JP3724479B2 - メモリカード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶内容を誤って消去したり、書き換えることを防止する書込可否設定手段を備えたメモリカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メモリカードの書込可否設定手段には、反射シートやスイッチ、あるいは本体に対して大きく露出した設定子を用いたものがあった。
【0003】
図12は反射シートによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードの斜視図を示している。図12において、31はメモリカード本体、32はメモリカード本体31に一体的に設けられた端子、33は反射シートである。
【0004】
メモリカード本体31の内部には、内容を書き換え可能な半導体メモリ(図示せず)が備わっており、当該半導体メモリと端子32を介して電気的に接続された機器(図示せず)から記憶内容の読み出しと書き換えが行われる。この例では、書込可否設定手段として反射シート33を用いている。書込の可不可はメモリカード本体31の所定の位置に反射シート33を貼付、あるいはこれを剥離することによって設定される。前記機器においては、メモリカード本体31の所定の位置の反射状態をフォトカプラなどで検出することにより、その設定を検出するものである。
【0005】
図13はスイッチによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードの斜視図を示している。図13において、41はメモリカード本体、42はメモリカード本体41に一体的に設けられた端子、43はスイッチである。
【0006】
メモリカード本体41の内部には、内容を書き換え可能な半導体メモリ(図示せず)が備わっており、当該半導体メモリと端子42を介して電気的に接続された機器(図示せず)から記憶内容の読み出しと書き換えが行われる。この例では、書込可否設定手段としてスイッチ43を用いている。書込の可不可はスイッチ43の切り換えによって設定され、これを前記機器において、端子42を介して電気的にその設定を検出するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなメモリカードにおいては、メモリカード本体の小型化、薄型化と、書込可否設定操作の簡便化の両立が要求されている。
【0008】
反射シートによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードにおいては、書込可否設定手段のための機械的な構造をもたない。このためメモリカード本体の小型化薄型化には有効である。しなしながら、書込の可不可を反射シートの貼付と剥離によって設定するため、書込可否設定操作が不便であった。
【0009】
また、スイッチによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードにおいては、書込の可不可をスイッチの切り換えで設定するため、書込可否設定操作は簡便である。しなしながら、メモリカード本体にスイッチを内蔵するため、メモリカード本体の小型化、薄型化に限界があった。
【0010】
本発明は、設定操作が簡便で、メモリカード本体の小型化、薄型化が可能な書込可否設定手段を備えたメモリカードを提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のメモリカードは、平面形状の外形を形成する側部に矩形の切欠部が形成されるメモリカード本体と、該メモリカード本体の内部に収容された基板に実装され、データを少なくとも書き込み可能な半導体メモリと、該メモリカード本体に設けられ該半導体メモリと外部機器とを電気的に接続する端子と、該メモリカード本体の切欠部の内側における本体内部に形成された摺動孔に摺動自在に嵌合され該半導体メモリへの該データの書込可否を設定する書込可否設定子とを備え、前記書込可否設定子は、その一部が前記切欠部の一部を覆う第1位置と当該切欠部の他の一部を覆う第2位置とのいずれかの選択により、前記半導体メモリへのデータの書込可否を設定し、前記メモリカード本体切欠部の内側形成された摺動孔は、当該本体の弾性による変形が可能であり、該摺動孔の内部に嵌合溝を形成しており、前記書込可否設定子は、前記摺動孔に挿入することにより前記嵌合溝に嵌合されて摺動自在であると共に、前記切欠部の一部を覆う摺動位置により前記第1位置と第2位置の選択を視認可能に構成したものである。
【0012】
これにより、側部よりの何らの突起物を有することなくカードとしての薄型形状を保ちながら、単に書込可否設定子を切欠部の内側の摺動孔に嵌合して摺動させる簡便な操作のみで切欠部を変えてデータの書込可否の設定ができ、しかも、メモリカード本体の側部の形状によりその設定状態を明瞭に視認することができると共に、摺動孔の弾性により書込可否設定子をメモリカード本体に確実に保持できる。また、切欠部と書込可否設定子をメモリカード本体の側部に設けたことにより、半導体メモリなどを内蔵できる有効面積の比率を大きくすることができ、メモリカード全体を小さくすることができるという作用を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、請求項1に記載の発明は、平面形状の外形を形成する側部に矩形の切欠部が形成されるメモリカード本体と、該メモリカード本体の内部に収容された基板に実装され、データを少なくとも書き込み可能な半導体メモリと、該メモリカード本体に設けられ該半導体メモリと外部機器とを電気的に接続する端子と、該メモリカード本体の切欠部の内側における本体内部に形成された摺動孔に摺動自在に嵌合され該半導体メモリへの該データの書込可否を設定する書込可否設定子とを備え、前記書込可否設定子は、その一部が前記切欠部の一部を覆う第1位置と当該切欠部の他の一部を覆う第2位置とのいずれかの選択により、前記半導体メモリへのデータの書込可否を設定し、前記メモリカード本体切欠部の内側形成された摺動孔は、当該本体の弾性による変形が可能であり、該摺動孔の内部に嵌合溝を形成しており、前記書込可否設定子は、前記摺動孔に挿入することにより前記嵌合溝に嵌合されて摺動自在であると共に、前記切欠部の一部を覆う摺動位置により前記第1位置と第2位置の選択を視認可能に構成したものである。
【0014】
これにより、側部よりの何らの突起物を有することなくカードとしての薄型形状を保ちながら、単に書込可否設定子を切欠部の内側の摺動孔に嵌合して摺動させる簡便な操作のみで切欠部を変えてデータの書込可否の設定ができ、しかも、メモリカード本体の側部の形状によりその設定状態を明瞭に視認することができると共に、摺動孔の弾性により書込可否設定子をメモリカード本体に確実に保持できる。また、切欠部と書込可否設定子をメモリカード本体の側部に設けたことにより、半導体メモリなどを内蔵できる有効面積の比率を大きくすることができ、メモリカード全体を小さくすることができるという作用を有する。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項6に記載のメモリカードにおいて、前記書込可否設定子は、前記摺動孔に挿入して嵌合する嵌合部を有し、当該嵌合部は最大幅部が摺動孔の幅より大きな寸法に形成して、前記本体に形成した嵌合溝に嵌合するように構成したものであり、これにより、嵌合を確実に行うことができるという作用を有する。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項6に記載のメモリカードにおいて、前記メモリカード本体は、前記嵌合溝内に係合部を形成し、前記書込可否設定子の摺動時における位置決めを行うように構成したものであり、これにより、書込可否設定子の選択位置を確実に設定できるできるという作用を有する。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項6に記載のメモリカードにおいて、前記書込可否設定子は、嵌合部の先端の幅が摺動孔の幅よりも小さい寸法になるように形成すると共に、その嵌合部の最大幅部に向けて傾斜する傾斜面を形成して、この書込可否設定子は、その嵌合部を前記摺動孔に嵌合する際、前記嵌合部の傾斜面を強制的に摺動孔に挿入することにより、摺動孔を押し広げてメモリカード本体に嵌合するように構成したものであり、押し広げて弾性変形させながら嵌合するので、多少の寸法バラツキがあっても、容易に嵌合することができるという作用を有する。
【0018】
(実施の形態1)
以下本発明の実施の第1の形態について、図を用いて説明する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるメモリカードの組立状態の下面側斜視図、図2は下本体の一部を破断して示す斜視図、図3は一部分解状態の上面側斜視図、図4は上本体の一部を破断して示す斜視図、図5は図1におけるA−A断面図、図6は書込可否設定子の操作説明図、図7は書込可否設定子の設定検出説明図である。
【0020】
図1〜図5において、1はメモリカード上本体、2はメモリカード下本体であり、この上下本体1,2の2枚重ね合わせでメモリカード本体を構成している。3はメモリカード上本体1の側部に設けた切欠部であり、メモリカード上本体1の平面形状に矩形の凹欠をなし、この切欠部3には書込可否設定子4が摺動自在に配置構成される。すなわち、切欠部3の内側のメモリカード上本体1にスリット5により形成された弾性ガイド6を設け、またこのスリット5と対向する位置のメモリカード下本体2には溝7を設け、スリット5及び溝7と弾性ガイド6に書込可否設定子4を摺動自在に嵌合すると共に、その書込可否設定子4はメモリカード上下本体1,2間に挟持されるように構成されている。そして、書込可否設定子4は、その一部がメモリカード上本体1の切欠部3に臨んで当該切欠部3の一部を覆うように配置され、その摺動により切欠部3を覆う位置を選択するようになっている。
【0021】
書込可否設定子4は、切欠部3を覆って書込可否設定を行うと共に手動による切り換え用つまみとなる操作部4aと、スリット5に及び溝7に嵌合される抜止部4bと、前記操作部4aと抜止部4bとを連結すると共に弾性ガイド6に接触し摺動する摺動接触部4cとを形成している。そして、書込可否設定子4は、スリット5を形成したメモリカード上本体1に嵌合されると共に、溝7を形成したメモリカード下本体2に覆われて、抜止部4bがスリット5と溝7に嵌合され、摺動接触部4cが弾性ガイド6とメモリカード下本体2との間に摺動可能に保持され挟持された状態となる。
【0022】
メモリカード上本体1に設けた弾性ガイド6には、そのほぼ中央部に凸部6aよりなる係合部を形成し、この凸部6aを書込可否設定子4の摺動接触部4cが乗り越えて弾性ガイド6の両側にそれぞれ係止されることにより書込可否設定子4の切欠部3を覆う位置を選択するものである。すなわち、メモリカード上本体1の弾性ガイド6と書込可否設定子4の間に、弾性ガイド6に対する書込可否設定子4の摺動位置を係止するための係合部を設けられた形態となっている。これにより、書込可否設定子4の摺動におけるクリック感と可否設定の係止を同時に可能としおり、この凸部6aの凸量を変化することにより、クリック感を調整することが可能である。ここで、凸部6aよりなる係合部は、弾性ガイド6に凸部又は凹部よりなる第1の係合部を形成し、書込可否設定子4の摺動接触部4cにおける弾性ガイド6対応面に凹部又は凸部よりなる第2の係合部を形成し、書込可否設定子4の摺動によって第1の係合部に第2の係合部が係止されることにより行うように構成しても良い。また、それぞれが係脱自在な構成であれば個々の形状はこれに限定されるものではない。
【0023】
メモリカード本体には、メモリカード下本体2側に形成したスリット8部分に機器との電気的接続をするための端子9を一体的に設けており、またその内部には内容を書き換え可能な半導体メモリ10が実装された基板11を有する。半導体メモリ10は端子9を介して電気的に接続された機器(図示せず)から記憶内容の読み出しと書き換えが行われる。ここで、書き換えについては、誤って記憶内容を消去したり、上書きすることを防止するために後述する書込可否設定手段を備えている。
【0024】
12はラベル貼付領域であり、メモリカード上本体1の表面上に凹形状に形成され、図5に示すように、このラベル貼付領域12に当該メモリーカードの所定の表示項目を印刷したラベル12aが貼付されるものである。ここで、書込可否設定子4の抜止部4bを、スリット5の端縁より極わずかに突出しないように形成することにより、ラベル12aの剥がれを防止する効果と、メモリカード下本体2の凹溝7をスリット形状にせず溝形状にし、スリット5側はラベル12aの貼付により、ガイド性は損なわず可視部の凹凸を無くし、外観を損ねない構成を可能としている。
【0025】
以上のように構成されたメモリカードの作用を以下に説明する。
【0026】
書込可否設定子4をメモリカード上下本体に狭持させるには、半導体メモリ10が実装されている基板11と同時に、メモリカード上本体1とメモリカード下本体2とで狭持する。ここで、書込可否設定子4は、メモリカード上下本体1,2間において、スリット5と弾性ガイド6と凹溝7にガイドされるかたちで所定の位置に狭持されており、切欠部3以外のメモリカード上本体1とメモリカード下本体2の外周は溶着または接着される。
【0027】
このようにして、メモリカード上下本体1,2に狭持された書込可否設定子4は、その操作部4aが切欠部3の一部を覆う。図6に示すように、覆われた部分は切欠部3の右左どちらかの約半分であり、図6の(a)では左側が覆われ、覆われた部分はメモリカード上本体1の外形と略一体となる。覆われない右側の約半分はメモリカード本体の平面形状に矩形の凹欠をなす。書込可否設定子4を右に摺動することにより、弾性ガイド6上の凸部6aを書込可否設定子4の摺動接触部4cが乗り越えて、覆われる部分が図6の(b)のように弾性ガイド6の右側に係止されるが、その乗り越える際に弾性ガイド6をたわませながら行うこととなる。この書込可否設定子4の摺動により切欠部3を覆う位置を選択することにより、当該メモリカードへのデータの書込可否を設定する。
【0028】
メモリカードへのデータの書込可否の設定操作は、操作部4aを手指で押さえて書込可否設定子4を右左にスライドさせることにより行う。このとき、書込可否設定子4は、凸部6aにより、弾性ガイド6をたわませながら係脱することにより、適度なクリック感を伴って摺動させることができるとともに、不用意に書込可否設定子4が摺動してしまうことを防いでいる。また、切欠部3の書込可否設定子4に覆われない矩形の凹欠はインジケータ機能を併せ持ち、データの書込可否の設定状態を明瞭に視認することができる。また、ここで、書込可否設定子4の操作部4aの両角部には段部4dを設けており、切欠部3を覆う方でメモリカード上本体1の側面縁との間に微少凹部を形成し、手指又は爪の係止が容易に行えるようになっている。
【0029】
つぎに、メモリカードが挿入接続される機器がメモリカードの書込可否設定を検出する方法について図7を用いて説明する。
【0030】
図7の(a)において、22は本実施の形態のメモリカードが挿入接続される機器、21は機器22に設けられた検出スイッチであり、検出部23と接点24を備えている。ここで、書込可否設定子4は図6の(a)と同様に切欠部3の左側を覆っており、この書込可否設定子4が左に位置している状態をが書込可の設定であるとする。この書込可の設定においては、書込可否設定子4が切欠部3の左側を覆っているため、検出スイッチ21の検出部23が上に持ち上げられて接点24が閉じる。この接点24の閉を検出することにより、機器22はメモリカードが書込可能であると認識することが可能である。
【0031】
一方、図7の(b)に示す書込可否設定子4が右に位置している状態が書込不可の設定である。この書込不可の設定においては、切欠部3の左側が書込可否設定子4に覆われないため、検出スイッチ21の検出部23が上に持ち上げられず接点24が開く。この接点24の開を検出することにより、機器22はメモリカードが書込不可能であると認識することが可能である。
【0032】
(実施の形態2)
つぎに本発明の第2の実施の形態について、図8を用いて説明する。図8は本発明の第2の実施の形態におけるスイッチ内臓メモリカードの断面図を示している。
【0033】
基本構成は、実施の形態1と同構成である。図8に示すように、メモリーカードの内部の基板11上にスイッチ13を実装し、そのスイッチ13の作動部13aを書込可否設定子4側に突出するように構成する。一方、書込可否設定子4に操作部4eを設け、この操作部4eがスイッチ13の作動部13aに係合可能にように配置構成する。このために、メモリーカード上本体1とメモリーカード下本体2との間に、操作部4eと作動部13a摺動又は移動するスペース14を設けている。このような構成により、書込可否設定子4の摺動による書込可否と同時に、メモリーカード本体内部において電気的に切り換えを行うことが可能である。
【0034】
(実施の形態3)
つぎに本発明の第3の実施の形態について、図9を用いて説明する。図9は本発明の第3の実施の形態における接点部内臓メモリーカードの断面図を示している。
【0035】
基本構成は、実施の形態1と同構成である。図9に示すように、メモリーカードの内部の基板11上に接点15を設けると共に、書込可否設定子4に接片保持部4f及び接片4gを設け、またメモリーカード上本体1とメモリーカード下本体2との間に、接片保持部4f及び接片4gの摺動スペース16設けることにより、書込可否設定子4の摺動による書込可否と同時に、電気的に切り換えを行うことが可能である。
【0036】
(実施の形態4)
つぎに本発明の第4の実施の形態について、図10を用いて説明する。図10は本発明の第4の実施の形態におけるメモリーカードの書込可否設定子4を備える部分の断面図を示している。
【0037】
基本構成は、実施の形態1と同構成である。図10に示すように、この実施の形態においては、実施の形態1におけるメモリーカード上本体1に形成したスリット5に替え、当該部分に凹溝17を形成したものであり、この凹溝17とメモリーカード下本体2に形成した凹溝7とに、書込可否設定子4の抜止部4bを嵌合するようにしたものである。
【0038】
以上説明した各実施の形態において、スリット5の大きさ、凹溝7又は17の深さ、また弾性ガイド6の厚み、凸部6aの高さ等については、メモリーカード上下本体1,2及び書込可否設定子4を構成する合成樹脂等材料の材質とも相まって、摺動時の弾性強度、クリック感触等設定に応じて、適宜設定されうるものである。
【0039】
(実施の形態5)
つぎに本発明の第5の実施の形態について、図11を用いて説明する。図11は本発明の第5の実施の形態におけるメモリーカードの書込可否設定子を備える部分の断面図を示している。
【0040】
メモリカード本体1,2は、切欠部3の内側に上下本体1,2により摺動孔18を形成し、この摺動孔18の内部におけるメモリカード本体1,2に、溝19,20を形成しており、この溝19,20をその近傍の本体1,2の弾性変形を利用して弾性ガイドとしている。このメモリカード本体1,2は、両本体が予め超音波溶着等により、図示する状態に一体に接合されて重ね合わせ構造となっており、したがって切欠部3の内側には側面方向に開放する前述の摺動孔18が形成されている。なお、21は溝20内に形成された係合部であり、後述する書込可否設定子4の摺動時における位置決めを行うように構成されている。
【0041】
ここで、書込可否設定子4は、メモリカード本体1,2に形成した摺動孔18に挿入して嵌合する嵌合部4hを有し、この嵌合部4hは、摺動孔18の幅D1に対し、最大幅部4jの幅D2の方を大きな寸法に形成し、先端部4kの幅D3の方が小さい寸法になるように形成しており、したがって、嵌合部4hは先端部4kより最大幅部4jに向けて傾斜する傾斜面4mを形成している。
【0042】
このように形成した書込可否設定子4は、図11に示すように、摺動孔18に対して、矢印方向に強制的に挿入することにより、その挿入する際に、嵌合部4hの傾斜面4mにより、弾性材より成るメモリカード本体1,2の摺動孔18近傍を押し広げ、弾性変形させながら挿入され、嵌合部4hを溝19,20に嵌合することとなる(嵌合状態の書込可否設定子4’を破線で示す)。そして、嵌合後は、前述した実施形態のものと同様、溝20内に形成した係合部21により、メモリカード本体1,2が弾性変形して書込可否設定子4の位置決めを行うことができることとなる。
【0043】
以上のように、この実施形態では、書込可否設定子4は摺動孔18に挿入嵌合するのみで上下本体1,2を弾性変形させながら嵌合することができる。また、上下本体1,2の接合時には、書込可否設定子4の嵌合状態を気にすることなく、さらに接合時に誤って書込可否設定子4を上下本体1,2の溶着等により固定してしまうこともなく、重ね合わせて一体化することができる。また、前記書込可否設定子4は、傾斜面4mにより、挿入時に、摺動孔18を押し広げてメモリカード本体に嵌合するように構成したことにより、上下本体1,2を押し広げて弾性変形させながら嵌合するので、多少の寸法バラツキがあっても、容易に嵌合することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、メモリカード本体の側部よりの何らの突起物を有することなくカードとしての薄型形状を保ちながら、単に書込可否設定子を切欠部の内側の摺動孔に嵌合して摺動させる簡便な操作のみで切欠部の選択位置を変えてデータの書込可否の設定ができ、しかも、メモリカード本体の側部の形状によりその設定状態を明瞭に視認することができると共に、摺動孔の弾性により書込可否設定子をメモリカード本体に確実に保持できる。また、切欠部と書込可否設定子をメモリカード本体の側部に設けたことにより、半導体メモリなどを内蔵できる有効面積の比率を大きくすることができ、メモリカード全体を小さくすることができるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるメモリカードの組立状態の下面側斜視図
【図2】同下本体の一部を破断して示す斜視図
【図3】同一部分解状態の上面側斜視図
【図4】同上本体の一部を破断して示す斜視図
【図5】同図1におけるA−A断面図
【図6】同書込可否設定子の操作説明図
【図7】同書込可否設定子の設定検出説明図
【図8】本発明の第2の実施の形態によるメモリカードの断面図
【図9】本発明の第3の実施の形態によるメモリカードの断面図
【図10】本発明の第4の実施の形態によるメモリカードの断面図
【図11】本発明の第5の実施の形態によるメモリカードの断面図
【図12】反射シートによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードの斜視図
【図13】スイッチによる書込可否設定手段を備えた従来のメモリカードの斜視図
【符号の説明】
1 メモリカード上本体
2 メモリカード下本体
3 切欠部
4 書込可否設定子
4a 操作部
4h 嵌合部
4m 傾斜面
5 スリット
6 弾性ガイド
6a 係合用凸部
7,17 凹溝
9 端子
10 半導体メモリ
11 基板
12 ラベル貼付領域面
13 スイッチ
15 接点
18 摺動孔
19,20 溝
21 係合部

Claims (4)

  1. 平面形状の外形を形成する側部に矩形の切欠部が形成されるメモリカード本体と、
    該メモリカード本体の内部に収容された基板に実装され、データを少なくとも書き込み可能な半導体メモリと、
    該メモリカード本体に設けられ該半導体メモリと外部機器とを電気的に接続する端子と、
    メモリカード本体の切欠部の内側における本体内部に形成された摺動孔に摺動自在に嵌合され該半導体メモリへの該データの書込可否を設定する書込可否設定子とを備え、
    前記書込可否設定子は、その一部が前記切欠部の一部を覆う第1位置と当該切欠部の他の一部を覆う第2位置とのいずれかの選択により、前記半導体メモリへのデータの書込可否を設定し、
    前記メモリカード本体切欠部の内側形成された摺動孔は、当該本体の弾性による変形が可能であり、該摺動孔の内部に嵌合溝を形成しており、
    前記書込可否設定子は、前記摺動孔に挿入することにより前記嵌合溝に嵌合されて摺動自在であると共に、前記切欠部の一部を覆う摺動位置により前記第1位置と第2位置の選択を視認可能に構成したことを特徴とするメモリカード。
  2. 前記書込可否設定子は、前記摺動孔に挿入して嵌合する嵌合部を有し、当該嵌合部は最大幅部が摺動孔の幅より大きな寸法に形成して、前記本体に形成した嵌合溝に嵌合するように構成したことを特徴とする請求項1記載のメモリカード。
  3. 前記メモリカード本体は、前記嵌合溝内に係合部を形成し、前記書込可否設定子の摺動時における位置決めを行うように構成したことを特徴とする請求項1記載のメモリカード。
  4. 前記書込可否設定子は、嵌合部の先端の幅が摺動孔の幅よりも小さい寸法になるように形成すると共に、その嵌合部の最大幅部に向けて傾斜する傾斜面を形成して、
    この書込可否設定子は、その嵌合部を前記摺動孔に嵌合する際、前記嵌合部の傾斜面を強制的に摺動孔に挿入することにより、摺動孔を押し広げてメモリカード本体に嵌合するように構成したことを特徴とする請求項2記載のメモリカード。
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