JP3723276B2 - 太陽電池の梱包構造の開封方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、太陽電池の梱包方法、梱包構造及び梱包構造の開封方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板上に非晶質シリコン層からなる発電膜を形成した太陽電池の梱包形態として、実公平5−30368には、樹脂製パレットに形成された複数の凹部に、各々、太陽電池を収納する梱包形態が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の梱包形態においては、発電膜からの出力を取り出す出力端子が、外気と直接にさらされることになり、長期間にわたり倉庫等に保管された場合、出力端子の腐食が進む。そして、この太陽電池を電子機器に取り付けるために、出力端子にリード線を半田付けするとき、出力端子に溶融した半田がのらない、あるいは、半田付け強度が弱い等の問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するために成されたものであり、長期間保管しても出力端子が腐食しにくい梱包形態を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の主要な構成は、梱包された状態で太陽電池の出力端子が直接外気にさらされない、あるいは、減圧したフィルム体中に太陽電池を梱包することを特徴とする。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明を、図1〜7を用いて詳細に説明する。
【0007】
まず、図1は梱包する太陽電池を示す斜視図であり、1はガラス等の絶縁表面を有する基板、2は、透明電極膜、非晶質シリコン膜及び金属電極膜からなる発電膜からの出力を導出する出力端子、3は発電膜を被い出力端子を露出させる樹脂材料等からなる保護膜である。出力端子2の材質は、透明導電膜、金属膜、銅ペースト膜等が採用できる。ここで、銅ペースト膜は、ガラス基板上で通常の半田付け作業ができるもので、フェノール系樹脂をバインダーとして、粒径約5〜7μmの銅粉末を重量比約90%で混入したものからなり、スクリーン印刷によるパタ−ニング後、加熱処理により硬化される。しかしながら、この銅ペースト膜は、腐食しやすい材質であるので、特に、本発明による出力端子の腐食防止対策を取る必要がある。
【0008】
次に、図2〜3に示す工程により、第1実施例の梱包形態を説明する。
【0009】
まず、図2に示す工程においては、ボール紙等の多孔質材料からなる板状部材5の一主面上に、上述した複数の太陽電池6、6・・・を配置する。ここで、太陽電池6は、出力端子2が板状部材5に接する状態で配置される。
【0010】
図3に示す工程においては、複数の太陽電池6、6・・・上を含んで板状部材5上に、板状部材5に臨む面に熱可塑性樹脂からなる接着層(図示せず)を有する熱可塑性樹脂からなる透明な保護フィルムを加熱して仮に配置し、板状部材5の下面より、上面に位置する保護フィルム7を吸引する。これにより、図に示すように、板状部材5上の太陽電池6、6・・・の形状に沿って、保護フィルム7が形成される。ここで、保護フィルム7は、板状部材5に接する部分ではこれと接着するが、太陽電池6に接する部分とは密着するだけで、接着することはない。なお、保護フィルム7の材料としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等が利用できる。
【0011】
そして、この梱包構造を輸送、保管後、開封するときは、保護フィルム7の端部を引き上げ、これを板状部材5から剥離する。上述のように、保護フィルム7は太陽電池6と接着することなく、密着しているだけなので、保護フィルム7を剥離すると、板状部材5上に太陽電池6、6・・・が残り、これらを容易に取り出すことができる。
【0012】
本第1実施例は、以上の形態であり、梱包構造の輸送、保管中に、太陽電池6が板状部材5と保護フィルム7とにより包まれるので、出力端子2が直接外気にさらされることがない。従って、出力端子2が腐食されにくく、開封後の半田付けにおいて、強固にリ−ド線を接続することができる。
【0013】
次に、図4〜7に示す工程により、第2実施例の梱包形態を説明する。
【0014】
まず、図4に示す工程において、15は形状の復元力のある板状部材であり、複数枚(図では2枚)のボール紙よりなる。そして、図に示すように、板状部材15の一主面上に、上述した複数の太陽電池6、6・・・を配置する。ここで、太陽電池6は、出力端子2が板状部材15に接する状態で配置される。また、復元力のある板状部材15の他の例としては、ボール紙と復元力のあるスポンジとの積層体等も利用することができる。
【0015】
そして、図5に示す工程において、板状部材15の上面、下面に、板状部材15より大面積の透明フィルムシート17、17を配置し、フィルムシート17の外周部の一部に位置する排気通路18を除いて、フィルムシート17、17の外周を熱圧着してフィルム体19を作成する。なお、保護フィルム17の材料としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等が利用できる。
【0016】
次に、図6に示す工程において、排気通路18よりフィルム体19内部を排気し、その後、排気通路18を封止することにより梱包形態を完成する。この工程により、フィルム体19内部は減圧状態となり、板状部材15が常圧状態より小体積になる。
【0017】
この梱包構造を輸送、保管後、図7に示す工程にて、開封する。フィルム体19の一部に空気を導入するための空気導入部20を設けて空気を導入し、復元力により板状部材15の体積を増大させる。図に示すように、空気導入部分20として、フィルム体19の一辺の熱圧着部分を切り落とすことにより空気を導入すると、太陽電池6が配置された板状部材15をフィルム体19から容易に取り出すことができる。
【0018】
本第2実施例は、以上の内容であり、梱包構造の輸送、保管中に、太陽電池6がフィルム体19に減圧状態で封止されるので、出力端子2が腐食されにくく、開封後の半田付けにおいて、強固にリ−ド線を接続することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の梱包形態は以上の構成であり、梱包された状態で太陽電池の出力端子が直接外気にさらされない、あるいは、減圧したフィルム体中に太陽電池が梱包されるので、出力端子が腐食しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる太陽電池の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例における第1工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図3】本発明の第1実施例における第2工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図4】本発明の第2実施例における第1工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図5】本発明の第2実施例における第2工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図6】本発明の第2実施例における第3工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図7】本発明の第2実施例における第4工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
2 出力端子
5 板状部材
6 太陽電池
15 板状部材
17 フィルムシート
18 排気通路
19 フィルム体
20 空気導入部
Claims (1)
- 形状の復元力がある材料からなり、多孔質材料からなる板状部材の一主面上に配置された前記板状部材に接する出力端子を有する板状の複数の太陽電池と、前記板状部材を密閉したフィルム体とからなり、前記フィルム体の内部を減圧状態とすることにより、前記板状部材が常圧状態より小体積になっている梱包構造を開封する方法であって、前記フィルム体に、空気を導入するための空気導入部を設けて空気を導入し、
復元力により前記板状部材の体積を増大させることを特徴とする太陽電池の梱包構造の開封方法。
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JP10146096A JP3723276B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 太陽電池の梱包構造の開封方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10146096A JP3723276B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 太陽電池の梱包構造の開封方法 |
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ID=14301322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10146096A Expired - Fee Related JP3723276B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 太陽電池の梱包構造の開封方法 |
Country Status (1)
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1996
- 1996-04-23 JP JP10146096A patent/JP3723276B2/ja not_active Expired - Fee Related
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