JP3720145B2 - 溝等の泥土掻上機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用水路や排水路等の溝や小さな川に溜まった泥土を掻き上げる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用水路や排水路等を清掃する場合には、地区住民が総出で、鍬やスコップ等を利用して、人海戦術で泥土を掻き上げることが行われていた。
このように、地区住民が動員できる場合は良いが、近年は地区のボランティア的な仕事に住民が集まりにくくなり、用水路や排水路等の泥土の掻き上げが疎かになることが多くなったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような場合において、集まった住民の数が少なくても、機械を使用して簡単に長い用水路や排水路等の泥土掻き上げが出来るようにした溝等の泥土掻上機を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
狭い溝の中でも走行可能な1本のみのクローラ7により構成したクローラ式の自走式走行機構Aの、該1本のクローラ7の上部にエンジンEを載置し、該エンジンEの前部に変速ミッションケースMを配置し、該自走式走行機構Aを構成するクローラ7のクローラフレーム11が、そのままクローラ7の前方に突出され、該クローラフレーム11の突出先端前部に掻上げ板1を配置し、該掻上げ板1の後端より上方へむけて、クローラ7の上方位置に上方掻上げコンベア2を傾斜立設し、該上方掻上げコンベア2の終端より、同じくクローラ7の上方位置に配置した前後方向に略水平の搬送コンベア3へ受け継ぎ、該搬送コンベア3の後端の下方で、自走式走行機構Aの後方位置に泥土受け装置4を配置し、該泥土受け装置4は、泥土を落下させ投入する透水性の泥土袋5により構成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は溝等の泥土掻上機の全体側面図、図2は溝等の泥土掻上機の主要レイアウトを示す側面図、図3は溝等の泥土掻上機の左斜め前からの斜視図である。
【0006】
図4は同じく溝等の泥土掻上機の側面図、図5は掬上げ板1と上方掻上げコンベア2の部分を示す前面斜視図、図6は上方掻上げコンベア2と搬送コンベア3の駆動部を示す側面斜視図、図7は自走式走行機構Aの駆動部を示す拡大側面図である。
【0007】
図8は2本のタイヤ駆動式の溝等の泥土掻上機の後面斜視図、図9は同じくタイヤ駆動式の溝等の泥土掻上機の前面斜視図、図10は2本のクローラ式の溝等の泥土掻上機の側面図、図11は図10の左方向から見た概略図である。
【0008】
図1から図8までにおいては、自走式走行機構Aをクローラ式の走行機構に構成している。図8と図9の溝等の泥土掻上機においては、2本の車輪式の走行機構を構成している。
図1から図7のクローラ式の走行機構は、1本のみのクローラ7によるクローラ式走行機構であり、狭い溝の中でも、1本のクローラ7が嵌装できれば、走行を可能としている。1本でありながら、クローラ7であるので、左右に倒れる心配はなく安定した走行を行うことができる。
【0009】
タイヤ式として2本のタイヤで左右の安定を図ろうとすると、どうしても2本のタイヤでは幅が広くなり過ぎるので、図8と図9に示すような、幅が大きくなり、幅の広い用水路や排水路等や川等で使用する大型の溝等の泥土掻上機となってしまうのである。
図1から図7においては、1本のクローラ7であるので、幅の狭い用水路や排水路等でも作業ができ、かつクローラ7であるので、左右の安定性が良く、倒れることが無いのである。
【0010】
図1と図2において、クローラ7により構成した自走式走行機構Aを備えた、溝等の泥土掻上機について説明する。
クローラ7の上に機体フレーム10を設けており、該機体フレーム10の上にエンジンEを搭載している。エンジンEの前部に変速ミッションケースMを配置しており、エンジンEからベルトにより変速ミッションケースMに動力伝達している。該変速ミッションケースMから変速後の回転が、チェーンケース8内のチェーンによりクローラ7の駆動軸に動力伝達している。
【0011】
前記クローラ7のクローラフレーム11がそのまま前方へ突出されて、該フレーム11’の突出先端部分に掬上げ板1が固定されている。また該フレーム11’の先端部分に上方掻上げコンベア2の下端の従動回転ローラ12が枢支されている。該従動回転ローラ12に上方掻上げコンベア2の下端が巻回されており、上方掻上げコンベア2の上端は、駆動ローラ13に巻回されている。駆動ローラ13は入力スプロケット14により回転駆動される入力軸15により駆動されている。該入力軸15の上のスプロケットから搬送コンベア3の後端にもチェーン16が巻回されており、搬送コンベア3が後端部分から駆動されている。
【0012】
変速ミッションケースMの側方に配置された出力軸から、前記入力スプロケット14にチェーン17が巻回されており、上方掻上げコンベア2と搬送コンベア3を駆動すべく構成されている。
本発明は、自走式走行機構Aにより機体が前進すると共に、掬上げ板1が泥土を掬い上げて、上方掻上げコンベア2の表面に立設された搬送板2aにより、泥土を上方まで掻き上げる。
そして、上方掻上げコンベア2の上端で、一度、搬送コンベア3の上に泥土を落下させ、搬送コンベア3の表面に立設された搬送板3aで、泥土を後方まで搬送するのである。
【0013】
このように、掬上げ板1から上方掻上げコンベア2を介して、搬送コンベア3に受け継ぎ、泥土受け装置4まで搬送する間に、上方掻上げコンベア2や搬送コンベア3の側方から、掻き上げた泥土が零れるのを阻止する為に、上方掻上げコンベア2の両側には側面ガイド板18・18が立設配置されており、搬送コンベア3の側方にも、側面ガイド板18・18に連設された側面ガイド板19・19が立設配置されている。
【0014】
そして、搬送コンベア3の後端の位置は、エンジンEや変速ミッションケースMやクローラ7の上方の後部に位置しており、操作ハンドルHの前となっているので、この位置から、下方に泥土袋5により構成した泥土受け装置4の中に、掻き上げた泥土を落下させるのである。該泥土受け装置4は、袋ではなくて、泥土投入缶であっても良いのである。
前記泥土受け装置4は、袋載置台6と透水性の泥土袋5により構成され、機体フレーム10から後方に突出した袋載置台6の上に底面を載置し、上端は、袋受け杆20により吊るされており、泥土袋5の口が開くように袋受け杆20が構成されている。
【0015】
次に、図8と図9のタイヤ21・21が2本の構成について説明する。
この場合には、幅の広い用水路や排水路等で使用する大型の溝等の泥土掻上機であり、2輪のタイヤ21・21により走行し、袋載置台6の下方には、泥土袋5の重量を支持する為のキャスター輪22を配置している。
掬上げ板1と上方掻上げコンベア2と搬送コンベア3と、側面ガイド板18・18及び側面ガイド板19・19の構成は、クローラ7により走行する小型の溝等の泥土掻上機の場合と同様に構成されている。
【0016】
次に、図10と図11のクローラ7・7が2本の構成について説明する。
この場合には、クローラ7・7を両側に設け、溝を跨ぐようにしてクローラ7・7を配置したものであり、作業者が溝に入らなくてもよいようにしている。上方掻上げコンベア2は油圧シリンダ等の昇降手段Yで、昇降可能に構成されている。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
第1に、狭い溝の中でも走行可能な1本のみのクローラ7により構成したクローラ式の自走式走行機構Aの、該1本のクローラ7の上部にエンジンEを載置し、該エンジンEの前部に変速ミッションケースMを配置し、該自走式走行機構Aを構成するクローラ7のクローラフレーム11が、そのままクローラ7の前方に突出され、該クローラフレーム11の突出先端前部に掻上げ板1を配置したので、1本のみのクローラ7によるクローラ式走行機構であり、狭い溝の中でも、1本のクローラ7が嵌装できれば、走行を可能としている。1本でありながら、クローラ7であるので、左右に倒れる心配はなく安定した走行を行うことができる。
また、タイヤ式として2本のタイヤで左右の安定を図ったり、左右のクローラによる自走式走行遡行とすると、どうしても2本のタイヤ、2本のクローラでは幅が広くなり過ぎるので、図8と図9に示すような、幅が大きくなり、幅の広い用水路や排水路等や川等で使用する大型の溝等の泥土掻上機となってしまうのである。
本発明の如く、図1から図7においては、1本のクローラ7であるので、幅の狭い用水路や排水路等でも作業ができ、かつクローラ7であるので、左右の安定性が良く、倒れることが無いのである。
【0018】
第2に、該掻上げ板1の後端より上方へむけて、クローラ7の上方位置に上方掻上げコンベア2を傾斜立設し、該上方掻上げコンベア2の終端より、同じくクローラ7の上方位置に配置した前後方向に略水平の搬送コンベア3へ受け継ぐべく構成したので、用水路や排水路等の泥土を上方掻上げコンベア2により掻き上げる途中で、搬送板2aや搬送板3aの部分で、水分を分離し、含水率の低い泥土として、泥土受け装置4の泥土袋5の内部に収納して、廃棄することが出来るのである。
【0019】
第3に、該搬送コンベア3の後端の下方で、自走式走行機構Aの後方位置に泥土受け装置4を配置し、該泥土受け装置4は、泥土を落下させ投入する透水性の泥土袋5により構成したので、透水性の泥土袋5内に投入した泥土から、水分が袋を通過して出て行くので、この泥土袋5の内部に残るのは、更に含水率の低い泥土とすることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溝等の泥土掻上機の全体側面図。
【図2】 溝等の泥土掻上機の主要レイアウトを示す側面図。
【図3】 溝等の泥土掻上機の左斜め前からの斜視図。
【図4】 同じく溝等の泥土掻上機の側面図。
【図5】 掬上げ板1と上方掻上げコンベア2の部分を示す前面斜視図。
【図6】 上方掻上げコンベア2と搬送コンベア3の駆動部を示す側面斜視図。
【図7】 自走式走行機構Aの駆動部を示す拡大側面図。
【図8】 2本のタイヤ駆動式の溝等の泥土掻上機の後面斜視図。
【図9】 同じくタイヤ駆動式の溝等の泥土掻上機の前面斜視図。
【図10】 2本のクローラ式の溝等の泥土掻上機の側面図。
【図11】 図10の左方向から見た概略図。
【符号の説明】
1 掬上げ板
2 上方掻上げコンベア
3 搬送コンベア
4 泥土受け装置
5 泥土袋
6 袋載置台
7 クローラ
8 チェーンケース
10 機体フレーム
11 クローラフレーム
12 従動回転ローラ
13 駆動ローラ
14 入力スプロケット
15 入力軸
18,19 側面ガイド板
Claims (1)
- 狭い溝の中でも走行可能な1本のみのクローラ7により構成したクローラ式の自走式走行機構Aの、該1本のクローラ7の上部にエンジンEを載置し、該エンジンEの前部に変速ミッションケースMを配置し、該自走式走行機構Aを構成するクローラ7のクローラフレーム11が、そのままクローラ7の前方に突出され、該クローラフレーム11の突出先端前部に掻上げ板1を配置し、
該掻上げ板1の後端より上方へむけて、クローラ7の上方位置に上方掻上げコンベア2を傾斜立設し、該上方掻上げコンベア2の終端より、同じくクローラ7の上方位置に配置した前後方向に略水平の搬送コンベア3へ受け継ぎ、該搬送コンベア3の後端の下方で、自走式走行機構Aの後方位置に泥土受け装置4を配置し、該泥土受け装置4は、泥土を落下させ投入する透水性の泥土袋5により構成したことを特徴とする溝等の泥土掻上機。
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JP28051196A JP3720145B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 溝等の泥土掻上機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28051196A JP3720145B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 溝等の泥土掻上機 |
Publications (2)
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JPH10121516A JPH10121516A (ja) | 1998-05-12 |
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Family
ID=17626122
Family Applications (1)
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JP28051196A Expired - Fee Related JP3720145B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 溝等の泥土掻上機 |
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