JP3718862B2 - 塩化ビニル系重合体の製造法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塩化ビニル系重合体の製造法に関し、詳しくは、重合後の塩化ビニル系重合体スラリーから未反応塩化ビニル系単量体を連続的に除去する方法において、品質の低下、生産性の低下を招くことなく未反応塩化ビニル系単量体を除去することができ、電線被覆、食品容器包装等に使用可能な塩化ビニル系重合体の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、塩化ビニル系重合体スラリーから未反応塩化ビニル系単量体を連続的に除去又は回収する段階においては、特開昭54−8693号公報及び特開昭56−22305号公報に溝状に処理通路を区画壁で区分された多孔板製棚段を装着した処理塔の多孔板製棚段上に被処理スラリーを導入し、多孔板の細孔を通じて下から水蒸気を噴射する処理方法が提案されている。この方法においては、多孔板製棚段上の被処理塩化ビニル系重合体スラリーが下方からの水蒸気の導入(噴射)によって泡立ちが生じる。このため泡立ちを抑える方法として、特開平6−107723号公報にスラリー液面上方に設置された別の噴射ノズルから水蒸気を該液面に噴射し、棚段下面及び装置内壁へ温水噴射リングから温水を噴射する方法が提案されている。
【0003】
また、特開昭53−114891号公報においては塩化ビニルの懸濁重合中の発泡を抑制する手段としてポリエーテル系消泡剤の使用が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のこれらの方法では、近年の加工成形性が改良され、フィッシュアイが少ない多孔性の塩化ビニル系重合体の製造法に適用した場合、多孔板製棚段上の被処理塩化ビニル系重合体スラリーからの泡立ちを抑えきれず、発生した泡に同伴されて処理装置内壁に付着した塩化ビニル樹脂粒子が高温の水蒸気に長時間曝されて劣化し、それが該内壁から剥離して塩化ビニル系重合体スラリー中に混入して異物の原因となるため、該スラリー供給量を低下させて運転しなければならず、単位時間当りの処理量が低下して生産性の低下を招いていた。
【0005】
また、ポリエーテル系消泡剤を使用する方法においては、モノマーストリッピング塔での泡立ちを抑えることができなかった。また、これらの消泡剤を重合後の塩化ビニル系重合体スラリーから未反応塩化ビニル系単量体を連続的に除去する行程に適用した場合、得られる製品の電気絶縁性を低下させるため電線被覆用途などには使用できないものであった。更にこれらの消泡剤は、塩化ビニル樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準(以下PL規格という)(塩ビ食品衛生協議会作成)に合致していない為に、食品容器包装用途に使用できないものである。
【0006】
そこで、本発明の目的は、多孔性で高い可塑剤吸収性を有し、かつフィッシュアイ特性の良好な塩化ビニル系重合体を製造する工程において、塩化ビニル系重合体スラリーから未反応塩化ビニル系単量体を連続的に除去又は回収する段階で、被処理塩化ビニル系重合体スラリーからの泡立ちを抑え、かつ乾燥後の製品(塩化ビニル樹脂)の電気絶縁性を低下させず、更に食品容器包装等に使用可能な塩化ビニル系重合体を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、水性媒体中で懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体(以下、PVCという)を製造する方法において、重合後の塩化ビニル系重合体スラリーに特定の消泡剤を添加した後にモノマーストリッピング塔へ供給することにより、生産性を低下させずにかつ高品質のPVCを得ることができることを見いだして本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤と分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体を製造する方法において、分散安定剤として以下に示す(A)と(B)を併用し得られた重合後の塩化ビニル系重合体スラリーにソルビタン脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルを添加した後にモノマーストリッピング塔へ供給するとともに、該塩化ビニル系重合体スラリー1m 当り1〜100kg/hに相当する水蒸気を塔内に下方から導入することを特徴とする塩化ビニル系重合体を製造する方法に関するものである。
(A)ケン化度が70〜90モル%かつ平均重合度が1500〜3000の部分ケン化ポリビニルアルコール一種以上及び/又はメトキシ置換度が26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース
(B)ケン化度が60モル%以下かつ平均重合度が100〜1000の部分ケン化ポリビニルアルコール一種以上
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明において用いられる塩化ビニル系単量体には、前記の通り塩化ビニル単量体それ自体のほか、塩化ビニル単量体を主体とする共重合可能な単量体の混合物が含まれる。そして、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、例えばエチレン,プロピレン等のオレフィン類、酢酸ビニル,ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル,セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸エステル、マレイン酸,フマル酸等のエステル類若しくはその無水物、スチレン等の芳香族ビニル化合物又はアクリロニトリル等が挙げられる。該共重合可能な単量体は塩化ビニル単量体に対し、通常20重量%以下の割合で使用できる。
【0011】
本発明において用いる分散安定剤は、多孔性で高い可塑剤吸収性を有しかつフィッシュアイ特性の良好な塩化ビニル系重合体を得るために、分散剤として以下に示す(A)と(B)を併用することが好ましい。
【0012】
(A)ケン化度が70〜90モル%かつ平均重合度が1500〜3000の部分ケン化ポリビニルアルコール(以下、PVAという)一種以上及び/又はメトキシ置換度が26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース。
【0013】
(B)ケン化度が60モル%以下かつ平均重合度が100〜1000のPVA一種以上。
【0014】
本発明において用いる油溶性重合開始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネイト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物又は過酸化水素等が挙げられる。そして、これらは一種または二種以上組合せて使用することが可能である。
【0015】
本発明におけるPVCの重合方法は特に限定はなく公知懸濁重合の条件で行われる。例えば、塩化ビニル系単量体当りに対して使用する水性媒体の量、重合開始剤の量、重合温度等は、従来から採用されている範囲でよい。また、必要に応じて、pH調整剤、重合度調節剤等は、本発明の効果に影響しない範囲内であれば使用して差し支えない。
【0016】
本発明において用いる消泡剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが使用される。ソルビタン脂肪酸エステル消泡剤としては、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート等を例示することができ、グリセリン脂肪酸エステル消泡剤としては、例えばグリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノカプレート、グリセリントリカプレート、グリセリントリパルミテート、グリセリンジオレート、グリセリントリオレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート又はジグリセリンラウレート等を例示することができる。これらの消泡剤は一種又は二種以上を併用して使用することが可能である。これらのソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルはPL規格のポジティブリストに合致しており、食品容器包装等の用途向け塩化ビニル樹脂の添加剤に使用しても、安全衛生上問題のない成分である。消泡剤添加量は特に限定されないが、少ないと消泡効果が弱く、多いと品質への影響が大きいので単位スラリー当り1ppmから1000ppmの範囲で使用するのが好ましい。
【0017】
消泡剤の添加時期は、重合終了後であれば特に限定はなく、例えば重合缶、ブローダウンタンク、中間のスラリータンク又はモノマーストリッピング塔への供給前などの段階があげられる。重合開始前の各資材仕込み時又は重合途中での消泡剤の添加では、モノマーストリッピング塔での消泡効果は得られない。
【0018】
消泡剤の添加方法は、原液、溶剤若しくは水の溶液または分散液で、重合缶若しくはブローダウンタンクへの一括添加またはモノマーストリッピング塔供給前の途中配管への連続添加などいずれの方法でもよい。
【0019】
モノマーストリッピング塔の運転条件は、被処理塩化ビニル系重合体スラリーから残留モノマーを除去するに十分な条件であれば良く特に制限されないが、通常塔内の被処理塩化ビニル系重合体スラリー温度は残留モノマーの除去が効率良く、得られた塩化ビニル系重合体の品質に問題が生じにくい点から60〜130℃が好ましく、塔内に下方から導入される水蒸気量は残留モノマーの除去が効率良く、経済的見地に優れる点から被処理塩化ビニル系重合体スラリー1m当り1〜100Kg/hである
【0020】
【実施例】
以下に、本発明の製造方法を実施例および比較例にもとづき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
実施例および比較例における評価は下記の方法により測定した。
【0022】
(フィッシュアイ)
塩化ビニル系重合体100重量部、トリオクチルトリメリテート60重量部、安定剤2重量部及び少量の群青を混合した後、150℃のロールで7分間混練して得られるシートの50cm2中に認められるフィッシュアイ数を測定した。
【0023】
(体積固有抵抗率)
塩化ビニル系重合体100重量部、ジー2ーエチルヘキシルフタレート50重量部及び安定剤4重量部を混合した後、150℃のロールで7分間混練して得られるシートを更に170℃、5分間プレスして70mmφのテストピースを得た。測定は、超絶縁抵抗計(アドバンテスト(株)製、商品名TR8601型)を使用した。
【0024】
実施例1
内容積が2立方メートルの撹拌機及びジャケット付きのステンレス製重合容器に、脱イオン水1100Kgを仕込み、次いでケン化度80モル%、平均重合度2600のPVA630gを仕込んだ。その後、真空ポンプで重合容器内圧が60Torrとなるまで脱気した。脱気後、塩化ビニル単量体900Kgを重合容器に仕込み、その後ケン化度45モル%、平均重合度300のPVA450gを水:メタノールの重量比が1:1である溶媒に溶解させた溶液を重合容器に仕込んだ。次ぎに重合開始剤として、t−ブチルパーオキシネオデカネート360gを仕込んでから撹拌を開始し更に昇温を開始し、温度57℃で重合を行った。所定重合温度までの昇温に40分間要した。内圧が6.0kg/cm2Gに降下した時点で反応を停止し、ついで未反応の塩化ビニル単量体を重合缶内で回収した後、ソルビタンセスキオレート50gを添加し、被処理塩化ビニル重合体スラリーを得た。
【0025】
つぎに、内径700mmφ、塔長5,000mmの覗き窓付きのステンレス製ストリッピング塔(シーブトレイ、5段)の下部より飽和水蒸気を被処理塩化ビニル重合体スラリー1m3当り30Kg/hで吹き込むと共に、塔頂より90℃の被処理塩化ビニル重合体スラリーを供給した。スラリー供給量は、ストリッピング塔のトップ及びボトムの覗き窓から目視で発泡状況を確認しながら増やしたところ、多孔板面積基準で1m2当り11.7m3/hが最大供給量であり、非処理塩化ビニル重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。脱モノマー後の塩化ビニル重合体スラリーは常法で乾燥し、製品を得た。
【0026】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0027】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が抑えられ、スラリー供給量を増やすことが可能となり単位時間当りのスラリー処理量を高くすることができた。また、得られた塩化ビニル重合体は電気絶縁性を低下させることがなかった。そして、使用した消泡剤はPL規格に合致しており、食品容器包装等の用途に使用可能である。
【0028】
実施例2
塩化ビニル重合体スラリーに、ソルビタンモノステアレート50gをアセトン溶液で添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0029】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り11.2m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0030】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0031】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が抑えられ、スラリー供給量を増やすことが可能となり単位時間当りのスラリー処理量を高くすることができた。また、得られた塩化ビニル重合体は電気絶縁性を低下させることがなかった。そして、使用した消泡剤はPL規格に合致しており、食品容器包装等の用途に使用可能である。
【0032】
実施例3
塩化ビニル重合体スラリーに、グリセリンモノオレート50gをアセトン溶液として添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0033】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り10.9m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0034】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0035】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が抑えられ、スラリー供給量を増やすことが可能となり単位時間当りのスラリー処理量を高くすることができた。また、得られた塩化ビニル重合体は電気絶縁性を低下させることがなかった。そして、使用した消泡剤はPL規格に合致しており、食品容器包装等の用途に使用可能である。
【0036】
実施例4
塩化ビニル重合体スラリーに、ソルビタンモノオレート40gとグリセリンジステアレレート40gをアセトン溶液で添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0037】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り11.2m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0038】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0039】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が抑えられ、スラリー供給量を増やすことが可能となり単位時間当りのスラリー処理量を高くすることができた。また、得られた塩化ビニル重合体は電気絶縁性を低下させることがなかった。そして、使用した消泡剤はPL規格に合致しており、食品容器包装等の用途に使用可能である。
【0040】
実施例5
塩化ビニル重合体スラリーに、ソルビタントリオレート30gとソルビタントリステアレレート30gをアセトン溶液で添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0041】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り10.9m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0042】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0043】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が抑えられ、スラリー供給量を増やすことが可能となり単位時間当りのスラリー処理量を高くすることができた。また、得られた塩化ビニル重合体は電気絶縁性を低下させることがなかった。そして、使用した消泡剤はPL規格に合致しており、食品容器包装等の用途に使用可能である。
【0044】
比較例1
塩化ビニル重合体スラリーに消泡剤を添加しない以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0045】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り6.5m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は12分間であった。
【0046】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0047】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が激しく、スラリー供給量を増やすことができないため単位時間当りの生産量が低いものであった。
【0048】
比較例2
塩化ビニル重合体スラリーに、ポリエーテル系消泡剤(第一工業製薬(株)、商品名アンチフロスF−244)50gを添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0049】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り11.7m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0050】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0051】
得られた塩化ビニル重合体は体積固有抵抗率が低く、電気絶縁性を要求される用途には適さないものであった。
【0052】
比較例3
塩化ビニル重合体スラリーに、脂肪酸WAX系消泡剤(サンノプコ(株)、商品名ノプコJMY:ポリエーテル系成分含有量40%)50gを添加した以外は実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0053】
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り10.9m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は7分間であった。
【0054】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0055】
得られた塩化ビニル重合体は体積固有抵抗率が低く、電気絶縁性を要求される用途には適さないものであった。
【0056】
比較例4
内容積が2立方メートルの撹拌機及びジャケット付きのステンレス製重合容器に、脱イオン水1100Kgを仕込み、次いでケン化度80モル%、平均重合度2600のPVA630gを仕込んだ。その後、真空ポンプで重合容器内圧が60Torrとなるまで脱気した。脱気後、塩化ビニル単量体900Kgを重合容器に仕込み、その後ケン化度45モル%、平均重合度300のPVA450gを水:メタノールの重量比が1:1である溶媒に溶解させた溶液を重合容器に仕込んだ。次ぎに重合開始剤として、t−ブチルパーオキシネオデカネート360g、消泡剤としてソルビタンセスキオレート50gをを仕込んでから撹拌を開始し更に昇温を開始し、温度57℃で重合を行った。所定重合温度までの昇温に40分間要した。内圧が6.0kg/cm2Gに降下した時点で反応を停止し、ついで未反応の塩化ビニル単量体を重合缶内で回収した後、被処理塩化ビニル重合体スラリーを得た。その後の操作については、実施例1に従った
発泡に問題がないモノマーストリッピング塔への最大スラリー供給量は、多孔板面積基準で1m2当り6.2m3/hであり、非処理ビニル塩化重合体スラリーの塔内における滞留時間は12分間であった。
【0057】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0058】
ここでは、モノマーストリッピング塔での発泡が激しく、スラリー供給量を増やすことができないため単位時間当りの生産量が低いものであった。
【0059】
【表1】
Figure 0003718862
【0060】
【表2】
Figure 0003718862
【0061】
【表3】
Figure 0003718862
【0062】
【発明の効果】
本発明の方法によると、電気絶縁性を低下させずかつ食品容器包装等に使用可能なPVCを生産性良く得ることができ、本発明の工業的価値はすこぶる大きいものである。

Claims (1)

  1. 塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合可能な単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体という)を油溶性重合開始剤と分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体を製造する方法において、分散安定剤として以下に示す(A)と(B)を併用し得られた重合後の塩化ビニル系重合体スラリーにソルビタン脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルを添加した後にモノマーストリッピング塔へ供給するとともに、該塩化ビニル系重合体スラリー1m 当り1〜100kg/hに相当する水蒸気を塔内に下方から導入することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造法。
    (A)ケン化度が70〜90モル%かつ平均重合度が1500〜3000の部分ケン化ポリビニルアルコール一種以上及び/又はメトキシ置換度が26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース
    (B)ケン化度が60モル%以下かつ平均重合度が100〜1000の部分ケン化ポリビニルアルコール一種以上
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