JP3723931B2 - プラントの起動予測制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセスの将来の状態を予測し、その予測結果に基づいてプラントを起動するプラント起動予測制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の機器で構成される大規模プラント、特に、運用上起動停止を周期的に繰返すプラントでは、起動停止運転時における起動時間の短縮と、エネルギーロスの低減が課題となる。発電分野においては、昼夜の電力消費格差や気候による電力消費量の変動に対応して発電量を制御する必要があるが、電力消費量の変動には、負荷追従性が高く、起動停止が比較的容易な火力発電プラントの発電量制御で対応するのが一般的である。そのため、火力発電プラントは毎深夜停止翌朝起動、毎週末停止週初起動などの運用が求められ、起動停止時間の短縮と起動時に必要となる燃料(軽油、重油、石炭、天然ガスなど)の使用量を抑えた効率的な起動が課題となっている。
【0003】
上記問題を解決する手段として、蒸気タービンや熱交換器の昇温時の熱応力を予測・推定し、予測値がプラントの運用制限内となるようプラントの起動スケジュールを立案する起動スケジューリング方式がある。起動スケジューリング方式には、例えば以下の文献に開示された従来技術がある。
【0004】
(1)特開平8―260908号公報
(2)特開平9―152903号公報
上記従来技術(1)には、プラントの起動スケジュールを確率的に生成し、熱応力及び起動時間の観点から最適と判断される起動スケジュールを求める方法が述べられている。
【0005】
上記従来技術(2)には、動特性モデルを用いてプラントの起動、停止、負荷変化、事故時などにおけるプロセスの予測値を計算し、この予測値を用いて起動時運転手順を立案する方法が述べられている。
【0006】
また、プラント起動時に蒸気温度や圧力、熱応力を逐次予測することにより、起動時における燃料流量、給水流量などを適応修正する適応予測方式としては、以下の文献に開示された従来技術がある。
【0007】
(3)特開平7―332603号公報
上記従来技術(3)には、起動時の熱交換器における熱応力をモデルで予測し、予測値にしたがって燃料の流量を適応修正する方法が述べられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
火力発電プラントの起動計画を立案する場合には、複雑なプラント起動手順を複数の制約条件、運転条件下で最適化する必要があり、計算コストの増大が大きな問題となる。
【0009】
これに対して上記従来技術(1)では、確率的な探索手法を用いた計算コストの低減を提案しているが、確率的な探索手法はプラント起動時において局所解を生みやすい。また、上記従来技術(2)では、詳細シミュレータと高速シミュレータを組み合わせ、各種パラメータの最適化にファジィ回路を用いることによって計算コストの低減を試みているが、解の収束性はファジィ回路におけるメンバシップ関数の設定値に大きく依存する。
【0010】
さらに、従来技術(1)及び(2)では、起動計画の評価にプラントシミュレータを用いている。プラントシミュレータは、プラントの過渡応答特性および定常特性を物理式あるいは近似式で模擬したものであるが、起動スケジュール計算に用いられるシミュレータは起動時の熱負荷などを高精度に評価する必要があることから、シミュレーションの規模が大きく、使用される数式の数も多い。そのため、従来技術(1)及び(2)で示されたプラント起動シミュレーションの繰返しによって解を探索するアルゴリズムは計算コストが大きい。
【0011】
以上の理由により従来技術(1)及び(2)は、十分な計算回数が確保されるプラント計画時の起動計算には向いているが、日々変動する気温や気候、あるいは起動中の運用トラブル等による運転手順の変更を逐次反映して起動手順を最適化する場合に用いることはシステム的に適していない。
【0012】
次に、上記従来技術(3)では、計算の範囲を熱交換器の熱収支式に限定し、予測計算により得られた熱応力が制限以下となるよう燃料流量を修正することから、計算コストは低く抑えられる。しかしながら上記従来技術(3)は、起動時における単一の運転手順を最適化するものであり、補機を含む複数の起動手順を最適化するものではない。
【0013】
本発明の目的は、プラント起動運転時において、計算負荷を増大させることなくプラントの起動スケジュールをプラントの状況に応じて逐次修正し、プラント起動時間を短縮することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
プラントの起動手順は、通常、ある操作を行ったらその操作に関連する制御量がある所定の値になったこと(起動条件が満たされたこと)が確認されてから次の手順に進むようになっている。発明者は、プラントの起動時の初期条件が異なれば、起動条件が満たされる前に次の起動手順を実行しても、起動条件が所定の値になるのを妨げることがない場合があることを見出した。つまり、ある起動手順Aが実行されたとき、起動条件Aに係る制御量aはそのときのプラントの制御量に影響されつつ変化する。したがって、起動時のプラントの制御量が基準的なある条件のときには、起動条件Aが満たされてから次の手順Bを実行するのが好ましくとも、起動時のプラントの制御量が異なっていれば起動条件Aが満たされる前に次の手順Bを実行しても、起動条件Aが満たされるようになるのを妨害する作用が生じなければ、差し支えない場合があるし、そのように手順Bを先行実施すれば、全体としての起動時間を短縮することができる。
【0015】
本発明は上記知見に基づいて、上記目的を達成するためになされたものである。すなわち、上記目的を達成する本発明は、プラントの起動状態に基づいて次の起動手順を予測する起動手順予測手段と、起動手順予測時のプラント操作状態に基づいて前記予測された起動手順における操作量を予測し、操作量予測値を出力する制御量模擬手段と、前記操作量予測値と操作量予測時のプラントの制御量に基づいて将来の制御量を予測し、制御量予測値を出力するプラント模擬手段と、前記制御量予測値及び操作量予測値から前記予測された起動手順における操作量予測値に対する制御量予測値の感度を判定する起動手順判定手段と、前記制御量予測値に基づいてプラントが前記起動状態における起動手順の完了を示す起動条件を満たすかどうかを判定する起動条件判定手段と、起動条件判定手段と起動手順判定手段の出力に基づいて、前記予測された手順を直ちに実行するかどうかを指示する起動完了信号修正値を生成出力する起動完了信号修正手段と、を含んでプラント起動予測制御装置を構成したものである。
【0016】
プラントが起動される場合、予め設定された一連の手順が順に実行される。ある手順Aが実行されてから、予め定められた関連する制御量aが規定値になったら、次の手順Bに進む。
【0017】
上記構成によれば、プラント起動予測制御装置が起動されると、起動手順予測手段が、その時点でのプラントの起動状態に基づいて、例えば手順Aが実行されていると判断し、次の起動手順は何か、例えば手順Bであると予測する。次いで制御量模擬手段が前記手順B予測時の、関連する機器の操作状態(操作量)に基づいて、手順Bの操作量B’を予測する。プラント模擬手段は、予測された手順Bの操作量B’と、操作量予測時のプラントの制御量に基づいて前記手順Aの完了の指標となる制御量aの将来値を予測する。制御量模擬手段は操作量B’の値を変えて複数回出力し、プラント模擬手段はその都度、制御量aの将来値を予測する。起動手順判定手段は、操作量B’の変化量とその変化量に対応する制御量aの将来値の変化量から操作量B’に対する制御量aの感度を判定する。つまり、手順Bを実行した場合に、実施済みの手順Aの完了の指標となる制御量aが所望の方向に変化しているかどうか、手順Bを、制御量aが手順Aの完了を示す制御量aになる前に実行したことによって、制御量aが制御量aに向かって変化するのを妨げていないかどうか、が判定される。さらに、起動条件判定手段で、制御量aの将来値が、手順Aの完了を示す制御量aに達するかどうかが判定される。
【0018】
制御量aが制御量aに向かって変化すること、制御量aの将来値が制御量aに達すること、の双方の条件が満たされると、制御量aが実際に制御量aになる前に、起動完了信号修正手段が、手順Bを実行する指示を出力する。したがって、手順Aの完了条件の実現を待つことなく、次の手順Bを実行することができ、起動時間の短縮が可能になる。そして、制御量aの予測に際し、予測時点でのプラントの制御量も入力として用いられ、起動時のプラントの状態が起動手順を決めるときに用いられた基準となる状態から変動していても、その状態に対応して制御量aの将来値が予測されるから、予測の精度が向上するとともに、プラントの起動時のプラント状態に応じた起動手順とすることができる。
【0019】
なお、前記起動手順予測手段は、予め設定された一連の起動手順を格納する記憶装置を含んで構成され、プラントの起動状態に基づいて、該起動状態が前記一連の起動手順のどこにあるかを検知し、次の起動手順を予測するよう構成されていることが望ましい。
【0020】
また、プラント模擬手段から出力される制御量を入力として機器に生ずる熱応力を算定する手段を設け、熱応力やその変化率が、予め設定された許容範囲を超えていないかどうかを前記起動条件判定手段手段で判定することにより、起動手順を変更、短縮した場合の機器寿命に及ぼす悪影響をさらに低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面を参照して説明する。図1に、本実施の形態におけるプラント起動予測制御装置の構成を示す。
【0022】
図1に示す本実施の形態は、図1に示すように、制御の対象であるプラント100と、プラント負荷指令312を入力としてプラント100へ操作量310を出力する制御手段300と、プラント100から出力される制御量110と前記制御手段300から出力される前記操作量310及び機器起動状態311を入力として起動完了信号修正値215を制御手段300に出力する起動予測制御手段200と、を含んで構成されている。制御手段300と起動予測制御手段200はいずれもコンピュータで構成され、両者は図示されていないインターフェースを介して接続されてデータ通信を行うようになっている。プラント100と制御手段300、プラント100と起動予測制御手段200もそれぞれ図示されていないインターフェースを介して接続されてデータ通信を行うようになっている。
【0023】
制御手段300は、プラント100から出力される制御量110に基づいて起動手順それぞれの起動条件が満たされたかどうかを判断し、起動条件が満たされた場合、起動完了信号を生成する。そして生成された起動完了信号に基づいて、次の起動手順を実行するための信号(操作量310)をプラント100に出力する。制御手段300は、また、起動予測制御手段200に、機器それぞれについて、未起動か、起動中か、起動完了かを示す信号である機器起動状態311を出力する。操作量310は、例えばある弁を操作する場合、操作する弁を指示する信号と目標開度を指示する信号を含んでいる。操作量310はまた、燃料流量を指示する信号であってもよい。
【0024】
本発明のプラントの起動予測制御装置である前記起動予測制御手段200は、プラント100からの制御量110、制御手段300からの操作量310及び起動時における機器起動状態311を予測開始条件として入力し、起動完了信号修正値215を制御手段300に出力する。制御量110は、例えば火力発電プラントの蒸気温度、蒸気圧力である。
【0025】
起動完了信号修正値215は、実プラントにおいては起動条件(ある起動手順が完了したとみなすための条件)を満たしていないが、一時的に起動条件を満たすことで起動手順が最適化できる機器に対し、一時的に起動完了の信号を前記制御手段300に送出して起動手順の流れを一時的に変更するものである。
【0026】
次に、起動完了信号修正値215の算定方法について述べる。
【0027】
起動完了信号修正値215を算定する起動予測制御手段200は、プラント100の制御量110が入力されるプラント模擬手段201と、プラント模擬手段201に接続された熱応力算定手段202及び起動手順判定手段207と、プラント模擬手段201及び熱応力算定手段202に接続された起動条件判定手段203と、起動条件判定手段203に接続された起動手順予測手段204と、起動条件判定手段203、起動手順予測手段204及び起動手順判定手段207に接続された起動完了信号修正手段206と、起動手順予測手段204に接続された制御量模擬手段205と、を含んで構成され、プラント模擬手段201及び起動手順判定手段207は、制御量模擬手段205にも接続されている。なお、図1には記載されていないが、上記起動予測制御手段200には、上記各手段の動作を制御する演算制御手段が設けられ、上記各手段の演算のタイミング、順序、繰り返し等を制御している。
【0028】
起動完了信号修正手段206の出力側は前記制御手段300に接続されて、起動完了信号修正値を出力し、起動手順予測手段204の入力側は前記制御手段300に接続されて機器起動状態311が入力される。制御量模擬手段205には、前記制御手段300が出力する操作量310が入力されるようになっている。
【0029】
プラント模擬手段201は、プラントの過渡応答特性および定常特性を物理式あるいは近似式等で模擬したものである。例えば、ボイラ内のメタル温度、蒸気温度、蒸気圧力は、ボイラ内の熱収支及び物質収支を微分方程式で記述し、微分方程式を逐次解くことにより求めることができる。プラント模擬手段における微分方程式の構成等については特開2001―084005号公報が詳しい。
【0030】
プラント模擬手段201の構成としては、プラント起動時における全ての起動手順を再現するようフルシミュレータを用いる場合と、最適化の対象となる起動手順のみを再現する部分シミュレータを用いる場合がある。
【0031】
プラント模擬手段201では、プラント100の現在時刻における制御量110を初期状態として予測を開始する。そのため、制御量110は前記微分方程式の初期条件として用いる。
【0032】
プラントへの燃料流量、給水流量、弁の開度などの操作量は制御量模擬手段205からプラント模擬手段201へ入力される。
【0033】
制御量模擬手段205は、起動手順予測値213及び操作量310を入力として操作量予測値214を算定する。起動手順予測値213は、機器の起動、待ちを指定する信号であり、操作量予測値214は起動手順予測値213で指定した機器とその動作に対する数値信号のデータを含んでいる。制御量模擬手段205は制御手段300と同じ構成あるいは同等の構成を持つものとする。制御量模擬手段205は、制御手段300から出力される、現在時刻における操作量310を初期状態として予測を開始するが、起動時のシーケンス制御によって順次起動される操作量に関しては、起動可否を表わす信号を起動手順予測値213として入力する。
【0034】
起動手順予測手段204は、制御手段300から入力される機器起動状態311、すなわち現在の機器の運転状態から、将来時刻における起動手順を予測する。起動手順の予測方法には種々の方法が考えられるが、例えば、起動手順と操作量の状態を表に記述する方法がある。図2に表の例を示す。
【0035】
図において、機器起動状態には「並列・初負荷(1)」と「並列・初負荷(2)」の2種類がある。また、並列・初負荷(2)には1から5までの副手順が設定されており、表の1行が起動時の一手順に対応する。各行には起動手順における操作量の状態(「起動」「全開」等)が記述してあり、起動時にはこの状態にしたがって操作量を操作する。
【0036】
本実施の形態において、起動手順予測手段204は前記図2に記載した一連の起動手順を格納した記憶装置を含んで構成され、現在の機器起動状態(機器運転状態)311から次の起動手順における操作量の状態を表検索し、これを起動手順予測値213として制御量模擬手段205に出力する。この場合、現在の機器起動状態から、次に取るべき操作手順(起動手順)が決まるが、次に取るべき操作手順が予測制御の対象となるかどうか(予測範囲内かどうか)を各手順について定めておく。次に取るべき操作手順が予測制御の対象となるときは、上述のように、次に取るべき操作手順を起動手順予測値213として制御量模擬手段205に出力するが、予測制御の対象とならない場合は、起動完了信号修正手段206に、予測範囲判定信号217を送出する。予測範囲判定信号217を受信した起動完了信号修正手段206は、起動完了信号修正値として、起動手順の変更はないことを示す信号“0”を制御手段300に出力する。
【0037】
本実施の形態では、起動手順を表として記述したが、本発明は起動手順の記述方法を表に限定するものではない。起動手順の記述方法としては、そのほかに有限オートマトンやペトリネットなどを用いる方法があるが、ここではその説明を省略する。
【0038】
制御量模擬手段205は、起動手順予測手段204から入力された起動手順予測値213及び制御手段300から入力された操作量310に基づいて、入力された起動手順予測値213に対応する操作量を生成し、操作量予測値214としてプラント模擬手段201及び起動手順判定手段207に出力する。
【0039】
プラント模擬手段201は、制御量模擬手段205から入力された操作量予測値214及びプラント100から入力された制御量110に基づいて制御量予測値210を算出する。算出された制御量予測値210は、起動条件判定手段203、熱応力算定手段202及び起動手順判定手段207に入力される。
【0040】
起動手順判定手段207は、制御量予測値210と制御量模擬手段205から入力される操作量予測値214とから、操作量予測値214をプラント模擬手段201に入力した際の制御量の応答特性(感度)を算出し、起動手順判定値216として起動完了信号修正手段206に出力する。なお、制御量模擬手段205は、操作量予測値214を次第に増加させつつ、複数回に分けて出力し、プラント模擬手段201は、入力される複数回の操作量予測値214に対応して制御量予測値210を出力する。したがって、起動手順判定手段207は、操作量予測値214の変化量に対する制御量予測値210の変化量として応答特性(感度)を算出することができる。
【0041】
一方、熱応力算定手段202に入力された制御量予測値210は、熱応力算定手段202で時系列処理、あるいは複数信号を組み合わせることにより、予測対象である機器の評価値211が生成され、この機器評価値211が起動条件判定手段203に入力される。このとき、予測対象である機器を熱交換器と仮定すると、機器評価値211は熱交換器のメタル部における熱応力となる。この機器評価値211も制御量予測値210にあわせ複数回出力されることとなる。
【0042】
起動条件判定手段203は、制御量予測値210及び機器評価値211を入力として、プラントがそのときの起動手順での起動条件を満たしたかどうかを判定する。例えば、機器評価値211が所定の数値範囲内にあるか、制御量予測値210が目標数値に達しているかどうかを判定する。起動条件の判定結果は起動条件判定値212として、起動手順予測手段204及び起動完了信号修正手段206に送出される。
【0043】
起動手順予測手段204は、起動条件を満たしたことを示す起動条件判定値212が入力された場合、予測中における起動手順を一つすすめ、次の起動手順が予測範囲に含まれているかどうかを確認した上で、次の起動手順を起動手順予測値213として制御量模擬手段205に送出する。次の起動手順が予測範囲に含まれていない場合、先に述べたように、予測範囲判定信号217を起動完了信号修正手段206に送出する。
【0044】
起動完了信号修正手段206は、起動条件判定値212及び起動手順判定値216とから起動完了信号修正値215を生成し、これを制御手段300に送出する。起動条件判定値212は、例えば、ある操作の結果、関連するある温度が将来上昇するかどうかを示し、起動手順判定値216は、次の手順(先に起動手順予測手段204が起動手順予測値213として出力した手順)が前記ある温度を低下させる方向に作用する動作であるかどうかを示す信号である。起動条件判定値212が関連するある温度が将来上昇することを示し、次の手順が前記ある温度を低下させる方向には作用しないものである場合、起動完了信号修正手段206は、起動完了信号修正値215として“1”を出力する。起動条件判定値212と起動手順判定値216のいずれか一方が不満足な場合、起動完了信号修正手段206は、起動完了信号修正値215として“0”を出力する。
【0045】
従来のプラント起動制御では、温度判定などにより蒸気温度、蒸気圧力などの複数の制御量に対して起動条件が成立するまで、つまりある機器を起動して関連する温度、圧力が所定の値になるまでは機器をアイドリング状態で運転し、次の起動ステップに進むのを待っていた。本発明では、これらの制御量の起動条件が他の起動手順実行中に成立すると予測された場合には、一時的な起動完了信号を制御手段300に送出することにより、ある手順で起動した機器のアイドリング中において他の起動手順を実行可能として起動時間を短縮する。
【0046】
図1に示すシステムによる予測手順及び起動完了信号修正値計算のアルゴリズムを図3に示す。図中の各手順に付された数字は、その手順を実行する手段(図1参照)を示している。
【0047】
まず起動手順予測手段204は、プラントの現在時刻における起動状態(すなわち制御手段300から入力される機器起動状態311)から起動手順を予測する(手順a)。このとき、起動手順がユーザの設定する予測の範囲外あるいは図2の表の最終行を超えた場合には、予測範囲外としてループを脱出する(手順b)。
【0048】
起動手順が予測範囲内にある場合には、起動手順予測手段204は、制御量模擬手段205に起動手順予測値213を出力する。制御量模擬手段205は、起動手順予測手段204から入力される起動手順予測値213と制御手段300から入力される操作量310に基づいて操作量予測値214を計算する(手順c)。
【0049】
操作量予測値214は起動手順判定手段207とプラント模擬手段201に送られ、プラント模擬手段201は、プラント100のそのときの制御量110と前記操作量予測値214に基づいて制御量予測値210を出力する。次いで、操作量予測値214と制御量予測値210に基づいて、操作量予測値214に対するプラントの制御量の感度が起動手順判定手段207で判定される(手順d)。操作量予測値214の投入によりプラント模擬手段201から出力される制御量予測値210が変動する場合、制御量予測値210の変化量を操作量予測値214の変化量で割ることにより、操作量に対する制御量の感度が求められる。
【0050】
したがって、制御量模擬手段205は、操作量予測値214の変化量と制御量予測値210の変化量が取り出されるように、操作量予測値214を数値を変化させつつ複数回出力する。求められた感度が起動時において起動時間を短縮させる方向にある場合(例えば、ボイラ昇温過程において操作量が蒸気温度上昇を加速する場合)や、感度が0であり、操作量と制御量との間に相関が見られない(無相関)場合には、操作量予測値を投入できると判断する。言い換えると、起動手順判定手段207が、次の手順に進んでいいかどうかを確認するのである。一方、操作量予測値の投入により起動時の特性が悪化する場合、例えばボイラ昇温過程において操作量が蒸気温度を低下させる場合には、図3の手順dを右に進み、予測演算を終了する。すなわち、所定の条件が実際に満たされるまで、次の起動手順に進まない。
【0051】
なお、上述した感度判定では、操作量予測値と制御量予測値から感度を判定したが、あらかじめ操作量の投入により感度が決定されるような機器の操作の場合、例えば、燃料弁を開くときの弁開度と温度上昇との関係のような場合には、予測値から感度を推定せず、あらかじめ計算した感度を用いて判断してもよい。また、この感度は実機起動実績から計算し、ニューラルネットなどの学習手段を用いてその感度を学習したものを用いてもよい。
【0052】
操作量の予測値がプラントの起動特性を悪化させないと判断した場合には、プラント模擬手段201及び制御量模擬手段205の処理を交互に繰返し行うことにより、プラントの制御量予測値210及び操作量予測値214を予測する(手順e)。予測は、現在予測中の手順から次の手順に進む条件(起動条件)が成立するまで、繰返される(手順d〜手順f)。
【0053】
起動手順内に温度条件が成立した場合(成立したかどうかは、起動条件判定手段203で手順hで判定される)にはループを終了し、起動完了信号修正手段206から制御系300に対して起動完了信号修正値215を送出する(手順h)。起動手順内でも温度条件が成立しない場合には、手順gから手順aに戻り、さらに次の起動手順(並列的に実行される手順)に対して同様の演算が繰返し実行される。
【0054】
本実施の形態に示したアルゴリズムによるプラント起動制御例について述べる。本実施の形態における起動手順の一例を図4に示す。
【0055】
一般的な火力発電プラントでは、プラント起動に補助燃料(軽油等)を用いる。そのため、起動開始時には補助燃料系統を起動し、補助燃料の燃焼によりボイラ内蒸気を昇温する。このとき、補助燃料の流量はボイラ伝熱管への熱負荷を考慮し、昇温速度が制限値以下となるよう制御される。昇温中は制御量の起動条件判定部(制御量判定)においてボイラ内のメタル温度、蒸気温度、蒸気圧力などの制御量を監視し、これらの制御量が目標値に到達した場合に次の起動操作を可能とするようになっている。
【0056】
図4に示すドレン弁開は、昇温によってボイラ内に発生した蒸気をタービン入口配管及びタービンに投入してタービンを予熱するための操作である。その後、タービン起動準備操作(1)としてタービン周辺の補機の動作を確認し、再度制御量判定によりタービンへの投入蒸気の温度、圧力等が適切であることを確認した後、タービン起動準備操作(2)としてタービン加減弁を全開し、タービンに蒸気を導く。
【0057】
タービン起動手順では、タービン後段における抽気弁を徐々に閉め、タービンの回転を促す。その後、タービン昇速手順においてタービンの回転数を定格回転数まで上昇し、制御量判定によりタービン蒸気の状態を確認した後、タービンで初負荷を発生させる。
【0058】
以上に述べた運転手順において、制御量判定はプラントの各運転ポイントにおけるボイラ及び蒸気の品質を確認し、プラントを安全に運用するための重要な手順である。
【0059】
しかしながら、プラントの運用状態によって、ボイラ内の蒸気温度特性は微妙に異なることから、制御量判定のタイミングは運転状態によって変化する。たとえば、プラント内の熱保有量が極めて少ない状態から起動するコールド起動運転と、プラント停止後数日で再起動するホット起動運転では、プラント内の熱保有量の差から各熱交換器における蒸気温度の昇温速度に差異が生じる。
【0060】
また、ボイラ内においてもバーナ直上に設置した過熱器と、バーナから比較的遠く、かつ起動時に蒸気流量が発生しない再熱器でも昇温速度が異なる。
【0061】
起動時間はボイラ内において最も昇温速度の低い制御量が所定の温度に到達するのに必要な昇温時間によって決定することから、全ての制御量が目標値に到達するまでプラントはアイドリング状態となり、その間、補助燃料あるいは燃料が消費される。
【0062】
そこで、本実施の形態では、図4の並列・初負荷(1)運転の最適化に、本発明の予測制御方式を適用する。このとき、並列・初負荷(1)運転と並列・初負荷(2)運転は、先に示した図2の起動手順が設定されており、特に並列・初負荷(2)運転には副手順1から5が設定されているものとする。
【0063】
図5に従来の起動制御によるプラント起動制御結果を示す。図において、上のグラフは操作量(燃料流量)増量による制御量(温度)の上昇の過程である。制御量にはAとBの2種類があり、それぞれに条件が設定されている。従来起動制御では、起動手順を順次実行するが、並列・初負荷(1)の手順では、操作量の増量により全ての制御量がそれぞれの条件に到達するまでに時間τ1を要する。並列・初負荷(1)の運転条件が満たされた場合にのみ図の下のグラフにある判定値が1となることから、この信号(判定値が1であることを示す信号)を受けて並列・初負荷(2)の起動手順及び副手順1から5が順次実行される。
【0064】
本実施の形態のアルゴリズムによる予測結果を図6に示す。本実施の形態では、現在の起動手順(並列・初負荷(1))と、起動手順予測値によって予測された起動手順(副手順1)から制御量A及びBを予測した。また、温度条件判定によって条件に対して制限範囲内の予測結果が得られたことから、起動手順予測値として副手順2を予測したのち、制御量A及びBを予測した。さらに、副手順3を起動手順として予測し、制御量A及びBを予測した。
【0065】
なお、副手順4において制御量A及びBの特性が悪化(低下)しており、図3における感度判定部(手順d)で予測ループを終了した。そのため、起動完了信号修正手段206は、予測開始時から副手順3までの起動完了信号修正値を発生する。
【0066】
先に求めた起動完了信号修正値を用いた起動制御結果を図7に示す。図7において、操作量を増量したことにより制御量A及びBは上昇し、制御量A及びBは時刻τ1に起動条件に達する。そのため、図中の起動条件判定値は時刻τ1において、起動条件に達していないことを示す“0”から、起動条件に達したことを示す“1”に変化する。
【0067】
このとき、本実施の形態の起動予測制御手段200によって、時刻0からτ23(τ23<τ1)において起動完了信号修正値が“1”となる結果を得る。そこで、制御手段300では、その内部で生成される起動完了信号(起動条件成立1、起動条件未成立0)と起動予測制御手段200から入力される起動完了信号修正値(起動条件成立1、起動条件未成立0)の論理和を修正後の起動完了信号とすることにより、一部の起動手順(副手順1〜3)を並列・初負荷(1)の起動手順と並列に実行することが可能になる。
【0068】
この結果、副手順4、5を時刻τ1後に実行しても、副手順5の終了時刻はτ25となり、副手順4、5を実行するための所要時間は、副手順1〜5を実行するための所要時間に比べて短いから、図5に比べて起動時間が短縮され、並列・初負荷(1)完了後のアイドリング時間が短縮することにより起動時の補助燃料の使用量が削減された。
【0069】
先に述べた実施の形態では、起動条件判定手段203に制御量予測値210が入力され、起動手順判定手段207に制御量予測値210及び操作量予測値214が入力されるが、本発明ではこの他にも起動時における機器の起動完了時間を予測し、これを前記起動条件判定手段203あるいは起動手順判定手段207に入力してもよい。このような場合、機器の起動に要する時間が予測できることから、起動完了信号修正手段206において起動完了信号修正値215の出力時刻を進めることにより機器を先行的に運転できる。
【0070】
上述のように、本実施の形態によれば、起動時のプラントの制御量110に応じて起動手順を一部早めて実行することが可能になり、起動時間の短縮、起動時の燃料などの副資材の節減などの効果がある。
【0071】
本実施の形態によれば、プラント起動時におけるプラント起動手順を、収束計算することなく決定できるので、計算負荷を増大させることなくプラントの起動スケジュールを逐次修正し、プラント起動時間を短縮することが可能になるとともに、従来は困難であったプラント起動中における起動手順の適応修正が可能となる。また、プラント起動中の制御量あるいは操作量を用いてプラントの動作を予測するので、日々変動するプラント起動条件に対応して、起動時間を短縮することが可能になる。
【0072】
さらに、本実施の形態によれば、プラント起動時の全ての特性を予測するのではなく、予測開始時からの限定された起動手順を予測するので、プラントの模擬範囲を限定することにより、プラントモデル構築やモデル調整が容易である。また、プラントの模擬範囲を限定することにより、より予測精度の高いプラントモデルを構築することが可能であり、最適化性能の高いプラント起動制御装置を提供することができる。
【0073】
さらに、本実施の形態によれば、あらかじめ設定されたプラントの起動手順を元に起動手順を最適化するので、より現実に即した最適起動方式が提案可能である。
【0074】
本実施の形態は火力発電プラントの起動制御を対象としたが、本発明は複数の機器及び複数の起動手順を有する他の発電プラントにも適用できる。
【0075】
上記実施の形態では、起動条件判定手段203及び起動手順判定手段204に制御量予測値210及び操作量予測値214を入力したが、本発明ではこの他にも起動時における機器の起動完了時間を予測し、これを前記起動条件判定手段203あるいは起動手順判定手段204に入力してもよい。このような場合、機器の起動に要する時間が予測できることから、起動完了信号修正手段206において起動完了信号修正値215の出力時刻を進めることにより機器を先行的に運転できる。
【0076】
以上に述べた実施の形態では、プラント起動時における制御量と操作量を予測し、前記制御量及び操作量を用いてプラント起動時における操作量予測値に対する制御量予測値の感度を判定し、この感度を用いて起動状態を修正した。これに対して、実機における運転実績から制御量と操作量を計測するとともに、この計測結果を記録あるいは学習し、次回以降の起動における操作量に対する制御量の感度を計算する感度記録手段を備えてもよい。
【0077】
以下に実機運転実績を用いて感度を算定する、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、起動手順判定手段207に代えて、感度記録手段を設け、操作量予測値214に加え、制御量110及び操作量310が入力されるように構成した点である。他の構成は前記第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
【0078】
最初に本実施の形態の特徴である感度記録手段について述べる。感度記録手段は、操作量及び制御量の時系列信号を用いて感度を計算することから、一般的な学習アルゴリズムであるニューラルネットや線形回帰移動平均(Auto Regressive Moving Average)モデルを用いて実現する方法が考えられるが、最も単純な方式は操作量及び制御量の運転実績から、機器の起動前後における操作量の時系列データに対する制御量の時系列データの変化率を求め、この変化率を機器の起動状態で修正する方法である。前記方法に対する計算式を数1に示す。
【0079】
【数1】
Figure 0003723931
ここで、
γ:感度
y:制御量
u:操作量
Δt:サンプリング間隔
t0:操作量起動時刻
数1では、操作量は評価時間内に初期値u(t0)とは異なる値へと変化した場合の、制御量yの変動幅を面積で評価したものである。面積評価により、操作量と制御量の関係に無駄時間や遅れが存在した場合においても操作量に対する制御量の感度が推定可能である。
【0080】
本実施の形態は、起動予測制御手段200への組込み(モデル化)が難しい系統や、起動予測制御手段への組みこみは可能であるが、構成が単純、予測手段で計算負荷が上昇するなどの理由により起動予測制御手段へ組みこみが望ましくない系統の感度計算に適用できる。
【0081】
例えば、火力発電所において本実施の形態の適用が予想される機器系統としては、給水系統、ガス分析系統などがある。
【0082】
起動予測制御手段200に給水系統を組みこむ場合、制御量として圧縮性流体である水の圧力や流量、また操作量としてポンプの回転数などの動特性を模擬する必要がある。しかしながら、これらの制御量及び操作量は応答時間が極めて短いことから、本系統の制御量及び操作量の過渡応答特性を予測する場合には、起動予測制御手段200は計算刻み時間を0.001秒程度とする必要がある。このような場合、実機の運転結果を元に感度を求める本実施の形態が適切である。
【0083】
また、起動予測制御手段200にガス分析系統を組みこむ場合、制御量としてはガス中の酸素濃度や窒素酸化物の濃度、また操作量としてはアンモニアの注入量などを模擬する必要がある。しかしながら、本系統は操作量に対して制御量の応答時定数が長く、またボイラ内における流動が不安定な起動時のモデリングは難しい。このような場合も、実機の運転結果を元に感度を求める本実施の形態が適用可能である。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、計算負荷を増大させることなくプラントの起動スケジュールをプラントの状況に応じて逐次修正し、プラント起動時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の要部構成を表すブロック図である。
【図2】プラント起動手順の例を示す説明図である。
【図3】図1に示す実施の形態における演算アルゴリズムを表わすフローチャートである。
【図4】プラント起動手順の例を示すフローチャートである。
【図5】従来制御手段によるプラント起動結果を示すタイムチャートである。
【図6】図1に示す実施の形態におけるプラント予測結果を示すタイムチャートである。
【図7】図1に示す実施の形態におけるプラント起動結果を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
100 プラント
110 制御量
200 起動予測制御手段
201 プラント模擬手段
202 熱応力算定手段
203 起動条件判定手段
204 起動手順予測手段
205 制御量模擬手段
206 起動完了信号修正手段
207 起動手順判定手段
210 制御量予測値
211 熱応力予測値
212 起動条件判定値
213 起動手順予測値
214 操作量予測値
215 起動完了信号修正値
216 起動手順判定値
217 予測範囲判定信号
300 制御手段
310 操作量
311 機器起動状態
312 プラント負荷指令

Claims (3)

  1. プラントの起動状態に基づいて次の起動手順を予測する起動手順予測手段と、起動手順予測時のプラント操作状態に基づいて前記予測された起動手順における操作量を予測し、操作量予測値を出力する制御量模擬手段と、前記操作量予測値と操作量予測時のプラントの制御量に基づいて将来の制御量を予測し、制御量予測値を出力するプラント模擬手段と、前記制御量予測値及び操作量予測値から前記予測された起動手順における操作量予測値に対する制御量予測値の感度を判定する起動手順判定手段と、前記制御量予測値に基づいてプラントが前記起動状態での起動手順の完了を示す起動条件を満たすかどうかを判定する起動条件判定手段と、起動条件判定手段と起動手順判定手段の出力に基づいて、前記予測された手順を直ちに実行するかどうかを指示する起動完了信号修正値を生成出力する起動完了信号修正手段と、を含んでなるプラント起動予測制御装置。
  2. 請求項1に記載のプラント起動予測制御装置において、前記起動手順予測手段は、予め設定された一連の起動手順を格納する記憶装置を含んで構成され、プラントの起動状態に基づいて、該起動状態が前記一連の起動手順のどこにあるかを検知し、次の起動手順を予測するよう構成されていることを特徴とするプラント起動予測制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラント起動予測制御装置において、プラントを構成する各機器のプラント起動時における操作量に対する制御量の感度を記録あるいは学習するとともに、前記操作量予測値を入力として感度を算定する感度記録手段を備え、前記起動完了信号修正手段は、感度記録手段と前記起動条件判定手段の出力に基づいて、前記起動完了信号修正値を生成出力するよう構成されていることを特徴とするプラント起動予測制御装置。
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