JP3720304B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対向する一対の雌、雄側コネクタの結合を、例えば、雌側コネクタの雄側コネクタに対する押付力を増幅(倍力)して行うことが可能な低挿拔力コネクタとしての電気コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の低挿拔力コネクタとしての電気コネクタとして実開平5−81965公報に開示された技術がある。この開示技術は、両側に被駆動ピンを設けた一方のコネクタと、ピン案内溝を設けた他方のコネクタとを備えており、カム溝を有するレバ−及びレバーハンドルからなるカム部材を他方のコネクタに回動可能に取付けた構成である。
【0003】
そして、一方のコネクタを他方のコネクタに近付けて、被駆動ピンをカム部材のカム溝に挿入し、次に、作業者の手でレバーハンドルを回動させることにより、梃子の原理を応用して一方のコネクタを他方のコネクタに結合させ、また、レバーハンドルを逆に回動させることにより上記した結合を解除するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電気コネクタにあっては、一方のコネクタと他方のコネクタとの結合及びこの結合の解除を、作業者の手でレバーハンドルを回動させることにより行うものであるために、作業者の手が届かない位置に電気コネクタがある場合には、一方のコネクタと他方のコネクタとの結合及びこの結合の解除を行うことができないという問題点があった。
【0005】
近来、コックピットをモジュール化して、自動車の組み立てライン上で、車体パネルのコックピット装着部にコックピットモジュールを装着することが行われている。この場合、コックピット装着部に一方のコネクタを、コックピットモジュールに他方のコネクタをそれぞれ取り付けて、2人の作業者がコックピットモジュールを持って、コックピット装着部に押し付けるようにして、一方のコネクタに他方のコネクタを結合してコックピットモジュールのコックピット装着部への装着を行う。
【0006】
この場合、2人の作業者がコックピットモジュールを、例えば、15Kgの押付力でコックピット装着部に押し付ける。また、他方のコネクタを一方のコネクタに結合するための押付力は端子数により変わるが、例えば、多芯である場合には約45Kg程度が必要である。
【0007】
このようなコックピットモジュールの装着において、上記したレバー式倍力機構を有する電気コネクタを用いた場合には、この電気コネクタが配置してある場所に作業者の手が届かず、カム部材のレバーハンドルを回動操作することができないために、上記したレバー式倍力機構を有する電気コネクタをコックピットモジュールの装着に用いることはできない。
【0008】
したがって、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に他方のコネクタを一方のコネクタに結合することができる電気コネクタの出現が要請されていた。
【0009】
本発明は、上記の事情に着目して成されたものであって、その目的とするところは、作業者の手が届かない位置にある場合でも、その一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる電気コネクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電気コネクタは、一方の端子を有する一方のコネクタと、他方の端子を有する他方のコネクタとを備え、一方の端子に他方の端子を接触させて一方及び他方のコネクタの結合を行う電気コネクタであって、一方のコネクタが、一方の端子を有する一方のコネクタハウジングと、この一方のコネクタハウジングに回転可能に設けられたローターとを有しており、他方のコネクタが、コネクタホルダと、このコネクタホルダにコネクタ挿拔方向に移動可能に設けられ且つ他方の端子を有する他方のコネクタハウジングとを有しており、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、この一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換する倍力変換手段を有するものである。
【0011】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、倍力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0012】
このために、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0013】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に一方のコネクタを他方のコネクタに結合することができて、自動車の円滑な組立作業に寄与することができる。
【0014】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、倍力変換手段は、一次押付力を回転力に変換する回転力変換手段と、回転力を二次押付力に変換する押付力変換手段とで構成してある。
【0015】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ押付力変換手段により回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0016】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、回転力変換手段は、ローターの外周部に外側カム接触体を設け、コネクタホルダの内周面部に、コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した内側カムを設け、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力を前記回転力に変換するものであり、押付力変換手段は、ローターの内周部に内側カム接触体を設け、他方のコネクタハウジングの外周面部に、コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して内側カムの傾斜角度より小さい傾斜角度で且つ同方向に傾斜した外側カムを設け、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換するものである。
【0017】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段において、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力をローターの回転力に変換させ、そして、押付力変換手段において、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換して、一次押付力を二次押付力に倍力させ、自動的に一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0018】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0019】
また、外側カムの傾斜角度を内側カムの傾斜角度より小さくして、外側カムの傾きと内側カムの傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーハンドルを有するカム部材のような部材が不要になる。
【0020】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、ローターが円筒体であって、この円筒体の端部に他方のコネクタハウジングの挿入を案内する案内部を設けた構成であり、他方のコネクタハウジングが円筒体内に嵌合される嵌合部構成であり、内側カムは、コネクタホルダの内周面部に形成された長溝構成であって、この内側カムは外側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、外側カムは、他方のコネクタハウジングの外周面部に形成された長溝構成であって、この外側カムは内側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、内、外側カム接触体がピン構成である。
【0021】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、他方のコネクタハウジングは案内部によりローター内に導かれ、外側カム接触体は端側開放カム部により内側カムに誘い込まれ、内側カム接触体は端側開放カム部により外側カムに誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明に係る電気コネクタの結合前における縦断面図、図2は雄側コネクタの平面図、図3は同雄側コネクタの側面図、図4は雌側コネクタの側面図、図5は同雌側コネクタの平面図、図6は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0024】
本発明に係る電気コネクタは、図1に示すように一方のコネクタである雄側コネクタ2と、他方のコネクタである雌側コネクタ3とにより構成してある。
【0025】
雄側コネクタ2は、図1乃至図3に示すように一方のコネクタハウジングである雄側コネクタハウジング4と、この雄側コネクタハウジング4に回転可能に取り付けられた円筒体よりなるローター10と、このローター10に回転可能に取り付けられ且つローター10の回転によりコネクタ挿拔方向aに移動するコンタクト保持部材14と、雄側コネクタハウジング4に設けられた複数本の一方の端子である雄端子9とを備えている。
【0026】
雄側コネクタハウジング4はベース部5に円筒部6を形成し、且つベース部5の周部に取付部7を形成して構成してある。そして、円筒部6の周部には周方向に長いガイド孔部8が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのガイド孔部8はコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿うている。また、円筒部6の内周部には周方向に所定の間隔をおいて複数のガイド溝部6aが形成してあり、これらのガイド溝部6aはコネクタ挿拔方向aに沿うている。また、ベース部5には多数本の雄端子9が装着してあり、これらの雄端子9のコンタクト部9aが円筒部6内に突入している。
【0027】
また、ローター10の基端部の外周には、周方向に等間隔をおいて3か所に外側ガイド突起部11が突設してあり、ローター10の先側部には鍔部10Aが形成してある。そして、鍔部10Aの外周には、周方向に等間隔をおいて3か所に外方に突出させて外側カム接触体である外側カムピン12が設けてあり、また、ローター10の内周面部には、周方向に等間隔をおいて3か所に内側カム接触体である内側カムピン13が設けてある。また、鍔部10Aの内周縁部は面取り加工が施されていて、案内部10Bになされている。
【0028】
また、コンタクト保持部材14は、円筒部14Aと底面部14Bとを有しており、この円筒部14Aの周面には長孔からなるリード孔15が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのリード孔15は、コネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ1で傾斜している。
【0029】
また、コンタクト保持部材14の底面部14Bには多数のコンタクト貫通孔16が、雄端子9のコンタクト部9aの配列と同じ配列にして形成してある。また、コンタクト保持部材14の円筒部14Aの外周部には、周方向に所定の間隔をおいて複数のガイド突起部14aが設けてある。
【0030】
そして、雄側コネクタハウジング4の円筒部6内にローター10を挿入して、このローター10の外側ガイド突起部11を円筒部6のガイド孔部8に挿入することで、円筒部6にローター10が、ガイド孔部8の長さ分回転可能に取り付けてある。
【0031】
また、ローター10内にコンタクト保持部材14を挿入し、ガイド突起部14aをガイド溝部6aに移動可能に挿入して、ローター10の内側カムピン13をリード孔15に挿入することで、ローター10にコンタクト保持部材14がリード孔15の長さ分回転可能に取り付けてあり、コンタクト保持部材14の底面部14Bのコンタクト貫通孔16に多数本の雄端子9のコンタクト部9aの先端部が挿入してある。
【0032】
上記のように構成された雄側コネクタ2は、その雄側コネクタハウジング4に設けた取付部7で車体パネルPに取り付けられている。そして、雄側コネクタ2にはケーブル(図示せず)が接続してあって、このケーブルのリード線(図示せず)が雄端子9に接続してある。
【0033】
雌側コネクタ3は、図1、図4乃至図6に示すようにコネクタホルダ20と、このコネクタホルダ20に保持され且つコネクタ挿拔方向aに移動する他方のコネクタハウジングである雌側コネクタハウジング21と、この雌側コネクタハウジング21に設けた多数本の他方の端子である雌端子32とを備えている。
【0034】
コネクタホルダ20は円筒状のホルダ本体20Aを備えており、このホルダ本体20Aの基部20aの周部には取付部20bが設けてある。このホルダ本体20Aの基部20aの内周部にはガイド用溝部26が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのガイド用溝部26は、図1に示すように端面部20aからコネクタ挿拔方向aの中間部にまで形成されている。
【0035】
そして、ホルダ本体20Aの内周部は相手コネクタ嵌合部27になされている。この相手コネクタ嵌合部27には、周方向に等間隔をおいて3か所に長溝構成の内側カム22が形成してある。これらの内側カム22は、コネクタ挿拔方向aに沿う端側開放カム部22Aと、この端側開放カム部22Aに連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ2で傾斜する傾斜カム部22Bと、この傾斜カム部22Bの端部に連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿う端側カム部22Cとで構成してある。
【0036】
そして、内側カム22の端側開放カム部22Aの端部には外方に向かって拡開するピン案内部23が形成してある。また、外周部の先部には、端側カム部22Aの形成部としての肉厚部24が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。
【0037】
雌側コネクタハウジング21はベース部30に円筒部31を形成して構成してあり、円筒部31が嵌合部21Aになされている。そして、ベース部30には多数本の雌端子32が装着してあり、これらの雌端子32のコンタクト部32aが円筒部31内に突入している。そして、円筒部31の外周部には、ガイド用突起部35が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してあり、これらのガイド用突起部35はコネクタ挿拔方向aに沿っている。
【0038】
また、円筒部31の外周面部には、周方向に等間隔をおいて3か所に長溝形状の外側カム33が形成してある。これらの外側カム33は、コネクタ挿拔方向aに沿う端側開放カム部33Aと、この端側開放カム部33Aに連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ3で傾斜する傾斜カム部33Bと、この傾斜カム部33Bの端部に連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿う端側カム部33Cとで構成してある。そして、外側カム33の端側カム部33Aの端部には外方に向かって拡開するピン案内部34が形成してある。
【0039】
そして、内側カム22の傾斜カム部22Bの傾斜角度θ2は45度であり、外側カム33の傾斜カム部33Bの傾斜角度θ3は、内側カム22と同方向に15度にしてある。
【0040】
そして、雌側コネクタハウジング21は、その外周部に設けたガイド用突起部35をコネクタホルダ20のガイド用溝部26にコネクタ挿拔方向aに移動可能に係合してコネクタホルダ20に保持されていて、ガイド用突起部35とガイド用溝部26とでガイド機構25が構成してある。
【0041】
上記のように構成された雌側コネクタ3は、そのコネクタホルダ20に設けた取付部20bでコックピットモジュールMに取り付けられる。そして、雌側コネクタ3には、その雌側コネクタハウジング21にケーブル(図示せず)が接続してあって、このケーブルの複数本のリード線(図示せず)が雌端子32に接続してある。
【0042】
このように、雌側コネクタハウジング21にケーブルが接続してあるために、このケーブルにより雌側コネクタハウジング21は、その嵌合部21Aの先部を突出させるように常に押されている。
【0043】
そして、ローター10の外周部に設けられた外側カムピン12と、コネクタホルダ20の内周面部に形成された内側カム22とは、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に所定の一次押付力F1で挿入した際に、この一次押付力F1をローター10の回転力に変換する回転力変換手段を構成しており、ローター10の内周部に設けられた内側カムピン13と、雌側コネクタハウジング21の外周面部に形成された外側カム33とは回転力を二次押付力F2に変換する押付力変換手段を構成している。そして、回転力変換手段と押付力変換手段とで倍力変換手段(倍力機構)を構成している。
【0044】
次に、上記のように構成された雌側コネクタ3の雄側コネクタ2への結合と、この結合の解除とを説明する。
【0045】
図7に示すように、コックピットモジュールMを車体パネルPのコックピット装着部に近付けて、雌側コネクタ3の雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aを雄側コネクタ2のローター10内に挿入すると共に、ローター10を相手コネクタ嵌合部27に嵌合すると、コネクタホルダ20の内側カム22の端側開放カム部22Aに外側カムピン12が挿入されると共に、雌側コネクタハウジング21の外側カム33の端側開放カム部33Aに内側カムピン13が挿入される。
【0046】
この状態から図8に示すように、更に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2側に押し付けると、外側カムピン12が内側カム22の傾斜カム部22Bに挿入されると共に、内側カムピン13が外側カム33の傾斜カム部33Bに挿入される。
【0047】
この場合、図10に示すように、雌側コネクタ3が一次押付力F1でコネクタ挿拔方向aに押されると、内側カム22の傾斜カム部22Bに外側カムピン12が位置しているために、内側カム22のカム機能によりコネクタ挿拔方向aとは直交方向bにF1tanθ2の力が発生する。この力F1tanθ2がローター10を回転させる。
【0048】
このローター10の回転力F1tanθ2は、ローター10が有する内側カムピン13を介して雌側コネクタハウジング21に伝達されるが、この雌側コネクタハウジング21はガイド機構25によりコネクタホルダ20に連結されていて回転できないために、回転力F1tanθ2は、内側カムピン13と外側カム33のカム機能によりコネクタ挿拔方向aに二次押付力F2=F1(tanθ2/tanθ3)に変換される。
【0049】
ここで、一次押付力F1を15Kgにすると、θ2が45°、θ3が15°であるために
となり、一次押付力F1としての15Kgの力がコネクタ挿拔方向aへの二次押付力F2として45Kgに倍力される。
【0050】
また、ローター10の回転により内側カムピン13がコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに移動し、コンタクト保持部材14のリード孔15内を移動するが、リード孔15が傾斜角度θ1で傾斜しているために、コンタクト保持部材14がコネクタ挿拔方向aを雄端子9側に移動して、雄端子9のコンタクト部9aがコンタクト貫通孔16を貫通して、これらの雄端子9のコンタクト部9aが保持されて矯正される。
【0051】
この状態から図9に示すように更に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2側に押し付けると、外側カムピン12が内側カム22の端側カム部22Cに移動すると共に、内側カムピン13が外側カム33の傾斜カム部33B内を移動する。また、コンタクト保持部材14が雄端子9側に移動して、雄端子9のコンタクト部9aがコンタクト貫通孔16をさらに貫通して、これらの雄端子9のコンタクト部9aが雌端子32のコンタクト部32aに結合して接触し、雌側コネクタ3が雄側コネクタ2に結合される。
【0052】
なお、雄側コネクタ2が図7の状態から図9の状態になる過程において、コネクタホルダ20及び雌側コネクタハウジング21は、その動きが内側カム22及び外側カム33により規制されているために、この雌側コネクタハウジング21のコネクタ挿拔方向aへの移動速度は、コネクタホルダ20のコネクタ挿拔方向aへの移動速度より遅くなる。
【0053】
また、雌側コネクタ3と雄側コネクタ2との結合の解除は、上記した結合の手順の逆の手順で行われる。すなわち、コックピットモジュールMを車体パネルPのコックピット装着部から引き離すように力を加えると、外側カムピン12と内側カム22の傾斜カム部22Bとのカム機能によりローター10が逆回転して、内側カムピン13が外側カム33の端側開放カム部33Aに位置すると共に、外側カムピン12が内側カム22のの端側開放カム部22Aに位置するようになる。この状態では雄端子9のコンタクト部9aが雌端子32のコンタクト部32aから外れる。
【0054】
そして、更なる引き離しを行うことにより雌側コネクタ3の雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aが雄側コネクタ2のローター10内から抜け出すと共に、ローター10が相手コネクタ嵌合部ネクタ27から抜ける。
【0055】
自動車の組み立てライン上で、車体パネルPのコックピット装着部(図示せず)にコックピットモジュールMを装着する場合に、2人の作業者がコックピットモジュールMを持って、コックピット装着部に押し付けるようにして、その装着を行う場合がある。この場合、2人の作業者がコックピットモジュールMを、例えば、約15Kgの押付力でコックピット装着部に押し付ける。また、雌側コネクタ3を雄側コネクタ2に結合するための押付力は、端子数により変わるが、例えば、多芯である場合には約45Kg程度が必要である。
【0056】
したがって、上記した倍力機構を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールMをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2に結合することができて、自動車の組み立てを円滑に行うことができる。
【0057】
上記したように、本発明の実施の形態によれば、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に一次押付力F1で挿入した際に、回転力変換手段を構成する外側カムピン12を内側カム22に接触させて一次押付力F1をローター10の回転力に変換させ、そして、押付力変換手段を構成する内側カムピン13を外側カム33に接触させて回転力を二次押付力F2に変換して、一次押付力F1を二次押付力F2に倍力させ、自動的に雄側コネクタ2に雌側コネクタ3を結合することができる。
【0058】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この雄側コネクタ2と雌側コネクタ3との結合を行うことができる。
【0059】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールMをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に雄側コネクタ2に雌側コネクタ3を結合することができて、自動車の円滑な組立作業に寄与することができる。
【0060】
また、外側カム33の傾斜角度θ3を内側カム22の傾斜角度θ2より小さくして、外側カム33の傾きと内側カム22の傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーハンドルを有するカム部材のような部材が不要になる。
【0061】
そして、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に所定の一次押付力F1で挿入した際に、嵌合部21Aは案内部10Bによりローター10内に導かれ、外側カムピン12は端側開放カム部22Aにより内側カム22に誘い込まれ、内側カムピン13は端側開放カム部33Aにより外側カム33に誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【0062】
本発明の実施の形態では、内側カム22の傾斜カム部22Bの傾斜角度θ2は45度であるが、この傾斜角度θ2を、50度と45度との2段階にしてもよく、また、湾曲させてもよい。これらの場合、大きい角度から外側カムピン12の挿入が開始されるために、この挿入を、更に容易に行うことができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、倍力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0064】
このために、作業者の手が届かない位置にある場合でも、一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0065】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に一方のコネクタを他方のコネクタに結合することができて、自動車の組み立てを円滑に行うことができる。
【0066】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ押付力変換手段により回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0067】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段において、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力をローターの回転力に変換させ、そして、押付力変換手段において、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換して、一次押付力を二次押付力に倍力させ、自動的に一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0068】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0069】
また、外側カムの傾斜角度を内側カムの傾斜角度より小さくして、外側カムの傾きと内側カムの傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーのような部材が不要になる。
【0070】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、他方のコネクタハウジングは案内部によりローター内に導かれ、外側カム接触体は端側開放カム部により内側カムに誘い込まれ、内側カム接触体は端側開放カム部により外側カムに誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気コネクタの結合前における縦断面図である。
【図2】雄側コネクタの平面図である。
【図3】同雄側コネクタの側面図である。
【図4】雌側コネクタの側面図である。
【図5】同雌側コネクタの平面図である。
【図6】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図7】本発明に係る電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合する初期状態の説明図である。
【図8】同電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合する直前状態の説明図である。
【図9】同電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合した状態の説明図である。
【図10】同電気コネクタにおける一次押付力と二次押付力との説明図である。
【符号の説明】
2 雄側コネクタ(一方のコネクタ)
3 雌側コネクタ(他方のコネクタ)
4 雄側コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
5 ベース部
6 円筒部
8 ガイド孔部
9 雄端子(一方の端子)
9a コンタクト部
10 ローター
10A 案内部
11 外側ガイド突起部
12 外側カムピン(外側カム接触体)(回転力変換手段)(倍力変換手段)
13 内側カムピン(内側カム接触体)(押付力変換手段)(倍力変換手段)
14 コンタクト保持部材
15 リード孔
16 コンタクト貫通孔
20 コネクタホルダ
20A ホルダ本体
21 雌側コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
21A 嵌合部
22 内側カム(回転力変換手段)(倍力変換手段)
22A 端側開放カム部
22B 傾斜カム部
22C 端側カム部
23 ピン案内部
25 ガイド機構
26 ガイド用溝部
27 相手コネクタ嵌合部
31 円筒部
32 雌端子
32a コンタクト部
33 外側カム(押付力変換手段)(倍力変換手段)
33A 端側開放カム部
33B 傾斜カム部
33C 端側カム部
34 ピン案内部
35 ガイド用突起部
F1 一次押付力
F2 二次押付力
a コネクタ挿拔方向
b 直交方向
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度
θ3 傾斜角度
P 車体パネル
M コックピットモジュール
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対向する一対の雌、雄側コネクタの結合を、例えば、雌側コネクタの雄側コネクタに対する押付力を増幅(倍力)して行うことが可能な低挿拔力コネクタとしての電気コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の低挿拔力コネクタとしての電気コネクタとして実開平5−81965公報に開示された技術がある。この開示技術は、両側に被駆動ピンを設けた一方のコネクタと、ピン案内溝を設けた他方のコネクタとを備えており、カム溝を有するレバ−及びレバーハンドルからなるカム部材を他方のコネクタに回動可能に取付けた構成である。
【0003】
そして、一方のコネクタを他方のコネクタに近付けて、被駆動ピンをカム部材のカム溝に挿入し、次に、作業者の手でレバーハンドルを回動させることにより、梃子の原理を応用して一方のコネクタを他方のコネクタに結合させ、また、レバーハンドルを逆に回動させることにより上記した結合を解除するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電気コネクタにあっては、一方のコネクタと他方のコネクタとの結合及びこの結合の解除を、作業者の手でレバーハンドルを回動させることにより行うものであるために、作業者の手が届かない位置に電気コネクタがある場合には、一方のコネクタと他方のコネクタとの結合及びこの結合の解除を行うことができないという問題点があった。
【0005】
近来、コックピットをモジュール化して、自動車の組み立てライン上で、車体パネルのコックピット装着部にコックピットモジュールを装着することが行われている。この場合、コックピット装着部に一方のコネクタを、コックピットモジュールに他方のコネクタをそれぞれ取り付けて、2人の作業者がコックピットモジュールを持って、コックピット装着部に押し付けるようにして、一方のコネクタに他方のコネクタを結合してコックピットモジュールのコックピット装着部への装着を行う。
【0006】
この場合、2人の作業者がコックピットモジュールを、例えば、15Kgの押付力でコックピット装着部に押し付ける。また、他方のコネクタを一方のコネクタに結合するための押付力は端子数により変わるが、例えば、多芯である場合には約45Kg程度が必要である。
【0007】
このようなコックピットモジュールの装着において、上記したレバー式倍力機構を有する電気コネクタを用いた場合には、この電気コネクタが配置してある場所に作業者の手が届かず、カム部材のレバーハンドルを回動操作することができないために、上記したレバー式倍力機構を有する電気コネクタをコックピットモジュールの装着に用いることはできない。
【0008】
したがって、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に他方のコネクタを一方のコネクタに結合することができる電気コネクタの出現が要請されていた。
【0009】
本発明は、上記の事情に着目して成されたものであって、その目的とするところは、作業者の手が届かない位置にある場合でも、その一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる電気コネクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電気コネクタは、一方の端子を有する一方のコネクタと、他方の端子を有する他方のコネクタとを備え、一方の端子に他方の端子を接触させて一方及び他方のコネクタの結合を行う電気コネクタであって、一方のコネクタが、一方の端子を有する一方のコネクタハウジングと、この一方のコネクタハウジングに回転可能に設けられたローターとを有しており、他方のコネクタが、コネクタホルダと、このコネクタホルダにコネクタ挿拔方向に移動可能に設けられ且つ他方の端子を有する他方のコネクタハウジングとを有しており、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、この一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換する倍力変換手段を有するものである。
【0011】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、倍力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0012】
このために、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0013】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に一方のコネクタを他方のコネクタに結合することができて、自動車の円滑な組立作業に寄与することができる。
【0014】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、倍力変換手段は、一次押付力を回転力に変換する回転力変換手段と、回転力を二次押付力に変換する押付力変換手段とで構成してある。
【0015】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ押付力変換手段により回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0016】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、回転力変換手段は、ローターの外周部に外側カム接触体を設け、コネクタホルダの内周面部に、コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した内側カムを設け、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力を前記回転力に変換するものであり、押付力変換手段は、ローターの内周部に内側カム接触体を設け、他方のコネクタハウジングの外周面部に、コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して内側カムの傾斜角度より小さい傾斜角度で且つ同方向に傾斜した外側カムを設け、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換するものである。
【0017】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段において、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力をローターの回転力に変換させ、そして、押付力変換手段において、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換して、一次押付力を二次押付力に倍力させ、自動的に一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0018】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0019】
また、外側カムの傾斜角度を内側カムの傾斜角度より小さくして、外側カムの傾きと内側カムの傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーハンドルを有するカム部材のような部材が不要になる。
【0020】
また、本発明に係る電気コネクタは、上記した本発明に係る電気コネクタにおいて、ローターが円筒体であって、この円筒体の端部に他方のコネクタハウジングの挿入を案内する案内部を設けた構成であり、他方のコネクタハウジングが円筒体内に嵌合される嵌合部構成であり、内側カムは、コネクタホルダの内周面部に形成された長溝構成であって、この内側カムは外側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、外側カムは、他方のコネクタハウジングの外周面部に形成された長溝構成であって、この外側カムは内側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、内、外側カム接触体がピン構成である。
【0021】
かかる構成により、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、他方のコネクタハウジングは案内部によりローター内に導かれ、外側カム接触体は端側開放カム部により内側カムに誘い込まれ、内側カム接触体は端側開放カム部により外側カムに誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明に係る電気コネクタの結合前における縦断面図、図2は雄側コネクタの平面図、図3は同雄側コネクタの側面図、図4は雌側コネクタの側面図、図5は同雌側コネクタの平面図、図6は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0024】
本発明に係る電気コネクタは、図1に示すように一方のコネクタである雄側コネクタ2と、他方のコネクタである雌側コネクタ3とにより構成してある。
【0025】
雄側コネクタ2は、図1乃至図3に示すように一方のコネクタハウジングである雄側コネクタハウジング4と、この雄側コネクタハウジング4に回転可能に取り付けられた円筒体よりなるローター10と、このローター10に回転可能に取り付けられ且つローター10の回転によりコネクタ挿拔方向aに移動するコンタクト保持部材14と、雄側コネクタハウジング4に設けられた複数本の一方の端子である雄端子9とを備えている。
【0026】
雄側コネクタハウジング4はベース部5に円筒部6を形成し、且つベース部5の周部に取付部7を形成して構成してある。そして、円筒部6の周部には周方向に長いガイド孔部8が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのガイド孔部8はコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿うている。また、円筒部6の内周部には周方向に所定の間隔をおいて複数のガイド溝部6aが形成してあり、これらのガイド溝部6aはコネクタ挿拔方向aに沿うている。また、ベース部5には多数本の雄端子9が装着してあり、これらの雄端子9のコンタクト部9aが円筒部6内に突入している。
【0027】
また、ローター10の基端部の外周には、周方向に等間隔をおいて3か所に外側ガイド突起部11が突設してあり、ローター10の先側部には鍔部10Aが形成してある。そして、鍔部10Aの外周には、周方向に等間隔をおいて3か所に外方に突出させて外側カム接触体である外側カムピン12が設けてあり、また、ローター10の内周面部には、周方向に等間隔をおいて3か所に内側カム接触体である内側カムピン13が設けてある。また、鍔部10Aの内周縁部は面取り加工が施されていて、案内部10Bになされている。
【0028】
また、コンタクト保持部材14は、円筒部14Aと底面部14Bとを有しており、この円筒部14Aの周面には長孔からなるリード孔15が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのリード孔15は、コネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ1で傾斜している。
【0029】
また、コンタクト保持部材14の底面部14Bには多数のコンタクト貫通孔16が、雄端子9のコンタクト部9aの配列と同じ配列にして形成してある。また、コンタクト保持部材14の円筒部14Aの外周部には、周方向に所定の間隔をおいて複数のガイド突起部14aが設けてある。
【0030】
そして、雄側コネクタハウジング4の円筒部6内にローター10を挿入して、このローター10の外側ガイド突起部11を円筒部6のガイド孔部8に挿入することで、円筒部6にローター10が、ガイド孔部8の長さ分回転可能に取り付けてある。
【0031】
また、ローター10内にコンタクト保持部材14を挿入し、ガイド突起部14aをガイド溝部6aに移動可能に挿入して、ローター10の内側カムピン13をリード孔15に挿入することで、ローター10にコンタクト保持部材14がリード孔15の長さ分回転可能に取り付けてあり、コンタクト保持部材14の底面部14Bのコンタクト貫通孔16に多数本の雄端子9のコンタクト部9aの先端部が挿入してある。
【0032】
上記のように構成された雄側コネクタ2は、その雄側コネクタハウジング4に設けた取付部7で車体パネルPに取り付けられている。そして、雄側コネクタ2にはケーブル(図示せず)が接続してあって、このケーブルのリード線(図示せず)が雄端子9に接続してある。
【0033】
雌側コネクタ3は、図1、図4乃至図6に示すようにコネクタホルダ20と、このコネクタホルダ20に保持され且つコネクタ挿拔方向aに移動する他方のコネクタハウジングである雌側コネクタハウジング21と、この雌側コネクタハウジング21に設けた多数本の他方の端子である雌端子32とを備えている。
【0034】
コネクタホルダ20は円筒状のホルダ本体20Aを備えており、このホルダ本体20Aの基部20aの周部には取付部20bが設けてある。このホルダ本体20Aの基部20aの内周部にはガイド用溝部26が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。これらのガイド用溝部26は、図1に示すように端面部20aからコネクタ挿拔方向aの中間部にまで形成されている。
【0035】
そして、ホルダ本体20Aの内周部は相手コネクタ嵌合部27になされている。この相手コネクタ嵌合部27には、周方向に等間隔をおいて3か所に長溝構成の内側カム22が形成してある。これらの内側カム22は、コネクタ挿拔方向aに沿う端側開放カム部22Aと、この端側開放カム部22Aに連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ2で傾斜する傾斜カム部22Bと、この傾斜カム部22Bの端部に連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿う端側カム部22Cとで構成してある。
【0036】
そして、内側カム22の端側開放カム部22Aの端部には外方に向かって拡開するピン案内部23が形成してある。また、外周部の先部には、端側カム部22Aの形成部としての肉厚部24が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してある。
【0037】
雌側コネクタハウジング21はベース部30に円筒部31を形成して構成してあり、円筒部31が嵌合部21Aになされている。そして、ベース部30には多数本の雌端子32が装着してあり、これらの雌端子32のコンタクト部32aが円筒部31内に突入している。そして、円筒部31の外周部には、ガイド用突起部35が周方向に等間隔をおいて3か所に形成してあり、これらのガイド用突起部35はコネクタ挿拔方向aに沿っている。
【0038】
また、円筒部31の外周面部には、周方向に等間隔をおいて3か所に長溝形状の外側カム33が形成してある。これらの外側カム33は、コネクタ挿拔方向aに沿う端側開放カム部33Aと、この端側開放カム部33Aに連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに対して傾斜角度θ3で傾斜する傾斜カム部33Bと、この傾斜カム部33Bの端部に連絡し且つコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに沿う端側カム部33Cとで構成してある。そして、外側カム33の端側カム部33Aの端部には外方に向かって拡開するピン案内部34が形成してある。
【0039】
そして、内側カム22の傾斜カム部22Bの傾斜角度θ2は45度であり、外側カム33の傾斜カム部33Bの傾斜角度θ3は、内側カム22と同方向に15度にしてある。
【0040】
そして、雌側コネクタハウジング21は、その外周部に設けたガイド用突起部35をコネクタホルダ20のガイド用溝部26にコネクタ挿拔方向aに移動可能に係合してコネクタホルダ20に保持されていて、ガイド用突起部35とガイド用溝部26とでガイド機構25が構成してある。
【0041】
上記のように構成された雌側コネクタ3は、そのコネクタホルダ20に設けた取付部20bでコックピットモジュールMに取り付けられる。そして、雌側コネクタ3には、その雌側コネクタハウジング21にケーブル(図示せず)が接続してあって、このケーブルの複数本のリード線(図示せず)が雌端子32に接続してある。
【0042】
このように、雌側コネクタハウジング21にケーブルが接続してあるために、このケーブルにより雌側コネクタハウジング21は、その嵌合部21Aの先部を突出させるように常に押されている。
【0043】
そして、ローター10の外周部に設けられた外側カムピン12と、コネクタホルダ20の内周面部に形成された内側カム22とは、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に所定の一次押付力F1で挿入した際に、この一次押付力F1をローター10の回転力に変換する回転力変換手段を構成しており、ローター10の内周部に設けられた内側カムピン13と、雌側コネクタハウジング21の外周面部に形成された外側カム33とは回転力を二次押付力F2に変換する押付力変換手段を構成している。そして、回転力変換手段と押付力変換手段とで倍力変換手段(倍力機構)を構成している。
【0044】
次に、上記のように構成された雌側コネクタ3の雄側コネクタ2への結合と、この結合の解除とを説明する。
【0045】
図7に示すように、コックピットモジュールMを車体パネルPのコックピット装着部に近付けて、雌側コネクタ3の雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aを雄側コネクタ2のローター10内に挿入すると共に、ローター10を相手コネクタ嵌合部27に嵌合すると、コネクタホルダ20の内側カム22の端側開放カム部22Aに外側カムピン12が挿入されると共に、雌側コネクタハウジング21の外側カム33の端側開放カム部33Aに内側カムピン13が挿入される。
【0046】
この状態から図8に示すように、更に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2側に押し付けると、外側カムピン12が内側カム22の傾斜カム部22Bに挿入されると共に、内側カムピン13が外側カム33の傾斜カム部33Bに挿入される。
【0047】
この場合、図10に示すように、雌側コネクタ3が一次押付力F1でコネクタ挿拔方向aに押されると、内側カム22の傾斜カム部22Bに外側カムピン12が位置しているために、内側カム22のカム機能によりコネクタ挿拔方向aとは直交方向bにF1tanθ2の力が発生する。この力F1tanθ2がローター10を回転させる。
【0048】
このローター10の回転力F1tanθ2は、ローター10が有する内側カムピン13を介して雌側コネクタハウジング21に伝達されるが、この雌側コネクタハウジング21はガイド機構25によりコネクタホルダ20に連結されていて回転できないために、回転力F1tanθ2は、内側カムピン13と外側カム33のカム機能によりコネクタ挿拔方向aに二次押付力F2=F1(tanθ2/tanθ3)に変換される。
【0049】
ここで、一次押付力F1を15Kgにすると、θ2が45°、θ3が15°であるために
となり、一次押付力F1としての15Kgの力がコネクタ挿拔方向aへの二次押付力F2として45Kgに倍力される。
【0050】
また、ローター10の回転により内側カムピン13がコネクタ挿拔方向aに直交する直交方向bに移動し、コンタクト保持部材14のリード孔15内を移動するが、リード孔15が傾斜角度θ1で傾斜しているために、コンタクト保持部材14がコネクタ挿拔方向aを雄端子9側に移動して、雄端子9のコンタクト部9aがコンタクト貫通孔16を貫通して、これらの雄端子9のコンタクト部9aが保持されて矯正される。
【0051】
この状態から図9に示すように更に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2側に押し付けると、外側カムピン12が内側カム22の端側カム部22Cに移動すると共に、内側カムピン13が外側カム33の傾斜カム部33B内を移動する。また、コンタクト保持部材14が雄端子9側に移動して、雄端子9のコンタクト部9aがコンタクト貫通孔16をさらに貫通して、これらの雄端子9のコンタクト部9aが雌端子32のコンタクト部32aに結合して接触し、雌側コネクタ3が雄側コネクタ2に結合される。
【0052】
なお、雄側コネクタ2が図7の状態から図9の状態になる過程において、コネクタホルダ20及び雌側コネクタハウジング21は、その動きが内側カム22及び外側カム33により規制されているために、この雌側コネクタハウジング21のコネクタ挿拔方向aへの移動速度は、コネクタホルダ20のコネクタ挿拔方向aへの移動速度より遅くなる。
【0053】
また、雌側コネクタ3と雄側コネクタ2との結合の解除は、上記した結合の手順の逆の手順で行われる。すなわち、コックピットモジュールMを車体パネルPのコックピット装着部から引き離すように力を加えると、外側カムピン12と内側カム22の傾斜カム部22Bとのカム機能によりローター10が逆回転して、内側カムピン13が外側カム33の端側開放カム部33Aに位置すると共に、外側カムピン12が内側カム22のの端側開放カム部22Aに位置するようになる。この状態では雄端子9のコンタクト部9aが雌端子32のコンタクト部32aから外れる。
【0054】
そして、更なる引き離しを行うことにより雌側コネクタ3の雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aが雄側コネクタ2のローター10内から抜け出すと共に、ローター10が相手コネクタ嵌合部ネクタ27から抜ける。
【0055】
自動車の組み立てライン上で、車体パネルPのコックピット装着部(図示せず)にコックピットモジュールMを装着する場合に、2人の作業者がコックピットモジュールMを持って、コックピット装着部に押し付けるようにして、その装着を行う場合がある。この場合、2人の作業者がコックピットモジュールMを、例えば、約15Kgの押付力でコックピット装着部に押し付ける。また、雌側コネクタ3を雄側コネクタ2に結合するための押付力は、端子数により変わるが、例えば、多芯である場合には約45Kg程度が必要である。
【0056】
したがって、上記した倍力機構を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールMをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に雌側コネクタ3を雄側コネクタ2に結合することができて、自動車の組み立てを円滑に行うことができる。
【0057】
上記したように、本発明の実施の形態によれば、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に一次押付力F1で挿入した際に、回転力変換手段を構成する外側カムピン12を内側カム22に接触させて一次押付力F1をローター10の回転力に変換させ、そして、押付力変換手段を構成する内側カムピン13を外側カム33に接触させて回転力を二次押付力F2に変換して、一次押付力F1を二次押付力F2に倍力させ、自動的に雄側コネクタ2に雌側コネクタ3を結合することができる。
【0058】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この雄側コネクタ2と雌側コネクタ3との結合を行うことができる。
【0059】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールMをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に雄側コネクタ2に雌側コネクタ3を結合することができて、自動車の円滑な組立作業に寄与することができる。
【0060】
また、外側カム33の傾斜角度θ3を内側カム22の傾斜角度θ2より小さくして、外側カム33の傾きと内側カム22の傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーハンドルを有するカム部材のような部材が不要になる。
【0061】
そして、雌側コネクタハウジング21の嵌合部21Aをローター10に所定の一次押付力F1で挿入した際に、嵌合部21Aは案内部10Bによりローター10内に導かれ、外側カムピン12は端側開放カム部22Aにより内側カム22に誘い込まれ、内側カムピン13は端側開放カム部33Aにより外側カム33に誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【0062】
本発明の実施の形態では、内側カム22の傾斜カム部22Bの傾斜角度θ2は45度であるが、この傾斜角度θ2を、50度と45度との2段階にしてもよく、また、湾曲させてもよい。これらの場合、大きい角度から外側カムピン12の挿入が開始されるために、この挿入を、更に容易に行うことができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、倍力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0064】
このために、作業者の手が届かない位置にある場合でも、一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0065】
したがって、上記した倍力機能を有する電気コネクタを用いることにより、コックピットモジュールをコックピット装着部に装着した際に、容易に且つ正確に一方のコネクタを他方のコネクタに結合することができて、自動車の組み立てを円滑に行うことができる。
【0066】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段により、一次押付力をローターの回転力に変換し、且つ押付力変換手段により回転力を他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換することができるように、自動的に一次押付力を二次押付力に倍力させて一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0067】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、回転力変換手段において、外側カム接触体を内側カムに接触させて一次押付力をローターの回転力に変換させ、そして、押付力変換手段において、内側カム接触体を外側カムに接触させて回転力を二次押付力に変換して、一次押付力を二次押付力に倍力させ、自動的に一方のコネクタに他方のコネクタを結合することができる。
【0068】
このように、作業者の手が届かない位置にある場合でも、この一方及び他方のコネクタの結合及びこの結合の解除を行うことができる。
【0069】
また、外側カムの傾斜角度を内側カムの傾斜角度より小さくして、外側カムの傾きと内側カムの傾きの差だけで倍力を出すことができて、レバーのような部材が不要になる。
【0070】
また、本発明に係る電気コネクタによれば、他方のコネクタハウジングをローターに所定の一次押付力で挿入した際に、他方のコネクタハウジングは案内部によりローター内に導かれ、外側カム接触体は端側開放カム部により内側カムに誘い込まれ、内側カム接触体は端側開放カム部により外側カムに誘い込まれるようになり、セルフアライメントが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気コネクタの結合前における縦断面図である。
【図2】雄側コネクタの平面図である。
【図3】同雄側コネクタの側面図である。
【図4】雌側コネクタの側面図である。
【図5】同雌側コネクタの平面図である。
【図6】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図7】本発明に係る電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合する初期状態の説明図である。
【図8】同電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合する直前状態の説明図である。
【図9】同電気コネクタにおいて、雌側コネクタを雄側コネクタに結合した状態の説明図である。
【図10】同電気コネクタにおける一次押付力と二次押付力との説明図である。
【符号の説明】
2 雄側コネクタ(一方のコネクタ)
3 雌側コネクタ(他方のコネクタ)
4 雄側コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
5 ベース部
6 円筒部
8 ガイド孔部
9 雄端子(一方の端子)
9a コンタクト部
10 ローター
10A 案内部
11 外側ガイド突起部
12 外側カムピン(外側カム接触体)(回転力変換手段)(倍力変換手段)
13 内側カムピン(内側カム接触体)(押付力変換手段)(倍力変換手段)
14 コンタクト保持部材
15 リード孔
16 コンタクト貫通孔
20 コネクタホルダ
20A ホルダ本体
21 雌側コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
21A 嵌合部
22 内側カム(回転力変換手段)(倍力変換手段)
22A 端側開放カム部
22B 傾斜カム部
22C 端側カム部
23 ピン案内部
25 ガイド機構
26 ガイド用溝部
27 相手コネクタ嵌合部
31 円筒部
32 雌端子
32a コンタクト部
33 外側カム(押付力変換手段)(倍力変換手段)
33A 端側開放カム部
33B 傾斜カム部
33C 端側カム部
34 ピン案内部
35 ガイド用突起部
F1 一次押付力
F2 二次押付力
a コネクタ挿拔方向
b 直交方向
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度
θ3 傾斜角度
P 車体パネル
M コックピットモジュール
Claims (4)
- 一方の端子を有する一方のコネクタと、他方の端子を有する他方のコネクタとを備え、前記一方の端子に前記他方の端子を接触させて前記一方及び他方のコネクタの結合を行う電気コネクタであって、
前記一方のコネクタが、前記一方の端子を有する一方のコネクタハウジングと、この一方のコネクタハウジングに回転可能に設けられたローターとを有しており、
前記他方のコネクタが、コネクタホルダと、このコネクタホルダにコネクタ挿拔方向に移動可能に設けられ且つ前記他方の端子を有する他方のコネクタハウジングとを有しており、
前記他方のコネクタハウジングを前記ローターに所定の一次押付力で挿入した際に、この一次押付力を前記ローターの回転力に変換し、且つ前記回転力を前記他方のコネクタハウジングの二次押付力に倍力変換する倍力変換手段を有することを特徴とする電気コネクタ。 - 前記倍力変換手段は、前記一次押付力を前記回転力に変換する回転力変換手段と、前記回転力を前記二次押付力に変換する押付力変換手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
- 前記回転力変換手段は、前記ローターの外周部に外側カム接触体を設け、前記コネクタホルダの内周面部に、前記コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した内側カムを設け、前記他方のコネクタハウジングを前記ローターに所定の一次押付力で挿入した際に、前記外側カム接触体を前記内側カムに接触させて前記一次押付力を前記回転力に変換するものであり、
前記押付力変換手段は、前記ローターの内周部に内側カム接触体を設け、前記他方のコネクタハウジングの外周面部に、コネクタ挿拔方向に直交する直交方向に対して前記内側カムの傾斜角度より小さい傾斜角度で且つ同方向に傾斜した外側カムを設け、前記他方のコネクタハウジングを前記ローターに所定の一次押付力で挿入した際に、前記内側カム接触体を前記外側カムに接触させて前記回転力を前記二次押付力に変換するものであることを特徴とする請求項2に記載の電気コネクタ。 - 前記ローターが円筒体であって、この円筒体の端部に前記他方のコネクタハウジングの挿入を案内する案内部を設けた構成であり、前記他方のコネクタハウジングが前記円筒体内に嵌合される嵌合部で構成してあり、
前記内側カムは、前記コネクタホルダの内周面部に形成された長溝構成であって、この内側カムは前記外側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、前記外側カムは、前記他方のコネクタハウジングの外周面部に形成された長溝構成であって、この外側カムは前記内側カム接触体を誘い込む端側開放カム部を有しており、前記内、外側カム接触体がピン構成であることを特徴とする請求項3に記載の電気コネクタ。
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