図。
【図7】本発明の包装用フィルムの製造装置の実施例を説明する側面図。
【図8】同上平面図で、易開封テープ2を図示しないテープ摘み装置によりA部よりB部に引き出した状態を示す。
【図9】同上平面図で、陰極33を前進させて易開封テープを電極面で保持させ、切断装置34に接触させた状態を示す。
【図10】同上平面図で、易開封テープを陰極両端部において切断した状態を示す。
【図11】同上平面図で、切断した易開封テープを陰極面に保持したまま前進させて、帯状フィルム1とともに陽極32に押しつけ加熱溶着する状態を示す。
【図12】本発明の包装用フィルムの製造装置における陽極32と易開封テープと陰極33の位置関係の一例を示す説明図。
【図13】従来の易開封テープの作用の説明図。
【図14】本発明の包装用フィルムにおける溶着部21と易開封テープとの位置関係の一例を示す説明図。
【図15】同上、別の例を示す説明図。
【図16】本発明の包装用フィルムの製造装置における高周波電極の構造の一例を示す説明図。
【図17】同上、従来の高周波電極の構造を示す説明図。
【図18】本発明の包装用フィルムの製造装置に用いる電極間間隔調整装置の説明図。
【図19】弾性体35を備えた従来技術の高周波加熱電極の説明図。
【図20】従来の(特公平5−71470号)包装用フィルムの製造装置の説明図で、易開封テープを摘み装置51により保持している状態を示す。
【図21】同上説明図で、帯状フィルムの所定位置に対向するように易開封テープを摘み装置51により電極間に引き出した状態を示す。
【図22】同上説明図で、電極間で帯状フィルム上に易開封テープを押しつけ溶着し、切断装置54によりテープを切断しようとする状態を示す。
【符号の説明】
1 帯状フィルム
2 易開封テープ
4 筒状製品
21 溶着線
22 摘み部
31 高周波電極
32 陽極
33 陰極
34 刃物
35 弾性体
36 真空吸入口
37 締め付けボルト
40 易開封テープ2が僅かに筒状製品4より剥がれる部分
51 テープ摘み装置
Claims (11)
- 内容物が充填される包装用フィルムであって、所定の間隔で溶着された易開封テープを有する帯状フィルムからなり、該溶着が易開封テープの端部間の溶着部によりなり、かつ該溶着部の少なくとも両端部が前記帯状フィルムにより包み込まれていることを特徴とする包装用フィルム。
- 包装用フィルムが筒状にシールされてなる請求項1記載の包装用フィルム。
- 包装用フィルムが内容物を充填後結紮される請求項1または2記載の包装用フィルム。
- 溶着部が溶着線である請求項1〜3のいずれかに記載の包装用フィルム。
- 高周波電極間に帯状フィルムと該帯状フィルムの所定位置に対向する易開封テープとを配置し、一方の電極面を易開封テープに接して該テープを保持し、前記電極面の両端部において前記テープを一定長に切断し、該切断テープを保持した電極面と他方の電極面とで前記帯状フィルムと前記切断テープとを挾持し、加熱することにより帯状フィルムに易開封テープを両端部間で溶着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装用フィルムの製造方法。
- 高周波電極における高周波電流の最小値は、未溶着時間には溶着時間に通電する高周波電流の50%以上90%以下の電流を通電する請求項5に記載の包装用フィルムの製造方法。
- 一方の電極面が易開封テープを真空吸引方法にて保持する請求項5に記載の包装用フィルムの製造方法。
- 易開封テープ2を一定長さに切断するに際し一方の電極側面に沿って切断装置を相対的に移動させる請求項5に記載の包装用フィルムの製造方法。
- 両端部間の溶着部を易開封テープの長手方向の中心線と異なる位置に設ける請求項5に記載の包装用フィルムの製造方法。
- 帯状フィルムとその所定位置に対向する易開封テープと該テープを切断する切断装置とを電極間に挾むように配設された一対の高周波電極からなり、前記切断装置により切断された前記テープを前記帯状フィルムとともに前記電極間に挾持し、加熱して前記帯状フィルム上に前記テープを溶着する包装用フィルムの製造装置であって、前記切断装置が一方の電極面に保持された前記易開封テープを該電極面の両端部にて切断するように配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装用フィルムの製造装置。
- 高周波電極の陽極と陰極の間隔が両極が近接する溶着時において帯状フィルムや易開封テープの無い状態で中央部で接しており、両端部で10ミクロンメータ以下2ミクロンメータ以上の間隔があり、帯状フィルムと易開封テープに接する陽極と陰極の面は、金属表面であり、かつ帯状フィルムと易開封テープに接する面積は30平方mm以下、陽極と陰極の幅は0.5mm以上である請求項9に記載の包装用フィルム製造装置。
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