JP3723114B2 - 電気部品のシャーシへの取り付け構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ハウジングの周囲がシールドケースで覆われた電気部品を、導電性のシャーシへ取り付ける取り付け構造に関し、更に詳しくは、絶縁ハウジングをシャーシへ固定するとともに、シールドケースをシャーシへ電気接続し、接地させる電気部品のシャーシへの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁ハウジング内のコンタクト、信号線等に、高周波信号が流れる電気部品は、コンタクト、信号線などを外部と遮蔽するために、絶縁ハウジングの外周面を、接地されたシールドケースで覆っている。
【0003】
図7は、この種の電気部品である電気コネクタ101を、導電性のシャーシ120に取り付ける従来のシャーシへの取り付け構造100を示すもので、シャーシ120は、通常、機器の化粧パネル(図示せず)と平行にその内側に設置され、その一部がグランドに接続され接地されている。
【0004】
電気コネクタ101は、コネクタプラグ(図示せず)と接続するコネクタソケットであり、コネクタプラグを挿入させ嵌合するプラグ挿入孔が凹設された絶縁ハウジング103と、そのプラグ挿入孔に接触部を臨ませるように絶縁ハウジング103の内方に固定された複数のコンタクト104、104・・を備えている。絶縁ハウジング103の周囲は、プラグ挿入孔の開口部を除き、導電性のシールドケース105で覆われている。
【0005】
絶縁ハウジング103の左右の側面には、それぞれ前後方向に導電性の雄ネジ107を貫通させる貫通孔106aが穿設された一対のフランジ板106、106が一体に突設されている。
【0006】
シールドケース105には、貫通孔106aを含むフランジ板106と同形状に形成された接続片108が一体に形成され、絶縁ハウジング103の周囲にシールドケース105が取り付けられた際に、フランジ板106の表面に接続片108が積層され、フランジ板106の貫通孔106aと接続片108の貫通孔108aは、同軸上に連通している。
【0007】
電気コネクタ101は、シャーシ120に穿設された取り付け孔109に挿通させた状態で、シャーシ120と直交するようにネジ止め固定される。すなわち、図示するように、貫通孔108a、貫通孔106a及びこれらの部位に対応するシャーシ120側の貫通孔102aに、雄ネジ107を挿通し、シャーシ120の背面側に突出する雄ネジ107にナット110を螺合させて、雄ネジ107とナット110間で、接続片108、フランジ板106及びシャーシ120を締め付けて固定する。
【0008】
このネジ止めによって、シールドケース105は、導電性の雄ネジ107を介してグランドと接続するシャーシ120に電気接続して接地され、高周波信号を入出力するコンタクト104を含めた絶縁ハウジング103の内部は、外部と遮蔽される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、合成樹脂などで成形した絶縁ハウジング103のフランジ板106を挟持してネジ止めする構造であるため、熱、経年変化により、フランジ板106が変形すると、接続片108若しくはシャーシ120との間隔が緩み、シールドケース105とシャーシ120間の接続不良が発生する原因となっていた。この問題は、電気部品101が、相手方コネクタとの挿抜を繰り返す電気コネクタである場合に、特に顕著であり、挿抜の際に繰り返しフランジ板106の部分に加わる外力により、フランジ板106は、より変形しやす、雄ネジ107も緩みやすいものであった。
【0010】
また、一度、雄ネジ107とナット110間の螺合が緩むと、自ら復帰することがないので、シールドケース105とシャーシ120間の接続信頼性は失われるばかりで、雄ネジが自由に回転することにより、緩みは更に加速する。
【0011】
更に、雄ネジ105を介して間接的にシールドケースをシャーシ120へ電気接続する構造であるため、雄ネジ105との接触抵抗がグランドとの間に介在し、シールドケースが接地電位とならず、また、限られた雄ネジ105を挿通させる2箇所の部位でのみ、シールドケースを接地するだけなので、充分なシールド効果が得られない。
【0012】
本発明は、上述の課題に鑑み、雄ネジによる締め付けが緩みにくく、また、緩んでも、シールドケースとシャーシ間が確実に電気接続する電気部品のシャーシへの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0013】
また、シールドケースの多数の位置で接地し、シールド効果が向上する電気部品のシャーシへの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、側面にフランジ部が突設された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングの外周面を覆い、絶縁ハウジングに取り付けられた状態で、一体の接続片がフランジ部の表面に沿って配設されるシールドケースと、絶縁ハウジングのフランジ部と平行に配設される導電性のシャーシと、接続片とフランジ部とシャーシを貫通する導電性ネジとを備え、シャーシと接続片間に、絶縁ハウジングのフランジ部を挟持した状態で、導電性ネジを貫通させて一体に締め付け、絶縁ハウジングの外周面がシールドケースで覆われた電気部品を、シャーシへ固定するとともに、導電性ネジを介して、シールドケースとシャーシを電気接続する電気部品のシャーシへの取り付け構造において、
フランジ部の基端側でシャーシに対向する背面に、逃げ凹部を凹設し、フランジ部の逃げ凹部に弾性変形自在に収容され、自由状態で、自由端部が逃げ凹部から突出する補助接触片を、シールドケースに突設し、導電性ネジで、シャーシとフランジ部と接続片が一体に締め付けられた際に、補助接触片の自由端部がシャーシに弾性接触することを特徴とする。
【0015】
導電性ネジで、シャーシとフランジ部と接続片を一体に締め付けると、フランジ部の逃げ凹部からシャーシ側に突出する補助接触片の自由端部は、シャーシに当接し、弾性変形しながら、逃げ凹部内に収容される。
【0016】
これにより、シールドケースは、接続片と導電性ネジを介してシャーシに電気接続するとともに、補助接触片を介しても、シャーシに電気接続する。
【0017】
シャーシに弾性接触する補助接触片は、相対的にシャーシから離れる方向にフランジ部と接続片を付勢するので、これらを締め付ける導電性ネジは、緩みにくく、また、緩んでも、雄ネジと、接続片若しくはシャーシとの間は、補助接触片の弾性から生じる接触圧で接触する。
【0018】
請求項2の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、補助接触片と接続片にフランジ部が挟持され、絶縁ハウジングにシールドケースが仮保持されることを特徴とする。
【0019】
絶縁ハウジングにシールドケースが仮保持されるので、シャーシへのネジ止め作業が容易となる。
【0020】
請求項3の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、電気部品が、高周波信号を入出力するコンタクトが絶縁ハウジングに取り付けられた電気コネクタであり、相手側コネタクとの挿抜方向に直交して、フランジ部が突設されていることを特徴とする。
【0021】
相手側コネクタとの挿抜により、フランジ部に繰り返して外力が加わり変形しても、補助接触片は、シャーシに弾性接触しているので、シールドケースとシャーシ間の電気接続が保たれる。
【0022】
また、フランジ部が変形しても、補助接触片の弾性によって、雄ネジと接続片間が密着するので、電気部品は、がたつきなくシャーシに固定される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る電気部品のシャーシへの取り付け構造を、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、電気部品であるコネクタソケット1の平面図、図2は、コネクタソケット1の正面図、図3は、シャーシ120へ取り付けたコネクタソケット1に相手側コネクタ110を接続する状態を示す横断面図、図4は、シャーシ120への取り付けを示す要部分解斜視図、図5(a)、(b)、(c)は、シールドケース2の平面図、正面図、側面図、図6(a)、(b)は、絶縁ハウジング3の平面図、横断面図である。
【0024】
これらの図に示すように、電気部品であるコネクタソケット1は、電子機器の化粧パネル121の内側に沿って配設されたシャーシ120に取り付けられ、電子機器内に配線された多芯シールドケーブル130の端末に接続されるコネクタソケットで、絶縁ハウジング3と、絶縁ハウジング3に取り付けられる複数のコンタクト5、絶縁ハウジング3の周囲を覆うシールドケース2及び補助ケース4で構成されている。
【0025】
図6に示すように、絶縁ハウジング3は、絶縁性プラスチック樹脂により、直方体状の本体3aと、本体3aの両側面から直交するように突設された一対のフランジ板8と、本体3aの後方(図中左方)に連設されたコンタクトガイド板3cとが一体に成形されている。
【0026】
絶縁ハウジング3の本体3aには、正面(図6において右方)から後方に向かって、相手側コネクタであるコネクタプラグ110の筒状アース金具112を挿入する挿入凹部6が凹設されている。挿入凹部6は、筒状アース金具112と嵌合するように、横長角筒状に形成されている。
【0027】
挿入凹部6の中央には、本体3aから前方に突設された接続プレート3bが臨んでいる。接続プレート3bは、多芯ケーブル130の各信号線131に対応する数(ここでは、4本)のコンタクト5を整列させて挿入凹部6内に臨ませるもので、コンタクト5の接触部5aを位置決めして取り付ける4本の凹溝が前後方向に形成されている。
【0028】
コンタクトガイド板3cの内面には、コンタクト5の脚部5bを位置決めする4本の凹溝が、挿入凹部6内の凹溝より広いピッチで形成されている。
【0029】
コンタクト5は、隣青銅などの導電性金属板を帯状に打ち抜いた後、図3に示すように、折り曲げ形成され、接触部5aの一部は湾曲形成され、挿入凹部6に挿入されるプラグコネクタ110の信号端子111と個々に接触するようになっている。
【0030】
コンタクト5の脚部5bには、多芯ケーブル130の皮むきされた各信号線131を半田接続するもので、各脚部5bの半田付け部相互が接触しないように、広いピッチで形成した後方の溝内に位置決めされる。
【0031】
シールドケース2は、平面と後面(背面)を除く絶縁ハウジング3の周囲を覆うもので、導電性金属板を打ち抜き、図5に示す樋状に折り曲げ加工されたものである。
【0032】
補助ケース4は、シールドケース2と同じ導電性金属板を打ち抜いた後、絶縁ハウジング3の平面と、多芯シールドケーブル130を挿通させる部位を除いた後面を覆うようにL字状に折り曲げて形成される。補助ケース4は、シールドケース2との境界部において、その周辺をシールドケース2の上方に折重ねることにより、シールドケース2に一体化され、これにより、絶縁ハウジング3のほぼ周囲全体がシールドケース2と補助ケース4で覆われる。
【0033】
シールドケース2の絶縁ハウジング3の前面(正面)を覆う前面枠部2aには、挿入凹部6の開口縁の輪郭に沿ったアース金具挿入孔10が、その左右の内周面に切り起こされる一対の舌片7を残して、打ち抜き形成されている。
【0034】
舌片7は、図5(a)に示すように、挿入凹部6の開口縁からその内側面に沿って折り曲げられ、プラグコネクタ110の筒状アース金具112は、この舌片7に当接し、内方に弾性変形しながら挿入凹部6内に挿入される。
【0035】
前面枠部2aと直交し後方に連続する本体被覆部2bは、絶縁ハウジング3の左右の側面と底面を覆うもので、このうち左右の側面を覆う本体被覆部2bの中間には、それぞれ、絶縁ハウジング3のフランジ板8、8を挟持する接続片12と補助接触片13が突設されている。すなわち、絶縁ハウジング3の底面側を樋状のシールドケース2内に収容すると、その両側に突出するフランジ板8、8を、接続片12と補助接触片13が挟持し、シールドケース2内に絶縁ハウジング3が仮保持される。両者が仮保持されることにより、後述するシャーシ120へのネジ止め作業は、一方のシールドケース2のみを持って行うことができ、作業が容易となる。
【0036】
一対のフランジ板8のシャーシ120に対向する背面であって、その基端側は、図6に示すように肉薄とされ、逃げ凹部15が形成されている。本体被覆部2bから突設された補助接触片13は、図4に示すように、その基端が逃げ凹部15の内壁面に当接した後、やや後方に傾斜するように折り曲げられるもので、上述のように、絶縁ハウジング3をシールドケース2内に収容した状態では、補助接触片13の基端と接続片12の間で、フランジ板8を挟持するものとなる。また、この状態で、補助接触片13の自由端部13aは、逃げ凹部15より突出し、フランジ板8の背面より後方側に突き出る。
【0037】
接続片12は、フランジ板8の前面に積層配置されるもので、フランジ板8と同一の輪郭形状に打ち抜き形成されている。
【0038】
両面が、接続片12と補助接触片13で挟持されたフランジ板8は、図3に示すように、グランドに接地されたシャーシ120の前面に沿って平行に取り付けられるもので、接続片12とともに貫通させた導電性の雄ネジ20を、シャーシ120の背面側に突出させ、背面側のナット18との間で締め付けて、シャーシ120にネジ止めされる。この為、フランジ板8、接続片12とシャーシ120には、それぞれ、導電性雄ネジ20を貫通させる貫通孔14、16、17が穿設されている。
【0039】
コネクタソケット1をシャーシ120へネジ止めする際に、フランジ板8の背面より突き出た自由端部13aは、シャーシ120に当接し、前方に向かって逃げ凹部15内に弾性変形するが、フランジ板8と干渉せずに自由に弾性変形するように、逃げ凹部15の深さと大きさが定められている。また、補助接触片13の長さも、弾性変形する際に、先端が貫通孔14に貫通する雄ネジ20に達しない長さとされている。
【0040】
フランジ板8と接続片12をシャーシ120へネジ止めすることにより、絶縁ハウジング3の周囲にシールドケース2が固定され、また、コネクタソケット1全体がシャーシ120に固定される。
【0041】
また、接続片12が導電性の雄ネジ20を介してシャーシ120に電気接続するとともに、補助接触片13が、自らの弾性でシャーシ120の前面に弾性接触し、それぞれ電気接続する。
【0042】
図5に示すように、シールドケース2には、更に本体被覆部2bの後方に、多芯シールドケーブル130のアース編組線132に電気接続するクランプ金具2cが一体に連設されている。クランプ金具2cは、断面U字状に形成され、多芯シールドケーブル130の端末で皮むきされた後、外皮上に折り返されたアース編組線132をU字状内に収容して、その周囲を覆うように加締められる。
【0043】
クランプ金具2cが加締められることによって、コネクタソケット1の後方に多芯シールドケーブル130の端末が機械的に固着されるとともに、その内方の信号線131及びコンタクト5を包囲しながら、シールドケース2とアース編組線132が電気接続する。
【0044】
シャーシ120にコネクタソケット1が固定された後、雄ネジ20を含むシャーシ120の前方は、図1に示すように、シールドケース2の前面枠部2aを除き、電子機器の化粧パネル121で覆われる。
【0045】
従って、化粧パネル121には、挿入凹部6とアース金具挿入孔10が前方に臨むものとなり、図3に示すように、この挿入凹部6に、前方から相手方コネクタであるプラグコネクタ110の筒状アース金具112を挿入して接続する。このとき、筒状アース金具112の先端は、挿入凹部6の開口縁で曲げられた舌片7に、所定の弾力で弾性接触する。
【0046】
同時に、筒状アース金具112は、舌片7を介して、シールドケース2に電気接続し、シールドケース2は、接続片12と補助接触片13を介して接地されたシャーシ120に電気接続し、更に、その後方で多芯シールドケーブル130のアース編組線132に電気接続するので、相互に接続する多芯シールドケーブル130の信号線131、コンタクト5及びプラグコネクタ110の信号端子111の全体がシールドされる。
【0047】
この実施の形態によれば、シールドケース2は、1対の接続片12、12及び一対の補助接触片13、13の4カ所の部位でシャーシ120に電気接続し接地されるので、シールドケース2の長い距離を電流が流れることがなく、より確実にシールドすることができる。
【0048】
また、相手側コネクタ110との挿抜を繰り返し、雄ネジ20による締め付けが緩んでも、補助接触片13がシャーシ120に弾性接触するので、シールドケース2とシャーシ120との電気接続が損なわれることがない。
【0049】
更に、補助接触片13がシャーシ120に弾性接触することにより、接続片12は、雄ネジ20に当接する前方に付勢され、雄ネジ20は、螺合するナット18をシャーシ120の背面側に当接するように付勢するので、雄ネジ20とナット18との螺合が緩んでも、雄ネジ20を介して接続片12とシャーシ120間の電気接続が維持されるとともに、雄ネジ20が遊び自由に回転することがないので、緩む方向への回転は加速されない。
【0050】
上述の実施の形態において、シールドケース2は、補助ケース4とともに、絶縁ハウジング3の周囲を覆うものであったが、必ずしも、絶縁ハウジング3の周囲全体を覆うものである必要はなく、また、補助ケース4と一体として絶縁ハウジング3を覆うものであってもよい。
【0051】
また、シャーシ120に雄ネジ20と螺合する雌ネジを刻設し、雄ネジ20と螺合する構成とする場合には、必ずしもナット18を設ける必要はない。
【0052】
更に、電気部品は、多芯シールドケーブル130の端末に接続するコネクタソケットや、絶縁ハウジング3内にコンタクト5を内蔵する電気コネクタに限らず、絶縁ハウジング内をシールドするために、シールドケースがその周囲に取り付けられる電気部品であれば、種々の回路部品、機構部品等に適用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、雄ネジによる締め付けが緩みにくく、また、緩んでも、シールドケースとシャーシ間が補助接触片により電気接続するので、シールドケースは確実に接地され、シールド効果が損なわれることがない。
【0054】
また、接続片の他に、補助接触片によっても、シャーシに電気接続するので、シールドケースを多数の位置で接地させ、シールド効果が向上する。
【0055】
更に、補助接触片は、フランジ部に形成された逃げ凹部内で弾性変形するので、他と接触しないその変形スペースを、電気部品の周囲に確保する必要がない。
【0056】
更に、補助接触片がシャーシに弾性接触することにより、フランジ部と接続片をシャーシから離れる方向に付勢するので、これらを締め付ける導電性ネジは、緩みにくく、また、緩んでも、雄ネジと、接続片若しくはシャーシとの間は、補助接触片の弾性から生じる接触圧で接触する。
【0057】
これに加えて、請求項2の発明によれば、シャーシへの取り付け前に、シールドケースと絶縁ハウジングを仮保持できるので、雄ネジによるネジ止め作業の際に、一方のみを持って作業することができ、作業性が向上する。
【0058】
これに加えて、請求項3の発明は、相手側コネクタとの挿抜により、フランジ部に外力が加わり変形しても、補助接触片の弾性によって、雄ネジと接続片間が密着するので、電気部品は、がたつきなくシャーシに固定され、相手側コネクタを確実に挿抜できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気部品1のシャーシ120への取り付け構造を示す平面図である。
【図2】コネクタソケット1の正面図である。
【図3】シャーシ120へ取り付けたコネクタソケット1に相手側コネクタ110を接続する状態を示す横断面図である。
【図4】電気部品1のシャーシ120への取り付けを示す要部分解斜視図である。
【図5】シールドケース2を示し、
(a)は、平面図、
(b)は、正面図、
(c)は、側面図である。
【図6】絶縁ハウジング3を示し、
(a)は、平面図、
(b)は、横断面図である。
【図7】従来の電気部品101のシャーシ120への取り付け構造100を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コネクタソケット(電気部品)
2 シールドケース
3 絶縁ハウジング
5 コンタクト
8 フランジ部(フランジ板)
12 接続片
13 補助接触片
13a 自由端部
15 逃げ凹部
20 雄ネジ(導電性ネジ)
110 相手方コネクタ
120 シャーシ
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ハウジングの周囲がシールドケースで覆われた電気部品を、導電性のシャーシへ取り付ける取り付け構造に関し、更に詳しくは、絶縁ハウジングをシャーシへ固定するとともに、シールドケースをシャーシへ電気接続し、接地させる電気部品のシャーシへの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁ハウジング内のコンタクト、信号線等に、高周波信号が流れる電気部品は、コンタクト、信号線などを外部と遮蔽するために、絶縁ハウジングの外周面を、接地されたシールドケースで覆っている。
【0003】
図7は、この種の電気部品である電気コネクタ101を、導電性のシャーシ120に取り付ける従来のシャーシへの取り付け構造100を示すもので、シャーシ120は、通常、機器の化粧パネル(図示せず)と平行にその内側に設置され、その一部がグランドに接続され接地されている。
【0004】
電気コネクタ101は、コネクタプラグ(図示せず)と接続するコネクタソケットであり、コネクタプラグを挿入させ嵌合するプラグ挿入孔が凹設された絶縁ハウジング103と、そのプラグ挿入孔に接触部を臨ませるように絶縁ハウジング103の内方に固定された複数のコンタクト104、104・・を備えている。絶縁ハウジング103の周囲は、プラグ挿入孔の開口部を除き、導電性のシールドケース105で覆われている。
【0005】
絶縁ハウジング103の左右の側面には、それぞれ前後方向に導電性の雄ネジ107を貫通させる貫通孔106aが穿設された一対のフランジ板106、106が一体に突設されている。
【0006】
シールドケース105には、貫通孔106aを含むフランジ板106と同形状に形成された接続片108が一体に形成され、絶縁ハウジング103の周囲にシールドケース105が取り付けられた際に、フランジ板106の表面に接続片108が積層され、フランジ板106の貫通孔106aと接続片108の貫通孔108aは、同軸上に連通している。
【0007】
電気コネクタ101は、シャーシ120に穿設された取り付け孔109に挿通させた状態で、シャーシ120と直交するようにネジ止め固定される。すなわち、図示するように、貫通孔108a、貫通孔106a及びこれらの部位に対応するシャーシ120側の貫通孔102aに、雄ネジ107を挿通し、シャーシ120の背面側に突出する雄ネジ107にナット110を螺合させて、雄ネジ107とナット110間で、接続片108、フランジ板106及びシャーシ120を締め付けて固定する。
【0008】
このネジ止めによって、シールドケース105は、導電性の雄ネジ107を介してグランドと接続するシャーシ120に電気接続して接地され、高周波信号を入出力するコンタクト104を含めた絶縁ハウジング103の内部は、外部と遮蔽される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、合成樹脂などで成形した絶縁ハウジング103のフランジ板106を挟持してネジ止めする構造であるため、熱、経年変化により、フランジ板106が変形すると、接続片108若しくはシャーシ120との間隔が緩み、シールドケース105とシャーシ120間の接続不良が発生する原因となっていた。この問題は、電気部品101が、相手方コネクタとの挿抜を繰り返す電気コネクタである場合に、特に顕著であり、挿抜の際に繰り返しフランジ板106の部分に加わる外力により、フランジ板106は、より変形しやす、雄ネジ107も緩みやすいものであった。
【0010】
また、一度、雄ネジ107とナット110間の螺合が緩むと、自ら復帰することがないので、シールドケース105とシャーシ120間の接続信頼性は失われるばかりで、雄ネジが自由に回転することにより、緩みは更に加速する。
【0011】
更に、雄ネジ105を介して間接的にシールドケースをシャーシ120へ電気接続する構造であるため、雄ネジ105との接触抵抗がグランドとの間に介在し、シールドケースが接地電位とならず、また、限られた雄ネジ105を挿通させる2箇所の部位でのみ、シールドケースを接地するだけなので、充分なシールド効果が得られない。
【0012】
本発明は、上述の課題に鑑み、雄ネジによる締め付けが緩みにくく、また、緩んでも、シールドケースとシャーシ間が確実に電気接続する電気部品のシャーシへの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0013】
また、シールドケースの多数の位置で接地し、シールド効果が向上する電気部品のシャーシへの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、側面にフランジ部が突設された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングの外周面を覆い、絶縁ハウジングに取り付けられた状態で、一体の接続片がフランジ部の表面に沿って配設されるシールドケースと、絶縁ハウジングのフランジ部と平行に配設される導電性のシャーシと、接続片とフランジ部とシャーシを貫通する導電性ネジとを備え、シャーシと接続片間に、絶縁ハウジングのフランジ部を挟持した状態で、導電性ネジを貫通させて一体に締め付け、絶縁ハウジングの外周面がシールドケースで覆われた電気部品を、シャーシへ固定するとともに、導電性ネジを介して、シールドケースとシャーシを電気接続する電気部品のシャーシへの取り付け構造において、
フランジ部の基端側でシャーシに対向する背面に、逃げ凹部を凹設し、フランジ部の逃げ凹部に弾性変形自在に収容され、自由状態で、自由端部が逃げ凹部から突出する補助接触片を、シールドケースに突設し、導電性ネジで、シャーシとフランジ部と接続片が一体に締め付けられた際に、補助接触片の自由端部がシャーシに弾性接触することを特徴とする。
【0015】
導電性ネジで、シャーシとフランジ部と接続片を一体に締め付けると、フランジ部の逃げ凹部からシャーシ側に突出する補助接触片の自由端部は、シャーシに当接し、弾性変形しながら、逃げ凹部内に収容される。
【0016】
これにより、シールドケースは、接続片と導電性ネジを介してシャーシに電気接続するとともに、補助接触片を介しても、シャーシに電気接続する。
【0017】
シャーシに弾性接触する補助接触片は、相対的にシャーシから離れる方向にフランジ部と接続片を付勢するので、これらを締め付ける導電性ネジは、緩みにくく、また、緩んでも、雄ネジと、接続片若しくはシャーシとの間は、補助接触片の弾性から生じる接触圧で接触する。
【0018】
請求項2の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、補助接触片と接続片にフランジ部が挟持され、絶縁ハウジングにシールドケースが仮保持されることを特徴とする。
【0019】
絶縁ハウジングにシールドケースが仮保持されるので、シャーシへのネジ止め作業が容易となる。
【0020】
請求項3の電気部品のシャーシへの取り付け構造は、電気部品が、高周波信号を入出力するコンタクトが絶縁ハウジングに取り付けられた電気コネクタであり、相手側コネタクとの挿抜方向に直交して、フランジ部が突設されていることを特徴とする。
【0021】
相手側コネクタとの挿抜により、フランジ部に繰り返して外力が加わり変形しても、補助接触片は、シャーシに弾性接触しているので、シールドケースとシャーシ間の電気接続が保たれる。
【0022】
また、フランジ部が変形しても、補助接触片の弾性によって、雄ネジと接続片間が密着するので、電気部品は、がたつきなくシャーシに固定される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る電気部品のシャーシへの取り付け構造を、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、電気部品であるコネクタソケット1の平面図、図2は、コネクタソケット1の正面図、図3は、シャーシ120へ取り付けたコネクタソケット1に相手側コネクタ110を接続する状態を示す横断面図、図4は、シャーシ120への取り付けを示す要部分解斜視図、図5(a)、(b)、(c)は、シールドケース2の平面図、正面図、側面図、図6(a)、(b)は、絶縁ハウジング3の平面図、横断面図である。
【0024】
これらの図に示すように、電気部品であるコネクタソケット1は、電子機器の化粧パネル121の内側に沿って配設されたシャーシ120に取り付けられ、電子機器内に配線された多芯シールドケーブル130の端末に接続されるコネクタソケットで、絶縁ハウジング3と、絶縁ハウジング3に取り付けられる複数のコンタクト5、絶縁ハウジング3の周囲を覆うシールドケース2及び補助ケース4で構成されている。
【0025】
図6に示すように、絶縁ハウジング3は、絶縁性プラスチック樹脂により、直方体状の本体3aと、本体3aの両側面から直交するように突設された一対のフランジ板8と、本体3aの後方(図中左方)に連設されたコンタクトガイド板3cとが一体に成形されている。
【0026】
絶縁ハウジング3の本体3aには、正面(図6において右方)から後方に向かって、相手側コネクタであるコネクタプラグ110の筒状アース金具112を挿入する挿入凹部6が凹設されている。挿入凹部6は、筒状アース金具112と嵌合するように、横長角筒状に形成されている。
【0027】
挿入凹部6の中央には、本体3aから前方に突設された接続プレート3bが臨んでいる。接続プレート3bは、多芯ケーブル130の各信号線131に対応する数(ここでは、4本)のコンタクト5を整列させて挿入凹部6内に臨ませるもので、コンタクト5の接触部5aを位置決めして取り付ける4本の凹溝が前後方向に形成されている。
【0028】
コンタクトガイド板3cの内面には、コンタクト5の脚部5bを位置決めする4本の凹溝が、挿入凹部6内の凹溝より広いピッチで形成されている。
【0029】
コンタクト5は、隣青銅などの導電性金属板を帯状に打ち抜いた後、図3に示すように、折り曲げ形成され、接触部5aの一部は湾曲形成され、挿入凹部6に挿入されるプラグコネクタ110の信号端子111と個々に接触するようになっている。
【0030】
コンタクト5の脚部5bには、多芯ケーブル130の皮むきされた各信号線131を半田接続するもので、各脚部5bの半田付け部相互が接触しないように、広いピッチで形成した後方の溝内に位置決めされる。
【0031】
シールドケース2は、平面と後面(背面)を除く絶縁ハウジング3の周囲を覆うもので、導電性金属板を打ち抜き、図5に示す樋状に折り曲げ加工されたものである。
【0032】
補助ケース4は、シールドケース2と同じ導電性金属板を打ち抜いた後、絶縁ハウジング3の平面と、多芯シールドケーブル130を挿通させる部位を除いた後面を覆うようにL字状に折り曲げて形成される。補助ケース4は、シールドケース2との境界部において、その周辺をシールドケース2の上方に折重ねることにより、シールドケース2に一体化され、これにより、絶縁ハウジング3のほぼ周囲全体がシールドケース2と補助ケース4で覆われる。
【0033】
シールドケース2の絶縁ハウジング3の前面(正面)を覆う前面枠部2aには、挿入凹部6の開口縁の輪郭に沿ったアース金具挿入孔10が、その左右の内周面に切り起こされる一対の舌片7を残して、打ち抜き形成されている。
【0034】
舌片7は、図5(a)に示すように、挿入凹部6の開口縁からその内側面に沿って折り曲げられ、プラグコネクタ110の筒状アース金具112は、この舌片7に当接し、内方に弾性変形しながら挿入凹部6内に挿入される。
【0035】
前面枠部2aと直交し後方に連続する本体被覆部2bは、絶縁ハウジング3の左右の側面と底面を覆うもので、このうち左右の側面を覆う本体被覆部2bの中間には、それぞれ、絶縁ハウジング3のフランジ板8、8を挟持する接続片12と補助接触片13が突設されている。すなわち、絶縁ハウジング3の底面側を樋状のシールドケース2内に収容すると、その両側に突出するフランジ板8、8を、接続片12と補助接触片13が挟持し、シールドケース2内に絶縁ハウジング3が仮保持される。両者が仮保持されることにより、後述するシャーシ120へのネジ止め作業は、一方のシールドケース2のみを持って行うことができ、作業が容易となる。
【0036】
一対のフランジ板8のシャーシ120に対向する背面であって、その基端側は、図6に示すように肉薄とされ、逃げ凹部15が形成されている。本体被覆部2bから突設された補助接触片13は、図4に示すように、その基端が逃げ凹部15の内壁面に当接した後、やや後方に傾斜するように折り曲げられるもので、上述のように、絶縁ハウジング3をシールドケース2内に収容した状態では、補助接触片13の基端と接続片12の間で、フランジ板8を挟持するものとなる。また、この状態で、補助接触片13の自由端部13aは、逃げ凹部15より突出し、フランジ板8の背面より後方側に突き出る。
【0037】
接続片12は、フランジ板8の前面に積層配置されるもので、フランジ板8と同一の輪郭形状に打ち抜き形成されている。
【0038】
両面が、接続片12と補助接触片13で挟持されたフランジ板8は、図3に示すように、グランドに接地されたシャーシ120の前面に沿って平行に取り付けられるもので、接続片12とともに貫通させた導電性の雄ネジ20を、シャーシ120の背面側に突出させ、背面側のナット18との間で締め付けて、シャーシ120にネジ止めされる。この為、フランジ板8、接続片12とシャーシ120には、それぞれ、導電性雄ネジ20を貫通させる貫通孔14、16、17が穿設されている。
【0039】
コネクタソケット1をシャーシ120へネジ止めする際に、フランジ板8の背面より突き出た自由端部13aは、シャーシ120に当接し、前方に向かって逃げ凹部15内に弾性変形するが、フランジ板8と干渉せずに自由に弾性変形するように、逃げ凹部15の深さと大きさが定められている。また、補助接触片13の長さも、弾性変形する際に、先端が貫通孔14に貫通する雄ネジ20に達しない長さとされている。
【0040】
フランジ板8と接続片12をシャーシ120へネジ止めすることにより、絶縁ハウジング3の周囲にシールドケース2が固定され、また、コネクタソケット1全体がシャーシ120に固定される。
【0041】
また、接続片12が導電性の雄ネジ20を介してシャーシ120に電気接続するとともに、補助接触片13が、自らの弾性でシャーシ120の前面に弾性接触し、それぞれ電気接続する。
【0042】
図5に示すように、シールドケース2には、更に本体被覆部2bの後方に、多芯シールドケーブル130のアース編組線132に電気接続するクランプ金具2cが一体に連設されている。クランプ金具2cは、断面U字状に形成され、多芯シールドケーブル130の端末で皮むきされた後、外皮上に折り返されたアース編組線132をU字状内に収容して、その周囲を覆うように加締められる。
【0043】
クランプ金具2cが加締められることによって、コネクタソケット1の後方に多芯シールドケーブル130の端末が機械的に固着されるとともに、その内方の信号線131及びコンタクト5を包囲しながら、シールドケース2とアース編組線132が電気接続する。
【0044】
シャーシ120にコネクタソケット1が固定された後、雄ネジ20を含むシャーシ120の前方は、図1に示すように、シールドケース2の前面枠部2aを除き、電子機器の化粧パネル121で覆われる。
【0045】
従って、化粧パネル121には、挿入凹部6とアース金具挿入孔10が前方に臨むものとなり、図3に示すように、この挿入凹部6に、前方から相手方コネクタであるプラグコネクタ110の筒状アース金具112を挿入して接続する。このとき、筒状アース金具112の先端は、挿入凹部6の開口縁で曲げられた舌片7に、所定の弾力で弾性接触する。
【0046】
同時に、筒状アース金具112は、舌片7を介して、シールドケース2に電気接続し、シールドケース2は、接続片12と補助接触片13を介して接地されたシャーシ120に電気接続し、更に、その後方で多芯シールドケーブル130のアース編組線132に電気接続するので、相互に接続する多芯シールドケーブル130の信号線131、コンタクト5及びプラグコネクタ110の信号端子111の全体がシールドされる。
【0047】
この実施の形態によれば、シールドケース2は、1対の接続片12、12及び一対の補助接触片13、13の4カ所の部位でシャーシ120に電気接続し接地されるので、シールドケース2の長い距離を電流が流れることがなく、より確実にシールドすることができる。
【0048】
また、相手側コネクタ110との挿抜を繰り返し、雄ネジ20による締め付けが緩んでも、補助接触片13がシャーシ120に弾性接触するので、シールドケース2とシャーシ120との電気接続が損なわれることがない。
【0049】
更に、補助接触片13がシャーシ120に弾性接触することにより、接続片12は、雄ネジ20に当接する前方に付勢され、雄ネジ20は、螺合するナット18をシャーシ120の背面側に当接するように付勢するので、雄ネジ20とナット18との螺合が緩んでも、雄ネジ20を介して接続片12とシャーシ120間の電気接続が維持されるとともに、雄ネジ20が遊び自由に回転することがないので、緩む方向への回転は加速されない。
【0050】
上述の実施の形態において、シールドケース2は、補助ケース4とともに、絶縁ハウジング3の周囲を覆うものであったが、必ずしも、絶縁ハウジング3の周囲全体を覆うものである必要はなく、また、補助ケース4と一体として絶縁ハウジング3を覆うものであってもよい。
【0051】
また、シャーシ120に雄ネジ20と螺合する雌ネジを刻設し、雄ネジ20と螺合する構成とする場合には、必ずしもナット18を設ける必要はない。
【0052】
更に、電気部品は、多芯シールドケーブル130の端末に接続するコネクタソケットや、絶縁ハウジング3内にコンタクト5を内蔵する電気コネクタに限らず、絶縁ハウジング内をシールドするために、シールドケースがその周囲に取り付けられる電気部品であれば、種々の回路部品、機構部品等に適用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、雄ネジによる締め付けが緩みにくく、また、緩んでも、シールドケースとシャーシ間が補助接触片により電気接続するので、シールドケースは確実に接地され、シールド効果が損なわれることがない。
【0054】
また、接続片の他に、補助接触片によっても、シャーシに電気接続するので、シールドケースを多数の位置で接地させ、シールド効果が向上する。
【0055】
更に、補助接触片は、フランジ部に形成された逃げ凹部内で弾性変形するので、他と接触しないその変形スペースを、電気部品の周囲に確保する必要がない。
【0056】
更に、補助接触片がシャーシに弾性接触することにより、フランジ部と接続片をシャーシから離れる方向に付勢するので、これらを締め付ける導電性ネジは、緩みにくく、また、緩んでも、雄ネジと、接続片若しくはシャーシとの間は、補助接触片の弾性から生じる接触圧で接触する。
【0057】
これに加えて、請求項2の発明によれば、シャーシへの取り付け前に、シールドケースと絶縁ハウジングを仮保持できるので、雄ネジによるネジ止め作業の際に、一方のみを持って作業することができ、作業性が向上する。
【0058】
これに加えて、請求項3の発明は、相手側コネクタとの挿抜により、フランジ部に外力が加わり変形しても、補助接触片の弾性によって、雄ネジと接続片間が密着するので、電気部品は、がたつきなくシャーシに固定され、相手側コネクタを確実に挿抜できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気部品1のシャーシ120への取り付け構造を示す平面図である。
【図2】コネクタソケット1の正面図である。
【図3】シャーシ120へ取り付けたコネクタソケット1に相手側コネクタ110を接続する状態を示す横断面図である。
【図4】電気部品1のシャーシ120への取り付けを示す要部分解斜視図である。
【図5】シールドケース2を示し、
(a)は、平面図、
(b)は、正面図、
(c)は、側面図である。
【図6】絶縁ハウジング3を示し、
(a)は、平面図、
(b)は、横断面図である。
【図7】従来の電気部品101のシャーシ120への取り付け構造100を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コネクタソケット(電気部品)
2 シールドケース
3 絶縁ハウジング
5 コンタクト
8 フランジ部(フランジ板)
12 接続片
13 補助接触片
13a 自由端部
15 逃げ凹部
20 雄ネジ(導電性ネジ)
110 相手方コネクタ
120 シャーシ
Claims (3)
- 側面にフランジ部(8)が突設された絶縁ハウジング(3)と、
絶縁ハウジング(3)の外周面を覆い、絶縁ハウジング(3)に取り付けられた状態で、一体の接続片(12)がフランジ部(8)の表面に沿って配設されるシールドケース(2)と、
絶縁ハウジング(3)のフランジ部(8)と平行に配設される導電性のシャーシ(120)と、
接続片(12)とフランジ部(8)とシャーシ(120)を貫通する導電性ネジ(20)とを備え、
シャーシ(120)と接続片(12)間に、絶縁ハウジング(3)のフランジ部(8)を挟持した状態で、導電性ネジ(20)を貫通させて一体に締め付け、
絶縁ハウジング(3)の外周面がシールドケース(2)で覆われた電気部品(1)を、シャーシ(120)へ固定するとともに、導電性ネジ(20)を介して、シールドケース(2)とシャーシ(120)を電気接続する電気部品のシャーシへの取り付け構造において、
フランジ部(8)の基端側でシャーシ(120)に対向する背面に、逃げ凹部(15)を凹設し、
フランジ部(8)の逃げ凹部(15)に弾性変形自在に収容され、自由状態で、自由端部(13a)が逃げ凹部(15)から突出する補助接触片(13)を、シールドケース(2)に突設し、
導電性ネジ(20)で、シャーシ(120)とフランジ部(8)と接続片(12)が一体に締め付けられた際に、補助接触片(13)の自由端部(13a)がシャーシ(120)に弾性接触することを特徴とする電気部品のシャーシへの取り付け構造。 - 補助接触片(13)と接続片(12)にフランジ部(8)が挟持され、絶縁ハウジング(3)にシールドケース(2)が仮保持されることを特徴とする請求項1記載の電気部品のシャーシへの取り付け構造。
- 電気部品(1)は、高周波信号を入出力するコンタクト(5)が絶縁ハウジング(3)に取り付けられた電気コネクタであり、相手側コネタク(110)との挿抜方向に直交して、フランジ部(8)が突設されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の電気部品のシャーシへの取り付け構造。
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