JP3720617B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学繊維を束ねて形成したイメージガイドを備えたファイバースコープと、そのファイバースコープの接眼部に着脱される内視鏡用外付けテレビカメラとを備えた内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔内に細長な挿入部を挿入することにより、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じ、処置具チャンネル内に挿入した処置具を用いて、各種治療処置のできる光学式ファイバ内視鏡(以下ファイバースコープとも記す)が広く用いられている。また、ボイラー・ガスタービンエンジン・化学プラント等の配管・自動車エンジンのボディ等の内部の傷や腐蝕等の観察や検査等に、工業用内視鏡が広く利用されている。
【0003】
前記ファイバースコープは、イメージファイバを像伝達手段として用いており、接眼部で被観察部位の肉眼観察できるようになっている。また、前記接眼部に固体撮像素子を備えた内視鏡用外付けテレビカメラ(以下TVカメラと略記する)を装着し、伝達された光学像をこのTVカメラの固体撮像素子によって撮像し、画像信号に変換した後、映像信号を生成してTVモニタに被観察部位の映像を表示させて観察することも一般的になされている。
【0004】
前記イメージファイバをイメージ光学系とするファイバースコープの内視鏡像を、固体撮像素子を有するTVカメラで撮像してTVモニタ上に表示させると画面上に、ファイバー内視鏡のイメージファイバの配列と、TVカメラ側の撮像素子、色分解フィルタあるいはTV水平走査線とが干渉してTVモニタ上の内視鏡像にモアレ縞が発生することがあった。そして、前記内視鏡画像中にモアレ縞が目立って発生すると、良好な観察を行えなくなる。
【0005】
そこで、モアレ縞を消すため、固体撮像素子にピントをぼかしてイメージファイバ画像を結像させる方法(いわゆるデフォーカス)があるが、ピントは近点から遠点まで調節が可能な構成であり、観察に十分なピントを確保しながら、邪魔なモアレだけを消すように内視鏡のフォーカス若しくはTVカメラのフォーカスを調整するのは、非常に難しいという欠点があった。
【0006】
そこで、特開平6−254044号公報には、光学繊維束の3方向の配列方向のうち1つの方向を、マスク部材の鉛直基準線と水平基準線のうち1つの基準線に対し、重ならないように相対的に傾けて、光学ローパスフィルターを用いることなくモアレ縞の発生を防止する内視鏡が開示されている。
【0007】
また、特開平2−289225号公報には伝達光学系としてファイババンドルが使用された内視鏡装置に接続する際には、各々の種類に応じた適切なモアレの除去が可能であるとともに、伝達光学系としてリレーレンズ系が使用された内視鏡装置に接続する際には解像力の低下を防止することが可能である内視鏡用外付けテレビカメラ装置が開示されている。
【0008】
さらに、特公平4−70899号公報には信号ケーブルの電気的長さを1種類に統一して使用状態では信号ケーブルによる影響の差異を解消して、調整することをほとんど必要とせず質の高い画像を得ることができるようにした内視鏡装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平6−254044号公報の内視鏡では、光学繊維束の配列方向とマスク部材の水平基準線とが重ならないように相対的に傾けて配置した専用のファイバースコープを新たに作らなければモアレ縞を除去することができない。つまり、既存の多種多様のファイバースコープと組み合わせた時、モアレ縞を除去することができないという問題があった。
【0010】
また、前記特開平2−289225号公報の内視鏡用外付けテレビカメラ装置では、光学ローパスフィルタの作用及び撮像光学系を光軸方向へ移動させてデフォーカス状態にする両方の組合せによってモアレ縞を除去するため、デフォーカスによるモアレ除去時の解像度が、最良のピント調整時に比べて低下しているという問題があった。そして、デフォーカス用にフォーカス調整手段が必要になることにより、取付けスペースが必要となるばかりでなくコスト的にも高価になるという不具合があった。
【0011】
さらに、前記特公平4−70899号公報の内視鏡装置ではユニバーサルコード内で螺旋管の螺旋溝に沿わせて信号ケーブルを配設したものでは、螺旋管がユニバーサルコード内に配置されるのでユニバーサルコードの外径が太径になり、ユニバーサルコード部分の重さが重くなり操作性を低下させたり、操作部から延出するユニバーサルコード自体をカールコード状に形成したものでは、ユニバーサルコードの取り回しが悪く、術者が扱い難いという問題があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡用外付けテレビカメラを既存のファイバースコープに組み合わせて使用したとき、モニタ画面上にモアレ縞のない鮮明な内視鏡画像を表示させて良好な診断を可能にする取扱いの容易な内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による内視鏡装置は、複数本の光学繊維を所定方向に平行列が形成するように整然と配列させて束ねた光学繊維束をイメージガイドとして備えたファイバースコープと、前記ファイバースコープに設けられ、前記光学繊維束によって形成された前記平行列に対して直交する仮想軸に一辺が一致するとともに、他辺が前記仮想軸に対して斜め方向に形成された切欠け形状の指標部と、複数の画素を格子状に整然と配列させて撮像面が形成された固体撮像素子を有するテレビカメラと、前記テレビカメラに設けられ、前記固体撮像素子の水平方向と前記光学繊維の平行列とが前記指標部の一辺方向に傾いた位置関係になるように前記ファイバースコープの接眼部に装着自在なマウント部と、前記光学繊維束により前記接眼部に形成された光学像を前記固体撮像素子によって光電変換して得られる画像信号に基づき、前記指標部が一辺方向に傾いて重畳された画像をテレビモニタ画面上に表示可能な映像信号を生成するカメラコントロールユニットとを具備したことを特徴とする。
【0015】
さらに、前記接眼部と前記固体撮像素子との間に光学ローパスフィルタを配置している。
【0016】
この構成によれば、ファイバースコープの光学繊維束により接眼部に形成された光学像を固体撮像素子によって光電変換して得られる画像信号に基づき、前記切欠け形状の指標部が一辺方向に傾いて重畳された画像をテレビモニタ画面上に表示可能な映像信号をカメラコントロールユニットが生成する。
【0018】
また、光学ローパスフィルタを配置したテレビカメラを既存のファイバースコープに組み合わせて使用したとき、固体撮像素子を傾けて配置しただけでは消えなかったモアレ縞の発生がなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図7は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図、図2は内視鏡用外付けテレビカメラを説明する図、図3はカメラヘッドを接眼部に装着した状態における側断面図、図4はカメラヘッドとケーブル蛇管の位置関係を示す外観図、図5はカメラヘッド内の撮像光学系と接眼部内の光学系の結像状態を説明する模式図、図6は本実施形態と比較するための図であり、ファイバースコープと従来のTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する図、図7は本実施形態におけるファイバースコープとTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する図である。
【0020】
なお、図2(a)は内視鏡用外付けテレビカメラの全体構成を示す図、図2(b)は図2のA−A線断面図、図6(a)はファイバースコープ内のイメージガイドとマスク部材の配置位置関係を示す図、図6(b)は光学ローパスフィルタの配置位置関係を示す図、図6(c)は固体撮像素子の配置位置関係を示す図、図6(d)はテレビモニタ上に表示される被観察部位の内視鏡画像を示す図、図7(a)はファイバースコープ内のイメージガイドとマスク部材との配置位置関係を示す図、図7(b)は固体撮像素子の傾き状態を示す図、図7(c)はテレビモニタ上に表示される被観察部位の内視鏡画像を示す図である。
【0021】
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿通される挿入部21及びこの挿入部21の基端側に位置する把持部を兼ねる操作部22と、この操作部22の側部から延出するユニバーサルコード23を備え、前記挿入部21及び操作部22内に複数の光学繊維を束ねて形成した像伝達手段である図示しないイメージガイドを内挿したファイバースコープ2と、このファイバースコープ2の操作部22の基端に位置する接眼部24に着脱自在で、この接眼部24までイメージガイドによって伝送された光学像を撮像して画像信号に光電変換する固体撮像素子を内蔵したカメラヘッド31を備えた内視鏡用外付けテレビカメラ(以下TVカメラと略記する)3と、体腔内に挿通される挿入部41及びこの挿入部41の基端側に位置する把持部を兼ねる操作部42と、この操作部42の側部から延出するユニバーサルコード43を備え、前記挿入部41の先端側に観察光学系として図示しない例えば固体撮像素子を内蔵した電子内視鏡(ビデオスコープともいう)4と、前記ユニバーサルコード23,43の基端部に設けられた内視鏡コネクタ25,44を介して前記ファイバースコープ2及び電子内視鏡4に備えられている照明光学系に被観察部位を照明するための照明光を供給する光源装置5と、前記TVカメラ3のカメラヘッド31に内蔵されている固体撮像素子又は電子内視鏡4の挿入部41の先端側に内蔵された固体撮像素子で光電変換された画像信号を映像信号に生成して後述するTVモニタ(単にモニタとも記載する)7に出力するカメラコントロールユニット(以下CCUと略記する)6と、このCCU6から出力された映像信号を受けて被観察部位の内視鏡画像を表示するモニタ7とで主に構成されている。
【0022】
前記ファイバースコープ2の挿入部21及び電子内視鏡4の挿入部41は、先端側から順に先端硬質部29,49、複数の湾曲駒を連接して形成された湾曲部28,48及び柔軟性を有する可撓管部27,47を連設して構成されており、前記操作部22,42に設けた図示しない湾曲操作ノブを適宜操作することによって湾曲部28,48を上下左右の4方向や上下の2方向に湾曲させて先端硬質部29,49をそれぞれ所望の方向に向けることができるようになっている。
【0023】
なお、前記ファイバースコープ2及び電子内視鏡4は診断目的や診断部位に応じて挿入部太さや、挿入部長さ等が異なるものが複数種類存在する。
【0024】
前記TVカメラ3は、前記カメラヘッド31の側周部から延出するケーブル蛇管32を有し、このケーブル蛇管32の基端部には前記CCU6に設けられているCCUコネクタ61に着脱自在なカメラコネクタ33が設けられている。そして、前記カメラヘッド31の固体撮像素子(図2符号34に示す)で光電変換された画像信号は、ケーブル蛇管32及びカメラコネクタ33、CCUコネクタ61を介してCCU6に伝送されるようになっている。
【0025】
一方、前記電子内視鏡4の挿入部41に配設されている図示しない固体撮像素子で光電変換された画像信号は、前記内視鏡コネクタの側部に設けられている電気コネクタ45に着脱自在なビデオコネクタ81を一端部に備え、他端部に前記CCUコネクタ61に着脱自在なカメラコネクタ82を備えた信号ケーブル8を介してCCU6に伝送されるようになっている。
【0026】
つまり、本実施形態の内視鏡装置1においては、電子内視鏡4で撮像した被観察部位の内視鏡画像は勿論、ファイバースコープ2にTVカメラ3を接続することによって、ファイバースコープ2でとらえた被観察部位の光学像をモニタ7の画面7a上に内視鏡画像として表示させて、多人数で同時に観察、診断を行える。
【0027】
このとき、前記TVカメラ3及び電子内視鏡4に対してCCU6は1つであり、この1つのCCU6を使用して正常な内視鏡画像を表示させるため、電子内視鏡4の固体撮像素子からカメラコネクタ82まで延出する信号ケーブル(不図示)の長さ寸法と、TVカメラ3の固体撮像素子34からカメラコネクタ33まで延出する信号ケーブル(図2符号35)の長さ寸法とを略同じ長さ寸法に設定している。
なお、前記信号ケーブル8を用いるときには電子内視鏡4に接眼部がないのでテレビカメラ3は不要になる。それ以外の作用はファイバースコープ2と同様である。
【0028】
図2を参照してTVカメラ3の構成を説明する。
図2(a)に示すように前記ケーブル蛇管32の両端部は、座屈することを防止する折れ止め部51を介して前記カメラヘッド31及びカメラコネクタ33にそれぞれ一体的に固定されている。
【0029】
前記カメラヘッド31の内部には固体撮像素子34が内蔵されており、この固体撮像素子34からは細長な信号ケーブル35が延出している。この信号ケーブル35の長さ寸法は、前記CCU6に伝送されるまでの間に画像信号が劣化することを防止するため、電子内視鏡4の固体撮像素子から挿入部41,操作部42,ユニバーサルコード43,信号ケーブル8内を通ってカメラコネクタ82まで延出する前記信号ケーブルの長さ寸法と略同じ寸法に設定してある。一方、この信号ケーブル35が挿通される前記ケーブル蛇管32の長さ寸法を、前記信号ケーブル35の長さ寸法に対して約1/3よりやや短い長さ寸法に設定している。
【0030】
このため、図2(a)及び図2(b)に示すように前記信号ケーブル35は、前記ケーブル蛇管32の一開口32a側からケーブル蛇管32内に挿通されて(符号35a)他開口32b側から1度突出した後、このケーブル蛇管32の他開口32b近傍外部で折り返し部35dを形成し、再び他開口32b側からケーブル蛇管32内に挿通されて(符号35b)一開口32a側から突出している。そして、前記一開口32a近傍外部で折り返し部35eを形成して、再び一開口32a側からケーブル蛇管32内に挿通されて(符号35c)他開口32bから突出して前記カメラコネクタ33に設けられている所定のコネクタピン36に信号ケーブル35が電気的かつ機械的に接続されている。つまり、前記信号ケーブル35は、前記ケーブル蛇管32内を一往復半して挿通配置されている。
【0031】
なお、前記カメラコネクタ33の内部には信号ケーブル弛み部35fが設けられており、この信号ケーブル弛み部35fを設けたことによって、信号ケーブル35の修理を複数回行うことを可能にしている。
【0032】
また、符号37は前記ケーブル蛇管32内に前記信号ケーブル35の他に挿通されている電気ケーブルである。この電気ケーブル37の一端部は前記カメラコネクタ33に設けられている所定のコネクタピン36に電気的かつ機械的に接続され、他端部は図4に示す4つのリモートスイッチ85にそれぞれ電気的かつ機械的に接続されている。
【0033】
さらに、符号52は管状に形成された不要輻射ノイズ低減部材であるフェライトコアであり、このフェライトコア52の貫通孔には前記信号ケーブル35を内挿したケーブル蛇管32が挿通されている。このことによって、前記信号ケーブル35に混入したノイズがフェライトコア52に吸収されて、CCU6にノイズの除去された画像信号が伝送される。
【0034】
図2(a)及び図3に示すようにTVカメラ3のカメラヘッド31は、例えば金属製で断面形状が略凸字形状で中心軸上には貫通孔53aを形成したベース本体53と、このベース本体53に外嵌配置される非導電性樹脂部材で形成されたヘッドカバー54と、このヘッドカバー54の内周面に一端部を水密に固定したマウント部55とを具備して構成されており、このマウント部55を前記ファイバースコープ2の接眼部24に取付け固定されたとき、ファイバースコープ2の水平方向基準面と、TVカメラ3の水平方向基準面とが略一致する構成になっている。
【0035】
また、前記マウント部55を接眼部24に取付け固定したとき、前記マウント部55に水密に固設した複数の接点ピン56と前記接眼部24の接点受け部24aとが電気的に接触することによってLED57が点灯するようになっている。つまり、LED57が点灯することによって、外部からTVカメラ3がファイバースコープ2に確実に取り付けられていることが容易に視認することができるようになっている。
【0036】
前記マウント部55には前記貫通孔53aに対応する透孔が形成されており、この透孔の接眼部側にはカバーガラス62が水密に固定されている。そして、このカバーガラス62の接眼部24側表面に位置するようにレーザ光カットフィルタ63が粘着力の弱い接着剤等で前記マウント部55に着脱可能に固定されるようになっている。
【0037】
このことにより、ファイバースコープ2の図示しない処置具挿通チャンネル内にレーザプローブを挿通し、各種波長のレーザを照射して診断・治療を行うときに、レーザ照射光による悪影響を排除して被観察部位の内視鏡画像をモニタ画面上に表示させて観察を可能にしている。なお、レーザプロープを使用しないときには前記レーザ光カットフィルタ63を取り外して使用する。
【0038】
一方、前記ベース本体53の貫通孔53aの先端側には前記カバーガラス62に対向する複数の光学レンズで構成した観察光学系64を配設したレンズ枠64aが固定されている。
【0039】
前記観察光学系64の光軸後方には接眼部側から順にカットする方向の異なる3枚のフィルタを接合して構成した光学ローパスフィルタ65、赤外光カットフィルタ66、リレーレンズ67、固体撮像素子34、駆動回路基板68、信号ケーブル35を一体に形成した撮像ユニット69が設けられている。
【0040】
前記撮像ユニット69は、前記観察光学系64に対して偏芯及び傾きを調整することが可能な調整部材71を介してベース本体53の貫通孔53a基端側に固定されている。
【0041】
前記調整部材71は、偏心調整を行うための2つの芯出し部材72と、傾き調整を行う6本の調整ビス73と、前記芯出し部材72をガイドする一方、前記調整ビス73が配置されるガイド部材74とにより構成されている。
【0042】
前記ガイド部材74の外周側に配置されたベース本体53及びこのベース本体53の基端側外周を覆い包むシールド筒75の前記調整ビス73に対応する位置には、前記調整ビス73の外径寸法より大きな内径寸法の透孔76が形成されている。これら透孔76は、前記シールド筒75を配設した状態で、前記撮像ユニット69の観察光学系64に対する偏芯及び傾きを調整するための孔であり、これら透孔76は偏芯や傾き等の調整を終了した後、銅箔テープ等のシールドテープ77で塞がれるようになっている。
【0043】
これら透孔76を設けたことによって、シールド筒75を配設した後に、撮像ユニット69の観察光学系64に対する偏芯及び傾きを所定の状態に調整することが可能であるので、従来のようにシールド筒75を被せた際に信号ケーブル35に外部からの力等が加わって発生していた芯ずれや傾きをなくせるとともに、再調整の行程をなくしている。この結果、従来の組立て方法に比べて品質の向上が図れるばかりでなく安価に組立てを行える。そして、調整後に前記透孔76をシールドテープで塞いだことによって、これら透孔76を設けたことによってシールド性が低下することを防止している。
【0044】
また、前記シールド筒75の側面と上面には前記ヘッドカバー54の内周面に接触する金属板バネ等の導通バネ78が配設されている。この導通バネ78は、前記ヘッドカバー54の内面に設けられている金属フレックスや金属ブレードや蒸着されるアルミ蒸着シールド部材等のシールド膜79に導通している。
【0045】
このことにより、カメラヘッド31内部から外部に向かって放射ノイズを放射すること及び外部からカメラヘッド31内部に外来ノイズが侵入することを防止している。
【0046】
さらに、前記ケーブル蛇管32の一端部は、前記ヘッドカバー54のシールド膜79に軟性樹脂を水密に被覆して固定されている。このことにより、前記シールド膜79とカメラコネクタ33とケーブル蛇管32とは電気的に導通して固体撮像素子34のGNDと同電位になっている。
【0047】
図4に示すようにカメラヘッド31側の折れ止め部51は、矢印に示すように約90度の範囲で回動自在であり、実線に示す位置及び二点鎖線に示す位置の2箇所においてストッパ兼固定部材84によって固定される構造になっている。これは、術者の取り回し等、操作性を向上させるためである。
【0048】
つまり、前記ファイバースコープ2にはユニバーサルコード23が接眼部24の中心軸に対してDOWN側に延出する構造のものとRIGHT側に延出する構造のものとがある。そして、前記TVカメラ3は、ユニバーサルコード23がDOWN側に延出する構造又はRIGHT側に延出する構造のどちらのタイプのものとも組み合わせて使用される。
【0049】
このため、前記折れ止め部51が約90度の範囲で回動可能で、かつ固定できる構造にして、どちらのタイプのファイバースコープ2と組み合わせた場合でもユニバーサルコード23とケーブル蛇管32の延出する方向を一致させて操作性を向上させている。
【0050】
なお、前記折れ止め部51が回動したとき、干渉しない位置のカメラヘッド31上面に、フリーズ、レリーズ、調光、画面サイズの切替え等を行う複数のリモートスイッチ53が設けられている。このリモートスイッチ85の外面には各スイッチの番号を示す数字が凸状又は凹状に形成されており、その表面に蛍光塗料が塗布されている。このため、暗い内視鏡検査室においてもスイッチの位置と種類の識別を容易に行える。
【0051】
図5及び図6を用いて本実施形態の要部の構成を説明する。
図5に示す符号90は、ファイバースコープ2の内部に挿通されている複数の光学繊維91,…,91を束ねて構成したイメージガイドである。
【0052】
図に示すようにTVカメラ3をファイバースコープ2の接眼部24に取付け固定したとき、前記ファイバースコープ2のイメージガイド90と、接眼部24に設けられている接眼レンズ群92と、カメラヘッド31に設けられているレンズ群93と、光学ローパスフィルタ65と、固体撮像素子34とが1つの光軸上に所定の間隔で配置される。
【0053】
前記イメージガイド90は、1本の線径が0.01mm程の極細で可撓性を有するガラス製の光学繊維91,…,91を基準面に対して略平行に密着させて複数本を並べ、その複数本並べて配設した光学繊維91,…,91の上に次々と1/2ピッチずらして光学繊維91,…,91を密着させて積み重ねて形成しているので、前記光学繊維91,…,91が水平・垂直方向に一定間隔で整然と配列された、いわゆる俵積み状配列になっている。
【0054】
つまり、図6(a)に示すように前記ファイバースコープ2の光学繊維91,…,91は、ファイバースコープ水平方向基準面(スコープ水平方向基準面と略記する)100と略平行な方向に配列模様を形成するとともに、このスコープ水平方向基準面100に対して60度の方向及び120度の方向にも配列模様を形成している。つまり、スコープ水平方向基準面100に対して3つの方向性を有する配列模様をその両端面に形作っている。
【0055】
なお、上述した構成で形成されたイメージガイド90を内挿したファイバースコープ2は、以前(10年以上前)より各種開発されており、既に多くの種類のファイバースコープ2が存在し、使用されている。また、図中符号94は、術者がファイバースコープ2を使用しているときに上方向を示すUP指標である。このUP指標94は、例えば一方が垂直線で他方がこの垂直線に対して斜めな鉛直軸に対して非対称な逆三角形形状をしている。さらに、前記図5に示すようにイメージガイド90の接眼側端にはマスク部材95が一体に設けられており、このマスク部材95は、図6(d)に示すように前記UP指標94とともにモニタ7の画面7a上に表示される。
【0056】
従来においては、前記ファイバースコープ2のイメージガイド90を伝送される光学像を撮像するTVカメラ3は、このファイバースコープ2の接眼部24に取付け固定される。このTVカメラ3のカメラヘッド31に設けられている図6(b)に示すように矢印a,矢印b,矢印cに示す3つの方向の光をカットする光方向性を有する光学ローパスフィルタ65は、矢印bがスコープ水平方向基準面100に対して直交する向きに配置していた。
【0057】
また、図6(c)に示すように固体撮像素子34は、縦・横寸法がそれぞれ0.01mm以下の画素34a,…,34aを水平方向基準線101に対して水平・垂直方向に一定間隔で整然と配列して形成されており、この固体撮像素子34の横方向をスコープ水平方向基準面100に対して平行に配置していた。
【0058】
つまり、光学ローパスフィルタ65と固体撮像素子34とを前記ファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対して略平行にTVカメラ3内に固定していた。
【0059】
しかし、前記イメージガイド90を伝送された光学像を、前記光学ローパスフィルタ65を通して固体撮像素子34で撮像したとき、図6(d)に示すようにモニタ7の画面7a上に表示される被観察部位であるポリープ等の体腔内臓器の病変部96を示す内視鏡画像97上に、イメージガイド90の有する規則性と固体撮像素子34の有する規則性とにより、両者の干渉縞であるモアレ縞98が発生することがあった。
【0060】
このモアレ縞98は、特に光学繊維91,…,91の配列方向がファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対して略一致して構成されたイメージガイド90に対して、固体撮像素子34の画素34a,…,34aの配列方向が略一致しているとき強く発生して観察の妨げになっていた。
【0061】
そこで、前記内視鏡画像97上に発生するモアレ縞98を減少させるため、ファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対する固体撮像素子34の水平方向基準線101の配置位置関係を、前記固体撮像素子34を回転させていろいろと変化させてみた。すると、角度によって、すなわち、ファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対する固体撮像素子34の水平方向基準線101の配置位置とが傾いた位置関係になることによって、モアレ縞98の見えかたの状態が変化することが確認された。
【0062】
そこで、モニタ画面上に表れるモアレ縞98を目立たなくする角度θの検討を行った。
前記イメージガイド90を構成する光学繊維91,…,91の線径や接眼部24における拡大率、固体撮像素子34の画素34a,…,34aの大きさ等の要因により、モアレ縞98の表れ方に多少の違いがでてくる。
【0063】
しかし、どのような組合せでも概ね、図7(b)に示すようにファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100と固体撮像素子34の水平方向基準線101との位置関係から前記固体撮像素子34の水平方向基準線101とをプラス側、若しくはマイナス側に4度から44度傾けて配置させることによってモアレ縞98が減少することが確認された。そして、ばらつきを考慮したとき、配置させる角度θを5度から20度の範囲内に収めると、つまり、前記固体撮像素子34の画素34a,…,34aの配列方向を、鉛直線に対して一定角度θである角度θを12.5度を中心にプラスマイナス7.5度の範囲内に配置固定している。
【0064】
また、前記固体撮像素子34を傾ける方向(回転させる方向)としては図7(b)に示すようにファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対して固体撮像素子34の水平方向基準線101を反時計回りに回転させた場合のときがモニタ画面上に表示されるUP指標94に着目したとき、気になり難いという利点がある。これは、前記UP指標94の形状が非対称形状であるためである。
【0065】
さらに、モニタ7の画面7aに表示される内視鏡画像97の傾きは、本来的には少なければ少ないほど違和感がないわけであるが、内視鏡画像97の傾き角度が44度以下で表示される分には、例えばUP方向をUP方向と認識することが可能である。すなわち、モニタ7の画面7aに、傾き角度を44度以下に設定した、内視鏡画像97を表示させた場合、内視鏡画像97を観察する初期状態において少し違和感を感じるが、診断において支障を来すことがないことが確認された。
【0066】
このため、本実施形態においては、前記モニタ7の画面7a上に表示される内視鏡画像97に表れるモアレ縞98を目立たなくするため、図6(c)に示す固体撮像素子34をファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に対して角度θ、ここでθ=12.5°±7.5°、つまり角度θを5度から20度の範囲で反時計方向に傾けた状態にしてTVカメラ3内部に固定している。
【0067】
上述のように構成したTVカメラ3の作用を説明する。
まず、ファイバースコープ2を使用して体腔内や管孔内に存在する被観察部位の内視鏡画像をモニタ7に表示させて観察・診断を行う場合、前記ファイバースコープ2の接眼部24にTVカメラ3のカメラヘッド31を取付け固定する。また、ファイバースコープ2の内視鏡コネクタ25を光源装置5に接続し、TVカメラ3のカメラコネクタ33をCCU6に接続する。このとき、CCU6とモニタ7とを背面側で接続しておく、さらに、必要に応じて光源装置5とCCU6とも接続しておく。
【0068】
次に、光源装置5,CCU6,モニタ7の電源をON状態にし、モニタ7に正常画像が表示されるか否かを確認する。確認後、ファイバースコープ2の先端から照明光を照射し、ファイバースコープ2の挿入部21を目的部位まで挿入していく。このとき、必要に応じて送気・送水・吸引等を行う。
【0069】
前記ファイバースコープ2でとらえた被観察部位の光学像は、イメージガイド90に伝送されて、TVカメラ3の観察光学系64を通過して固体撮像素子34に結像する。
【0070】
次いで、前記固体撮像素子34では結像した光学像を画像信号に光電変換して、この光電変換した画像信号を信号ケーブル35を経由してCCU6まで伝送する。このCCU6では伝送された画像信号から映像信号を生成し、モニタ7に出力する。
【0071】
このことによって、図7(c)に示すようにモニタ7の画面7a上にファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100と固体撮像素子34の水平方向基準線101との傾き角度θと同じ角度θだけてモアレ縞の発生していない傾いた内視鏡画像が表示される。この被観察部位の内視鏡画像97を見ながら観察及び診断を行う。
【0072】
なお、モニタ7の画面7aにはファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100と固体撮像素子34の水平方向基準線101の傾き角度θと同じ角度θだけ傾いた被観察部位の内視鏡画像97が表示されるが、その傾き角度が20°以内であるので診断には全く支障が生じない。
【0073】
このように、既に製造されている多種多様のファイバースコープに組み合わせて使用されテレビカメラを形成する際、固体撮像素子の水平方向基準線をカメラヘッド内に12.5°±7.5°、角度5度から20度の範囲で反時計方向に傾けた状態で固定してことによって、ファイバースコープでとらえた光学像をテレビカメラで撮像してモニタの画面上に表示させたとき、光学ローパスフィルタを配置していないにも関わらず、表示される内視鏡画像にモアレ縞のほとんど発生しない明瞭な内視鏡画像を得ることができる。
【0074】
また、モニタの画面上に表示される被観察部位のUP方向の傾きが20゜以下であるので、観察する内視鏡画像に違和感・診断上の不具合が発生することを防止することができる。
【0075】
さらに、ケーブル蛇管に挿通させる信号ケーブルを軸線方向に対して折り返して、同じ円形断面中の余ったスペースに同じ信号ケーブルを3回挿通させる構成にしたので、ケーブル蛇管の太さを太径にすることなく、ケーブル蛇管より長い信号ケーブルをTVカメラのケーブル蛇管内に安定して収納することができる。
【0076】
また、信号ケーブルの折り返し部をケーブル蛇管内に比べて空きスペースの大きなカメラコネクタ内とカメラヘッド内としたことにより、この折り返し部にストレスが加わることを少なくして信号ケーブルの品質保持を図ることができる。
【0077】
またさらに、フェライトコアやシールド部材を設けたことにより、外部に向かう放射ノイズが少なく、内部に侵入する外来ノイズの影響を防止することができる。
【0078】
これらのことにより、術者は、操作の安定性を損なうことなく、ファイバースコープ、電子内視鏡に関わらず、モニタの画面上に良好な内視鏡画像を表示させて、検査・処置を行える。
【0079】
なお、図8に示すように同図(b)に示す光学ローパスフィルタ65を同図(c)に示す前記固体撮像素子34と同様の角度θに傾けて、同図(a)に示すイメージガイド90と固体撮像素子34との間に配置して撮像ユニット69を構成することによって、同図(d)に示すようにモニタ7の画面7aに表示される内視鏡画像97上にモアレ縞が表れることをさらに効果的に防止することができる。
【0080】
また、前記図9(c)に示す固体撮像素子34Aの種類によっては、同図(b)に示すように光学ローパスフィルタ65をファイバースコープ2のスコープ水平方向基準面100に略一致させて、同図(a)に示すイメージガイド90と固体撮像素子34との間に配置して撮像ユニット69を構成することによって、同図(d)に示すようにモニタ7の画面7aに表示される内視鏡画像97上に表れるモアレ縞を効果的に防止することができる。
【0081】
さらに、図10に示す内視鏡装置1として例えば複数の電子内視鏡4を備え、その電子内視鏡4が例えば図10(a)に示すように挿入部41の長さが短い第1電子内視鏡4Aと、図10(b)に示すように挿入部41の長さが長い第2電子内視鏡4Bとである場合、前記第1電子内視鏡4Aの固体撮像素子98aから延出する信号ケーブル99a及び前記第2電子内視鏡4Bの固体撮像素子98bから延出する信号ケーブル99bは同じCCU6に接続される。
【0082】
このとき、信号ケーブル99aと信号ケーブル99bの長さが異なることによる画像信号の劣化を防止するため、第1の電子内視鏡4Aと第2の電子内視鏡4Bとに内挿されている信号ケーブル99a,99bの長さ寸法を、略同じ長さ寸法に設定している。
【0083】
このため、挿入部41の長さの短い第1電子内視鏡4Aでは、上述したTVカメラ3の実施形態と同様、ユニバーサルコード43内を挿通する信号ケーブル99aを軸線方向に折り返して収納している。また、ユニバーサルコード43と内視鏡コネクタ44との間に、内径寸法をユニバーサルコード43の外径寸法より大きく形成した連結部105を設けている。そして、この連結部105内に信号ケーブル99aの折り返し部99cを収納している。このことにより、修理用のケーブル余分長を設ける必要をなくしている。
【0084】
一方、前記第2電子内視鏡4Bは、挿入部41が最も長い内視鏡であり、この信号ケーブル99bは折り返し部を形成することなく挿通配置されている。
【0085】
このように、挿入部長さの違う電子内視鏡を1つのCCUに接続して使用する内視鏡装置であっても、上記実施形態と同様に画像劣化等の不具合のない良好な内視鏡画像を得ることができる。
【0086】
又、図11及び図12に示すように前記カメラヘッド31Aの上面方向にスイッチボックス部110を固定し、その側周面に複数のリモートスイッチ85を配置し、このスイッチボックス部110の上面方向から軟性ゴム製のケーブル蛇管111を延出させている。そして、このケーブル蛇管111の端部に軟性チューブからなる折れ止め部112を設けて、前記ケーブル蛇管111の座屈を防止している。
【0087】
前記ケーブル蛇管111は、折れ止め部112を設けた状態でも所望する方向に自由に曲げることが可能になっている。このため、ファイバースコープ2の操作部22から延出するユニバーサルコード23の方向が、たとえDOWN側であっても、RIGHT側であっても、又は別の方向であっても自由に屈曲させることによって操作性が損なわれることを防止している。
【0088】
なお、前記リモートスイッチ85は、番号部分以外を透明に形成したカバー85aで覆われており、このカバー85aの内部に図示しないLED等の発光手段を埋設している。このため、薄暗い内視鏡検査室内においてもリモートスイッチの位置と種類を確実に判別できるようになっている。
【0089】
また、図13に示すように信号ケーブル35の折り返し部としては、カメラコネクタ33の内部に第1折り返し部113aを設け、ケーブル蛇管111の中途部に第2折り返し部113bを設けている。その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略している。
【0090】
このように、スイッチボックス部から延出するケーブル蛇管を軟性ゴム製にすることにより、他のケーブル類等にあわせて、ケーブル蛇管を屈曲させて良好な操作性を得ることができる。
【0091】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記光学ローパスフィルターの代わりに、又は追加してフォーカス調整手段を設けることによって、デフォーカスによりモアレ縞を完全になくす構成であっても良い。また、イメージガイドの光学繊維の積み方は、俵積みに限定されるものではなく固体撮像素子の画素と同様、等ピッチで縦横方向に積み重ねるものであっても良い。さらに、固体撮像素子の種類は、カラーチップを用いたいわゆる同時式のものであっても、白黒チップを用いた面順次式のものであってもよい。又、信号ケーブルの収納方法、ケーブル蛇管、リモートスイッチの構成等は各実施形態のうちどの構成を用いても良く、当然、自由に変形実施可能である。
【0092】
つまり、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0093】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0094】
(1)複数本の光学繊維を所定の面を基準面にして水平・垂直方向に整然と配列し、基端面にファイバースコープの水平方向基準面に対して略平行な配列模様を形成させた光学繊維束をイメージガイドとして備えたファイバースコープと、このファイバースコープの接眼部に装着され、前記イメージガイドで伝送される光学像を撮像して画像信号に変換する、多数の画素を水平方向基準線に対して一定間隔で水平・垂直方向に整然と配列して形成した固体撮像素子を撮像光学系として備えた内視鏡用外付けテレビカメラと、この内視鏡用外付けテレビカメラの固体撮像素子で光電変換した画像信号をテレビモニタ画面上に表示させる映像信号に生成してテレビモニタに出力するカメラコントロールユニットとを具備する内視鏡装置において、
前記内視鏡用外付けテレビカメラを前記ファイバースコープの接眼部に装着した際、前記内視鏡用外付けテレビカメラの固体撮像素子の水平方向基準線が、前記ファイバースコープの水平方向基準面に対してプラス側、若しくはマイナス側に4度から44度の角度範囲で傾いた位置関係となるように、前記内視鏡用外付けテレビカメラの水平方向基準線に対して固体撮像素子の水平方向基準線を傾けて配置した内視鏡装置。
【0095】
(2)前記テレビモニタ画面上に表示される被観察部位の内視鏡画像の水平方向とこのテレビモニタの水平方向基準線との位置関係とを、固体撮像素子の水平方向基準線とファイバースコープの水平方向基準面との位置関係と同様に、所定の角度範囲で傾いた位置関係に設定した付記1記載の内視鏡装置。
【0096】
(3)前記接眼部と前記固体撮像素子との間に光学ローパスフィルタを配置した付記1又は付記2記載の内視鏡装置。
【0097】
(4)前記固体撮像素子の水平方向基準線とファイバースコープのスコープ水平方向基準面との傾いた位置関係のに設定角度を、ファイバースコープのスコープ水平方向基準面に対して、プラス側、若しくはマイナス側に5度から20度の範囲内とした付記1記載の内視鏡装置。
【0098】
このことにより、角度範囲を4度から44度の間に設定したときに比べて、モアレ縞が発生しにくくなるとともに、見た目の違和感がなくなる。
【0099】
(5)前記複数本の光学繊維の配列は俵積み状であり、端面に前記スコープ水平方向基準面に対して平行な方向と、スコープ水平方向基準面に対して60度の方向及び120度の方向の3方向の方向性を有する配列模様を形成した付記1記載の内視鏡装置。
【0100】
(6)光学像を光電変換する固体操像素子と、カメラコントロールユニットとを電気的に接続して信号の送受を行う信号ケーブルを有する内視鏡装置において、
前記信号ケーブルをケーブル蛇管内で軸線方向に折り返して収納した内視鏡装置。
【0101】
(7)前記信号ケーブルは、挿入部の先端側に固体撮像素子を配置した電子内視鏡内又はファイバースコープの接眼部に取付け固定されるカメラヘッド内に固体撮像素子を配置した内視鏡用外付けテレビカメラ内に設けられる付記6記載の内視鏡装置。
【0102】
(8)前記信号ケーブルの全長は、少なくともケーブル蛇管全長の3倍以上であり、このケーブル蛇管の端面外側近傍に折り返し部を有し、ケーブル蛇管内で前記信号ケーブルが余分に1往復して収納される付記6又は付記7記載の内視鏡装置。
【0103】
(9)挿入部長が異なる複数機種の内視鏡又は、テレビカメラにおいて、前記信号ケーブルの全長寸法を、カメラコントロールユニットと固体撮像素子との間の送受に必要な所定の長さ寸法範囲内に設定した付記6又は付記7記載の内視鏡装置。
【0104】
このように、付記6ないし付記9の構成の内視鏡装置では、ケーブル蛇管、操作部、ビデオコネクタ等の大型化を防止し、術者の作業性を低下させることなく、所望の長さに設定した信号ケーブルを備え、1つのカメラコントロールユニットに組み合わせて使用したとき、固体撮像素子が正常に作動して画像劣化等の不具合がない。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、テレビカメラを既存のファイバースコープに組み合わせて使用したとき、モニタ画面上にモアレ縞のない鮮明な内視鏡画像を表示させて良好な診断を可能にする取扱いの容易な内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図
【図2】内視鏡用外付けテレビカメラを説明する図
【図3】カメラヘッドを接眼部に装着した状態における側断面図
【図4】カメラヘッドとケーブル蛇管の位置関係を示す外観図
【図5】カメラヘッド内の撮像光学系と接眼部内の光学系の結像状態を説明する模式図
【図6】本実施形態と比較するための図であり、ファイバースコープと従来のTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する図
【図7】本実施形態におけるファイバースコープとTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する図
【図8】ファイバースコープとTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する他の構成の図
【図9】ファイバースコープとTVカメラとの配置位置関係及びその時のテレビモニタ上に表示される被観察部位の画像を説明する別の構成の図
【図10】内視鏡装置を構成する2つの電子内視鏡の違いを説明する図
【図11】TVカメラのカメラヘッドの他の構成を示す図
【図12】図11のカメラヘッドを矢印B側から見たときの図
【図13】TVカメラ内に挿通されている信号ケーブルの折り返し部を説明する図
【符号の説明】
2…ファイバースコープ
34…固体撮像素子
34a…画素
90…イメージガイド
91…光学繊維
100…ファイバースコープのスコープ水平方向基準面
101…固体撮像素子の水平方向基準線
Claims (2)
- 複数本の光学繊維を所定方向に平行列が形成するように整然と配列させて束ねた光学繊維束をイメージガイドとして備えたファイバースコープと、
前記ファイバースコープに設けられ、前記光学繊維束によって形成された前記平行列に対して直交する仮想軸に一辺が一致するとともに、他辺が前記仮想軸に対して斜め方向に形成された切欠け形状の指標部と、
複数の画素を格子状に整然と配列させて撮像面が形成された固体撮像素子を有するテレビカメラと、
前記テレビカメラに設けられ、前記固体撮像素子の水平方向と前記光学繊維の平行列とが前記指標部の一辺方向に傾いた位置関係になるように前記ファイバースコープの接眼部に装着自在なマウント部と、
前記光学繊維束により前記接眼部に形成された光学像を前記固体撮像素子によって光電変換して得られる画像信号に基づき、前記指標部が一辺方向に傾いて重畳された画像をテレビモニタ画面上に表示可能な映像信号を生成するカメラコントロールユニットと、
を具備したことを特徴とする内視鏡装置。 - 前記固体撮像素子と前記接眼部との間に光学ローパスフィルタを配置したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
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