JP3722741B2 - 電圧供給回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる電源電圧で動作する回路間でインターフェースを行うための回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の低消費電力化の要求やプロセスの微細化により、トランジスタの耐圧が低下している。このような状況では、LSIの周辺素子とのインターフェースのために、トランジスタの何れかの端子にそのゲート酸化膜の耐圧以上の電圧がかかってもそのゲート酸化膜が破壊することのない回路構成が利用されている。
【0003】
ゲート酸化膜耐圧以上の電圧がかかってもゲート酸化膜が破壊することのない従来のインターフェース回路の一例を図11に示す。同図において、101は入力端子であって、LSI外で高電圧(例えば5V)で動作する回路からの信号が入力される。102は出力端子であって、LSI内で低電圧(例えば3.3V)で動作する回路へ信号を出力する。103は低電圧電源(例えば3.3V)に接続される電源端子、104は低電圧(3.3V)で動作するCMOSインバータで構成される論理ゲートである。
【0004】
また、105はNチャネル型MOSトランジスタであって、そのゲートは前記電源端子103に、ソースは入力端子101に、ドレインはNチャネル型MOSトランジスタ106、108及びPチャネル型MOSトランジスタ107の各ゲートに接続されている。109はPチャネル型MOSトランジスタであって、そのゲートは入力端子101に接続されている。前記Pチャネル型MOSトランジスタ109及びNチャネル型MOSトランジスタ106は、共に、ソースが電源端子103に、ドレインがPチャネル型MOSトランジスタ107のソースに接続されている。Pチャネル型MOSトランジスタ107及びNチャネル型MOSトランジスタ108のドレインは、共に、低電圧動作するCMOSインバータ104の入力側に接続され、Nチャネル型MOSトランジスタ108のソースは接地電源に接続されている。
【0005】
前記低電圧動作のCMOSインバータ104は、電源端子103を介して低電圧電源(3.3V)と接地電源との間に配置され、その出力側は、電圧出力端子102に接続されている。110は、前記Nチャネル型MOSトランジスタ105とゲートが共通接続された3個のNチャネル型及びPチャネル型MOSトランジスタ106〜108のゲートとの間の中間ノードである。
【0006】
以上のように構成されたインターフェース回路について、以下、その動作について説明する。尚、トランジスタのゲート酸化膜の耐圧を4.6Vとして説明する。
【0007】
入力端子101にLレベル(0V)の信号が入力された時は、Pチャネル型MOSトランジスタ109はオン状態である。中間ノード110の電位も0Vになるので、Pチャネル型MOSトランジスタ107もオン状態となり、一方、2個のNチャネル型MOSトランジスタ106及び108はオフ状態になるので、低電圧動作のCMOSインバータ104の入力側は3.3Vとなり、電圧出力端子102にはLレベル(0V)が出力される。
【0008】
これに対し、入力端子101にHレベル(5V)の信号が入力された時は、Pチャネル型MOSトランジスタ109はオフ状態になる。この時、Nチャネル型MOSトランジスタの閾値電圧をVtnとすると、Nチャネル型MOSトランジスタ105は、そのソース又はドレインの電位が(3.3V−Vtn)の以上になるとオフ状態になるので、中間ノード110の電位は(3.3V−Vtn)まで上昇する。この時、Nチャネル型MOSトランジスタ106はソース電位が3.3Vであるため、Pチャネル型MOSトランジスタ107のソース電位は(3.3V−2Vtn)までしか上昇しない。従って、このPチャネル型MOSトランジスタ107は完全なオフ状態である。一方、Nチャネル型MOSトランジスタ108はオン状態であるため、低電圧動作のCMOSインバータ104の入力側は0Vとなり、電圧出力端子102にはHレベル(3.3V)が出力される。
【0009】
ここで、入力端子101にHレベル(5V)の信号が入力された場合において、Nチャネル型MOSトランジスタ105のドレインには前記信号のHレベル(5V)の電圧がかかっているが、ゲート電圧が3.3Vであるので、Nチャネル型MOSトランジスタ105のゲート酸化膜には耐圧以上の電圧は印加されない。また、Pチャネル型MOSトランジスタ109のゲートにも前記信号の電圧(5V)がかかっているが、そのソース電圧及びドレイン電圧が各々3.3V、(3.3V−2Vtn)であるので、このゲート酸化膜にも耐圧以上の電圧は印加されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示した前記従来のインターフェース回路では、LSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている場合には、既述のようにNチャネル型及びPチャネル型MOSトランジスタ105、109のゲート酸化膜にはその耐圧以上の電圧は印加されないが、LSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっていない状態で入力端子101にHレベル(5V)が印加された場合には、Nチャネル型及びPチャネル型MOSトランジスタ105、109のゲート酸化膜にその規定耐圧以上の電圧(5V)が印加されることになるため、ゲート酸化膜の破壊という信頼性上重大な問題を引き起こす可能性が出てくる。
【0011】
これを防止するために、例えば、システム側において低電圧電源(3.3V)が立ち上っていない状態でLSI外からゲート酸化膜の規定耐圧以上の電圧(5V)がかかることが決してないという電源立ち上げのシーケンスを設けることが考えられるが、この破壊防止策は、インターフェース回路を使う側で行わなければならず、使用の制限が発生することになる。
【0012】
本発明は前記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、既述のように内部電源が立ち上がっている状態ではトランジスタの端子にゲート酸化膜の耐圧以上の電圧がかかってもゲート酸化膜が破壊することのない回路構成のインターフェース回路において、内部電源が立ち上がっていない状態でゲート酸化膜の耐圧以上の電圧がかかった場合においても、トランジスタのゲート酸化膜が破壊しないように、インターフェース回路に電圧を供給する電圧供給回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の電圧供給回路では、電源が立ち上がっている場合は本来の電源から電圧を供給し、電源が立ち上がってない場合には、入力端子から入力される信号の電圧からその入力電圧より低い所定の電圧を生成して電圧供給する構成にしたものである。
【0014】
具体的に、請求項1記載の発明の電圧供給回路は、第1の電源が接続される電源端子と、前記第1の電源よりも電圧レベルが高い第2の電源の電圧を持つ信号が入力される入力端子と、電圧出力端子とを有するとともに、前記入力端子に接続され、前記信号が持つ第2の電源の電圧を降下する電圧降下回路と、前記電源端子に接続されると共に前記電圧降下回路の出力を受け、前記第1の電源が立ち上がっている場合には前記第1の電源の電圧を前記電圧出力端子から出力し、前記第1の電源の電圧が立ち上がっていない状態で前記入力端子に前記第2の電源の電圧の信号が与えられた場合には、前記電圧降下回路により降下された電圧を前記電圧出力端子から出力するスイッチ回路とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路は、前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されている場合に限り、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスを遮断するように構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記請求項2記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路は、一端が前記電圧降下回路の出力側に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記電源端子に接続されたPチャネル型トランジスタと、前記Pチャネル型トランジスタのゲートと前記他端とに接続された抵抗素子とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記請求項1記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路は、前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されている場合には、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスを遮断すると共に、前記電源端子から前記電圧出力端子へのパスをオン状態にし、一方、前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されていない状態で前記入力端子に前記第2の電源の電圧を持つ信号が入力された場合には、前記電源端子から前記電圧出力端子へのパスを遮断すると共に、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスをオン状態にするように構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記請求項4記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路は、一端が前記電圧降下回路の出力側に接続され、他端が抵抗素子を介して接地電源に接続され、ゲートが前記電源端子に接続された第1のPチャネル型トランジスタと、一端が前記第1のPチャネル型トランジスタの他端に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記電源端子に接続された第2のPチャネル型トランジスタと、一端が前記電源端子に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記第1のPチャネル型トランジスタの他端に接続された第3のPチャネル型トランジスタとを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記請求項3又は5記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路において、ゲートが前記電源端子に接続される請求項3記載のPチャネル型MOSトランジスタ又は請求項5記載の第1のPチャネル型MOSトランジスタは、その基板が前記入力端子に接続され、その基板と前記電源端子とが、抵抗素子とダイオード素子とを介して接続されることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、前記請求項3又は5記載の電圧供給回路において、前記スイッチ回路において、ゲートが前記電源端子に接続される請求項3記載のPチャネル型MOSトランジスタ又は請求項5記載の第1のPチャネル型MOSトランジスタは、その基板が前記電圧降下回路の基板と分離され且つ前記電圧出力端子に接続されることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の電圧供給回路において、前記電圧降下回路の内部ノードは、前記電圧出力端子からの電圧出力時にオン状態となるスイッチ回路と、ダイオード素子とを介して接地電源に直列接続されていることを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の電圧供給回路において、前記入力端子は、コンデンサ素子を介して前記電圧出力端子と接続されることを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、前記請求項9記載の電圧供給回路において、前記電圧出力端子は、他のコンデンサ素子を介して接地電源に接続されることを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の発明は、前記請求項9又は10記載の電圧供給回路において、前記電圧出力端子は、他のダイオード素子を介して接地電源に接続されることを特徴とする。
【0025】
以上により、請求項1〜11記載の発明では、インターフェース回路に供給すべき電源(第1の電源)が立ち上がっている場合には、スイッチ回路がこの電源の電圧を電圧出力端子から出力し、一方、第1の電源の電圧が立ち上がっていない状態で入力端子にインターフェース回路への入力信号(第2の電源の電圧の信号)が与えられた場合には、この信号の電圧を降下させた電圧降下回路からの出力が前記スイッチ回路により電圧出力端子から出力される。
【0026】
従って、第1の電源の電圧が立ち上がっていない状態であっても、この電圧が立ち上がっている状態とほぼ同電位の電圧が電源としてインターフェース回路に供給されるので、インターフェース回路を使用する側で電源立ち上げのシーケンス等を考慮することなく、インターフェース回路内のトランジスタのゲート酸化膜の破壊の発生が有効に防止される。
【0027】
また、請求項2及び3記載の発明では、第1の電源電圧が立ち上がっていない状態で入力端子に第2の電源電圧の信号が入力された場合には、入力端子から電源端子を経て第1の電源に電流が流れるものの、電圧供給回路を比較的小さな回路規模で構成することができる。特に、請求項3記載の発明では、スイッチ回路を構成するトランジスタの数が1個と最小限であるので、スイッチ回路を小面積で構成して、回路規模を効果的に小さくできる。
【0028】
更に、請求項4及び5記載の発明では、第1の電源電圧が立ち上がっていない状態で入力端子に第2の電源電圧の信号が入力された場合にも、入力端子から電源端子を経て第1の電源に流れる電流のパスを遮断することができる。しかも、請求項5記載の発明では、スイッチ回路を構成するトランジスタの数が3個と少ないので、回路規模を有効に小さくしながら、入力端子から電源端子を経て第1の電源に流れる電流のパスを遮断できる。
【0029】
加えて、請求項6記載の発明では、第1の電源電圧が立ち上がっている状態で、入力端子の信号の電圧が低くて第1の電源の電位よりもダイオード素子のビルトイン電圧以上低い場合には、Pチャネル型又は第1のPチャネル型MOSトランジスタにおいて、そのゲートから抵抗素子及びダイオード素子を経て基板に電流が流れるので、このPチャネル型又は第1のPチャネル型MOSトランジスタがデュアルゲートプロセスで製造された場合にそのゲート電極に基板電位よりも高い電圧を印加する時のVt特性の変動(経時的低下)の発生等を、比較的小さなレイアウトでもって有効に防止することができる。
【0030】
更に加えて、請求項7記載の発明では、Pチャネル型又は第1のPチャネル型MOSトランジスタのゲート電位は常にその基板の電位以下に制限される。従って、前記請求項6記載の発明と比較して、抵抗素子及びダイオード素子を不要としつつ、デュアルゲートプロセスでのPチャネル型MOSトランジスタのゲートに基板電位よりも高い電圧を印加する時のVt特性の変動の発生等を有効に防止することができる。
【0031】
また、請求項8記載の発明では、第1の電源電圧が立ち上がっている状態で入力端子の信号が第2の電源電圧から0Vに変化した際に、電圧降下回路の内部ノードが過渡的に0V以下の負電圧に低下しても、電流が接地電源からダイオード素子及びスイッチ回路を経て前記負電位の内部ノードに流れるので、この内部ノードの負電位の状態は短期間に解消される。従って、電圧降下回路内のトランジスタのゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを抑制、防止することができる。
【0032】
更に、請求項9記載の発明では、第1の電源の電圧が立ち上がっていない状態で入力端子に第2の電源の電圧の信号が与えられた場合には、この信号の電圧がかかるコンデンサ素子によって電圧出力端子の電位が直ちに上昇するので、電圧出力端子の電圧上昇の反応スピードを速くすることができ、過渡応答を改善することができる。
【0033】
加えて、請求項10記載の発明では、入力端子と電圧供給端子間に配置したコンデンサ素子、及び接地電源と電圧出力端子間に配置した他のコンデンサ素子により、入力端子の信号の電圧変化に応じた電圧出力端子の出力電圧の変化の反応スピードを調整することができ、過渡的に出力端子の電圧が高くなり過ぎたりすることを抑制することが可能である。
【0034】
更に加えて、請求項11記載の発明では、入力端子の信号の電圧が低下した場合に、電圧出力端子の電圧がコンデンサ素子により前記信号の電圧低下に伴って0V以下の負電位に降下した際であっても、この電圧出力端子には電流が接地電源から他のダイオード素子を介して流れ込む。従って、電圧出力端子からの出力電圧が0V以下の負電位になることを防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の電圧供給回路を示す。同図において、201は電源端子であって、本電圧供給回路が備えられるLSIに第1の電源として内蔵される低電圧(例えば3.3V)の電源が接続される。202は前記電源端子201に接続される低電圧電源よりも電圧レベルが高い第2の電源の電圧(例えば5V)を持つ信号が入力される入力端子、203はこの電圧供給回路の電圧出力端子である。
【0037】
204は前記入力端子202に接続された電圧降下回路であって、入力端子202に入力された信号の電圧(5V)を降下させる。この電圧降下回路204は、直列に接続されたPチャネル型MOSトランジスタ205、206を備える。その一方のPチャネル型MOSトランジスタ205は、そのソースが入力端子202に接続され、そのゲートは自己のドレインに接続されている。また、他方のPチャネル型MOSトランジスタ206は、そのゲートが自己のドレインに接続されている。また、この2個のPチャネル型MOSトランジスタ205、206の基板は、共に前記入力端子202に接続されている。
【0038】
207はスイッチ回路であって、前記電源端子201に接続されると共に、前記電圧降下回路204により降下された電圧を受ける。このスイッチ回路207は、Pチャネル型MOSトランジスタ(Pチャネル型トランジスタ)208と抵抗素子209とにより構成されている。このPチャネル型MOSトランジスタ208は、一端であるソースが電圧降下回路204のPチャネル型MOSトランジスタ206のドレインに接続されていて、電圧降下回路204により最終的に降圧された電圧を受けると共に、他端であるドレインと基板とが電圧出力端子203に接続され、ゲートが電源端子201に接続されている。抵抗素子209は、前記Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲートとドレインとの間に配置されている。
【0039】
図1に示した電圧供給回路は次の通り使用される。例えば、図11に示したインターフェース回路(すなわち、内部電源が立ち上がっている場合にトランジスタの端子にそのゲート酸化膜の耐圧以上の電圧がかかってもゲート酸化膜が破壊しないように構成された回路)に電圧を供給する場合には、図11のインターフェース回路の入力端子101に入力される信号を図1の電圧供給回路の入力端子202に入力し、図1の電圧供給回路の電圧出力端子203から出力される電圧を図11のインターフェース回路の電源端子103に供給し、更に、図1の電圧供給回路の電源端子201にLSI内部の低電圧電源を接続する。
【0040】
以上のように構成された電圧供給回路について、以下、その動作を図1を参照しながら説明する。
【0041】
先ず、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっていない状態、すなわち0Vで、入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力された場合について説明する。電圧降下回路204を構成するPチャネル型MOSトランジスタ205及び206の基板バイアス効果を考慮した閾値電圧を1Vとすると、5Vの入力が与えられた電圧降下回路204の出力電圧、すなわちPチャネル型MOSトランジスタ206のドレインの電圧は3Vになる。電源端子201に接続された低電圧電源は0Vであるので、スイッチ回路207内のPチャネル型MOSトランジスタ208はオン状態となる。従って、電圧降下回路204の出力電圧(3V)が電圧出力端子203から出力される。この時、電圧出力端子203は抵抗素子209を経て電源端子201と接続されているので、この抵抗素子209及び電源端子201を介してLSI内の低電圧電源に電流が流れることになる。
【0042】
次に、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの場合について説明する。このとき、入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力された場合の電圧降下回路204の出力電圧は既述の通り3Vであるので、入力端子202の信号の電圧が0Vから5Vの間の任意の電位において電圧降下回路204の出力電圧は3V以下である。一方、Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲートの電位は3.3Vであるので、このPチャネル型MOSトランジスタ208はオフ状態になる。その結果、電圧出力端子203には、電源端子201に接続された低電圧電源(3.3V)から抵抗素子209を介して電圧が供給される。電圧出力端子203がハイインピーダンスであるとき、その出力電圧は3.3Vである。
【0043】
以上の動作により、LSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている場合は、電圧降下回路204の降下電圧を電圧出力端子203に出力するパスをスイッチ回路207のPチャネル型MOSトランジスタ208のオフ動作により遮断して、LSI内の低電圧電源から電源端子201を経て電圧出力端子203に低電圧(3.3V)を供給する。一方、LSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態で入力端子202にHレベル(5V)の電圧の信号が入力された場合には、入力端子202の電圧を電圧降下回路204で低電圧(3V)に降下して電圧出力端子203から出力する。
【0044】
従って、本実施の形態では、トランジスタのゲート酸化膜耐圧を4.6Vとすると、本電圧供給回路の入力端子202に図11のインターフェース回路の入力端子101を接続し、本電圧供給回路の電圧出力端子203を前記インターフェース回路の電源端子103に接続すれば、この図11のインターフェース回路を使う側で電源立ち上げのシーケンス等を考慮することなく、図11のインターフェース回路内のトランジスタのゲート酸化膜の破壊を防止することができる。
【0045】
尚、LSI内の低電圧電源の電圧(3.3V)、入力端子202に入力される信号のHレベルの電圧(5V)、基板バイアス効果を考慮した閾値電圧(1V)等の値が異なる場合には、電圧降下回路204内の直列接続されたPチャネル型MOSトランジスタの個数を変更すれば、同様に、LSI内の低電圧電源が立ち上がっている場合にはこの低電圧電源から電圧を供給し、LSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態で入力端子202にHレベルの信号が入力された場合には、入力端子202の電圧を電圧降下回路204で降下して電圧出力端子203から出力させることが可能な電圧供給回路を実現できる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図2の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0047】
図2において、本実施の形態の電圧供給回路では、図1に示した第1の実施の形態の電圧供給回路のスイッチ回路207をスイッチ回路211に変更している。
【0048】
即ち、図2に示したスイッチ回路211は、第1、第2及び第3のPチャネル型MOSトランジスタ208、214、213を備える。前記第1のPチャネル型MOSトランジスタ208では、その一端であるソースは電圧降下回路204のPチャネル型MOSトランジスタ206のドレインに接続されて電圧降下回路204で最終的に降下された電圧を受け、他端であるドレインは抵抗素子212を介して接地電源に接続され、ゲートは前記電源端子201に接続されている。また、前記第2のPチャネル型MOSトランジスタ214では、その一端であるソースは前記第1のPチャネル型MOSトランジスタ208のドレインに接続され、他端であるドレイン及び基板は電圧出力端子203に接続され、ゲートは前記電源端子201に接続されている。更に、第3のPチャネル型MOSトランジスタ213では、その一端であるソースは前記電源端子201に接続され、他端であるドレイン及び基板は電圧出力端子203に接続され、ゲートは前記第1のPチャネル型MOSトランジスタ208のドレインに接続されている。また、第1のPチャネル型MOSトランジスタ208の基板は、電圧出力端子203ではなく、Hレベルの電圧(5V)の信号が入力される入力端子202に接続されている。スイッチ回路211では、前記第1の実施の形態におけるスイッチ回路207のように抵抗素子209は備えない。
【0049】
その他の構成は、図1に示す電圧供給回路の構成と同様であり、図1と同様の機能を有する構成部分には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0050】
以上のように構成された電圧供給回路について、以下、図2を参照しながら、その動作を説明する。
【0051】
先ず、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっていない状態、すなわち0Vで、入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力された場合について説明する。電圧降下回路204は、図1に示した第1の実施の形態と同様の動作で、出力電圧、すなわちPチャネル型MOSトランジスタ206のドレイン電圧は3Vになる。電源端子201に接続された低電圧電源は0Vであるので、スイッチ回路211内のPチャネル型MOSトランジスタ208及び214はオン状態、Pチャネル型MOSトランジスタ213はオフ状態となる。従って、電圧降下回路204の出力電圧(3V)がスイッチ回路211の2個のPチャネル型MOSトランジスタ208、214を経て電圧出力端子203から出力される。この時、抵抗素子212は、入力端子202から電圧降下回路204及びスイッチ回路211のPチャネル型MOSトランジスタ208を経て接地電源へ流れる電流を小さく制限している。
【0052】
次に、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの場合について説明する。この時、図1に示した第1の実施の形態と同様の動作で入力端子202の電圧が0Vから5Vの間の任意の電位において電圧降下回路204の出力電圧は3V以下である。一方、電源端子201に接続された低電圧電源は3.3Vであるので、スイッチ回路211内のPチャネル型MOSトランジスタ208及び214はオフ状態となり、Pチャネル型MOSトランジスタ213のゲート電圧は0Vとなる。従って、このPチャネル型MOSトランジスタ213はオン状態となり、電圧出力端子203からは電源端子201に接続された低電圧電源の電圧3.3Vが出力される。
【0053】
以上の動作により、LSI内の低電圧電源が立ち上がっている場合は、入力端子202のHレベルの電圧(5V)を電圧降下回路204で降下して電圧出力端子203から出力するパスをスイッチ回路211の第1及び第2のPチャネル型MOSトランジスタ208、214のオフにより遮断すると共に、電源端子201から電圧出力端子203へのパスをスイッチ回路211の第3のPチャネル型MOSトランジスタで213のオンによりオン状態にして、LSI内の低電圧電源(3.3V)から電圧出力端子203に電圧を供給し、一方、LSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態で入力端子202にHレベルの電圧(5V)の信号が入力された場合には、この入力端子202に入力された信号の電圧を電圧降下回路204で降下して電圧出力端子203から出力するパスをスイッチ回路211の第1及び第2のPチャネル型MOSトランジスタ208、214のオンによりオン状態にすることにより、入力端子202の信号の電圧(5V)を低電圧(3V)に降下して電圧出力端子203に出力する。
【0054】
また、スイッチ回路211が3個のPチャネル型MOSトランジスタ208、213、214により構成されるので、第1の実施の形態と比べて、素子数が増えて面積的に大きくなるが、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態で入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力されたときには、入力端子202から電源端子201を経て低電圧電源に電流が流れることがないという効果を有する。
【0055】
(第2の実施の形態の変形例)
図3の電圧供給回路は、図2に示した第2の実施の形態の電圧供給回路のスイッチ回路211において、第3及び第2のPチャネル型MOSトランジスタ213、214を、各々アナログスイッチ221及びアナログスイッチ222に置換したものである。この構成では、図2の電圧供給回路よりも素子数が増え、面積的には大きくなるが、応答性を良好にすることができるという効果を有する。
【0056】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図4の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0057】
本実施の形態の図4の電圧供給回路では、図2に示した第2の実施の形態の電圧供給回路のスイッチ回路211の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208において、入力端子202に接続された基板とゲートとの間にダイオード機能素子(ダイオード素子)232を配置すると共に、前記ゲートと電源端子201との間に抵抗素子231を配置している。前記ダイオード機能素子232は、その正電極ノードが第1のPチャネル型MOSトランジスタ208のゲートに、その負電極ノードが第1のPチャネル型MOSトランジスタ208の基板及び入力端子202に接続されている。尚、このダイオード機能素子232は、トランジスタにより構成可能である。その他の構成は、図2に示した電圧供給回路の構成と同様であり、図2と同様の機能を有する構成部分には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0058】
本電圧供給回路では、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態、すなわち0Vで、入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力された場合については、ダイオード機能素子232にかかる電圧が逆方向電圧となるので、電源端子201に接続された低電圧電源と入力端子202の間に電流は流れることはなく、図2に示した第2の実施の形態と同様の動作となる。
【0059】
一方、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの場合において、LSI内の低電圧電源の電圧が入力端子202に入力された信号の電圧よりも高い際には、電源端子201から抵抗素子231及びダイオード機能素子232を介して入力端子202に電流が流れるが、Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位と基板電位の電位差は小さくなる。その他は、図2に示した第2の実施の形態と同様の動作となる。抵抗素子231は、電源端子201から入力端子202に流れる電流量を小さく制限している。
【0060】
従って、本実施の形態においても、前記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、次の作用効果も奏する。すなわち、本実施の形態では、第2の実施の形態と比べて、低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている状態では、入力端子202の信号の電圧が低電圧電源の電位と比べてダイオード機能素子232のビルトイン電圧以上低い時には、電源端子201からダイオード機能素子232を経て入力端子202に電流が流れるが、Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位と基板電位との電位差が小さくなるので、比較的小さなレイアウトでもって、デュアルゲートプロセスでのPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電極に基板電位よりも高い電圧を印加する場合の閾値(Vt)特性の変動(経時的低下)の発生等を防止することができる。
【0061】
尚、図1に示した第1の実施の形態の電圧供給回路においても、スイッチ回路207のPチャネル型MOSトランジスタ208の基板を電圧出力端子203に代えて入力端子202に接続し、この基板と電源端子201とを本実施の形態と同様に抵抗素子及びダイオード素子により接続しても良い。
【0062】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図5の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0063】
図5に示した本実施の形態の電圧供給回路では、図2に示した第2の実施の形態の電圧供給回路のスイッチ回路211内の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208において、その基板を電圧降下回路204の構成トランジスタ205、206の基板及び入力端子202とは分離して、電圧出力端子203に接続した構成である。その他の構成は、図2に示した電圧供給回路の構成と同様であるので、図2と同様の機能を有する構成部分に同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0064】
以上のように構成された電圧供給回路について、以下、図5を参照しながらその動作を説明する。
【0065】
先ず、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態、すなわち0Vで、入力端子202にHレベル(5V)の信号が入力された場合には、図2に示した第2の実施の形態と同様の動作で電圧出力端子203からは電圧3Vが出力される。このとき、スイッチ回路211の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位は0Vであるので、このPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位は基板電位(すなわち、電圧出力端子203の電圧3V)よりも低い。
【0066】
次に、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの場合には、図2に示した第2の実施の形態と同様の動作で電圧出力端子203からはその低電圧3.3Vが出力される。このとき、スイッチ回路211の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位は3.3Vであるので、このPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位は基板の電位(3.3V)と同じであって、高くはならない。
【0067】
従って、本実施の形態においても、第2の実施の形態の作用効果を奏すると共に、次の作用効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、第3の実施の形態と比べて、スイッチ回路211の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208の基板を電圧降下回路204とは別ウェルにしてレイアウトする必要があり、面積的に大きくなる可能性があるものの、図4の電圧供給回路のように抵抗素子231及びダイオード機能素子232が不要であり、且つ電源端子201から入力端子202に電流が流れることもなく、デュアルゲートプロセスでのPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電極に基板電位よりも高い電圧を印加する場合の閾値(Vt)特性の経時的低下等を防止することができる。
【0068】
前記の作用効果は、第1の実施の形態のスイッチ回路207においてPチャネル型MOSトランジスタ208の基板が電圧出力端子203に接続されているので、第1の実施の形態の電圧供給回路においても同様に奏される。
【0069】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について、図6の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0070】
図6の電圧供給回路において、241は電圧降下回路204内の2個のPチャネル型MOSトランジスタ205、206間の内部ノード、242は電圧降下回路204内のPチャネル型MOSトランジスタ206とスイッチ回路211内の第1のPチャネル型MOSトランジスタ208との間の電圧降下回路204内の内部ノードである。
【0071】
前記一方の内部ノード241は、直列に接続されたNチャネル型MOSトランジスタ(スイッチ回路)243及びダイオード機能素子(ダイオード素子)244を介して接地電源に接続される。前記他方の内部ノード242は、同様に、直列に接続されたNチャネル型MOSトランジスタ245(スイッチ回路)及びダイオード機能素子(ダイオード素子)246を介して接地電源に接続されている。前記2個のNチャネル型MOSトランジスタ243、245のゲートは、共に電圧出力端子203に接続されていて、電圧出力端子203からの電圧出力時にその電圧(3.3V又は3V)によりオン状態となる。前記ダイオード機能素子244、246は、共に、その正電極ノードが接地電源に接続されている。このダイオード機能素子244、246はトランジスタにより構成可能である。
【0072】
その他の構成は、図2に示した電圧供給回路の構成と同様であり、図2と同様の機能を有する構成部分には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0073】
従って、本実施の形態の電圧供給回路では、図2に示した第2の実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、次の作用効果も奏する。すなわち、本実施の形態では、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの状態で、入力端子202の信号の電圧がある電圧から低い電圧に変化した時に、内部ノード241及び242が過渡的に0V以下になってPチャネル型MOSトランジスタ205、206、208のゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを防止することができるという効果を有する。
【0074】
前記の効果を詳述する。図7は、図2に示す電圧供給回路において、電源端子201に接続された低電圧電源が立ち上がっている状態、すなわち3.3Vの状態で、入力端子202の信号の電圧が5Vから0Vに変化した時の内部ノード241及び242の電位のタイミングチャートを示す。同図において、入力端子202の信号の電圧が5Vから0Vに変化した時、Pチャネル型MOSトランジスタ205及び206のカップリング容量によって、内部ノード241及び242の電位が過渡的に各々−1V及び−2Vに落ちると、Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲート電位は3.3Vであるため、このPチャネル型MOSトランジスタ208のゲート酸化膜には規定耐圧以上である5.3Vの電圧がかかることになる。しかし、本実施の形態では、この時、Nチャネル型MOSトランジスタ243及び245は、そのゲート電位が共に電圧出力端子203の3.3Vであって、オン状態となるので、各内部ノード241及び242にはダイオード機能素子244、246を介して接地電源より電流が流れる。従って、これら内部ノード241及び242の電位は素早く0Vに近づくので、Pチャネル型MOSトランジスタ208のゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを極めて短時間に制限できる。
【0075】
尚、LSI内の低電圧電源の電圧(3.3V)、入力端子202の信号のHレベルの電圧(5V)、基板バイアス効果を考慮した閾値電圧(1V)等の値が変更になった場合には、電圧降下回路204内で直列に接続されるPチャネル型MOSトランジスタの個数も変更されるが、この場合には、当然のことながら、電圧降下回路の内部ノード数も増減するため、それらの内部ノードを、各々、直列に接続されたNチャネル型MOSトランジスタ及びダイオード機能素子を介して接地電源に接続する。これにより、各内部ノードが過渡的に0V以下になってトランジスタのゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを有効に抑制することができる。
【0076】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について、図8の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0077】
図8において、251は、入力端子202と電圧出力端子203との間に設けられたコンデンサ素子である。また、252は、スイッチ回路211の第2のPチャネル型MOSトランジスタ214と電圧出力端子203との間に設けられた抵抗素子である。コンデンサ素子251はトランジスタにより構成可能である。その他の構成は、図2に示す電圧供給回路の構成と同様であるので、図2と同様の機能を有する構成部分には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0078】
以上のように構成された電圧供給回路では、図2に示した第2の実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、次の作用効果をも奏する。すなわち、本実施の形態では、電源端子201に接続されたLSI内の低電圧電源が立ち上がっていない状態、すなわち0Vの状態で、入力端子202にある電圧の信号が入力された場合には、過渡的にコンデンサ素子251により電圧出力端子203の電位を上昇させた後、これに若干遅れて、電圧降下回路204の降下電圧をスイッチ回路211及び抵抗素子252を介して電圧出力端子203に出力する。従って、電圧出力端子203の電圧変化の反応スピードを速くすることができ、過渡応答を改善することができるという効果を有する。
【0079】
前記抵抗素子252は、電源端子201に低電圧電源の電圧(3.3V)が供給されない状態で、入力端子202に高レベル(5V)の信号が入力された際に、スイッチ回路211の第2のPチャネル型MOSトランジスタ214のゲート- ドレイン間に高電圧(5V)がかかる状態となることを防止する機能を奏する。
【0080】
(第6の実施の形態の変形例)
次に、前記第6の実施の形態の変形例について、図9の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0081】
図9において、271は、電圧出力端子203と接地電源との間に設けられたコンデンサ素子である。このコンデンサ素子271はトランジスタにより構成可能である。その他の構成は、図8に示した電圧供給回路の構成と同様であるので、図8と同様の機能を有する構成部分には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0082】
以上のように構成された電圧供給回路は、図8に示した第6の実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、次の作用効果をも奏する。すなわち、本実施の形態では、第6の実施の形態と比べて、素子数が増えるので面積的に大きくなるが、LSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっていない状態、すなわち0Vの状態で、入力端子202にある電圧の信号が入力された場合に、過渡的にコンデンサ素子251により電圧出力端子203の電位が上昇して、その電位変化の反応スピードが速くなるが、この反応スピードをコンデンサ素子271により調整することができる。このことは、反応スピードを速くしながらその反応スピードを調整することにより、電圧出力端子203の電圧が高くなり過ぎて電圧出力端子203から電圧供給を受ける回路内のトランジスタのゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを防止することができるという効果を有する。
【0083】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について、図10の電圧供給回路を参照しながら説明する。
【0084】
図10において、261は、電圧出力端子203と接地電源との間に設けられたダイオード機能素子(他のダイオード素子)であって、その正電極ノードは接地電源に接続されている。このダイオード機能素子261はトランジスタにより構成可能である。その他の構成は、図8に示す電圧供給回路の構成と同様であるので、図8と同様の機能を有する構成部分に同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0085】
以上のように構成された電圧供給回路では、図8に示した第6の実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、次の作用効果をも奏する。すなわち、本実施の形態では、第6の実施の形態と比べて、素子数が増えるので面積的に大きくなるが、LSI内の低電圧電源(3.3V)が立ち上がっている、いないに関係なく、入力端子202の信号がある電圧から低い電圧に変化した時に、コンデンサ素子251により電圧出力端子203の電位が0V以下に落ちると、ダイオード素子261を介して接地電源より電流が流れ、電圧出力端子203の電位が素早く0Vに近づくので、電圧出力端子203からの出力電圧が長い期間0V以下の負電圧になることを抑制して、電圧出力端子203から電圧供給を受ける回路内のトランジスタのゲート酸化膜に規定耐圧以上の電圧がかかることを有効に抑制又は防止することができる効果を奏する。
【0086】
尚、本実施の形態は、図8に示した電圧供給回路にダイオード素子261を付加する構成の他に、図9に示した電圧供給回路にダイオード素子261を付加した構成としても良いのは勿論である。
【0087】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1〜11記載の発明の電圧供給回路によれば、インターフェース回路を使用する側で電源立ち上げのシーケンス等を考慮することなく、インターフェース回路内のトランジスタのゲート酸化膜の破壊の発生を有効に抑制、防止できるという顕著な効果を奏する。特に、請求項3、5記載の発明では、備えるスイッチ回路を少ないトランジスタ数で構成したので、回路規模を有効に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図3】第2の実施の形態の電圧供給回路の変形例を示す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図7】同電圧供給回路の動作を説明するタイミングチャート図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図9】同電圧供給回路の変形例を示す回路図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態の電圧供給回路の構成を示す回路図である。
【図11】内部電源が立ち上がっている場合においてゲート酸化膜が破壊することのない従来のインターフェース回路を示す回路図である。
【符号の説明】
201 電源端子
202 入力端子
203 電圧出力端子
204 電圧降下回路
207、211 スイッチ回路
208 Pチャネル型MOSトランジスタ
(第1のPチャネル型MOSトランジスタ)
213 第3のPチャネル型MOSトランジスタ
214 第2のPチャネル型MOSトランジスタ
231 抵抗素子
232、244、246 ダイオード機能素子(ダイオード素子)
243、245 Nチャネル型MOSトランジスタ
(スイッチ回路)
251 コンデンサ素子
261 ダイオード機能素子(他のダイオード素子)
271 コンデンサ素子(他のコンデンサ素子)

Claims (11)

  1. 第1の電源が接続される電源端子と、前記第1の電源よりも電圧レベルが高い第2の電源の電圧を持つ信号が入力される入力端子と、電圧出力端子とを有するとともに、
    前記入力端子に接続され、前記信号が持つ第2の電源の電圧を降下する電圧降下回路と、
    前記電源端子に接続されると共に前記電圧降下回路の出力を受け、前記第1の電源が立ち上がっている場合には前記第1の電源の電圧を前記電圧出力端子から出力し、前記第1の電源の電圧が立ち上がっていない状態で前記入力端子に前記第2の電源の電圧の信号が与えられた場合には、前記電圧降下回路により降下された電圧を前記電圧出力端子から出力するスイッチ回路とを備えた
    ことを特徴とする電圧供給回路。
  2. 前記スイッチ回路は、
    前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されている場合に限り、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスを遮断するように構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の電圧供給回路。
  3. 前記スイッチ回路は、
    一端が前記電圧降下回路の出力側に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記電源端子に接続されたPチャネル型トランジスタと、
    前記Pチャネル型トランジスタのゲートと前記他端とに接続された抵抗素子とを備える
    ことを特徴とする請求項2記載の電圧供給回路。
  4. 前記スイッチ回路は、
    前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されている場合には、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスを遮断すると共に、前記電源端子から前記電圧出力端子へのパスをオン状態にし、一方、
    前記第1の電源の電圧が前記電源端子に供給されていない状態で前記入力端子に前記第2の電源の電圧を持つ信号が入力された場合には、前記電源端子から前記電圧出力端子へのパスを遮断すると共に、前記電圧降下回路の出力から前記電圧出力端子へのパスをオン状態にするように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電圧供給回路。
  5. 前記スイッチ回路は、
    一端が前記電圧降下回路の出力側に接続され、他端が抵抗素子を介して接地電源に接続され、ゲートが前記電源端子に接続された第1のPチャネル型トランジスタと、
    一端が前記第1のPチャネル型トランジスタの他端に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記電源端子に接続された第2のPチャネル型トランジスタと、
    一端が前記電源端子に接続され、他端が前記電圧出力端子に接続され、ゲートが前記第1のPチャネル型トランジスタの他端に接続された第3のPチャネル型トランジスタとを備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の電圧供給回路。
  6. 前記スイッチ回路において、
    ゲートが前記電源端子に接続される請求項3記載のPチャネル型MOSトランジスタ又は請求項5記載の第1のPチャネル型MOSトランジスタは、その基板が前記入力端子に接続され、その基板と前記電源端子とが、抵抗素子とダイオード素子とを介して接続される
    ことを特徴とする請求項3又は5記載の電圧供給回路。
  7. 前記スイッチ回路において、
    ゲートが前記電源端子に接続される請求項3記載のPチャネル型MOSトランジスタ又は請求項5記載の第1のPチャネル型MOSトランジスタは、その基板が前記電圧降下回路の基板と分離され且つ前記電圧出力端子に接続される
    ことを特徴とする請求項3又は5記載の電圧供給回路。
  8. 前記電圧降下回路の内部ノードは、
    前記電圧出力端子からの電圧出力時にオン状態となるスイッチ回路と、ダイオード素子とを介して接地電源に直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の電圧供給回路。
  9. 前記入力端子は、コンデンサ素子を介して前記電圧出力端子と接続される
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の電圧供給回路。
  10. 前記電圧出力端子は、他のコンデンサ素子を介して接地電源に接続される
    ことを特徴とする請求項9記載の電圧供給回路。
  11. 前記電圧出力端子は、他のダイオード素子を介して接地電源に接続される
    ことを特徴とする請求項9又は10記載の電圧供給回路。
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