JP3723923B2 - ケースの気密構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐湿性、防塵性等が要求される電子機器等を収納するケースの気密構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の気密構造としては、電子機器等の収容物を収納するケースを構成するカバーとベースの間に、形状の変形及び復元力の大きい弾性体素材を、軟質フォーム組成の独立または連続気泡の断面あるいはソリッド状組成で矩形や円形などの断面形状を持つリングに形成してカバーとベース間に挟み込み、ボルト等の締結部品を介してカバーとベース間に締結力を加えることで前記弾性素材によるリングをカバーとベース間に密着させて気密を得る構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の構成の気密構造においては、ボルト等の締結部品の締付け力によって弾性素材のリングに圧力を加えて変形させるため締結部品の取り付け間隔が大きくなるほどリングの変形量の均一性が乱れてしまい、気密性の信頼性を低下させる原因になるという問題があった。
【0004】
また、締結部品を取り付けて締結を行うには、カバーとベースの外側に締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要があり、ケース全体の形状が大形化する原因になるという問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため、本発明は、ケースを構成するベースとカバーとを気密が得られるように接合するケースの気密構造において、前記ベースの前記カバーの端面に対向する部分に取り付け溝を設けて、この取り付け溝内に弾性を有するリング状の気密用パッキングの一部を固着し、この気密用パッキングの前記ベース上に突出した部分に充填材を充填する中空部を設け、前記カバーの端面には入口部の幅が狭く奥側の幅が広い嵌合溝を形成して、この嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記充填材を変化させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明によるケースの気密構造の第1の実施の形態を示す要部断面図、図2は図1のケースの気密構造全体の斜視図である。
図において1はプリント基板状に所定の電子部品等を搭載することにより構成された電子機器、2はこの電子機器1を固定したベース、3はこのベース2と共に電子機器1を収納するケースを成すカバーであり、このカバー3は下面側に開口部を持つ箱型に形成されいて、この開口部側の端面にはその全周に渡って嵌合溝4がベース2の周縁部と対向するように形成されている。
【0007】
この溝4は入口部の幅が狭く、奥側の幅が広くなる形状に形成されており、ここでは断面形状がほぼ円形に形成した例を図示しているが、四角形あるいは逆三角形等の形状でも差し支えない。
5はリング状に形成された気密用パッキンで、この気密用パッキン5は、耐熱性に優れたシリコーン系樹脂またはふっ素化合物系樹脂等の弾性復元力を持った軟質ゴム材により形成されており、その下部がベース1の表面外周に沿って設けられた取り付け溝に嵌合され、その嵌合面は接着剤で気密性が保てるように接合されている。
【0008】
また、この気密用パッキン5のベース2上に突出した部分はカバー3の嵌合溝4の入口部から余裕を持って通過できる幅に形成されており、更にこの気密用パッキン5のベース2上に突出した部分は中空部となっていて、この中空部における気密用パッキン5の断面形状は、先端部の肉厚が最も薄くそこから離れるに従い肉厚が増すように形成されている。
【0009】
そして、この中空部内には温度により状態が変化する充填材6が充填され、更にこの充填材6に熱を加えるシート状のヒータ−7が気密用パッキン5全周にわたるように中空部の底部に埋設されている。
ここで、充填材6としては、常温近傍で液相状態となる低融点合金のアナトミカル合金やウッド合金(融解温度:60℃以上)、またはローズ合金(融解温度:100℃以上)、更には非金属物質のパラフィン(融解温度:45℃以上)等の使用が考えられ、これらの中から設置要件と使用環境条件に合わせて選定するものとする。
【0010】
また、嵌合溝4と気密用パッキング5の容積の関係は、その断面形状において充填材6が固相状態から液相状態に相変化したときの体積差に加え、気密状態前のベース2上における気密用パッキング6の高さh1が気密状態の高さh2に変化したときの「h1−h2」により生じる差の高さΔhに相当する容積分で嵌合溝4の断面容積を包容し、気密用パッキング5の外周面と嵌合溝4の内周面とが適度な密着力で接触するように気密用パッキング5の高さh1が決定される。
【0011】
8は温度制御部、9はキースイッチ、10は電源部で、これらはベース2に内蔵または外付けされて設けられ、前記ヒータ−7は温度制御部8と電源部10にリード線11で接続されている。
12は、電子回路1を外部電源等に接続するためのコネクタである。
このような構成による第1の実施の形態の作用を次に説明する。
【0012】
まず、気密用パッキング5の断面形状は、充填材6が加熱による液相状態及び非加熱の固相状態のいづれにおいても、気密用パッキング5自身の素材が持つ弾性力と剛性により図1(a)に示す高さh1で、かつカバー3の嵌合溝4の入口部を通過できる幅を保つことができる。
そこで、ケースに内蔵する電子機器1を図2に示したようにベース2上に固定し、カバー2を取り付ける時点でキースイッチ9をONにすることで電源部10から温度制御部8を介してヒータ−7に通電し、これによりヒータ−7を発熱させて気密用パッキング5の充填材6を加熱することで、充填材6を液相状態とする。
【0013】
この状態でベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせると、気密用パッキング5の先端部からカバー2の重量が加わり、これにより図1(b)に示したように気密用パッキング5が順次円形を成すように変形して嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密性が得られる。
【0014】
その後、ヒータ−5をOFFとして充填材6を固相状態化し、気密用パッキング5の弾性力によりそのまま気密接合された状態を維持する。
カバー3を取り外す場合は、再度ヒータ−7に通電して充填材6を加熱し、充填材7を流動化する液相状態に戻す。
この状態でカバー3を持ち上げて、気密用パッキング5に対する重量を取り除くと、気密用パッキング5は自身の弾性復元力により図1(a)に示した元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0015】
以上説明した第1の実施の形態によれば、気密用パッキング5に充填した充填材6の固相状態と液相状態の性状変化を利用することによってケースを構成するベース2とカバー1の間の気密を得るようにしているため、ケースの全周に渡って良好な気密性が得られると共に、ボルト等の締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要もないので、ケースの大形化を防止できるという効果が得られる。
【0016】
また、カバー3を固定した後、充填材6を固相状態化することで、気密用パッキング5はカバー3の嵌合溝4から外れなくなるので、ヒータ−7への通電のON−OFFをキースイッチ9により行うことで電子機器1の盗難防止を目的とした保安対策にも有効なものとなる。
図3は本発明によるケースの気密構造の第2の実施の形態を示す要部断面図でであり、この実施の形態は気密用パッキング5の中空部に充填する充填材6として低沸点の液体を使用したもので、この低沸点の液体としてはプロパン系代替フロン(HCFC225ca沸点51.1℃)等がある。
【0017】
この実施の形態における嵌合溝4と気密用パッキング5の容積の関係は、その断面形状において充填材6が液体のときのベース2上における気密用パッキング5の高さh1が嵌合溝4の高さh3と同等以下であっても、充填材6の液相から気相への相変態による体積増加分で嵌合溝4の内周面に気密用パッキング5の外周面が適度の圧力で密着するようになっている。
【0018】
尚、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このような構成による第2の実施の形態の作用を説明すると、まず、充填材6が液相状態にあるときは、気密用パッキング5の幅はカバー3の嵌合溝4の入口部の幅よりも狭い幅に保たれているので、この状態で図3(a)に示したようにベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせる。
【0019】
その後、キースイッチ9をONにすることで電源部10から温度制御部8を介してヒータ−7に通電し、これによりヒータ−7を発熱させて気密用パッキング5内の充填材6を加熱すると、このヒータ−7の加熱によって充填材質6が気相状態に変化し、図3(a)に示したように気密用パッキング5の中空部が膨張する。
【0020】
これにより気密用パッキング5は円形を成すように変形し、嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密性が得られる。
そして、気相状態における充填材6の圧力が安定状態を常に維持できるように温度制御部6によってヒータ−7への通電が制御され、一定の範囲内に充填材6の温度を保持する。
【0021】
カバー3を取り外す場合は、キースイッチ9をOFFにすると、ヒータ−7への通電が停止されるので、充填材6の温度が下がって液相状態に変化する。
これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0022】
以上の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、この第2の実施の形態では、ヒータ−7を連続動作させて温度制御部8により一定の範囲内に充填材6の温度を保持するので、その間はヒータ−7の発熱によりケースに内蔵された電子機器1も外気温度より高い一定温度範囲に保つことができ、これにより外気温度の変化に比較してケース内部の温度変動が小さくなるので、電子機器1の回路の温度特性が安定するという効果も得られる。
【0023】
更に、ケースを構成するベース2とカバー3についても、ヒータ−7の発熱により外気温度より常時高くなるために、共に外部表面の結露防止の効果も期待でるものである。
図4は本発明によるケースの気密構造の第3の実施の形態を示す要部断面図でであり、この実施の形態は、気密用パッキング5の中空部内にヒータ−7を設けず、気密用パッキング5に最低1ケ所以上の貫通孔13を設けて、その貫通穴13にプラグ14を介して供給管15を接続し、この供給管15にキースイッチ9を有する圧力制御部17を介してボンベ18を接続したものである。
【0024】
このボンベ18には気密用パッキング5の中空部内に充填する充填材6としての気体が高圧充填されており、この気体としては乾燥空気あるいは窒素ガスや炭酸ガスまたはヘリウム等の不活性で非可燃性の性状を持つ気体を選定する。
尚、ボンベ18はケースに内蔵されていても、またケース外部に設けられていてもよい。
【0025】
このような構成による第3の実施の形態の作用を説明すると、
まず、気密用パッキング5の幅をカバー3の嵌合溝4の入口部の幅よりも狭い幅に保った状態で、図4(a)に示したようにベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせる。
その後、キースイッチ9をONにすることで、ボンベ18内の気体を圧力制御部17に送り、この圧力制御部17で減圧調整した後にプラグ14と貫通孔13を経由して気密用パッキング5の中空部内に供給する。
【0026】
これにより気密用パッキング5の中空部が膨張して、図4(b)に示したように気密用パッキング5は円形を成すように変形し、嵌合溝4の内周面全体に密着するが、このとき適度な密着圧が得られるように圧力制御部17で気体圧力が調整され、気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が得られる。
その後は、充填材6の圧力を圧力制御部17が監視し、一定の密着圧を維持するることが行われる。
【0027】
カバー3を取り外す場合は、キースイッチ9をOFFにすることで、圧力制御部17に設けた排気弁により排気を行うと、気密用パッキング5の中空部内の加圧力が除かれ、これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0028】
以上の実施の形態は、気密用パッキング5の中空部への充填材6として気体を使用し、この気体を高圧充填したボンベ18を連結して減圧供給と排気操作を行うことで、気密用パッキング5の中空部の膨張と収縮の体積変化によってケースを構成するベース2とカバー3との間の気密構造を得るので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0029】
図5は本発明によるケースの気密構造の第4の実施の形態を示す要部断面図、図6は図5の実施の形態全体の断面図である。
この第4の実施の形態は、気密用パッキング5の複数個所好ましくは3個所以上に貫通孔13をほぼ等間隔に設け、各々貫通孔13との対面位置にスタンド19と一体化した伸縮自在なベロー20を接合して気密用パッキング5の中空部とベロー20を貫通孔13で結び、充填材6が中空部とベロー20間を移動できるようにしたものである。
【0030】
この実施の形態における充填材6としては、ベロー20の容積を最小にするため、圧縮比の小さい性状を持った液体を使用するのが望ましく、例えば粘度調整の容易なシリコーン系のオイルまたは液体金属の水銀等を使用するものとする。また、気密用パッキング5全体に均等な荷重で圧力を加える目的から、図6に示したように、ケースに収納する電子機器1はカバー3の内側中央部に設けた回転吊受け21で支持された筐体22に内に収容固定し、カバー3の自重と共に気密用パッキング5の変形と密着の荷重源として利用するようにしている。
【0031】
ここで、ベロー20の容積は、カバー3と電子機器1等の荷重負荷が作用する前のベロー20の高さh4から作用した後のベロー20の高さh5の差の高さΔhに相当する容積分と、ベロー20の使用個数分を乗算した総容積が、カバー3の嵌合溝4の容積に対して、気密用パッキング5の中空部が膨張変形し、気密用パッキング5の外周面が嵌合溝4の内周面と適度の密着力で接触できる気密用パッキング5の高さh6寸法で決定される。
【0032】
ベロー20は耐食性とバネ性を持つ成形加工性の良い金属としてリン青銅、またはコイルバネを内蔵した軟質樹脂の成型品で作られ、カバー3等の重量が荷重として働いた状態で収縮し、容積を減少することで充填材6が気密用パッキング5の中空部に移動したとき、気密用パッキング5の外周面がカバー3の嵌合溝4の内周面に適度な密着圧で接触するようなバネ強度を持つものとする。
【0033】
このような構成による第4の実施の形態の作用を説明すると、
まず、気密用パッキング5の中空部とベロー20に充填された充填材6は、ベロー20にカバー3等の荷重による負荷がかかっていない状態、つまりカバー3を外している状態では、ベロー20が自身の弾性力によって初期の形状を保っているため、その中に静止状態で貯えられている。
【0034】
この状態では、気密用パッキング5が自身の弾性力と剛性によりカバー3の嵌合溝4の入口部を通過できる幅を保つているので、この状態でベース2の上方からカバー3を被せて、図5(a)に示したようにカバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせと、カバー3等の荷重による負荷がベロー20に作用し、それに従ってベロー20が収縮して充填材6が気密用パッキン5の中空部に移動する。
【0035】
これにより気密用パッキング5の中空部が膨張し、図5(b)に示したように気密用パッキング5は円形を成すように変形して、嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が得られる。
そして、この状態でカバー3内の筐体22や電子機器1の重量がカバー3に取り付けられた回転吊受け21に集中するため、カバー3等の荷重負荷は適度の釣り合いを保って気密用パッキング5に働くことになり、これにより気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が保持される。
【0036】
カバー3を取り外す場合は、カバー3を持ち上げると、カバー3等による荷重負荷が減少するに従ってベロー20の収縮状態が開放され、気密用パッキング5の充填材6がベロー20に移動する。
これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を更に持ち上げることで、カバー3を取り外すことができる。
【0037】
以上の実施の形態では、充填材6として圧縮比の小さい性状を持つ液体を使用し、カバー3等の重量による荷重負荷の増減により、気密用パッキング5の中空部とベロー20との間を充填材6が移動する構造にしたことで、ケースを構成するベース2とカバー3との間の気密構造を得るので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0038】
また、この第4の実施に形態では、ベロー20に作用する全荷重と、ベロー20のバネ性を組み合わせて弾性支持系を構成することから、スタンド19を中継して伝播する外部振動数fに対する弾性支持系の固有振動数fn の比をuとすれば、u=f/fn をu=√2より大きくすることで伝播振動に対する防振と、充填材6と貫通孔13のダッシュポット機能が万一の共振時に振幅抑制の作用を持つ効果も期待できるものである。
【0039】
尚、上述した第1から第4の実施の形態はいずれもベース2とカバー3との間の気密構造を実現したものであるが、気密を必要としない単なるカバーとベース間の接続固定にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、ベースのカバーの端面に対向する部分に取り付け溝を設けて、この取り付け溝内に弾性を有するリング状の気密用パッキングの一部を固着し、この気密用パッキングの前記ベース上に突出した部分に充填材を充填する中空部を設け、前記カバーの端面には入口の幅が狭く奥の幅が広い嵌合溝を形成して、この嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記充填材を変化させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させる構成としているため、ケースの全周に渡って良好な気密性が得られるという効果を奏することができ、また、ボルト等の締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要もないので、ケースの大形化を防止できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】図1の実施の形態の全体斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【図6】図5の実施の形態全体の断面図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 ベース
3 カバー
4 嵌合溝
5 気密用パッキング
6 充填材
7 ヒータ−
8 温度制御部
9 キースイッチ
10 電源部
13 貫通孔
17 圧力制御部
18 ボンベ
19 スタンド
20 ベロー
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐湿性、防塵性等が要求される電子機器等を収納するケースの気密構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の気密構造としては、電子機器等の収容物を収納するケースを構成するカバーとベースの間に、形状の変形及び復元力の大きい弾性体素材を、軟質フォーム組成の独立または連続気泡の断面あるいはソリッド状組成で矩形や円形などの断面形状を持つリングに形成してカバーとベース間に挟み込み、ボルト等の締結部品を介してカバーとベース間に締結力を加えることで前記弾性素材によるリングをカバーとベース間に密着させて気密を得る構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の構成の気密構造においては、ボルト等の締結部品の締付け力によって弾性素材のリングに圧力を加えて変形させるため締結部品の取り付け間隔が大きくなるほどリングの変形量の均一性が乱れてしまい、気密性の信頼性を低下させる原因になるという問題があった。
【0004】
また、締結部品を取り付けて締結を行うには、カバーとベースの外側に締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要があり、ケース全体の形状が大形化する原因になるという問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため、本発明は、ケースを構成するベースとカバーとを気密が得られるように接合するケースの気密構造において、前記ベースの前記カバーの端面に対向する部分に取り付け溝を設けて、この取り付け溝内に弾性を有するリング状の気密用パッキングの一部を固着し、この気密用パッキングの前記ベース上に突出した部分に充填材を充填する中空部を設け、前記カバーの端面には入口部の幅が狭く奥側の幅が広い嵌合溝を形成して、この嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記充填材を変化させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明によるケースの気密構造の第1の実施の形態を示す要部断面図、図2は図1のケースの気密構造全体の斜視図である。
図において1はプリント基板状に所定の電子部品等を搭載することにより構成された電子機器、2はこの電子機器1を固定したベース、3はこのベース2と共に電子機器1を収納するケースを成すカバーであり、このカバー3は下面側に開口部を持つ箱型に形成されいて、この開口部側の端面にはその全周に渡って嵌合溝4がベース2の周縁部と対向するように形成されている。
【0007】
この溝4は入口部の幅が狭く、奥側の幅が広くなる形状に形成されており、ここでは断面形状がほぼ円形に形成した例を図示しているが、四角形あるいは逆三角形等の形状でも差し支えない。
5はリング状に形成された気密用パッキンで、この気密用パッキン5は、耐熱性に優れたシリコーン系樹脂またはふっ素化合物系樹脂等の弾性復元力を持った軟質ゴム材により形成されており、その下部がベース1の表面外周に沿って設けられた取り付け溝に嵌合され、その嵌合面は接着剤で気密性が保てるように接合されている。
【0008】
また、この気密用パッキン5のベース2上に突出した部分はカバー3の嵌合溝4の入口部から余裕を持って通過できる幅に形成されており、更にこの気密用パッキン5のベース2上に突出した部分は中空部となっていて、この中空部における気密用パッキン5の断面形状は、先端部の肉厚が最も薄くそこから離れるに従い肉厚が増すように形成されている。
【0009】
そして、この中空部内には温度により状態が変化する充填材6が充填され、更にこの充填材6に熱を加えるシート状のヒータ−7が気密用パッキン5全周にわたるように中空部の底部に埋設されている。
ここで、充填材6としては、常温近傍で液相状態となる低融点合金のアナトミカル合金やウッド合金(融解温度:60℃以上)、またはローズ合金(融解温度:100℃以上)、更には非金属物質のパラフィン(融解温度:45℃以上)等の使用が考えられ、これらの中から設置要件と使用環境条件に合わせて選定するものとする。
【0010】
また、嵌合溝4と気密用パッキング5の容積の関係は、その断面形状において充填材6が固相状態から液相状態に相変化したときの体積差に加え、気密状態前のベース2上における気密用パッキング6の高さh1が気密状態の高さh2に変化したときの「h1−h2」により生じる差の高さΔhに相当する容積分で嵌合溝4の断面容積を包容し、気密用パッキング5の外周面と嵌合溝4の内周面とが適度な密着力で接触するように気密用パッキング5の高さh1が決定される。
【0011】
8は温度制御部、9はキースイッチ、10は電源部で、これらはベース2に内蔵または外付けされて設けられ、前記ヒータ−7は温度制御部8と電源部10にリード線11で接続されている。
12は、電子回路1を外部電源等に接続するためのコネクタである。
このような構成による第1の実施の形態の作用を次に説明する。
【0012】
まず、気密用パッキング5の断面形状は、充填材6が加熱による液相状態及び非加熱の固相状態のいづれにおいても、気密用パッキング5自身の素材が持つ弾性力と剛性により図1(a)に示す高さh1で、かつカバー3の嵌合溝4の入口部を通過できる幅を保つことができる。
そこで、ケースに内蔵する電子機器1を図2に示したようにベース2上に固定し、カバー2を取り付ける時点でキースイッチ9をONにすることで電源部10から温度制御部8を介してヒータ−7に通電し、これによりヒータ−7を発熱させて気密用パッキング5の充填材6を加熱することで、充填材6を液相状態とする。
【0013】
この状態でベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせると、気密用パッキング5の先端部からカバー2の重量が加わり、これにより図1(b)に示したように気密用パッキング5が順次円形を成すように変形して嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密性が得られる。
【0014】
その後、ヒータ−5をOFFとして充填材6を固相状態化し、気密用パッキング5の弾性力によりそのまま気密接合された状態を維持する。
カバー3を取り外す場合は、再度ヒータ−7に通電して充填材6を加熱し、充填材7を流動化する液相状態に戻す。
この状態でカバー3を持ち上げて、気密用パッキング5に対する重量を取り除くと、気密用パッキング5は自身の弾性復元力により図1(a)に示した元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0015】
以上説明した第1の実施の形態によれば、気密用パッキング5に充填した充填材6の固相状態と液相状態の性状変化を利用することによってケースを構成するベース2とカバー1の間の気密を得るようにしているため、ケースの全周に渡って良好な気密性が得られると共に、ボルト等の締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要もないので、ケースの大形化を防止できるという効果が得られる。
【0016】
また、カバー3を固定した後、充填材6を固相状態化することで、気密用パッキング5はカバー3の嵌合溝4から外れなくなるので、ヒータ−7への通電のON−OFFをキースイッチ9により行うことで電子機器1の盗難防止を目的とした保安対策にも有効なものとなる。
図3は本発明によるケースの気密構造の第2の実施の形態を示す要部断面図でであり、この実施の形態は気密用パッキング5の中空部に充填する充填材6として低沸点の液体を使用したもので、この低沸点の液体としてはプロパン系代替フロン(HCFC225ca沸点51.1℃)等がある。
【0017】
この実施の形態における嵌合溝4と気密用パッキング5の容積の関係は、その断面形状において充填材6が液体のときのベース2上における気密用パッキング5の高さh1が嵌合溝4の高さh3と同等以下であっても、充填材6の液相から気相への相変態による体積増加分で嵌合溝4の内周面に気密用パッキング5の外周面が適度の圧力で密着するようになっている。
【0018】
尚、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このような構成による第2の実施の形態の作用を説明すると、まず、充填材6が液相状態にあるときは、気密用パッキング5の幅はカバー3の嵌合溝4の入口部の幅よりも狭い幅に保たれているので、この状態で図3(a)に示したようにベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせる。
【0019】
その後、キースイッチ9をONにすることで電源部10から温度制御部8を介してヒータ−7に通電し、これによりヒータ−7を発熱させて気密用パッキング5内の充填材6を加熱すると、このヒータ−7の加熱によって充填材質6が気相状態に変化し、図3(a)に示したように気密用パッキング5の中空部が膨張する。
【0020】
これにより気密用パッキング5は円形を成すように変形し、嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密性が得られる。
そして、気相状態における充填材6の圧力が安定状態を常に維持できるように温度制御部6によってヒータ−7への通電が制御され、一定の範囲内に充填材6の温度を保持する。
【0021】
カバー3を取り外す場合は、キースイッチ9をOFFにすると、ヒータ−7への通電が停止されるので、充填材6の温度が下がって液相状態に変化する。
これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0022】
以上の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、この第2の実施の形態では、ヒータ−7を連続動作させて温度制御部8により一定の範囲内に充填材6の温度を保持するので、その間はヒータ−7の発熱によりケースに内蔵された電子機器1も外気温度より高い一定温度範囲に保つことができ、これにより外気温度の変化に比較してケース内部の温度変動が小さくなるので、電子機器1の回路の温度特性が安定するという効果も得られる。
【0023】
更に、ケースを構成するベース2とカバー3についても、ヒータ−7の発熱により外気温度より常時高くなるために、共に外部表面の結露防止の効果も期待でるものである。
図4は本発明によるケースの気密構造の第3の実施の形態を示す要部断面図でであり、この実施の形態は、気密用パッキング5の中空部内にヒータ−7を設けず、気密用パッキング5に最低1ケ所以上の貫通孔13を設けて、その貫通穴13にプラグ14を介して供給管15を接続し、この供給管15にキースイッチ9を有する圧力制御部17を介してボンベ18を接続したものである。
【0024】
このボンベ18には気密用パッキング5の中空部内に充填する充填材6としての気体が高圧充填されており、この気体としては乾燥空気あるいは窒素ガスや炭酸ガスまたはヘリウム等の不活性で非可燃性の性状を持つ気体を選定する。
尚、ボンベ18はケースに内蔵されていても、またケース外部に設けられていてもよい。
【0025】
このような構成による第3の実施の形態の作用を説明すると、
まず、気密用パッキング5の幅をカバー3の嵌合溝4の入口部の幅よりも狭い幅に保った状態で、図4(a)に示したようにベース2の上方からカバー3を被せて、カバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせる。
その後、キースイッチ9をONにすることで、ボンベ18内の気体を圧力制御部17に送り、この圧力制御部17で減圧調整した後にプラグ14と貫通孔13を経由して気密用パッキング5の中空部内に供給する。
【0026】
これにより気密用パッキング5の中空部が膨張して、図4(b)に示したように気密用パッキング5は円形を成すように変形し、嵌合溝4の内周面全体に密着するが、このとき適度な密着圧が得られるように圧力制御部17で気体圧力が調整され、気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が得られる。
その後は、充填材6の圧力を圧力制御部17が監視し、一定の密着圧を維持するることが行われる。
【0027】
カバー3を取り外す場合は、キースイッチ9をOFFにすることで、圧力制御部17に設けた排気弁により排気を行うと、気密用パッキング5の中空部内の加圧力が除かれ、これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を持ち上げることでカバー3を取り外すことができる。
【0028】
以上の実施の形態は、気密用パッキング5の中空部への充填材6として気体を使用し、この気体を高圧充填したボンベ18を連結して減圧供給と排気操作を行うことで、気密用パッキング5の中空部の膨張と収縮の体積変化によってケースを構成するベース2とカバー3との間の気密構造を得るので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0029】
図5は本発明によるケースの気密構造の第4の実施の形態を示す要部断面図、図6は図5の実施の形態全体の断面図である。
この第4の実施の形態は、気密用パッキング5の複数個所好ましくは3個所以上に貫通孔13をほぼ等間隔に設け、各々貫通孔13との対面位置にスタンド19と一体化した伸縮自在なベロー20を接合して気密用パッキング5の中空部とベロー20を貫通孔13で結び、充填材6が中空部とベロー20間を移動できるようにしたものである。
【0030】
この実施の形態における充填材6としては、ベロー20の容積を最小にするため、圧縮比の小さい性状を持った液体を使用するのが望ましく、例えば粘度調整の容易なシリコーン系のオイルまたは液体金属の水銀等を使用するものとする。また、気密用パッキング5全体に均等な荷重で圧力を加える目的から、図6に示したように、ケースに収納する電子機器1はカバー3の内側中央部に設けた回転吊受け21で支持された筐体22に内に収容固定し、カバー3の自重と共に気密用パッキング5の変形と密着の荷重源として利用するようにしている。
【0031】
ここで、ベロー20の容積は、カバー3と電子機器1等の荷重負荷が作用する前のベロー20の高さh4から作用した後のベロー20の高さh5の差の高さΔhに相当する容積分と、ベロー20の使用個数分を乗算した総容積が、カバー3の嵌合溝4の容積に対して、気密用パッキング5の中空部が膨張変形し、気密用パッキング5の外周面が嵌合溝4の内周面と適度の密着力で接触できる気密用パッキング5の高さh6寸法で決定される。
【0032】
ベロー20は耐食性とバネ性を持つ成形加工性の良い金属としてリン青銅、またはコイルバネを内蔵した軟質樹脂の成型品で作られ、カバー3等の重量が荷重として働いた状態で収縮し、容積を減少することで充填材6が気密用パッキング5の中空部に移動したとき、気密用パッキング5の外周面がカバー3の嵌合溝4の内周面に適度な密着圧で接触するようなバネ強度を持つものとする。
【0033】
このような構成による第4の実施の形態の作用を説明すると、
まず、気密用パッキング5の中空部とベロー20に充填された充填材6は、ベロー20にカバー3等の荷重による負荷がかかっていない状態、つまりカバー3を外している状態では、ベロー20が自身の弾性力によって初期の形状を保っているため、その中に静止状態で貯えられている。
【0034】
この状態では、気密用パッキング5が自身の弾性力と剛性によりカバー3の嵌合溝4の入口部を通過できる幅を保つているので、この状態でベース2の上方からカバー3を被せて、図5(a)に示したようにカバー3の嵌合溝4と気密用パッキング5とを嵌め合わせと、カバー3等の荷重による負荷がベロー20に作用し、それに従ってベロー20が収縮して充填材6が気密用パッキン5の中空部に移動する。
【0035】
これにより気密用パッキング5の中空部が膨張し、図5(b)に示したように気密用パッキング5は円形を成すように変形して、嵌合溝4の内周面全体に密着するので、気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が得られる。
そして、この状態でカバー3内の筐体22や電子機器1の重量がカバー3に取り付けられた回転吊受け21に集中するため、カバー3等の荷重負荷は適度の釣り合いを保って気密用パッキング5に働くことになり、これにより気密用パッキング5と嵌合溝4の気密性が保持される。
【0036】
カバー3を取り外す場合は、カバー3を持ち上げると、カバー3等による荷重負荷が減少するに従ってベロー20の収縮状態が開放され、気密用パッキング5の充填材6がベロー20に移動する。
これにより気密用パッキング5は自身の弾性復元力により元の形状に戻って、嵌合溝6の入口部の幅より狭くなるので、そのままカバー3を更に持ち上げることで、カバー3を取り外すことができる。
【0037】
以上の実施の形態では、充填材6として圧縮比の小さい性状を持つ液体を使用し、カバー3等の重量による荷重負荷の増減により、気密用パッキング5の中空部とベロー20との間を充填材6が移動する構造にしたことで、ケースを構成するベース2とカバー3との間の気密構造を得るので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0038】
また、この第4の実施に形態では、ベロー20に作用する全荷重と、ベロー20のバネ性を組み合わせて弾性支持系を構成することから、スタンド19を中継して伝播する外部振動数fに対する弾性支持系の固有振動数fn の比をuとすれば、u=f/fn をu=√2より大きくすることで伝播振動に対する防振と、充填材6と貫通孔13のダッシュポット機能が万一の共振時に振幅抑制の作用を持つ効果も期待できるものである。
【0039】
尚、上述した第1から第4の実施の形態はいずれもベース2とカバー3との間の気密構造を実現したものであるが、気密を必要としない単なるカバーとベース間の接続固定にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、ベースのカバーの端面に対向する部分に取り付け溝を設けて、この取り付け溝内に弾性を有するリング状の気密用パッキングの一部を固着し、この気密用パッキングの前記ベース上に突出した部分に充填材を充填する中空部を設け、前記カバーの端面には入口の幅が狭く奥の幅が広い嵌合溝を形成して、この嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記充填材を変化させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させる構成としているため、ケースの全周に渡って良好な気密性が得られるという効果を奏することができ、また、ボルト等の締結部品の取り付け部を張り出すように設ける必要もないので、ケースの大形化を防止できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】図1の実施の形態の全体斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【図6】図5の実施の形態全体の断面図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 ベース
3 カバー
4 嵌合溝
5 気密用パッキング
6 充填材
7 ヒータ−
8 温度制御部
9 キースイッチ
10 電源部
13 貫通孔
17 圧力制御部
18 ボンベ
19 スタンド
20 ベロー
Claims (5)
- ケースを構成するベースとカバーとを気密が得られるように接合するケースの気密構造において、
前記ベースの前記カバーの端面に対向する部分に取り付け溝を設けて、この取り付け溝内に弾性を有するリング状の気密用パッキングの一部を固着し、
この気密用パッキングの前記ベース上に突出した部分に充填材を充填する中空部を設け、
前記カバーの端面には入口部の幅が狭く奥側の幅が広い嵌合溝を形成して、
この嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記充填材を変化させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴するケースの気密構造。 - 請求項1記載のケースの気密構造において
加熱により固体から液体に相変化する充填材をヒーターと共に気密用パッキングの中空部内に設け、
カバーの嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせる前に前記充填材を前記ヒーターにより加熱して液状化し、
前記カバーの嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせると共に、ヒーターによる加熱を停止して、カバーの重量により前記気密用パッキングを変形させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴するケースの気密構造。 - 請求項1記載のケースの気密構造において
加熱により液体から気体に相変化する充填材をヒーターと共に気密用パッキングの中空部内に設け、
前記カバーの嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、ヒーターにより前記充填材を加熱して気体化し、
この気体化した充填材により前記中空部を膨張させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴するケースの気密構造。 - 請求項1記載のケースの気密構造において
気体状の充填材を加圧充填したボンベを気密用パッキングの中空部に接続し、
カバーの嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせた後、前記ボンベから充填材を前記気密用パッキングの中空部に供給して、この中空部を膨張させることで前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴するケースの気密構造。 - 請求項1記載のケースの気密構造において
圧縮比の小さい性状を持つ液状の充填材を充填した伸縮自在なベローを気密用パッキングの中空部に接続するようにベースに固定すると共に、ケース内に収容する収容物をカバーの内側に取り付け、
前記カバーの嵌合溝を前記気密用パッキングに嵌め合わせて、前記カバーと収容物の重量を前記べースを介して前記ベローに加えることにより、前記充填材を前記ベローから前記気密用パッキングの中空部に移動させ、このときの中空部を変形により前記気密用パッキングの外周面を嵌合溝の内周面全体に密着させることを特徴するケースの気密構造。
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