JP3720627B2 - 内燃機関の空気流量制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸気管に回転自在に支持された絞弁軸の回転により吸気管内を流れる空気流量を調整する絞弁を備えた内燃機関の空気流量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の内燃機関の空気流量制御装置の断面図である。
この内燃機関の空気流量制御装置は、ポリアミド系樹脂にガラス繊維が含まれた吸気管1と、この吸気管1の軸線方向に対して直交しているとともに軸受け部2を介して回転自在に支持された絞弁軸3と、この絞弁軸3に固定され絞弁軸3の回転により吸気管1内を流れる空気流量を調整する絞弁4と、絞弁軸3の端部に周方向に沿って形成された溝部3aに係止され絞弁軸3が矢印A方向に移動するのを阻止するとともに吸気管1の凹部1aに嵌着されたリテーナ5と、このリテーナ5を押圧するとともに絞弁4の開口度を検知するセンサであるポテンショメータ6と、このポテンショメータ6を吸気管1に固定したねじ(図示せず)と、絞弁軸3を矢印Aの方向に付勢するとともに絞弁4を閉じる方向に付勢した捩りばね7とを備えている。
【0003】
リテーナ5はガラス繊維が含有したポリアミド系樹脂で構成されている。このリテーナ5は、図3に示すように絞弁軸3の外径よりも大きい大径部5a及び絞弁軸3の外径よりも小さくかつ溝部3aの底面外径よりも大きい小径部5bを有している。
【0004】
このリテーナ5は、最初にリテーナ5の大径部5aに絞弁軸3を挿入し、その後、溝部3a上でリテーナ5を径方向に移動して小径部5bを溝部3aに係止し、次に凹部1aにリテーナ5をポテンショメータ6を介して押圧し、最後にポテンショメータ6を吸気管1にねじを用いて固定することで、吸気管1に取り付けられる。
【0005】
この内燃機関の空気流量制御装置では、吸気管1に回転自在に支持された絞弁軸3の回転により、絞弁4の吸気管1内での開口度を変え、吸気管1内を流れる空気量を調整している。
絞弁4の開口度はポテンショメータ6で検出される。つまり、図示されていないが、絞弁軸3の端部に固定されポテンショメータ12の抵抗体を押圧したブラシが、絞弁軸3の回転とともに抵抗体上を摺動して移動し、その位置が電圧信号として出力され、絞弁4の開口度が検出される。絞弁軸3の軸線方向の移動はブラシの抵抗体に対する押圧力が変化し、押圧荷重が小さいときには電圧信号が正確に検出されず、また押圧荷重が大き過ぎると抵抗体及びブラシの摩耗が生じるために耐久性が問題となる。それらの問題を防止するために、リテーナ5が絞弁軸3の軸線方向の移動を阻止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関の空気流量制御装置では、リテーナ5とポテンショメータ6とは別部材で構成されており、部品点数が多いとともに、組立工数が多く、また製造コストも嵩むという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、部品点数及び組立工数を削減することができるとともに、製造コストを低減することができる内燃機関の空気流量制御装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る内燃機関の空気流量制御装置は、合成樹脂製の吸気管と、この吸気管の軸線方向に対して直交しているとともに軸受け部を介して回転自在に支持された絞弁軸と、この絞弁軸に固定され絞弁軸の回転により吸気管内を流れる空気量を調整する絞弁と、前記絞弁軸の端部に周方向に沿って形成された溝部に係止され絞弁軸が軸線方向に移動するのを阻止したリテーナと、前記絞弁の開口度を検知するセンサとを備え、前記センサのケースと前記リテーナとは樹脂で一体化されたケース本体で構成され、かつこのケース本体は前記吸気管に固定手段で固定されている。
【0009】
この発明の請求項2に係る内燃機関の空気流量制御装置では、固定手段はねじである。
【0010】
この発明の請求項3に係る内燃機関の空気流量制御装置では、固定手段は樹脂溶着である。
【0011】
この発明の請求項4に係る内燃機関の空気流量制御装置では、センサはポテンショメータである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の内燃機関の空気流量制御装置の断面図である。
この内燃機関の空気流量制御装置は、ポリアミド系樹脂にガラス繊維が含まれた吸気管1と、この吸気管1の軸線方向に対して直交しているとともに軸受け部2を介して回転自在に支持された絞弁軸3と、この絞弁軸3に固定され絞弁軸3の回転により吸気管1内を流れる空気量を調整する絞弁4と、吸気管1に固定手段である樹脂溶着により溶着部13で固定されたケース本体10と、絞弁軸3を矢印Bの方向に付勢するとともに絞弁4を閉じる方向に付勢した捩りばね7とを備えている。
ケース本体10は、絞弁軸3の端部に周方向に沿って形成された溝部3aに係止され絞弁軸3が矢印B方向に移動するのを阻止するリテーナ部11と、絞弁4の開口度を検知するセンサであるポテンショメータ12のケース14とがポリアミド系樹脂で一体成形されて構成されている。
【0013】
リテーナ部11は、図3に示したと同様に絞弁軸3の外径よりも大きい大径部及び絞弁軸3の外径よりも小さくかつ溝部の底面外径よりも大きい小径部を有している。
ケース本体10は、リテーナ部11の大径部に絞弁軸3を挿入し、その後、溝部3a上でリテーナ部11を径方向に移動して小径部を溝部3aに係止し、次に吸気管1の凹部1aにリテーナ部11を押圧し、最後にケース本体10を吸気管1に樹脂溶着により溶着部13で固定することで、吸気管1に取り付けられる。なお、ケース本体10の固定はそのままポテンショメータ12が吸気管1に固定されたことになる。
【0014】
この内燃機関の空気流量制御装置では、吸気管1に回転自在に支持された絞弁軸3の回転により、絞弁4の吸気管1内での開口度を変え、吸気管1内を流れる空気量を調整している。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態1では、ケース本体10は吸気管1に樹脂溶着、具体的には加熱、または超音波処理で固定されたが、固定手段としてねじを用いてケース本体を吸気管に固定してもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の請求項1に係る内燃機関の空気流量制御装置によれば、合成樹脂製の吸気管と、この吸気管の軸線方向に対して直交しているとともに軸受け部を介して回転自在に支持された絞弁軸と、この絞弁軸に固定され絞弁軸の回転により吸気管内を流れる空気流量を調整する絞弁と、前記絞弁軸の端部に周方向に沿って形成された溝部に係止され絞弁軸が軸線方向に移動するのを阻止したリテーナ部と、前記絞弁の開口度を検知するセンサとを備え、前記センサのケースと前記リテーナ部とは樹脂で一体化されたケース本体で構成され、かつこのケース本体は前記吸気管に固定手段で固定されているので、部品点数及び組立工数を削減することができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0017】
また、請求項2に係る内燃機関の空気流量制御装置によれば、固定手段はねじであるので、低コストで、かつ簡単な構成でケース本体を吸気管に固定することができる。
【0018】
また、請求項3に係る内燃機関の空気流量制御装置によれば、固定手段は樹脂溶着であるので、簡単で、かつ強固にケース本体を吸気管に固定することができるとともに、ケース本体と吸気管との間の気密性が確保され、気密性用にOリングを備える必要性がない。
【0019】
また、請求項4に係る内燃機関の空気流量制御装置によれば、センサはポテンショメータであり、簡単に絞弁の開口度を正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の空気流量制御装置の断面図である。
【図2】 従来の内燃機関の空気流量制御装置の断面図である。
【図3】 図2のリテーナの正面図である。
【符号の説明】
1 吸気管、2 軸受け部、3 絞弁軸、3a 溝部、4 絞弁、10 ケース本体、11 リテーナ部、12,ポテンショメータ。13 溶着部、14 ケース。
Claims (4)
- 合成樹脂製の吸気管と、この吸気管の軸線方向に対して直交しているとともに軸受け部を介して回転自在に支持された絞弁軸と、この絞弁軸に固定され絞弁軸の回転により吸気管内を流れる空気流量を調整する絞弁と、前記絞弁軸の端部に周方向に沿って形成された溝部に係止され絞弁軸が軸線方向に移動するのを阻止したリテーナ部と、前記絞弁の開口度を検知するセンサとを備え、前記センサのケースと前記リテーナ部とは樹脂で一体化されたケース本体で構成され、かつこのケース本体は前記吸気管に固定手段で固定されている内燃機関の空気流量制御装置。
- 固定手段はねじである請求項1に記載の内燃機関の空気流量制御装置。
- 固定手段は樹脂溶着である請求項1に記載の内燃機関の空気流量制御装置。
- センサはポテンショメータである請求項1ないし請求項3の何れかに記載の内燃機関の空気流量制御装置。
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1999
- 1999-05-12 JP JP13146399A patent/JP3720627B2/ja not_active Expired - Fee Related
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