JP3721471B2 - 痛み計 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療領域、看護領域、心理学領域などにおいて被験者の痛みの程度を判定する痛み計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被験者が痛み無しと感じる程度から最高の痛みと感じる程度までの複数の痛みレベルが割り振られたスケールに、痛みを感じている被験者の指部が接触された場合、その接触位置を被験者の感じている痛みレベルとして検出するとともに被験者の指部における皮膚抵抗値を検出し、検出された痛みレベル及び皮膚抵抗値を表示することによって、被験者の痛みの程度を客観的に判定する「痛み計」が、本発明の出願人により出願されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2002―321863号「痛み計」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の「痛み計」は、被験者の感じている痛みレベルと被験者の指部における皮膚抵抗値とを検出し、被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を表示することによって、被験者の痛みの程度を客観的に判定することはできる。しかしながら、上記従来の「痛み計」は、それぞれの被験者を識別する機能を有していないため、1台の痛み計で複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することはできない。
【0005】
そこで本発明では、1台で、複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することを可能にし、看護師、医師などが、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる痛み計を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載した痛み計により解決することができる。
【0007】
請求項1に記載の痛み計によれば、センシング手段は、それぞれの被験者に割り当てられたIDキーが差し込まれた場合、それぞれのIDキーのID情報をセンシングするため、記録手段は、センシング手段によりセンシングされたIDキーのID情報を当該被験者の識別情報として記録するとともに、当該被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録する。これにより、1台の痛み計で複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができるため、看護師、医師などが、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる。
【0008】
請求項2に記載の痛み計によれば、センシング手段は、IDキーが差し込まれた場合、当該センシング手段に電源が供給されて当該IDキーのID情報を光学的にセンシングするとともに、当該IDキーが抜き取られた場合に電源の供給が停止されるため、痛み計の電源となる電池の消耗を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、看護師、医師などが、1台で複数の被験者の痛みの程度を認識することができる痛み計1の正面外観図である。また、図2は図1におけるA−A矢視図である。
図1に示すように、痛み計1にはスケール2が設けられている。このスケール2は、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者の指部が接触されるものであって、被験者が殆んど痛みを感じない程度を「1」とし、被験者が最高の痛みと感じる程度を「10」とする痛みレベルが割り振られている。図1に示したスケール2のスケールブロック2aには痛みレベル「1」と「2」が割り振られており、スケールブロック2bには痛みレベル「3」と「4」が、スケールブロック2cには痛みレベル「5」と「6」が、スケールブロック2dには痛みレベル「7」と「8」が、スケールブロック2eには痛みレベル「9」と「10」が割り振られている。上記それぞれのスケールブロック2a,2b,2c,2d,2eは、図2に示すように痛みレベルの大きくなる方向が高くなるように段差が付けられている。尚、スケールブロック2cの中央部に、この位置がスケール2の中央であることを示すためのセンター表示CEが形成されている。このように、それぞれのスケールブロックに段差があると、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者が自分の指部をスケール2に接触させる場合、自分の指部を、より正確に、該当する痛みレベル位置に接触させることができる。
【0010】
図1に示すように、スケール2のそれぞれのスケールブロック2a,2b,2c,2d,2eには、被験者の指部を接触させる複数の接触端子が配設されている。スケールブロック2aには4個の接触端子3a,3b,4a,4bが配設され、スケールブロック2bには4個の接触端子5a,5b,6a,6bが配設されている。また、スケールブロック2cには4個の接触端子7a,7b,8a,8bが配設され、スケールブロック2dには4個の接触端子9a,9b,10a,10bが配設され、スケールブロック2eには4個の接触端子11a,11b,12a,12bが配設されている。
【0011】
上記それぞれの接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12aは、後述するように、例えば5ボルトのプラス電位が印加されている。また、接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bは、後述するマルチプレクサに接続されている。これにより、例えば接触電極5a,5b間に被験者の指部が接触されている場合、被験者が感じている痛みに応じて指部の皮膚から分泌されている水分量に対応した皮膚抵抗を介して上記5ボルト電位が接触端子5aから接触端子5bに印加されるため、後述するマルチプレクサにより例えば2ms間隔でスキャンニングされることによって、被験者の指部が接触されている接触端子5a,5bが特定され、被験者が感じている痛みに相当する痛みレベルが検出される。
【0012】
図1に示すように、スケール2の上部には、痛みレベル「1」〜「10」それぞれに対応して発光色の異なる発光素子、例えば発光ダイオード13,14,15,16,17,18,19,20,21,22が配設されている。尚、この発光素子は、発光ダイオードに限らず、エレクトロルミネセンスなどでもよい。上記発光ダイオード13〜22は、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者が自分の指部をスケール2に接触させた場合、該当する痛みレベルに対応した発光色で発光ダイオードが発光するように電気回路が構成されている。
これにより、被験者は、自分が感じている痛みの程度に応じて、自分の指部を正確にスケール2の適正位置に接触させることができる。
【0013】
上記発光ダイオード13〜22が配列されたブロックの上部に、例えばドットLEDから成る表示器23が配設されている。この表示器23は、被験者の指部が接触されている接触端子が特定され、被験者が感じている痛みに相当する痛みレベルが検出された場合、その痛みレベルと前記指部の皮膚抵抗値とを表示するものである。これにより、看護師や医師は、被験者の痛みの程度を客観的に正確に認識することができる。
【0014】
痛み計1の図1における左側面には、それぞれの被験者に割り当てられたIDキー52(図3、図4参照)が差し込まれるキー差込口50が形成されている。このIDキー52は、それぞれの被験者を識別するためのもので、痛み計1に内蔵されたキー番号センシング部51(図3参照)に差し込まれる。尚、このキー番号センシング部51の構成と作用については後で説明する。
【0015】
図3は、痛み計1の電気的な構成を示したブロック図である。
前述のスケール2に配設されている前記接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12a、及び接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bは櫛形に形成されており、接触端子3a,3b間(4a,4b間〜12a,12b間も同様)は一例として0.5cm間隔になっている。また、接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12aは、図3に示すように連結形状を成す共通電極として形成されており、抵抗31を介して、直流定電圧電源回路32の正極に接続されている。尚、直流定電圧電源回路32は、負極が電源スイッチ33を介してアースラインに接続されており、電源スイッチ33がオンされると電源がオンになり、被験者の指部がスケール2の接触端子から離れると、所定時間後、例えば5分後に電源がオフになる。
【0016】
接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bはマルチプレクサ34に接続されている。マルチプレクサ34は、それぞれの接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bを例えば2ms間隔でスキャンニングすることによって、それぞれの接触端子の電位を検出する。このスキャンニングにより検出されたそれぞれの電位は、A/D変換器35に送られてディジタル変換されたあと、マイクロコンピュータ36に送られる。尚、A/D変換器35はマイクロコンピュータ36に内蔵されているが、マイクロコンピュータ36と分離して設けてもよい。また、上記のようにマルチプレクサ34が2ms間隔でスキャンニングするため、マイクロコンピュータ36はマルチプレクサ34に対してスキャンニング制御信号を出力する。
【0017】
被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者の指部がスケール2の例えば接触端子5a,5bに接触されると、その痛みに応じて被験者の指部皮膚から分泌されている水分量に対応した皮膚抵抗を介して接触端子5aから接触端子5bに電流が流れる。これによって、被験者の指部が接触している接触端子5bの電位が高くなるため、マイクロコンピュータ36は上記のスキャンニング制御により、電位が最も高くなった接触端子5bの位置を当該被験者の痛みレベルとして検出する。また、マイクロコンピュータ36は、更に、最も電位の高い接触端子5bと接触端子5aとの間の電位に基づいて前記皮膚抵抗値を演算する。
【0018】
上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、両者は前述の表示器23に表示される。
この場合、被験者の痛みレベルは、前述のスケール2に割り振られている「1」から「10」の数値で表示され、皮膚抵抗値は0Ωを100パーセント、∞Ωを0パーセントとして表示される。
【0019】
マイクロコンピュータ36には、日時データを出力する時計回路40とメモリー37とが接続されている。これによって、上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに、皮膚抵抗値が演算されると、痛みレベルと皮膚抵抗値は、当該日時、及び後述するIDキー52のキー番号とともにメモリー37に保存される。
【0020】
上記のように被験者の痛みレベルと皮膚抵抗値とが当該日時、及びIDキー52のキー番号とともにメモリー37に保存されると、マイクロコンピュータ36は、ケーブル38もしくは図示していない無線伝送手段を介してこれらの保存データを外部のパーソナルコンピュータ39に供給する。これにより、パーソナルコンピュータ39は、それぞれの被験者が痛みを感じた日時、痛みレベル、皮膚抵抗値に対応した皮膚水分をトレンドグラフ化し、表解析可能な状態にすることができる。尚、マイクロコンピュータ36はLEDドライバ41を介して前述の発光ダイオード13〜22を発光させる制御をする。
【0021】
痛み計1に内蔵されているキー番号センシング部51に前述のIDキー52が差し込まれた場合、キー番号センシング部51は、差し込まれたIDキー52に形成されている光透過孔52aを検知することにより、当該IDキー52のキー番号を識別する。このキー番号は、それぞれの被験者に対応したものであり、前述のように痛み計1で測定されたそれぞれの被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値とともに記録される。これにより、1台の痛み計1に複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができる。尚、IDキー52のキー番号は、それぞれのIDキー52に形成された光透過孔52aの位置により決まるもので、光透過孔52aの数をn個とすれば2n 人の被験者に対応したキー番号を識別することができる。
【0022】
図4は、痛み計1に内蔵されたキー番号センシング部51に上記IDキー52が差し込まれる状態を模式的に示したものである。図4に示すようにキー番号センシング部51の基板51aにはフォトインターラプタPC1〜PC5が配設されている。また、基板51aの端部にはキー番号センシング部51用の電源スイッチ53が配設されており、IDキー52が差し込まれると、IDキー52の先端部が電源スイッチ53を押圧し、同スイッチがオンされるようになっている。上記フォトインターラプタPC1〜PC5は、IDキー52にあけられている光透過孔52aを検知するものであり、光透過孔のあけられている位置に対応した位置にあるフォトインターラプタPC1〜PC5がオンとなる。
【0023】
図5は、キー番号センシング部51の電子回路を示したものである。図5に示すように、上記フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトダイオードのアノード側には、抵抗R1〜R5を介して痛み計1の直流定電圧電源回路32(図3 参照)の正極電圧VCCが印加されており、それぞれのフォトダイオードのカソード側は、電源スイッチ53を介して直流定電圧電源回路32の負側極に接続されている。また、フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトトランジスタのエミッタはアースラインに接続されており、コレクタは抵抗R6〜R10によりプルアップされている。尚、フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトトランジスタのコレクタはデータ出力端子ID1〜ID5と接続されており、データ出力端子ID1〜ID5はマイクロコンピュータ36(図3 参照)に接続されている。この回路構成により、前述のIDキー52がキー番号センシング部51に差し込まれていない場合は、電源スイッチ53がオフであるため、データ出力端子ID1〜ID5における信号は全て論理「H」である。
【0024】
また、電源スイッチ53には、スイッチON/OFF確認用信号を出力するための信号線53aが接続されている。これにより、電源スイッチ53がオンされた場合、この信号線53aは論理「L」となり、電源スイッチ53がオフの状態で、信号線53aは論理「H」となる。このスイッチON/OFF確認用信号はマイクロコンピュータ36に伝送されるため、マイクロコンピュータ36はこのスイッチON/OFF確認用信号に基づいて電源スイッチ53がオンであるかオフであるかを認識する。
【0025】
この構成により、前述のIDキー52がキー番号センシング部51に差し込まれると、電源スイッチ53がオンになり、信号線53aの信号は論理「L」となるため、マイクロコンピュータ36は、このスイッチON/OFF確認用信号を入力すると、IDキー52のキー番号認識処理をする。この場合、IDキー52にあけられている二つの光透過孔52aが上記フォトインターラプタPC4,PC5それぞれに対応した位置であるため、フォトインターラプタPC4,PC5がオンとなり、他のフォトインターラプタPC1〜PC3はオフとなる。これにより、データ出力端子ID1〜ID3における信号は論理「H」、データ出力端子ID4,ID5における信号は論理「L」となり、それぞれの信号はキー番号センシングデータとしてマイクロコンピュータ36に伝送されるため、マイクロコンピュータ36は、このキー番号センシングデータに基づいて当該IDキー52のキー番号を認識し、メモリー37に記録する。
尚、マイクロコンピュータ36は、上記のように信号線53aの信号、即ち、スイッチON/OFF確認用信号の入力を待ってIDキー52のキー番号認識処理をする以外に、データ出力端子ID1〜ID5における信号が全て論理「H」の場合、IDキー52が差し込まれていないと判断し、データ出力端子ID1〜ID5のいずれかが論理「L」になった場合、IDキー52が差し込まれたと判断し、IDキー52のキー番号認識処理をしてもよい。
尚、IDキー52は、図3、図4に示すような一般的な形状のキーに限らず、カード状のものを用いても良い。
【0026】
次に、痛み計1の使用について説明する。
図6は、予め前記IDキー52が割り当てられたそれぞれの被験者の痛みの程度を痛み計1で測定する場合のフロー図である。
ステップS1に示すように、看護師が、痛みを訴えている被験者の所に行き、携帯した痛み計1の電源スイッチ33をオンした状態で、IDキー52を差し込んでもらうと、痛み計1に内蔵されているキー番号センシング部51は、電源スイッチ53がオンされ、差し込まれたIDキー52に形成されている光透過孔52aを検知するため、マイクロコンピュータ36は当該IDキー52のキー番号を検知し、そのキー番号をメモリー37に記憶させる。この状態で、IDキー52が抜き取られると、キー番号センシング部51の電源スイッチ53がオフされるため、痛み計1の電源用電池の消耗が抑制される。
【0027】
看護師は、ステップS2に示すように、被験者が感じている痛みの程度に相当するスケール2の痛みレベルの位置に被験者が自分の指部を接触させるように指示する。
【0028】
ステップS3において、マイクロコンピュータ36は前述のようなスキャンニング制御をすることにより、それぞれの接触端子電位を検出したうえ、電位の大小比較をする。
【0029】
マイクロコンピュータ36は、ステップS4に示すように、それぞれの接触端子の電位を検出し、電位が最も高い接触端子の位置を当該被験者の痛みレベルとして検出する。また、マイクロコンピュータ36は、最も高い電位の接触端子の電位に基づいて被験者の指部における皮膚抵抗値を演算する。
【0030】
上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、ステップS5に示すように、被験者の痛みレベルの数値と皮膚抵抗値とが表示器23に表示される。この場合、被験者の痛みレベルは、スケール2に割り振られている「1」から「10」の数値で表示され、皮膚抵抗値は0Ωを100パーセント、∞Ωを0パーセントとして表示される。
【0031】
マイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、ステップS6に示すように、マイクロコンピュータ36は、既に記録されている当該被験者のキー番号に対応するメモリーアドレスに痛みレベルの数値と皮膚抵抗値とを当該日時とともに保存し、後で、これらの保存データを外部のパーソナルコンピュータ39に供給する。これにより、パーソナルコンピュータ39は、被験者が痛みを感じた日時、痛みレベル、皮膚抵抗値に対応した皮膚水分をトレンドグラフ化し、医者や看護師などが解析可能な状態にすることができる。
【0032】
ステップS7に示すように、5分経過すると、痛み計1の電源が自動的にオフされる。
【0033】
次に、別の被験者の痛みの程度を測定する場合、その被験者に割り当てられたIDキー52を、電源スイッチ33をオンした状態で痛み計1に差し込んでもらうと、上記ステップS1〜S7の処理を行なう。
【0034】
以上の説明から明らかなように、1台の痛み計1を用いることにより、複数の被験者それぞれが感じている痛みの程度を数値化するとともに、被験者の痛みに応じて指部から出る皮膚水分に対応する皮膚抵抗値を測定して両方の数値を表示し、記録することができる。これにより、医者や看護師は、複数の被験者の痛みの程度を客観的に正確に判定することができる。
また、それぞれの被験者が感じている痛みのレベルデータ及び被験者の皮膚抵抗値データを当該日時とともにメモリー37に保存するとともに、これらのデータを外部のパーソナルコンピュータ39に供給することができるため、これらのデータをパーソナルコンピュータ39で解析すれば、それぞれの被験者の痛みの発生時期、痛みの程度などを統計的、日記的に表現することができる。これにより、それぞれの被験者の診断や治療を適正に行なうことができる。尚、上記のパーソナルコンピュータ39の代わりに、汎用のコンピュータや専用のデータ解析装置などを使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、1台の痛み計で、複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができるため、看護師、医師などは、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】痛み計の正面外観図である。
【図2】図1における痛み計のA−A矢視図である。
【図3】痛み計の電気的な構成を示したブロック図である。
【図4】キー番号センシング部の構成説明図である。
【図5】キー番号センシング部の電子回路図である。
【図6】痛み計の動作フロー図である。
【符号の説明】
1 痛み計
2 スケール
2a〜2e スケールブロック
3a〜12a 接触端子
3b〜12b 接触端子
13〜22 発光ダイオード
23 表示器
32 直流安定化電源回路
34 マルチプレクサ
35 A/D変換器
36 マイクロコンピュータ
37 メモリー
39 パーソナルコンピュータ
50 IDキー差込口
51 キー番号センシング部
52 IDキー
53 キー番号センシング部電源スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療領域、看護領域、心理学領域などにおいて被験者の痛みの程度を判定する痛み計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被験者が痛み無しと感じる程度から最高の痛みと感じる程度までの複数の痛みレベルが割り振られたスケールに、痛みを感じている被験者の指部が接触された場合、その接触位置を被験者の感じている痛みレベルとして検出するとともに被験者の指部における皮膚抵抗値を検出し、検出された痛みレベル及び皮膚抵抗値を表示することによって、被験者の痛みの程度を客観的に判定する「痛み計」が、本発明の出願人により出願されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2002―321863号「痛み計」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の「痛み計」は、被験者の感じている痛みレベルと被験者の指部における皮膚抵抗値とを検出し、被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を表示することによって、被験者の痛みの程度を客観的に判定することはできる。しかしながら、上記従来の「痛み計」は、それぞれの被験者を識別する機能を有していないため、1台の痛み計で複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することはできない。
【0005】
そこで本発明では、1台で、複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することを可能にし、看護師、医師などが、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる痛み計を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載した痛み計により解決することができる。
【0007】
請求項1に記載の痛み計によれば、センシング手段は、それぞれの被験者に割り当てられたIDキーが差し込まれた場合、それぞれのIDキーのID情報をセンシングするため、記録手段は、センシング手段によりセンシングされたIDキーのID情報を当該被験者の識別情報として記録するとともに、当該被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録する。これにより、1台の痛み計で複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができるため、看護師、医師などが、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる。
【0008】
請求項2に記載の痛み計によれば、センシング手段は、IDキーが差し込まれた場合、当該センシング手段に電源が供給されて当該IDキーのID情報を光学的にセンシングするとともに、当該IDキーが抜き取られた場合に電源の供給が停止されるため、痛み計の電源となる電池の消耗を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、看護師、医師などが、1台で複数の被験者の痛みの程度を認識することができる痛み計1の正面外観図である。また、図2は図1におけるA−A矢視図である。
図1に示すように、痛み計1にはスケール2が設けられている。このスケール2は、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者の指部が接触されるものであって、被験者が殆んど痛みを感じない程度を「1」とし、被験者が最高の痛みと感じる程度を「10」とする痛みレベルが割り振られている。図1に示したスケール2のスケールブロック2aには痛みレベル「1」と「2」が割り振られており、スケールブロック2bには痛みレベル「3」と「4」が、スケールブロック2cには痛みレベル「5」と「6」が、スケールブロック2dには痛みレベル「7」と「8」が、スケールブロック2eには痛みレベル「9」と「10」が割り振られている。上記それぞれのスケールブロック2a,2b,2c,2d,2eは、図2に示すように痛みレベルの大きくなる方向が高くなるように段差が付けられている。尚、スケールブロック2cの中央部に、この位置がスケール2の中央であることを示すためのセンター表示CEが形成されている。このように、それぞれのスケールブロックに段差があると、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者が自分の指部をスケール2に接触させる場合、自分の指部を、より正確に、該当する痛みレベル位置に接触させることができる。
【0010】
図1に示すように、スケール2のそれぞれのスケールブロック2a,2b,2c,2d,2eには、被験者の指部を接触させる複数の接触端子が配設されている。スケールブロック2aには4個の接触端子3a,3b,4a,4bが配設され、スケールブロック2bには4個の接触端子5a,5b,6a,6bが配設されている。また、スケールブロック2cには4個の接触端子7a,7b,8a,8bが配設され、スケールブロック2dには4個の接触端子9a,9b,10a,10bが配設され、スケールブロック2eには4個の接触端子11a,11b,12a,12bが配設されている。
【0011】
上記それぞれの接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12aは、後述するように、例えば5ボルトのプラス電位が印加されている。また、接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bは、後述するマルチプレクサに接続されている。これにより、例えば接触電極5a,5b間に被験者の指部が接触されている場合、被験者が感じている痛みに応じて指部の皮膚から分泌されている水分量に対応した皮膚抵抗を介して上記5ボルト電位が接触端子5aから接触端子5bに印加されるため、後述するマルチプレクサにより例えば2ms間隔でスキャンニングされることによって、被験者の指部が接触されている接触端子5a,5bが特定され、被験者が感じている痛みに相当する痛みレベルが検出される。
【0012】
図1に示すように、スケール2の上部には、痛みレベル「1」〜「10」それぞれに対応して発光色の異なる発光素子、例えば発光ダイオード13,14,15,16,17,18,19,20,21,22が配設されている。尚、この発光素子は、発光ダイオードに限らず、エレクトロルミネセンスなどでもよい。上記発光ダイオード13〜22は、被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者が自分の指部をスケール2に接触させた場合、該当する痛みレベルに対応した発光色で発光ダイオードが発光するように電気回路が構成されている。
これにより、被験者は、自分が感じている痛みの程度に応じて、自分の指部を正確にスケール2の適正位置に接触させることができる。
【0013】
上記発光ダイオード13〜22が配列されたブロックの上部に、例えばドットLEDから成る表示器23が配設されている。この表示器23は、被験者の指部が接触されている接触端子が特定され、被験者が感じている痛みに相当する痛みレベルが検出された場合、その痛みレベルと前記指部の皮膚抵抗値とを表示するものである。これにより、看護師や医師は、被験者の痛みの程度を客観的に正確に認識することができる。
【0014】
痛み計1の図1における左側面には、それぞれの被験者に割り当てられたIDキー52(図3、図4参照)が差し込まれるキー差込口50が形成されている。このIDキー52は、それぞれの被験者を識別するためのもので、痛み計1に内蔵されたキー番号センシング部51(図3参照)に差し込まれる。尚、このキー番号センシング部51の構成と作用については後で説明する。
【0015】
図3は、痛み計1の電気的な構成を示したブロック図である。
前述のスケール2に配設されている前記接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12a、及び接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bは櫛形に形成されており、接触端子3a,3b間(4a,4b間〜12a,12b間も同様)は一例として0.5cm間隔になっている。また、接触端子3a,4a,5a,6a,7a,8a,9a,10a,11a,12aは、図3に示すように連結形状を成す共通電極として形成されており、抵抗31を介して、直流定電圧電源回路32の正極に接続されている。尚、直流定電圧電源回路32は、負極が電源スイッチ33を介してアースラインに接続されており、電源スイッチ33がオンされると電源がオンになり、被験者の指部がスケール2の接触端子から離れると、所定時間後、例えば5分後に電源がオフになる。
【0016】
接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bはマルチプレクサ34に接続されている。マルチプレクサ34は、それぞれの接触端子3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b,10b,11b,12bを例えば2ms間隔でスキャンニングすることによって、それぞれの接触端子の電位を検出する。このスキャンニングにより検出されたそれぞれの電位は、A/D変換器35に送られてディジタル変換されたあと、マイクロコンピュータ36に送られる。尚、A/D変換器35はマイクロコンピュータ36に内蔵されているが、マイクロコンピュータ36と分離して設けてもよい。また、上記のようにマルチプレクサ34が2ms間隔でスキャンニングするため、マイクロコンピュータ36はマルチプレクサ34に対してスキャンニング制御信号を出力する。
【0017】
被験者が感じている痛みの程度に応じて被験者の指部がスケール2の例えば接触端子5a,5bに接触されると、その痛みに応じて被験者の指部皮膚から分泌されている水分量に対応した皮膚抵抗を介して接触端子5aから接触端子5bに電流が流れる。これによって、被験者の指部が接触している接触端子5bの電位が高くなるため、マイクロコンピュータ36は上記のスキャンニング制御により、電位が最も高くなった接触端子5bの位置を当該被験者の痛みレベルとして検出する。また、マイクロコンピュータ36は、更に、最も電位の高い接触端子5bと接触端子5aとの間の電位に基づいて前記皮膚抵抗値を演算する。
【0018】
上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、両者は前述の表示器23に表示される。
この場合、被験者の痛みレベルは、前述のスケール2に割り振られている「1」から「10」の数値で表示され、皮膚抵抗値は0Ωを100パーセント、∞Ωを0パーセントとして表示される。
【0019】
マイクロコンピュータ36には、日時データを出力する時計回路40とメモリー37とが接続されている。これによって、上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに、皮膚抵抗値が演算されると、痛みレベルと皮膚抵抗値は、当該日時、及び後述するIDキー52のキー番号とともにメモリー37に保存される。
【0020】
上記のように被験者の痛みレベルと皮膚抵抗値とが当該日時、及びIDキー52のキー番号とともにメモリー37に保存されると、マイクロコンピュータ36は、ケーブル38もしくは図示していない無線伝送手段を介してこれらの保存データを外部のパーソナルコンピュータ39に供給する。これにより、パーソナルコンピュータ39は、それぞれの被験者が痛みを感じた日時、痛みレベル、皮膚抵抗値に対応した皮膚水分をトレンドグラフ化し、表解析可能な状態にすることができる。尚、マイクロコンピュータ36はLEDドライバ41を介して前述の発光ダイオード13〜22を発光させる制御をする。
【0021】
痛み計1に内蔵されているキー番号センシング部51に前述のIDキー52が差し込まれた場合、キー番号センシング部51は、差し込まれたIDキー52に形成されている光透過孔52aを検知することにより、当該IDキー52のキー番号を識別する。このキー番号は、それぞれの被験者に対応したものであり、前述のように痛み計1で測定されたそれぞれの被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値とともに記録される。これにより、1台の痛み計1に複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができる。尚、IDキー52のキー番号は、それぞれのIDキー52に形成された光透過孔52aの位置により決まるもので、光透過孔52aの数をn個とすれば2n 人の被験者に対応したキー番号を識別することができる。
【0022】
図4は、痛み計1に内蔵されたキー番号センシング部51に上記IDキー52が差し込まれる状態を模式的に示したものである。図4に示すようにキー番号センシング部51の基板51aにはフォトインターラプタPC1〜PC5が配設されている。また、基板51aの端部にはキー番号センシング部51用の電源スイッチ53が配設されており、IDキー52が差し込まれると、IDキー52の先端部が電源スイッチ53を押圧し、同スイッチがオンされるようになっている。上記フォトインターラプタPC1〜PC5は、IDキー52にあけられている光透過孔52aを検知するものであり、光透過孔のあけられている位置に対応した位置にあるフォトインターラプタPC1〜PC5がオンとなる。
【0023】
図5は、キー番号センシング部51の電子回路を示したものである。図5に示すように、上記フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトダイオードのアノード側には、抵抗R1〜R5を介して痛み計1の直流定電圧電源回路32(図3 参照)の正極電圧VCCが印加されており、それぞれのフォトダイオードのカソード側は、電源スイッチ53を介して直流定電圧電源回路32の負側極に接続されている。また、フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトトランジスタのエミッタはアースラインに接続されており、コレクタは抵抗R6〜R10によりプルアップされている。尚、フォトインターラプタPC1〜PC5それぞれのフォトトランジスタのコレクタはデータ出力端子ID1〜ID5と接続されており、データ出力端子ID1〜ID5はマイクロコンピュータ36(図3 参照)に接続されている。この回路構成により、前述のIDキー52がキー番号センシング部51に差し込まれていない場合は、電源スイッチ53がオフであるため、データ出力端子ID1〜ID5における信号は全て論理「H」である。
【0024】
また、電源スイッチ53には、スイッチON/OFF確認用信号を出力するための信号線53aが接続されている。これにより、電源スイッチ53がオンされた場合、この信号線53aは論理「L」となり、電源スイッチ53がオフの状態で、信号線53aは論理「H」となる。このスイッチON/OFF確認用信号はマイクロコンピュータ36に伝送されるため、マイクロコンピュータ36はこのスイッチON/OFF確認用信号に基づいて電源スイッチ53がオンであるかオフであるかを認識する。
【0025】
この構成により、前述のIDキー52がキー番号センシング部51に差し込まれると、電源スイッチ53がオンになり、信号線53aの信号は論理「L」となるため、マイクロコンピュータ36は、このスイッチON/OFF確認用信号を入力すると、IDキー52のキー番号認識処理をする。この場合、IDキー52にあけられている二つの光透過孔52aが上記フォトインターラプタPC4,PC5それぞれに対応した位置であるため、フォトインターラプタPC4,PC5がオンとなり、他のフォトインターラプタPC1〜PC3はオフとなる。これにより、データ出力端子ID1〜ID3における信号は論理「H」、データ出力端子ID4,ID5における信号は論理「L」となり、それぞれの信号はキー番号センシングデータとしてマイクロコンピュータ36に伝送されるため、マイクロコンピュータ36は、このキー番号センシングデータに基づいて当該IDキー52のキー番号を認識し、メモリー37に記録する。
尚、マイクロコンピュータ36は、上記のように信号線53aの信号、即ち、スイッチON/OFF確認用信号の入力を待ってIDキー52のキー番号認識処理をする以外に、データ出力端子ID1〜ID5における信号が全て論理「H」の場合、IDキー52が差し込まれていないと判断し、データ出力端子ID1〜ID5のいずれかが論理「L」になった場合、IDキー52が差し込まれたと判断し、IDキー52のキー番号認識処理をしてもよい。
尚、IDキー52は、図3、図4に示すような一般的な形状のキーに限らず、カード状のものを用いても良い。
【0026】
次に、痛み計1の使用について説明する。
図6は、予め前記IDキー52が割り当てられたそれぞれの被験者の痛みの程度を痛み計1で測定する場合のフロー図である。
ステップS1に示すように、看護師が、痛みを訴えている被験者の所に行き、携帯した痛み計1の電源スイッチ33をオンした状態で、IDキー52を差し込んでもらうと、痛み計1に内蔵されているキー番号センシング部51は、電源スイッチ53がオンされ、差し込まれたIDキー52に形成されている光透過孔52aを検知するため、マイクロコンピュータ36は当該IDキー52のキー番号を検知し、そのキー番号をメモリー37に記憶させる。この状態で、IDキー52が抜き取られると、キー番号センシング部51の電源スイッチ53がオフされるため、痛み計1の電源用電池の消耗が抑制される。
【0027】
看護師は、ステップS2に示すように、被験者が感じている痛みの程度に相当するスケール2の痛みレベルの位置に被験者が自分の指部を接触させるように指示する。
【0028】
ステップS3において、マイクロコンピュータ36は前述のようなスキャンニング制御をすることにより、それぞれの接触端子電位を検出したうえ、電位の大小比較をする。
【0029】
マイクロコンピュータ36は、ステップS4に示すように、それぞれの接触端子の電位を検出し、電位が最も高い接触端子の位置を当該被験者の痛みレベルとして検出する。また、マイクロコンピュータ36は、最も高い電位の接触端子の電位に基づいて被験者の指部における皮膚抵抗値を演算する。
【0030】
上記のようにマイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、ステップS5に示すように、被験者の痛みレベルの数値と皮膚抵抗値とが表示器23に表示される。この場合、被験者の痛みレベルは、スケール2に割り振られている「1」から「10」の数値で表示され、皮膚抵抗値は0Ωを100パーセント、∞Ωを0パーセントとして表示される。
【0031】
マイクロコンピュータ36により被験者の痛みレベルが検出されるとともに皮膚抵抗値が演算されると、ステップS6に示すように、マイクロコンピュータ36は、既に記録されている当該被験者のキー番号に対応するメモリーアドレスに痛みレベルの数値と皮膚抵抗値とを当該日時とともに保存し、後で、これらの保存データを外部のパーソナルコンピュータ39に供給する。これにより、パーソナルコンピュータ39は、被験者が痛みを感じた日時、痛みレベル、皮膚抵抗値に対応した皮膚水分をトレンドグラフ化し、医者や看護師などが解析可能な状態にすることができる。
【0032】
ステップS7に示すように、5分経過すると、痛み計1の電源が自動的にオフされる。
【0033】
次に、別の被験者の痛みの程度を測定する場合、その被験者に割り当てられたIDキー52を、電源スイッチ33をオンした状態で痛み計1に差し込んでもらうと、上記ステップS1〜S7の処理を行なう。
【0034】
以上の説明から明らかなように、1台の痛み計1を用いることにより、複数の被験者それぞれが感じている痛みの程度を数値化するとともに、被験者の痛みに応じて指部から出る皮膚水分に対応する皮膚抵抗値を測定して両方の数値を表示し、記録することができる。これにより、医者や看護師は、複数の被験者の痛みの程度を客観的に正確に判定することができる。
また、それぞれの被験者が感じている痛みのレベルデータ及び被験者の皮膚抵抗値データを当該日時とともにメモリー37に保存するとともに、これらのデータを外部のパーソナルコンピュータ39に供給することができるため、これらのデータをパーソナルコンピュータ39で解析すれば、それぞれの被験者の痛みの発生時期、痛みの程度などを統計的、日記的に表現することができる。これにより、それぞれの被験者の診断や治療を適正に行なうことができる。尚、上記のパーソナルコンピュータ39の代わりに、汎用のコンピュータや専用のデータ解析装置などを使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、1台の痛み計で、複数の被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録することができるため、看護師、医師などは、それぞれの被験者の痛みの程度を客観的に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】痛み計の正面外観図である。
【図2】図1における痛み計のA−A矢視図である。
【図3】痛み計の電気的な構成を示したブロック図である。
【図4】キー番号センシング部の構成説明図である。
【図5】キー番号センシング部の電子回路図である。
【図6】痛み計の動作フロー図である。
【符号の説明】
1 痛み計
2 スケール
2a〜2e スケールブロック
3a〜12a 接触端子
3b〜12b 接触端子
13〜22 発光ダイオード
23 表示器
32 直流安定化電源回路
34 マルチプレクサ
35 A/D変換器
36 マイクロコンピュータ
37 メモリー
39 パーソナルコンピュータ
50 IDキー差込口
51 キー番号センシング部
52 IDキー
53 キー番号センシング部電源スイッチ
Claims (2)
- 被験者が痛み無しと感じる程度から最高の痛みと感じる程度までの複数の痛みレベルが割り振られたスケールに、痛みを感じている被験者の指部が接触された場合、その接触位置を当該被験者の感じている痛みレベルとして検出するとともに当該被験者の指部における皮膚抵抗値を検出し、検出された痛みレベル及び皮膚抵抗値を表示する痛み計において、
それぞれの被験者に割り当てられたIDキーが差し込まれた場合に当該IDキーのID情報をセンシングするセンシング手段と、前記センシング手段によりセンシングされた前記IDキーのID情報とともに前記被験者の痛みレベル及び皮膚抵抗値を記録する記録手段とを備えることを特徴とする痛み計。 - 前記センシング手段は、前記IDキーが差し込まれた場合、当該センシング手段に電源が供給されて当該IDキーのID情報を光学的にセンシングするとともに、当該IDキーが抜き取られた場合に前記電源の供給が停止されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の痛み計。
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