JP3720289B2 - ラインバランス管理装置、ラインバランス管理方法およびラインのバランスを管理するプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の要素作業を経て電気製品などが生産される生産ラインのラインバランスを管理する技術に関し、特に、作業者の作業配分を的確に行ない、ラインバランスを適正に保つことができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、オーディオ機器などを生産するラインのように、搬送コンベアに沿って、予め定められた複数の組立て手順を配置した生産ラインがある。搬送コンベアの始端から終端に至るまでに、各組立て手順において予め定められた部品を組付けて、オーディオ機器を完成させる。このような生産ラインにおいては、搬送コンベアにより搬送されてくる組立て途中のオーディオ機器に、作業者毎に割り振られた組立て作業が行なわれる。この組立て作業は、その内容により作業に要する時間および作業の難易度が異なる。一方で、作業者の能力も、作業者毎に異なる。特開平10−261122号公報は、このような作業を、作業者毎に適切に配分する方法を開示する。
【0003】
この公報に開示された作業配分の最適化方法は、複数の要素作業からなる流れ作業を複数の作業者で処理する場合に、各作業者に対する作業配分を最適化するための方法である。最適化方法は、各要素作業の難易度と投入される各作業者の熟練度とをそれぞれランキングするステップと、ランキングされた作業難易度と熟練度との間で成立する時間変化係数を設定するステップと、設定された時間変化係数に基づいて、個々の要素作業の作業時間をそれが配分される作業者に対応して補正するステップと、補正された作業時間に基づいて各要素作業を優先順に配分するステップとを含む。
【0004】
この公報に開示された方法によると、流れ作業の各要素作業の難易度と投入される各作業者の熟練度がそれぞれランキングされ、それに基づいて時間変化係数が設定される。このとき、各要素作業の難易度が決定されるとともに、作業者の熟練度が、当該作業者の経験年数や作業時間の実測テスト等によって各作業者毎に定められる。決定された難易度と熟練度とのマトリックスを作成し、個々の作業者について、個々の要素作業を行なう際の時間変化係数を割り当てる。これは、要素作業の難易度が高くなるほど、熟練した作業者とそうでない作業者との間の時間増加率が大きくなることに基づく。「投入される作業者の熟練度」と「要素作業の難易度」との間で成立する係数を求めることによって、要素作業を適切に配分することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に開示された最適化方法は、作業者の熟練度に基づいて、作業者毎に要素作業が割当てられる。全く新たな要素作業を含む生産ラインの場合、予め準備した熟練度に基づいて、要素作業を割当てても、全く新たな要素作業が存在するために、「投入される作業者の熟練度」と「要素作業の難易度」との間に成立する係数に基づいて配分しても、作業配分は最適化されない。上述した最適化方法に限らず、予め収集した作業データに基づく、シミュレーションのみでは、作業配分の最適化は実現できないのが現状である。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、1以上の要素作業を行なう複数の作業者の作業配分を最適化でき、最適化された作業配分の崩れを速やかに復旧できる、ラインバランス管理装置、ラインバランス管理方法およびラインのバランスを管理するプログラムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るラインバランス管理装置は、複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理する装置であって、各作業者には1以上の要素作業が割当てられる。この装置は、要素作業を行なうために必要な基本時間を記憶するための基本時間記憶手段と、要素作業の作業順序を記憶するための作業順序記憶手段と、生産ラインのタクトタイムを記憶するためのタクトタイム記憶手段と、基本時間記憶手段と作業順序記憶手段とタクトタイム記憶手段とに接続され、タクトタイムを満足するように、作業順序と基本時間とに基づいて、各作業者の作業を配分するための作業配分手段と、作業配分手段により配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶するための実測時間記憶手段と、実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出するための算出手段と、算出手段に接続され、算出手段により算出された実測タクトタイムが、タクトタイムを満足しない場合には、タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なうための第1の処理手段とを含む。
【0008】
第1の発明によると、作業配分手段により基準時間に基づいて作業が配分され、実際にその作業配分で作業者が作業を行なう。このとき、要素作業の実測時間が計測され、実測時間記憶手段が実測時間を記憶する。実測時間に基づいて実測タクトタイムが算出され、実測タクトタイムがタクトタイムを満足しないと、実測タクトタイムがタクトタイムを満足するように、作業が再配分される。これにより、基準時間だけでは明らかにできない要因が存在しても、最適な作業配分を行なうことができる。その結果、1以上の要素作業を行なう複数の作業者の作業配分を最適化できる、ラインバランス管理装置を提供することができる。
【0009】
第2の発明に係るラインバランス管理装置は、第1の発明の構成に加えて、実測時間に基づき算出された、複数の作業者の中における最大の作業時間および生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するためのバランス効率算出手段と、バランス効率算出手段に接続され、バランス効率算出手段により算出されたラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なうための第2の処理手段とを含む。
【0010】
第2の発明によると、バランス効率算出手段は、たとえば、最大の作業時間(実測値)に作業者数を乗じた値に対する総作業時間の比率を、ラインバランス効率として算出する。この効率は、生産ラインにおける各作業者の作業負荷の平衡度合いを示す。この効率が低いと、作業負荷が高い作業者と低い作業者とが混在していることを示すため、この効率が予め定められた効率を満足するまで、作業が再配分される。これにより、さらに最適な作業配分を行なうことができる。
【0011】
第3の発明に係るラインバランス管理装置は、第1または第2の発明の構成に加えて、各作業者に対応して生産ラインに設置された作業遅延入力装置および補完作業指示装置に接続され、作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信するための通信手段と、作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶するための補完作業記憶手段と、通信手段と補完作業記憶手段とに接続され、通信手段が作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、補完作業記憶手段に記憶された補完作業を実行するように指示するデータを、補完作業指示装置に送信するように、通信手段を制御するための制御手段とを含む。
【0012】
第3の発明によると、ある作業者が作業の遅延を発生させると、その作業の前後の手順を担当する作業者が、ある作業者の要素作業の一部の作業(補完作業)を行なうように、補完作業指示装置に指示が出力される。この補完作業は、作業者毎に記憶されて、遅延が発生した作業者に対応する補完作業が指示される。これにより、最適な作業配分に基づいて作業が行なわれている場合に、非定常的な要因により作業の遅延が発生しても、最適化された作業配分の崩れを速やかに復旧できる、ラインバランス管理装置を提供することができる。
【0013】
第4の発明に係るラインバランス管理装置は、第3の発明の構成に加えて、補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶するための補完回数記憶手段と、補完回数記憶手段に接続され、補完回数記憶手段に記憶された回数が予め定められた条件を満足すると、補完作業に基づいて、作業の配分を行なうための第3の処理手段とを含む。
【0014】
第4の発明によると、第3の処理手段は、繰返し発生する補完作業については、その補完作業を、補完される作業者の作業から、補完する作業者の作業に変更する。これにより、繰返し発生する補完作業を考慮して、最適な作業配分を実現できる。
【0015】
第5の発明に係るラインバランス管理方法は、複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理する方法であって、各作業者には1以上の要素作業が割当てられる。この方法は、要素作業を行なうために必要な基本時間を予め準備する基本時間準備ステップと、要素作業の作業順序を予め準備する作業順序準備ステップと、生産ラインのタクトタイムを予め準備するタクトタイム準備ステップと、タクトタイムを満足するように、作業順序と基本時間とに基づいて、各作業者の作業を配分する作業配分ステップと、作業配分ステップにて配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶する実測時間記憶ステップと、実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出する算出ステップと、算出ステップにて算出された実測タクトタイムがタクトタイムを満足しない場合には、タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第1の処理ステップとを含む。
【0016】
第5の発明によると、作業配分ステップにて基準時間に基づいて作業が配分され、実際にその作業配分で作業者が作業を行なう。このとき、要素作業の実測時間が計測され、実測時間記憶ステップにて実測時間が記憶される。実測時間に基づいて実測タクトタイムが算出され、実測タクトタイムがタクトタイムを満足しないと、実測タクトタイムがタクトタイムを満足するように、作業が再配分される。これにより、基準時間だけでは明らかにできない要因が存在しても、最適な作業配分を行なうことができる。その結果、1以上の要素作業を行なう複数の作業者の作業配分を最適化できる、ラインバランス管理方法を提供することができる。
【0017】
第6の発明に係るラインバランス管理方法は、第5の発明の構成に加えて、実測時間に基づき算出された、複数の作業者の中における最大の作業時間および生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するバランス効率算出ステップと、バランス効率算出ステップにて算出されたラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第2の処理ステップとを含む。
【0018】
第6の発明によると、バランス効率算出ステップにて、たとえば、最大の作業時間(実測値)に作業者数を乗じた値に対する総作業時間の比率が、ラインバランス効率として算出される。この効率は、生産ラインにおける各作業者の作業負荷の平衡度合いを示す。この効率が低いと、作業負荷が高い作業者と低い作業者とが混在していることを示すため、この効率が予め定められた効率を満足するまで、作業が再配分される。これにより、さらに最適な作業配分を行なうことができる。
【0019】
第7の発明に係るラインバランス管理方法は、第5または第6の発明の構成に加えて、作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信する通信ステップと、作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶する補完作業記憶ステップと、通信ステップにて作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、補完作業記憶ステップにて記憶した補完作業を実行するように指示するデータを、補完作業指示装置に送信するように、通信ステップを制御する制御ステップとを含む。
【0020】
第7の発明によると、ある作業者が作業の遅延を発生させると、その作業の前後の手順を担当する作業者が、ある作業者の要素作業の一部の作業(補完作業)を行なうように、補完作業指示装置に指示が出力される。この補完作業は、作業者毎に記憶されて、遅延が発生した作業者に対応する補完作業が指示される。これにより、最適な作業配分に基づいて作業が行なわれている場合に、非定常的な要因により作業の遅延が発生しても、最適化された作業配分の崩れを速やかに復旧できる、ラインバランス管理方法を提供することができる。
【0021】
第8の発明に係るラインバランス管理方法は、第7の発明の構成に加えて、補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶する補完回数記憶ステップと、補完回数記憶ステップにて記憶された回数が、予め定められた条件を満足すると、補完作業に基づいて、作業の配分を行なう第3の処理ステップとを含む。
【0022】
第8の発明によると、第3の処理ステップにて、繰返し発生する補完作業については、その補完作業を、補完される作業者の作業から、補完する作業者の作業に変更される。これにより、繰返し発生する補完作業を考慮して、最適な作業配分を実現できる。
【0023】
第9の発明に係るプログラムは、複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理するプログラムであって、各作業者には1以上の要素作業が割当てられる。プログラムは、コンピュータに、要素作業を行なうために必要な基本時間を予め準備する基本時間準備手順と、要素作業の作業順序を予め準備する作業順序準備手順と、生産ラインのタクトタイムを予め準備するタクトタイム準備手順と、タクトタイムを満足するように、作業順序と基本時間とに基づいて、各作業者の作業を配分する作業配分手順と、作業配分手順にて配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶する実測時間記憶手順と、実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出する算出手順と、算出手順にて算出された実測タクトタイムがタクトタイムを満足しない場合には、タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第1の処理手順とを実行させる。
【0024】
第9の発明によると、作業配分手順にて基準時間に基づいて作業が配分され、実際にその作業配分で作業者が作業を行なう。このとき、要素作業の実測時間が計測され、実測時間記憶手順にて実測時間が記憶される。実測時間に基づいて実測タクトタイムが算出され、実測タクトタイムがタクトタイムを満足しないと、実測タクトタイムがタクトタイムを満足するように、作業が再配分される。これにより、基準時間だけでは明らかにできない要因が存在しても、最適な作業配分を行なうことができる。その結果、1以上の要素作業を行なう複数の作業者の作業配分を最適化できる、ラインのバランスを管理するプログラムを提供することができる。
【0025】
第10の発明に係るプログラムは、第9の発明の構成に加えて、実測時間に基づき算出された、複数の作業者の中における最大の作業時間および生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するバランス効率算出手順と、バランス効率算出手順にて算出されたラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第2の処理手順とを含む。
【0026】
第10の発明によると、バランス効率算出手順にて、たとえば、最大の作業時間(実測値)に作業者数を乗じた値に対する総作業時間の比率が、ラインバランス効率として算出される。この効率は、生産ラインにおける各作業者の作業負荷の平衡度合いを示す。この効率が低いと、作業負荷が高い作業者と低い作業者とが混在していることを示すため、この効率が予め定められた効率を満足するまで、作業が再配分される。これにより、さらに最適な作業配分を行なうことができる。
【0027】
第11の発明に係るプログラムは、第9または第10の発明の構成に加えて、作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信する通信手順と、作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶する補完作業記憶手順と、通信手順にて作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、補完作業記憶手順にて記憶した補完作業を実行するように指示するデータを、補完作業指示装置に送信するように、通信手順を制御する制御手順とを含む。
【0028】
第11の発明によると、ある作業者が作業の遅延を発生させると、その作業の前後の手順を担当する作業者が、ある作業者の要素作業の一部の作業(補完作業)を行なうように、補完作業指示装置に指示が出力される。この補完作業は、作業者毎に記憶されて、遅延が発生した作業者に対応する補完作業が指示される。これにより、最適な作業配分に基づいて作業が行なわれている場合に、非定常的な要因により作業の遅延が発生しても、最適化された作業配分の崩れを速やかに復旧できる、ラインのバランスを管理するプログラムを提供することができる。
【0029】
第12の発明に係るプログラムは、第11の発明の構成に加えて、補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶する補完回数記憶手順と、補完回数記憶手順にて記憶された回数が、予め定められた条件を満足すると、補完作業に基づいて、作業の配分を行なう第3の処理手順とを含む。
【0030】
第12の発明によると、第3の処理手順にて、繰返し発生する補完作業については、その補完作業を、補完される作業者の作業から、補完する作業者の作業に変更される。これにより、繰返し発生する補完作業を考慮して、最適な作業配分を実現できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0032】
図1に、本実施の形態にかかるラインバランス管理コンピュータ20を含む、生産ライン管理システムの全体構成図を示す。図1に示すように、この生産ライン管理システムは、1以上の要素作業が作業者毎に割当てられる生産ラインを管理する。このシステムは、生産ラインに設置された生産機台コンピュータ30と、生産機台コンピュータ30に接続された生産機台40と、LAN(Local Area Network)70を介してラインバランス管理コンピュータ20に接続された作業遅延入力装置50および補完作業指示装置60とを含む。生産機台コンピュータ30も、LAN70を介してラインバランス管理コンピュータ20に接続される。なお、以下の説明では、生産機台コンピュータ30と生産機台40とを含むものとして説明するが、これに限定されるものではなく、生産ラインが組立てライン等である場合には、このシステムが生産機台コンピュータ30と生産機台40とを含まないものであっても構わない。
【0033】
遅延作業入力装置50は、作業者の配置位置に対応して設置される。遅延作業入力装置50は、作業が遅延していることを作業者が入力する操作部と、作業が遅延していることを表わすデータをラインバランス管理コンピュータ20に送信する通信部とを含む。
【0034】
補完作業指示装置60は、作業者の配置位置に対応して設置される。補完作業指示装置60は、補完作業の実行を指示する表示部と、補完作業の実行の指示を表わすデータをラインバランス管理コンピュータ20から受信する通信部とを含む。
【0035】
図2に、ラインバランス管理コンピュータ20の一例であるコンピュータシステムの外観を示す。図2を参照して、このコンピュータシステム100は、FD(Flexible Disk)駆動装置106およびCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)駆動装置108を備えたコンピュータ102と、モニタ104と、キーボード110と、マウス112とを含む。
【0036】
図3に、このコンピュータシステム100の構成をブロック図形式で示す。図3に示すように、コンピュータ102は、上記したFD駆動装置106およびCD−ROM駆動装置108に加えて、相互にバスで接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、メモリ122と、固定ディスク124と、LAN70に接続され、生産機台コンピュータ30、作業遅延入力装置50および補完作業指示装置60と通信するための通信インターフェイス126とを含む。FD駆動装置106にはFD116がセットされる。CD−ROM駆動装置108にはCD−ROM118がセットされる。
【0037】
ラインのバランスを管理する機能は、コンピュータハードウェアとCPU120により実行されるソフトウェアとにより実現される。一般的にこうしたソフトウェアは、FD116、CD−ROM118などの記録媒体に格納されて流通し、FD駆動装置106またはCD−ROM駆動装置108などにより記録媒体から読取られて固定ディスク124に一旦格納される。さらに固定ディスク124からメモリ122に読出されて、CPU120により実行される。
【0038】
これらのコンピュータのハードウェア自体は一般的なものである。コンピュータは、CPU120を含む制御回路、記憶回路、入力回路、出力回路およびOS(Operating System)を含み、プログラムを実行する環境を備えたものである。本発明のプログラムは、このようなコンピュータに、ラインバランス管理機能を実現させるプログラムである。したがって本発明の最も本質的な部分は、FD、CD−ROM、メモリカード、固定ディスクなどの記録媒体に記録されたプログラムである。
【0039】
なお、図2および図3に示したコンピュータ自体の動作は周知であるので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0040】
図4を参照して、本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータ20の固定ディスク124に記憶される基本作業時間データベースについて説明する。なお、以下の説明においては、生産ラインで組立てられる製品は、オーディオ機器として説明する。図4に示すように、基本作業時間データベースは、作業毎に、その作業の内容と、その作業を実行する標準的な基本時間とを記憶する。図4に示すように、この場合、作業「A」から作業「Q」までの17種類の作業について、基本時間が記憶されている。
【0041】
図5を参照して、固定ディスク124に記憶される生産条件データベースについて説明する。図5に示すように、生産条件データベースは、生産計画台数と、作業者数と、就業時間と、稼動率とを含む。また、それらの生産計画台数、就業時間および稼動率から計算されるタクトタイムを記憶する。この場合、タクトタイムは27秒である。
【0042】
図6を参照して、固定ディスク124に記憶される作業手順データベースについて説明する。図6に示すように、作業手順データベースは、このオーディオ機器を製造するための作業手順を作業の順番に記憶する。作業手順データベースは、作業の順番と、作業内容とを記憶する。このオーディオ機器は、手順「1」から手順「28」までの28手順により組立てられる。
【0043】
図7を参照して、固定ディスク124に記憶される作業配分データベースについて説明する。図7に示す作業配分データベースは、前述の作業条件データベースに基づくタクトタイムを満足するように、作業手順データベースに記憶された手順通りに、基本作業時間データベースに記憶された基本時間を加算し、一人当りの作業内容を割当てたものである。作業配分データベースは、作業者毎に、作業内容と、作業者数と、それぞれの要素作業の基本時間と、基本時間の合計時間とを記憶する。たとえば、作業者「No.2」の場合には、「ビスを取る」、「ドライバ取りおき」、「電気ドライバビットへビスを取付ける」および「取付けられた基板にビスをキャビネットBへ締付ける」の5つの要素作業を行なう。図7に示すように、それぞれの作業者の基本時間の合計は、タクトタイムの27秒を下回るように設定される。
【0044】
図8を参照して、固定ディスク124に記憶される実測作業時間データベースについて説明する。図8に示す実測作業時間データベースは、図7に示す作業配分データベースの作業配分に基づいて、実際に作業者が作業した結果の要素時間の平均値を記憶する。たとえば、作業者「No.1」の場合には、図7に示す作業配分データベースによると基本時間の合計が25.2秒であったにもかかわらず、実際の作業を計測した結果、実測作業時間は29.6秒となっている。このように、図7および図8を比較すると、図7は、図4に示す基本作業時間データベースに記憶された基本時間と、図5に示す生産条件データベースから算出されたタクトタイムとに基づいて、作業者の作業を割当てたものである。それに対して、図8に示す実測作業時間データベースは、図7に示す作業配分データベースに記憶された作業配分に基づいて、実際に作業者が作業した結果の実測時間を記憶したものである。そのため、図7に示す基本時間に比較して、図8に示す実測作業時間は、一致しない場合がある。
【0045】
図9を参照して、固定ディスク124に記憶される修正された作業配分データベースについて説明する。図9に示す作業配分データベースは、図7に示す作業配分データベースを修正したものである。図7に示す作業配分データベースに記憶された作業配分に基づいて、実際に作業を行なった結果、タクトタイム27.0秒を満足できない作業者(たとえば、作業者「No.1」など)が存在するため、作業を再配分したものである。その結果、図9に示すように、どの作業者も、作業時間の合計が、目標タクトタイム27秒を下回るようになっている。
【0046】
図10を参照して、本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータ20で実行されるプログラムは、最適化処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0047】
ステップ(以下、ステップを、Sと略す。)100にて、CPU120は、基本作業時間データベース(図4)から、要素作業の基本時間を読出す。S102にて、CPU120は、生産条件データベース(図5)から、生産計画台数、作業者数、就業時間を読出す。
【0048】
S104にて、CPU120は、目標タクトタイムを算出する。このとき、生産計画台数、就業時間および稼動率が用いられる。
【0049】
S106にて、CPU120は、作業手順データベース(図6)から組立て順序を読出す。S108にて、CPU120は、目標タクトタイムを満足するように、基本時間に基づいて、作業を配分する。このとき、一人当りの作業時間が目標タクトタイムが下回るように、作業者毎に作業が配分される。
【0050】
S110にて、CPU120は、ラインバランス効率を算出する。このとき算出されるラインバランス効率は、「ラインバランス効率=生産ラインにおける基本時間の総計÷(最も遅い作業者の要素時間の合計×作業者数)×100」により算出される。S112にて、CPU120は、ラインバランス効率が、予め定められた値以上であるか否かを判断する。ラインバランス効率が、予め定められた値以上である場合には(S112にてYES)、処理はS118へ移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS114へ移される。
【0051】
S114には、CPU120は、条件を変更するか否かを判断する。この判断は、キーボード110またはマウス112から入力された情報に基づいて行なわれる。条件を変更する場合には(S114にいてYES)、処理はS116へ移される。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS108へ戻されさらに作業配分を行なう。S116にて、CPU120は、条件の変更を行なう。その後処理はS108へ戻され、変更された条件に基づいて作業が再度配分される。条件を変更することにより、どのように作業を配分をしても、目標タクトタイムを満足できない場合を回避できる。
【0052】
S118にて、CPU120は、作業配分を作業配分データベース(図7)に記憶して、配分結果をモニタ104に出力する。
【0053】
S120にて、CPU120は、配分された作業に基づいて、作業者の作業時間を実測する。S122にて、CPU120は、実測作業時間データベース(図8)にそれぞれの作業者の要素作業の実測時間を記憶する。
【0054】
S124にて、CPU120は、実測作業時間に基づいて、作業を再度配分する。S126にて、CPU120は、実測タクトタイムを算出する。S128にて、CPU120には、実測タクトタイムが、目標タクトタイム以下であるか否かを判断する。実測タクトタイムが、目標タクトタイム以下であると(S128にてYES)、処理はS134へ移される。もしそうでないと(S128にてNO)、処理はS130へ移される。
【0055】
S130にて、CPU120は、条件を変更するか否かを判断する。条件を変更する場合には(S130にてYES)、処理はS132へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS124へ戻され、作業が再度配分される。
【0056】
S134にて、CPU120は、実測ラインバランス効率を算出する。S136にて、CPU120は、実測ラインバランス効率が、予め定められた値以上であるか否かを判断する。実測ラインバランス効率が予め定められた値以上である場合には(S136にてYES)、処理はS138へ移される。もしそうでないと(S136にてNO)、処理はS130へ移される。
【0057】
S138にて、CPU120は、実測データにより修正された作業配分を、作業配分データベースに記憶して、配分結果をモニタ104に出力する。
【0058】
図11を参照して、本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータ20で実行されるプログラムは、管理処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0059】
S200にて、CPU120は、実測作業時間データベース(図8)から、各要素作業毎の実測時間を読出す。S202にて、CPU120は、各作業者毎に、補完可能作業を抽出する。このとき、補完可能作業の範囲は、55%から140%の作業の負荷になるように作業が抽出される。S204にて、CPU120は、補完可能作業を、補完作業データベースに記憶する。この補完作業データベースの詳細については後述する。
【0060】
S206にて、CPU120は、作業遅延を検知したか否かを判断する。この判断は、通信インターフェイス126を介してLAN70に接続された作業遅延入力装置50から、作業遅延を表わすデータを受信したことにより行われる。作業遅延を検知すると(S206にてYES)、処理はS208へ移される。もしそうでないと(S206にてNO)、処理はS206へ戻され、作業遅延入力装置50から作業遅延を表わすデータを受信するまで待つ。
【0061】
S208にて、CPU120は、通信インターフェイス126を介してLAN70に接続された補完作業指示装置60に、補完作業を指示する。このとき、補完作業データベースに記憶された補完作業の内容が送信される。
【0062】
S210にて、CPU120は、補完回数データベースに、補完された補完作業を表わすデータに対応して、補完回数を記憶する。S212にて、CPU120は、補完回数が予め定められた回数以上の補完作業が存在するか否かを判断する。補完回数が予め定められた回数以上の補完作業がある場合には(S212にてYES)、処理はS214へ移される。もしそうでないと(S212にてNO)、処理はS206へ戻され、作業遅延入力装置50からの作業遅延を表わすデータの受信を待つ。
【0063】
S214にて、CPU120は、補完された作業回数に基づいて、作業を再度配分する。このとき、繰返し補完される作業は、補完する作業者の作業として配分する。S216にて、CPU120は、補完回数に基づいて修正された作業配分を作業配分データベース(図9)に記憶して、配分結果をモニタ104に出力する。
【0064】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ラインバランス管理コンピュータ20の動作について説明する。
【0065】
ラインバランス管理コンピュータ20を用いた生産ラインの管理者は、ラインバランスの最適化動作を行なう前に、基本作業時間データベース(図4)、生産条件データベース(図5)および作業手順データベース(図6)を作成して固定ディスク124に記憶させる。
【0066】
基本作業時間データベース(図4)から要素作業の基本時間が読出され(S100)、生産条件データベース(図5)から生産計画台数、作業者数および就業時間が読出される(S102)。目標タクトタイムが算出され(S104)、作業手順データベース(図6)から組立て順序が読出される(S106)。算出された目標タクトタイムを満足するように、基本時間に基づいて、作業が配分される(S108)。このとき、作業者一人当りの要素作業の合計がタクトタイムを超えないように配分される。
【0067】
作業の配分結果に基づいて、ラインバランス効率が算出され(S110)、ラインバランス効率が、予め定められた値以上であるか否かが判断される(S112)。ラインバランス効率が、予め定められた値未満である場合には(S112にてNO)、条件を変更するか否かが判断される(S114)。生産条件データベースの生産条件などが変更され(S114)、目標タクトタイムを満足するように基本時間に基づいて、作業の配分が繰返し行なわれる。
【0068】
ラインバランス効率が予め定められた値以上になると(S112にてYES)、作業配分が作業配分データベース(図7)に記憶される。作業配分データベースに記憶された情報に基づくモニタ104の出力例を、図12に示す。
【0069】
図7に示す作業配分データベースに記憶された作業の配分に基づいて、作業者が実際に作業を行ない、作業者の作業時間が計測される(S120)。実測された作業時間は、実測作業時間データベース(図8)に記憶される(S122)。実測作業時間データベース(図8)に記憶された情報に基づくモニタ104の出力例を、図13に示す。図13に示すように、図12のラインバランス効率と比べて、ラインバランス効率が悪化している。これは、図12に示すように作業者「No.1」の作業時間を25.2秒と見積もっていたのに対し、実測した結果が29.6秒と、大きく基準時間の合計を上回って、ラインのバランスを崩していることによる。
【0070】
実測タクトタイムが算出され(S126)、実測タクトタイムが目標タクトタイム以下であるか否かが判断される(S128)。実測ラインバランス効率が算出され(S134)、実測ラインバランスが予め定められた値以上であるか否かが判断される(S136)。実測タクトタイムが、目標タクトタイム以下であって(S128にてYES)、かつ実測ラインバランス効率が、予め定められた値以上になるまで(S136にてYES)、実測作業時間に基づいて、作業が再度配分される(S124)。その結果、実測データにより修正された作業配分を作業配分データベース(図9)に記憶され、その配分結果がモニタ104に出力される(S138)。このときの出力例を、図14に示す。図14に示すように、図13で81.7%であったラインバランス効率が95%に改善される。
【0071】
このように最適化された作業配分に基づいて作業が行なわれている場合の、ラインバランス効率の管理動作について説明する。
【0072】
実測作業時間データベース(図9)から各要素作業ごとの実測作業時間が読出される(S200)。各作業者毎に、補完可能作業が抽出され(S202)、抽出された補完可能作業が、補完作業データベースに記憶される(S204)。この補完作業データベースは、たとえば、図15に示すようなデータベースである。それぞれの作業者について、それぞれの作業者の前半の作業をその作業者の前の作業者に、後半の作業をその作業者の後ろの作業者に補完させる。その結果、作業者は、通常の作業負荷の55%〜140%の間で、補完作業を行なう。
【0073】
ある作業者が作業遅延入力装置50に作業遅延を表わす入力を行なうと、ラインバランス管理コンピュータ20は作業遅延を検知する(S206にてYES)。検知した作業遅延に対応する補完作業が、補完作業データベース(図15)から読出され、補完作業指示装置60に補完作業が指示される(S208)。それと同時に、補完回数データベースに、補完された作業の内容と補完回数とが記憶される(S210)。補完回数が予め定められた回数以上になった補完作業が存在すると(S212にてYES)、補完された作業回数に基づいて、作業が再度配分される(S214)。補完回数に基づいて修正された作業配分が作業配分データベース(図9)に記憶されて、モニタ104に配分結果が出力される。これにより、一時的にラインバランスを崩すような作業遅延が発生しても、補完作業データベースに記憶された補完作業の実行を指示することによりラインバランスの崩れを最小限に抑えることができる。また、繰返して補完作業が行なわれる作業については、補完回数が予め定められた回数以上に繰返されると、その補完作業を補完される作業者から補完する作業者の作業へと配分を変更する。
【0074】
以上のようにして、本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータは、予め設定された要素作業毎の基本時間と、作業手順と、目標タクトタイムとに基づいて、作業者の作業配分を行なう。これを一旦作業配分データベースに記憶し、その作業配分データベースに記憶された作業配分に基づいて作業者が実際に作業を行なう。そのとき、作業者の要素時間が計測され、実測作業時間データベースに記憶される。実測作業時間に基づいて、実測タクトタイムが目標タクトタイム以下になるように、実測ラインバランス効率が予め定められた値以上になるように、作業者の作業が再度配分される。これにより、作業者の作業配分を最適化することができる。また、このような状態で作業を実施しているときに、ある作業者において作業の遅延が発生すると、予め設定された補完作業を行なうように作業者に指示が行なわれる。これにより、ラインバランスが崩れても、早急に復旧させることができる。
【0075】
さらに、繰返して補完作業が行なわれる場合には、この補完作業を、補完される作業者の作業から、補完する作業者の作業へ配分を変更する。その結果、1以上の要素作業を行なう複数の作業者の作業配分を最適化でき、最適化された作業配分の崩れを速やかに復旧することができるラインバランス管理コンピュータを実現できる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係るラインバランス管理システムの全体構成図である。
【図2】 本発明の実施に形態に係るラインバランス管理コンピュータの外観図である。
【図3】 図2に示すコンピュータシステムの制御ブロック図である。
【図4】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される基本作業時間データベースを示す図である。
【図5】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される作業条件データベースを示す図である。
【図6】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される作業手順データベースを示す図である。
【図7】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される作業配分データベースを示す図である。
【図8】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される実測作業時間データベースを示す図である。
【図9】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される修正された作業配分データベースを示す図である。
【図10】 本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータにおいて実行される最適化処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図11】 本実施の形態に係るラインバランス管理コンピュータにおいて実行される管理処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図12】 モニタに出力される表示例(その1)である。
【図13】 モニタに出力される表示例(その2)である。
【図14】 モニタに出力される表示例(その3)である。
【図15】 ラインバランス管理コンピュータの固定ディスクに記憶される補完作業データベースを示す図である。
【符号の説明】
20 ラインバランス管理コンピュータ、30 生産機台コンピュータ、40生産機台、50 作業遅延入力装置、60 補完作業指示装置、70 LAN、100 コンピュータシステム、102 コンピュータ、104 モニタ、106 FD駆動装置、108 CD−ROM駆動装置、110 キーボード、112 マウス。
Claims (6)
- 複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理する装置であって、各前記作業者には1以上の要素作業が割当てられ、
前記装置は、
前記要素作業を行なうために必要な基本時間を記憶するための基本時間記憶手段と、
前記要素作業の作業順序を記憶するための作業順序記憶手段と、
前記生産ラインのタクトタイムを記憶するためのタクトタイム記憶手段と、
前記基本時間記憶手段と前記作業順序記憶手段と前記タクトタイム記憶手段とに接続され、前記タクトタイムを満足するように、前記作業順序と前記基本時間とに基づいて、各前記作業者の作業を配分するための作業配分手段と、
前記作業配分手段により配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶するための実測時間記憶手段と、
前記実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出するための算出手段と、
前記算出手段に接続され、前記算出手段により算出された前記実測タクトタイムが、前記タクトタイムを満足しない場合には、前記タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なうための第1の処理手段と、
前記実測時間に基づき算出された、前記複数の作業者の中における最大の作業時間および前記生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するためのバランス効率算出手段と、
前記バランス効率算出手段に接続され、バランス効率算出手段により算出された前記ラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、前記予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なうための第2の処理手段と、
各前記作業者に対応して前記生産ラインに設置された作業遅延入力装置および補完作業指示装置に接続され、前記作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、前記補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信するための通信手段と、
前記作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶するための補完作業記憶手段と、
前記通信手段と前記補完作業記憶手段とに接続され、前記通信手段が前記作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、前記補完作業記憶手段に記憶された補完作業を実行するように指示するデータを、前記補完作業指示装置に送信するように、前記通信手段を制御するための制御手段とを含む、ラインバランス管理装置。 - 前記ラインバランス管理装置は、
前記補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶するための補完回数記憶手段と、
前記補完回数記憶手段に接続され、前記補完回数記憶手段に記憶された前記回数が予め定められた条件を満足すると、前記補完作業に基づいて、作業の配分を行なうための第3の処理手段とを含む、請求項1に記載のラインバランス管理装置。 - 複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理する方法をコンピュータを用いて実現する方法であって、
前記コンピュータは、情報を記憶する記憶部と、他の装置との間で通信する通信部と、演算を実行する演算部とを備え、
であって、各前記作業者には1以上の要素作業が割当てられ、
前記コンピュータが、
前記記憶部を用いて、前記要素作業を行なうために必要な基本時間を予め準備する基本時間準備ステップと、
前記記憶部を用いて、前記要素作業の作業順序を予め準備する作業順序準備ステップと、
前記記憶部を用いて、前記生産ラインのタクトタイムを予め準備するタクトタイム準備ステップと、
前記演算部を用いて、前記タクトタイムを満足するように、前記作業順序と前記基本時間とに基づいて、各前記作業者の作業を配分する作業配分ステップと、
前記記憶部を用いて、前記作業配分ステップにて配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶する実測時間記憶ステップと、
前記演算部を用いて、前記実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出する算出ステップと、
前記演算部を用いて、前記算出ステップにて算出された前記実測タクトタイムが前記タクトタイムを満足しない場合には、前記タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第1の処理ステップと、
前記演算部を用いて、前記実測時間に基づき算出された、前記複数の作業者の中における最大の作業時間および前記生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するバランス効率算出ステップと、
前記演算部を用いて、前記バランス効率算出ステップにて算出された前記ラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、前記予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第2の処理ステップとを含み、
前記生産ラインには、各前記作業者に対応して作業遅延入力装置および補完作業指示装置が設置され、
前記ラインバランス管理方法は、
前記通信部を用いて、前記作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、前記補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信する通信ステップと、
前記記憶部を用いて、前記作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶する補完作業記憶ステップと、
前記通信部を用いて、前記通信ステップにて前記作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、前記補完作業記憶ステップにて記憶した補完作業を実行するように指示するデータを、前記補完作業指示装置に送信するように、前記通信ステップを制御する制御ステップとを含む、ラインバランス管理方法。 - 前記ラインバランス管理方法は、
前記記憶部を用いて、前記補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶する補完回数記憶ステップと、
前記演算部を用いて、前記補完回数記憶ステップにて記憶された前記回数が、予め定められた条件を満足すると、前記補完作業に基づいて、作業の配分を行なう第3の処理ステップとを含む、請求項3に記載のラインバランス管理方法。 - 複数の作業者により構成される生産ラインのラインバランスを管理するプログラムであって、各前記作業者には1以上の要素作業が割当てられ、前記プログラムは、コンピュータに、
前記要素作業を行なうために必要な基本時間を予め準備する基本時間準備手順と、
前記要素作業の作業順序を予め準備する作業順序準備手順と、
前記生産ラインのタクトタイムを予め準備するタクトタイム準備手順と、
前記タクトタイムを満足するように、前記作業順序と前記基本時間とに基づいて、各前記作業者の作業を配分する作業配分手順と、
前記作業配分手順にて配分された結果に従って行なわれた要素作業の実測時間を記憶する実測時間記憶手順と、
前記実測時間に基づいて、実測タクトタイムを算出する算出手順と、
前記算出手順にて算出された前記実測タクトタイムが前記タクトタイムを満足しない場合には、前記タクトタイムを満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第1の処理手順と、
前記実測時間に基づき算出された、前記複数の作業者の中における最大の作業時間およ び前記生産ラインの総作業時間を用いて、ラインバランス効率を算出するバランス効率算出手順と、
前記バランス効率算出手順にて算出された前記ラインバランス効率が、予め定められた効率を満足しない場合には、前記予め定められた効率を満足するまで、作業の配分を繰返し行なう第2の処理手順とを実行させ、
前記生産ラインには、各前記作業者に対応して作業遅延入力装置および補完作業指示装置が設置され、
前記プログラムは、
前記作業遅延入力装置から、作業遅延を表わすデータを受信するとともに、前記補完作業指示装置に、補完作業の実行を指示するデータを送信する通信手順と、
前記作業者毎に、その作業者に割当てられた要素作業であって、その作業者に代わって他の作業者に一時的に割当てることができる補完作業を記憶する補完作業記憶手順と、
前記通信手順にて前記作業遅延入力装置から作業遅延を表わすデータを受信したことに応答して、前記補完作業記憶手順にて記憶した補完作業を実行するように指示するデータを、前記補完作業指示装置に送信するように、前記通信手順を制御する制御手順とを実行させる、プログラム。 - 前記プログラムは、
前記補完作業毎に、補完作業の実行を指示した回数を記憶する補完回数記憶手順と、
前記補完回数記憶手順にて記憶された前記回数が、予め定められた条件を満足すると、前記補完作業に基づいて、作業の配分を行なう第3の処理手順とを実行させる、請求項5に記載のプログラム。
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