JP3722900B2 - 金属屑の減圧脱油装置 - Google Patents

金属屑の減圧脱油装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス鋼帯などの金属帯を製造する工場において、製造工程中に発生する含油含水金属屑を大気圧以下の減圧下で加熱し、油分および水分を蒸発させて除去するとともに、その蒸気を凝縮して油分および水分を回収する金属屑の減圧脱油装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼帯などの金属帯を製造する工場では、工場内で発生する種々の金属屑は勿論のこと、工場外で発生する種々の金属屑をも含め、種々雑多の金属屑を再利用して省資源化を図っている。すなわち、種々雑多の金属屑を電気炉などの溶解設備に他の原料とともに装入し、高温で溶解して金属溶湯を溶製している。さらに、この金属溶湯は所望とする化学成分に精錬され、凝固後、圧延加工などを経て金属帯に製造されている。前記金属屑は、たとえば金属帯の表面疵を除去するために行われる研削、研磨工程において発生する。金属帯の研削、研磨工程においては、研削油あるいは研磨油として、第2石油類および第3石油類などの鉱油あるいは動物油が用いられ、さらに研削剤、切削剤および洗浄剤として水や薬液が用いられる。発生する金属屑は、不定形な粉状あるいは綿状であり、油分および水分を多量に含有している。また、金属帯をたとえば放電加工、切断加工、旋盤加工および穴あけ加工する際にも、主として冷却および潤滑のために前記油、水および薬液が用いられるので、前記加工によって発生する粉粒状あるいは繊維状の金属屑にも、同様に油分および水分が多量に含まれる。
【0003】
また、一般的に金属屑は、あまり費用をかけずに雑な扱いを受けることが多いので、その運搬方法や保管方法が不適切な場合、あるいはその保管が長期にわたる場合には、湿気を帯びて水分を多量に含有しやすい。さらに雨水が直接かかったり、保管場所の床から水分が侵入したりして、金属屑が水分を含有するに至りやすい。しかも、一旦水分を含有すると金属屑は、その形状効果によって乾燥されにくい。
【0004】
このようにして発生する油分および水分を含有している金属屑を、資源として有効に再利用を図り、かつ含有している油分についても極力再利用を図るためには、この含有している油分および水分を金属屑から除去する必要がある。これは、油分を充分に除去していない金属屑をたとえば前記電気炉などの溶解設備に装入して、高温で溶解すると爆発燃焼など異常燃焼の発生する恐れがあるからであり、水分が含有されている金属屑を金属溶湯中に装入すると水蒸気爆発の発生する恐れがあるからである。
【0005】
金属屑から油分を除去する先行技術としては、たとえば特開平7−118767号公報および特開平7−126764号公報が開示されている。特開平7−118767号公報には、油分を含有する金属屑を、油分の一部を遠心分離機によって除去した後に圧縮成形し、形成された成形物を減圧脱油装置によって、真空雰囲気中で、加熱して油分を蒸発除去する方法が開示されている。また、特開平7−126764号公報には、油分および水分を含有する金属屑を、油分および水分の一部を遠心分離機によって除去した後に圧縮成形し、形成された成形物を減圧脱油装置によって真空雰囲気中で、加熱して油分および水分を蒸発除去する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平7−118767号公報に開示されている先行技術では、含油金属屑から蒸発した油蒸気は、ガス冷却器で冷却されて凝縮し、凝縮した油分は回収タンクに回収される。また、未凝縮の油分は、燃焼器で燃焼されて大気中に放出される。しかしながら本先行技術には、油分の回収時、および油分の燃焼時に次のような問題がある。
【0007】
▲1▼凝縮した油分を回収タンクに回収するとき、回収タンクなどから空気がガス冷却器内に侵入し、ガス冷却器内のオイルミストと空気中の酸素とが反応して異常燃焼の発生する恐れがある。
▲2▼未凝縮油分を燃焼器で燃焼するとき、燃焼むらによって油分が未燃焼のまま大気中に放出され、地域住民から異臭に関する苦情がよせられることがある。
前記特開平7−126764号公報に開示されている先行技術では、含油含水金属屑から蒸発した油蒸気および水蒸気は、ガス冷却器で冷却されて凝縮し、凝縮した油分および水分は回収タンクに回収され、回収された油水混合液体は、比重差によって油分と水分とに分離される。また未凝縮の油分は、燃焼器で燃焼されて大気中に放出される。しかしながら、本先行技術には、油分の回収時および油分の燃焼時に前記▲1▼および▲2▼に記載した問題があるばかりでなく、さらに油水分離された油分および水分の排出時に次のような問題がある。
▲3▼回収された油分および水分の混合液体を油分と水分とに分離し、分離された分離油および分離水を個別に回収タンクから外部に排出するとき、油分および水分のうちいずれか一方が少量であれば、両者の混合液体を排出する恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、前記問題を解決し、含油含水金属屑から油分および水分を安全に回収することが可能であり、かつ油分の大気放散による異臭の発生を確実に防止することができ、さらに油水分離された分離油および分離水を完全分離の状態で排出することができる金属屑の減圧脱油装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、含油含水金属屑を加熱および冷却する減圧脱油炉と、減圧脱油炉内に吸引力を導く吸引手段と、吸引手段の吸引力によって吸引される減圧脱油炉の排出ガスから油分および水分を回収する油水回収手段とが備えられ、含油含水金属屑は減圧脱油炉内の略大気圧以下の減圧下で加熱され、油分および水分が蒸発して除去されるとともに、その蒸気を前記油水回収手段によって凝縮して油分および水分を回収する金属屑の減圧脱油装置において、
前記油水回収手段に、油水回収手段の内部圧力が大気圧よりも高くなるように不燃性の雰囲気ガスを供給する手段が設けられていることを特徴とする金属屑の減圧脱油装置である。
本発明に従えば、油水回収手段には雰囲気ガス供給手段が設けられているので、油水回収手段内に不燃性の雰囲気ガスを導入することができる。また、雰囲気ガスの圧力を大気圧よりも高くすることによって外部からの空気の侵入を防止することができる。これによって、油水回収手段内の油分と空気中の酸素との反応を回避することができるので、異常燃焼の発生が未然に防止される。また、凝縮した油分および水分を外部に回収するときには、大気圧よりも高い雰囲気ガスの圧力が押圧力として作用するので、油分および水分を迅速に回収することができる。
【0010】
また、本発明の前記雰囲気ガス供給手段は、
雰囲気ガスが圧縮された状態で貯留されるガス供給源と、
供給された雰囲気ガスを油水回収手段に導く雰囲気ガス供給管路と、
ガス供給源から雰囲気ガス供給管路を経て油水回収手段に供給される雰囲気ガスの供給量を調整する手段とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、油水回収手段に供給される雰囲気ガスの供給量を調整することができるので、油水回収手段の内部空間の容積に応じて雰囲気ガスの供給量を調整し、内部空間の圧力を大気圧以上の所定値に保つことができる。たとえば、油水回収手段内に凝縮している油分および水分の量が多いときには、雰囲気ガスの供給量を少なくし、油分および水分の量が少ないときには雰囲気ガスの供給量を多くして内部空間の圧力を調整することができる。このため、内部空間の圧力を大気圧よりも高くして外部からの空気の侵入を防止することができ、異常燃焼の発生を未然に防止することができる。また、凝縮した油分および水分を外部に回収するときには、雰囲気ガスの圧力が押圧力として作用するので、油分および水分を迅速に回収することができる。
【0011】
また本発明は、前記油水回収手段に、回収された油分および水分の混合液体を油分と水分とに分離する油水分離手段が備えられていることを特徴とする。
本発明に従えば、油水回収手段には油水分離手段が備えられているので、回収された油水混合液体は油分と水分とに確実に分離される。このため、分離した油分を再利用して減圧脱油装置の燃料油として使用することができる。
【0012】
また、本発明の前記油水分離手段は、
回収された油分および水分の混合液体を貯留する容器本体と、
容器本体の底部に設けられ、分離された分離水を外部に導く送水管路と、
送水管路に設けられ、分離水を送水する送水ポンプと、
送水管路の上方に予め定める間隔をあけて設けられ、設置位置における水分の有無を検出する水センサと、
水センサの上方に予め定める間隔をあけて設けられ、設置位置における油分の有無を検出する油センサと、
油センサの上方に予め定める間隔をあけて設けられ、分離された分離油を外部に導く送油管路と、
送油管路に設けられ、分離油を送油する送油ポンプと、
送油管路の上方に予め定める間隔をあけて設けられ、油分および水分の総貯留量が所定量に達しているか否かを検出するレベルセンサとを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、油水分離手段の容器本体は回収された油分および水分の混合液体を貯留し、レベルセンサは油分および水分の総貯留量が所定値に達しているか否かを検出し、それが所定量に達しているときに水センサおよび油センサを作動させる。水センサは、設置位置における水分の有無を検出して、水分が存在するときには、水センサ下部の送水管路から分離水の送水を開始させ、油センサは設置位置における油分の有無を検出して、油分が存在するときには、油センサ上部の送油管路から分離油の送油を開始させる。また、各センサおよび各管路は、予め定める間隔をあけて設置される。
これによって、送水管路と水センサとの間隔は、送水管路から分離水を排出する際に、油分を巻込んで排出しないように適正な間隔に設定することができ、送油管路と油センサとの間隔は、送油管路から分離油を排出する際に、水分を巻込んで排出しないように適正な間隔に設定することができる。また、前記各センサ位置に油分または水分が存在しなければ、分離油または分離水の排出が行われないので、油分または水分のいずれか一方の貯留量が少ないときには、少ない方の分離油または分離水の排出は行われない。このため、貯留量の少ない油分または水分を排出するときに発生しやすい油水混合液体の排出が確実に防止される。このように、分離油および分離水の排出時に油水混合液体を排出する恐れがないので、分離油および分離水は完全に分離された状態で排出される。
【0013】
また本発明は、前記吸引手段の排ガス流れ方向下流側に、吸引手段からの排ガスを燃焼する排ガス燃焼手段が設けられていることを特徴とする。
本発明に従えば、排ガス燃焼手段が設けられているので、排ガス中に含まれる未凝縮の油分は燃焼された後、大気中に放出される。このため、油分の大気放散による異臭の発生を未然に防止することができる。また、排ガス燃焼手段が吸引手段の下流側に設けられているので、それが吸引手段の上流側に設けられる場合と比べて吸引手段の負荷の増大を回避することができる。
【0014】
また、本発明の前記排ガス燃焼手段は、
燃焼炉本体と、
燃焼炉本体の軸線方向一端部に設けられ、前記分離油を燃焼して炉本体内の温度を所定温度以上に昇温するオイルバーナと、
吸引手段からの排ガスを燃焼炉本体に導く排ガス案内手段とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、燃焼炉本体のオイルバーナは前記分離油を燃焼して炉本体内の温度を所定温度以上に昇温し、排ガス案内手段は吸引手段からの排ガスを燃焼炉本体に導く。このように、排ガス中の未凝縮油分が所定温度以上に昇温された炉内に導かれて燃焼されるので、排ガス中の油分を確実に燃焼することができる。
【0015】
また、本発明の前記排ガス案内手段は、燃焼炉本体内でオイルバーナの火炎によって形成される領域の両側で相互に逆向きに位置を違えて前記排ガスを燃焼炉本体内に個別に供給する第1および第2排ガス供給管路を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、吸引手段からの排ガスは、第1および第2排ガス供給管路から燃焼炉本体内へ前記オイルバーナの火炎形成領域に旋回流となって流入するので、排ガス中の油分は前記火炎形成領域内において均一に分散され、燃焼むらを生ずることなく完全に燃焼する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である金属屑の減圧脱油装置の構成を簡略化して示す系統図であり、図2は図1に示す減圧脱油装置を備える脱油設備の構成を簡略化して示す平面図である。金属屑の油分および水分を除去する設備である脱油設備1は、図2に示すように遠心分離手段3と、第1成型手段4と、異物除去手段5と、第2成型手段6と、減圧脱油手段7とを含んで構成される。
【0017】
遠心分離手段である遠心分離機3は、油分含有量の多い含油含水金属屑から成る第1原料を、遠心分離して、第1原料から油分および水分の一部を予め除去する。含油含水金属屑の油分含有量は、たとえば遠心分離前で約45〜50%wtであり、遠心分離後で約10%wtである。第1成型手段である第1成型装置4は、遠心分離機3によって油分および水分の一部が除去された金属屑を、圧縮成形して、固形の成形物を形成する。異物除去手段5は、油分含有量が少なく、かつ砥粉などの粉粒状の異物を含有する含油含水金属屑から成る第2原料を、振動させて、第2原料から前記砥粉などの異物を除去する。第2成形手段である第2成型装置6は、異物除去手段5によって異物が除去された金属屑を、圧縮成形して、固形の成形物を形成する。減圧脱油手段である減圧脱油装置7は、前記第1および第2成型装置4,6によって成形された各成形物を大気圧以下の減圧下で加熱して各成形物内に残存する油分および水分を蒸発させて除去し、蒸発した油分および水分を凝縮させて回収する。前記減圧脱油処理後の各成形物の油分含有量は、たとえば1%wt以下である。
【0018】
前記第1原料は、運搬用容器36に収納された状態で、前記第1原料搬入用の運搬用車両34に搭載されて脱油工場内に搬入される。搬入された第1原料は、クレーンによって、運搬用車両34から直接、または原料置場37に一時的に載置された後に、受入ホッパ15に選択的に投入される。受入ホッパ15に投入された第1原料は、搬送装置16によって搬送されて遠心分離機3に供給され、油分および水分の一部が除去される。油分および水分の一部が除去された金属屑は、搬送装置16によって搬送され、中継ホッパ21を経て第1成型装置4に供給され、引続き成形物に圧縮成形されて成形物台車25上のバケット24に投入される。
【0019】
第2原料は、第2原料搬入用の運搬用車両35に直接搭載されて脱油工場内に搬入され、運搬用車両35から直接受入ホッパ17に投入される。受入ホッパ17に投入された第2原料は、異物除去手段5によって砥粉などの異物が除去される。この異物除去手段5によって除去された異物は、異物搬送手段18によって異物置場19に搬送される。異物が除去された金属屑は、搬送手段20によって搬送され、中継ホッパ22を経て第2成型装置6に供給され、引続き成形物に圧縮成形されて成型物台車25上のバケット24に投入される。
【0020】
成形物が投入されたバケット24は、クレーンによって受入仮置台29に移動されて載置される。受入仮置台29に載置されたバケット24は、バケット搬送手段27によって前記減圧脱油装置7に備えられている2基の減圧脱油炉8のうちのいずれかに選択的に装入され、バケット24内の成形物内に残存している油分および水分が除去される。各減圧脱油炉8内での脱油および脱水が終了すると、バケット24はバケット搬送手段27によって各減圧脱油炉8内から搬出され、払出仮置台30に載置される。払出仮置台30に載置されたバケット24は、クレーンによって、直接または成型物置場31に一時的に載置された後に、払出手段32に移動される。この払出手段32によって、バケット24が傾転されることによって、成形物が搬出用の運搬用車両33に搭載され、製鋼工場などに運搬される。
【0021】
図1を参照して、金属屑の減圧脱油装置7は、減圧脱油炉8と、雰囲気ガス供給手段9と、油水回収手段である油水回収装置10と、吸引手段である真空排気装置11と、排ガス燃焼手段である排ガス燃焼装置12と、油水分離手段である油水分離器13とを含んで構成される。
【0022】
前記減圧脱油炉8は、炉本体40と、ラジアントチューブ41と、循環ファン43とを含む。炉本体40は、略円筒形の胴部を有する鋼製密閉容器であり、その軸線は水平面と平行である。炉本体40の軸線方向一端部側の炉壁には開口部が形成されており、開口部には炉蓋44が開閉自在に設けられている。前記含油含水成形物は、前記バケット24内に投入された状態で、バケット24とともに炉本体40内に開口部を通って装入される。
【0023】
ラジアントチューブ41は、耐熱鋼製チューブであり、炉本体40内に配置される。ラジアントチューブ41の一端部には、オイルバーナ45が設けられており、オイルバーナ45はラジアントチューブ41内でオイルを燃焼する。オイルバーナ45の燃焼排ガスは、ラジアントチューブ41内を通過し、炉本体40内に導入された雰囲気ガスを加熱した後、排ガス管46から大気中に放出される。循環ファン43は、炉本体40の上部に設けられ、含油含水成形物の昇温時および冷却時に炉本体40内に導入された雰囲気ガスを循環させて、含油含水成形物を対流熱伝達によって加熱および冷却する。
【0024】
前記真空排気装置11は、油回転ポンプ47とルーツポンプ48とを含み、減圧脱油炉8の炉本体40内に吸引力を導き、炉内圧力を大気圧以下に減圧する。減圧脱油炉8内の真空度、温度および残存酸素濃度は、真空計93、温度計94および酸素濃度計95によってそれぞれ計測される。含油含水成形物は、減圧脱油炉8において雰囲気ガス中で加熱され、引続き大気圧以下に減圧されて、油分および水分を蒸発除去された後、雰囲気ガス中で冷却される。加熱および冷却時に炉内に導入される雰囲気ガスとしては、不燃性ガスである窒素ガスまたは不活性ガスを用いることが好ましい。本実施の形態では、安価で入手の容易な窒素ガスが用いられる。減圧脱油炉8の上部には、放出管90と、放出弁91とが設けられている。減圧脱油炉8は、真空容器として構成されているので、窒素ガス導入時、炉内圧力が大気圧を超えるときには放出弁91を開放して窒素ガスを大気中に放出し、炉内圧力を大気圧に保持する。
【0025】
前記雰囲気ガス供給手段である窒素ガス供給装置9は、ガス供給源である窒素ガスタンク50と、窒素ガスを減圧脱油炉8に導く第1窒素ガス供給管路51と、第1窒素ガス供給管路51から分岐して窒素ガスを油水回収装置10に導く第2窒素ガス供給管路53と、第1窒素ガス供給管路51に設けられる窒素ガス導入弁54と、第2窒素ガス供給管路53に設けられる窒素ガス調整弁55とを含む。窒素ガスタンク50は、窒素ガスを圧縮した状態で貯留する。貯留されている窒素ガスの圧力は、たとえば9.5kg/cm2である。窒素ガス導入弁54は、減圧脱油炉8に供給される窒素ガスの供給量をオン/オフ制御する。窒素ガスは、窒素ガスタンク50から第1窒素ガス供給管路51および窒素ガス導入弁54を経て減圧脱油炉8に供給される。
【0026】
窒素ガス調整弁55は、図3に示すように減圧弁55a、ニードル弁55bおよび2ポート2位置切換弁55cから構成されており、各弁は窒素ガスの流れ方向上流側からこの順序に配置されている。減圧弁55aは窒素ガスの圧力を所定圧力に減圧し、ニードル弁55bは窒素ガスの流量を所定流量に調整し、2ポート2位置切換弁55cは所定圧力および所定流量に調整された窒素ガスをオン/オフ制御する。これによって、窒素ガス調整弁55は、油水回収装置10に供給される窒素ガスの供給量を所望の値に調整することができる。窒素ガスは、窒素ガスタンク50から第1および第2窒素ガス供給管路51,53ならびに窒素ガス調整弁55を経て油水回収装置10に供給される。
【0027】
前記減圧脱油炉8には、炉内から排出される排ガスを導く真空排気管路56が接続されている。真空排気管路56は、主排気弁57、油水回収装置10、排気弁58および真空弁59を経由して真空排気装置11に接続される。真空排気装置11からの排ガスは、オイルミストトラップ62と、排ガス燃焼装置12とを通過して大気中に放出される。
【0028】
前記油水回収装置10は、凝縮タンク10aと、冷却水が通水される冷却チューブ10bとを含む。前記減圧脱油炉8の減圧脱油処理時に炉外に排出された排ガスは、真空排気管路56を経由して油水回収装置10に到達し、冷却チューブ10bによって冷却される。冷却された排ガス中の油分蒸気および水分蒸気は、凝縮して液化し、凝縮タンク10aの底部に滴下する。凝縮タンク10aの底部に溜まった油分および水分の混合液体(以後、「油水混合液体」と略称する)は、減圧脱油処理中、貯留される。減圧脱油処理終了後、貯留されている前記油水混合液体は、回収管路60および回収弁61を介して回収され、前記油水分離器13に貯留される。また、減圧脱油炉8の加熱処理中、含油含水成形物中の油分は、粘度低下によって含油含水成形物から滲みでて減圧脱油炉8の炉底部に滴下する。炉底部に溜まった油分は、オイル回収管路63およびオイル回収弁64を介して回収され、前記油水分離器13に貯留される。
【0029】
前記油水回収装置10から油水分離器13に前記油水混合液体を回収する際には、前記凝縮タンク10aの内部に窒素ガスを導入して内部空間を窒素ガスで置換し、かつ内部圧力を大気圧よりも高くすることが好ましい。これは、回収時に外部、たとえば油水分離器13から回収管路60を介して空気が凝縮タンク10a内に侵入し、油分と空気中の酸素との反応によって異常燃焼の発生する恐れがあるからである。
【0030】
本実施の形態では、前述のように前記窒素ガス供給装置9が前記油水回収装置10に接続されているので、前記凝縮タンク10a内に窒素ガスを導入して内部空間を窒素ガスで置換することができる。また、前記窒素ガス調整弁55によって供給される窒素ガスの圧力および流量を所望の値に調整することができるので、凝縮タンク10aの内部空間の容積に応じて雰囲気ガスの供給量を調整し、内部空間の圧力を大気圧以上の所定値に保つことができる。たとえば、凝縮タンク10a内に凝縮して貯留されている前記油水混合液体の貯留量が多いときには、窒素ガスの供給量を少なくし、前記貯留量が少ないときには、窒素ガスの供給量を多くして内部空間の圧力を調整することができる。このため、外部から凝縮タンク10a内への空気の侵入が防止され、異常燃焼の発生が未然に防止される。さらにまた、炉内圧力が大気圧以上に保持されているので、その圧力によって前記油水混合液体を押圧し、それを前記油水分離器13へ迅速に移送することができる。
【0031】
図4は、図1に示す油水分離器の構成を簡略化して示す正面図である。油水分離器13は、容器本体66と、送水管路67と、送水ポンプ68と、水センサ69と、油センサ70と、送油管路71と、送油ポンプ73と、レベルセンサ74とを含んで構成される。容器本体66は鋼製密閉容器であり、回収された前記油水混合液体および油分を貯留する。送水管路67は、最も容器本体66の底部寄りに設けられており、分離された分離水を外部の水タンク(図示せず)に導く。送水ポンプ68は、送水管路67に設けられており、分離水を送水する。
【0032】
水センサ69は、送水管路67の上方に間隔をあけて設けられており、設置位置における水分の有無を検出する。油センサ70は、水センサ69の上方に間隔をあけて設けられており、設置位置における油分の有無を検出する。送油管路71は、油センサ70の上方に間隔をあけて設けられており、分離された分離油を外部の油タンク(図示せず)に導く。送油ポンプ73は、送油管路71に設けられており、分離油を送油する。
【0033】
レベルセンサ74は、排出停止レベルセンサ74aと、オーバーフローレベルセンサ74bとを含む。排出停止レベルセンサ74aは、送油管路71の上方に間隔をあけて設けられており、油分および水分の総貯留量が排出停止レベルL1に達しているか否かを検出する。オーバーフローレベルセンサ74bは、排出停止レベルセンサ74aの上方に間隔をあけて設けられており、前記総貯留量がオーバーフローレベルに達しているか否かを検出し、オーバーフローレベルに到達しているときには警報を発令する。
【0034】
回収された前記油水混合液体は、油水分離器13の容器本体66内に貯留され、比重の差を利用して油分と水分とに2層分離される。2層分離された分離層の上層には、比重の小さい油分層が存在し、下層には比重の大きい水分層が存在する。前記総貯留量が所定量以上に達すれば、各分離層は個別に外部に排出される。たとえば、油センサ70が設置位置における油分の存在を検出したときには、送油ポンプ73が運転され、油分層から分離油が送油管路71を介して外部の油タンクに送油される。また、水センサ69が設置位置における水分の存在を検出したときには、送水ポンプ68が運転され、水分層から分離水が送水管路67を介して外部の水タンクに送水される。なお、外部の油タンクに送油された分離油は、前記減圧脱油炉8のオイルバーナ45などの燃料として再利用される。
【0035】
前記各センサおよび各管路は、容器本体66の底部から上方に向かって送水管路67、水センサ69、油センサ70、送油管路71およびレベルセンサ74の順序に配置されており、その間隔は予め定める適正な値に設定されている。たとえば、送水管路67と水センサ69との間隔は、送水管路67から分離水を排出する際に、油分を巻込んで排出しないように適正な間隔に設定されており、送油管路71と油センサ70との間隔は、送油管路71から分離油を排出する際に、水分を巻込んで排出しないように適正な間隔に設定されている。また、排出停止レベルセンサ74aと、オーバーフローセンサ74bとの間隔は、減圧脱油炉8の1バッチ分の操業によって回収される油分および水分の総量に基づいて適正な間隔に設定されている。
【0036】
なお、前記水センサ69または油センサ70の設置位置に水分または油分が存在しなければ、分離油または分離水の排出が行われないので、水分または油分のいずれか一方の分離層の層厚が薄くてセンサ位置から外れているときには、層厚の薄い分離層からの排出は行われない。したがって、層厚の薄い分離層を排出するときに発生しやすい油水混合液体の排出が防止される。
【0037】
このように、本実施の形態では、分離油および分離水の排出時に油水混合液体を排出する恐れがないので、分離油および分離水は完全に分離された状態で排出される。このため、分離油の品質を高品位に保つことができ、前記減圧脱油炉8などの燃料として好適に使用することができる。
【0038】
図5は図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す正面図であり、図6は図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す側面図であり、図7は図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す平面図である。排ガス燃焼装置12は、前記真空排気装置11の排ガス流れ方向下流側に設けられ、真空排気装置11からの排ガス中に含まれる油分を燃焼する装置である。この排ガス中の油分は、前記油水回収装置10によって油分および水分を回収した後の未凝縮油分である。このように、排ガス燃焼装置12が真空排気装置11の下流側に設けられているので、それが上流側に設けられている場合と比べて、真空排気装置11の負荷の増大を回避することができる。このため、真空排気装置の容量を小さくすることができる。
【0039】
排ガス燃焼装置12は、燃焼炉本体76と、オイルバーナ77と、排ガス案内手段である排ガス案内管路78とを含んで構成される。燃焼炉本体76は、略円筒形の胴部を有する横形燃焼炉であり、その軸線は水平面に対して平行である。燃焼炉本体76の軸線方向一端部には、オイルバーナ77が設けられており、軸線方向他端部には燃焼排ガスを煙突に導く排出管路79が設けられている。オイルバーナ77は、前記分離油を燃料として燃焼することのできるバーナであり、その軸線は燃焼炉本体76の軸線と平行である。オイルバーナ77には、オイル供給管路80と、燃焼空気供給管路81とが接続されている。前記燃焼炉本体76は、オイルバーナ77によって前記排ガス中の油分が燃焼不良を生じない所定温度以上に加熱される。燃焼炉本体76の温度は、熱電対96によって計測される。前記分離油は、オイル供給管路80に設けられているオイル減圧弁ユニット83、オイル温度計84およびストップ弁85を経てオイルバーナ77に供給される。
【0040】
前記排ガス案内管路78は、燃焼炉本体76の炉頂部近辺から炉内に排ガスを供給する第1排ガス供給管路86と、燃焼炉本体76の炉底部近辺から炉内に排ガスを供給する第2排ガス供給管路87とを含む。前記第1排ガス供給管路86および第2排ガス供給管路87は、燃焼炉本体76の軸線に対して垂直な一仮想鉛直面88内に存在し、その面内において第1排ガス供給管路86の供給口86aと、燃焼炉本体76の軸線と、第2排ガス供給管路87の供給口87aとは、一仮想直線89上に存在する。前記第1および第2排ガス供給管路86,87は、真空排気管路56から分岐した管路であり、燃焼炉本体76の上方においてT字管82を介して真空排気管路56と接続されている。なお、第1排ガス供給管路86および第2排ガス供給管路87には、伸縮管継手92がそれぞれ設けられている。伸縮管継手92は、各管路の熱膨張および熱収縮を吸収する。
【0041】
前記真空排気装置11からの排ガスは、真空排気管路56、第1および第2排ガス供給管路86,87を経て各供給口86a,87aから燃焼炉本体76内に導入され、炉内において排ガス中の油分が燃焼される。前記炉内の温度は、前記オイルバーナ77によって前記所定温度、たとえば600℃以上に昇温されている。燃焼炉本体76から排出される燃焼排ガスは、煙突を通って大気中に放出される。また、第1および第2排ガス供給管路86,87から燃焼炉本体76内に供給される排ガスは、燃焼炉本体76内でオイルバーナ77の火炎によって形成される領域の両側で相互に逆向きに位置を違えて導入されるので、前記火炎形成領域に旋回流となって流入する。このため、排ガス中の油分は、前記火炎形成領域内において均一に分散される。
【0042】
このように本実施の形態では、真空排気装置11からの排ガスは、所定温度以上に加熱された炉内空間に油分が均一な分散状態になるように供給されるので、排ガス中の油分は燃焼むらを生ずることなく、確実に燃焼される。このため、油分の大気放散による異臭の発生を未然に防止することができる。
【0043】
図8は、減圧脱油装置の動作を示すタイムチャートである。図1および図8によって減圧脱油装置7の操業方法を説明する。時刻t1では、排ガス燃焼装置12の運転が開始され、含油含水成形物が減圧脱油炉8内に装入される。排ガス燃焼装置12の運転開始は、オイルバーナ77を点火することによって行われ、その運転は減圧脱油装置7の操業全期間中継続される。含油含水成形物の装入は、前記バケット24内に含油含水成形物を投入した状態で行われ、減圧脱油炉8の炉蓋44を開放し、炉内にバケット24を押込み、炉蓋44を密閉することによって行われる。
【0044】
時刻t2では、減圧脱油炉8内の空気のパージが開始される。空気のパージの開始は、排ガス燃焼装置12の燃焼炉本体76の炉内温度が600℃以上に達した後に行われる。これは、炉内温度を600℃以上に昇温しておくことによって、炉内に導入される排ガス中の油分の燃焼不良を防止することができるからである。減圧脱油炉8内の空気のパージは、炉内における異常燃焼の発生を防止するために行われる。すなわち、炉内に空気が存在する状態で含油含水成形物を加熱すると、油分と空気中の酸素との反応によって異常燃焼の発生する危険がある。空気のパージは、炉内の空気を吸引除去することによって行われ、その開始は、油回転ポンプ47を運転し、主排気弁57、排気弁58および真空弁59を開とすることによって行われる。時刻t3では、ルーツポンプ48の運転が開始される。ルーツポンプ48の運転開始は、炉内圧力が油回転ポンプ47による限界炉内圧力、たとえば1.3kPaに達した後に行われる。
【0045】
時刻t4では、減圧脱油炉8において空気のパージが停止され、引続き炉内への窒素ガスの供給が開始され、さらに加熱処理が開始される。空気のパージの停止は、炉内圧力が所定圧力、たとえば100Paに到達した時点で行われ、油回転ポンプ47およびルーツポンプ48の運転が停止され、排気弁58および真空弁59が閉じられる。なお、主排気弁は、開状態のまま保持される。炉内への窒素ガスの供給開始は、窒素ガス導入弁54を開とすることによって行われる。これによって、窒素ガスは第1窒素ガス供給管路51を経由して減圧脱油炉8内に供給されるとともに、さらに主排気弁57が開放されているので、真空排気管路56を経て油水回収装置10内に供給される。減圧脱油炉8の加熱処理の開始は、オイルバーナ45を点火することによって行われる。時刻t5では、循環ファン43の運転が開始される。循環ファン43の運転開始は、窒素ガスの導入によって炉内圧力が所定圧力、たとえば50kPa以上まで上昇した時点で行われる。
【0046】
時刻t6では、減圧脱油炉8への窒素ガスの供給が停止され、油水回収装置10への窒素ガスの供給が開始される。また、油水分離器13への油分および水分の回収が開始される。減圧脱油炉8への窒素ガスの供給停止は、炉内圧力が大気圧(101kPa)まで上昇した時点で行われ、窒素ガス導入弁54および主排気弁57が閉じられる。これによって、炉内空間は完全に窒素ガスによって置換され、窒素ガスは密閉空間内を循環して、含油含水成形物を対流熱伝達によって加熱する。また、油水回収装置10の内部空間も窒素ガスによって完全に置換される。
【0047】
油水回収装置10への窒素ガスの供給開始は、窒素ガス調整弁55を開とすることによって行われる。これによって、油水回収装置10の内部空間の圧力を、大気圧以上に上昇させることができる。このため、内部空間への空気の侵入が防止され、油分と空気中の酸素との反応による異常燃焼の発生が未然に防止される。油水分離器13への油分および水分の回収開始は、回収弁61およびオイル回収弁64を開とすることによって行われる。これによって、油水回収装置10の凝縮タンク10a内に貯留されている油水混合液体を油水分離器13に回収することができ、さらに減圧脱油炉8の加熱処理中、加熱による粘度低下によって含油含水成形物から滲みでて、炉底部に滴下した油分を油水分離器13に回収することができる。
【0048】
減圧脱油炉8の加熱処理中の温度制御は、窒素ガスの温度を所定温度に制御し、含油含水成形物の温度を窒素ガスの温度と均衡する温度まで上昇させることによって行われる。前記窒素ガスの所定加熱温度は、後続する減圧脱油処理において脱油が容易に行われる温度、たとえば210℃に設定される。また、加熱処理中、前記放出弁91は開放されており、加熱によって膨張した窒素ガスおよび蒸発した水分を大気中に放出して炉内圧力を大気圧に保持する。さらに、加熱処理中、炉内の酸素濃度が前記酸素濃度計95によって検出され、安全性の確認が行われる。
【0049】
時刻t7では、減圧脱油炉8の減圧脱油処理が開始される。減圧脱油処理の開始判定は、オイルバーナ45の点火(時刻t4)からの経過時間によって行われる。前記経過時間は、たとえば120分である。減圧脱油処理の開始は、循環ファン43を停止し、窒素ガス調整弁55を閉とし、油回転ポンプ47の運転を開始し、主排気弁57、排気弁58および真空弁59を開にすることによって行われる。ただし、オイルバーナ45の燃焼は停止されないで継続される。また、減圧脱油処理の開始に伴い、回収弁61およびオイル回収弁64が閉じられ、油水分離器13への油分および水分の回収が停止される。時刻t8では、ルーツポンプ48の運転が開始される。ルーツポンプ48の運転開始は、炉内圧力が油回転ポンプ47による限界炉内圧力、たとえば1.3kPaに達した後に行われる。ルーツポンプ48の運転開始によって、炉内圧力は10Pa以下に低下する。
【0050】
このように、減圧脱油処理によって炉内圧力は大気圧以下に減圧されるので、含油含水成形物中の油分および水分は気化し、蒸気となって真空排気管路56から炉外に排出される。このため、含油含水成形物の残油率は、たとえば1%以下に脱油される。減圧脱油炉8から排出された排ガスは、油水回収装置10に導かれ、冷却される。冷却された排ガス中の油分蒸気および水分蒸気は凝縮して液化し、油水回収装置10の底部に貯留される。この凝縮液化現象は、減圧脱油処理中、継続して生じ、油水回収装置10の底部には油水混合液体が貯留される。油水回収装置10を通過した排ガスは、真空排気装置11を経て排ガス燃焼装置12に導入され、排ガス中に含まれる未凝縮油分が燃焼され、大気中に放出される。
【0051】
時刻t9では、減圧脱油炉8の減圧脱油処理が停止され、引続き冷却処理が開始される。また、油水回収装置10への窒素ガスの供給が開始され、油水分離器13への油分および水分の回収が開始される。前記減圧脱油処理の停止判定は、減圧脱油処理の開始(時刻t7)からの経過時間によって行われる。前記経過時間は、たとえば60分である。減圧脱油処理の停止は、油回転ポンプ47およびルーツポンプ48の運転を停止し、主排気弁57、排気弁58および真空弁59を閉とすることによって行われる。前記冷却処理の開始は、オイルバーナ45を消火し、窒素ガス導入弁54を開いて窒素ガスを炉内に導入し、循環ファン43の運転を開始することによって行われる。これによって、炉内空間は窒素ガスによって置換され、窒素ガスは密閉空間内を循環して含油含水成形物を対流熱伝達によって冷却する。前記窒素ガスの循環処理中、窒素ガス導入弁54は、開閉を繰返し窒素ガスの冷却に伴う体積の収縮分を補充し、炉内圧力を大気圧に保つ。また、冷却中、炉内酸素濃度が酸素濃度計95によって検出され、安全性の確認が行われる。
【0052】
油水回収装置10への窒素ガスの供給開始は、窒素ガス調整弁55を開とすることによって行われる。これによって、油水回収装置10の内部空間は窒素ガスによって完全に置換され、かつ内部空間の圧力を大気圧以上に上昇させることができる。このため、時刻t6の場合と同様に、異常燃焼の発生を未然に防止することができる。油水分離器13への油分および水分の回収開始は、回収弁61およびオイル回収弁64を開とすることによって行われる。これによって、時刻t6の場合と同様に、油水混合液体および油分を油水分離器13に回収することができる。
【0053】
時刻t10では、減圧脱油炉8の冷却処理が停止され、油水回収装置10への窒素ガスの供給が窒素ガス調整弁55を閉じることによって停止される。前記冷却処理の停止判定は、窒素ガスの温度が低下して所定温度、たとえば100℃に到達した時点で行われる。前記冷却処理の停止は、窒素ガス導入弁54を閉とし、循環ファン43を停止することによって行われる。前記冷却処理の停止後、炉蓋44が開かれ、バケット24が減圧脱油炉8から搬出されて、減圧脱油炉8の1バッチ分の操業が完了する。
【0054】
以上述べたように、本実施の形態では、減圧脱油炉8において含油含水成形物を大気圧以下の減圧下で加熱して、油分および水分を蒸発させて除去するとともに、その蒸気を含む排ガスを油水回収装置10において冷却して凝縮させ、油分および水分を回収し、さらに未凝縮の油分を含む排ガスを排ガス燃焼装置12において燃焼した後、大気中に放出している。このため、成形物の残油率を非常に低い値、たとえば1%wt以下に低減することができる。また、油分の大気放散を防止することができるので、地域住民からの異臭に関する苦情の発生を未然に防ぐことができる。さらにまた、油水回収装置10に窒素ガスを供給することができるので、油水回収装置10の内部空間を窒素ガスで置換し、かつ大気圧以上に保持して内部空間への空気の侵入を防止し、油分と空気中の酸素との反応による異常燃焼の発生を未然に防止することができる。
【0055】
図9は油水分離器における分離油および分離水の排出動作を説明するためのフローチャートであり、図10は油水分離器における分離油および分離水の排出時の状況を説明するための説明図である。ステップs1では、分離油および分離水の送油送水指令が発令される。前記指令は、油水分離器13に貯留されている油水混合液体が比重差を利用して充分に油分層と水分層とに2層分離された後に発令される。ステップs2では、油水分離器13の総貯留量が排出停止レベル以上であるか否かが判断される。この判断が肯定であれば、分離油および分離水の排出が可能であるので、ステップs3およびステップs4に進む。この判断が否定であれば、分離油および分離水の排出が不可であるので、ステップs7およびステップs8に進み、送油ポンプ73および送水ポンプ68はともに停止されて、分離油および分離水の排出が行われない。
【0056】
ステップs3では、油センサ70の設置位置に油分層が存在するか否かが判断される。この判断が肯定であれば、送油が可能であるので、ステップs5に進む。この判断が否定であれば、送油が不可であるので、ステップs7に進み、送油ポンプ73が停止される。ステップs5では、送油ポンプ73が運転されて分離油が油タンクに向けて送油される。ステップs4では、水センサ69の設置位置に水分層が存在するか否かが判断される。この判断が肯定であれば、送水が可能であるので、ステップs6に進む。この判断が否定であれば、送水が不可であるので、ステップs8に進み、送水ポンプ68が停止される。ステップs6では、送水ポンプ68が運転されて、分離水が水タンクに向けて送水される。
【0057】
このように、分離油の送油は、前記総貯留量が排出停止レベル以上であり、かつ油センサ70の設置位置に油分層が存在するときに行われ、たとえば図10(1)に示すように、油分濃度が高濃度である場合および図10(2)に示すように、油分濃度と水分濃度とが同濃度である場合に行われる。また、分離水の送水は、前記総貯留量が排出停止レベル以上であり、かつ水センサ69の設置位置に水分層が存在するときに行われ、たとえば図10(3)に示すように、水分濃度が高濃度である場合、および前記図10(2)に示す場合に行われる。
【0058】
図10(1)の場合には、油分層は油センサ70の設置位置に存在しており、かつ送油管路71と水分層の存在位置との間隔は充分に確保されている。このため、送油の際、水分が巻込まれて油水混合液体が排出される恐れは全くない。これに対して水分層は、水センサ69の設置位置から外れており、かつ送水管路67と油分層の存在位置との間隔は非常に接近している。このため、水センサ69によって送水ポンプ68が停止されていなければ、送水の際、油分が巻込まれて油水混合液体が排出される。
【0059】
図10(3)の場合には、水分層は水センサ69の設置位置に存在しており、かつ送水管路67と油分層の存在位置との間隔は充分に確保されている。このため、送水の際、油分が巻込まれる恐れは全くない。これに対して、油分層は油センサ70の設置位置から外れており、かつ送油管路71と水分層の存在位置との間隔は非常に接近している。このため、油センサ70によって送油ポンプ73が停止されていなければ、送油の際、水分が巻込まれて油水混合液体が排出される。
【0060】
図10(2)の場合には、油分層および水分層とも各センサの設置位置に存在しており、かつ送油管路71と水分層の存在位置との間隔および送水管路67と油分層の存在位置との間隔が充分に確保されている。このため、送油および送水の際、油水混合液体が排出される恐れは全くない。
【0061】
このように、本実施の形態では分離油および分離水の排出時に、油水混合液体を排出する恐れが全くないので、分離油および分離水は完全に分離された状態で排出され、分離油中の水分濃度が大幅に低下する。このため、分離油の品質が大幅に向上し、分離油を前記減圧脱油炉8および排ガス燃焼装置12の燃料として好適に使用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、油水回収手段にはその内部圧力が大気圧よりも高くなるように雰囲気ガス供給手段が設けられているので、不燃性の雰囲気ガスの導入によって異常燃焼の発生が未然に防止される。このため、金属屑の減圧脱油装置の安全性が大幅に向上するとともに、前記装置の故障および破損が防止され、前記装置の稼働率および生産性が大幅に向上する。
【0063】
また本発明によれば、油水回収手段に供給される雰囲気ガスの供給量を調整することができるので、油水回収手段の内部空間の圧力を大気圧以上の所定値に保つことができる。このため、凝縮した油分および水分を回収するときには、外部からの空気の侵入を防止することができる。また、雰囲気ガスの圧力が押圧力として作用し、油分および水分を迅速に回収することができる。
【0064】
また本発明によれば、回収された油水混合液体は、油分と水分とに分離されるので、分離した油分を再利用することができる。このため、省資源、省エネルギを図ることができる。
【0065】
また本発明によれば、油水分離手段は油水を分離し、分離油および分離水を完全に分離した状態で送油および送水することができるので、分離油中の水分濃度が大幅に低下し、分離油の品質が大幅に向上する。
【0066】
また本発明によれば、排ガス中に含まれる未凝縮の油分は燃焼された後、大気中に放出されるので、油分の大気放散による異臭の発生を未然に防止することができる。また、排ガス燃焼手段が吸引手段の下流側に設けられているので、吸引手段の負荷の増大を回避することができる。このため、吸引手段の容量を小さくすることができる。
【0067】
また本発明によれば、排ガス中の油分が確実に燃焼されるので、簡単な構成で油分の大気放散を完全に防ぐことができる。
【0068】
また本発明によれば、排ガス中の油分は排ガス燃焼手段内へ均一な分散状態で供給されるので、油分の燃焼むらの発生が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である金属屑の減圧脱油装置の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】図1に示す減圧脱油装置を備える脱油設備の構成を簡略化して示す平面図である。
【図3】図1に示す窒素ガス調整弁の構成を簡略化して示す系統図である。
【図4】図1に示す油水分離器の構成を簡略化して示す正面図である。
【図5】図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す正面図である。
【図6】図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す側面図である。
【図7】図1に示す排ガス燃焼装置の構成を簡略化して示す平面図である。
【図8】減圧脱油装置の動作を示すタイムチャートである。
【図9】油水分離器における分離油および分離水の排出動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】油水分離器における分離油および分離水の排出時の状況を説明するための説明図である。
【符号の説明】
7 減圧脱油装置
8 減圧脱油炉
9 雰囲気ガス供給手段
10 油水回収装置
11 真空排気装置
12 排ガス燃焼装置
13 油水分離器
47 油回転ポンプ
48 ルーツポンプ
54 窒素ガス導入弁
55 窒素ガス調整弁
56 真空排気管路
57 主排気弁
59 真空弁
61 回収弁
67 送水管路
69 水センサ
70 油センサ
71 送油管路
74 レベルセンサ
78 排ガス案内管路
86 第1排ガス案内管路
87 第2排ガス案内管路

Claims (7)

  1. 含油含水金属屑を加熱および冷却する減圧脱油炉と、減圧脱油炉内に吸引力を導く吸引手段と、吸引手段の吸引力によって吸引される減圧脱油炉の排出ガスから油分および水分を回収する油水回収手段とが備えられ、含油含水金属屑は減圧脱油炉内の略大気圧以下の減圧下で加熱され、油分および水分が蒸発して除去されるとともに、その蒸気を前記油水回収手段によって凝縮して油分および水分を回収する金属屑の減圧脱油装置において、
    前記油水回収手段に、油水回収手段の内部圧力が大気圧よりも高くなるように不燃性の雰囲気ガスを供給する手段が設けられていることを特徴とする金属屑の減圧脱油装置。
  2. 前記雰囲気ガス供給手段は、
    雰囲気ガスが圧縮された状態で貯留されるガス供給源と、
    供給された雰囲気ガスを油水回収手段に導く雰囲気ガス供給管路と、
    ガス供給源から雰囲気ガス供給管路を経て油水回収手段に供給される雰囲気ガスの供給量を調整する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の金属屑の減圧脱油装置。
  3. 前記油水回収手段に、回収された油分および水分の混合液体を油分と水分とに分離する油水分離手段が備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の金属屑の減圧脱油装置。
  4. 前記油水分離手段は、
    回収された油分および水分の混合液体を貯留する容器本体と、
    容器本体の底部に設けられ、分離された分離水を外部に導く送水管路と、
    送水管路に設けられ、分離水を送水する送水ポンプと、
    送水管路の上方に予め定める間隔をあけて設けられ、設置位置における水分の有無を検出する水センサと、
    水センサの上方に予め定める間隔をあけて設けられ、設置位置における油分の有無を検出する油センサと、
    油センサの上方に予め定める間隔をあけて設けられ、分離された分離油を外部に導く送油管路と、
    送油管路に設けられ、分離油を送油する送油ポンプと、
    送油管路の上方に予め定める間隔をあけて設けられ、油分および水分の総貯留量が所定量に達しているか否かを検出するレベルセンサとを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属屑の減圧脱油装置。
  5. 前記吸引手段の排ガス流れ方向下流側に、吸引手段からの排ガスを燃焼する排ガス燃焼手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属屑の減圧脱油装置。
  6. 前記排ガス燃焼手段は、
    燃焼炉本体と、
    燃焼炉本体の軸線方向一端部に設けられ、前記分離油を燃焼して炉本体内の温度を所定温度以上に昇温するオイルバーナと、
    吸引手段からの排ガスを燃焼炉本体に導く排ガス案内手段とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属屑の減圧脱油装置。
  7. 前記排ガス案内手段は、燃焼炉本体内でオイルバーナの火炎によって形成される領域の両側で相互に逆向きに位置を違えて前記排ガスを燃焼炉本体内に個別に供給する第1および第2排ガス供給管路を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属屑の減圧脱油装置。
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