JP3721313B2 - 異種組合せ絶縁電線 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異種組合せ絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁電線は、電気を流す導体と、導体の周囲へ電気の漏れを防ぐ絶縁体によって構成されている。従来の絶縁電線は、導体にエナメルを附したものや、導体に複数の絶縁層を積層して多層絶縁体としており、主絶縁部材として、昔はゴム、現在ではポリエステル、ナイロン等のプラスチックを用いて構成されたものが使用されている。また、絶縁体によって被覆されている導体の絶縁電線は、電気用品取締法、JISに規定されているほか、国際規格としては、IEC(国際電気標準会議)規格60950:1999・附属書U2.10.5.4 項において、強化電線(螺旋巻絶縁3層又は押出絶縁3層)が規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、エナメル線をトランスの巻線として用いられる電磁コイルに於て、エナメル線は、ピンホールによる絶縁不良や、耐摩耗性に乏しく皮膜が剥離しやすい等といった問題点があり、自動巻線機による高速巻線作業が不可能であった。
【0004】
また、多層絶縁体を附した導体による電磁コイルに於ては、エナメル線の場合の絶縁性(耐電圧性)、耐摩耗性等を改善することができるものであるが、その効果は、従来品の欠点を補う程度のもの、又は、自己融着性を持たせた程度のものであった。それは、ポリエステル、ポリエーテルスルホン又は、ポリエーテルイミド等にフィラーを入れて、夫々の特性を高めたものであり、単独で用いても絶縁材として機能するため、他の樹脂と組んで多層にする意味がない。即ち、多層にしても、特性値が顕著に向上する期待はできないものであった。また、絶縁材として耐電圧性に優れているものは耐摩耗性に劣り、耐摩耗性に優れるものは可撓性が無い又は耐熱性が無い等、一長一短のものであった。
【0005】
そこで本発明は、絶縁体の厚さを厚くすることなく絶縁性・耐摩耗性・耐熱性に極めて優れた、異種組合せ絶縁電線を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る異種組合せ絶縁電線は、導体に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、該導体に、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層を重ねて被覆させたものである。
【0007】
また、導体に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第1絶縁層と、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第2絶縁層と、主体成分がポリイミドからなる絶縁層、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第3絶縁層と、からなる上記第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層のうちいずれか2層以上を、上記導体に、重ねて被覆させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
異種組合せ絶縁電線は、主として、パソコンや携帯電話等のインターフェイス周辺機器、制御用インバータ等、IT(情報技術)産業機器に内蔵されるマイクロトランスの電磁コイル(巻線)として用いられる電線に関するものである。
【0010】
現在、ユーザーの絶縁電線の要求品質としては、耐摩耗性は耐摩耗性試験 100回以上、かつ、耐電圧試験による破壊電圧は、20000 V以上としている。
電気を流す導体1としては金属製の銅線等があるが、この金属線の表面に、すずメッキ又はエナメル等のコーティングしたものを含む。また、導体1のサイズ(直径)は、0.2mm 〜1.0mm までの細線のものが使用可能とする。
【0011】
絶縁層として使用する高分子材料の単独の物性を以下に説明する。
絶縁層として使用するサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)の物性は、押出温度は 265℃で押出加工性は良い。耐摩耗性に優れ耐絶縁破壊性も良い。その反面、耐熱性、耐燃性、に弱くクラックが発生し、湿気により加水分解する。また、巻線時の加工性は良いものである。
【0012】
ポリフェニレンサルファイド(PPS)の物性は、押出温度は 325℃であり、押出加工性は良い。また、耐熱性が他の絶縁材料よりも優れており、さらに、湿気に対して加水分解しない特徴を有する。但し、耐摩耗性、耐絶縁破壊性については、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)より劣る。
【0013】
ポリアミド6T(PA6T)の物性は、押出温度は 325℃であり、押出加工性は良く、耐摩耗性、耐絶縁破壊性は良好である。
ポリアミド9T(PA9T)の物性は、押出温度は 330〜340 ℃であり、押出加工性が悪く、PA6Tよりも硬くて脆い欠点がある。PA6Tの方が、PA9Tよりも柔らかいものであるが、PA9Tはその他の物性はPA6Tと大差はない。
【0014】
ポリエーテルサルフォン(PES)の物性は、押出温度は 360℃であり、押出加工性は良い。特に耐熱性に優れるが、このPESを電線の絶縁層として被覆した完成品を折り曲げたとき鋭角に折れて、折れ目が白化する(組織が破壊され白くなる)という致命的な欠点があり、単独では使用できない。
【0015】
ポリイミド(PI)の物性は、押出温度は 420℃であり、押出加工性は良い。特に、耐熱性に優れるが、他の樹脂との相融性がないので絶縁層が剥がれやすく、高価でありコスト高となる。
【0016】
次に、高分子材料による多層組合せをベースとした多層絶縁電線2について説明する。本発明では、特に耐電圧に優れた材料と、特に耐摩耗性に優れた材料と、特に耐熱性に優れた材料と、特に巻き付け加熱性(ひび割れしない性質)に優れた材料等を組合せ処方して、多層を形成するものである。
【0017】
耐熱性 120℃タイプの多層絶縁電線として、図1と図2に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる絶縁層b、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せAとする)。また、この多層構成は、TPEE、PPS、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、また、その組合せは自由である。
【0018】
耐熱性 130℃タイプの多層絶縁電線として、図3と図4に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリエーテルサルフォン(PES)絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せBとする)。また、この多層構成は、TPEE、PES、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、また、その組合せは自由である。
【0019】
耐熱性 155℃タイプの多層絶縁電線として、図5と図6に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、ポリイミド(PI)からなる絶縁層e、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せCとする)。また、この多層構成は、PI、PES、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、その組合せは自由である。
異種組合せA,B,Cの、積層する絶縁層の内側から外側への順番は図例以外のものであってもよく、その変更は自由である。
【0020】
また、他の実施の形態としては、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる絶縁層b、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねて第1絶縁層Lを形成する。次に、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねた第2絶縁層Mを形成する。次に、主体成分がポリイミド(PI)からなる絶縁層e、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねた第3絶縁層Nを形成する。そして、図7と図8に示すように、第1絶縁層L、第2絶縁層M、第3絶縁層Nを、導体1に、重ねて積層状に被覆させたものである(これを複合異種組合せDとする)。また、この複合多層構成は、第1絶縁層L、第2絶縁層M、第3絶縁層Nによる絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、その組合せは自由である。
【0021】
複合異種組合せDの、積層する絶縁層の内側から外側への順番は図例以外のものであってもよく、その変更は自由である。
上記絶縁層を構成する絶縁材料は、アロイ又はその他の混合物を含むものであってもよい。即ち、例えば、ここでいう主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)とは、TPEEに少量の他の物質が混入したものであっても、TPEEが有効成分としての主体(主体成分)を成すものを言う。また、これは、他の絶縁層を形成する高分子材料についても同様である。
【0022】
一般に電線の絶縁体は、その厚さが大きいほど特性が強化・向上する。しかし、電磁コイルに於ては、従来、エナメル線を用いていたため、本発明の異種組合せ絶縁電線に於ても、同サイズのものとしている。その絶縁層の厚さは0.1mm までとして、3層組合せ絶縁体の場合は、1層の厚さを0.033mm としている。
【0023】
下記の表1に、導体1の直径が0.4mm の軟銅線を用いて、絶縁層の全厚さを 0.1mmとし、上記異種組合せAを構成するTPEE、PPS、PA6Tを、夫々単独(1種類の絶縁体)で被覆して製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
また、下記の表2、表3、表4に、導体1を0.4mm の軟銅線を用いて、上記、異種組合せAのTPEE、PPS、PA6Tの絶縁層a,b,cのうちのいずれか2層を、各層の厚さを0.05mmとして、重ねて被覆させ、絶縁層の全厚さを0.1mm の製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
また、下記の表5に、導体1を0.4mm の軟銅線を用いて、上記、異種組合せAのTPEE、PPS、PA6Tを、夫々、0.033mm として被覆して、絶縁層の全厚さを0.1mm の製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0030】
【表5】
【0031】
表1と表2〜表5の結果により、同じ厚さの絶縁層であっても、異種組合せAからなる多層絶縁体は、単独の絶縁層を形成した場合より、2〜4倍の耐電圧・耐摩耗性を有することとなる。
【0032】
また、異種組合せB、及び、異種組合せCの場合の試験結果は、省略するが、表1及び表2〜表5と略同様の結果である。
【0033】
異種組合せA、異種組合せB及び異種組合せCにより形成された絶縁層をさらに、積層させて得られた積層体、即ち、上記複合異種組合せDの場合による耐電圧試験結果は、絶縁破壊が30000 Vを越え、耐摩耗試験に於ては、 700回を越えるものであった。即ち、同じ絶縁層の厚さであっても、表1の単独絶縁層の場合の3倍以上の耐電圧・耐摩耗性を有することとなる。
【0034】
本発明の異種組合せ絶縁電線は、耐電圧性及び絶縁抵抗性、自動巻取機に耐え得る耐摩耗性、耐熱性、はんだの 410℃の温度で絶縁体が溶融し導体にはんだが付着するはんだ溶融性、巻き付け加熱性(ひび割れしない性質)、可撓性、を備えた多層絶縁電線2とするものである。
【0035】
本発明の異種の絶縁層を多層にすることで、異なる性質の高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、最大の特性を発現することを可能とし、最外層の絶縁層が、紫外線、高温、寒冷、薬品等の外的要因によって侵されたとき、材質の異なる下の層がそれを防御し、電線の絶縁層が3層構造のときは、その層が侵されたときは、更に次の下の層が防御することができるものである。即ち、材質が異なる絶縁層を複数使用することで、極めて優れた特性を発揮するものである。
【0036】
この異種組合せ絶縁電線は、上記高分子化合物のみにより構成されるだけではなく、他のテープを絶縁層や導体1の保護層として更に設けてもよいものである。また、必要によって絶縁電線を保護する外装を附してもよいものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0038】
(請求項1によれば)絶縁層を厚くすることなく、異なる高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、単独の材料で使用するよりも、絶縁電線としての数倍の特性(特に耐電圧、耐摩耗性、耐熱性)を発現させることができる。従って、耐高電圧で、性能の極めて優れた、細い絶縁電線とする事が可能である。
【0039】
(請求項2によれば)絶縁層を厚くすることなく、異なる高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、単独の材料で使用するよりも、絶縁電線としてのさらに数倍の特性(特に耐電圧、耐摩耗性、耐熱性)を発現させることができる。従って、耐高電圧で、性能の極めて優れた、細い絶縁電線とする事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の異種組合せ絶縁電線の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図3】 異種組合せ絶縁電線を示す断面図である。
【図4】 異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図5】 異種組合せ絶縁電線を示す断面図である。
【図6】 異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図7】 本発明の異種組合せ絶縁電線の別の実施の一形態を示す断面図である。
【図8】 本発明の異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【符号の説明】
1 導体
a 絶縁層
b 絶縁層
c 絶縁層
d 絶縁層
e 絶縁層
L 第1絶縁層
M 第2絶縁層
N 第3絶縁層
【発明の属する技術分野】
本発明は、異種組合せ絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁電線は、電気を流す導体と、導体の周囲へ電気の漏れを防ぐ絶縁体によって構成されている。従来の絶縁電線は、導体にエナメルを附したものや、導体に複数の絶縁層を積層して多層絶縁体としており、主絶縁部材として、昔はゴム、現在ではポリエステル、ナイロン等のプラスチックを用いて構成されたものが使用されている。また、絶縁体によって被覆されている導体の絶縁電線は、電気用品取締法、JISに規定されているほか、国際規格としては、IEC(国際電気標準会議)規格60950:1999・附属書U2.10.5.4 項において、強化電線(螺旋巻絶縁3層又は押出絶縁3層)が規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、エナメル線をトランスの巻線として用いられる電磁コイルに於て、エナメル線は、ピンホールによる絶縁不良や、耐摩耗性に乏しく皮膜が剥離しやすい等といった問題点があり、自動巻線機による高速巻線作業が不可能であった。
【0004】
また、多層絶縁体を附した導体による電磁コイルに於ては、エナメル線の場合の絶縁性(耐電圧性)、耐摩耗性等を改善することができるものであるが、その効果は、従来品の欠点を補う程度のもの、又は、自己融着性を持たせた程度のものであった。それは、ポリエステル、ポリエーテルスルホン又は、ポリエーテルイミド等にフィラーを入れて、夫々の特性を高めたものであり、単独で用いても絶縁材として機能するため、他の樹脂と組んで多層にする意味がない。即ち、多層にしても、特性値が顕著に向上する期待はできないものであった。また、絶縁材として耐電圧性に優れているものは耐摩耗性に劣り、耐摩耗性に優れるものは可撓性が無い又は耐熱性が無い等、一長一短のものであった。
【0005】
そこで本発明は、絶縁体の厚さを厚くすることなく絶縁性・耐摩耗性・耐熱性に極めて優れた、異種組合せ絶縁電線を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る異種組合せ絶縁電線は、導体に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、該導体に、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層を重ねて被覆させたものである。
【0007】
また、導体に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第1絶縁層と、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第2絶縁層と、主体成分がポリイミドからなる絶縁層、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層のうちのいずれか2層以上を重ねた第3絶縁層と、からなる上記第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層のうちいずれか2層以上を、上記導体に、重ねて被覆させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
異種組合せ絶縁電線は、主として、パソコンや携帯電話等のインターフェイス周辺機器、制御用インバータ等、IT(情報技術)産業機器に内蔵されるマイクロトランスの電磁コイル(巻線)として用いられる電線に関するものである。
【0010】
現在、ユーザーの絶縁電線の要求品質としては、耐摩耗性は耐摩耗性試験 100回以上、かつ、耐電圧試験による破壊電圧は、20000 V以上としている。
電気を流す導体1としては金属製の銅線等があるが、この金属線の表面に、すずメッキ又はエナメル等のコーティングしたものを含む。また、導体1のサイズ(直径)は、0.2mm 〜1.0mm までの細線のものが使用可能とする。
【0011】
絶縁層として使用する高分子材料の単独の物性を以下に説明する。
絶縁層として使用するサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)の物性は、押出温度は 265℃で押出加工性は良い。耐摩耗性に優れ耐絶縁破壊性も良い。その反面、耐熱性、耐燃性、に弱くクラックが発生し、湿気により加水分解する。また、巻線時の加工性は良いものである。
【0012】
ポリフェニレンサルファイド(PPS)の物性は、押出温度は 325℃であり、押出加工性は良い。また、耐熱性が他の絶縁材料よりも優れており、さらに、湿気に対して加水分解しない特徴を有する。但し、耐摩耗性、耐絶縁破壊性については、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)より劣る。
【0013】
ポリアミド6T(PA6T)の物性は、押出温度は 325℃であり、押出加工性は良く、耐摩耗性、耐絶縁破壊性は良好である。
ポリアミド9T(PA9T)の物性は、押出温度は 330〜340 ℃であり、押出加工性が悪く、PA6Tよりも硬くて脆い欠点がある。PA6Tの方が、PA9Tよりも柔らかいものであるが、PA9Tはその他の物性はPA6Tと大差はない。
【0014】
ポリエーテルサルフォン(PES)の物性は、押出温度は 360℃であり、押出加工性は良い。特に耐熱性に優れるが、このPESを電線の絶縁層として被覆した完成品を折り曲げたとき鋭角に折れて、折れ目が白化する(組織が破壊され白くなる)という致命的な欠点があり、単独では使用できない。
【0015】
ポリイミド(PI)の物性は、押出温度は 420℃であり、押出加工性は良い。特に、耐熱性に優れるが、他の樹脂との相融性がないので絶縁層が剥がれやすく、高価でありコスト高となる。
【0016】
次に、高分子材料による多層組合せをベースとした多層絶縁電線2について説明する。本発明では、特に耐電圧に優れた材料と、特に耐摩耗性に優れた材料と、特に耐熱性に優れた材料と、特に巻き付け加熱性(ひび割れしない性質)に優れた材料等を組合せ処方して、多層を形成するものである。
【0017】
耐熱性 120℃タイプの多層絶縁電線として、図1と図2に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる絶縁層b、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せAとする)。また、この多層構成は、TPEE、PPS、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、また、その組合せは自由である。
【0018】
耐熱性 130℃タイプの多層絶縁電線として、図3と図4に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリエーテルサルフォン(PES)絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せBとする)。また、この多層構成は、TPEE、PES、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、また、その組合せは自由である。
【0019】
耐熱性 155℃タイプの多層絶縁電線として、図5と図6に示すように、導体1に、内側から外側へ向かって、主体成分が、ポリイミド(PI)からなる絶縁層e、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層cを、重ねて積層状に被覆させたものである(これを異種組合せCとする)。また、この多層構成は、PI、PES、PA6T(又はPA9T)による絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、その組合せは自由である。
異種組合せA,B,Cの、積層する絶縁層の内側から外側への順番は図例以外のものであってもよく、その変更は自由である。
【0020】
また、他の実施の形態としては、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる絶縁層b、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねて第1絶縁層Lを形成する。次に、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)からなる絶縁層a、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねた第2絶縁層Mを形成する。次に、主体成分がポリイミド(PI)からなる絶縁層e、ポリエーテルサルフォン(PES)からなる絶縁層d、ポリアミド6T(PA6T)〔又はポリアミド9T(PA9T)〕からなる絶縁層c、のうちのいずれか2層以上を重ねた第3絶縁層Nを形成する。そして、図7と図8に示すように、第1絶縁層L、第2絶縁層M、第3絶縁層Nを、導体1に、重ねて積層状に被覆させたものである(これを複合異種組合せDとする)。また、この複合多層構成は、第1絶縁層L、第2絶縁層M、第3絶縁層Nによる絶縁層のうちのいずれか2層から構成したものとしてもよく、その組合せは自由である。
【0021】
複合異種組合せDの、積層する絶縁層の内側から外側への順番は図例以外のものであってもよく、その変更は自由である。
上記絶縁層を構成する絶縁材料は、アロイ又はその他の混合物を含むものであってもよい。即ち、例えば、ここでいう主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマー(TPEE)とは、TPEEに少量の他の物質が混入したものであっても、TPEEが有効成分としての主体(主体成分)を成すものを言う。また、これは、他の絶縁層を形成する高分子材料についても同様である。
【0022】
一般に電線の絶縁体は、その厚さが大きいほど特性が強化・向上する。しかし、電磁コイルに於ては、従来、エナメル線を用いていたため、本発明の異種組合せ絶縁電線に於ても、同サイズのものとしている。その絶縁層の厚さは0.1mm までとして、3層組合せ絶縁体の場合は、1層の厚さを0.033mm としている。
【0023】
下記の表1に、導体1の直径が0.4mm の軟銅線を用いて、絶縁層の全厚さを 0.1mmとし、上記異種組合せAを構成するTPEE、PPS、PA6Tを、夫々単独(1種類の絶縁体)で被覆して製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
また、下記の表2、表3、表4に、導体1を0.4mm の軟銅線を用いて、上記、異種組合せAのTPEE、PPS、PA6Tの絶縁層a,b,cのうちのいずれか2層を、各層の厚さを0.05mmとして、重ねて被覆させ、絶縁層の全厚さを0.1mm の製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
また、下記の表5に、導体1を0.4mm の軟銅線を用いて、上記、異種組合せAのTPEE、PPS、PA6Tを、夫々、0.033mm として被覆して、絶縁層の全厚さを0.1mm の製品とした場合の耐電圧試験及び耐摩耗試験による結果を示す。
【0030】
【表5】
【0031】
表1と表2〜表5の結果により、同じ厚さの絶縁層であっても、異種組合せAからなる多層絶縁体は、単独の絶縁層を形成した場合より、2〜4倍の耐電圧・耐摩耗性を有することとなる。
【0032】
また、異種組合せB、及び、異種組合せCの場合の試験結果は、省略するが、表1及び表2〜表5と略同様の結果である。
【0033】
異種組合せA、異種組合せB及び異種組合せCにより形成された絶縁層をさらに、積層させて得られた積層体、即ち、上記複合異種組合せDの場合による耐電圧試験結果は、絶縁破壊が30000 Vを越え、耐摩耗試験に於ては、 700回を越えるものであった。即ち、同じ絶縁層の厚さであっても、表1の単独絶縁層の場合の3倍以上の耐電圧・耐摩耗性を有することとなる。
【0034】
本発明の異種組合せ絶縁電線は、耐電圧性及び絶縁抵抗性、自動巻取機に耐え得る耐摩耗性、耐熱性、はんだの 410℃の温度で絶縁体が溶融し導体にはんだが付着するはんだ溶融性、巻き付け加熱性(ひび割れしない性質)、可撓性、を備えた多層絶縁電線2とするものである。
【0035】
本発明の異種の絶縁層を多層にすることで、異なる性質の高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、最大の特性を発現することを可能とし、最外層の絶縁層が、紫外線、高温、寒冷、薬品等の外的要因によって侵されたとき、材質の異なる下の層がそれを防御し、電線の絶縁層が3層構造のときは、その層が侵されたときは、更に次の下の層が防御することができるものである。即ち、材質が異なる絶縁層を複数使用することで、極めて優れた特性を発揮するものである。
【0036】
この異種組合せ絶縁電線は、上記高分子化合物のみにより構成されるだけではなく、他のテープを絶縁層や導体1の保護層として更に設けてもよいものである。また、必要によって絶縁電線を保護する外装を附してもよいものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0038】
(請求項1によれば)絶縁層を厚くすることなく、異なる高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、単独の材料で使用するよりも、絶縁電線としての数倍の特性(特に耐電圧、耐摩耗性、耐熱性)を発現させることができる。従って、耐高電圧で、性能の極めて優れた、細い絶縁電線とする事が可能である。
【0039】
(請求項2によれば)絶縁層を厚くすることなく、異なる高分子材料を組み合わせた処方の薬理効果によって、単独の材料で使用するよりも、絶縁電線としてのさらに数倍の特性(特に耐電圧、耐摩耗性、耐熱性)を発現させることができる。従って、耐高電圧で、性能の極めて優れた、細い絶縁電線とする事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の異種組合せ絶縁電線の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図3】 異種組合せ絶縁電線を示す断面図である。
【図4】 異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図5】 異種組合せ絶縁電線を示す断面図である。
【図6】 異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【図7】 本発明の異種組合せ絶縁電線の別の実施の一形態を示す断面図である。
【図8】 本発明の異種組合せ絶縁電線の説明図である。
【符号の説明】
1 導体
a 絶縁層
b 絶縁層
c 絶縁層
d 絶縁層
e 絶縁層
L 第1絶縁層
M 第2絶縁層
N 第3絶縁層
Claims (2)
- 導体1に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、該導体1に、主体成分が、サーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層b、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層cを重ねて被覆させたことを特徴とする異種組合せ絶縁電線。
- 導体1に複数の絶縁層を被覆させた異種組合せ絶縁電線であって、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層a、ポリフェニレンサルファイドからなる絶縁層b、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層cのうちのいずれか2層以上を重ねた第1絶縁層Lと、主体成分がサーモプラスチックポリエステルエラストマーからなる絶縁層a、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層d、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層cのうちのいずれか2層以上を重ねた第2絶縁層Mと、主体成分がポリイミドからなる絶縁層e、ポリエーテルサルフォンからなる絶縁層d、ポリアミド6T又はポリアミド9Tからなる絶縁層cのうちのいずれか2層以上を重ねた第3絶縁層Nと、からなる上記第1絶縁層L、第2絶縁層M、第3絶縁層Nのうちいずれか2層以上を、上記導体1に、重ねて被覆させたことを特徴とする異種組合せ絶縁電線。
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