JP3718991B2 - 車載用ナビゲーション装置および記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用のナビゲーション装置に関し、特に時期的な通行規制がされる道路が存在する場合に、その通行規制を考慮した経路設定を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行に伴ってGPS等により位置を検出し、その位置をディスプレイ上に道路地図と共に表示することにより、円滑に目的地に到達させるナビゲーション装置が知られている。さらに、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、案内として利用するナビゲーションシステムも知られ、より円滑なドライブに寄与している。
【0003】
この経路設定に際しては、一般にダイクストラ法などを用いる。具体的には、ノード間のリンクに対するリンク情報および通行規制を含むリンク間の接続情報とを用いて現在地から各ノードに至るまでの経路コスト(経路に対する評価値)を計算し、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、経路コストが最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定している。目的地までのつながった経路を設定するのであるから、例えば一方通行あるいは歩行者専用道路のように、その道路へ進入できない場合には経路として採用できない。したがって、リンク間接続情報よりそのような通行規制があることが判れば、該当するリンクを除いて経路設定することとなる。
【0004】
ところで、通行規制といっても、例えば時間や曜日あるいは季節を限定して動的に規制の有無が変化する場合がある。例えば朝の通勤・通学時間帯のみ通行止めとなったり、日曜のみ通行止めとなったり、冬季のみ通行止めとなるというようなことである。この場合、その道路を恒常的に通行不可あるいは逆に通行可であるとして扱っていた。したがって、本来なら通行できる道路であるのにわざわざ迂回する経路が設定されてしまったり、逆に本来なら通行できない道路であるのに経路中に含まれてしまうため、実際にその道路に近づいた際に初めて進入できないことが判るといった不都合が生じてしまう。
【0005】
このような不都合を解消する目的で、動的な通行規制の規制時期を考慮しようとすることも考えられている。例えば、経路を設定する際、現在時刻が通行規制の有効期間に含まれているかどうかを判断し、含まれていればその通行規制を尊重するが、含まれていなければ通行規制を無視するというものである。また、現在時刻を基に、車両が規制対象の道路へ到達する時刻を予測し、その予測時刻において通行規制が有効であるか無効であるかを判断することも考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、経路設定の際に通行規制が有効か無効かを判断するのはもちろん、経路設定の際の現在時刻から規制対象道路への到達時刻を予測して通行規制の実施の有無を判断する手法であっても、車両の走行状態によっては、実際に規制対象道路へ到達する時刻における通行規制の実施の有無が合致しないことが考えられる。特に、現在地から規制対象道路までの距離が長い場合や途中の道路での渋滞度合いなどによっては、上述した到達予測時刻においてまだ規制対象道路に至っておらず、経路設定時においては通行可能であった道路が実際に到達した時刻においては通行不可であることも考えられる。逆に、経路設定時の予測では通行不可となっていた道路が、途中の走行状況によっては通行可能に変化していることも考えられる。この場合には、本来はその道路を通行すると近道であったにもかかわらず、わざわざ迂回した経路を走行案内してしまう状況も生じる。
【0007】
もちろん、例えばATIS(Advanced Traffic Information Service)やVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)等から交通規制情報を加味した推奨経路を受信するような装置であれば問題ないが、そのための送受信設備が必要となる。したがって、そのような送受信設備を持たず、CD−ROMやDVDなどの記憶手段に記憶されたノード間を接続するリンクのリンク情報と通行規制を含むリンク間の接続情報に基づいて経路設定をする装置を前提とした場合であっても、より適切な経路設定および案内ができるようにすることが好ましい。
【0008】
そこで、本発明は、記憶手段に記憶されたリンク情報やリンク間接続情報に基づいて経路設定をするタイプでありながら、時期的な通行規制がされる道路についても、その通行規制を考慮した適切な経路設定および案内が可能な車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の車載用ナビゲーション装置においては、記憶手段が、ノード間を接続するリンクについてのリンク情報および動的通行規制の情報を含むリンク間接続情報を記憶している。この動的通行規制とは、例えば時間や曜日あるいは季節を限定して動的に規制の有無が変化するような規制である。したがって、その情報としては例えば8:00〜9:00まで通行止めであることを示すものである。そして、経路設定手段が、その記憶手段に記憶されたリンク情報およびリンク間接続情報に基づき、動的通行規制がされるリンク(動的規制リンク)については、その動的規制リンクにおいて通行規制が実施されている期間内に自車両がその動的規制リンクへ到達するか否かも加味して、現在地から目的地までの経路を設定し、その経路設定手段によって設定された経路に基づいて走行案内を行う。
【0010】
このような経路設定及び走行案内をする上で、再設定指示手段は、経路設定手段にて設定された経路中に動的規制リンクが含まれている場合、次の点を考慮して経路再設定指示をする。つまり、現時点で走行案内している設定経路中に動的規制リンクがあれば、現在地から最も近い動的規制リンクへの車両到着時期を所定時間毎に予測し、その予測された車両到着時期が通行規制されている時期に該当する場合に経路再設定を指示するのである。このようにすれば、車両の走行状態によって動的規制リンクへの到達時刻(予測時刻)が変化しても適切に対応できる。つまり、ある経路設定時においては、動的規制リンクに到達するまでにその規制は実施されないものとして動的規制リンクを含めて経路を設定してあったとしても、例えば渋滞度合いが予想外に大きく、車両の進行度合いが小さくなったため、このままでは動的規制リンクに到達した時点で既に規制が実施されていることも考えられる。したがって、一旦経路設定して走行案内を開始した場合でも、その後の車両走行状態による動的規制リンクへの到達時刻の変動に対応し、必要であれば(つまり予測された車両到着時期が通行規制されている時期に該当する場合は)経路を再設定する。これによって、動的規制リンクを含まない適切な経路を再設定できる。
また、動的規制リンクを通る経路の方が適切である場合とは、一般にその経路が最短経路となる場合であるため、再設定指示手段は、次のような再設定指示をする。すなわち、経路設定手段によって設定された経路が、動的規制リンクを全て通行可能なリンクであると仮定して設定した仮想最短経路と一致しているかどうか判断し、一致してしない場合は、その時点での現在地から目的地までの経路を再設定するよう指示するのである。このようにすれば、車両の進行度合いなどに応じて時々刻々と変化する最短経路を常に採用することができる。なお、このように最短経路を採用する上では、設定経路が仮想最短経路と一致していない場合の再設定を、現在地検出手段によって検出された車両の現在地が仮想最短経路を外れるまでに指示することが好ましい。
【0011】
ところで、所定時間毎に実行する「到達時期の予測に基づく再設定」のみで適切に対応しようとすると、その所定時間を非常に短く、極端に言えば常時再設定処理を実行する必要が出てくる。つまり、この「所定時間」が相対的に長い場合には、経路の再設定を指示したのは良いが、結局は迂回する経路が見つからないという事態も生じる可能性があるため、そのような不都合を避けるためには再設定頻度を高くする必要があるからである。
【0012】
したがって、上述の「車両到着時期を予測するための所定時間」が経過していなくても、走行案内している設定経路中において現在地から最も近い動的規制リンクに対する最も近い迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合には、経路再設定を指示するようにしてもよい。現在地から最も近い動的規制リンクに対する最も近い迂回可能な交差点より前において再設定された経路による走行案内がされないと実質的な効果がないため、迂回経路を設定できる最終タイミングにおいては必ず再設定の指示を出すようにしたものである。
【0013】
このように、動的規制リンクに対する最も近い迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合には経路再設定を指示するようにすれば、上述した「到達時期の予測に基づく再設定」を実行するタイミングである「所定時間毎」については、相対的に長い時間にしてもよい。なぜなら、迂回経路を設定できる最終タイミングにおいては必ず再設定の指示が出されるので、それ以外の場面においてはそれほど頻繁に再設定をしなくてもよくなるからである。
【0014】
なお、このように迂回可能な交差点より前において再設定された経路による走行案内を開始しなくてはならないので、迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合の「所定距離」については、次の点を考慮する必要がある。つまり、車速検出手段によって検出された車速と、経路再設定に要する処理時間とを考慮し、その迂回可能な交差点に車両が到達するまでに経路再設定が終了可能な距離とするのである。経路再設定に要する処理時間については想定される最大時間を固定的に用いればよいので、その時点での車速が大きいほど所定距離も大きくなる。
【0015】
また、経路の再設定が間に合わない場合や、車両運転手が走行案内を無視あるいは把握し誤るなどの理由で、通行規制が実施されている状態の動的規制リンクの進入口あるいはその進入口の近接位置に車両が到達してしまう場合が考えられる。したがって、その際には、進入先の動的規制リンクにおいて通行規制が実施されている旨を利用者に報知するか、あるいは走行案内自体を中止することが好ましい。報知の仕方については、例えば音声発声装置から音声にて出力したり、表示装置にて表示することが考えられるが、音声にて出力すれば、運転手は視点を表示装置にずらしたりする必要がないので、安全運転が一層良好に確保されるという点で好ましい。
【0016】
ところで、これまでは、動的規制リンクにおける規制が実施されない状態であるため動的規制リンクが含まれる経路が設定され、その設定された経路に基づいて走行案内をしている際、予想外の走行状態のため動的規制リンクにおける規制が実施される状況に変化した場合についての対処について説明した。しかし、逆に、経路設定の際には、ある動的規制リンクを通過すると仮定すると、そのリンクでの規制が実施されている状態であると判断して、その動的規制リンクを含まない経路を設定したが、走行状態によっては、その動的規制リンクにおける規制が実施されない状態にて当該リンクを通行できる状況に変化する場合も想定される。そして、その動的規制リンクにおける規制が実施されていることを前提に迂回経路を設定した場合に、その動的規制リンクを通行する経路の方が適切な経路であれば、その動的規制リンクを通行する経路を再設定することが好ましい。
【0017】
そこで、再設定指示手段が、次に示す所定のタイミングで経路再設定指示を出すようにすることが考えられる。
まず第1に、所定時間毎に再設定指示を出すことが考えられる。このようにすれば、その指示に応じて再設定した際に、従前の設定タイミングでは通行不可となっていた動的規制リンクが通行可に変化しており、その動的規制リンクを通る経路設定も可能となるため、仮にその動的規制リンクを通る経路の方が適切であれば、そちらを採用することができる。
【0018】
しかし、このように所定時間毎に再設定指示を出した場合には、結果的に再設定しても動的規制リンクを通過し得ない場合もあり、そうであるとすると、無駄な再設定処理が増えることとなってしまう。そこで、例えば所定時間毎に、その時点現在地から所定範囲内に前記動的規制リンクが存在するかどうかを判断し、存在している場合は、その時点での現在地から前記目的地までの経路を再設定するようにしてもよい。このようにすれば、近くに動的規制リンクがなく、動的規制リンクを通る経路を再設定するという事態が想定し難い場合には再設定がなされず、結果的に無駄な再設定処理を避けることができる。
【0020】
なお、以上説明した経路設定手段における経路設定の手法としては種々考えられるが、リンク情報およびリンク間接続情報に基づき、ダイクストラ法を用いた経路コストの算出を行い、経路コストが最小となるリンクの接続により目的地までの経路を設定する手法が一般的である。
【0021】
このように、本発明の車載用ナビゲーション装置によれば、記憶手段に記憶されたリンク情報やリンク間接続情報に基づいて経路設定をするタイプでありながら、時期的な通行規制がされる道路についても、その通行規制を考慮した適切な経路設定および案内が可能となるのである。
【0022】
なお、このような車載用ナビゲーション装置の前記経路設定手段および前記再設定指示手段を、コンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0024】
図1は本実施例の車載用ナビゲーション装置10の全体構成を示すブロック図である。本車載用ナビゲーション装置10は、「現在地検出手段」に相当する位置検出器24、地図データ入力器26、操作スイッチ群28、これらに接続されたナビECU30、そのナビECU30に接続された外部メモリ32、暦(年月日)及び時刻(時分秒)を計時可能なカレンダクロック31、表示装置34およびスピーカ35を備えている。なお、ナビECU30は通常のコンピュータとして構成されており、内部には、周知のCPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。
【0025】
前記位置検出器24は、周知のジャイロスコープ38、「車速検出手段」にも相当する車速センサ40および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(GlobalPositioning System)のためのGPS受信機42を有している。これらのセンサ等38,40,42は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々補間しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、さらに、地磁気によるものや左右の操舵輪の回転差などから得られる車両のステアリング角を累積して方向を求めるもの等を用いてもよい。
【0026】
また、前記地図データ入力器26は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データを含む各種データを入力するための装置である。「記憶手段」に相当する記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、その他の媒体を用いても良い。
【0027】
前記表示装置34はカラー表示装置であり、表示装置34の画面には、位置検出器24から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器26より入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路や設定地点の目印等の付加データとを重ねて表示することができる。
【0028】
さらに、スピーカ35を介し、音声にて走行案内をドライバーに報知するように構成されており、表示装置34による表示とスピーカ35からの音声出力との両方で、ドライバーに走行案内することができる。例えば、右折の場合には、「次の交差点を右折して下さい」といった内容を音声にて出力する。音声によりドライバーに報知すれば、ドライバーは視点を移動させること無く、設定した地点の交通情報を確認できるので、より一層の安全運転を達成できる。
【0029】
また、前記操作スイッチ群28は、例えば表示装置34と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、各種入力に使用される。そして、本車載用ナビゲーション装置10は、この操作スイッチ群28により目的地の位置を入力すると、ナビECU30は現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を形成し、表示装置34に表示すると共にスピーカ35を介して音声にて案内する、いわゆる経路案内機能を備えている。
【0030】
ナビECU30による経路設定は、概説すると次のようにして行われる。すなわち、ドライバーが表示装置34上の地図に基づいて目的地を入力すると、GPS受信機42から得られる衛星のデータに基づき車両の現在地が求められ、目的地と現在地との間に、ダイクストラ法によりコスト計算して、現在地から目的地までの最も短距離の経路を誘導経路として求める処理が行われる。そして、表示装置44上の道路地図に重ねて誘導経路を表示して、ドライバーに適切なルートを案内する。
【0031】
ダイクストラ法を用いた経路設定は、ノード間のリンクに対するリンク情報および通行規制を含むリンク間の接続情報とを用いて現在地から各ノードに至るまでの経路コスト(経路に対する評価値)を計算し、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、経路コストが最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定するものである。目的地までのつながった経路を設定するため、例えば一方通行あるいは歩行者専用道路のように、その道路へ進入できない場合には経路として採用できない。したがって、リンク間接続情報よりそのような通行規制があることが判れば、該当するリンクを除いて経路設定することとなる。
【0032】
ところで、通行規制といっても、例えば時間や曜日あるいは季節を限定して動的に規制の有無が変化する場合がある。例えば朝の通勤・通学時間帯のみ通行止めとなったり、日曜のみ通行止めとなったり、冬季のみ通行止めとなるというようなことである。この場合、その道路を恒常的に通行不可あるいは逆に通行可であるとして扱っていた。したがって、本来なら通行できる道路であるのにわざわざ迂回する経路が設定されてしまったり、逆に本来なら通行できない道路であるのに経路中に含まれてしまうため、実際にその道路に近づいた際に初めて進入できないことが判るといった不都合が生じてしまう。
【0033】
このような不都合を解消する目的で、例えば、経路を設定する際、現在時刻を基に、車両が規制対象の道路へ到達する時刻を予測し、その予測時刻において通行規制が有効であるか無効であるかを判断することも考えられている。しかしながら、一旦経路設定されても、車両の走行状態によっては、実際に規制対象道路へ到達する時刻における通行規制の有効・無効が合致しないことが考えられる。特に、現在地から規制対象道路までの距離が長い場合や途中の道路での渋滞度合いなどによっては、上述した到達予測時刻においてまだ規制対象道路に至っておらず、経路設定時においては通行可能であった道路が実際に到達した時刻においては通行不可であることも考えられる。逆に、経路設定時の予測では通行不可となっていた道路が、途中の走行状況によっては通行可能に変化していることも考えられる。この場合には、本来はその道路を通行すると近道であったにもかかわらず、わざわざ迂回した経路で走行するという状況も生じる。
【0034】
そこで、本車載用ナビゲーション装置10では、地図データ入力器26を介してCD−ROMやDVDなどの記憶媒体に記憶されている地図データ(リンク情報やリンク間接続情報)に基づいて経路設定することを前提としていながら、時期的な通行規制がされる道路についても、その通行規制を考慮した適切な経路設定および案内を実現できるようにした。
【0035】
したがって、次に本実施形態の車載用ナビゲーション装置10が、この点をどのような手法によって実現しているかを、図2以降を参照して説明する。
まず、前提として、上述の説明からも判るように、地図データ入力器26を介してデータを入力する記憶媒体には、車載用ナビゲーション装置10が扱う道路ネットワークデータが格納されている。この道路ネットワークデータのフォーマットには、リンクを特定するための固有の番号である「リンク番号」や、例えば有料道路かどうかなどを識別するための「リンク種別」、あるいはリンクの「始端座標」および「終端座標」や、リンクの長さを示す「リンク長」などのリンク自体に関するリンク情報と、それらリンク間の接続情報が含まれている。リンク間の接続情報には、例えば一方通行などの理由で通行が可か不可かを示すデータなどが設定されている。なお、同じリンクであっても、例えば一方通行の場合には、あるリンクからは通行可であるが別のリンクからは通行不可ということとなる。したがって、あくまでリンク間の接続態様によって通行可や通行不可が決定される。また、上述したように、時間や曜日あるいは季節を限定して動的に規制の有無が変化する場合には、その旨も記憶されている。つまり、8時〜9時に限って通行不可、日曜のみ通行不可、12月1日〜1月31日まで通行不可というようなことである。このような動的に規制状態が変化するリンクを動的規制リンクと呼ぶこととする。
【0036】
本ナビゲーション装置10は、このような動的規制リンクにおける規制実施期間と自車両がその動的規制リンクに到達すると予測される時刻とを考慮することを基本としながら、さらに、自車両の到達予測時期というのは、車両の走行状態によっては大きく変動することも考えられるため、その変動にも対応してより適切な経路設定をして走行案内をする。
【0037】
そこで、この経路設定の詳細について図を参照して説明する。
図2は、ナビECU30が実行するメイン処理を示すフローチャートである。処理が開始されると、最初のステップS10で目的地設定を行う。具体的には、ドイバーが操作スイッチ群28を操作して表示装置34上の地図に基づいて目的地を入力すると、それに応じて目的地設定がなされる(S10)。続いて、位置検出器24からのデータに基づき車両の現在地を求め(S20)、その後、カレンダクロック33から現在時刻を取得し(S30)、初期経路計算(S40)を実行する。
【0038】
ここで、S40での初期経路計算の詳細について、図3を参照して説明する。図3の初期経路計算ルーチンが開始すると、まず、探索始点ノードを確定し(S110)、その探索始点ノードへの到達時刻を計算した後(S120)、探索終点ノードを確定する(S130)。なお、S120での到達時刻とは、到達予測時刻のことである。以下の説明において「到達時刻」と記した場合は、特に断らない限り、到達予測時刻を意味する。
【0039】
また、S110での探索始点ノード及びS130での探索終点ノードは次のようにして確定する。すなわち、出発地及び目的地の座標より、それぞれ最も近いリンクを探し、それぞれのリンクにおいて、そのリンクの両端のノードの内、座標からリンクへ垂線を下ろした点を基準として、近い方のノードを探索始点ノード、探索終点ノードとして確定する。
【0040】
続いて、探索始点ノードを未確定ノードとして登録し(S140)、さらに、未確定ノードのうちコスト最小ノードを特定する(S150)。その特定ノードと探索終点ノードが一致していなければ(S160:NO)、特定ノードに接続するノードを検索する(図4のS170)。そして、それらのノードを接続するリンクに動的規制があるかどうかを判断し(S180)、動的規制があれば(S180:YES)、その動的規制の実施時期を参照して、特定ノードへの到達時刻時において当該接続リンクへ進入可能かどうかを判断する(S190)。
【0041】
当該接続リンクへ進入可能であれば(S190:YES)、接続ノードまでのコスト計算し(S200)、さらに接続ノードまでの到達時刻を計算した後(S210)、その接続ノードを未確定ノードとして登録する(S220)。その登録後はS230へ移行する。なお、S190にて否定判断、つまりその接続リンクへ進入不可であれば、S200〜S220の処理を実行せずにS230へ移行する。つまり、その場合のノードについてはコスト計算もされず、当然ながら未確定ノードとしての登録もされないので、未探索ノードのままである。
【0042】
一方、S180にて否定判断、つまり接続リンクに動的規制がない場合には、S240へ移行し、今度は静的規制があるかどうかを判断する。静的規制がなければ(S240:NO)、そのままS200へ移行する。また、静的規制があれば(S240:YES)、その接続リンクへ進入可能かどうかを判断する(S250)。そして、進入可の場合には(S250:YES)、S200へ移行し、進入不可の場合には(S250:NO)、S230へ移行する。静的規制の場合には、恒常的に進入可あるいは進入不可のいずれかであり、時期的な条件は関係ない。
【0043】
S230では、全ての算出接続ノードについて処理が終了したかどうかを判断する。この「全ての算出接続ノード」とは、未確定ノードのうちコスト最小ノードとして特定したノードに接続する全てのノードのことである。そして、処理が終了していなければ(S230:NO)、S180へ戻るが、終了していれば(S230:YES)、図3のS150へ戻る。このようにして、特定ノードと探索終点ノードとが一致するまで上述の処理を実行し、特定ノードと探索終点ノードとが一致した場合には(S160:YES)、経路探索が終了したということなので、図5のS260へ移行する。
【0044】
S260以降の処理内容を説明する前に、上述した経路探索についての理解を容易にするため、探索手法を概念的に示した図7,8を参照して、補足説明しておく。
まず、図7を参照して経路探索におけるノード種類について説明する。本実施例の場合には、図7,8中において■で示す確定ノード、同じく●で示す未確定ノード、同じく◎で示す特定ノード、同じく○で示す未探索ノードの4種類を考える。確定ノードは、既に検索されているノードで、さらにコストが確定しているノードを指す。また、未確定ノードは、既に検索されているノードであるが、コストはまだ確定されていないノードを指す。特定ノードは、未確定ノードの中からコスト最小となるものが1つ選ばれた場合のそのノードである。この特定ノードを基準として特定ノードに接続するノードを検索する(図4のS170参照)。特定ノードは、上記確定ノードに分類される。また、未探索ノードは、まだ一度も探索されていないノードである。
【0045】
次に、図8を参照して、未確定ノードから確定ノードへの移行および未探索ノードから未確定ノードへの移行について説明する。図8(a)に示すように、確定ノード(■)に接続する未確定ノード(●)が5つある場合を想定する。この5つの中で、コストが最小となるものが特定ノード(◎)とされる(図8(b)参照)。すると、その特定ノード(◎)に接続する3つの未探索ノード(○)が検索対象のノードとなるので、検索することによって、図8(c)に示すようにそれらが未確定ノード(●)とされる。このような処理を繰り返すことによって探索始点ノードから探索終点ノードまでの経路が設定される。
【0046】
フローチャートの説明に戻り、図5のS260以降の処理について説明する。上述したS250までの処理にて設定された経路リンクをナビECU30内の図示しない記憶領域に格納する(S260)。そして、その設定経路上において動的規制リンクを探し(S270)、その動的規制リンクを記憶領域に格納する(S280)。また、動的規制リンクについて、そのリンクから最も近い迂回可能交差点を算出し(S290)、その迂回可能交差点を記憶領域に格納する(S300)。さらに、動的規制を無視した最短経路を計算し、記憶領域に格納する(S310)。つまり、動的規制リンクについてはその動的規制がないリンクとして扱って最短経路を計算するのである。もちろん、このようにして計算した最短経路は、動的規制リンクを含む場合もあるし、含まない場合もある。なお、当然であるが、静的規制リンクの規制は当然有効であるので、静的規制リンクが含まれることはない。
【0047】
このような各種データの記憶領域への格納(S280,S300,S310)が終わると、S260にて格納した経路リンクを用いて、経路表示用データを作成する(S320)。そして、経路案内用データを作成した後(S330)、経路表示をしてから(S340)、本処理ルーチンを終了する。
【0048】
この初期経路計算ルーチンが終了すると、図2のS50へ移行して、走行案内を開始する。つまり、表示装置44上の道路地図に重ねて誘導経路を表示して、ドライバーに適切なルートを案内する周知の処理が開始される。
こうして走行案内を開始した後、S60では再計算実行判定を行う。この内容については後述するが、判定結果が再計算を要求するものであれば(S70:YES)、経路再計算を実行する(S80)。この経路再計算は、上述したS40の初期経路計算と同様の処理であり、探索始点が違うだけである。そして、この経路再計算がされた後は、S50へ戻って走行案内を開始し、さらに再計算実行判定を行う。一方、S60では再計算実行判定による判定結果が再計算を要求するものでなければ(S70:NO)、走行案内が終了するまで(S90:NO)、S60へ戻る。そして、走行案内が終了すれば本メイン処理が終了する。
【0049】
このように、経路計算をして設定された経路に基づく走行案内を開始した場合には(S50)、その後、再計算実行判定(S60)を常に行い、そこで再計算の必要があると判定されると経路再計算を行う(S80)。つまり、必要があれば何度でも経路再計算が行われる。
【0050】
それでは、次にS60での再計算実行判定の詳細について、図6を参照して説明する。
図6の再計算実行判定ルーチンが開始すると、まず、一定時間が経過したかどうかを判断する(S510)。なお、この一定時間とは、本装置のCPUの負荷を考慮したものとし、例えば5分に1回というようにしたものである。
【0051】
一定時間が経過していれば(S510:YES)、経路上の動的規制リンクへの進入予測時刻を計算し(S520)、その計算された進入予測時刻に動的規制リンクへ進入可能かどうかを判断する。この判断は、S520にて計算された進入予測時刻が動的規制リンクにおける規制実施期間中であるかどうかに基づいて行う。この点について図9を参照して補足説明する。S520での計算処理においては、その時点での現在地と現在時刻を基準として、現在地から目的地に向かって経路上のリンクを順に辿り、各ノードまたはリンク毎に、そこへの到達予測時刻を計算して記憶しておく(図9(b)参照)。そして、動的規制リンクを探索した時点で、そこへの到達予測時刻と、地図データ入力器26を介して記憶媒体から読み出して外部メモリ32等に記憶させておいた動的規制リンクの規制実施時間とを照らし合わせ、その到達予測時刻が規制実施期間中であるかどうかを判断するのである。例えば、図9(a)に示す例で言えば、ノード3が動的規制リンクであり、10時〜14時が進入不可となる規制時間である。この場合には、ノード3への到達予測時刻が10時00分30秒であり、規制時間内となる。
【0052】
そこで、到達予測時刻が規制実施期間中であれば(S530:YES)、S540へ移行して経路再計算要求をしてから本処理ルーチンを終了し、図2のメイン処理のS70へ移行する。この場合には、再計算要求されているので、S70にて肯定判断となり、S80での経路再計算が実行される。
【0053】
一方、動的規制リンクへ進入可能であれば(S530:YES)、そのまま本処理ルーチンを終了して、図2のメイン処理のS70へ移行する。なお、この場合には、再計算要求がないので、S70にて否定判断され、S90へ移行する。つまりS80での経路再計算は実行されない。
【0054】
このように、一定時間毎にS520,S530そして必要であればS540の処理が実行されるのであるが、一定時間が経過していなくても(S510:NO)、次のような判定処理がなされる。
まず、迂回可能交差点に近いかどうかが判定される(S550)。この「迂回可能交差点」とは、上述した図5のS290にて算出され、S300にて記憶領域に格納されていたものである。この判定は、迂回可能交差点に対してある一定の距離まで近づいたかどうかを判定する。また、ここでの「ある一定の距離」とは、車両がこの迂回可能交差点を通過する手前で経路再計算(図2のS80)が終了しているタイミングとなるような距離である。したがって、車速センサ40(図1参照)によって検出された車速と、経路再設定に要する処理時間とを考慮し、その迂回可能な交差点に車両が到達するまでに経路再設定が終了可能な距離を算出あるいは読み出して判定対象とするのである。つまり、経路再設定に要する処理時間については想定される最大時間を固定的に用いればよいので、その時点での車速が大きいほどこの「ある一定の距離」も大きくなる。
そして、迂回可能交差点に近ければ(S550:YES)、S540へ移行して経路再計算要求がされる。また、迂回可能交差点に近くなければ(S550:NO)、S560へ移行する。
【0055】
S560では、現在地からある一定範囲において、動的規制リンクがあるかどうかを判断する。この「一定範囲」とは例えば、現在地を中心とした半径XKmの円の領域内である。但し、Xは可変でよい。そして、一定範囲内に動的規制リンクがあれば(S560:YES)、やはりS540へ移行して経路再計算要求がされる。また、一定範囲内に動的規制リンクがなければ(S560:NO)、S570へ移行する。
【0056】
S570では、最短経路を外れるかどうかを判定する。この「最短経路」とは、上述した図5のS310にて算出され、記憶領域に格納されていたものであり、動的規制を無視して、動的規制リンクについては全て通行可能であると仮定して経路計算された場合の経路である。そして、この判定は、自車両が最短経路外れる手前のある一定の距離まで近づいたかどうかを判定する。この場合の「ある一定の距離」は、上述したS550でのものと同様である。
【0057】
そして、最短経路を外れるのであれば(S570:YES)、やはりS540へ移行して経路再計算要求がされるが、そうでなければ(S570:NO)、S510へ戻る。
つまり、基本的には、一定時間毎に経路上の動的規制リンクへの進入予測時刻を計算し、その計算された進入予測時刻に動的規制リンクへ進入可能でない状況に変化した場合には経路再計算要求をする(S510〜S540)。しかし、その一定時間が経過していなくても(S510:NO)、迂回可能交差点に近い場合(S550:YES)、一定範囲内に動的規制リンクがある場合(S560:YES)、あるいは最短経路を外れる場合(S570:YES)には、経路再計算要求をする(S540)。
【0058】
なお、本実施例においては、ナビECU30が、経路設定手段及び再設定指示手段に相当する。また、図2のS10〜S40,S80が経路設定手段としての処理の実行に相当し、図2のS60,S70が再設定指示手段としての処理の実行する相当する。
【0059】
以上説明したように、本車載用ナビゲーション装置10によれば、基本的な経路設定として次のような動作を行う。つまり、図10に示すように、ある経路設定時点で動的通行規制のある道路に対し、その道路への到達予測時刻が規制時間外であれば、その動的規制道路を通過する経路を設定でき、一方、規制時間内であれば、その動的規制道路を通過する経路が最短経路であったとしても、その動的規制道路を迂回する経路を設定する。
【0060】
そして、このように設定した経路については、その後も無条件で採用するのではなく、走行案内を開始してからも再計算の必要があるかどうかを常時判定し、必要であれば何度でも経路を再計算するようにしている(図2のS60〜S80参照)。これは、例えば図11(a)に示すように、当初の到達予測時刻においては動的通行規制のある道路に自車両が到達するまでにその規制は実施されないものとして動的規制リンクを含めて経路を設定してあったとしても、例えば渋滞度合いが予想外に大きく、車両の進行度合いが小さくなったため、図11(b)に示すように、このままでは動的規制リンクに到達した時点で既に規制が実施されていることも考えられる。
【0061】
したがって、一旦経路設定して走行案内を開始した場合でも、その後の車両走行状態による動的規制リンクへの到達時刻の変動に対応し、到達予測時刻において通行規制が実施されるため通行不可に変化した場合は経路再設定をする。これによって、動的規制リンクを含まない適切な経路を再設定することができる。
【0062】
また、本実施例の場合には、図6の再計算実行判定ルーチンに示すように、基本的には、一定時間毎に経路上の動的規制リンクへの進入予測時刻を計算し、その計算された進入予測時刻に動的規制リンクへ進入可能でない状況に変化した場合には経路再計算要求をする(S510〜S540)。このような周期処理だけで対応しようとすることを想定すると、その周期を非常に短くすれば、どのような事態にも対応できるが、その場合には、図6のS520及びS530の処理は毎回実行する必要が出てくるため、処理負荷が大きくなる。しかし、逆に処理周期を長くすると、例えば再設定した経路にて走行案内が開始された時点が、実際には迂回可能交差点を過ぎてからになることも考えられる。
【0063】
その点について本実施例では次のように対応している。つまり、一定時間が経過していなくても(S510:NO)、迂回可能交差点に近い場合は(S550:YES)、経路再計算要求をする(S540)。このように、動的規制リンクに対する最も近い迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合には(図12参照)経路再設定を指示するようにしているので、図6のS510において経過判定する「一定時間」は相対的に長い時間にしてもよい。なぜなら、迂回経路を設定できる最終タイミングにおいては必ず再設定の指示が出されるので、それ以外の場面においてはそれほど頻繁に再設定をしなくてもよくなるからである。
【0064】
一方、例えば図13(a)に示すように、当初の到達予測時刻においては動的通行規制のある道路で規制が実施されると判断してその動的通行規制道路を迂回した経路を設定してあったとしても、例えば予想外にスムーズに走行したため、図13(b)に示すように、その動的通行規制道路を通過することができる状態に変化する場合も考えられる。このような変化に対しても、本実施例の場合は適切に対応できる。つまり、図6の処理で言えば、一定範囲内に動的規制リンクがある場合(S560:YES)、あるいは最短経路を外れる場合(S570:YES)には、経路再計算要求(S540)をするため、これらの条件が成立するだけで経路が再設定される可能性があるからである。
【0065】
なお、このように動的通行規制道路を含まない経路を設定してあったものを、動的通行規制道路を含む経路に再設定させるためのタイミングとしては、まず第1に、所定時間毎に再設定指示を出すことが考えられる。このようにすれば、その指示を出した所定時間毎に再度最適な経路を設定できる機会が付与されるため、最適経路を設定できる可能性が高くなる。
【0066】
しかし、このように所定時間毎に再設定指示を出した場合には、結果的に再設定させたとしても、動的通行規制道路を通過しない経路が設定されてしまう場合もあり、そうであるとすると、無駄な再設定処理が増えることとなってしまう。したがって、図6のS560での判定のように、一定範囲内に動的規制リンクがある場合に経路再計算要求を出せば、近くに動的規制リンクがなく、動的規制リンクを通る経路を再設定するという事態が想定し難い場合の無駄な再設定処理を避けることができる。
【0067】
また、動的通行規制道路を通る経路の方が適切である場合とは、一般にその経路が最短経路となる場合である。そのため、本実施例では、そのような観点から動的規制は無視した仮想の最短経路を設定しておき、その最短経路を外れる場合(S570:YES)には、必ず経路再計算要求を出している。つまり、最適な経路を設定するという観点では、できるならば最短経路を設定するのが好ましいので、最短経路への再設定が可能な最後の機会において逃さず再設定要求する。
【0068】
このように、本実施例の車載用ナビゲーション装置10は、CD−ROMやDVDなどの記憶媒体に記憶されたリンク情報やリンク間接続情報に基づいて経路設定をするタイプでありながら、時期的な通行規制がされる道路についても、その通行規制を考慮した適切な経路設定および案内が可能である。
【0069】
なお、上記実施例の説明では言及していなかったが、例えば経路の再設定が間に合わない場合や、車両運転手が走行案内を無視あるいは把握し誤るなどの理由で、通行規制が実施されている状態の動的通行規制道路の進入口あるいはその進入口の近接位置に車両が到達してしまう場合が考えられる。したがって、その際には、進入先の動的通行規制道路において通行規制が実施されている旨を、例えばスピーカ35から音声にて利用者に報知することが好ましい。もちろん、表示装置34にて表示することもできる。但し、音声にて出力すれば、運転手は視点を表示装置34にずらしたりする必要がないので、安全運転が一層良好に確保されるという点で好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としての車載用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 実施例のナビECUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図3】 実施例のナビECUが実行する初期経路計算ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図4】 実施例のナビECUが実行する初期経路計算ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図5】 実施例のナビECUが実行する初期経路計算ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図6】 実施例のナビECUが実行する再計算実行判定ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図7】 経路設定手法を説明するための模式図である。
【図8】 経路設定手法を説明するための模式図である。
【図9】 動的通行規制のある道路への到達時刻の予測手法を説明するための模式図である。
【図10】実施例装置による効果を示すための模式図である。
【図11】実施例装置による効果を示すための模式図である。
【図12】実施例装置による効果を示すための模式図である。
【図13】実施例装置による効果を示すための模式図である。
【符号の説明】
10…車載用ナビゲーション装置 24…位置検出器
26…地図データ入力器 28…操作スイッチ群
30…ナビECU 31…カレンダクロック
32…外部メモリ 33…カレンダクロック
34…表示装置 35…スピーカ
38…ジャイロスコープ 38…センサ等
40…車速センサ 42…GPS受信機

Claims (9)

  1. 車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
    ノード間を接続するリンクについてのリンク情報および時期的に規制の有無が変わる動的通行規制の情報を含むリンク間接続情報を記憶している記憶手段と、
    その記憶手段に記憶されたリンク情報およびリンク間接続情報に基づき、前記動的通行規制がされるリンク(以下「動的規制リンク」)については、当該動的規制リンクにおいて通行規制が実施されている期間内に自車両がその動的規制リンクへ到達するか否かも加味して、前記現在地検出手段により検出された現在地から予め設定された目的地までの経路を設定する経路設定手段と、
    を備え、その経路設定手段によって設定された経路に基づいて走行案内を行う車載用ナビゲーション装置であって、
    前記経路設定手段にて設定された経路中に前記動的規制リンクが含まれている場合、その設定経路中において現在地から最も近い動的規制リンクへの車両到着時期を所定時間毎に予測し、その予測された車両到着時期が前記通行規制されている時期に該当する場合には、その時点での現在地から前記目的地までの経路を再設定するよう前記経路設定手段に対して指示する再設定指示手段を備え
    前記再設定指示手段は、前記経路設定手段によって設定された経路が、前記動的規制リンクを全て通行可能なリンクであると仮定して設定した仮想最短経路と一致しているかどうか判断し、一致してしない場合は、その時点での現在地から前記目的地までの経路を再設定するよう前記経路設定手段に対して指示すること、
    を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  2. 請求項1記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記再設定指示手段は、前記車両到着時期を予測するための所定時間が経過していなくても、走行案内している設定経路中において現在地から最も近い動的規制リンクに対する最も近い迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合には、前記経路再設定を指示すること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  3. 請求項2記載の車載用ナビゲーション装置において、
    さらに、前記車両の速度を検出する車速検出手段を備えており、
    前記迂回可能な交差点へ所定距離まで近づいた場合に経路再設定を指示する際の、当該所定距離とは、前記車速検出手段によって検出された車速と、前記経路再設定に要する処理時間とを考慮して求められるものであって、前記迂回可能な交差点に車両が到達するまでに前記経路再設定が終了可能な距離であること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記通行規制が実施されている状態の動的規制リンクの進入口あるいは当該進入口の近接位置に車両が到達した際には、進入先の動的規制リンクにおいて通行規制が実施されている旨を利用者に報知するか、あるいは前記走行案内自体を中止すること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記再設定指示手段は、所定時間毎に、その時点での現在地から前記目的地までの経路を再設定するよう前記経路設定手段に対して指示すること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記再設定指示手段は、所定時間毎に、その時点現在地から所定範囲内に前記動的規制リンクが存在するかどうかを判断し、存在している場合は、その時点での現在地から前記目的地までの経路を再設定するよう前記経路設定手段に対して指示すること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記再設定指示手段は、前記経路設定手段によって設定された経路が、前記仮想最短経路と一致していない場合の再設定を、前記現在地検出手段によって検出された車両の現在地が前記仮想最短経路を外れるまでに指示すること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置において、
    前記経路設定手段は、前記リンク情報およびリンク間接続情報に基づき、ダイクストラ法を用いた経路コストの算出を行い、経路コストが最小となるリンクの接続により前記目的地までの経路を設定するよう構成されていること、を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
  9. 請求項1〜のいずれか記載の車載用ナビゲーション装置の前記経路設定手段および前記再設定指示手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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