JP2001152157A - コークス炉の上昇管、およびコークス炉の操業方法 - Google Patents

コークス炉の上昇管、およびコークス炉の操業方法

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JP2001152157A
JP2001152157A JP34170599A JP34170599A JP2001152157A JP 2001152157 A JP2001152157 A JP 2001152157A JP 34170599 A JP34170599 A JP 34170599A JP 34170599 A JP34170599 A JP 34170599A JP 2001152157 A JP2001152157 A JP 2001152157A
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Yutaka Hasegawa
裕 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縁切り作業時における上昇管天蓋の開孔から
外部への安水の放散を、確実に抑制することができな
い。 【解決手段】 炭化室3の上部に、炭化室3と集気本管
6とのそれぞれに連通して、配置されるとともに、石炭
の乾留末期時の残留発生ガスを外部へ排気するための上
昇管天蓋7と、上昇管天蓋7の開閉状態に連動して開閉
することによって集気本管6との連通を制御する皿弁8
と、皿弁8よりも炭化室3側に配置され、発生ガスへ向
けて安水を噴射する液体供給装置32とを備え、さら
に、上昇管天蓋7が開いている時には、液体供給装置3
2からの液体の噴射を停止する液体供給制御装置35を
備えるコークス炉の上昇管30である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス炉の上昇
管およびコークス炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高炉を用いた鉄製造に際
しては還元剤としてコークスを必要とするため、精緻な
耐火レンガを多数積み合わせることによって構成された
炭化室、燃焼室および蓄熱室に大別される炉体を有する
コークス炉を用いて、石炭を乾留することにより、高炉
装入用のコークスを製造する。コークス炉による石炭の
乾留時には、コークスの他に、コークス炉ガス等の発生
ガスおよび化成品の原料にもなるガス液(以下、本明細
書では「安水」という。)やコールタール等が副生され
る。
【0003】図5は、コークス炉1の一例の全体構成を
示す垂直断面図である。同図に示すように、コークス炉
1では、石炭(図示しない。)は、多数設けられた装入
孔2から炭化室3内へ装入され、炭化室3において乾留
が行われる。この乾留中に発生した発生ガス4は、炭化
室3の上部に炭化室3の並設方向(図面に直交する方
向)へ向けて多数配置された上昇管5を介して、同じく
炭化室3の並設方向へ向けて延設された集気本管6へ導
かれ、この集気本管6を介してガス精製設備(図示しな
い。)へ搬送される。炭化室3内で乾留されたコークス
(図示しない。)は、炉外に排出されて消火車(図示し
ない。)に収容され、消火処理される。
【0004】図6は、この上昇管5の設置部付近を拡大
して示す説明図である。同図に示すように、上昇管5
は、略J型に屈曲して構成された本体5aを有し、炭化
室3と集気本管6とのそれぞれに連通して、炭化室3の
上部に配置される。この上昇管5は、その最上部に、石
炭の乾留末期時の残留発生ガスを外部へ排気するための
上昇管天蓋7と、上昇管天蓋7の開閉状態に連動して開
閉することによって上昇管5と集気本管6との連通を制
御するための皿弁8と、安水ノズル9、安水流量調整弁
10、安水供給配管11、安水供給配管11に高圧安水
12および低圧安水13を切り替えて供給するための高
圧安水切替弁14および低圧安水切替弁15等からな
り、上昇管5内を搬送される発生ガスに安水17を噴射
して所定温度に冷却する液体供給装置16とを備える。
【0005】通常の乾留時には、皿弁8は、図6に示す
ように開けられており、乾留時の発生ガスは、上昇管5
内を搬送され、安水ノズル9から安水17が噴射され
る。これにより、発生ガスは、400〜600℃程度か
ら約90℃まで冷却され、集気本管6へと導かれる。な
お、噴射された安水17は、集気本管6の底部に一旦貯
められた後、回収される。
【0006】図7は、石炭の乾留末期に行われる、いわ
ゆる縁切り作業の状況を示す説明図である。図7に示す
ように、この縁切り作業は、炭化室3による石炭の乾留
末期にコークスを排出する前に、炭化室2の残留発生ガ
スを、上昇管天蓋7を開くとともに皿弁8を閉じること
によって燃焼放散させて燃焼放散ガスとして外部に排出
するものである。なお、この縁切り作業の際には、閉じ
られた皿弁8の上部には、安水ノズル9から噴射された
安水が所定量貯留し、貯留した安水17は、皿弁8とと
もに、上昇管5と集気本管6との連通を完全に遮断する
機能も奏する。
【0007】ところで、この縁切り作業時には、安水ノ
ズル9から上昇管5内に噴射された安水17や、閉じら
れた皿弁8の上部に貯留された安水17は、上昇管5内
を流れる高温の燃焼放散ガスや、この燃焼放散ガスによ
り加熱された上昇管5の壁面により加熱される。このた
め、これらの安水17は、蒸発もしくは燃焼ガスととと
もに飛散し、上昇管天蓋7の開孔から外部へ放散するお
それがある。しかしながら、安水17は環境汚染の原因
となる有害物質を含んでいるため、環境汚染の原因とな
る可能性があった。表1には、安水の組成の一例をまと
めて示す。
【0008】
【表1】
【0009】図8は、コークス炉1で用いる安水17の
循環系の一例を示す説明図である。同図に示すように、
コークス炉1からの発生ガス4の冷却には、例えば「芳
香族およびタール工業ハンドブック;昭和53年刊、日
本芳香族工業会編」、「鉄鋼製造法;昭和47年刊、日
本鉄鋼協会編」さらには「都市ガス工業;昭和42年
刊、日本瓦斯協会編」等にも記載されているように、コ
ークス炉1による石炭の乾留の際に石炭中の水分および
酸素化合物から生じた水分が発生ガス中に水蒸気として
含まれ、この発生ガスを冷却したときに水蒸気が様々な
化合物を溶解しながら凝縮することにより得られる安水
を、循環して用いることが最も効率的である。そこで、
一般的に、図8に示すように、コークス炉1からの水蒸
気を含む発生ガスをプライマリークーラー18へ送って
凝縮して得られる安水を、タールデカンター19、安水
タンク20およびポンプ21を介して循環させ、上昇管
5に送って発生ガスの冷却に用いることが、広く行われ
ている。このように、安水17は、循環されて発生ガス
4の冷却に用いられるため、環境汚染の原因となる有害
物質を多量に含んでしまう。
【0010】ところで、これまでにも、縁切り作業にお
ける燃焼放散ガスを処理する発明が、多数提案されてい
る。例えば、特開平7−258647号公報には、上昇
管天蓋7を皿弁8の鉛直上方に配置するとともに、縁切
り作業時に上昇管5内を上昇する燃焼放散ガスを急激に
方向転換させるとともに洗浄除塵した後、上昇管天蓋7
から放出することにより、慣性力を利用して燃焼放散ガ
スに同伴される煤塵を除去する発明が、また、実開平7
−24955号公報、同5−26022号公報さらには
同7−118652号公報には、集塵装置または集塵す
るための集塵ダクト等を設置することにより上昇管5か
らの発塵を防止する考案が、それぞれ提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−2
58647号公報により提案された発明は、炭化室3か
らの煤塵の飛散を抑制することを目的とするため、この
発明によれば、上昇管5を上昇する燃焼放散ガスを安水
と積極的に接触させる必要がある。このため、安水は、
不可避的に高温に加熱されることになり、蒸発もしくは
ガスととともに飛散し、縁切り作業時には上昇管天蓋7
の開孔から外部へ放散するおそれがある。なお、安水に
変えて工業用水や水道水等を発生ガスの冷却に用いたと
しても、蒸発または飛散する高温の水による周辺作業員
の熱傷や周辺設備の腐食等のおそれがある。さらにこの
提案にかかる発明を実施するには、既存の上昇管の構造
を全面的に更新する必要があり、既存のコークス炉への
適用は設備投資が嵩むことから、その実施は容易ではな
い。
【0012】また、実開平7−24955号公報、同5
−26022号公報さらには同7−118652号公報
により提案された考案によっても、煤塵を補足すること
はできるものの、安水からの蒸発気体を捕捉することは
難しい。また、これらの考案を実施するには、集塵装置
または集塵するための集塵ダクト等を設置する必要が生
じ、設備投資が嵩んでしまう。
【0013】このように、従来の技術には、縁切り作業
時における上昇管天蓋の開孔から外部への安水の放散
を、既存の上昇管に大幅な改造を行うことなく、確実に
抑制することができないという課題があった。
【0014】本発明の目的は、従来の技術が有する上記
の課題を解決することができるコークス炉の上昇管およ
びコークス炉の操業方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭を乾留す
る炭化室の上部に、この炭化室と石炭の乾留時の発生ガ
スを搬送する集気本管とのそれぞれに連通して、配置さ
れるとともに、石炭の乾留末期時の残留発生ガスを外部
へ排気するための第1の開閉部材と、この第1の開閉部
材の開閉状態に連動して開閉することによって集気本管
との連通を制御する第2の開閉部材と、第2の開閉部材
よりも炭化室側に配置され、発生ガスへ向けて液体を噴
射する液体供給装置とを備えるコークス炉の上昇管であ
って、さらに、第1の開閉部材が開いている時には、液
体供給装置からの液体の噴射を停止する液体供給制御装
置を備えることを特徴とするコークス炉の上昇管であ
る。
【0016】この本発明にかかるコークス炉の上昇管に
おいては、液体供給制御装置が、第2の開閉部材の上部
に貯留された液体が減少した場合には、液体を第2の開
閉部材へ向けて供給するように、液体供給装置を制御す
ることが、閉じられた第2の開閉部材の上部に貯留する
安水のシール性を確保するためには、望ましい。この場
合において、第2の開閉部材へ向けて供給される液体の
量は、その減少量に相当する量であれば、充分である。
【0017】また、別の面からは、本発明は、コークス
炉の炭化室による石炭の乾留末期時に、この炭化室の上
部に配置された上昇管に設けられた第1の開閉部材を開
くとともに、上昇管と石炭の乾留時の発生ガスを搬送す
る集気本管との連通を制御する第2の開閉部材を閉じる
ことによって、炭化室内の残留発生ガスを上昇管を介し
て外部に排気する際に、第1の開閉部材が開いている時
には、上昇管の内部への液体の噴射を停止することによ
り、外部への液体の蒸発または飛散を抑制することを特
徴とするコークス炉の操業方法である。
【0018】この本発明にかかるコークス炉の操業方法
においては、第2の開閉部材の上部に貯留された液体が
減少した場合には、液体を第2の開閉部材へ向けて供給
することが、閉じられた開閉弁の上部に貯留する安水の
シール性を確保するためには、望ましい。この場合にお
いて、第2の開閉部材へ向けて供給される液体の量は、
その減少量に相当する量であれば、充分である。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかるコークス炉の上昇管およびコークス炉の操業方法
の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、以降の説明では、上昇管の内部に噴射する液
体が、安水である場合を例にとる。
【0020】図1は、本実施形態のコークス炉の上昇管
30の、縁切り作業時の状況を示す説明図である。な
お、以降の説明では、前述した図5〜図7における構成
要素と同じ構成要素については同一の図中符号を付すこ
とにより、重複する説明を適宜省略する。
【0021】図1に示すように、この上昇管30は、本
体31と、第1の開閉部材7と、第2の開閉部材8と、
液体供給装置32と、液体供給制御装置35とを備え
る。以下、これらの構成要素について順次説明する。 〔本体31〕同図に示すように、上昇管30は、略J型
に屈曲して構成された本体31を有する。この本体31
は、炭化室3と集気本管6とのそれぞれに連通して、炭
化室3の上部に配置される。この本体31は、周知慣用
の上昇管の本体と同一の構成を有するため、これ以上の
説明は省略する。 〔第1の開閉部材7〕本体31の最上部の水平部には、
第1の開閉部材7が装着される。本実施形態では、第1
の開閉部材7として上昇管天蓋を用いた。この上昇管天
蓋7は、支点7aにより回転自在に支持される。また、
上昇管天蓋7には、本体31の外壁面に固定された開閉
用シリンダ7bの一端が回転自在に連結される。このた
め、開閉用シリンダ7bを作動させることにより、上昇
管天蓋7は、支点7aを回転中心として回動して、開閉
蓋として機能する。
【0022】石炭の乾留末期の縁切り作業時には、図1
に示すように、上昇管天蓋7が開かれ、炭化室3内の残
留発生ガスが外部へ排気される。この上昇管天蓋7のこ
れ以外の構成は、周知慣用の上昇管天蓋と同一の構成を
有するため、これ以上の説明は省略する。 〔第2の開閉部材8〕本体31の二つの端部のうちで集
気本管6が接続される側の端部には、第2の開閉部材8
が装着される。本実施形態では、第2の開閉部材8とし
て皿弁を用いた。この皿弁8は、上昇管天蓋7の開閉状
態に連動して開閉することによって、上昇管30と集気
本管6との連通状態を制御する。
【0023】すなわち、皿弁8は、上昇管天蓋7が開い
ている時(縁切り作業時)には閉じることにより、炭化
室3内の残留発生ガスの外部への排気流路を形成し、一
方、上昇管天蓋7が閉じている時(通常操業時)には開
くことにより、炭化室3内の発生ガスの集気本管6への
搬送流路を形成する。
【0024】このように、皿弁8は、上昇管天蓋7の開
閉動作とは反対の開閉動作を行うことにより、上昇管3
0と集気本管6との連通を制御する開閉弁として機能す
る。この皿弁8は、周知慣用の皿弁と同一の構成を有す
るため、これ以上の説明は省略する。 〔液体供給装置32〕上昇管30の本体31には、本体
31内に安水17を噴射して発生ガスを冷却する液体供
給装置32が装着される。本実施形態では、この液体供
給装置32は、安水17を本体31内に噴射する安水ノ
ズル9と、安水ノズル9に接続されて安水ノズル9への
安水流量を調整する安水流量調整弁10と、安水流量調
整弁10に接続されて安水流量調整弁10への安水の供
給をオンオフ制御する安水供給開閉弁33と、安水供給
開閉弁33にその一端が接続されて安水供給開閉弁33
の開閉を行う安水供給開閉シリンダ34と、安水供給開
閉弁33に接続されて安水供給開閉弁33に安水を供給
する安水供給配管11と、安水供給配管11に高圧安水
12および低圧安水13を切り替えて供給するための高
圧安水切替弁14および低圧安水切替弁15等を備え
る。
【0025】この液体供給装置32は、通常操業時に
は、安水供給開閉弁33を開くとともに安水流量調整弁
10の開度を適宜設定することにより、上昇管31内を
搬送される発生ガスに、冷却液体である安水17を噴射
する。これにより、液体供給装置32は、発生ガスを、
400〜600℃程度から約90℃まで冷却する。この
液体供給装置32は、周知慣用の液体供給装置と同一の
構成を有するため、これ以上の説明は省略する。 〔液体供給制御装置35〕本実施形態の上昇管30は、
液体供給制御装置35を備える。この液体供給制御装置
35は、上昇管天蓋7の開閉用シリンダ7bの開閉状態
を電気信号として入力され、この電気信号に基づいて、
安水供給開閉シリンダ34に作動信号を出力する。この
液体供給制御装置35には、この種の制御装置として周
知慣用の装置を用いればよく、特定の装置には限定され
ない。
【0026】すなわち、液体供給制御装置35により、
上昇管天蓋7が開いている時には、安水供給開閉シリン
ダ34に作動信号が出力され、安水供給開閉弁33が閉
じられる。これにより、液体供給装置32からの液体の
噴射が停止される。
【0027】本実施形態の上昇管30は、以上のように
構成される。次に、この上昇管30の作動を、通常操業
時および縁切り作業時に分けて説明する。
【0028】図1において、通常作業時には、上昇管天
蓋7は閉じられ、皿弁8は開かれる。また、液体供給制
御装置35により、安水供給開閉弁33は開かれるとと
もに安水流量調整弁10の開度は適宜設定される。これ
により、炭化室3内に発生する発生ガスは、上昇管31
内を搬送され、安水ノズル9から安水を噴射されて40
0〜600℃程度から約90℃まで冷却され、集気本管
6へと導かれる。
【0029】一方、縁切り作業時には、上昇管天蓋7は
開かれ、皿弁8は閉じられる。また、液体供給制御装置
35により、安水供給開閉弁33を閉じられる。これに
より、安水ノズル9からの安水17の噴射は抑制され、
炭化室3内の残留発生ガスは、本体31内を上昇し、上
昇管天蓋7の開孔を介して外部へ放散される。
【0030】このように、本実施形態の上昇管30によ
れば、縁切り作業時には、安水ノズル9からの安水の噴
射がなされないため、上昇管天蓋7の開孔から外部への
安水の放散を、既存の上昇管に大幅な改造を行うことな
く、確実に抑制することができる。
【0031】なお、閉じられた皿弁8の上部には、噴射
された安水17が十分な量貯留されて上昇管31と集気
本管5とを遮断しているため、縁切り作業時にこの安水
17の量が蒸発により減少しても、安水17を補給する
必要はない。しかし、縁切り作業時に安水17を補給す
るには、図2に示すように、液体供給装置32に、補給
用安水配管36、安水流量調整弁37および安水供給開
閉弁38を追加して、液体供給制御装置35により、例
えば、安水17の減少量に相当する量の安水を、安水ノ
ズル9から供給するようにすればよい。これにより、閉
じられた皿弁8の上部に貯留される安水17のシール性
を、縁切り作業時に充分に確保することができ、望まし
い。 (第2実施形態)図3は、図2に示す第1実施形態の変
形例である第2実施形態を示す説明図である。なお、本
実施形態の説明では、第1実施形態と相違する部分だけ
説明し、共通する部分には同一の図中符号を付すことに
より重複する説明を適宜省略する。
【0032】図2に示す例では、縁切り作業時に安水ノ
ズル9から安水17を皿弁8の上部に供給した。これに
対し、本実施形態では、安水17の代わりに、水道水や
工業用水等の水を供給する。
【0033】すなわち、図3に示すように、液体供給装
置32に、補給水用配管39、補給水用開閉弁40およ
び補給水流量調整弁41を設け、液体供給制御装置35
により、安水17の減少量に相当する量の水42を、安
水ノズル9から供給する。
【0034】これにより、閉じられた皿弁8の上部に貯
留される安水17のシール性を、縁切り作業時に充分に
確保することができる。
【0035】また、皿弁8の上部に貯留される安水17
に水を供給するため、皿弁8の上部に貯留される安水1
7における有害物質の濃度を低減することができる。こ
のため、縁切り作業時における上昇管天蓋7の開孔から
外部への安水17の放散による環境汚染の程度を、さら
に改善することもできる。
【0036】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら、よ
り詳細に説明する。 (実施例1)図1に示す第1実施形態の上昇管30を用
いて、図4(b)に示す手順、すなわち、(1)皿弁8
を閉じる、(2)上昇管天蓋7を開く、(3)安水供給
開閉弁33を閉じる、(4)燃焼ガスに点火する、
(5)コークスを炭化室3から押し出す、(6)上昇管
天蓋7を閉じる、(7)安水供給開閉弁33を開く、
(8)皿弁8を開く、(9)石炭を炭化室3へ装入す
る、という手順で、縁切り作業を行った。なお、(1)
から(7)の間が縁切り作業であり、約30〜60分間
を要した。また、この間に安水ノズル9から噴射を停止
された安水17の量は、1時間当たり約10m3 であっ
た。
【0037】なお、参考に、図4(a)には、図7に示
す従来の上昇管5を用いた縁切り作業の手順を示す。本
実施例により、縁切り作業時に、上昇管天蓋11の開孔
部からの安水の蒸発または飛散が、1時間当たり約5m
3 防止された。 (実施例2)実施例1において、安水供給開閉弁33を
閉じて安水17の供給を停止している間に、皿弁8の上
部に貯留して水封を行う安水17(容量0.024m
3 )の蒸発量を測定したところ、1時間当たり約0.0
05m3 と少なかった。このため、縁切り作業時に皿弁
8の上部に滞留した安水17の一部が蒸発しても、皿弁
8のシール性を損なうおそれはない。しかし、本実施例
では、このシール性を万全に維持するため、安水17の
蒸発量に見合う量の安水17を、安水ノズル9から補給
した。
【0038】すなわち、液体供給装置32に、補給用安
水配管36、安水流量調整弁37および安水供給開閉弁
38を追加した図2に示す第1実施形態の上昇管30を
用いて、図4(c)に示す手順により、液体供給制御装
置35により、安水17の減少量に相当する量の安水1
7を、安水ノズル9から供給した。補給量は、1時間当
たり約0.005m3 とした。これにより、皿弁8の上
部に貯留して水封を行う安水17の量を、約0.024
3 に一定とすることができた。 (実施例3)図3に示す第2実施形態の上昇管30を用
いて、図4(c)に示す手順における安水供給開閉弁3
8を補給水用開閉弁40に置換した手順で、液体供給制
御装置35により、安水17の減少量に相当する量の水
を、安水ノズル9から供給した。補給量は、1時間当た
り約0.005m3 とした。
【0039】これにより、皿弁8の上部に貯留して水封
を行う安水17の量を、約0.024m3 に一定とする
とともに、安水17に含有される有害物質の濃度を低減
することができた。このため、縁切り作業時における上
昇管天蓋7の開孔から外部への安水17の放散による環
境汚染の程度を、さらに改善することができた。 (変形形態)各実施形態および実施例の説明では、上昇
管の内部に噴射して発生ガスを所定の温度に冷却する液
体が、安水である場合を例にとった。しかし、本発明は
この安水には限定されず、発生ガスを所定の温度に冷却
することができる液体であれば、等しく適用される。
【0040】また、各実施形態および実施例の説明で
は、第1の開閉部材が上昇管天蓋であり、第2の開閉部
材が皿弁である場合を例にとった。しかし、本発明は、
これらの上昇管天蓋、皿弁には限定されない。第1の開
閉部材は、上昇管天蓋以外であっても、石炭の乾留末期
時の残留発生ガスを外部へ排気するための開閉部材であ
れば等しく適用することができ、また、第2の開閉部材
は、皿弁以外であっても、第1の開閉部材の開閉状態に
連動して開閉することによって前記集気本管との連通を
制御するための開閉部材であれば適用することができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、縁切り作業時における上昇管天蓋の開孔から外部へ
の安水の蒸発や放散を、既存の上昇管に大幅な改造を行
うことなく、確実に抑制することができた。かかる効果
を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のコークス炉の上昇管の、縁切り
作業時の状況を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の他のコークス炉の上昇管の、縁
切り作業時の状況を示す説明図である。
【図3】図2に示す第1実施形態の変形例である第2実
施形態を示す説明図である。
【図4】実施例におけるコークス炉の上昇管に対する操
作手順を示す説明図であり、図4(a)は図7に示す従
来例の場合を示し、図4(b)は図1に示す本発明例の
場合を示し、さらに、図4(b)は図2または図3に示
す本発明例の場合を示す。
【図5】コークス炉の一例の全体構成を示す垂直断面図
である。
【図6】上昇管の設置部付近を拡大して示す説明図であ
る。
【図7】石炭の乾留末期に行われる、いわゆる縁切り作
業の状況を示す説明図である。
【図8】コークス炉で用いる安水の循環系の一例を示す
説明図である。
【符号の説明】
3 炭化室 6 集気本管 7 上昇管天蓋 8 皿弁 30 コークス炉の上昇管 32 液体供給装置 35 液体供給制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭を乾留する炭化室の上部に、該炭化
    室と前記石炭の乾留時の発生ガスを搬送する集気本管と
    のそれぞれに連通して、配置されるとともに、前記石炭
    の乾留末期時の残留発生ガスを外部へ排気するための第
    1の開閉部材と、該第1の開閉部材の開閉状態に連動し
    て開閉することによって前記集気本管との連通を制御す
    る第2の開閉部材と、該該第2の開閉部材よりも前記炭
    化室側に配置され、前記発生ガスへ向けて液体を噴射す
    る液体供給装置とを備えるコークス炉の上昇管であっ
    て、さらに、 前記第1の開閉部材が開いている時には、前記液体供給
    装置からの液体の噴射を停止する液体供給制御装置を備
    えることを特徴とするコークス炉の上昇管。
  2. 【請求項2】 前記液体供給制御装置は、前記第2の開
    閉部材の上部に貯留された液体が減少した場合には、液
    体を前記第2の開閉部材へ向けて供給するように、前記
    液体供給装置を制御する請求項1に記載されたコークス
    炉の上昇管。
  3. 【請求項3】 コークス炉の炭化室による石炭の乾留末
    期時に、該炭化室の上部に配置された上昇管に設けられ
    た第1の開閉部材を開くとともに、該上昇管と前記石炭
    の乾留時の発生ガスを搬送する集気本管との連通を制御
    する第2の開閉部材を閉じることによって、前記炭化室
    内の残留発生ガスを前記上昇管を介して外部に排気する
    際に、 前記第1の開閉部材が開いている時には、前記上昇管の
    内部への液体の噴射を停止することにより、前記外部へ
    の液体の蒸発または飛散を抑制することを特徴とするコ
    ークス炉の操業方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の開閉部材の上部に貯留された
    前記液体が減少した場合には、液体を前記第2の開閉部
    材へ向けて供給する請求項3に記載されたコークス炉の
    操業方法。
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