JP3724008B2 - 画像情報変換装置および係数データ作成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えばテレビジョン受像機やビデオテープレコーダ装置等に用いて好適な画像情報変換装置に関し、外部から供給される通常の解像度の画像情報を高解像度の画像情報に変換して出力するような画像情報変換装置および係数データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日において、オーディオ・ビジュアル指向の高まりから、より高解像度の画像を得ることができるようなテレビジョン受像機の開発が望まれ、この要望に応えて、いわゆるハイビジョンが開発された。このハイビジョンは、いわゆるNTSC方式に規定される走査線数が525本なのに対して、2倍以上の1125本となっているうえ、表示画面の縦横比もNTSC方式が3:4に対して9:16と広角画面になっている。このため、高解像度で臨場感のある画面を得ることができるようになっている。
【0003】
ここで、このような優れた特性を有するハイビジョンではあるが、NTSC方式の映像信号をそのまま供給しても画像表示を行うことはできない。これは、上述のようにNTSC方式とハイビジョン方式とでは規格が異なるからである。このため、NTSC方式の映像信号に応じた画像をハイビジョンで表示しようとする場合、従来は、例えば図9に示すような画像情報変換装置を用いて映像信号のレート変換を行っていた。
【0004】
図9において、従来の画像情報変換装置は、入力端子41を介して供給されるNTSC方式の映像信号(SDデータ)の水平方向の補間処理を行う水平補間フィルタ42と、水平方向の補間処理の行われた映像信号の垂直方向の補間処理を行う垂直補間フィルタ43とから構成されている。そして、出力端子44からハイビジョン方式の映像信号(HDデータ)を得ることができる。
【0005】
具体的には、水平補間フィルタ42は、図10に示すような構成を有しており、入力端子51を介して供給されるNTSC方式の映像信号は、入力端子51を介して第1〜第mの乗算器52〜52m にそれぞれ供給される。各乗算器52は、それぞれ映像信号に係数を乗算して出力する。係数の乗算された映像信号は、それぞれ第1〜第mの加算器54〜54n-1 に供給される。各加算器54〜54m-1 の間には、それぞれ時間Tの遅延レジスタ53〜53m が設けられている。そして、第mの乗算器52m から出力された映像信号は、第mの遅延レジスタ53m により時間Tの遅延が施され、第m−1の加算器54m-1 に供給される。
【0006】
第m−1の加算器54m-1 は、第mの遅延レジスタ53m からの時間Tの遅延時間が施された映像信号と、第m−1の乗算器52m-1 からの映像信号とを加算処理して出力する。この加算処理の施された映像信号は、第m−1の遅延レジスタ53m-1 により再度、時間Tの遅延時間が施され、図示しない第m−2の加算器54m-2 において、同じく図示しない第m−2の乗算器54m-2 からの映像信号と加算処理される。水平補間フィルタ42は、このようにしてNTSC方式の映像信号を出力端子55を介して垂直補間フィルタ43に供給する。
【0007】
垂直補間フィルタ43は、上述の水平補間フィルタ42と同様の構成を有しており、水平補間処理の行われた映像信号に対して垂直方向の画素の補間を行う。これにより、NTSC方式の映像信号に対して、垂直方向の画素の補間を行う。このような変換のなされたハイビジョンの映像信号は、ハイビジョン受像機に供給される。これにより、NTSC方式の映像信号に応じた画像をハイビジョン受像機で表示することができる。
【0008】
しかしながら、従来の画像情報変換装置は、NTSC方式の映像信号を基にして、単に水平方向および垂直方向の補間を行っているに過ぎないため、解像度は基となるNTSC方式の映像信号と何ら変わらなかった。特に、通常の動画を変換対象とした場合、垂直方向の補間をフィールド内処理で行うのが一般的であるが、その場合、画像フィールド間相関を使用していないため、画像静止部においては変換ロスにより、NTSC方式の映像信号よりもむしろ解像度が劣化する欠点があった。
【0009】
これに対し、特願平6−205934号では、入力信号である画像信号レベルの3次元(時空間)分布に応じてクラス分割を行い、クラス毎に予め学習により獲得された予測係数値を格納した記憶手段を持ち、予測式に基づいた演算により最適な推定値を出力するというものがある。
【0010】
この手法は、HD画素を創造する場合、創造するHD画素の近傍にある複数のSD画素データを用いてクラス分割を行い、それぞれのクラス毎に予測係数値を学習により獲得することで、画像静止部においてはフレーム内相関また動き部においてはフィールド内相関を利用して、より真値に近いHD画素値を得るというような巧妙なものである。
【0011】
例えば、図3において示すような、HD画素y1 、y2 の創造を目的とした場合、図5に示すようなSD画素m1 〜m5 とSD画素n1 〜n5 のそれぞれ空間的同一位置にある画素同士のフレーム間差分の平均値を求め、それをしきい値処理してクラス分類することにより、主に動きの程度の表現をクラス分類を行う。なお、図3〜図6は、時間的に経過する#k-2 、#k-1 、#k 、#k+1 の4フィールドの垂直方向の画素配列を表している。
【0012】
同時に図4において示すような、SD画素k1 〜k5 をADRC処理するこにより、少ないビット数で、主に空間内の波形表現を目的としたクラス分類を行う。この2種類のクラス分類で決定されたクラス毎に、図6において示すようなSD画素x1 〜x9 を使用して、線形一次式をたて、予測係数値を学習により獲得する。この方式は、主に動きの程度を表すクラス分類と、主に空間内の波形を表すクラス分類とを個別にそれぞれに適した形で行うため、比較的少ないクラス数で高い変換性能を得られるという特徴がある。
【0013】
HD画素yの推定演算は、上述の手順で得られた予測係数値w1 〜wn を用いて以下のような式で行われる。
y=w1 x1 +w2 x2 +・・・+wn xn (1)
この例では、n=9である。
【0014】
このように、SDデータに対応するHDデータを推定するための係数データを各クラス毎に予め学習により求めた上で、ROMテーブルに格納しておき、入力されるSDデータおよびROMテーブルから読み出した係数を出力することにより、入力されたSDデータを単に補間処理したのとは異なり、実際のHDデータにより近いデータを出力することができるという特徴がある。
【0015】
ところで、従来の画像情報変換装置における学習は、図7に示すような構成によっていた。すなわち、入力端子61から入力されたHDデータを、垂直間引きフィルタ回路62により、フィールド内の垂直方向の周波数が1/2になるように間引き処理を行い、さらに水平間引きフィルタ回路63により、HDデータの水平方向の周波数が1/2になるように間引き処理を行うことにより、SDデータが得られる。
【0016】
そして、領域切り出し回路64およびADRC回路65から空間クラスが得られ、領域切り出し回路66および動きクラス決定回路67から動きクラスが得られる。その空間クラスと動きクラスに応じてクラスコード発生回路68からクラスコードが生成され、正規方程式加算回路71では、そのクラスコードと遅延回路69、領域切り出し回路70からのSDデータとHDデータとから正規方程式が生成される。予測係数決定回路72において、各クラスの予測係数が決定され、その予測係数は、メモリ73に格納される。
【0017】
また、テレビカメラの出力信号は、レンズの解像度特性、撮像管の電子ビームのアパーチャ特性等の影響で、高い空間周波数成分ほどその出力が低下してくる。これを補正するとともに、ディスプレイ装置における空間周波数の高域の低下をも見込んで映像信号の輪郭を強調して送出し、見た目にシャープな画像を作り出すための輪郭補正器(エンハンサーとも呼ばれる)が設けられている。
【0018】
この輪郭補正器では、一般に図8のような処理が行われる。R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の、例えばG信号から補正信号が生成される。遅延回路85および86は、補正信号の処理に必要とされる時間、R信号およびB信号を遅延させる。遅延回路87と補正信号処理回路88によって、基本的にはG信号の高域成分を切り出すハイパスフィルタの処理がされ、この高域成分が補正信号として、アッテネータ92、93、94によって、レベルが調整されて加算器89、90、91にて、各色信号に対して重畳される。なお、輪郭補正は、水平方向および垂直方向の両者に関してなされ、遅延回路87において、G信号が水平方向の輪郭補正の場合は、1サンプル遅延され、垂直方向の輪郭補正の場合は、1ライン遅延とされる。
【0019】
補正信号処理回路88は、具体的には、コアリング、輪郭信号に対する非線形処理等の非線形処理を多く含んでいる。コアリングとは、小さな輪郭信号はほとんどがノイズ成分であると見なして、それを抑圧する処理である。輪郭信号に対する非線形処理とは、一般的に小振幅の補正信号の利得は大きく、大振幅の補正信号の利得は小さくする方法である。他にも、画像の輝度により補正信号の利得を変化させたり、またSDデータの場合には、NTSCエンコードをも鑑みて、補正信号を制御する場合もある。
【0020】
すなわち、従来の画像信号変換装置においては、上述のように輪郭補正が実施されたHDデータの画像信号と、それを理想フィルタによりダウンコンバートすることにより作成したSDデータの画像信号との間で学習を行っていた。従って、得られたSDデータはあくまでHDの輪郭補正が実施されたHDデータの画像信号をダウンコンバートして得たSDデータであり、特に輪郭近傍のデータの特性が、SDカメラで撮像したSDデータとは異なっていた。そのため、従来の画像信号変換装置のおいてはHDデータからダウンコンバートして得たSDデータのアップコンバージョンに関しては理想的な変換が実現できたが、SDカメラで撮像したSDデータのタップコンバージョンに関しては、特に輪郭近傍において必ずしも理想的な変換とはならない欠点があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、解像度を向上させてNTSC方式の映像信号をハイビジョン方式の映像信号に変換することが出来るような画像情報変換装置および係数データ作成装置の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第1のディジタル画像信号を、より画素数の多い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像情報変換装置において、生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第1のディジタル画像信号の画像情報を切り出す画像切り出し手段と、画像切り出し手段により抽出された画像情報のレベル分布のパターンを検出し、パターンに基づいて、画像情報が属するクラスを決定してクラス検出情報を出力するクラス検出手段と、クラス検出情報からクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、クラスコード毎に係数データが記憶されている係数データ記憶手段と、係数データ記憶手段から供給された係数データに応じて、第1のディジタル画像信号を第2のディジタル画像信号に変換して出力する画像変換手段とを有し、係数データ記憶手段に記憶されている係数データは、輪郭補正を施していない第2のディジタル画像信号を、第1のディジタル画像信号へ変換し、変換された第1のディジタル画像信号に対して、輪郭補正を施した画像信号と、輪郭補正を施した第2のディジタル画像信号との学習により得られたことを特徴とする画像情報変換装置である。
【0023】
さらに、請求項6に記載の発明は、第1のディジタル画像信号より画素数の多い第2のディジタル画像信号の画像情報から第1のディジタル画像信号の画像情報へ変換するフィルタ手段と、第1のディジタル画像信号の画像情報に対して輪郭補正を行う第1の輪郭補正手段と、第2のディジタル画像信号の画像情報に対して輪郭補正を行う第2の輪郭補正手段と、第1の輪郭補正手段からの第1のディジタル画像信号の画像情報から所定の位置の画像データを切り出す画像切り出し手段と、画像切り出し手段により抽出された画像情報のレベル分布のパターンを検出し、パターンに基づいて、画像情報が属するクラスを決定してクラス検出情報を出力するクラス検出手段と、クラス検出情報からクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、第1の輪郭補正手段からの第1のディジタル画像信号の画像情報と第2の輪郭補正手段からの第2のディジタル画像信号の画像情報とから第1のディジタル画像信号から第2のディジタル画像信号に変換するための情報である推定式の係数データを生成する係数データ生成手段と、係数データをクラスコード毎に記憶する係数データ記憶手段とからなることを特徴とする係数データ作成装置である。
【0024】
【作用】
この発明に係る画像情報変換装置は、入力SD信号から、創造すべきHD画素の近傍に位置するSD画素のレベル分布のパターンを検出し、この検出したパターンに基づいて、その領域の画像情報が属するクラスを決定してクラス検出情報を出力する。さらに、創造すべきHD画素の近傍に位置するSD画素のフレーム間差分を用いて動きの程度を表すクラスを決定し、クラス検出情報を出力する。上述の2つのクラスを、クラスコード発生回路により統合し、最終的なクラスとして出力する。係数データ記憶手段には、外部から供給された画像情報を、この画像情報よりも高い解像度の画像情報に変換するための情報であるあ線形推定式の係数データがクラス毎に記憶されており、この係数データは、クラス検出情報に応じて出力される。そして、画像情報変換手段が、係数データ記憶手段から供給された係数データに応じて、外部から供給された画像情報を、外部から供給された画像情報よりも高い解像度の画像情報に変換する。線形推定式の係数データの獲得のための学習対象として、従来方式のように、HD画像データを単純にダウンコンバートして作成したSD画像データを用いるのではなく、輪郭補正を行わずに撮像したHD画像データをダウンコンバートして、さらにSDカメラに使用されている輪郭補正回路と同様の、輪郭補正回路により輪郭補正を行った画像をSD画像データとして用いることを特徴としている。
【0025】
【実施例】
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、画像情報変換装置の信号処理の概略的構成を示す一実施例である。1で示す入力端子から、外部から供給される画像情報として、例えばいわゆるNTSC方式の映像信号がディジタル化され、SD(Standerd Difinition )データとして供給される。この実施例における、SD画素と創造するべきHD画素の位置関係は、図3に示すとおりとする。すなわち、創造するべきHD画素には、同一フィールド内で見たとき、SD画素から近い位置に存在するHD画素y1 とSD画素から遠い位置に存在するy2 の2種類がある。以降、SD画素から近い位置に存在するHD画素を推定するモードをモード1と呼び、SD画素から遠い位置に存在するHD画素を推定するモードをモード2と呼ぶ。
【0026】
領域切り出し回路2では、入力端子1より供給されたSD画像信号から、主に空間内の波形現象のためのクラス分類(以降、空間クラスと呼ぶ)に必要な画素を切り出す。この実施例では、例えば図4に示すように創造するべきHD画素y1 、y2 の近傍に位置する5つのSD画素k1 〜k5 を切り出す。領域切り出し回路2により抽出されたSDデータは、ADRC回路3に供給される。ADRC回路3では、領域のSDデータのレベル分布のパターン化を目的として、各領域のデータを、例えば8ビットのSDデータから2ビットのSDデータに圧縮するような演算が行われる。これにより、形成されたパターン圧縮データをクラスコード発生回路6に供給する。
【0027】
本来、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )は、ディジタルVTRの高能率符号化用に開発された適応量子化であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、この実施例では、ADRCを信号パターンのクラス分類のコード発生に使用している。ADRC回路3は、領域内のダイナミックレンジをDR、ビット割当をn、領域内画素のデータレベルをL、再量子化コードをQとして以下の式(2)により、領域内の最大値MAXと最小値MINとの間を指定されたビット長で均等に分割して再量子化を行う。
【0028】
DR=MAX−MIN+1
Q=〔(L−MIN+0.5)・2n /DR〕 (2)
ただし、〔 〕は切り捨て処理を意味する。
【0029】
この実施例では、領域切り出し回路2により分離されたそれぞれ5画素のSDデータを、各2ビットに圧縮するものとする。圧縮されたSDデータをそれぞれq1 〜q5 とする。
【0030】
一方、入力端子1から供給されたSD画像信号は、領域切り出し回路4にも供給される。領域切り出し回路4は、主に動きの程度を表すためのクラス分類(動きクラス)に必要な画素を切り出す働きをする。この実施例では、例えば供給されたSD画像信号から、創造するべきHD画素y1 、y2 に対して図5に示す位置に存在する10個のSD画素m1 〜m5 およびn1 〜n5 を抽出する。領域切り出し回路4により切り出されたデータは、動きクラス決定回路5に供給される。動きクラス決定回路5は、供給されたSD画素データのフレーム間差分を算出し、その絶対値の平均値をしきい値処理することにより動きの指標である動きパラメータを算出する。具体的には、動きクラス決定回路5は式(3)により、供給されるSDデータの差分の絶対値の平均値param を算出する。
【0031】
【数1】
ただし、この実施例では、n=5である。
【0032】
上述の手法で算出されたSDデータの差分の絶対値の平均値param を予め設定したしきい値により、このSDデータの差分の絶対値の平均値param を用いて動きクラスmv-classを算出する。例えば、ここでは動きクラスを4つ設けることとして、動きクラスmv-classを以下のように決定する。
【0033】
param ≦2の場合:動きクラスmv-class=0
param ≦4の場合:動きクラスmv-class=1
param ≦8の場合:動きクラスmv-class=2
param >8の場合:動きクラスmv-class=3
このように決定された動きクラスが、クラスコード発生回路6に供給される。
【0034】
クラスコード発生回路6は、ADRC回路3から供給されるパターン圧縮データ(空間クラス)および動きクラス決定回路5から供給される動きクラスmv-classに基づいて以下の式(4)の演算を行うことによりクラスを検出し、そのクラスコードclass をROMテーブル9に供給する。このクラスコードclass は、ROMテーブル9から読み出しアドレスを示すものとなっている。
【0035】
【数2】
この実施例では、nは5、pは2である。
【0036】
ROMテーブル9には、SDデータのパターンとHDデータの関係を学習することにより、線形推定式を用いて、SDデータに対応するHDデータを算出するための係数データが各クラス毎に記憶されている。これは、線形推定式によりSDデータを、この画像情報よりも高い解像度の画像情報である、いわゆるハイビジョンの規格に合致したHD(High Difinition )データに変換するための情報である。この実施例において、係数データは、モード1とモード2で独立に用意される。なお、ROMテーブル9に記憶されている係数データの作成方法については後述する。ROMテーブル9からは、クラスコードclass で示されるアドレスから、そのクラスの係数データであるwi(class)が読み出される。この係数データは、推定演算回路10に供給される。
【0037】
一方、入力SDデータは、領域切り出し回路8にも供給される。領域切り出し回路8は、領域切り出し回路4および動きクラス決定回路5の処理時間だけ、入力SDデータを遅延させる働きをする遅延回路7から図6に示すような位置にある、推定演算に使用する9つのSD画素データx1 〜x9 を切り出す。領域切り出し回路8の出力信号は、推定演算回路10に供給される。推定演算回路10は、領域切り出し回路8から供給されるSDデータ、ROMデータテーブル9から供給される係数データに基づいて、入力されたSDデータに対応するHDデータを算出する。
【0038】
より具体的には、推定演算回路10は、領域切り出し回路8から供給されるSDデータであるx1 〜x9 とROMテーブル9より供給された係数データであるw1 〜w9 により、モード1に関してはモード1用の係数を用いて、モード2に関してはモード2用の係数を用いて、係数データであるwi(class)に基づいて、それぞれ以下の式(5)に示す演算を行うことにより、入力されたSDデータに対応するHDデータを算出する。作成されたHDデータは、水平補間フィルタ11に供給される。
【0039】
hd´=w1 x1 +w2 x2 +w3 x3 +・・・+w9 x9 (5)
【0040】
水平補間フィルタ11は、図9の水平補間フィルタ43と同一なもので、補間処理により水平方向の画素数を2倍にするものである。水平補間フィルタ11の出力は、出力端子12を介して出力される。この出力端子12を介して出力されるHDデータは、例えばHDテレビジョン受像機やHDビデオテープレコーダ装置等に供給される。
【0041】
このように、SDデータに対応するHDデータを推定するための係数データを各クラス毎に予め学習により求めたうえで、ROMテーブル9に記憶しておき、入力されるSDデータおよびROMテーブル9から読み出した係数データに基づいて演算を行い、入力されたSDデータに対応するHDデータを形成して出力することにより、入力されるSDデータを単に補間処理したのとは異なり、実際のHDデータにより近いデータを出力することができる。
【0042】
続いて、ROMテーブル9に格納される係数データの作成方法について図2を用いて説明する。この係数データの作成方法、より具体的には学習に用いるHDデータおよびSDデータの作成方法が従来方式とは異なる。上述の係数データを学習によって得るためには、まず、既に知られているHD画像に対応したHD画像の1/4の画素数のSD画像を形成する。
【0043】
まず、入力端子21を介してHDデータが供給されるが、このHDデータはHDカメラの輪郭補正回路をオフにして撮影された画像とする。この供給された輪郭補正が行われていないHDデータは、供給されるHDデータの垂直方向の画素を垂直間引きフィルタ22により、フィールド内の垂直方向の周波数が1/2になるように間引き処理され、さらに水平間引きフィルタ23により、HDデータの水平方向の画素を間引き処理する。さらに、標準的なSDカメラに使用されている輪郭補正回路と同様のSD輪郭補正回路24により、水平垂直方向の輪郭補正が実施され、SDデータが作成される。従来の学習で用いられていたSDデータが、HDカメラにより輪郭補正されたHDデータをダウンコンバートして作られていたのに対し、この実施例のSDデータは、輪郭補正されていないHDデータをダウンコンバートし、さらにSDカメラで使用されているものと同様の輪郭補正回路により輪郭補正が行われたものであるので、従来のSDデータに比べ、特に輪郭近傍の特性がSDカメラで撮像、輪郭補正された、所謂一般的にいうところのSDデータに近い。
【0044】
このように作成されたSDデータは、領域切り出し回路26、領域切り出し回路28、遅延回路31に供給される。一方、入力端子21に供給されたHDデータ(輪郭補正の行われていないHDデータ)は、標準的なHDカメラに使用されている輪郭補正回路と同様のHD輪郭補正回路25により輪郭補正された後、正規方程式加算回路に供給される。領域切り出し回路26では、空間クラス分類を行うために、供給されたSD画像信号から必要な画素を切り出す。具体的には、領域切り出し回路26は先に説明した領域切り出し回路2と同一の働きをする。切り出されたSDデータは、ADRC回路27に供給される。
【0045】
ADRC回路27は、領域毎に供給されるSDデータの1次元的あるいは2次元的なレベル分布のパターンを検出すると共に、上述のように各領域の全てのデータあるいは一部のデータを、例えば8ビットのSDデータから2ビットのSDデータに圧縮するような演算を行うことによりパターン圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラスコード発生回路30に供給する。ADRC回路27は、先に説明したADRC回路3と同一のものである。
【0046】
一方、領域切り出し回路28に供給されたSD画像信号は、動きクラス分類のために必要なデータ切り出しが行われる。具体的には、領域切り出し回路28は、先に説明した領域切り出し回路4と同一の働きをするものである。領域切り出し回路28により切り出されたSDデータは、動きクラス決定回路29に供給される。この動きクラス決定回路29は具体的には、先に説明した動きクラス決定回路5と同一の働きをするものである。動きクラス決定回路29で決定された動きクラスはクラスコード発生回路30に供給される。クラスコード発生回路30は、先に説明したクラスコード発生回路6と同一のものであり、ADRC回路27から供給されるパターン圧縮データ(空間クラス)および動きクラス決定回路29から供給された動きクラスに基づいて、上述した式(4)の演算を行うことによりクラスを検出し、そのクラスを示すクラスコードを出力するものである。クラスコード発生回路30は、クラスコードを正規方程式加算回路33に出力する。
【0047】
一方、SD輪郭補正回路24の出力信号は、遅延回路31を介して領域切り出し回路32に供給される。遅延回路31は、領域切り出し回路28および動きクラス決定回路29の処理時間だけ、入力SDデータを遅延させ、そのSDデータは、領域切り出し回路32へ供給され、推定演算に使用するSD画素データを切り出される。領域切り出し回路32は具体的には、先に説明した領域切り出し回路8と同一のものであり、動きクラスに応じて、線形推定式に必要なSD画素を切り出す働きをする。領域切り出し回路32の出力は、正規方程式加算回路33に供給される。
【0048】
ここで正規方程式加算回路33の説明のために、複数個のSD画素からHD画素への変換式の学習とその予測式を用いた信号変換について述べる。以下では、説明のために画素をより一般化してn画素による予測を行う場合について説明する。SD画素レベルをそれぞれ、x1 、・・・、xn として、それぞれにpビットADRCを行った結果の再量子化データをq1 、・・・、qn とする。このとき、この領域のクラスclass を上述の式(5)で定義する。上述したように、SD画素レベルをそれぞれ、x1 、・・・、xn とし、HD画素レベルをyとしたとき、クラス毎に係数w1 、・・・、wn によるnタップの線形推定式を設定する。これを式(6)に示す。学習前は、wi が未定係数である。
【0049】
y=w1 x1 +w2 x2 +・・・+wn xn (6)
【0050】
学習は、クラス毎に複数の信号データに対して行う。データ数がmの場合、式(6)に従って、以下に示す式(7)が設定される。
【0051】
yk =w1 xk1+w2 xk2+・・・+wn xkn (7)
(k=1、2、・・・、m)
【0052】
m>nの場合は、w1 、・・・、wn は、一意に決まらないので、誤差ベクトルeの要素を式(8)で定義して、しき(9)を最小にする係数を求める。いわゆる最小二乗法による解法である。
【0053】
ek =yk −{w1 xk1+w2 xk2+・・・+wn xkn} (8)
(k=1、2、・・・、m)
【0054】
【数3】
【0055】
ここで、式(9)のwi による偏微分係数を求める。それは式(10)を0にするように、各wi を求めればよい。
【0056】
【数4】
【0057】
以下、式(11)、式(12)のように、XjiYi を定義すると、式(10)は、行列を用いて式(13)に書き換えられる。
【0058】
【数5】
【0059】
【数6】
【0060】
【数7】
【0061】
この方程式は一般的に正規方程式と呼ばれている。正規方程式加算回路33は、クラスコード発生回路30から供給されたクラスコード、領域切り出し回路32より供給されたSDデータx1 、・・・、xn 、HD補正回路25より供給された、SDデータに対応するHD画素レベルyを用いて、この方程式の加算を行う。
【0062】
すべてのトレーニングデータの入力が終了した後、正規方程式加算回路33は、予測係数決定回路34に正規方程式データを出力する。予測係数決定回路34は、正規方程式を掃き出し法などの一般的な行列解法を用いて、wi について解き、予測係数を算出する。予測係数決定回路34は、算出された予測係数をメモリ35に書き込む。以上のようにトレーニングを行った結果、メモリ35には、クラス毎に注目のHDデータyを推定するための、統計的にもっとも真値に近い推定ができる予測係数が格納される。このメモリ35に格納されたテーブルが、上述のように、この発明の画像信号変換装置において使用されるROMテーブル9である。以上の処理により、線形推定式によりSDデータからHDデータを作成するための係数データの学習が終了する。
【0063】
以上の説明で明らかなように、この実施例では、学習の対象として、従来の学習で用いらていたSDデータがHDカメラにより輪郭補正されたHDデータをダウンコンバートして作られていたのに対し、この実施例のSDデータは、輪郭補正されていないHDデータをダウンコンバートし、さらにSDカメラで使用されるものと同様の輪郭補正回路により輪郭補正が行われたものであるので、従来のSDデータに比べ、特に輪郭近傍の特性が、SDカメラで撮像、輪郭補正された、所謂一般的にいうところのSDデータに近い。したがって、従来の画像情報変換装置においてはダウンコンバートして作成されたSDデータのアップコンバージョンにおいては、特に輪郭近傍で、変換の性能が劣化したが、この実施例の学習手法を用いることにより、その劣化を押さえ、SDカメラで撮像したSDデータのアップコンバージョンにおいても、総合的に高い変換性能を得ることができる。
【0064】
そして、この実施例の説明では、動きパラメータを算出するために、画素データのフレーム間差分を算出し、その絶対値の平均値をしきい値処理を行うようにしたが、これは一例であり、時間差分を空間差分で割り、正規化したデータにして、そのデータをしきい値処理を行うようにしても良い。
【0065】
また、この実施例の説明では、動きクラスを求めるために、差分の絶対値の平均値をしきい値として予め設定したが、差分の絶対値のヒストグラムをn等分するようにしきい値を設定することも可能である。
【0066】
なお、この実施例の説明では、空間波形を少ないビット数でパターン化する情報圧縮手段として、ADRCを設けることにしたが、これは一例であり、信号波形のパターンの少ないクラスで表現できるような情報圧縮手段であれば何を設けるかは自由であり、例えばDPCMやVQ(ベクトル量子化)等の圧縮手段を用いても良い。
【0067】
さらに、この実施例の説明では、簡単のため、水平方向のアップコンバージョンに水平補間フィルタ11を用いたが、このかわりに、水平方向のアップコンバージョン用のROMを用意し、水平方向のアップコンバージョンにおいても推定式を用いた方式を採ることも勿論可能である。
【0068】
【発明の効果】
この発明に依れば、輪郭補正をオフにして撮像したHD画像データを理想フィルタによりダウンコンバートし、それをSDカメラに使用されている輪郭補正と同様の輪郭補正回路により輪郭補正を行ったSD画像データを学習対象とすることで、従来の学習対象のSDデータより、カメラ入力画像に近いものを対象とすることが出来、SDカメラで撮像したSD画像データのアップコンバージョン、特に輪郭補正近傍の変換性能を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像情報変換装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】補正データテーブルを作成する時の説明のための略線図である。
【図3】SDデータとHDデータの位置関係を説明するための図である。
【図4】空間クラス分類に使用するデータを説明するための図である。
【図5】動きクラス分類に使用するデータを説明するための図である。
【図6】推定演算に使用する画素を説明するための図である。
【図7】従来の画像情報変換装置の一例の回路図である。
【図8】従来の画像情報変換装置の腰部の一例を示す回路図である。
【図9】従来の画像変換装置における補正データテーブルを作成する時の説明のためのブロック図である。
【図10】輪郭補正装置の説明のためのブロック図である。
【符号の説明】
22 垂直間引きフィルタ
23 水平間引きフィルタ
24 SD輪郭補正回路
25 HD輪郭補正回路
26、28、32 領域切り出し回路
27 ADRC回路
29 動きクラス決定回路
30 クラスコード発生回路
31 遅延回路
33 正規方程式加算回路
34 予測係数決定回路
35 メモリ
Claims (10)
- 第1のディジタル画像信号を、より画素数の多い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像情報変換装置において、
生成対象の画素位置周辺の所定の位置の上記第1のディジタル画像信号の画像情報を切り出す画像切り出し手段と、
上記画像切り出し手段により抽出された画像情報のレベル分布のパターンを検出し、上記パターンに基づいて、上記画像情報が属するクラスを決定してクラス検出情報を出力するクラス検出手段と、
上記クラス検出情報からクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、
上記クラスコード毎に係数データが記憶されている係数データ記憶手段と、
上記係数データ記憶手段から供給された上記係数データに応じて、上記第1のディジタル画像信号を上記第2のディジタル画像信号に変換して出力する画像変換手段とを有し、
上記係数データ記憶手段に記憶されている上記係数データは、
輪郭補正を施していない第2のディジタル画像信号を、上記第1のディジタル画像信号へ変換し、変換された上記第1のディジタル画像信号に対して、輪郭補正を施した画像信号と、
輪郭補正を施した上記第2のディジタル画像信号との学習により得られた
ことを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項1に記載の画像情報変換装置において、
上記画像切り出し手段は、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から空間クラスを求めるために上記生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第1の個数の上記第1のディジタル画像信号の画像情報を切り出す第1の画像切り出し手段と、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から動きクラスを求めるために上記第1の画像切り出し手段により切り出された上記画像情報より時間方向に広い上記生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第2の個数の上記第1のディジタル画像信号の画像情報を切り出す第2の画像切り出し手段と、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から動きクラスを求めるために上記第2の画像切り出し手段により切り出された上記画像情報より空間方向に広い上記生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第3の個数の上記第1のディジタル画像信号の画像情報を切り出す第3の画像切り出し手段とからなり、
上記クラスコード発生手段は、上記空間クラスと上記動きクラスからクラスコードを発生することを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項1に記載の画像情報変換装置において、
上記係数データ記憶手段では、上記第1のディジタル画像信号の画像情報の位置と、変換される上記第2のディジタル画像信号の画像情報の位置との距離が所定の距離以下の場合に上記第2のディジタル画像信号への変換に用いられる第1の係数データと、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報の位置と、変換される上記第2のディジタル画像信号の画像情報の位置との距離が所定の距離よりも大きい場合に上記第2のディジタル画像信号への変換に用いられる第2の係数データとが格納されており、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報の位置と、変換される上記第2のディジタル画像信号の画像情報の位置との距離に基づいて、上記第1および第2の係数データの一方を選択的に読み出し、
上記画像変換手段において、読み出された係数データと上記第1のディジタル画像信号との線形一次式に基づいて上記第2のディジタル画像信号に変換することを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項3に記載の画像情報変換装置は、
上記第1の画像切り出し手段から所定の位置の画像データを切り出し、上記切り出された画像データに対してADRC符号化を施し、上記切り出された画像データの量子化された値に基づいて空間クラスを検出する空間クラス検出手段と、
上記第2の画像切り出し手段から所定の位置の画像データを切り出し、上記切り出された画像データに基づき、動きパラメータを算出し、上記動きパラメータに基づいて動きクラスを検出する動きクラス検出手段とを備え、
上記ADRC符号化は、2次元あるいは3次元のブロック内に含まれる複数のデータの最大値および上記複数のデータの最小値を検出する手段と、
上記最大値および最小値から上記ブロックのダイナミックレンジを検出する手段と、
上記ダイナミックレンジを規定する値を基準とした相対的なレベル関係を持つように修正された修正入力データを形成する手段と、
上記修正入力データを元の量子化ビット数以下のビット数で量子化する手段とからなることを特徴とする画像情報変換装置。 - 上記動きパラメータは、上記第1のディジタル画像信号のフレーム間差分を算出し、
その絶対値の平均値に基づき算出されることを特徴とする請求項5に記載の画像情報変換装置。 - 第1のディジタル画像信号より画素数の多い第2のディジタル画像信号の画像情報から上記第1のディジタル画像信号の画像情報へ変換するフィルタ手段と、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報に対して輪郭補正を行う第1の輪郭補正手段と、
上記第2のディジタル画像信号の画像情報に対して輪郭補正を行う第2の輪郭補正手段と、
上記第1の輪郭補正手段からの上記第1のディジタル画像信号の画像情報から所定の位置の画像データを切り出す画像切り出し手段と、
上記画像切り出し手段により抽出された画像情報のレベル分布のパターンを検出し、上記パターンに基づいて、上記画像情報が属するクラスを決定してクラス検出情報を出力するクラス検出手段と、
上記クラス検出情報からクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、
上記第1の輪郭補正手段からの上記第1のディジタル画像信号の画像情報と上記第2の輪郭補正手段からの上記第2のディジタル画像信号の画像情報とから上記第1のディジタル画像信号から上記第2のディジタル画像信号に変換するための情報である推定式の係数データを生成する係数データ生成手段と、
上記係数データを上記クラスコード毎に記憶する係数データ記憶手段と
からなることを特徴とする係数データ作成装置。 - 請求項6に記載の係数データ作成装置において、
上記フィルタ手段は、上記第2のディジタル画像信号の画像情報に対して、水平方向の画像情報を1/2とし、さらに垂直方向の画像情報を1/2とすることで上記第1のディジタル画像信号の画像情報へ変換する画像フィルタ手段からなることを特徴とする係数データ作成装置。 - 請求項6に記載の係数データ作成装置において、
上記画像切り出し手段は、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から空間クラスを求めるために上記生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第1の個数の画像データを切り出す第1の画像切り出し手段と、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から動きクラスを求めるために上記第1の画像切り出し手段により切り出された上記画像情報より時間方向に広い上記生成対象の画素位置周辺の所定の位置の第2の個数の画像データを切り出す第2の画像切り出し手段と、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報から動きクラスを求めるために上記第2の画像切り出し手段により切り出された上記画像情報より空間方向に広い上記生成対象の画素位置周の所定の位置の第3の個数の画像データを切り出す第3の画像切り出し手段とからなり、
上記クラスコード発生手段は、上記空間クラスと上記動きクラスからクラスコードを発生することを特徴とする係数データ作成装置。 - 請求項6に記載の係数データ作成装置において、
上記係数データ記憶手段に記憶される上記係数データは、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報の位置と、変換される上記第2のディジタル画像信号の画像情報の位置との距離が所定の距離以下の場合に上記第2のディジタル画像信号への変換に用いられる第1の係数データと、
上記第1のディジタル画像信号の画像情報の位置と、変換される上記第2のディジタル画像信号の画像情報の位置との距離が所定の距離よりも大きい場合に上記第2のディジタル画像信号への変換に用いられる第2の係数データとからなることを特徴とする係数データ作成装置。 - 請求項9に記載の係数データ作成装置は、
上記第1の画像切り出し手段から所定の位置の画像データを切り出し、上記切り出された画像データに対してADRC符号化を施し、上記切り出された画像データの量子化された値に基づいて空間クラスを検出する空間クラス検出手段と、
上記第2の画像切り出し手段から所定の位置の画像データを切り出し、上記切り出された画像データに基づき、動きパラメータを算出し、上記動きパラメータに基づいて動きクラスを検出する動きクラス検出手段とを備え、
上記ADRC符号化は、2次元あるいは3次元のブロック内に含まれる複数のデータの最大値および上記複数のデータの最小値を検出する手段と、
上記最大値および最小値から上記ブロックのダイナミックレンジを検出する手段と、
上記ダイナミックレンジを規定する値を基準とした相対的なレベル関係を持つように修正された修正入力データを形成する手段と、
上記修正入力データを元の量子化ビット数以下のビット数で量子化する手段と
からなることを特徴とする係数データ作成装置。
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