JP3723031B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式を用いる複写機、レーザビームプリンタ、およびファクシミリ装置等の画像形成装置に備えられ、画像データに階調性を付与するための中間調処理を行う画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば画像形成装置としてのデジタル電子写真装置では、スキャナにて読み込んだ原稿画像に良好な階調性を付与するための中間調処理を行っている。この中間調処理では、例えば特開平6−178112号に開示されているように、通常、ディザ処理とパルス幅変調を用いて画像データの中間調に階調性を持たせている。この処理は図33に示す構成により行われている。以下、この処理について、2ドット×2ドットのディザマトリクス構成の場合を例として説明する。なお、ここでは1色のみの処理について示すが、カラーの電子写真装置の場合には、各色の多値画像データについて同様の処理が平行して行なわれる。
【0003】
上記中間調処理を行う構成は、図33に示すように、中間調γ補正処理部501、中間調γ補正テーブル502、ディザ処理展開処理部503、ROMテーブル504およびCPU505を備えている。また、ディザ処理展開処理部503を経た画像データは、PWM−ICを備えるパルス幅変調部506にて各々の階調に応じた幅のパルスに変調され、レーザドライバICを備えるレーザドライバ507およびレーザダイオード508により、レーザ光として出射される。
【0004】
2ドット×2ドットのディザマトリクスは、図4に示すように、画像メモリ上に展開される。なお、ここでは、各矩形領域A〜Dをそれぞれ1ドットの領域とし、これら4個のドット領域A〜Dの集合が1画素に相当する。また、同図に示す画像データについては、レーザ主走査方向(図面左端から右端方向)の各行に並ぶドット領域が走査され、即ちドット領域A、B、A、B、……の行の次にドット領域C、D、C、D……の行が走査され、これら各ドット領域に書き込まれたドットデータに基づいてレーザダイオード508の駆動が制御され、画像形成が行われる。
【0005】
例えば、スキャナにて読み込まれ、多値データ、即ち0〜255などのコードで表現された画像データは、目的とする中間調γ特性カーブとなるように、中間調γ補正処理部501において、中間調γ補正テーブル502を用いてコード(0〜255)に対応した出力デ一夕に変換される。
【0006】
この場合、後段のディザ処理展開処理部503が、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクス(以下、2×2のディザマトリクスと称する)の各ドット領域に対してそれぞれ0〜255の階調データを書き込む。このとき、1ドット領域あたり8bit構成であるならば、上記出力データは1020階調のデータをもつことになる。
【0007】
次に、中間調γ補正処理部501にて補正された画像データは、ディザ処理展開処理部503により、上記ディザマトリクスの各ドット領域に、レーザダイオード508の駆動用パルスの幅(デューティ値)を示すドットデータとして展開される。また、ディザ処理展開処理部503は、各ディザマトリクスに対して、図34に示すように、ドット領域A(1ドット目)→ドット領域B(2ドット目)→ドット領域C(3ドット目)→ドット領域D(4ドット目)の順序で上記ドットデータを書き込む。
【0008】
即ち、中間調γ補正処理部501から出力された画像データの階調数が1020であり、その画像データの所定の1画素の濃度が0〜255のとき、ドットデータは、その画素に対応するディザマトリクスのドット領域Aのみに書き込まれ、ドット領域B〜Dには書き込まれない。このとき、ドットデータは、ドット領域Aにその濃度データに対応するデューティ値にて書き込まれる。
【0009】
また、1画素の濃度が256〜510のとき、ドットデータは、ドット領域Aとドット領域Bに書き込まれ、ドット領域Cとドット領域Dには書き込まれない。このとき、ドットデータは、ドット領域Aにデューティ値(デューティ比)255/255にて書き込まれ、即ちドット領域Aの全領域を埋める状態で書き込まれ、ドット領域Bに上記濃度から255を引いた分のデューティ値にて書き込まれる。
【0010】
また、1画素の濃度が511〜765のとき、ドットデータは、ドット領域A〜Cに書き込まれ、ドット領域Dには書き込まれない。このとき、ドットデータは、ドット領域A、Bにデューティ値255/255にて書き込まれ、ドット領域Cに上記濃度から255を引いた分のデューティ値にて書き込まれる。
【0011】
同様に、1画素の濃度が766〜1020のとき、ドットデータは、ドット領域A〜Dの全てに書き込まれる。このとき、ドットデータは、ドット領域A〜Cにデューティ値255/255にて書き込まれ、ドット領域Dに上記濃度から255を引いた分のデューティ値にて書き込まれる。
【0012】
上記のようにして、各ドット領域にドットデータが書き込まれていく様子を示すと、図35に示すものとなる。このように、ディザ処理展開された各ドット領域のドットデータは適宜0〜255の値を持ち、画像全体がこのディザマトリクスで連続して構成されたものとなる。即ち、ここまでの処理により、画像全体の多値画像データに対して各1ドット領域ごとにディザ処理されたデューティ値が割り振られたことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の図34に示したように、単に、ドット領域A→B→C→Dの順序でドットデータを書き込む処理を行った場合には、図36に示すように、中間調γ特性の特定の部分において直線性に乱れ(濃度ギャップY、Z)を生じることになる。即ち、図36および図37に示すように、上記濃度ギャップY、Zの部分では濃度の急激な変化が生じるとともに、濃度ギャップY−Z間は濃度が変化しない領域となっている。この結果、画像データに良好な階調を付与することができないという問題点を有している。
【0014】
上記の問題点のうち、濃度ギャップYが生じる点、および濃度ギャップY−Z間で濃度が変化しない点は、次の理由によるものと考えられる。
【0015】
即ち、パルス幅変調部506のPWM−ICによってパルス幅変調された電気信号パルスは、レーザドライバ507のレーザドライバICに入力され、そのパルス幅の時間だけレーザダイオード508を点灯させ、感光体を露光する。このとき、レーザドライバICの出力特性およびレーザダイオード508の発光特性により、レーザドライバICに入力されたパルス幅変調信号のパルス幅(パルスがONの時間)とレーザドライバICの出力パルス幅(パルスがONの時間)およびレーザダイオード508の点灯時間との関係がリニアとはならない。特にレーザによる主走査方向において、パルス幅がある幅以上となったとき、例えばレーザダイオード508の全点灯に近い状態になったとき、隣り合うパルス間においてパルス間のギャップ(レーザダイオード508の非点灯期間)がなくなり、連続したパルスになってしまう。この結果、濃度ギャップYが生じ、また濃度ギャップY−Z間で濃度が変化しなくなる。
【0016】
また、濃度ギャップZが生じる点は、次の理由によるものと考えられる。
即ち、パルス幅変調部506やレーザドライバ507において、パルス幅変調部506のPWM−ICやレーザドライバ507のレーザドライバIC(主にパルス幅変調部506のPWM−IC)の特性により、レーザの出力パルス幅が入力コードに対して不連続になる。これにより、図34に示すディザマトリクスの1ドット目(ドット領域A)と3ドット目(ドット領域C)のドットデータに基づくドットの書き出し部において、本来の画像の濃度と電子写真の出力画像の濃度とに差が出てしまうことになる。
【0017】
具体的には、ディザマトリクスの各1ドット領域毎に、パルス幅変調部506への入力コード(ドットデータ)としてデューティ値(0〜255)が設定され、その後、このデューティ値は、パルス幅変調部506のPWM−ICにより、各ドット領域毎に実際の電気信号として所定幅のパルスに変換されていく。この場合、図38に示すように、PWM−ICの入力コードに対する出力特性、即ち入力コードに対して出力するパルス幅は、必ずしもリニアなものではない。特に入力コードが0に近いとき、即ちパルス幅が0に近いとき、PWM−ICはパルス信号を出力しないのが普通であり、ある程度入力コードが大きくなってから始めてパルス信号を出力する。即ち、そのドット領域のドットデータが示す濃度が低いほど、PWM−ICは立ち上がりが遅れる傾向にある。
【0018】
このように、濃度ギャップZが生じるのは、PWM−ICの立ち上がりが遅れるために起こるパルス幅の不連続性によるものと考えられる。
【0019】
一方、上記のような問題を解消するために、ディザ展開された各1ドット領域毎に、そのデューティ値でレーザをパルス幅変調して出力する目的で、PWM−ICやレーザドライバICの特性を補正するLSUγ補正テーブルを設けることも従来行われている。しかしながら、このような手法では、ハード構成上、ディザマトリクスを構成する各ドット領域の全てに対して同じ補正しか行うことができない。このため、全ドット領域が一様に処理されてしまうことになり、2×2のようなディザマトリクス構成においては、良好な階調性を得るための十分な補正を期待することができない。
【0020】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものあり、中間調における階調特性を改善し、画像全体の中間調濃度を安定させることにより、入力画像に良好な階調を付与することができる画像処理装置の提供を目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定するものであることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定するので、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0023】
即ち、例えば、本画像処理装置を備えたデジタル複写機等の画像形成装置では、ディザマトリクスのドット領域に書き込まれたドットデータに基づき、PWM−ICがパルス幅変調を行う。さらに、これにより生成されたパルスに基づき、レーザドライバICが、そのパルスの幅に応じてレーザダイオードを点灯させ、感光体が露光される。
【0024】
この動作において、ドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域が設定されていれば、そのドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。これにより、中間調の階調特性は濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)が抑制されたものとなる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0025】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するものであることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するので、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0027】
即ち、例えば、本画像処理装置を備えたデジタル複写機等の画像形成装置では、ディザマトリクスのドット領域に書き込まれたドットデータに基づき、PWM−ICがパルス幅変調を行う。さらに、これにより生成されたパルスに基づき、レーザドライバICが、そのパルスの幅に応じてレーザダイオードを点灯させ、感光体が露光される。
【0028】
この動作において、例えば前記PWM−ICは、その立ち上がり特性において、ON信号を受けたときに直ぐに立ち上がらず、立ち上がりに遅れを生じる。そこで、ドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定すれば、このオフセット領域に書き込まれたドットデータによってPWM−ICを立ち上がらせ、その後、ディザマトリクスに与えられた本来の階調データ、即ちドットデータに基づいてPWM−ICを駆動することができる。これにより、例えばPWM−ICの立ち上がりの遅れにより中間調の階調特性に生じる濃度ギャップを抑制することができる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0029】
また、本発明の画像処理装置は、データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの、少なくとも一つのドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域を設定するとともに、少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するものであることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定するとともに、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するので、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0031】
即ち、ドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域が設定されていれば、そのドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。
【0032】
また、ドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域が設定されていれば、このオフセット領域に書き込まれたドットデータによって例えばPWM−ICを立ち上がらせ、その後、ディザマトリクスに与えられた本来の階調データ、即ちドットデータに基づいてPWM−ICを駆動することができる。
【0033】
これにより、中間調の階調特性は、ディザマトリクスのドットデータに基づいて生成された隣合うパルス同士がつながってしまうことにより生じる濃度ギャップと、PWM−ICの立ち上がりの遅れにより生じる濃度ギャップとが抑制されたものとなる。この結果、中間調の階調特性は直線性が良好なものとなり、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0034】
上記の画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおける主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に前記不使用領域を設ける構成としてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、不使用領域が、mドット領域×nドット領域からなるディザマトリクスの主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に設けられるので、中間調の階調特性における濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)をさらに抑制することができ、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0036】
即ち、不使用領域が設けられる、ディザマトリクスの主走査方向の最下流側のドット領域の終端部、即ち終端ドット領域の終端部は、この部分のドットデータに基づいて感光体上にドットが形成され、この部分に濃度ギャップが生じていた場合、その濃度ギャップが十分に視認される部分である。したがって、上記部分に、不使用領域を設けることにより、濃度ギャップを適切に抑制し、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0037】
ここで、例えば、ディザマトリクスが2ドット領域×2ドット領域からなり、1ドット領域当たり8ビット(256階調)とした場合、第1行目のドット領域行における終端ドット領域の終端部の不使用領域は、1/256〜256/256の範囲とする。
【0038】
なお、ディザマトリクスの主走査方向は、レーザ走査における主走査方向(感光体上でのレーザ主走査方向に対応するディザマトリクス上での方向)である。また、ディザマトリクスの主走査方向の最下流側のドット領域とは、上記主走査方向に並ぶドット領域行の最後部(終端部)のドット領域である。
【0039】
上記の画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおける主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に前記オフセット領域を設定する構成としてもよい。
【0040】
上記の構成によれば、オフセット領域が、ディザマトリクスにおける主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に設けられるので、中間調の階調特性における濃度ギャップをさらに抑制することができ、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0041】
即ち、オフセット領域が設けられる、ディザマトリクスの副走査方向の第1行目を除く、主走査方向の始端ドット領域の始端部は、この部分のドットデータに基づいて感光体上にドットが形成され、この部分に濃度ギャップが生じていた場合、その濃度ギャップが十分に視認される部分である。したがって、上記部分にオフセット領域を設けることにより、濃度ギャップを適切に抑制し、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0042】
ここで、例えば、ディザマトリクスが2ドット領域×2ドット領域からなり、1ドット領域当たり8ビット(256階調)とした場合、第2行目のドット領域行における始端ドット領域の始端部のオフセット領域は、階調特性において例えばPWM−ICの立ち上がり遅れの影響を排除してリニアな特性が128/256以上で得られるならば、1/256〜128/256の範囲とする。
【0043】
なお、ディザマトリクスの副走査方向とは、言い換えれば、レーザ走査における副走査方向(感光体上でのレーザ主走査方向に対応するディザマトリクス上での方向に直行する方向)である。また、ディザマトリクスの主走査方向の最上流側のドット領域とは、上記主走査方向に並ぶドット領域行の最前部のドット領域である。
【0044】
上記の画像処理装置において、前記の多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスの各ドット領域に対するドットデータの書き込みを、主走査方向に各ドット領域が並ぶドット領域行内においては主走査方向に並ぶドット領域の順序で行い、順次、副走査方向に各ドット領域行に対して行うとともに、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大する構成としてもよい。
【0045】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大する。上記の不使用領域の拡大処理は、例えば、不使用領域を設定した終端ドット領域から、その次行の始端ドット領域へドットデータの書き込み処理を移行する際に行われる。
【0046】
したがって、終端ドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、この終端ドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとがつながってしまう事態ををさらに確実に防止することができる。これにより、上記パルス同士のつながりに起因する中間調の階調特性における濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)をさらに確実に抑制することができる。この結果、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0047】
ここで、前述のように、例えば、ディザマトリクスが2ドット領域×2ドット領域からなり、1ドット領域当たり8ビット(256階調)とした場合、第1行目のドット領域行における終端ドット領域の終端部の不使用領域は、1/256〜256/256の範囲に設定される。そして、不使用領域が例えば64/256に設定されている場合、不使用領域は、65/256〜256/256の範囲に拡大される。
【0048】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の隣接する数が少なくなる順序とするものであることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の隣接する数が少なくなる順序とするので、画像に良好な階調性を付与することができる。
【0050】
即ち、感光体を露光する際、レーザビームは、感光体上のドット領域を適切に露光するために、ドット領域よりも大きい径で、感光体に照射される。このようなレーザビームを使用した場合、一つのドット領域(第1のドット領域とする)を露光したときには、この第1のドット領域に隣接する第2のドット領域の一部も、レーザビームにおける第1のドット領域からのはみ出し部により同時に露光される。したがって、第2のドット領域を露光したとき、第2のドット領域の一部は重複して露光されることになり、中間調の階調特性に濃度ギャップが生じる。一方、レーザビームの上記はみ出し部は、それ自体はエネルギーが小さく、このはみ出し部のみによりドット領域が露光された場合には、階調特性に影響を受けない。
【0051】
したがって、本発明の上記の構成では、重複して露光される感光体上のドット領域が少なくなるので、良好な階調特性を得ることができる。
【0052】
上記の画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の、レーザ走査の場合の副走査方向において隣接する数が少なくなる順序とする構成であってもよい。
【0053】
感光体を露光するレーザビームは、前述のように、感光体上のドット領域よりも大きい径に設定されており、さらにレーザ走査の場合の副走査方向に長径となった楕円形を有している。したがって、感光体上においてレーザビームによる重複露光の影響は、ドットデータ書き込み済のドット領域同士が主走査方向において隣接する場合よりも、副走査方向において隣接する場合の方がより顕著となる。
【0054】
したがって、上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の、レーザ走査の場合の副走査方向において隣接する数が少なくなる順序とするので、感光体でのレーザビームの重複露光による影響をさらに低減し、さらに良好な階調特性を得ることができる。
【0055】
なお、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の、レーザ走査の場合の副走査方向において隣接する数を少なくする方法の一つは、ディザマトリクスの主走査方向にドット領域が並ぶ各行でのドット領域へのドットデータの書き込み順序を、副走査方向に隣接する各行同士で異ならせることである。
【0056】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、2ドット領域×2ドット領域からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、対角線を描く順序とすることを特徴としている。
【0057】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、対角線を描く順序とするので、ディザマトリクスにおいて、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の隣接する数を少なくすることができる。この結果、感光体でのレーザビームの重複露光による影響、即ち中間調の階調特性における濃度ギャップを低減し、良好な階調特性を得ることができる。
【0058】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側または最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する複数行のドット領域から、ドットデータを順次振り分けて主走査方向へ書き込んでいくことを特徴としている。
【0059】
上記のドットデータを順次振り分けて書き込む処理は、例えば、上記の複数行のドット領域から、同時もしくは交互に主走査方向へドットデータを書き込んでいくことにより行われる。
【0060】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側または最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する複数行のドット領域から、ドットデータを順次振り分けて主走査方向へ書き込んでいく。したがって、ディザマトリクスの主走査方向にドット領域が並ぶ1行内において、ドットデータが書き込まれたドット領域の数を減らすことができる。また、ドットデータに基づいて生成された、主走査方向に隣合うレーザ駆動用のパルス同士がつながってしまう事態も抑制することができる。
【0061】
ここで、上記ドットデータに基づいてパルス幅変調を行うPWM−ICは、各ドット領域毎にON/OFF駆動される。これにより、上記ドットデータに基づいて例えばPWM−ICを駆動する場合に、主走査方向にドット領域が並ぶ1行において、PWM−ICをONする回数が少なくなる。
【0062】
例えば、2ドット領域×2ドット領域(1行の主走査方向に第1ドット領域、第2ドット領域が設定され、次の1行に第3ドット領域、第4ドット領域が設定されている)のディザマトリクスにおいて、第1ドット領域と第2ドット領域に書き込まれるドットデータがある場合、上記多値ディザ処理手段は、このドットデータを例えば第1ドット領域と第2ドット領域とに対し、同時もしくは交互に書き込んでいく。この場合、各行においてドットデータが書き込まれるドット領域は1個となる。したがって、各行のドットデータに基づいてPWM−ICがONする回数を少なくすることができる。
【0063】
また、上記のようにドットデータを振り分けることにより、ディザマトリクス全体としては、PWM−ICを濃度の低い部分で起動することになる。
【0064】
したがって、PWM−ICの立ち上がり遅れ、特に、副走査方向での第2行目以降の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れにより、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップの影響を抑制することができ、良好な階調特性を得ることができる。
【0065】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて主走査方向への書き込みを開始した後、その後のドットデータの書き込み順序を、第1のドット領域行に対しては書き込みを継続する一方、第2のドット領域行に対しては書き込みを停止するとともに、第1のドット領域行に対しての書き込みが終了した後、第2のドット領域行に対して、先に書き込みを終えた部分に続いて書き込みを行うものとすることを特徴としている。
【0066】
上記の各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて書き込む処理は、例えば、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、同時もしくは交互にドットデータを書き込むことにより可能となる。
【0067】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて主走査方向への書き込みを開始する。その後、ドットデータの書き込みを、第1のドット領域行に対しては継続する一方、第2のドット領域行に対しては停止する。この場合、停止のタイミングは、第1および第2のドット領域行における第1番目のドット領域に対するドット領域の書き込みが完了する前である。そして、ドットデータの書き込みを、第1のドット領域行に対して終了した後、第2のドット領域行に対して、先に書き込みを終えた部分に続いて行う。
【0068】
上記のように、ドットデータが先ず第1および第2のドット領域行の始端部に振り分けて書き込まれることにより、ディザマトリクス全体としては、PWM−ICが濃度の低い部分で起動されることになる。したがって、PWM−ICの立ち上がり遅れ、特に、第2のドット領域行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れにより、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップの影響を抑制することができる。
【0069】
また、上記のように第1および第2のドット領域行の始端部に振り分けて書き込まれるドットデータは、濃度値が十分小さい範囲のものであり、それ以外のドットデータについては、ドット領域への書き込みを、通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。したがって、良好な階調特性を得ることができる。
【0070】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、ドットデータを順次振り分けて書き込むことを特徴としている。
【0071】
上記のドットデータを順次振り分けて書き込む処理は、例えば、上記終端側部分と上記始端側部分とに対して、同時にもしくは交互にドットデータを書き込むことが可能となる。
【0072】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、ドットデータを順次振り分けて書き込む。この場合、第1の行の最下流側のドット領域の終端側部分までは、この第1の行についてのみ、主走査方向にドットデータが順次書き込まれる。
【0073】
上記のように、ドットデータが、第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制することができる。
【0074】
また、第1の行の上記終端側部分および第2の行の上記始端側部分以外のドットデータについては、ドット領域への書き込みを、通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。したがって、良好な階調特性を得ることができる。
【0075】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行に対するドットデータの書き込み中に、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側からのドットデータの書き込みを開始し、ドットデータを順次振り分けて書き込むことを特徴としている。
【0076】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行に対するドットデータの書き込み中に、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側からのドットデータの書き込みを開始する。このときの第2の行に対するドットデータの書き込みは、通常であれば第1の行に書き込まれるドットデータの一部を第2の行に順次振り分けることにより行われる。
【0077】
その後、多値ディザ処理手段は、例えば以下の順序でドットデータの書き込みを行う。即ち、第1の行に対するドットデータの書き込みが終了すると、第2の行の先にドットデータが書き込まれている部分に続いて、ドットデータの書き込みを行う。
【0078】
上記のように、ドットデータが、第1の行と第2の行における主走査方向の上流側とに振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制し、良好な階調特性を得ることができる。
【0079】
また、本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に対してドットデータを書き込んでいる期間のみ、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側のドット領域にドットデータを順次振り分けて書き込むことを特徴としている。
【0080】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に対してドットデータを書き込んでいる期間のみ、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側のドット領域にドットデータを順次振り分けて書き込む。このときの第2の行に対するドットデータの書き込みは、通常であれば第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に書き込まれるドットデータの一部を第2の行に順次振り分けることにより行われる。
【0081】
その後、多値ディザ処理手段は、例えば以下の順序でドットデータの書き込みを行う。即ち、第1の行に対するドットデータの書き込みが終了すると、第2の行の先にドットデータが書き込まれている部分に続いて、ドットデータの書き込みを行う。
【0082】
上記のように、通常、第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に書き込まれるドットデータが、第1の行と第2の行における主走査方向の最上流側のドット領域上流側に振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制し、良好な階調特性を得ることができる。
【0083】
上記の画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスの主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定する構成としてもよ。なお、ここでの不使用領域の設定範囲も、例えば前述の不使用領域の範囲を採用することができる。
【0084】
上記の構成によれば、不使用領域が設定されたドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。これにより、中間調の階調特性は、例えばPWM−ICの立ち上がりの遅れに起因するの濃度ギャップに加えて、隣り合うパルス同士のつながりに起因する濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)も抑制され、直線性の良好なものとなる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0085】
上記の画像処理装置は、文字画像に適した画像処理を行うための文字モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により文字モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0086】
また、上記の画像処理装置は、写真画像に適した画像処理を行うための写真モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により写真モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0087】
上記の各画像処理装置は、何れも良好な中間調の階調特性を得ることができるものの、中間調γ特性の違いにより、相対的に文字モードに適するものと写真モードに適するものとが存在する。即ち、相対的に中間調γ特性の立っているものが文字モードに適し、中間調γ特性の寝ているものが写真モードに適する。したがって、選択されたモードに対して相対的に適合する構成を選択すれば、さらに良好な画像を得ることができる。
【0088】
上記の画像処理装置は、入力画像データから文字領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された文字領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0089】
また、上記の画像処理装置は、入力画像データから写真領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された写真領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0090】
上記の各画像処理装置は、何れも良好な中間調の階調特性を得ることができるものの、中間調γ特性の違いにより、相対的に文字領域の処理に適するものと写真領域の処理に適するものとが存在する。即ち、相対的に中間調γ特性の立っているものが文字領域の処理に適し、中間調γ特性の寝ているものが写真領域の処理に適する。したがって、領域分離手段にて分離された領域の種類に応じて、相対的に適合する構成を選択すれば、さらに良好な画像を得ることができる。
【0091】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態を図1ないし図7に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像処理装置は、図2に示す画像形成装置であるデジタルカラー複写機に備えられている。このデジタルカラー複写機は、上面に原稿台111を備え、内部に画像読み取り部110および画像形成部210を備えている。
【0092】
原稿台111の上面には、この原稿台111に対して開閉可能な状態で、両面自動原稿送り装置(RADF:Reversing Automatic Document Feeder )112が装着されている。
【0093】
画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。この画像読み取り部110は原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する第1および第2走査ユニット113、114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0094】
第1走査ユニット113は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に反射する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2走査ユニット114は、第1走査ユニット113の第1ミラーを経た原稿からの反射光像をさらに所定の方向に反射する第2および第3ミラーを有し、第1走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0095】
光学レンズ115は、第2走査ユニット114から入射した原稿からの反射光像を縮小し、その光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0096】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換し、電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、後述する画像データ入力部12を介して画像処理部13に入力され、所定の画像処理が施される。
【0097】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に関わる各部の構成について説明する。
【0098】
画像形成部210の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。ここから1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。画像形成部210にて片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210に、そこでの画像形成にタイミングを合わせて再供給搬送される。
【0099】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。この転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の下側に近接して、パターン画像検出ユニット232が設けられている。
【0100】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0101】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、排紙トレイ220上に用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。
【0102】
切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0103】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0104】
転写搬送ベルト216は駆動ローラ214により、矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを担持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。各画像形成ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。
【0105】
各画像ステーションPa〜Pdは、矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ含んでいる。各感光体ドラム222a〜222dの周りには、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器223a〜223dと、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a〜224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a〜225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a〜226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
【0106】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザビームスキャナユニット227a〜227dがそれぞれ設けられている。レーザビームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(レーザダイオード)、半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向(感光体ドラム222a〜222d表面の移動方向に対する直行方向)に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240a〜240dと、ポリゴンミラー240a〜240dより偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241a〜241dやミラー242a〜242d、243a〜243dなどから構成されている。
【0107】
レーザビームスキャナ227a〜227dには、それぞれ、カラー原稿画像の黒色成分像、シアン色成分像、マゼンタ色成分像、イエロー色成分像に対応する画素信号が入力される。これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227a、227b、227c、227dには、それぞれ、黒色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナーが収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0108】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させる。したがって、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着された状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送される。
【0109】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器229が設けられている。この除電器229には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0110】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状のものが使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給され、その先端部分がセンサー(図示せず)にて検知されると、このセンサの検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0111】
そして、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとり、矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0112】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。
【0113】
また、本デジタルカラー複写機は、図3に示す画像処理装置11を備えている。この画像処理装置11は、画像データ入力部12、画像処理部13、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される画像メモリ(画像データ記憶手段)14、画像データ出力部15、中央処理装置(CPU)16および外部インターフェイス部17から構成されている。
【0114】
画像データ入力部12は、画像読み取り部110の3ラインのCCDラインセンサ116にて読み取られたラインデータのライン画像レベルを補正するシェーディング補正部21、CCDラインセンサ116にて読み取られた画像ラインデータのずれを補正するラインバッファなどのライン合わせ部22、CCDラインセンサ116から出力される各色のラインデータの色データを補正するセンサ色補正部23、各画素の信号の変化にめりはりを持たせるよう補正するMTF補正部24、画像の明暗を補正して視感度補正を行うγ補正部25などからなる。
【0115】
画像処理部13は、画像データ入力部12から入力されるカラー画像信号であるRGB信号よりモノクロデータを生成するモノクロデータ生成部31(白黒原稿)と、RGB信号を画像形成部210での処理に対応したYMC信号に変換し、またクロック変換する入力処理部32、入力された画像データが文字部なのか網点写真なのか印画紙写真なのかをそれぞれを分離する領域分離部33、入力処理部32から出力されるYMC信号に基づいて下色除去処理を行い黒生成する黒生成部34、各色変換テーブルに基づいてカラー画像信号の各色を調整する色補正回路35、設定されている倍率に基づいて入力された画像データを倍率変換するズーム処理部36、空間フィルタ37、多値誤差拡散や多値ディザなどの階調性を表現するための中間調処理部(多値ディザ処理手段)38などからなる。
【0116】
中間調処理部38は、後述のように、1画素に対応する例えば2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクス(以下、2×2のディザマトリクスと称する)を画像メモリ14に展開し、ディザマトリクスを構成する各ドット領域に画素の濃度に対応するデータを書き込む。
【0117】
画像メモリ14は、画像処理部13からシリアル出力される例えば8ビット4色(32ビット)の画像データを順次受け取り、バッファに一時的に貯えながら32ビットのデータから8ビット4色の画像データに変換して各色毎の画像データとして記憶管理する。
【0118】
また、画像メモリ14は、各画像ステーションPa〜Pdの位置が異なるため、各色画像データを、それぞれ時間をずらすことにより、各レーザビームスキャナ227a〜227dへ画像データを送り、タイミングを合わせて色ずれを防ぐ。さらに画像メモリ14は複数の画像の合成を行うための画像合成メモリーも含んでいる。
【0119】
画像データ出力部15は中間調処理部38からの各色画像データに基づいてパルス幅変調を行うレーザコントロールユニット41(前記パルス幅変調部506に相当)、レーザコントロールユニット41から出力される各色の画像信号に応じたパルス幅変調信号に基づいて、レーザ記録を行う各色のレーザスキャナユニット42からなる。レーザコントロールユニット41は、パルス幅変調を行うPWM−ICを備え、レーザスキャナユニット42は、レーザドライバとしてのレーザドライバIC、およびレーザダイオードを備えている。
【0120】
CPU16は、画像データ入力部12、画像処理部13、画像メモリ14、画像データ出力部15および外部インターフェイス部17を所定のシーケンスに基づいてコントロールするものである。
【0121】
インターフェース17は例えばパーソナルコンピュータにより作成された画像データを入力するプリンタインタフェースであり、またFAX受信した画像データを受け入れるための白黒またはカラーFAXインタフェースである。このインタフェース17から入力される画像データは、すでにCMYK信号であり、中間調処理部38で処理される。
【0122】
次に、本実施の形態の画像処理装置11の動作について説明する。
【0123】
画像処理装置11の画像処理部13における中間調処理部38は、図4に示すように、1画素に対応する例えば2×2のディザマトリクスを、画像メモリ14上に展開する。
【0124】
画像処理装置11の画像処理部13における中間調処理部38は、入力された画像データに対して、多値ディザ処理を行うことにより、図4に示すように、画像メモリ14上において、1画素に対応する2×2のディザマトリクス1を展開する。ディザマトリクス1の各ドット領域A〜Dには、そのドット領域の濃度に応じたデューティ値でドットデータが書き込まれる。なお、各1個のドット領域は、感光体ドラム222a〜222d上にレーザ照射により形成される1ドットに対応する。
【0125】
図4に示す画像データ、即ち各ディザマトリクス1に基づいて画像形成部210が画像を出力する場合には、レーザー走査の場合の主走査方向(X方向)に、各行に並ぶドットのデータが走査され、即ちドット領域A、B、A、B、……の行の次にドット領域C、D、C、D……の行が走査され、各ドット領域のドットデータに基づいて、レーザスキャナユニット42のレーザダイオードの駆動が制御される。
【0126】
レーザコントロールユニット41では、ディザマトリクス1の各ドット領域におけるドットデータ(デューティ値)に応じた幅のパルスをPWM−ICが生成する。また、レーザスキャナユニット42では、上記パルスの幅に応じた時間、レーザドライバICがレーザダイオードを点灯させる。これにより、感光体ドラム222a〜222dに静電潜像が形成され、以下、前述した各手段による周知の動作により、用紙P上に画像が得られる。
【0127】
次に、中間調処理部38でのディザマトリクス1に対するドットデータの書き込み処理について説明する。
【0128】
前述のように、図36に示した濃度ギャップYは、主走査方向に連続して存在するパルス同士が、所定のパルス幅以上になるとパルス間のギャップが無くなり、つながり合って連続したパルスになってしまうために生じる。そこで、この問題を解消するため、本実施の形態の中間調処理部38では、ディザマトリクス1のドット領域Bの終端部にリミッタとして機能する不使用領域2(終端リミッタ)を設けている。この不使用領域2は、画像メモリ14におけるドットデータの書き込み領域を制限することにより設定される。不使用領域2の範囲は、ドット領域Bの全領域までの範囲において適宜設定することができる。
【0129】
上記の構成によれば、2×2のディザマトリクスにおいて、図1に示すように、ディザマトリクス1の各ドット領域A〜Dに対して、ドット領域A→B→C→Dの順に、ドットデータが書き込まれていく。この場合において、ドットデータの書き込み動作は、ドット領域Bに対してはその領域の終端部まで行われず、所定の幅を有する不使用領域2に到達すると、ドット領域Bからドット領域Cに移行して行われる。
【0130】
上記のような構成により、ドット領域Bのドットデータに基づいてレーザコントロールユニット41のPWM−ICにより生成されるパルスは、ドット領域Bの終端部の手前で立ち下がったものとなる。したがって、主走査方向に隣接するディザマトリクス1のドットデータに基づくパルス同士が結合されてしまい、即ち一つのディザマトリクス1のドット領域Bに対応するパルスと、そのディザマトリクス1の主走査方向の下流側のディザマトリクス1のドット領域Aに対応するパルスとが結合されてしまって画像の階調性が劣化する事態を防止することができる。
【0131】
したがって、本画像処理装置11によって処理された画像の中間調γ特性は、図5において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップYが解消されたものとなる。
【0132】
ここで、ディザマトリクス1のドット領域Bに不使用領域2を設定したときの階調特性について、不使用領域2が階調数において「48」分の幅を有する場合を例として説明する。
【0133】
2×2のディザマトリクス1において、1ドット領域当たり8ビットとした場合、即ち1ドット領域当たりに256階調を持たせた場合、一つのディザマトリクス1にける4ドット領域A〜D分の全体階調数は、図6に示すように、256×4−3=1021(階調)となり、0〜1020のコードで表すことができる。
【0134】
次に、ドット領域Bの終端部に「48」分の不使用領域2を設けた場合、図7に示すように、不使用領域2の「48」分が使えないことから、ドット領域A(1ドット目)およびドット領域B(2ドット目)による階調数は、
256×2−48−1=463(階調)
となる。また、ドット領域C(3ドット目)およびドット領域D(4ドット目)による階調数は、
256×2−1=511(階調)
となる。したがって、この場合の全体階調数は、図8に示すように、
463+511−1=973(階調)
となる。
【0135】
このように、ディザマトリクス1に不使用領域2を設けた構成では、不使用領域2の分だけそのディザマトリクス1において表現可能な階調数が減少する。しかしながら、この減少分は、全体の階調数1021に対して例えば上記の「48」程度であり、画像全体の階調性に与える影響は軽微である。これに対し、不使用領域2を設けて濃度ギャップYを軽減し、階調性を向上する利点の方がはるかに大きくなる。この結果、階調性の良好が画像を得ることができる。
【0136】
なお、本実施の形態においては、不使用領域2をドット領域Bの終端部のみに設ける構成としているが、ドット領域Bの終端部に加えてドット領域Dの終端部に設ける構成、あるいはドット領域A〜Dの少なくとも一つに設ける構成としてもよい。
【0137】
また、ディザマトリクス1は、本実施の形態において、2ドット領域×2ドット領域の構成としてるが、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)の構成であってもよい。この点は、以下の実施の形態においても同様である。
【0138】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態を図9および図10に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の中間調処理部38では、前記図36に示した濃度ギャップZを解消するための処理を行っている。以下、この中間調処理部38でのディザマトリクス1に対するドットデータの書き込み処理について説明する。
【0139】
前記図36に示した濃度ギャップZは、直接的には、前述のように、レーザコントロールユニット41におけるPWM−ICの立ち上がりの遅れにより、PWM−ICの出力パルスの幅がドット領域に書き込まれたドットデータに対応しなくなることに起因する。
【0140】
そこで、本実施の形態の中間調処理部38では、図9に示すように、ディザマトリクス1のドット領域Cの始端部に、PWM−ICの立ち上がりの遅れを補償するためのオフセット領域3を設けている。このオフセット領域3は、レーザコントロールユニット41のPWM−ICの立ち上がりの遅れ時間に相当する期間、PWM−ICにON信号を与えるためのものである。したがって、オフセット領域3には、PWM−ICをONにするために、ディザマトリクス1に与えられた階調データ(濃度)とは関係なくドットデータが書き込まれる。
【0141】
上記の構成のよれば、2×2のディザマトリクス1において、図9に示すように、各ドット領域A〜Dに対して、ドット領域A→B→C→Dの順にドットデータが書き込まれていく。この場合において、ドットデータの書き込み動作は、ドット領域Bに対する書き込みを終えてから、ドット領域Cに移るが、その始端部のオフセット領域3に対しては行われず、オフセット領域3に続いて行われる。
【0142】
上記のような構成により、ディザマトリクス1におけるドット領域A〜Dの各データに基づいてPWM−ICが駆動されるとき、ドット領域Cにおいて、PWM−ICは、オフセット領域3のデータに基づいてONされ、所定時間の遅れを伴って立ち上がった後、オフセット領域3から後のドットデータに基づいて駆動される。したがって、PWM−ICから出力されるパスルは、PWM−ICの立ち上がりの遅れの影響を排除したものとなる。これにより、各ディザマトリクスのドット領域データに基づいて、PWM−ICによるパルス幅変調を良好に行うことができる。
【0143】
上記の処理により、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図10において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップZや、図5に示した濃度ギャップZ' が抑制され、直線性の高いものとなる。この結果、画像に対して良好な階調性を付与することができる。
【0144】
なお、ドット領域Aのドットデータに基づいてPWM−ICが駆動されるときにも、同様に、PWM−ICの立ち上がりの遅れが生じるものの、この部分は画像の濃度が低く、通常、濃度をゼロとして処理される部分であり、階調性に対する影響は生じない。
【0145】
また、本実施の形態では、ディザマトリクス1が2ドット領域×2ドット領域からなるの場合について示しているが、ディザマトリクス1がmドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなる場合、オフセット領域3は、ディザマトリクス1における主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に設けられていてもよい。あるいは、ディザマトリクス1を構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に設けられていてもよい。
【0146】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態を図11ないし図13に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の中間調処理部38では、前記図36に示した濃度ギャップYおよび濃度ギャップZを解消するため、図11に示すように、2×2のディザマトリクスのドット領域Bの終端部に前記不使用領域2を設けるとともに、ドット領域Cの始端部に、PWM−ICの立ち上がりの遅れを補償するための前記オフセット領域3を設けている。
【0147】
上記の構成のよれば、2×2のディザマトリクス1において、図11に示すように、各画素1の各ドット領域A〜Dに対して、ドット領域A→B→C→Dの順にドットデータが書き込まれていく。この場合において、ドットデータの書き込み動作は、ドット領域Bに対してはその領域の終端部まで行われず、所定の幅を有する不使用領域2に到達すると、ドット領域Bからドット領域Cに移行して行われる。また、ドット領域Bに対する書き込みを終えてから、ドット領域Cに移るが、その始端部のオフセット領域3に対しては行われず、オフセット領域3の後から行われる。
【0148】
上記の構成により、入力コードとレーザドライバICの出力パルス幅(時間)との関係は、図12の特性▲1▼として示すものとなる。同図において、特性▲2▼は、従来の濃度ギャップY、Zを有するもの、特性▲3▼は、PWM−ICの出力特性も影響したレーザドライバICの出力特性、特性▲4▼は特性▲3▼が不使用領域2の存在によって移動したもの、特性▲5▼は特性▲4▼がオフセット領域3の存在によって、特性▲1▼と直線性を保つように移動したものである。
【0149】
そして、上記のような構成により、ドット領域Bのドットデータに基づいてレーザコントロールユニット41のPWM−ICにより生成されるパルスは、ドット領域Bの終端部の手前で立ち下がったものとなる。したがって、主走査方向に隣接するディザマトリクス1のドットデータに基づくパルス同士が結合されてしまい、即ち一つのディザマトリクス1のドット領域Bに対応するパルスと、そのディザマトリクス1の主走査方向の下流側のディザマトリクス1のドット領域Aに対応するパルスとが結合されてしまって画像の階調性が劣化する事態を防止することができる。
【0150】
また、ドット領域Cにおいて、PWM−ICは、オフセット領域3のデータに基づいてONされ、所定時間の遅れを伴って立ち上がった後、オフセット領域3から後のドットデータに基づいて駆動される。したがって、PWM−ICから出力されるパスルは、PWM−ICの立ち上がりの遅れの影響を排除したものとなる。これにより、各ディザマトリクス1のドットデータに基づいて、PWM−ICによるパルス幅変調を良好に行うことができる。
【0151】
以上により、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図13において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY、並びに濃度ギャップZや、図5に示した濃度ギャップZ' が抑制され、直線性の高いものとなる。この結果、画像に対して良好な階調性を付与することができる。
【0152】
なお、本実施の形態においては、2×2のディザマトリクス1を例として説明しているが、ディザマトリクス1がmドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなる場合には、実施の形態1および2において前述したように、不使用領域2およびオフセット領域3を設定することができる。
【0153】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態を図14および図15に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の中間調処理部38では、前記図36に示した濃度ギャップYをさらに確実に解消するため、実施の形態3に示した図11の構成において、ドット領域Cにドットデータを書き込む場合に、図14に示すように、ドット領域Bの予め設定されている不使用領域2の幅を、例えば不使用領域2' まで広げるようにしている。不使用領域2を広げる範囲は、ドット領域Bの全領域までの範囲において、適宜設定することができる。なお、この構成において、ドット領域Cのオフセット領域3は、設けられていれば好ましいものの、必須ではない。
【0154】
上記の構成によれば、2×2のディザマトリクス1において、図14に示すように、各ドット領域A〜Dに対して、ドット領域A→B→C→Dの順にドットデータが書き込まれていく。この場合において、ディザマトリクス1に対するドットデータの書き込み動作が、ドット領域Bの不使用領域2に到達するまでに終了せず、ドット領域Cに移行したとき、不使用領域2が広げられる。即ち、不使用領域2は、不使用領域2を設定した終端ドット領域(ドット領域B)に続いてその次行の始端ドット領域(ドット領域C)へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域2を拡大すればよい。
【0155】
上記のように、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けた構成では、主走査方向に連続して存在する、あるディザマトリクスのドット領域Bと隣のディザマトリクスのドット領域Aとに基づくパルス同士が、あるパルス幅以上になるとパルス間のギャップが無くなり、連続したパルスになってしまうこと、即ち濃度ギャップYを生じることを防止するようにしている。
【0156】
しかしながら、不使用領域2を設けてドット領域Bに基づくパスルの幅を調整した場合であっても、中間調γ特性において、十分にその直線性を得ることができない場合がある。このような場合には、上記のように、不使用領域2をさらに広げる構成により、濃度ギャップYを抑制して中間調γ特性の直線性を向上することができる。
【0157】
上記のような構成により、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図15において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY、並びに濃度ギャップZや、図5に示した濃度ギャップZ' が抑制され、直線性の高いものとなる。この結果、画像に対して良好な階調性を付与することができる。なお、同グラフは、ドット領域Cにオフセット領域3を設定した構成の場合について示している(図14の構成)。
【0158】
また、本実施の形態においても、実施の形態2において説明した各場合と同様にして不使用領域2を設けることができ、それぞれの不使用領域2について、上述した不使用領域2の拡大処理を行うことができる。
【0159】
〔実施の形態5〕
本発明の実施のさらに他の形態を図16ないし図20に基づいて以下に説明する。
本実施の形態においては、濃度ギャップZ(図36参照)における急激な濃度変化を、ディザマトリクスを構成する各ドット領域に対するドットデータの書き込み順序を変更することにより、抑制するようにしている。
【0160】
濃度ギャップZは、前述のように、レーザコントロールユニット41におけるPWM−ICの立ち上がりが遅れるためにパルス幅がドットデータに対応しなくなることが主因であるものの、レーザビーム径が感光体ドラム222a〜222d上における理論上のドット領域サイズよりも大きくなっていることも影響している。
【0161】
即ち、レーザビームは、その中心をピークとする山形のエネルギー分布を有している。したがって、図16に示すように、レーザビームLは、感光体ドラム222a〜222d上のドット領域を適切に露光するために、ドット領域よりも大きい径、かつ主走査方向(X方向)が短径で、副走査方向(Y方向)が長径の楕円形として感光体ドラム222a〜222dに照射される。なお、同図における領域a〜dは、画像メモリ14に展開されたディザマトリクス1のドット領域A〜Dに対応して感光体ドラム222a〜222d上に形成されるドット領域(ドット)である。
【0162】
上記のようなレーザビームLを使用した場合、例えばドット領域aを露光したときには、それに隣接するドット領域の一部が、レーザビームLにおけるドット領域aからのはみ出し部L1 (図16に斜線で示す)によって同時に露光される。このはみ出し部L1 は、エネルギーが小さく、感光体ドラム222a〜222dに対してトナーを付着させるだけの電位変化を与えることができない。
【0163】
ここで、画像メモリ14に展開した2×2のディザマトリクス1に対し、ドット領域A→B→C→Dの順序にドットデータを書き込む構成において、例えばドット領域A、Bにドットデータが書き込まれた場合、感光体ドラム222a〜222d上においては、図17に示すように、レーザ照射が行われる。即ち、ドット領域aは、ドット領域bを照射したレーザビームLのはみ出し部L1 により重複して露光され、ドット領域bは、ドット領域aを照射したレーザビームLのはみ出し部L1 により重複して露光される。
【0164】
この場合、例えばドット領域aに注目すると、ドット領域aは、ドット領域aを照射するレーザビームLにより、所定量のトナーを付着させるだけの電位変化を既に受けており、ドット領域bがレーザビームLによって露光されたときには、そのはみ出し部L1 の影響でさらに電位変化が増大する。このため、ドット領域aにおけるトナーの付着量は増大する。この点は、ドット領域bについても同様である。このようなことから、階調性の劣化を招来する。また、この作用が、PWM−ICの立ち上がりの遅れによる濃度ギャップZを助長していると考えられる。
【0165】
そこで、本実施の形態においては、ディザマトリクス1を構成する各ドット領域に対するドットデータの書き込み順序を、ドットデータが書き込まれたドット領域同士の隣接する数が少なくなる順序としている。また、例えば、ドット領域A→B→Cの順序でドットデータを書き込んでいく場合に、3ドット目のドット領域Cは、PWM−ICの立ち上がりの遅れによって濃度ギャップZを生じる領域であり、特に濃度変化が階調性に大きく影響し易い領域である。そこで、各ドット領域に対するドットデータの書き込み順序は、特に、副走査方向において隣接する数が少なくなるような順序としている。この構成は、レーザビームLが副走査方向(Y方向)に長く、この方向のはみ出し部L1 による影響が大きくなるので、これを抑制する上でも有効である。
【0166】
具体的には、本実施の形態の2×2のディザマトリクスにおいて、図18に示すように、ドットデータの書き込み順序を、ドット領域A→D→B→Cの順序、即ち対角線を描く順序としている。各ドット領域に対するドットデータの書き込み順序をこのように設定することにより、感光体ドラム222a〜222d上でのレーザビームによる楕円露光の影響を抑制し、階調性の良好な画像を得ることができる。
【0167】
例えば、2×2のディザマトリクスにおいて、2個のドット領域のみにドットデータを書き込む場合では、ドット領域A→ドット領域Dの順序でこれら両ドット領域のみにドットデータが書き込まれる。そして、このドットデータに基づいて感光体ドラム222a〜222dにレーザ照射を行った場合、図19に示すように、図17に示したドット領域A→Bの順序でドットデータを書き込む場合と比較して、レーザビームLのはみ出し部L1 が他のドット領域に影響する度合いが小さくなる。したがって、この場合には、レーザビームの重なりに起因する濃度ギャップの増大を抑制することができる。
【0168】
上記のような構成により、レーザビームLにより感光体ドラム222a〜222d上にドット(例えば3ドット目のドット領域c)を描き始めるときに生じる濃度ギャップを緩和して階調の不連続性をなくし、階調性を改善できる。そして、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図20において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY、並びに濃度ギャップZや、図5に示した濃度ギャップZ' が抑制され、直線性の高いものとなる。なお、同図に示すグラフは、ドット領域Bに不使用領域2を設定するとともに、ドット領域Cにオフセット領域3を設定した構成の場合について示している。
【0169】
また、本実施の形態においては、2×2のディザマトリクス1を例として説明しているが、ディザマトリクス1がmドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなる場合にも同様に、そのディザマトリクスにおいて、対角線を描く順序で各ドット領域にドットデータを書き込むことができる。
【0170】
〔実施の形態6〕
本発明の実施のさらに他の形態を図21ないし図23に基づいて以下に説明する。
図36中に示した濃度ギャップYとZの発生原因は、2×2のディザマトリクス1のドットデータに基づく感光体ドラム222a〜222d上でのドット領域の露光において、レーザビームによるドットの描きだし位置が2個所存在することにある。これを根本的に改善するためには、1個のディザマトリクス1に対応する感光体ドラム222a〜222d上での1画素の主走査方向(X方向)の1行において、ドットの描きだし位置を複数個所設けないようにすればよい。
【0171】
このために、本実施の形態の中間調処理部38では、2×2のディザマトリクスにおいて、上下2ドット領域(ドット領域Aとドット領域C)について、ドットデータを順次振り分けて主走査方向へ書き込んでいくように、即ち、同時あるいは交互にドットデータを主走査方向へ書き込んでいくようにしている。
【0172】
具体的には、図21に示すように、2×2のディザマトリクス構成において、副走査方向(Y方向)に隣り合うドット領域Aとドット領域Cとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいく。この処理は、ドット領域Bおよびドット領域Dの終端まで継続する。
【0173】
上記の処理は、ディザマトリクス1におけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側または最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する複数行のドット領域から、ドットデータを順次振り分けて主走査方向へ書き込んでいくものである。この処理によれば、ディザマトリクス1の主走査方向にドット領域が並ぶ1行内において、ドットデータが書き込まれたドット領域の数を減らすことができる。この場合、上記ドットデータに基づいてパルス幅変調を行うPWM−ICは、各ドット領域毎にON/OFF駆動される。これにより、上記ドットデータに基づいて例えばPWM−ICを駆動する場合に、主走査方向にドット領域が並ぶ1行において、PWM−ICをONする回数が少なくなる。また、ドットデータに基づいてPWM−ICにより生成された、主走査方向に隣合うパルス同士がつながってしまう事態も抑制することができる。また、上記のようにドットデータを振り分けることにより、ディザマトリクス全体としては、PWM−ICを濃度の低い部分で起動することになる。
【0174】
上記のようにして、各ドット領域にドットデータを書き込むことにより、PWMICの立ち上がり特性、即ち立ち上がりの遅れに起因して、レーザビームによる感光体ドラム222a〜222dへのドットの描きだし時に発生する濃度ギャップを抑制し、階調の不連続性を解消することができる。
【0175】
したがって、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図22において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY並びに濃度ギャップZが抑制され、直線性の高いものとなる。
【0176】
なお、図23に示すように、ドット領域Bおよびドット領域D、またはドット領域Bのみの終端部には前述の不使用領域2が設けられていてもよい。この場合には、濃度ギャップYの抑制機能をさらい促進することができる。
【0177】
〔実施の形態7〕
本発明の実施のさらに他の形態を図24ないし図26に基づいて以下に説明する。
【0178】
図36中に示した濃度ギャップYは、実施の形態1において説明したように、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けることにより抑制できる。また、濃度ギャップZは、実施の形態6において説明したように、副走査方向(Y方向)に隣り合うドット領域Aとドット領域Cとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいけば抑制できる。
【0179】
そこで、本実施の形態の中間調処理部38では、濃度ギャップY、Zを抑制するために、ドット領域Bとドット領域Dとの終端部に不使用領域2を設けている。また、濃度ギャップZを抑制するために、中間調処理部38に入力される濃度の入力コード値が十分小さい範囲において、ドット領域Aとドット領域Bとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいくようにしている。これにより、濃度ギャップY、Zを抑制し、良好な階調性を得ることができる。
【0180】
具体的には、図24および図25に示すものとなる。なお、図25は、不使用領域2を除くドット領域Dの終端部までドットデータを書き込む場合の経過を示している。
【0181】
即ち、2×2のディザマトリクス構成において、ドット領域Bとドット領域Dとの終端部に不使用領域2を設ける。そして、各ドット領域にドットデータを書き込む際には、まず、中間調処理部38に入力される濃度の入力コード値が十分小さい範囲において、ドット領域Aとドット領域Bとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいく。
【0182】
上記の処理は、ディザマトリクス1におけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて主走査方向への書き込みを開始するものである。
【0183】
そして、上記の処理は、3ドット目(ドット領域C)のドットデータに基づいてレーザビームにより感光体ドラム222a〜222d上にドットを描く場合に発生する濃度ギャップの発生点、即ち、PWM−ICの立ち上がり特性に起因してドットの描きだし部で発生する濃度ギャップの発生点に、実際に露光および現像しても階調性に影響のない領域の濃度データ(ドットデータ)を先に埋め込むものである。
【0184】
その後、通常のパルス幅変調によるドットデータの書き込み方法により、ドットデータを書き込む。即ち、ドット領域Cへのドットデータの書き込みを中止して、ドット領域A、ドット領域Bへのドットデータの書き込みを行い、ドット領域Bの不使用領域2を除く終端部までドットデータを書き込むと、ドット領域Cに移行する。そして、ドット領域Cの先にドットデータが書き込まれた領域に続いて、ドットデータを書き込んでいく。
【0185】
このような処理により、ドット領域Cのドットデータに基づいて動作するPWM−ICの立ち上がりの遅れに起因する濃度ギャップを抑制することができる。また、濃度の入力コード値が十分小さい範囲以外のドットデータについては、ドット領域への書き込みを、パルス幅制御における通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。
【0186】
また、ドット領域Bとドット領域Dの終端に不使用領域2を設けているので、前述したPWM−ICパルスの結合に起因する濃度ギャップをほぼ完全に解消することができる。
【0187】
したがって、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図26において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY並びに濃度ギャップZが抑制され、直線性の高いものとなる。
【0188】
〔実施の形態8〕
本発明の実施のさらに他の形態を図27および図28に基づいて以下に説明する。
【0189】
図36中に示した濃度ギャップYは、前述のように、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けることにより抑制できる。また、濃度ギャップZは、前述のように、ドット領域Aとドット領域Cとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいけば緩和できる。
【0190】
そこで、本実施の形態の中間調処理部38では、濃度ギャップY、Zを抑制するために、ドット領域Bの終端部とドット領域Cの始端部とにおいてのみ、これらの部分に対するドットデータの書き込みを同時もしくは交互に行うようにしている。
【0191】
この処理は、ディザマトリクス1のレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、ドットデータを順次振り分けて書き込むものである。これにより、濃度ギャップY、Zを抑制し、良好な階調性を得ることができる。
【0192】
上記のドット領域Bの終端部とドット領域Cの始端部とは、m×nのドット領域からなるディザマトリクスによって構成される1個の画素においては、主走査方向の最後部のドット領域の終端部と、このドット領域を含む行と副走査方向に隣合う行における最前部のドット領域の始端部に相当する。
【0193】
具体的には、2×2のディザマトリクス構成において、図27に示すように、ドットデータの書き込みをドット領域Aの始端部から主走査方向(X方向)へ行い、ドット領域Bの終端側部分に達すると、さらにドット領域Cの始端側部分へのドットデータの書き込みを開始し、ドット領域Bの終端側部分とドット領域Cの始端側部分とに対するドットデータの書き込みを、同時もしくは交互に行う。その後、ドット領域Bの終端側部分に対するドットデータの書き込みが終了すれば、ドット領域Cの始端側部分以降に対するドットデータの書き込みを行う。
【0194】
上記のような処理により、ディザマトリクス1の第2行目に対するドットデータの書き込み開始時点においては、ドット領域Cの始端部にドットデータが既に書き込まれている。したがって、PWM−ICの立ち上がり特性に起因してドット領域cの描き始めに発生する濃度ギャップを緩和することができる。また、ドット領域Bの終端部とドット領域Cの始端部以外の部分については、ドットデータの書き込みをパルス幅制御における通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。
【0195】
したがって、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図28において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY並びに濃度ギャップZが抑制され、直線性の高いものとなる。
【0196】
なお、濃度ギャップYの抑制機能をさらに高めるために、ドット領域Bの終端部とドット領域Dの終端部との少なくとも一方に、不使用領域2を設けても良い。
【0197】
〔実施の形態9〕
本発明の実施のさらに他の形態を図29および図30に基づいて以下に説明する。
【0198】
図36中に示した濃度ギャップYは、前述のように、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けることにより抑制できる。また、濃度ギャップZは、前述のように、副走査方向(Y方向)に隣り合うドット領域Aとドット領域Cとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいけば緩和できる。
【0199】
本実施の形態の中間調処理部38では、濃度ギャップYを抑制するために、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けるとともに、濃度ギャップZを抑制するために、ドット領域Cの始端部へのドットデータの書き込みを、ドット領域Aの始端部からドット領域Bの不使用領域2までの領域へのドットデータの書き込み動作中に、除々に行うようにしている。
【0200】
具体的には、2×2のディザマトリクス構成において、図29に示すように、ドット領域Aの始端部からドット領域Bの終端部の不使用領域2までの領域に対して、通常の方法により順次ドットデータを書き込んでいくと同時に、ドット領域Cの始端部に対しても除々にドットデータを書き込んでいく。そして、ドット領域Bの不使用領域2を除く領域までのドットデータの書き込みが終了すると、先にドットデータが書き込まれているドット領域Cの始端部の後から、ドット領域Dの終端部に設けられた不使用領域2まで、ドットデータを書き込んでいく。
【0201】
即ち、本実施の形態においては、m×nのディザマトリクスの主走査方向の1行にドットデータを書き込んでいく際に、これと副走査方向に隣り合うラインの最前部のドット領域の始端部に対してドットデータを順次振り分けて書き込む。
【0202】
これにより、ディザマトリクス1の第1行目に対するドットデータの書き込み終了時点においては、ドット領域Cの始端部にドットデータが既に書き込まれている。したがって、ドット領域Cの始端部のドットデータに基づくレーザビームによる感光体ドラム222a〜222d上でのドット形成において、PWM−ICの立ち上がり特性に起因する濃度ギャップの発生を抑制することができ、階調性を改善することができる。
【0203】
したがって、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図30において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY並びに濃度ギャップZが抑制され、直線性の高いものとなる。
【0204】
〔実施の形態10〕
本発明の実施のさらに他の形態を図31および図32に基づいて以下に説明する。
【0205】
図36中に示した濃度ギャップYは、前述のように、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けることにより抑制できる。また、濃度ギャップZは、前述のように、副走査方向(Y方向)に隣り合うドット領域Aとドット領域Cとに対して同時もしくは交互にドットデータを書き込んでいけば緩和できる。
【0206】
本実施の形態の中間調処理部38では、濃度ギャップYを抑制するために、ドット領域Bの終端部に不使用領域2を設けるとともに、濃度ギャップZを抑制するために、ドット領域Cの始端部へのドットデータの書き込みを、ドット領域Aへのドットデータの書き込み動作中に、除々に行うようにしている。
【0207】
具体的には、2×2のディザマトリクス構成において、図31に示すように、ドット領域Aの始端部からドット領域Bの終端部に設けられた不使用領域2までの領域に対して、通常の方法により順次ドットデータを書き込んでいく。そして、ドット領域Aに対してドットデータを書き込んでいる期間においてのみ、ドット領域Cの始端部に対して除々にドットデータを書き込んでいく。その後、ドット領域Bの不使用領域2を除く領域までのドットデータの書き込みが終了すると、先にドットデータが書き込まれているドット領域Cの始端部の後から、ドット領域Dの終端部に設けられた不使用領域2まで、ドットデータを書き込んでいく。
【0208】
即ち、本実施の形態においては、m×nのディザマトリクスの主走査方向の1行にドットデータを書き込んでいく際に、最前部のドット領域に対してドット領域を書き込んでいる期間のみ、この行と副走査方向に隣り合う行の最前部のドット領域の始端部に対してドットデータを順次振り分けて書き込む。
【0209】
これにより、ドット領域Aの書き込み終了時点においては、ドット領域Cの始端部にドットデータが既に書き込まれている。したがって、ドット領域Cの始端部のドットデータに基づくレーザビームによる感光体ドラム222a〜222d上でのドット形成において、PWM−ICの立ち上がり特性に起因する濃度ギャップの発生を抑制することができ、階調性を改善することができる。
【0210】
したがって、中間調処理部38にて処理された画像の中間調γ特性は、図32において実線で示すように、破線で示す従来のもの(図36にも図示)に生じていた濃度ギャップY並びに濃度ギャップZが抑制され、直線性の高いものとなる。
【0211】
なお、本実施の形態における中間調処理部38は、前記実施の形態9における中間調処理部38の処理と比較して、低濃度側においてドット領域Cの始端部へのドットデータの書き込みを行うので、マシンのプロセス条件の変動等による影響を受け難くなっている。
【0212】
以上の各実施の形態に示した中間調処理部38の構成は、文字モードや写真モード等の各種画像モードに対して何れも適用可能である。そして、前記濃度ギャップに対しては、それぞれ良好な抑制機能を備えるものの、それらの中間調γ特性に応じて、相対的には文字モードや写真モード等の何れかの画像モードに対して適合性を有している。
【0213】
例えば、実施の形態6(図21、図23)の構成、および実施の形態7(図24)の構成の中間調γ特性は、図22および図26に示したように、相対的に傾斜が急になっている。即ち、相対的に立った状態となっている。したがって、例えば文字モードに適用する。
【0214】
一方、例えば、実施の形態4(図14)の構成、および実施の形態10(図31)の構成の中間調γ特性は、図15および図32に示したように、相対的に傾斜が緩やかになっている。即ち、相対的に寝た状態となっている。したがって、例えば写真モードに適用する。したがって、上記各構成をそれらに適合する画像モードに使用することにより、さらに良好な中間調処理を行うことができる。
【0215】
また、上記の各構成をそれらに適した画像モードに使用する場合には、図3に示した構成において、領域分離部33により入力画像について各モードの画像別に領域分離を行い、文字領域や写真領域等の各画像領域毎に、それらに適した構成をCPU16が自動的に選択して切り替えるようにしてもよい。
【0216】
このような構成によれば、文字や写真が混在した原稿や入力データに対しても、各画像領域に適した中間調処理が行われ、さらに良好な画像を得ることができる。
【0217】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像処理装置は、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定する構成である。
【0218】
これにより、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
即ち、例えば、本画像処理装置を備えたデジタル複写機等の画像形成装置では、ディザマトリクスのドット領域に書き込まれたドットデータに基づき、PWM−ICがパルス幅変調を行う。さらに、これにより生成されたパルスに基づき、レーザドライバICが、そのパルスの幅に応じてレーザダイオードを点灯させ、感光体が露光される。
【0219】
この動作において、ドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域が設定されていれば、そのドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。これにより、中間調の階調特性は濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)が抑制されたものとなる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0220】
また、本発明の画像処理装置は、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定する構成である。
【0221】
これにより、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
即ち、例えば、本画像処理装置を備えたデジタル複写機等の画像形成装置では、ディザマトリクスのドット領域に書き込まれたドットデータに基づき、PWM−ICがパルス幅変調を行う。さらに、これにより生成されたパルスに基づき、レーザドライバICが、そのパルスの幅に応じてレーザダイオードを点灯させ、感光体が露光される。
【0222】
この動作において、例えば前記PWM−ICは、その立ち上がり特性において、ON信号を受けたときに直ぐに立ち上がらず、立ち上がりに遅れを生じる。そこで、ドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定すれば、このオフセット領域に書き込まれたドットデータによってPWM−ICを立ち上がらせ、その後、ディザマトリクスに与えられた本来の階調データ、即ちドットデータに基づいてPWM−ICを駆動することができる。これにより、例えばPWM−ICの立ち上がりの遅れにより中間調の階調特性に生じる濃度ギャップを抑制することができる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0223】
また、本発明の画像処理装置は、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの、少なくとも一つのドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域を設定するとともに、少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定する構成である。
【0224】
これにより、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
即ち、ドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域が設定されていれば、そのドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。
【0225】
また、ドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域が設定されていれば、このオフセット領域に書き込まれたドットデータによって例えばPWM−ICを立ち上がらせ、その後、ディザマトリクスに与えられた本来の階調データ、即ちドットデータに基づいてPWM−ICを駆動することができる。
【0226】
これにより、中間調の階調特性は、ディザマトリクスのドットデータに基づいて生成された隣合うパルス同士がつながってしまうことにより生じる濃度ギャップと、PWM−ICの立ち上がりの遅れにより生じる濃度ギャップとが抑制されたものとなる。この結果、中間調の階調特性は直線性が良好なものとなり、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0227】
上記の画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおける主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に前記不使用領域を設ける構成としてもよい。
【0228】
上記の構成によれば、不使用領域が、mドット領域×nドット領域からなるディザマトリクスの主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に設けられるので、中間調の階調特性における濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)をさらに抑制することができ、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0229】
即ち、不使用領域が設けられる、ディザマトリクスの主走査方向の最下流側のドット領域の終端部、即ち終端ドット領域の終端部は、この部分のドットデータに基づいて感光体上にドットが形成され、この部分に濃度ギャップが生じていた場合、その濃度ギャップが十分に視認される部分である。したがって、上記部分に、不使用領域を設けることにより、濃度ギャップを適切に抑制し、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0230】
上記の画像処理装置において、前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおける主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に前記オフセット領域を設定する構成としてもよい。
【0231】
上記の構成によれば、オフセット領域が、ディザマトリクスにおける主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に設けられるので、中間調の階調特性における濃度ギャップをさらに抑制することができ、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0232】
即ち、オフセット領域が設けられる、ディザマトリクスの副走査方向の第1行目を除く、主走査方向の始端ドット領域の始端部は、この部分のドットデータに基づいて感光体上にドットが形成され、この部分に濃度ギャップが生じていた場合、その濃度ギャップが十分に視認される部分である。したがって、上記部分にオフセット領域を設けることにより、濃度ギャップを適切に抑制し、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0233】
上記の画像処理装置において、前記の多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスの各ドット領域に対するドットデータの書き込みを、主走査方向に各ドット領域が並ぶドット領域行内においては主走査方向に並ぶドット領域の順序で行い、順次、副走査方向に各ドット領域行に対して行うとともに、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大する構成としてもよい。
【0234】
上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大する。上記の不使用領域の拡大処理は、例えば、不使用領域を設定した終端ドット領域から、その次行の始端ドット領域へドットデータの書き込み処理を移行する際に行われる。
【0235】
したがって、終端ドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、この終端ドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとがつながってしまう事態ををさらに確実に防止することができる。これにより、上記パルス同士のつながりに起因する中間調の階調特性における濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)をさらに確実に抑制することができる。この結果、画像データに対してさらに良好な階調性を付与することができる。
【0236】
また、本発明の画像処理装置は、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の隣接する数が少なくなる順序とする構成である。
【0237】
上記の構成によれば、画像に良好な階調性を付与することができる。
即ち、感光体を露光する際、レーザビームは、感光体上のドット領域を適切に露光するために、ドット領域よりも大きい径で、感光体に照射される。このようなレーザビームを使用した場合、一つのドット領域(第1のドット領域とする)を露光したときには、この第1のドット領域に隣接する第2のドット領域の一部も、レーザビームにおける第1のドット領域からのはみ出し部により同時に露光される。したがって、第2のドット領域を露光したとき、第2のドット領域の一部は重複して露光されることになり、中間調の階調特性に濃度ギャップが生じる。一方、レーザビームの上記はみ出し部は、それ自体はエネルギーが小さく、このはみ出し部のみによりドット領域が露光された場合には、階調特性に影響を受けない。
【0238】
したがって、本発明の上記の構成では、重複して露光される感光体上のドット領域が少なくなるので、良好な階調特性を得ることができる。
【0239】
上記の画像処理装置において、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の、レーザ走査の場合の副走査方向において隣接する数が少なくなる順序とする構成であってもよい。
【0240】
感光体を露光するレーザビームは、前述のように、感光体上のドット領域よりも大きい径に設定されており、さらにレーザ走査の場合の副走査方向に長径となった楕円形を有している。したがって、感光体上においてレーザビームによる重複露光の影響は、ドットデータ書き込み済のドット領域同士が主走査方向において隣接する場合よりも、副走査方向において隣接する場合の方がより顕著となる。
【0241】
したがって、上記の構成によれば、多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の、レーザ走査の場合の副走査方向において隣接する数が少なくなる順序とするので、感光体でのレーザビームの重複露光による影響をさらに低減し、さらに良好な階調特性を得ることができる。
【0242】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスが、2ドット領域×2ドット領域からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスのドットデータを書き込むドット領域の順序を、対角線を描く順序とする構成である。
【0243】
上記の構成によれば、ディザマトリクスにおいて、ドットデータ書き込み済のドット領域同士の隣接する数を少なくすることができる。この結果、感光体でのレーザビームの重複露光による影響、即ち中間調の階調特性における濃度ギャップを低減し、良好な階調特性を得ることができる。
【0244】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスが、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側または最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する複数行のドット領域から、ドットデータを順次振り分けて主走査方向へ書き込んでいく構成である。
【0245】
上記の構成によれば、ディザマトリクスの主走査方向にドット領域が並ぶ1行内において、ドットデータが書き込まれたドット領域の数を減らすことができる。また、ドットデータに基づいて生成された、主走査方向に隣合うレーザ駆動用のパルス同士がつながってしまう事態も抑制することができる。
【0246】
ここで、上記ドットデータに基づいてパルス幅変調を行うPWM−ICは、各ドット領域毎にON/OFF駆動される。これにより、上記ドットデータに基づいて例えばPWM−ICを駆動する場合に、主走査方向にドット領域が並ぶ1行において、PWM−ICをONする回数が少なくなる。
【0247】
また、上記のようにドットデータを振り分けることにより、ディザマトリクス全体としては、PWM−ICを濃度の低い部分で起動することになる。
【0248】
したがって、PWM−ICの立ち上がり遅れ、特に、副走査方向での第2行目以降の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れにより、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップの影響を抑制することができ、良好な階調特性を得ることができる。
【0249】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスが、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて主走査方向への書き込みを開始した後、その後のドットデータの書き込み順序を、第1のドット領域行に対しては書き込みを継続する一方、第2のドット領域行に対しては書き込みを停止するとともに、第1のドット領域行に対しての書き込みが終了した後、第2のドット領域行に対して、先に書き込みを終えた部分に続いて書き込みを行うものとする構成である。
【0250】
上記の構成によれば、ドットデータが先ず第1および第2のドット領域行の始端部に振り分けて書き込まれることにより、ディザマトリクス全体としては、PWM−ICが濃度の低い部分で起動されることになる。したがって、PWM−ICの立ち上がり遅れ、特に、第2のドット領域行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れにより、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップの影響を抑制することができる。
【0251】
また、上記のように第1および第2のドット領域行の始端部に振り分けて書き込まれるドットデータは、濃度値が十分小さい範囲のものであり、それ以外のドットデータについては、ドット領域への書き込みを、通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。したがって、良好な階調特性を得ることができる。
【0252】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスが、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、ドットデータを順次振り分けて書き込む構成である。
【0253】
上記の構成によれば、ドットデータが、第1の行の主走査方向の最下流側のドット領域の終端側部分と、第2の行の主走査方向の最上流側のドット領域の始端側部分とに対して、振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制することができる。
【0254】
また、第1の行の上記終端側部分および第2の行の上記始端側部分以外のドットデータについては、ドット領域への書き込みを、通常の書き込み方法により行っているので、所定の階調性も維持できる。したがって、良好な階調特性を得ることができる。
【0255】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行に対するドットデータの書き込み中に、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側からのドットデータの書き込みを開始し、ドットデータを順次振り分けて書き込む構成である。
【0256】
上記の構成によれば、ドットデータが、第1の行と第2の行における主走査方向の上流側とに振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制し、良好な階調特性を得ることができる。
【0257】
また、本発明の画像処理装置は、ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、多値ディザ処理手段が、ディザマトリクスのレーザ走査の場合の主走査方向にドット領域が並ぶ行における第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に対してドットデータを書き込んでいる期間のみ、第1の行と副走査方向に隣り合う第2の行における主走査方向の最上流側のドット領域にドットデータを順次振り分けて書き込む構成である。
【0258】
上記の構成によれば、通常、第1の行の主走査方向の最上流側のドット領域に書き込まれるドットデータが、第1の行と第2の行における主走査方向の最上流側のドット領域上流側に振り分けて書き込まれることにより、第2の行のドットデータに基づいてONされるPWM−ICの立ち上がり遅れに起因して、中間調の階調特性において発生する濃度ギャップを抑制し、良好な階調特性を得ることができる。
【0259】
上記の画像処理装置において、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスの主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定する構成としてもよ。
【0260】
上記の構成によれば、不使用領域が設定されたドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスと、そのドット領域に不使用領域を介して主走査方向に隣接するドット領域のドットデータに基づいて生成されたパルスとの間には、不使用領域によりギャップ(パルスの立ち下がり部分)が確実に生じ、隣り合うパルス同士がつながってしまうことがない。これにより、中間調の階調特性は、例えばPWM−ICの立ち上がりの遅れに起因するの濃度ギャップに加えて、隣り合うパルス同士のつながりに起因する濃度ギャップ(この濃度ギャップにより生じる疑似輪郭)も抑制され、直線性の良好なものとなる。この結果、画像データに対して良好な階調性を付与することができる。
【0261】
上記の画像処理装置は、文字画像に適した画像処理を行うための文字モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により文字モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0262】
また、上記の画像処理装置は、写真画像に適した画像処理を行うための写真モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により写真モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0263】
上記の各画像処理装置は、何れも良好な中間調の階調特性を得ることができるものの、中間調γ特性の違いにより、相対的に文字モードに適するものと写真モードに適するものとが存在する。即ち、相対的に中間調γ特性の立っているものが文字モードに適し、中間調γ特性の寝ているものが写真モードに適する。したがって、選択されたモードに対して相対的に適合する構成を選択すれば、さらに良好な画像を得ることができる。
【0264】
上記の画像処理装置は、入力画像データから文字領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された文字領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0265】
また、上記の画像処理装置は、入力画像データから写真領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された写真領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行う構成としてもよい。
【0266】
上記の各画像処理装置は、何れも良好な中間調の階調特性を得ることができるものの、中間調γ特性の違いにより、相対的に文字領域の処理に適するものと写真領域の処理に適するものとが存在する。即ち、相対的に中間調γ特性の立っているものが文字領域の処理に適し、中間調γ特性の寝ているものが写真領域の処理に適する。したがって、領域分離手段にて分離された領域の種類に応じて、相対的に適合する構成を選択すれば、さらに良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおける2ドット目の終端部に不使用領域を設けた構成、および各ドット領域に対するドットデータの書き込み動作を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態における画像処理装置を備えたデジタルカラー複写機の全体構成図である。
【図3】本発明の実施の一形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した中間調処理部において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスを画像メモリ上に展開する様子を示す説明図である。
【図5】図1に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図6】2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクス構成において、1ドット領域当たりに256階調を持たせた場合の入力コードと階調数との関係を示すグラフである。
【図7】図6に示したグラフにおいて、図1に示した不使用領域により階調数が減少する状態の説明図である。
【図8】図6に示したグラフに対して、図1に示した不使用領域により階調数が減少したときの入力コードと階調数との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の他の形態の画像処理装置の動作において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおける3ドット目の始端部にオフセット領域を設けた構成、および各ドット領域に対するドットデータの書き込み動作を示す説明図である。
【図10】図9に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおける2ドット目の終端部に不使用領域を設けるとともに、3ドット目の始端部にオフセット領域を設けた構成、および各ドット領域に対するドットデータの書き込み動作を示す説明図である。
【図12】図11に示した処理による入力コードとレーザドライバの出力パルス幅(時間)との関係を示すグラフである。
【図13】図11に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図14】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおける2ドット目の終端部に不使用領域を設けた構成において、この不使用領域を広げる動作を示す説明図である。
【図15】図14に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図16】感光体上における1ドット領域とレーザビームによる露光範囲との関係を示す説明図である。
【図17】2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおいて主走査方向の2個のドット領域に順次ドットデータを書き込んだ場合の感光体上でのレーザビームによる露光動作を示す説明図である。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの各ドット領域に対して対角線状にドットデータを書き込む動作の説明図である。
【図19】2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスにおいて図18に示された順序で2個のドット領域に順次ドットデータを書き込んだ場合の感光体上でのレーザビームによる露光動作を示す説明図である。
【図20】図18に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図21】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの副走査方向に隣り合うドット領域に対し、同時または交互にドットデータを書き込んでいく動作の説明図である。
【図22】図21に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図23】図21に示した構成において、ドット領域Bおよびドット領域Dの終端部に不使用領域を設けた構成を示す説明図である。
【図24】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの副走査方向に隣り合うドット領域の始端部において、同時または交互にドットデータを書き込んでいく動作の説明図である。
【図25】図24に示した処理において、ドット領域Aからドット領域Dの終端部までドットデータを書き込む場合の過程を示す説明図である。
【図26】図24に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図27】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの主走査方向の1行の最後部のドット領域の終端部とこの行と副走査方向に隣り合う行の最前部のドット領域の始端部とに対し、同時または交互にドットデータを書き込んでいく動作の説明図である。
【図28】図27に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図29】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの主走査方向の1行にドットデータを書き込んでいく際に、これと副走査方向に隣り合う行の最前部のドット領域の始端部に対してドットデータを書き込む動作の説明図である。
【図30】図29に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図31】本発明の実施のさらに他の形態の画像処理装置において、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの主走査方向の1行における最前部のドット領域にドットデータを書き込んでいく際に、これと副走査方向に隣り合う行の最前部のドット領域の始端部に対してドットデータを書き込む動作の説明図である。
【図32】図31に示した処理を行う本実施の形態の画像処理装置による中間調γ特性と、従来の画像処理装置による中間調γ特性とを示すグラフである。
【図33】従来の画像処理装置における要部の概略構成を示すブロック図である。
【図34】従来の画像処理装置での、2ドット領域×2ドット領域のディザマトリクスの各ドット領域に対するドットデータの書き込み動作を示す説明図である。
【図35】図34に示した処理において、各ドット領域にドットデータを書き込む場合の過程を示す説明図である。
【図36】図34に示した処理による中間調γ特性を示すグラフである。
【図37】図34に示した処理による階調特性を模式的に示す説明図である。
【図38】図33に示したパルス幅変調部が備えるPWM−ICの出力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ディザマトリクス
2 不使用領域
3 オフセット領域
11 画像処理装置
13 画像処理部
14 画像メモリ(画像データ記憶手段)
15 画像データ出力部
16 CPU
33 領域分離部
38 中間調処理部(多値ディザ処理手段)
41 レーザコントロールユニット
42 レーザスキャナユニット
Claims (9)
- 画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、
前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するものであり、
前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に前記オフセット領域を設定することを特徴とする画像処理装置。 - 画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、
前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの、少なくとも一つのドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域を設定するとともに、少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するものであり、
前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を始端ドット領域列とするとき、副走査方向の第1行目を除き、始端ドット列の少なくとも一つのドット領域の始端部に前記オフセット領域を設定することを特徴とする画像処理装置。 - 画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、
前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの少なくとも一つのドット領域の終端部に、ドットデータを書き込まない不使用領域を設定するものであり、
前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に前記不使用領域を設けるものであり、
前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスの各ドット領域に対するドットデータの書き込みを、レーザ走査の場合の主走査方向に各ドット領域が並ぶドット領域行内においては主走査方向に並ぶドット領域の順序で行い、順次、副走査方向に各ドット領域行に対して行うとともに、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大するものであることを特徴とする画像処理装置。 - 画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、
前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスを構成する複数のドット領域のうちの、少なくとも一つのドット領域の終端部にドットデータを書き込まない不使用領域を設定するとともに、少なくとも一つのドット領域の始端部に、そのディザマトリクスに与えられた階調データとは関係なくドットデータを書き込むオフセット領域を設定するものであり、
前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、前記ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最下流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列を終端ドット領域列とするとき、この終端ドット領域列における少なくとも一つのドット領域の終端部に前記不使用領域を設けるものであり、
前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスの各ドット領域に対するドットデータの書き込みを、レーザ走査の場合の主走査方向に各ドット領域が並ぶドット領域行内においては主走査方向に並ぶドット領域の順序で行い、順次、副走査方向に各ドット領域行に対して行うとともに、不使用領域を設定した終端ドット領域に続いてその次行の始端ドット領域へのドットデータの書き込みが必要であるときに、その終端ドット領域の不使用領域を拡大するものであることを特徴とする画像処理装置。 - 画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に複数のドット領域からなるディザマトリクスを展開するとともに、入力された多値画像データに対して疑似的に階調を付与する多値ディザ処理を行ない、その処理結果を前記ドット領域にドットデータとして書き込む多値ディザ処理手段とを備えている画像処理装置において、
前記ディザマトリクスは、mドット領域×nドット領域(m、nは2以上の正の整数で、m=nを含む)からなり、前記多値ディザ処理手段は、ディザマトリクスにおけるレーザ走査の場合の主走査方向の最上流側にて副走査方向にドット領域が並ぶ列に位置する、各々1行以上の第1のドット領域行と第2のドット領域行とのドット領域に対して、ドットデータを順次振り分けて主走査方向への書き込みを開始した後、その後のドットデータの書き込み順序を、第1のドット領域行に対しては書き込みを継続する一方、第2のドット領域行に対しては書き込みを停止するとともに、第1のドット領域行に対しての書き込みが終了した後、第2のドット領域行に対して、先に書き込みを終えた部分に続いて書き込みを行うものであることを特徴とする画像処理装置。 - 文字画像に適した画像処理行うための文字モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により文字モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行うことを特徴とする請求項1、2または5の何れか1項に記載の画像処理装置。
- 写真画像に適した画像処理を行うための写真モードを選択可能なモード選択手段を備え、このモード選択手段により写真モードが選択されたときに、前記多値ディザ処理手段による処理を行うことを特徴とする請求項1、2、または5の何れか1項に記載の画像処理装置。
- 入力画像データから文字領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された文字領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行うことを特徴とする請求項1、2または5の何れか1項に記載の画像処理装置。
- 入力画像データから写真領域を分離可能な領域分離手段を備え、この領域分離手段にて分離された写真領域に対して前記多値ディザ処理手段による処理を行うことを特徴とする請求項1、2または5の何れか1項に記載の画像処理装置。
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