JP3720509B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機,プリンタ−,ファクシミリ等の乾式二成分あるいは一成分の現像剤を用いた電子写真装置、特に形成した画像の地汚れ,地肌汚れ,かぶりの防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乾式二成分あるいは一成分の現像剤すなわちトナ−を使用した電子写真複写機等で感光体の非画像部である地肌電位部(単に地肌部ともいう)にトナ−が付着する現像は、地汚れ,地肌汚れ又はかぶりなどと呼ばれ、形成された画像の劣化原因となっている。
【0003】
この感光体の地汚れの原因には大きく分けて二通りある。一つは、感光体の地肌電位自体に問題がある場合であり、感光体の感度低下や残留電位上昇などの感光体の静電特性の劣化によるものと、光学系の汚れなどによる露光量の低下によるものに分けられる。この場合は、現像行程で地肌電位部を正常に現像していることになる。この場合の対策としては、感光体の表面電位を測定し、測定した結果に応じて潜像形成条件を変化させて地肌部電位を制御している。
【0004】
もう一つの原因は、感光体の地肌電位は正常であり、現像行程に問題がある場合である。二成分現像剤を例とした場合、現像ニップ内ではベタ現像をするのに充分な多量のトナ−が一旦感光体表面に接触し、現像電界によるク−ロン力の向きと大きさによって最終的に感光体側に付着し現像されるか、キャリア側に戻る(以下、スキャベンジされるという)かが決まる。現像電界が一定ならば、ク−ロン力の向きと大きさはトナ−粒子の帯電量で決まるが、トナ−粒子の帯電量は一定でなく、ある分布をしており、それぞれのトナ−粒子の拳動が異なる。一般に、現像ニップには地肌汚れを減少させる目的で現像バイアスが印加されており、現像ニップ内で地肌部上に存在する多数の正常帯電トナ−に対してはキャリア側にスキャベンジされる比較的大きなク−ロン力が働くため地汚れは仰制される。しかし、現像剤中に存在する少数の逆極性トナ−に対しては、現像バイアスにより逆に感光体側に付着する方向にク−ロン力が働くため、地肌部には逆極性トナ−が付着してしまう。また、弱帯電トナ−の場合はキャリア側へのク−ロン力が小さいため、キャリアにスキャベンジされずに地肌部に残り易くなる。したがって感光体上の地汚れトナ−は現像剤中に含まれる逆極性トナ−及び弱帯電トナ−が主に地肌部に付着していると考えられてきた。また、実際にそのような場合が多かった。
【0005】
そこで例えば特開昭60−42779号公報や特開平3−91782号公報に示すように、感光体の地汚れトナ−を除去するために現像剤中の逆極性トナ−を減少させるような手段を講じていた。特開昭60−42779号公報に示された地汚れトナ−の除去方法は、現像器と転写帯電器の間に、感光体上のトナ−と同極性のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、感光体上のトナ−と同極性の帯電を施す帯電器を設け、感光体上のトナ−のうち画像品質を乱す逆特性である正に帯電したトナ−を上流側に設けたバイアス電圧印加手段で除去し、感光体上の負に帯電したトナ−の帯電量を高めるようにしている。
【0006】
特開平3−91782号公報に示された地汚れトナ−の除去方法は、本来記録または複写を行う領域外の非画像領域にかぶり状態で現像を行い、かぶりの濃度が大きくなったとき、すなわち劣化トナ−の量が多いときに、劣化トナ−を積極的に現像装置から取り除くようにしている。
【0007】
また、感光体上や記録紙上の地汚れ量を評価する方法として、例えば特開平3−114068号公報や特開平3−114069号公報に示されているように、記録紙上に転写された白紙画像上に供給されているトナ−をトナ−回収ロ−ラに粘着させて回収し、回収されたトナ−の量を濃度センサで検出して地肌かぶりを定量的に評価したり、特開平3−141381号公報に示すように、記録紙の白紙画像上に転写したトナ−を定着し、この記録紙に再度白紙画像を転写する。この操作を何度か繰り返して行い、記録紙の白紙画像上に集積されたトナ−の量を濃度センサで検出して地肌かぶりの状況を把握するようにしている。
【0008】
さらに、感光体上や記録紙上の地汚れに影響するトナ−の帯電量分布を測定する方法としては、特開平5−24456号公報や特開平5−24457号公報に示されているように、帯電したトナ−を外部電界の強さを変えながら吸引し、吸引されているトナ−の部分を通過する光の通過量によりトナ−帯電量に対するトナ−量の分布を得るようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら高画質の画像を形成するためのトナ−の小粒径化や、低エネルギ−定着のためのトナ−の低軟化点化などに伴い、逆極性トナ−だけでなく正常帯電トナ−も感光体に地汚れとして付着している場合があることが明らかとなった。正常帯電トナ−とは、現像剤中のトナ−の帯電量分布のピ−クに対応した帯電量を有するトナ−である。すなわち、逆極性トナ−のような異常なトナ−だけでなく、正常なトナ−も地汚れとして付着している場合がある。したがって、従来のように逆極性トナ−を減少させる対策では、地汚れを防止することができない場合がある。
【0010】
この地汚れの現象を検討した結果、現像行程における感光体上の地汚れトナ−が増加する原因として2通りあり、それぞれの場合で増加した地汚れトナ−の帯電量分布の変化の状態が異なることが明らかとなった。
【0011】
感光体上の地汚れトナ−が増加する一つの原因は、現像剤の経時劣化や現像剤の混合撹拌不足による現像剤中の逆極性及び弱帯電トナ−数の増加する場合である。この場合は、感光体上の地汚れトナ−数の増加は、従来から知られている逆極性トナ−及び弱帯電トナ−数の増加が主である。この逆極性及び弱帯電の地汚れトナ−は通常の転写行程では転写体上に転写されにくいため、最終的な画像上での地肌汚れとしては比較的目立たない場合が多いが、クリ−ニング行程での回収量が多くなるなどの点で好ましくない。
【0012】
もう一つの原因は、感光体とトナ−の付着力の増加が原因となる場合である。ここで重要な点は、フィルミングや表面劣化などにより感光体表面の離型性が悪化すると地汚れトナ−数が増加するが、この増加分は主に正常帯電トナ−の付着による増加分であることが明らかとなったことである。この理由は以下のように推測される。感光体表面の離型性が悪化すると、正常帯電や逆極性帯電に関係なく全ての帯電量のトナ−粒子と感光体との非静電的な付着力が大きくなる。しかし、現像剤中のトナ−の帯電量分布を考えると、逆極性トナ−は絶対的な数が少なく、もともと感光体側へのクロ−ン力が働いているため、感光体との付着力の増加はあまり影響しない。逆に正常帯電トナ−は絶対的な数が圧倒的に多く、キャリア側へのスキャベンジに対抗する付着力の変化は地汚れトナ−数の変化に大きく影響することが予想される。この正常帯電の地汚れトナ−は転写行程で転写体上に転写されてしまうため、最終的な画像上での地肌汚れとして目立つ場合が多く、形成された画像が劣化してしまう。
【0013】
この発明はかかる短所を改善するためになされたものであり、感光体地汚れトナ−の増加原因を判別するとともに、各原因に応じた最適な対策を行い良質な画像を形成することができる電子写真装置を得ることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子写真装置は、感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナ−を付着させて可視化し、形成したトナ−像を転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着し、感光体に残留したトナ−を除去する電子写真装置において、トナ−付着量検出手段と帯電極性制御手段及び自己診断部とを有し、トナ−付着量検出手段は感光体の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)の量を測定し、帯電極性制御手段はトナ−付着量検出手段で測定するトナ−の主な帯電極性を正極性成分と負極性成分に切り換え、自己診断部は地汚れトナ−が増加したときにトナ−付着量検出手段で測定した正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定することを特徴とする。
【0015】
上記帯電極性制御手段は感光体上のトナ−を転写材に転写するトナ−転写手段に印加する転写バイアスの極性を切り換える。このトナ−転写手段としては、感光体と接離自在な転写ベルト又は転写ロ−ラを有すると良い。
【0016】
また、上記トナ−付着量検出手段としては発光部と受光部を有する反射率測定装置を使用すれば良い。
【0017】
上記トナ−付着量検出手段は感光体表面に離接自在なトナ−採集ロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定しても良い。
【0018】
また、上記トナ−付着量検出手段は、静電潜像に対応したトナ−像を形成する現像手段が反転現像方式であるときに、クリ−ニング手段のクリ−ニングロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定すると良い。
【0019】
さらに、トナ−付着量検出手段を感光体上の地汚れトナ−を静電引力で捕獲するトナ−採集手段と、トナ−採集手段で採取した電荷を測定する電荷計測手段で構成しても良い。
【0020】
この発明に係る第2の電子写真装置は、感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナ−を付着させて可視化し、形成したトナ−像を転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着し、感光体に残留したトナ−を除去する電子写真装置において、トナ−付着量検出手段と帯電極性制御手段と自己診断部と地汚れ対策処理部及び対策結果判定手段とを有し、トナ−付着量検出手段は感光体の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)の量を測定し、帯電極性制御手段はトナ−付着量検出手段で測定するトナ−の主な帯電極性を正極性成分と負極性成分に切り換え、自己診断部は地汚れトナ−が増加したときにトナ−付着量検出手段で測定した正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定し、地汚れ対策処理部は地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるときに現像器内のトナ−の帯電量を制御し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるときに感光体表面の離型性を向上させ、対策結果判定手段は地汚れ対策処理の結果を判定することを特徴とする。
【0021】
上記地汚れ対策処理部は、トナ−とキャリアを含む二成分現像剤を用いたときに、地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあると判定された場合、現像剤の混合攪拌動作を制御し、地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあると判定された場合、感光体表面の摩擦研磨動作を制御することが望ましい。
【0022】
また、上記感光体表面の摩擦研磨する手段は感光体表面に離型性物質を付与する手段を有すると良い。
【0023】
さらに、上記対策結果判定手段は逆帯電あるいは弱帯電トナ−による地汚れトナ−の増加が解消しないときに現像剤の交換を表示手段に指示し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加による地汚れトナ−の増加が解消しないときに感光体の交換を指示すると良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明の電子写真複写機は、感光体の周りに帯電器,現像器,トナ−転写手段,クリ−ニング手段,除電ランプの順に配設してある。そして−600V〜−700Vの負電圧で帯電した感光体を露光して静電潜像を形成し、負帯電した未露光部を正帯電トナ−で現像する。形成したトナ−像を転写手段の転写ベルトで搬送される転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着手段で定着し、感光体に残留したトナ−をクリ−ニング手段で除去してから除電ランプで除電する。
【0025】
この電子写真複写機で、現像工程において感光体の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)増加の原因を特定し、それに対する対策を行う地汚れトナ−評価制御部はトナ−付着量検出手段と帯電極性制御手段とトナ−極性判定手段と自己診断部と地汚れ対策処理部及び対策結果判定手段を有する。トナ−付着量検出手段は、例えば発光素子と受光素子とを有する反射率測定装置からなり、トナ−転写手段とクリ−ニング手段の間に設けられ、感光体の非画像部に付着した地汚れトナ−の量を検出する。帯電極性制御手段は、トナ−転写手段の転写ベルトに転写バイアスとして印加する電圧を正極性の電圧又は負極性の電圧に切り換える。トナ−極性判定手段は帯電極性制御手段で切り換える転写バイアスの極性に応じて地汚れトナ−の主な帯電極性を判定する。
【0026】
自己診断部はトナ−特性記憶手段と付着量判定手段と地汚れ原因判定手段とを有し、トナ−特性記憶手段にトナ−付着量検出手段で検出した地汚れトナ−の付着量やトナ−極性判定手段で判定した帯電極性等のトナ−の特性を記憶する。そしてトナ−付着量検出手段で検出した地汚れトナ−の付着量があらかじめ定めた一定量を超えているかどうかを付着量判定手段で判定し、地汚れトナ−の付着量が一定量を超えているときに、地汚れ原因判定手段はトナ−付着量検出手段で測定した正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定する。
【0027】
地汚れ原因判定手段で地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあると判定したときに、地汚れ対策処理部は現像器内のトナ−の帯電量を制御し、地汚れ原因判定手段で地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあると判定したときに、地汚れ対策処理部は感光体表面の離型性を向上させ、地汚れトナ−の増加原因を自動的に解消させる。
【0028】
また、この地汚れ対策処理の結果を対策結果判定手段で判定し、長期間使用した結果、逆帯電あるいは弱帯電トナ−による地汚れトナ−の増加が解消しないときに現像剤の交換を表示手段に指示し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加による地汚れトナ−の増加が解消しないときに感光体の交換を表示手段に指示して、現像剤や感光体の交換が必要であることを明らかにする。
【0029】
上記トナ−付着量検出手段は感光体表面に離接自在なトナ−採集ロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定したり、静電潜像に対応したトナ−像を形成する現像手段が反転現像方式であるときに、クリ−ニング手段のクリ−ニングロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定しても良い。
【0030】
さらに、トナ−付着量検出手段を感光体上の地汚れトナ−を静電引力で捕獲するトナ−採集手段と、トナ−採集手段で採取した電荷を測定する電荷計測手段で構成することにより、地汚れトナ−の付着量を直接測定することができる。
【0031】
また、地汚れトナ−の増加原因を解消するときに、地汚れ対策処理部は、トナ−とキャリアを含む二成分現像剤を用い、地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるときに現像剤の混合攪拌動作を制御し、地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるときに感光体表面の摩擦研磨動作を制御することにより、地汚れトナ−の増加原因を簡単かつ確実に解消することができる。
【0032】
また、感光体表面の摩擦研磨動作をするときに、感光体表面に離型性物質を付与し、感光体とトナ−の非静電的な付着力を低減して地汚れを防止する。
【0033】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例の概略構成図である。図に示すように、アナログ複写機などに一般的に用いられる乾式二成分のポジポジ現像システムの電子写真複写機は、感光体1の周りに帯電器2,現像器3,トナ−転写手段4,クリ−ニング手段5,除電ランプ6の順に配設してあり、−600V〜−700Vの負電圧で帯電した感光体1を書込光7で露光して静電潜像を形成し、負帯電した未露光部を正帯電トナ−で現像する。この現像をするときに現像器3の現像スリ−ブ31に−100V〜200V程度の現像バイアスを印加することによって、正帯電トナ−が露光部(未帯電部)に付着することを抑制している。形成したトナ−像を転写手段4の転写ベルト41で搬送される転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着手段8で定着し、感光体1に残留したトナ−をクリ−ニング手段5で除去してから除電ランプ6で除電する。
【0034】
この電子写真複写機で、現像工程において感光体1の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)増加の原因を特定し、それに対する対策を行う地汚れトナ−評価制御部10は、図2のブロック図に示すように、トナ−付着量検出手段11と帯電極性制御手段12とトナ−極性判定手段13と自己診断部14と地汚れ対策処理部15及び対策結果判定手段16を有する。
【0035】
トナ−付着量検出手段11は、図1に示すように、トナ−転写手段4とクリ−ニング手段5の間に設けられ、感光体1の非画像部に付着した地汚れトナ−の量を検出する。このトナ−付着量検出手段11は、例えば図3の構成図に示すように、発光素子111と受光素子112とを有する反射率測定装置からなり、発光素子111からの光が感光体1表面で反射し、この反射した光の光量を受光素子112で検出して電圧に変換する。この受光素子112の出力電圧は、図4のトナ−付着量と受光出力の特性図に示すように、感光体1のトナ−付着量により変化し、トナ−付着量が多くなると感光体1からの反射光量が減少し、受光素子112の出力電圧が低下する。この発光素子111の発光波長や発光素子111と受光素子112の設置位置を定める入反射角度を感光体1の材料やトナ−の種類などによって最適化を図ることにより、感光体1に付着した地汚れトナ−の量を精度良く検出することができる。
【0036】
帯電極性制御手段12は、図5の部分構成図に示すように、トナ−転写手段4の転写ベルト41に転写バイアスを印加するバイアスロ−ラ42と電源43との間に設けられ、バイアスロ−ラ42に印加する電圧を正極性の電圧又は負極性の電圧に切り換える。トナ−極性判定手段13は帯電極性制御手段12でバイアスロ−ラ42に印加する電圧の極性に応じて地汚れトナ−の主な帯電極性を判定する。自己診断部14はトナ−特性記憶手段17と付着量判定手段18と地汚れ原因判定手段19とを有する。トナ−特性記憶手段17はトナ−付着量検出手段11で検出した地汚れトナ−の付着量やトナ−極性判定手段13で判定した帯電極性等のトナ−の特性を記憶する。付着量判定手段18はトナ−付着量検出手段11で検出した地汚れトナ−の付着量があらかじめ定めた一定量を超えているかどうかを判定する。地汚れ原因判定手段19はトナ−特性記憶手段17に記憶したトナの特性とトナ−極性判定手段13で判定した地汚れトナ−の主な帯電極性とから地汚れトナ−が増加した原因を判定する。
【0037】
地汚れ対策処理部15は地汚れ原因判定手段19で判定した地汚れトナ−の増加原因に応じて撹拌制御手段22や表面制御手段23に対策処理を実行させる。対策結果判定手段16は地汚れ対策処理部15で実行させた対策処理の結果を判定し、その結果を表示手段21に表示する。
【0038】
上記のように構成した地汚れトナ−評価制御部10の動作を説明するにあたり、まず、地汚れトナ−の帯電量分布の変化について説明する。
【0039】
トナ−の帯電量分布の測定には、ホソカワミクロン社のEスパ−トアナライザ−を用い、現像剤中トナ−の帯電量分布と感光体上の地汚れトナ−の帯電量分布を測定した。現像剤中トナ−の測定は現像剤を試料台の磁石に保持させ、エア−ガンによりキャリアとトナ−を分離して測定部にトナ−粒子を導入した。また、感光体上の地汚れトナ−の測定は地汚れトナ−が全面に付着した感光体シ−トを試料台に張り付け、エア−ガンにより感光体と地汚れトナ−を分離して測定部にトナ−粒子を導入した。
【0040】
このトナ−の帯電量分布の測定結果を図6に示す。図6において、横軸はトナ−の電荷量Qをトナ−粒径dで割った値、縦軸はトナ−数を表し、(a)は現像剤中トナ−の帯電量分布を示し、(b),(c)は感光体1上の地汚れトナ−の帯電量分布を示す。通常の現像剤中トナ−の帯電量分布は(a)の実線Aに示す分布を持っており、僅かに逆極性トナ−も存在している。このときトナ−や感光体1の種類によっては、地汚れトナ−は(b)と(c)の実線Aに示すように逆極性領域から正常帯電領域まで幅広く分布している場合がある。逆極性領域のピ−クは現像バイアス印加による逆極性トナ−の付着によるもので、正常帯電領域のピ−クは感光体1とトナ−の非静電的付着力によるものと考えられている。現像剤の経時劣化などで帯電能力が低下すると、現像剤中トナ−の帯電量分布は(a)の破線Bで示すように逆極性トナ−が増加し、正常帯電トナ−は減少する。現像条件などが一定の場合、このときの地汚れトナ−の分布は(b)の破線Bで示すように逆帯電と弱帯電領域のトナ−数が増加し、正常帯電領域のトナ−数は減少する。また、現像剤中トナ−の帯電量分布は一定で、感光体1の表面性の変化により感光体1とトナ−の付着力が増加した場合、(c)の破線Bで示すように、主に正常帯電領域のトナ−数が増加する。したがって地汚れトナ−が増加したときに、その増加した地汚れトナ−の主な帯電極性を検出することによって地汚れ増加の原因が現像剤中の逆極性トナ−の増加によるものか、感光体1とトナ−の付着力の増加によるものかを判別することができる。
【0041】
次に、上記特性を利用して地汚れトナ−を評価するときの動作を説明する。ます、現像器3の現像剤や感光体1の交換後の初期設定動作として、現像行程後のトナ−付着状態を測定するためにトナ−転写手段4の転写ベルト41を感光体1から離しておいた状態で感光体1の未帯電部に地汚れトナ−を付着させ、トナ−付着量検出手段11で地汚れトナ−の初期付着量を測定してトナ−特性記憶手段17に記憶させる。このときの単位面積当たりのトナ−付着量をN0とし、図4(a)に示すように、付着量N0に対応したトナ−付着量検出手段11の受光素子112の出力I0を初期値としてトナ−特性記憶手段17に記憶させる。次に、初期状態における地汚れトナ−の正極性成分と負極性成分毎の付着量を測定してトナ−特性記憶手段17に記憶させる。地汚れトナ−の正極性成分を感光体1に付着させるときは、図5に示すように、地汚れトナ−32が付着した感光体1表面にトナ−転写手段4の転写ベルト41を直接接触させた状態でバイアスロ−ラ42に帯電極性制御手段12で正極性の転写バイアスを印加し、地汚れトナ−32中の負極性トナ−32bを転写ベルト41上に転写させる。この正極性の転写バイアスによる転写の結果、感光体1上に残った地汚れトナ−は正極性トナ−32aとなり、トナ−極性判定手段13は帯電極性制御手段12でバイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスの極性により感光体1上に残った地汚れトナ−の極性を判定することができる。ここで初期状態における地汚れトナ−の帯電量分布を、例えば図7(a)の分布曲線Aとすると、バイアスロ−ラ42に正極性の転写バイアスを印加した転写行程後に感光体1上に残った正極性トナ−32aの帯電量分布は、図7(a)の分布曲線Bに示すようになり、バイアスロ−ラ42に負極性の転写バイアスを印加した転写行程後に感光体1上に残った負極性トナ−32bの帯電量分布は、図7(a)の分布曲線Cに示すようになる。この感光体1上に残った正極性トナ−32aの付着量N0(+)をトナ−付着量検出手段11で測定し、図4(a)に示すように、正極性トナ−32aの付着量N0(+)に対応した受光素子112の出力I0(+)をトナ−極性判定手段13の判定結果とともにトナ−特性記憶手段17に記憶させる。同様にバイアスロ−ラ42に負極性の転写バイアスを印加した転写行程後に感光体1上に残った負極性トナ−32bの付着量N0(−)を測定し、図4(a)に示すように、負極性トナ−32bの付着量N0(−)に対応した受光素子112の出力I0(−)をトナ−極性判定手段13の判定結果とともにトナ−特性記憶手段17に記憶させる。このように正極性トナ−32aと負極性トナ−32bをそれぞれ感光体1に付着させた場合は、転写工程で極性の異なるトナ−が転写ベルト41に転写されて、感光体1に残った地汚れトナ−が減少するので、トナ−特性記憶手段17に記憶させた受光素子112の出力値I0(+)とI0(−)はI0より大きくな値となる。なお、このときに印加する転写バイアス値は感光体線速やトナ−特性などにより実験的に最適値が決定されるが、正極性と負極性でそれぞれ一点づつの測定でも良いし、転写バイアス値を変えて複数点ずつで測定しても良い。
【0042】
次に電子写真複写機を使用しているときに、地汚れトナ−評価制御部10で感光体1に付着する地汚れトナ−の増加原因を特定するときの動作を、図8のフロ−チャ−トを参照して説明する。
【0043】
電子写真複写機の電源投入時や一定枚数複写するたびに、トナ−付着量検出手段11で感光体1の非画像部に付着した地汚れトナ−の付着量を測定し付着量判定手段18に送るとともにトナ−特性記憶手段17に一時格納する(ステップS1,S2)。付着量判定手段18は送られた付着量すなわち受光素子112の出力値Iとあらかじめ実験により定められトナ−特性記憶手段17に記憶した一定値Isとを比較し、地汚れトナ−の付着量が一定値を超えたかどうかを確認する(ステップS3)。地汚れトナ−の付着量が一定値を超えていないときは、そのまま複写動作を実行させる(ステップS1〜S3)。地汚れトナ−の付着量が一定値を超えて受光素子112の出力値Iが一定値Isより小さくなったときに、その旨を示す信号を帯電極性制御手段12に送る。帯電極性制御手段12は地汚れトナ−の付着量が一定値を超えたことを示す信号を受けると、初期処理のときと同様にトナ−転写手段4のバイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスを正極性と負極性に切り換えて、地汚れトナ−の主な帯電極性の検出処理に入る(ステップS4)。帯電極性制御手段12がバイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスを正極性にすると、トナ−付着量検出手段11は感光体1に付着している正極性トナ−32aの付着量N(+)に対応した受光出力I(+)を測定して出力し、バイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスが負極性のときに、負極性トナ−32bの付着量N(−)に対応した受光出力I(−)を測定して出力する。このトナ−付着量検出手段11から出力された受光出力I(+),I(−)はトナ−極性判定手段13で判定した地汚れトナ−の帯電極性に対応させてトナ−特性記憶手段17に一時格納される。
【0044】
この地汚れトナ−の帯電極性に対応した付着量の測定が終了すると、地汚れ原因判定手段19で地汚れ原因の判定処理に入る(ステップS5)。地汚れ増加の原因が図7(b)の分布曲線Aに示すように主に負極性トナ−の増加による場合は、地汚れトナ−32中の負極性成分が主に増加し、正極性成分はあまり変化しない。したがって、バイアスロ−ラ42に正極性の転写バイアスを印加した場合は多量の負帯電トナ−がベルト上に転写され、感光体1上の地汚れトナ−の分布は図7(b)の分布曲線Bに示すようになり、負極性成分が減少する。したがって、図4(b)に示すように、正極性トナ−32aの付着量を示す受光出力I(+)が大きくなり、受光出力I(+)は初期状態の受光出力I0(+)とほぼ等しくなる。逆に、バイアスロ−ラ42に負極性の転写バイアスを印加した場合は多量の正帯電トナ−がベルト上に転写され、感光体1上の地汚れトナ−の分布は図7(b)の分布曲線Cに示すようになり、正極性成分が減少する。したがって、図4(b)に示すように、負極性トナ−32bの付着量を示す受光出力I(−)が正極性トナ−32aの付着量を示す受光出力I(+)よりも小さくなる。
【0045】
地汚れ増加の原因が主に感光体1とトナ−の非静電的付着力の増加による場合、図7(c)の分布曲線Aに示すように、地汚れトナ−32中の正極性成分が主に増加し、負極性成分はあまり変化しない。したがって、バイアスロ−ラ42に正極性の転写バイアスを印加したとき、感光体1上の地汚れトナ−の分布は図7(c)の分布曲線Bに示すようになり、正極性成分はあまり変化せずに負極性成分が減少する。したがって正極性トナ−32aの付着量を示す受光出力I(+)は、図4(c)に示すように、分布曲線Aによる受光出力Iとほぼ等しくなる。逆に、バイアスロ−ラ42に負極性の転写バイアスを印加したとき、感光体1上の地汚れトナ−の分布は図7(c)の分布曲線Cに示すようになり、正極性成分が減少し負極性成分はあまり変化しない。したがって負極性トナ−32bの付着量を示す受光出力I(−)は正極性トナ−32aの付着量を示す受光出力I(+)よりはるかに大きくなり、初期状態の受光出力I0(−)とほぼ等しくなる。
【0046】
そこで地汚れ原因判定手段19は地汚れ原因の判定処理に入ると、トナ−特性記憶手段17に記憶した正極性トナ−32aの付着量を示す受光出力I(+)と負極性トナ−32bの付着量を示す受光出力I(−)及び初期状態の各受光出力I0(+),I0(−)を読み出して比較する。そして、I(+)≒I0(+)>I(−)のとき、地汚れトナ−は負極性成分が支配的で、現像器3に収納してある現像剤中の逆極性トナ−の増加が原因と判断する。またI(+)<I(−)≒I0(−)にとき、地汚れトナ−は正極性成分が支配的で、感光体1とトナ−の非静電的付着力の増加が原因と判断する。ここでI(+)≒I0(+)やI(−)≒I0(−)にならないときは、地汚れトナ−は正極性成分と負極性成分の両者が増加していることになり、現像剤中の逆極性トナ−の増加と感光体1とトナ−の非静電的付着力の増加の両方が原因していると判断する。
【0047】
このようにしてバイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスの極性を変えて感光体1に付着した地汚れトナ−の付着量を検出し、その大小を比較することにより、地汚れトナ−の増加原因を確実に検出することができる。
【0048】
次に、地汚れ原因判定手段19の判定結果に基づき地汚れトナ−を減少させるための対策処理について、図9のフロ−チャ−トを参照して説明する。
【0049】
地汚れ対策処理部15は増加した地汚れトナ−が主に逆極性及び弱帯電トナ−である場合は、撹拌制御手段22により現像器3の撹拌パドル33又は撹拌パドル33と現像スリ−ブ31を回転させて、現像器3に収納された現像剤の混合撹拌動作を実行してトナ−の帯電量を増加させる(ステップS11,S12)。この現像剤の混合撹拌動作を実行するときに、撹拌パドル33のみを回転させても良いが、現像スリ−ブ31も同時に回転させることがより好ましい。その理由は、現像剤が現像スリ−ブ31上に供給されるとき、供給量を規制する規制部材から受けるストレスでトナ−とキャリアの摩擦帯電が促進されるためである。また、現像スリ−ブ31を回転しているときに感光体1が停止していると、感光体1の同一の部分を現像剤が擦り続けるので好ましくない。そこで、現像剤の混合撹拌動作をしているときに感光体1も回転させ、さらに現像剤中の逆極性トナ−を感光体1上に供給するために現像バイアスを印加しておくことが好ましい。
【0050】
この混合撹拌動作あらかじめ設定された数分間程度の時間行った後、感光体1に付着している地汚れトナ−の付着量をトナ−付着量検出手段11で検出する(ステップS13)。対策結果判定手段16は地汚れ対策処理中にトナ−付着量検出手段11で検出した地汚れトナ−の付着量を示す受光出力Iとあらかじめ定めた一定値Itとを比較し(ステップS14)、地汚れトナ−の付着量が減少して受光出力Iが一定値It以上のときは、通常複写ときの待機状態に戻る(ステップS15)。地汚れトナ−の付着量が減少しないとき、地汚れ対策処理部15は再び撹拌制御手段22に混合撹拌動作を実行させ、地汚れトナ−の付着量の減少状況を調べる(ステップS16,S12〜S14)。そして、複数回の混合撹拌動作後でも地汚れトナ−の付着量が回復しなかったときは、現像剤の劣化が激しく交換時期であると判断し(ステップS16,S17)、操作部の表示手段21に現像剤交換を示す指示を表示する(ステップS18)。また、この表示をするとともに電話回線などを通じてサ−ビスセンタ−などに自動的に通報しても良い。
【0051】
次に増加した地汚れトナ−が主に正常帯電トナ−による場合は、表面性制御手段23により感光体1表面の離型性を向上させ、感光体1とトナ−間に働くファンデルワ−ルス力などの非静電的な付着力を低下させる(ステップS11,S19)。感光体1の表面がトナ−中の成分などの薄膜で覆われた(フィルミング)場合、感光体1表面の離型性が低下するだけでなく、トナ−フィルミング層のフィルタ−効果により、ポジポジ現像方式の場合は地肌電位部の電位が充分に低下しなくなり地汚れが発生する。そこで例えば図10に示すようにクリ−ニング手段5の下流側にソレノイドなどの接離機構によって感光体1表面に接離可能で、かつ感光体1の回転方向に対して逆方向に回転するブラシロ−ラ24を設けておく。そして表面制御手段23はブラシロ−ラ24の感光体1に対する接離と回転を制御して、感光体1表面のトナ−フィルミング層の除去を行う。このブラシロ−ラ24は、例えば炭素含有アクリル繊維による360デニ−ル/24フィラメント,600ル−プ/平方インチ,毛足長さ5ミリ程度のル−プブラシを用いる。このようにル−プ繊維を用いることによって、ル−プの先端が線状に感光体1表面に当たり、比較的均一に感光体1表面を擦ることができる。また、ル−プ繊維の材質としては、ステンレスなどの金属繊維を使用しても良いがフィルミングの除去能力に優れているが、コストや傷防止の点からアクリル系の繊維などが好ましい。さらに、ブラシロ−ラ24をクリ−ニング手段5の下流側に設けてあるから、ブラシロ−ラ24がトナ−で汚れることを防ぐことができる。
【0052】
表面制御手段23はブラシロ−ラ24の感光体1表面のトナ−フィルミング層の除去をあらかじめ定めた一定時間行ったら、ブラシロ−ラ24を感光体1から離して回転を停止させる。これは長時間連続してブラシロ−ラ24による除去処理を行っていると、感光体層の摩耗量が大きくなり好ましくないため、1回の除去処理時間を一定時間に限定している。その後、感光体1表面に付着する地汚れトナ−の付着量をトナ−付着量検出手段11で検出し、対策結果判定手段16で付着量が一定値以下になっているかどうかを判定する(ステップS20,S21)。この判定の結果、地汚れトナ−の付着量が一定値以下になっているときは待機状態になる(ステップS22)。地汚れトナ−の付着量が減少しないとき、地汚れ対策処理部15は再び表面制御手段23に感光体1表面の離型性向上処理を実行させ、地汚れトナ−の付着量の減少状況を調べる(ステップS23,S19〜S21)。そして、複数回の離型性向上処理でも地汚れトナ−の付着量が回復しなかったときは、感度低下などによる感光体の劣化が激しく交換時期であると判断し(ステップS23,S24)、操作部の表示手段21に感光体交換を示す指示を表示する(ステップS25)。また、この表示をするとともに電話回線などを通じてサ−ビスセンタ−などに自動的に通報しても良い。
【0053】
上記実施例では感光体1表面の離型性向上処理をクリ−ニング手段5の下流側に設けたブラシロ−ラ24により行った場合について説明したが、感光体1表面の離型性向上処理をクリ−ニング手段5で行うようにしても良い。例えば、図2に示すように、クリ−ニングブレ−ド51とクリ−ニングブラシ52を有するクリ−ニング手段5にソレノイドなどの接離機構によってクリ−ニングブラシ52に接離可能な固形潤滑剤53を設け、感光体1表面の離型性向上処理をするときに表面制御手段23はクリ−ニングブラシ52を回転しながら固形潤滑剤53をクリ−ニングブラシ52に接触させる。この固形潤滑剤53は離型性物質として例えばステアリン酸亜鉛を主成分とする材料を溶融し、冷却固化させたものを使用する。この固形潤滑剤53をクリ−ニングブラシ52に接触させて感光体1表面の離型性向上処理をすると、固形潤滑剤53はクリ−ニングブラシ52のブラシ繊維によって約1μm程度の微粒子として削れ取られ、ブラシ繊維に付着した離型性物質の微粒子が感光体1表面に付着する。この感光体1の表面に付着した離型性物質の微粒子がクリ−ニングブレ−ド51の接触圧力によって感光体1表面に比較的強固に付着し、感光体1表面の離型性を向上させることができる。
【0054】
この場合、固形潤滑剤53をクリ−ニングブラシ52に直接接触さぜずに、図11に示すように固形潤滑剤53とクリ−ニングブラシ52の間に供給ロ−ラ54を設けても良い。このように供給ロ−ラ54を介してクリ−ニングブラシ52に離型性物質の微粒子を付着するようにすると、供給ロ−ラ54の表面粗さを替えることにより感光体1表面に付着させる離型性物質の量を替えることができる。また、装置の小型化を図るために、固形潤滑剤53を感光体1表面と直接離接するようにしても良い。
【0055】
上記実施例では地汚れトナ−の増加原因を判定するときに、バイアスロ−ラ42に印加する転写バイアスの極性を変えて感光体1に付着した地汚れトナ−の付着量を検出した場合について説明したが、転写ベルト41に転写された地汚れトナ−の付着量を検出しても良い。
【0056】
また、転写ベルト41の代わりに転写ロ−ラを用い、転写ロ−ラで搬送されている記録紙により極性の異なる地汚れトナ−を分離するようにしても良い。
【0057】
また、上記実施例では地汚れトナ−の増加原因を判定するときに、トナ−転写手段4で正極性と負極性に分離された地汚れトナ−の極性をトナ−極性判定手段13で判定し、分離された地汚れトナ−の付着量をトナ−付着量検出手段11で測定した場合について説明したが、トナ−転写手段4で正極性と負極性に分離され感光体1に付着した地汚れトナ−の電荷量を直接測定するようにしても良い。例えば、図12に示すように、吸引式ファラデ−ゲ−ジ25をトナ−転写手段4とクリ−ニング手段5の間に設け、吸引式ファラデ−ゲ−ジ25で吸引した地汚れトナ−の総電荷量をク−ロンメ−タ26で測定するようにすれば良い。この場合は吸引した地汚れトナ−の総電荷量を測定するので、吸引したトナ−量とトナ−付着量の相関をあらかじめ求めてトナ−特性記憶手段17に記憶させておく。また、トナ−帯電量の平均値しか求められないので、帯電量分布の形状と平均値の相関を実験的に求めてトナ−特性記憶手段17に記憶させておく。そして測定した総電荷量とあらかじめ記憶したトナ−量とトナ−付着量の相関と帯電量分布の形状と平均値の相関から地汚れトナ−の増加原因を判定する。
【0058】
また、上記各実施例はトナ−転写手段4に転写ベルト41や転写ロ−ラを使用した場合について説明したが、図13に示すように、トナ−転写手段4として転写・分離チャ−ジャ−44を使用した場合にも、上記実施例と同様に地汚れトナ−の増加原因を判定することができる。
【0059】
この場合は、図13に示すように、転写・分離チャ−ジャ−44とクリ−ニング手段5の間に、感光体1表面と接離可能なトナ−採集ロ−ラ27を設ける。このトナ−採集ロ−ラ27は電圧印加可能な金属軸271の周りに設けられた数mm程度の厚さの導電性ゴム層272と、導電性ゴム層272の表面に設けられた数10μmの厚さの絶縁層273から構成されている。導電性ゴム層272はトナ−採集ロ−ラ27を感光体1に接触させたときに、感光体1との密着性を向上させ、表面の絶縁層273はトナ−への電荷注入による極性の変化を防止する。この表面の絶縁層273は長期間使用しても汚れが付着しないようにフッ素系の樹脂を使用することが望ましい。このトナ−採集ロ−ラ27の外周部にはトナ−付着量検出手段11が配置されている。
【0060】
そして、地汚れトナ−を評価するときは、上記実施例と同様に現像剤や感光体1を交換したときに初期設定動作を行う。初期設定動作では、初期の地汚れトナ−が付着した感光体1表面に接離機構によってトナ−採集ロ−ラ27を接触させる。このときトナ−採集ロ−ラ27を回転機構で回転させても良いし、感光体1の回転に追従して回転させても良い。この状態でトナ−採集ロ−ラ27の金属軸271に帯電極性制御手段12で正極性の電圧を印加し、トナ−採集ロ−ラ27で地汚れトナ−中の負帯電成分を静電的に捕獲する。このトナ−採集ロ−ラ27表面のトナ−付着量をトナ−付着量検出手段11で測定する。このトナ−付着量を測定するときに、トナ−採集ロ−ラ27表面をクリ−ニングしない場合は、トナ−採集ロ−ラ27表面に採集した地汚れトナ−が蓄積していくため、電圧印加を開始したときから一定時間後におけるトナ−付着量を測定する。この測定する時間はトナ−付着量検出手段11の受光素子112の検出感度などから最適時間が選択される。このときのトナ−付着量検出手段11の受光出力i0(+)をトナ−特性記憶手段17に記憶しておく。地汚れトナ−の正極性成分の付着量を測定したら、トナ−採集ロ−ラ27表面のクリ−ニング装置を有している場合は、トナ−採集ロ−ラ27を感光体1から離して表面をクリ−ニングしたから、再び感光体1に接触させる。その後、トナ−採集ロ−ラ27に帯電極性制御手段12で負極性の電圧を印加する。トナ−採集ロ−ラ27表面のクリ−ニング装置を有していない場合には、トナ−採集ロ−ラ27を感光体1に接触したまま負極性の電圧を印加し、トナ−採集ロ−ラ27表面の負帯電成分のトナ−を感光体1上に転写させて除去する。このとき、感光体1上に地汚れトナ−を付着させている場合、負帯電成分の除去と同時にトナ−正帯電成分の捕獲が行われるので、トナ−付着量を測定する時点に注意する必要がある。この場合、現像器3と感光体1の接離機構を設け、地汚れトナ−の無い感光体1表面に負帯電成分を転写して戻してから感光体1に地汚れトナ−を付着させるようにすると良い。そして負極性に帯電したトナ−採集ロ−ラ27で捕獲したトナ−の付着量をトナ−付着量検出手段11で測定し、その受光出力i0(−)をトナ−特性記憶手段17に記憶させる。
【0061】
そして電子写真複写機の電源投入時や一定枚数毎に、上記初期設定動作と同様にトナ−採集ロ−ラ27に印加する電圧の極性を変えて、トナ−採集ロ−ラ27で捕獲したトナ−の付着量を測定する。そしてトナ−採集ロ−ラ27に正極性の電圧を印加したときにトナ−付着量検出手段11で測定した付着量を示す受光出力i(+)と、トナ−採集ロ−ラ27に負極性の電圧を印加したときにトナ−付着量検出手段11で測定した付着量を示す受光出力i(−)をトナ−特性記憶手段17に記憶させる。
【0062】
地汚れ増加の原因が主に逆極性トナ−の増加による場合は、地汚れトナ−中の負極性成分が主に増加し正極性成分は変化しない。したがってトナ−採集ロ−ラ27に正極性の電圧を印加した場合に多量の負帯電トナ−が捕獲され、トナ−付着量が増加し、受光出力i(+)は大幅に減少する。また、トナ−採集ロ−ラ27に負極性の電圧を印加した場合は多量の負極性トナ−はそのまま感光体1に残り、初期状態とほぼ同量の正極性トナ−がトナ−採集ロ−ラ27に捕獲され、受光出力i(−)は初期受光出力i0(−)とほぼ等しくなる。
【0063】
地汚れ増加の原因が主に感光体1とトナ−の非静電的付着力の増加による場合は、地汚れトナ−中の正極性成分が主に増加し負極性成分はあまり変化しない。したがってトナ−採集ロ−ラ27に正極性の電圧を印加した場合は多量の正極性トナ−はそのまま感光体1に残り、初期状態とほぼ同量の負極性トナ−がトナ−採集ロ−ラ27に捕獲され、受光出力i(+)は初期受光出力i0(+)とほぼ等しくなる。トナ−採集ロ−ラ27に負極性の電圧を印加した場合は多量の正帯電トナ−がトナ−採集ロ−ラ27で捕獲され、受光出力i(−)が大幅に減少する。
【0064】
そこで、地汚れ原因判定手段19は、ある検知タイミングにおいて、トナ−採集ロ−ラ27に正極性の電圧を印加したときの受光出力i(+)が負極性の電圧を印加したときの受光出力i(−)より小さく、受光出力i(−)が初期受光出力i0(−)とほぼ同じときは、地汚れトナ−は負極性成分が支配的で現像剤中の逆極性トナ−の増加が原因と判断する。また、トナ−採集ロ−ラ27に負極性の電圧を印加したときの受光出力i(−)が正極性の電圧を印加したときの受光出力i(+)より小さく、受光出力i(+)が初期受光出力i0(+)とほぼ同じときは、地汚れトナ−は正極性成分が支配的で感光体1とトナ−の非静電的付着力の増加が原因と判断する。ここで受光出力i(+)が初期受光出力i0(+)とほぼ同じにならないときや、受光出力i(−)が初期受光出力i0(−)とほぼ同じにならないとき、地汚れトナ−は正極性成分と負極性成分の両方が増加していることになり、正極性成分と負極性成分の両方が原因で有ると判断する。そして、この判断結果に応じて対策処理を行う。
【0065】
なお、上記各実施例はアナログ機などのポジポジ現像方式における場合を示したが、ネガポジ現像方式でも同様に地汚れトナ−の主な帯電量を検出することができる。ただし、反転現像方式の場合は約−600V程度の帯電部に地汚れトナ−が付着しているため、転写手段やトナ−採集手段に印加する電圧の絶対値を正極性と負極性で大きく変える必要がある。この場合、図14に示すように、転写手段やトナ−採集ロ−ラ27の上流側に除電ランプ28を設置し、感光体1表面を露光して除電することにより、ポジポジ現像の場合と同様にすることができる。また、地汚れトナ−の測定動作時には感光体1を帯電させず、+100V〜+200V程度の現像バイアスを印加することによって、現像ポテンシャルとしては反転現像の地肌部と同じ状態で未帯電部に地汚れトナ−を付着させることができる。
【0066】
また、上記実施例はトナ−採集ロ−ラ27で地汚れトナ−を捕獲する場合について説明したが、クリ−ニング手段のクリ−ニングロ−ラをトナ−採集ロ−ラとして応用することもできる。例えば図15に示すように、デジタル機などの反転現像方式でクリ−ニング手段5にクリ−ニングロ−ラ55を用いた静電的クリ−ニング方式を採用している場合、転写行程後の残留トナ−の極性をコントロ−ルするためにプレクリ−ニングチャ−ジャ−29を設けることが好ましい。そして地汚れトナ−の帯電量を測定するときに転写手段を感光体1から離してプレクリ−ニングチャ−ジャ−29をオフにしておく。このクリ−ニング手段5のクリ−ニングロ−ラ55は上記トナ−採集ロ−ラ27と同様な構成であり、帯電極性制御手段12により正負両極性の電圧を切り換えて印加できるようになっている。また、クリ−ニングロ−ラ55の表面に付着したトナ−を除去するクリ−ニングブレ−ド51を有する。このようにクリ−ニングロ−ラ55に正負両極性の電圧を切り換えて印加して捕獲したトナ−の量をトナ−付着量検出手段11で測定することにより、地汚れトナ−の主な帯電極性を検出することができる。
【0067】
なお、図15に示した例ではクリ−ニングロ−ラ55で捕獲したトナ−量を測定する場合について説明したが、クリ−ニング行程後に感光体1上に残ったトナ−の付着量を検出しても良い。
【0068】
このようにクリ−ニングロ−ラ55でトナ−を捕獲する場合の場合に特有の点について説明する。地汚れトナ−採集時にクリ−ニングロ−ラ55で捕獲されずにクリ−ニング手段5を通過してしまった地汚れトナ−は次の帯電行程を通過する際に負極性(正常帯電極性)に強制的に帯電され、感光体1の帯電電位と現像バイアスの差によって現像剤中に回収される。すなわち、反転現像方式の場合は、クリ−ニングされなかった地汚れトナ−は正常帯電トナ−として現像剤でスキャベンジされる。これに対してポジポジ現像方式の場合は、クリ−ニングロ−ラ55で捕獲されずにクリ−ニング手段5を通過してしまった地汚れトナ−は次の帯電行程を通過する際に負極性(逆極性)に強制的に帯電され、現像剤にスキャベンジされずに現像部をそのまま通過して、次のクリ−ニング行程に到達してしまう。したがってポジポジ現像方式にクリ−ニングロ−ラ方式を採用すると、クリ−ニングされなかった地汚れトナ−は感光体1の回転と共に蓄積してしまうため好ましくなく、ネガポジ現像方式にだけクリ−ニングロ−ラ方式を採用すると良い。
【0069】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、感光体上の地汚れトナ−が増加したときに、感光体に付着している正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定するようにしたから、地汚れ増加の原因を的確に判定することができる。したがって地汚れ増加の原因に応じた最適な対応手段を講じることができる。
【0070】
また、地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあると判定したときに、現像器内のトナ−の帯電量を制御し、地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあると判定したときに、感光体表面の離型性を向上させるから、地汚れトナ−の増加原因を自動的に解消させることができる。
【0071】
また、地汚れトナ−の増加原因を解消するときに、トナ−とキャリアを含む二成分現像剤を用い、地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるときに現像剤の混合攪拌動作を制御し、地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるときに感光体表面の摩擦研磨動作を制御することにより、地汚れトナ−の増加原因を簡単かつ確実に解消することができる。
【0072】
また、感光体表面の摩擦研磨動作をするときに、感光体表面に離型性物質を付与することにより、感光体とトナ−の非静電的な付着力を低減して地汚れを確実に防止することができる。
【0073】
また、この地汚れ対策処理の結果の適否を判定し、長期間使用した結果、逆帯電あるいは弱帯電トナ−による地汚れトナ−の増加が解消しないときに現像剤の交換を表示手段に指示し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加による地汚れトナ−の増加が解消しないときに感光体の交換を表示手段に指示するから、現像剤や感光体の交換が必要であることを明らかにすることができ、電子写真装置の保守を迅速に行うことができる。
【0074】
また、感光体上のトナ−を転写材に転写するトナ−転写手段に印加する転写バイアスの極性を切り換えることにより、感光体に付着した地汚れトナ−を正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−に簡単に分離することができる。
【0075】
さらに、トナ−転写手段に感光体と接離自在な転写ベルト又は転写ロ−ラを有することにより、簡単な構成で地汚れトナ−を正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−に分離することができる。
【0076】
また、感光体表面に離接自在なトナ−採集ロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定したり、クリ−ニング手段のクリ−ニングロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定することにより、各現像方式毎に最適な手段で地汚れトナ−の付着量を測定することができ、地汚れトナ−の付着量の測定精度を高めることができる。
【0077】
また、感光体に付着した地汚れトナ−の付着量を発光部と受光部を有する反射率測定装置で測定することにより、地汚れトナ−の付着量を簡単に測定することができる。
【0078】
さらに、トナ−付着量検出手段を感光体上の地汚れトナ−を静電引力で捕獲するトナ−採集手段と、トナ−採集手段で採取した電荷を測定する電荷計測手段で構成することにより、地汚れトナ−の付着量を直接測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す概略構成図である。
【図2】上記実施例の地汚れトナ−評価制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】トナ−付着量検出手段を示す構成図である。
【図4】トナ−付着量と受光出力の特性図である。
【図5】トナ−転写手段を示す部分構成図である。
【図6】トナ−の帯電量分布を示す分布特性図である。
【図7】地汚れトナ−の帯電量分布を示す分布特性図である。
【図8】地汚れトナ−増加原因を特定するときの動作を示すフロ−チャ−トである。
【図9】地汚れトナ−増加に対する対策処理を示すフロ−チャ−トである。
【図10】感光体表面のトナ−フィルミング層を除去するブラシロ−ラの配置図である。
【図11】感光体表面の離型性向上をするクリ−ニング手段の構成図である。
【図12】第2のトナ−付着量検出手段を示す構成図である。
【図13】トナ−採集ロ−ラを使用したときの配置図である。
【図14】ネガポジ現像方式のときのトナ−採集ロ−ラと除電ランプの配置図である。
【図15】ネガポジ現像方式のときトナ−を捕獲するクリ−ニング手段の配置図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 現像器
4 トナ−転写手段
5 クリ−ニング手段
10 地汚れトナ−評価制御部
11 トナ−付着量検出手段
12 帯電極性制御手段
13 トナ−極性判定手段
14 自己診断部
15 地汚れ対策処理部
16 対策結果判定手段
17 トナ−特性記憶手段
18 付着量判定手段
19 地汚れ原因判定手段
Claims (12)
- 感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナ−を付着させて可視化し、形成したトナ−像を転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着し、感光体に残留したトナ−を除去する電子写真装置において、
トナ−付着量検出手段と帯電極性制御手段及び自己診断部とを有し、トナ−付着量検出手段は感光体の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)の量を測定し、帯電極性制御手段はトナ−付着量検出手段で測定するトナ−の主な帯電極性を正極性成分と負極性成分に切り換え、自己診断部は地汚れトナ−が増加したときにトナ−付着量検出手段で測定した正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定することを特徴とする電子写真装置。 - 上記帯電極性制御手段は感光体上のトナ−を転写材に転写するトナ−転写手段に印加する転写バイアスの極性を切り換える請求項1記載の電子写真装置。
- 上記トナ−転写手段は感光体と接離自在な転写ベルト又は転写ロ−ラを有する請求項2記載の電子写真装置。
- 上記トナ−付着量検出手段が発光部と受光部を有する反射率測定装置からなる請求項1記載の電子写真装置。
- 上記トナ−付着量検出手段は感光体表面に離接自在なトナ−採集ロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定する請求項4記載の電子写真装置。
- 上記トナ−付着量検出手段は、静電潜像に対応したトナ−像を形成する現像手段が反転現像方式であるときに、クリ−ニング手段のクリ−ニングロ−ラで捕獲したトナ−の量を測定する請求項4記載の電子写真装置。
- 上記トナ−付着量検出手段が感光体上の地汚れトナ−を静電引力で捕獲するトナ−採集手段と、トナ−採集手段で採取した電荷を測定する電荷計測手段である請求項1記載の電子写真装置。
- 感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナ−を付着させて可視化し、形成したトナ−像を転写材に転写し、転写材に転写したトナ−像を定着し、感光体に残留したトナ−を除去する電子写真装置において、
トナ−付着量検出手段と帯電極性制御手段と自己診断部と地汚れ対策処理部及び対策結果判定手段とを有し、
トナ−付着量検出手段は感光体の非画像部である地肌電位部に付着したトナ−(以下、地汚れトナ−という)の量を測定し、帯電極性制御手段はトナ−付着量検出手段で測定するトナ−の主な帯電極性を正極性成分と負極性成分に切り換え、自己診断部は地汚れトナ−が増加したときにトナ−付着量検出手段で測定した正極性成分のトナ−と負極性成分のトナ−の付着量から地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるか、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるかを判定し、地汚れ対策処理部は地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあるときに現像器内のトナ−の帯電量を制御し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあるときに感光体表面の離型性を向上させ、対策結果判定手段は地汚れ対策処理の結果を判定することを特徴とする電子写真装置。 - 上記地汚れ対策処理部は、トナ−とキャリアを含む二成分現像剤を用いたときに、地汚れトナ−の増加の原因が逆帯電あるいは弱帯電トナ−の増加にあると判定された場合、現像剤の混合攪拌動作を制御する請求項8記載の電子写真装置。
- 上記地汚れ対策処理部は、地汚れトナ−の増加の原因が感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加にあると判定された場合、感光体表面の摩擦研磨動作を制御する請求項9記載の電子写真装置。
- 上記感光体表面の摩擦研磨する手段は感光体表面に離型性物質を付与する手段を有する請求項10記載の電子写真装置。
- 上記対策結果判定手段は逆帯電あるいは弱帯電トナ−による地汚れトナ−の増加が解消しないときに現像剤の交換を表示手段に指示し、感光体とトナ−の非静電的な付着力の増加による地汚れトナ−の増加が解消しないときに感光体の交換を表示手段に指示する請求項11記載の電子写真装置。
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