JP3719850B2 - 回転電機の回転子コイル端部支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば可変速揚水発電設備に用いられる発電電動機などの回転電機の回転子コイル端部支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば可変速揚水発電設備に用いられる発電電動機の回転子コイル端部支持装置は、図9に示すようなものがある。図9において、回転子は、磁極用鋼板などを回転軸方向に積み重ねた回転子鉄心1と、この回転子鉄心1の外周側に設けられた溝2に挿入して固定され、銅線などにマイカテープとエポキシレジンなどによる電気絶縁被覆を施した回転子コイル3とを備えている。
【0003】
この回転子コイル3は、回転子鉄心1の溝2の外周側に挿入された上コイル3aと、この上コイル3aに対し内径側に挿入された下コイル3bとから構成され、この上コイル3aおよび下コイル3bは、結線のために回転子鉄心1の端部から回転軸方向に螺旋形を形成しながら大きく張り出して(オーバハングして)おり、直線に形状を変えた後、上下コイル接続部4にて接続されている。ここで、本発明では、この上コイル3aおよび下コイル3bの回転子鉄心1の端部からオーバハングした部分と上下コイル接続部4とを合わせて回転子コイル端部と総称している。
【0004】
この回転子コイル端部は、発電電動機の運転中、自身の重量により大きな遠心力を受け外周側に撓もうとするため、回転子コイル端部支持装置を設け、この支持装置により径方向に支持している。
【0005】
従来より使用されている回転子コイル端部支持装置は、図9および図10に示すように上コイル3a,下コイル3bからなる回転子コイル3の端部の内径側に高張力鋼板製の円環状の板からなる支えリング5を複数段設け、その支えリング5の内周面にサドル6を配置するとともに、回転子コイル3の端部の外径側にガラス繊維強化プラスチック積層板などからなる絶縁ブロック7を配置する。
【0006】
そして、ステンレス鋼に代表される非磁鋼製の締結部材としてのUボルト8により、支えリング5に回転子コイル端部を絶縁ブロック7およびサドル6を介して取り付けている。
【0007】
このようにサドル6にUボルト8を固定することで、上コイル3a,下コイル3bからなる回転子コイル端部の螺旋形部分を径方向に支持し、外径側への移動を拘束し、電気的絶縁も確立されている。
【0008】
このような構成から発電電動機の運転中の遠心力により、回転子コイル端部が外径側に撓もうとするものの、支えリング5およびUボルト8の剛性がその変形を抑制する構造となっている。
【0009】
そして、図9において、回転子コイル端部の内径側に複数段設けられた支えリング5は、一端が固定子鉄心1の端部に固定され複数段の支えリング5を貫通する支えリング支持ボルト9a,9bの他端にナットを螺合することにより回転軸方向に対して固定されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、発電設備は他の高速大容量化に伴い、可変速発電電動機を初めとする回転電機の回転子は、高速回転化,大径化が進み、従来に比べ回転子の周速が増すとともに、運転中の回転子は、より大きな遠心力を受けざるを得ない状況となっている。
【0011】
それに伴って回転子コイル端部の変形量を抑え、回転子コイルを形成する銅線あるいは電気絶縁層の材料強度を超える過大な曲げ応力を生じさせないように、回転子コイル端部支持装置の径方向剛性を高め、回転子コイル端部の拘束力を強化する必要に迫られている。
【0012】
同時に、可変速発電電動機を初めとする回転電機を運転する際には、回転子コイルに大電流を流して励磁を行う。よって、回転子コイルは、自身の電気抵抗による損失を初めとする種々の損失が発生するため、温度上昇を伴い長手方向、すなわち軸方向に熱伸びする。この時、回転子コイル端部支持装置が回転子コイル3の軸方向の熱伸びを拘束すると、回転子コイル3に熱応力を発生させてしまうため、回転子コイル3の熱伸びを拘束することなく、回転子コイル3の遠心力を径方向から支持しなければならない。
【0013】
しかしながら、回転子コイル端部の形状は、上述のように螺旋形状からなる非常に複雑な形状をしていると同時に、支えリング5およびUボルト8を設置する空間を十分確保することには限界があるため、従来の構成のまま支えリング5およびUボルト8の寸法を増すことのみで剛性を高め、回転子コイル端部の拘束力を強化することはほぼ不可能に等しいこととなる。
【0014】
また、従来の技術では、回転子コイル端部のその複雑な形状により、螺旋形部分と同様の方法でUボルト8および支えリング5により上下コイル接続部4を支持することは困難であり、さらに高速大容量化が進み、過酷な運転状況になると、上下コイル接続部4付近に加わる遠心力は増大し、複数段の支えリング5およびUボルト8の各段の分担荷重をそれぞれ増大させることとなる。
【0015】
特に、回転子鉄心1から最も離れた部位に位置する、すなわち上下コイル接続部4に最も近接した段の支えリング5およびUボルト8には、大きな負担が加わると同時に、回転子コイル3自身にもその近傍で大きな曲げ変形が加わって応力が増大するため、安全で信頼性の高い構造とすることが困難であった。
【0016】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、高速大容量の回転電機に適用可能で、運転中安全に回転子コイル端部を支持し、より信頼性の高い回転電機の回転子コイル端部支持装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、回転電機の回転子鉄心の軸方向から張り出した回転子コイル端部の螺旋形部分の内径側に複数段の支えリングを配置し、これらの支えリングに前記螺旋形部分をそれぞれ締結部材により固定し、前記螺旋形部分の外径側への移動を拘束した回転電機の回転子コイル端部支持装置において、前記回転子コイルの上コイルと下コイルとの上下コイル接続部の内径側となる前記複数段の支えリングの前記回転子鉄心の軸方向の最上段部に、前記上下コイル接続部とほぼ同一の軸方向高さに補助リングを固定し、この補助リングから複数放射状に連結部材を配置し、これらの連結部材を前記上下コイル接続部に固定し、この上下コイル接続部を径方向から支持したことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを支えリングに皿ばねを介して回転子コイルの軸方向に弾性を持たせて固定したことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを支えリングにコイルばねを介して回転子コイルの軸方向に弾性を持たせて固定したことを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを2枚並設し、この2枚の補助リング間に連結部材を挿通し、前記2枚の補助リングの内周面で双方に跨がるように配設された支持部材を介して前記連結部材を支持したことを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングに放射状の孔を穿設し、この放射状の孔に連結部材を挿通し、この連結部材を前記補助リングの内周面で支持したことを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、連結部材に電気絶縁被覆を施したことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、回転子コイル端部の螺旋形状部分を支持する締結部材,支えリングに加え、上下コイル接続部を支持する補助リングと、この補助リングに放射状に配置された連結部材とを設けたことにより、回転子鉄心から軸方向に最も離れた位置にある段の支えリングおよび締結部材からさらに張り出した上下コイル接続部を径方向に支持することが可能となり、その部位の外径側への大きな撓みを抑制し、回転子鉄心から最も離れた段の支えリングおよび締結部材に支持される位置近傍の回転子コイル端部の局部的な曲げ変形を抑え、曲げ応力を低減することができる。
【0024】
また、従来構造で各段の支えリングおよび締結部材が負担していた回転子コイル端部の遠心力の一部を補助リングおよび連結部材が負担するため、各段の支えリングおよび締結部材の分担荷重が低減され、回転子コイル端部全体の変形量および各段の支えリングおよび締結部材の支持箇所間の変位差も小さくなり、回転子コイル端部全体の曲げ応力も平均して低減される。
【0025】
さらに、回転子鉄心から最も離れた上下コイル接続部は、回転電機の運転中の回転子コイルの通電による軸方向の熱伸びが最も顕著に現れる部分であるものの、その部分を補助リングおよび連結部材で支持することにより、回転子コイルの軸方向の熱伸びを拘束することなく、遠心力による径方向の回転子コイルの変形を抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第1実施形態を示す構成図、図2は図1のA方向矢視図、図3は図1のB方向矢視図である。なお、従来の構成と同一または対応する部分には、図9および図10と同一の符号を用いて説明する。
【0028】
図1に示すように、回転子鉄心1の外周側に設けられた溝2には、上コイル3a,下コイル3bからなる回転子コイル3が挿入され、この上コイル3a,下コイル3bの固定子鉄心1の端部から張り出した部分からなる回転子コイル端部は、螺旋形部分において絶縁ブロック7を介し締結部材としてのUボルト8,支えリング5およびサドル6により径方向に支持されている。
【0029】
すなわち、回転子コイル端部は、螺旋形部分において支えリング5を複数段設け、その支えリング5の内周面にサドル6を配置するとともに、支えリング5の外周面に上記螺旋形部分を介して絶縁ブロック7を配置し、支えリング5に回転子コイル端部を絶縁ブロック7およびサドル6を介してUボルト8により取り付けることで支持されている。
【0030】
上記の構成に加えて上コイル3aと下コイル3bを結線している上下コイル接続部4の内径側には、円環状に形成された補助リング10が配設され、この補助リング10は、L字状に形成された補助リング支え11を介して支えリング支持ボルト9aに六角ナット12を螺合させることにより固定されている。
【0031】
また、補助リング10の外径側には、図2に示すように周方向に所定間隔をおいて連結部材としての複数のスタッドボルト13の一端が螺合することで固定され、これらスタッドボルト13は放射状に配設されて上下コイル接続部4間を通り、その他端は図3に示すように上下コイル接続部4の外径側に当接する絶縁ブロック14を介して押え座15に螺合することで固定されている。これにより、回転子コイル端部の上下コイル接続部4は、径方向から支持される。
【0032】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0033】
このように回転子コイル端部の螺旋形状部分を径方向に支持する支えリング5,Uボルト8に加え、上下コイル接続部4を径方向に支持する補助リング10と、この補助リング10の外径側に放射状に配置されたスタッドボルト13と、このスタッドボルト13の外周端が絶縁ブロック14を介して固定される押え座15とを設けたことにより、回転子鉄心1から軸方向に最も離れた位置にある段の支えリング5およびUボルト8からさらに張り出した部分を径方向に支持することが可能となり、その部分の外径側への大きな撓みを抑制し、回転子鉄心1から最も離れた段の支えリング5およびUボルト8に支持される位置近傍の回転子コイル端部の局部的な曲げ変形を抑え、曲げ応力を低減することができる。
【0034】
また、従来構造で各段の支えリング5およびUボルト8が負担していた回転子コイル端部の遠心力の一部を補助リング10およびスタッドボルト13が負担するため、各段の支えリング5およびUボルト8の分担荷重が低減され、回転子コイル端部全体の変形量および各段の支えリング5およびUボルト8の支持箇所間の変位差も小さくなり、回転子コイル端部全体の曲げ応力も平均して低減される。
【0035】
さらに、補助リング10の外周側に固定されたスタッドボルト13が十分な長さを有するようにしておけば、径方向の引張力に対する剛性は大きく、それと比較して軸方向の曲げ剛性は小さいため、回転電機の運転中の回転子コイル3の通電による軸方向の熱伸びに追従して撓むことが可能である。よって、回転子コイル3の軸方向の熱伸びを拘束して熱応力を発生させることがない。
【0036】
図4は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第2実施形態における上下コイル接続部を支持する部分を示す構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明する。以下の各実施形態も同様である。
【0037】
図4に示すように、上コイル2aと下コイル2bとからなる回転子コイル3の端部の上下コイル接続部4の内径側に配設された補助リング10は、補助リング支え11を介して支えリング支持ボルト9aにより支えリング5とともに固定されている。
【0038】
また、支えリング支持ボルト9aの軸方向には、補助リング支え11を介して複数組み合わされた皿ばね16が装着され、この皿ばね16に接して六角ナット12を螺合させることにより、補助リング10が支えリング5に対して弾性を持たせて固定されている。
【0039】
このように本実施形態によれば、スペース的な制約などによりスタッドボルト13が十分に軸方向に撓むことが可能となるような長さが確保できない場合でも、スタッドボルト13を固定している補助リング10自体が皿ばね16を介して軸方向に弾性的に固定されているため、軸方向において外力が加わった場合、皿ばね16が撓むことにより移動可能である。よって、回転子コイル3の熱伸びに追従することができる。
【0040】
図5は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第3実施形態における上下コイル接続部を支持する部分を示す構成図である。
【0041】
図5に示すように、上コイル2aと下コイル2bとからなる回転子コイル3の端部の上下コイル接続部4の内径側に配設された補助リング10は、補助リング支え11を介して支えリング支持ボルト9aにより支えリング5とともに固定されている。
【0042】
また、支えリング支持ボルト9aの軸方向には、補助リング支え11を介してコイルばね12が装着され、このコイルばね17に接するように六角ナット12を螺合させることにより、補助リング10が支えリング3に対して弾性を持たせて固定されている。
【0043】
このように本実施形態によれば、前記第2実施形態の皿ばね16に代えてコイルばね17を装着したことにより、前記第2実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0044】
図6は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第4実施形態における上下コイル接続部を支持する部分を示す構成図である。
【0045】
図6に示すように、本実施形態では、補助リング10を2枚並設し、この2枚の補助リング10間にスタッドボルト13を挿通し、2枚の補助リング10の内周面で双方に跨がるように外径側への移動を拘束した支持部材としてのサドル18を介してスタッドボルト13を支持した構造となっている。
【0046】
すなわち、スタッドボルト13の一端には、サドル18を介して六角ボルト19が螺合され、その他端は上下コイル接続部4の外径側に当接する絶縁ブロック14を介して押え座15に螺合することで固定されている。
【0047】
このように本実施形態によれば、スタッドボルト13は補助リング10の内周面にてサドル18を介して径方向に支持されるため、自ずとスタッドボルト13の長さは、補助リング10の外径側に固定した場合と比較して、補助リング10の径方向の奥行き寸法分だけ長くすることが可能であるため、比較的容易に回転子コイル3の軸方向の熱伸びに追従するように、スタッドボルト13を撓ませることができ、回転子コイル3に熱応力を発生させずに径方向の変形を拘束する回転子コイル端部支持装置を構成することができる。
【0048】
図7は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第5実施形態における上下コイル接続部を支持する部分を示す構成図である。
【0049】
図7に示すように、本実施形態では、補助リング10に放射状の孔20を穿設し、その放射状の孔20にスタッドボルト13を挿通し、補助リング10の孔20が穿設された内周面に接するサドル21を介してスタッドボルト13に六角ボルト19を螺合させることにより、スタッドボルト13を支持した構造となっている。
【0050】
このように本実施形態によれば、前記第4実施形態の2枚の補助リング10に代えて、補助リング10に放射状の孔20を穿設し、補助リング10の内周面にサドル21を当接させたことにより、前記第4実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0051】
図8は本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第6実施形態における上下コイル接続部を支持する部分を示す構成図である。
【0052】
本実施形態は、図8に示すように図2に示す第2実施形態のスタッドボルト13に例えばマイカテープなどにエポキシレジンなどを含浸処理して形成される電気絶縁被覆を施し、電気絶縁被覆部22を形成したものである。その他の構成および作用は、前記第2実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0053】
このように本実施例によれば、スタッドボルト13に電気絶縁被覆を施したことにより、万一回転子コイル端部の上下コイル接続部4付近の絶縁システムに不都合が起こった場合でも、地絡事故などを未然に防止することが可能となるため、より安全に回転子コイル端部を支持できる高い信頼性を備えた高速大容量の回転電機にも適用可能な回転コイル端部支持装置を提供することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、図2に示す第2実施形態のスタッドボルト13に適用したが、これ以外の前記第2実施形態から第5実施形態のスタッドボルト13にも適用可能である。
【0055】
以上説明したように、上記各実施形態では、補助リング10と、この補助リング10に放射状に配置されたスタッドボルト13によって回転子コイル端部の上下コイル接続部4を支持したことにより、軸方向の回転子コイル3の熱伸びを拘束することなく、回転子コイル3の遠心力による撓みを拘束し、局部的な曲げ変形を抑えることができる。
【0056】
同時に、従来構造で各段の支えリング5および締結部材としてのUボルト8が負担していた回転子コイル端部の遠心力の一部を補助リング10およびスタッドボルト13が負担するため、各段の支えリング5およびUボルト8の分担荷重が低減する。
【0057】
また、回転子コイル端部全体の変形量および各段の支えリング5およびUボルト8の支持箇所間の変位差も小さくなり、回転子コイル端部全体の曲げ応力も平均的に低減することができ、より高速大容量の回転電機に適用することが可能となる。
【0058】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、締結部材としてUボルト8を用いたが、回転子コイル端部の螺旋形部分を支えリング5により径方向に支持させるものであれば、他のものでも適用することが可能である。
【0059】
また、上記各実施形態では、連結部材としてスタッドボルト13を用いたが、補助リング10と上下コイル接続部4との間を、上下コイル接続部4を径方向から支持するように連結するものであれば、スタッドボルト13以外のものでもよい。
【0060】
さらに、上記第2,第3実施形態では、それぞれ皿ばね16,コイルばね17を用いたが、これに限らずゴムなどの弾性部材でも適用可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の締結部材および支えリングのみで回転子コイル端部の螺旋形部分を支持した回転子コイル端部支持装置に加え、補助リングおよび連結部材により上下コイル接続部の径方向を支持することにより、より高速大容量の回転電機に適用することが可能となるとともに、より安全に回転子コイル端部を支持することができ、高い信頼性を備えた回転子コイル端部支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第1実施形態を示す構成図。
【図2】図1のA方向矢視図。
【図3】図1のB方向矢視図。
【図4】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第2実施形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第3実施形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第4実施形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第5実施形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る回転電機の回転子コイル端部支持装置の第6実施形態を示す構成図。
【図9】従来の回転子コイル端部支持装置を示す構成図。
【図10】図9のUボルトの支持構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 回転子鉄心
2 溝
3 回転子コイル
3a 上コイル
3b 下コイル
4 上下コイル接続部
5 支えリング
6 サドル
7 絶縁ブロック
8 Uボルト(締結部材)
9a,9b 支えリング支持ボルト
10 補助リング
11 補助リング支え
12 六角ナット
13 スタッドボルト(連結部材)
14 絶縁ブロック
15 押え座
16 皿ばね
17 コイルばね
18 サドル(支持部材)
19 六角ボルト
20 放射状の孔
21 サドル
22 電気絶縁被覆部
Claims (6)
- 回転電機の回転子鉄心の軸方向から張り出した回転子コイル端部の螺旋形部分の内径側に複数段の支えリングを配置し、
これらの支えリングに前記螺旋形部分をそれぞれ締結部材により固定し、
前記螺旋形部分の外径側への移動を拘束した回転電機の回転子コイル端部支持装置において、
前記回転子コイルの上コイルと下コイルとの上下コイル接続部の内径側となる前記複数段の支えリングの前記回転子鉄心の軸方向の最上段部に、前記上下コイル接続部とほぼ同一の軸方向高さに補助リングを固定し、
この補助リングから複数放射状に連結部材を配置し、
これらの連結部材を前記上下コイル接続部に固定し、
この上下コイル接続部を径方向から支持した
ことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。 - 請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを支えリングに皿ばねを介して回転子コイルの軸方向に弾性を持たせて固定したことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。
- 請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを支えリングにコイルばねを介して回転子コイルの軸方向に弾性を持たせて固定したことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。
- 請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングを2枚並設し、この2枚の補助リング間に連結部材を挿通し、前記2枚の補助リングの内周面で双方に跨がるように配設された支持部材を介して前記連結部材を支持したことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。
- 請求項1記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、補助リングに放射状の孔を穿設し、この放射状の孔に連結部材を挿通し、この連結部材を前記補助リングの内周面で支持したことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機の回転子コイル端部支持装置において、連結部材に電気絶縁被覆を施したことを特徴とする回転電機の回転子コイル端部支持装置。
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JPH11355997A JPH11355997A (ja) | 1999-12-24 |
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JP2010246265A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Mitsubishi Electric Corp | 可変速発電電動機の回転子 |
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1998
- 1998-06-04 JP JP15609498A patent/JP3719850B2/ja not_active Expired - Lifetime
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