JP3718848B2 - 腫瘍サプレッサ蛋白質prb2、関連遺伝子産生物およびそれをコードするdna - Google Patents
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Description
発明の技術分野
本発明は、E1A形質転換ドメインに結合する網膜芽細胞腫系統群の腫瘍サプレッサ蛋白質(pRb2)に関するものである。さらに本発明は、pRb2をコードするDNAおよび関連遺伝子産生物にも関するものである。
発明の背景
多くの種類のヒト癌は現在では、細胞内における成長レギュレータの不均衡によって生ずると思われている。陰性制御の成長レギュレータの減少および/またはその失活は癌状態をもたらしうる。さらに陽性調節成長レギュレータの増加も癌状態を引き起こしうる。
最初の腫瘍サプレッサ遺伝子が同定されて以来、癌研究にて多くの努力は新たな腫瘍サプレッサ遺伝子の同定およびヒト癌におけるその関与に集中されている。多くの種類のヒト癌は、まだ同定されてない推定の腫瘍サプレッサ遺伝子における異型接合性の喪失[ラスコ等、アニュアル・レビュー・ジェネティックス、第25巻、第281〜296頁(1991)]により、クヌードソンの「ツーヒット」仮説[クノードソン、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス、USA、第68巻、第820〜823頁(1971)]にしたがって出現すると思われる。
最も研究された腫瘍サプレッサ遺伝子の1種は網膜芽細胞腫感受性遺伝子(rb)であり、その遺伝子産生物(pRb)は、細胞分裂の調節に重要な役割を演ずることが示されている。静止期の細胞においてpRbは、たとえばE2Fのような転写因子との相互作用による細胞サイクルに必要とされる遺伝子の転写を抑制することにより、細胞の静止状態を維持するのに貢献する[ワグナー等、ネイチャー、第352巻、第189〜190頁(1991);ネビンス、サイエンス、第258巻、第424〜429頁(1992);およびヒーベルト等、ジーンス・デベロップメント、第6巻、第177〜185頁(1992)]。この活性の喪失は、機能的pRbを置換した後のpRb細胞における形質転換表現型の復帰により証明されるように、細胞形質転換を誘発することができる[フアング等、サイエンス、第242巻、第1563〜1565頁(1988);ブックスタイン等、サイエンス、第247巻、第712〜715頁(1990);およびスメギ等、セル・グロース・ディファレンス、第1巻、第247〜250頁(1990)]。
細胞サイクルに入った後、pRbは細胞サイクル依存性キナーゼによりホスホリル化されると思われ[リース等、EMBOジャーナル、第10巻、第4279〜4290頁(1991);ヒュー等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第12巻、第971〜980頁(1992);ヒンズ等、セル、第70巻、第993〜1006頁(1992);マツシメ等、ネイチャー、第35巻、第295〜300頁(1992)]、これは転写因子からのその解離を可能にし、したがって細胞サイクルを介する進行に必要とされる遺伝子の発現を可能にすると思われる。注目すべきことに、pRbと細胞サイクルレギュレータ(たとえばサイクリン)および細胞サイクル依存性キナーゼとの結合はその機能に対する普遍的特性を示唆する。
しかしながら、ヒト癌におけるpRb関与は限られた数の腫瘍種類に限定され、前記仮説による普遍的機能は細胞種類−特異的に他の遺伝子産生物によっても発揮されうることを示唆する。相応に、マウスにおけるrb遺伝子のノックアウトは特定細胞種類に対してのみ数日間の胚発生後に影響を及ぼす[ジャックス等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス、USA、第68巻、第820〜823頁(1992);リー等、ネイチャー、第359巻、第288〜294頁(1992);クラーケ等、ネイチャー、第359巻、第328〜330頁(1992)]。
ヒトDNA腫瘍ウィルスからの数種の形質転換性蛋白質が細胞増殖を活性化させる能力は、細胞サイクルの調節に関与する細胞因子の同定につき有用な手段となっている。したがって細胞成長の陰性レギュレータは、網膜芽細胞腫遺伝子の産生物と共に生ずるので、これらウィルス蛋白質による失活の効果的標的となりうる。
アデノウィルスE1A、SV40 T抗原および乳頭腫ウィルスE7は、pRbに結合すると判明した3種のウィルス蛋白質である。この結合は、細胞サイクル遺伝子の発現に必要とされる転写因子の放出をもたらしうる[ネビンス、サイエンス、第258巻、第424〜429頁(1992);バンダラ等、ネイチャー、第351巻、第494〜497頁(1991)]。
これら3種のウィルス蛋白質に見られるモチーフの保持は、pRbとの相互作用および複合体形成を可能にする[モラン、Curr.Op.Gen.Dev.、第3巻、第63〜70頁(1993)]。アデノウィルスE1A蛋白質の場合、このモチーフは成長活性化に必要とされる形質転換性ドメイン2に位置する。さらにpRb関連産生物p107もこの領域で結合する[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989)]。
さらにドメイン2は、追加E1A−結合性蛋白質p130の相互作用の部位でもある[ギオルダーノ等、オンコジーン、第6巻、第481〜485頁(1991)]。これは、p130がpRbおよびp107に対する構造関連性を有することを示唆するようになった[モラン、Curr.Op.Gen.Dev.、第3巻、第63〜70頁(1993)]。
pRbおよびp107におけるE1A−結合性ドメインは「ポケット領域」と称する保持領域[ケリン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第10巻、第3761〜3769頁(1990);エビン等、セル、第66巻、第1155〜1164頁(1991)]であって、これら蛋白質の機能にて主たる役割を演ずると思われる。このポケットは2つの領域AおよびBにより構造的に形成され、これら領域はpRbおよびp107で保持されると共にpRbおよびp107における異なる寸法の非保持スペーサにより分離される。
pRbおよびp107の他に、E1Aに対する抗体を用いる共免疫沈澱実験により同定された他の細胞E1A−結合性蛋白質が存在する。これら細胞蛋白質は主ポリペプチドp300、p130、p60/サイクリンAおよび数種の他の副ポリヘプチドを包含する[イー等、バイロロジー、第147巻、第142〜153頁(1985);ハーロウ等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第6巻、第1579〜1589頁(1986);ギオールダーノ等、セル、第58巻、第981〜990頁(1989);ギオルダーノ等、サイエンス、第253巻、第1271〜1275頁(1991)]。N−末端領域への結合はp300に対し限定的であることが示され[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989);スタイン等、ジャーナル・バイロロジー、第64巻、第4421〜4427頁(1990)]、pRb2は常にこの領域に結合しなかった。E1A蛋白質の両ドメイン1および2は、次の群の蛋白質のE1A結合に必要であることが示されている:pRb、p107、p60/サイクリンAおよびp130[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989);ギオルダーノ等、サイエンス、第253巻、第1271〜1275頁(1991)]。さらに、E1A−928突然変異体はp107およびp60/サイクリンAに結合するが、pRbおよびp130には結合しないことが従来示されている。
pRbとたとえばE2Fのような転写因子との結合はポケット領域における相互作用によって生じ[レイショードフリ等、ジーン・ディベロップメント、第5巻、第1200〜1207頁(1991)]、p107もこの種の結合特性を発揮することが最近示された[カオ等、ネイチャー、第355巻、第176〜179頁(1992)]。さらにポケット領域は、pRb蛋白質の機能の欠如が形質転換表現型の獲得に関与すると思われる数種のヒト癌にて突然変異すると判明した[ヒュー等、EMBOジャーナル、第9巻、第1147〜1153頁(1990);フアング等、(1990)]。
細胞成長抑制に関与しうる新規なrb−関連遺伝子の同定および配列決定につきニーズが存在する。特定細胞種類にて同様に腫瘍サプレッサ活性を有するrbに関連する遺伝子およびその蛋白質産生物も必要とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は野生型および突然変異型のE1A蛋白質の略図である。突然変異型はpm928/961、dl 2−36、dl 38〜67およびdl 73〜120である。各突然変異の性質を図示する。
第2図は野生型E1A蛋白質とグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)蛋白質との融合作成物(レーン2)、並びにGST蛋白質に融合したE1A突然変異体作成物:すなわちdl 2〜36(レーン3)、dl 38〜67(レーン4)、dl 73〜120(レーン5)およびpm928/961(レーン6)に対するpRb2蛋白質の結合を示すSDS−PAGEゲルである。E1Aを融合してないGST蛋白質を比較(レーン1)として示し、これはpRb2蛋白質との結合を示さない。
発明の要点
本発明は、ヒトpRb2遺伝子DNA配列からなるDNA配列を含む組換DNAクローン化ビークルを提供する。好適DNA配列はSEQ ID NO:1による配列である。このDNAは、SEQ ID NO:2によるアミノ酸配列をコードする配列からなっている。
他の実施形態において本発明は、SEQ ID NO:2によるアミノ酸配列を主として有する蛋白質を提供する。好ましくはSEQ ID NO:2に対応する蛋白質はホスホリル化されない。
他の実施形態において本発明は上記クローン化ビークルのDNAにより形質転換された宿主細胞ラインを提供し、この宿主細胞ラインはクローン化ビークルからDNAを発現して蛋白質を産生させる。好ましくは、このDNAはSEQ ID NO:1による配列を有し、産生された蛋白質はSEQ ID NO:2による配列を有する。
発明の詳細な説明
pRb2蛋白質は、従来まだ配列決定されずかつ特性化されてない腫瘍サプレッサ蛋白質のpRb系列群の要員である。この蛋白質は、pRbおよびp107と同様にアデノウィルスE1A蛋白質に結合するのでpRb2と命名された。したがって、pRb2をコードするcDNA配列はpRb2遺伝子と命名された。rb遺伝子のドメイン1および2から得られたプローブを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して、次のようにpRb2 cDNA配列を同定した。
合成の退化(変性)オリゴヌクレオチドを、pRbおよびp107におけるスペーサにフランキングする保持アミノ酸配列に基づいて命名した。これらオリゴヌクレオチドをプライマーAおよびプライマーBと称し、pRb2 cDNA配列を分離すると共にクローン化させるPCRプライマーとして使用した。
プライマーAは、アミノ酸配列Phe−Tyr−Lys−Val−Ile−Glu(SEQ ID NO:3)をコードする18個のヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドである。プライマーAの5′末端も9個のヌクレオチドを含有してBamHI制限部位を形成する。プライマーBは、アミノ酸配列Gln−Asp−Leu−His−Arg−Asp(SEQ ID NO:4)をコードする18個のヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドである。プライマーBの5′末端も9個のヌクレオチドを含有してHindIII制限部位を形成する。
18量体プライマーAおよびBのそれぞれはpRbおよびp107のポケット領域における保持部分に対応する。2個の制限部位(プライマーAについてはBamHIおよびプライマーBについてはHindIII)を用いて、増幅PCR断片を市販入手しうるベクター(pBlueスクリプト、ストラタジーン社、ラ・ヨラ、CA)に便利にサブクローンさせた。
PCR産生物を、ヒト293およびHeLa細胞からcDNA保存物(ライブラリー)をスクリーニングするためのプローブとして使用した。このスクリーニングから、数種の陽性クローンを同定した。これらクローンを配列決定すると共に、全長cDNAを含有するクローンにつき分析した。
HeLa cDNAクローンの1種は、コザック開始配列[コザック、ジャーナル・モレキュラ・バイオロジー、第196巻、第947〜950頁(1987)]に適合しうる推定開始コドンを含有した。このクローンは、3,249塩基対下流停止コドンで終端する独特の読取枠を示した(SEQ ID NO:1参照)。完全配列は、推定開始部位を含まない読取枠の上流55塩基対およびポリAテールで終端する3′非コード化領域を含む。この読取枠は約120kDの推定分子量を有する1,082個のアミノ酸のポリペプチド(SEQ ID NO:2)をコードした。このcDNAクローンをrb2と称し、したがってコード化蛋白質をpRb2と命名した。
蛋白質pRb2の配列(SEQ ID NO:2)はpRbおよびp107蛋白質の配列と比較してp107に対し53%の高レベルの同一性およびpRb2に対し32%の同一性を示す。これは、p107に対するpRb2の一層近い関係を示唆する。これら3種の蛋白質におけるアミノ酸配列の部分比較は、ポケット領域がpRb2中に主としてドメインAおよびBのレベルで明かに保持されることを示す。これは、pRb2がpRbおよびp107と同様な性質、たとえばポケット領域を介して生ずることが知られた細胞サイクル関連の蛋白複合体の形成を示唆する。これは、pRb2が細胞サイクルのメカニズムに関与することを示唆する。さらに、pRb2とp107との間のCおよびN−末端部分に見られる高い同一性は、pRb2およびp107をpRbから区別させうるp107およびpRb2の機能における前記領域の役割を示唆する。
pRb2 cDNAクローンを、線状化pBlueスクリプト−pRb2に対するT7 RNAポリメラーゼキャッピング反応によりインビトロでRNAセグメントに転写させた。得られた転写生成物(RNAセグメント)をフェノール/クロロホルム溶液で抽出すると共にエタノール溶液で沈澱させた。
転写生成物を、ウサギ網状赤血球溶解物(プロメガ、バイオテク社、マジソン、WI)および放射性標識としてのS35−メチオニンを用いて蛋白質中へインビトロ翻訳するための基質として使用した[ペルハム等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第67巻、第248〜256頁(1976)]。数種の切形型蛋白質を産生させた。最大pRb2蛋白質型は、SDS−PAGEにより約120kDまで移動した。最も顕著なバンドは約90kDまで移動した蛋白質型に相当し、第3の蛋白質型は85kDまで移動することが判明した。
分離の後、120kDのpRb2蛋白質、並びにその90kDおよび85kD切形型をE1A蛋白質結合特性につき試験した。E1A結合結果を、pRbおよびp107蛋白質のE1A結合特性と比較した。pRbおよびp107の両蛋白質は、その各ポケット領域を介しアデノウィルスE1A蛋白質に結合する。pRb2蛋白質により示されるE1A蛋白質結合は、pRb2蛋白質が細胞分裂の調節に重要な役割を有することを示す。pRb2のE1A結合能力を次のように決定した。
野生型および突然変異型のE1A蛋白質が得られた。突然変異の性質を第1図に示す。結合分析を行って、翻訳溶液が予め除去されたインビトロ翻訳pRb2蛋白質(120kDおよび切形型90kDおよび85kD蛋白質)に対する野生型および突然変異型E1A蛋白質の結合につき試験した。これら3種のインビトロ翻訳された主型pRb2蛋白質のそれぞれはE1Aに結合した。
E1AのN−末端部分を含むE1A欠失突然変異(dl 2〜36)はE1Aに対するpRb2の結合に影響を与えなかった。pRb2の結合は、E1Aの形質転換性ドメイン(E1A突然変異体dl 38〜67およびdl 73〜120)を含む欠失突然変異によっても影響されなかった。これは、E1Aに対するpRb2の結合がE1Aのこれら領域を介し生じないことを示唆する。しかしながら、pRb2蛋白質が結合する能力は、E1Aの形質転換性ドメイン2における二重点突然変異(double point mutation)を有するE1A突然変異蛋白質(Cysが位置124におけるGlyにつき置換され、かつLysが位置135にてGluにつき置換されたE1A突然変異体pm928/961)を使用した場合には、殆ど完全に排除された。したがって、pRb2に結合するには、E1Aの形質転換性ドメイン2が必要とされる。これは、pRb2のE1A−結合能力が少なくとも部分的にE1Aの形質転換活性に関与することを示唆する。
pRb2蛋白質は分子量においてp130蛋白質に類似すると共にこれら両者はE1A野生型および突然変異体の蛋白質に対し類似の結合特性を有するが、これら2種の蛋白質は同一でない。p130蛋白質はSerおよびThr残基にてホスホリル化されるのに対し、pRbはホスホリル化されない。さらに、p130は2種以上のホスホリル化型で存在する。
pRb2 cDNAを含有するpBlueスクリプト−pRb2と称するクローン化ベクターを1993年8月11日付けでアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックビル、MDに寄託し、受託番号75521が付与された。
pRb2 cDNAを含有するプラスミドを含んだイー・コリpBlueスクリプト−pRb2と称するイー・コリ細菌株を1993年8月11日付けでATCC、ロックビル、MDに寄託し、受託番号69383が付与された。
遺伝子工学の分野における当業者には、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列または本発明のpRb2蛋白質をコードする関連配列を使用して、微生物過程によりpRb2蛋白質を産生させることが周知されている。pRb2を産生させるためのSEQ ID NO:1のヌクレオチド配列の使用は、本発明によるpBlueスクリプト−pRb2クローン化ベクターを用いることにより当業者に一層容易となる。
pRb2蛋白質をコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに融合させると共に宿主(すなわち真核性(酵母もしくは哺乳動物細胞)または原核性(細菌細胞))への形質転換もしくはトランスフェクトは、他の周知の蛋白質、たとえばインシュリン、インターフェロン、ヒト成長ホルモン等を産生させる際に使用される標準的方法である。その同様な手法または明らかな改変を用いて本発明に相当する微生物手段または哺乳動物組織培養技術によりpRb2蛋白質を作成することもできる。
pRb2蛋白質をコードする核酸分子を、組換pRb2蛋白質を産生させるための標準的組換DNA技術に使用するため公知のベクターに挿入することができる。標準的組換DNA技術はサムブルック等編、モレキュラ・クローニング:ラボラトリー・マュニアル、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス社(1989)およびアウスイーベル等、カレント・プロトコールス・イン・モレキュラ・バイオロジー、J.ウィリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク、NY(1991)に記載された技術を包含する。ベクターは円形もしくは非円形とすることができる。宿主は原核性でも真核性でもよい。好適な原核性宿主はイー・コリを包含する。好適な真核性宿主は酵母、昆虫および哺乳動物細胞を包含する。好適な哺乳動物細胞は霊長類細胞、たとえばサル ウィルスにより形質転換されたサル細胞(たとえばCOS細胞)、ヒト細胞および支那ハムスター卵巣(CHO)細胞を包含する。
当業者は、SEQ ID NO:1で示したcDNA断片がpRb2をコードする唯一のDNA断片であるという事実を了解するであろう。pRb2をコードする実質的な類似性を持った他の均等なDNAセグメントも直ちに具体化されよう。さらに本発明は、この種の均等DNA配列をも包含する。
さらに、SEQ ID NO:2における均等アミノ酸の置換もpRb2蛋白質活性に影響を与えないと思われる。これらアミノ酸置換も当業者により具体化されよう。この種の均等アミノ酸配列も本発明に包含される。
以下、限定はしないが実施例により本発明を例示する。
実施例
実施例1:pRb2 cDNAおよびアミノ酸配列の取得
A.PCRプライマーの合成
プライマーAおよびBを標準的オリゴヌクレオチド合成技術により合成し、精製した。
プライマーAは、SEQ ID NO:3によるポリペプチド配列をコードする18個のヌクレオチドを含有した。5′末端は9個の追加ヌクレオチドを有して、BamHI制限部位を形成した。プライマーBは、SEQ ID NO:4によるポリペプチド配列をコードする18個のヌクレオチドを含有した。5′末端は9個の追加ヌクレオチドを有し、HindIII制限部位を形成した。
B.ヒト293 cDNA保存物のPCR増幅
λ−ZAPII cDNA保存物を、標準技術を用いてヒト293細胞からのRNAの逆転写によって得た。cDNA保存物を上記実施例1AからのプライマーAおよびBによりPCRを介して増幅させた。PCRは、ジェネアンプ(登録商標)をキット[パーキン・エルマー・シータス社、ノーウォーク、CN)を用いて製作業者の指針にしたがい行った。要するに、94℃における1分間の変性と37℃における1分間のアニールと68℃における2分間の延長とを含む30サイクルを行った後、15分間の延長を行った。この結果、pRbおよびp107セグメントの他に、1kb断片のPCR増分が生じた。
C.1kb断片のサブクローン化およびヌクレオチド配列決定
増幅された1kb断片をpBlueスクリプト ベクター(ストラタジーン)にサブクローン化させた。サブクローン化の後、ヌクレオチド配列決定をシクエナーゼキット(ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカルス社)のジデオキシ法により行った。1kb断片のヌクレオチド配列はpRbおよびp107の各cDNAに対し或る程度のホモロジーを示した。
D.293およびHeLa細胞からのcDNA保存物の検定
1kb断片を、追加cDNA保存物をスクリーニングするためのプローブとして用いた。それぞれヒト293およびHeLa細胞(ストラトジーン)からのλ−ZAPII cDNA保存物を、ランダム プライマー法(ベーリンガー・マンハイム社)によりα−P32−CTPで標識された1kb断片を用いてスクリーニングした。要するに、λ−ZAPファージを大腸菌BB4菌株の細菌に吸着させると共に寒天培地に塗沫した。ニトロセルロースフィルタを高厳密プロトコールにてPCRプローブにハイブリッド化させ、このプロトコールは予備ハイブリッド化混合物:すなわち5×SSPE、10×デンハルト溶液、150μg/mLニシン精子DNA、50%ホルムアミドおよび2%SDSを含んだ。ハイブリッド化混合物はこの予備ハイブリッド化混合物に106cpm/mLの1kb PCRプローブを添加した。さらに、それぞれ42℃にて20分間にわたり0.2×SSCおよび0.1%SDSで3回洗浄した。
E.検定からの陽性クローンの分析
実施例1Dの検定過程から数種の陽性クローンを見出した。インビボ切除(ストラタジーン)を数種の陽性λ−ZAPクローンにつき行った。cDNAクローンを含有するpBlueスクリプト ベクターが得られた。これらcDNAクローンを再現させると共に、各cDNAクローンのヌクレオチド配列決定を実施例1Cに上記したように行った。この配列決定の結果を、1kb断片を含む全長cDNAにつき解析した。
HeLa cDNAクローンの1種は、コザック開始配列に適合しうる推定開始コドンを含有した。このクローンは、3,249塩基対下流停止コドンで終端する独特の読取枠を示した(SEQ ID NO:1参照)。完全配列は推定開始部位を含まない読取枠の上流の55塩基対およびポリAテールで終端する3′非コード化領域を含んだ。この読取枠は、約120kDの推定分子量を有する1,082アミノ酸のポリペプチド(SEQ ID NO:2)をコードした。このcDNAクローンをrb2と命名し、したがってコードされた蛋白質をpRb2と命名した。pRb2遺伝子でクローン化させたpBlueスクリプト ベクターをpBlueスクリプト−pRb2と命名した。
蛋白質pRb2の配列(SEQ ID NO:2、これは対応のcDNA配列から得られる)は、pRbおよびp107蛋白質配列と比較して、p107に対し53%およびpRbに対し32%の高レベルの同一性を示した。これは、p107に対するpRb2の一層近い関係を示唆する。これら3種の蛋白質配列の部分比較は、ポケット領域がpRb2に主としてドメインAおよびBのレベルで明かに保持されることを示す。
実施例2:インビトロ翻訳pRb2のE1A結合
A.pBlueスクリプト−pRb2の転写および翻訳
実施例1EのpBlueスクリプト−pRb2 cDNAクローンを、線状化pBlueスクリプト−pRb2に対するT7 RNAポリメラーゼ キャッピング反応によりインビトロでRNAセグメントに転写させた。得られた転写生成物(RNAセグメント)をフェノール/クロロホルム溶液で注出すると共に、エタノール溶液で沈澱させた。
転写生成物RNA断片を、ウサギ網状赤血球溶解物(プロメガ、バイオテク社、マジソン、WI)および放射性標識としてのS35−メチオニンを用いて、蛋白質中にインビトロ翻訳するための基質として用いた[ペルハム等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第67巻、第248〜256頁(1976)]。数種の切形型の蛋白質を産生させた。最大のものは、SDS−PAGEにより約120kDまで移動した。これらバンドの最も顕著なものは約90kDまで移動し、第3のものは85kDまで移動することが判明した。
B.野生型および突然変異型E1A蛋白質の取得
野生型および突然変異型のE1A蛋白質を得た。突然変異型はpm928/961、dl 2〜36、dl 38〜67およびdl 73〜120であった。突然変異の性質を第1図に示す。野生型および突然変異型のE1AをpGEX−2Tにサブクローン化させると共に、GST−融合蛋白質としてイー・コリで発現させた。E1A蛋白質を次いで標準技術によりイー・コリ培養物から分離した。
C.pRb2およびE1A蛋白質の結合分析
結合分析を行って、実施例2Bの野生型および突然変異型E1A蛋白質と翻訳溶液が予備除去された実施例2Aのインビトロ翻訳pRb2蛋白質との結合につき試験した。pRb2蛋白質(120kD、90kDおよび85kD)をグルタチオン−セファロースおよびGST−グルタチオン−セファロースの各ビーズにより、1mMのDTTと1mMのPMSFと10μg/mLのロイペプチンとを含有するNETN緩衝液にて4℃で予備清澄させた。
2μgの各E1A蛋白質を予備清澄されたpRb2と共に4℃にて1時間培養し、グルタチオン−セファロースビーズを添加し、次いでさらに1時間培養した。これら蛋白質を標準プロトコールにしたがいSDS−PAGEにより分割し、フジ写真画像解析装置を用いて蛋白質シグナルを発生させた。
結合分析の結果を第2図に示し、これは野生型E1A(レーン2)およびE1A突然変異体作成物:すなわちdl 2〜36(レーン3)、dl 38〜67(レーン4)、dl 73〜120(レーン5)およびpm928/961(レーン6)に対する結合を示すSDS−PAGEである。E1Aが融合してないGSTを比較(レーン1)として含ませた。外生RNAを持たないウサギ網状赤血球翻訳反応から生じたインビトロ翻訳生成物をも比較として含ませ、これは何らのシグナルを与えなかった(図示せず)。
主たる3種のインビトロ翻訳されたpRb2蛋白質のそれぞれ(120kD、90kDおよび80kD)はE1Aに結合した。E1AのN−末端部分を含む欠失突然変異(dl 2〜36)はpRb2の結合に対し影響を与えなかった。pRb2に対するE1A結合はdl 38〜67またはdl 73〜120欠失突然変異により影響を受けず、これら両者はE1Aの形質転換性ドメイン1を含む。これは、E1Aに対するpRb2の結合がこれら領域では生じないことを示唆する。しかしながら結合は、E1Aの形質転換性ドメイン2における二重点突然変異を有するE1A融合蛋白質(E1A突然変異体pm928/961、ここでCysは位置124にてGlyにつき置換され、Lysは位置135にてGluにつき置換された)を用いた場合には、ほぼ完全に排除された。したがって、pRb2に対する結合にはE1Aの形質転換性ドメイン2が必要とされる。これは、pRb2のE1A−結合能力が少なくとも部分的にE1Aの形質転換活性に関与することを示唆する。
比較目的で、pRbおよびp107蛋白質を得ると共に、野生型および突然変異型E1A蛋白質に対する結合分析を行った。pRb2蛋白質は、pRbおよびp107蛋白質に類似する結合特性を示した。
pRb2蛋白質はpRb蛋白質と同様にE1A蛋白質を結合するので、このpRb2蛋白質はアデノウィルスE1AまたはE1A蛋白質に関連するオンコプロテインを産生する関連DNAウィルスで感染された細胞を同定するための有用な診断手段となる。pRb2のE1A結合能力により、この蛋白質はアデノウィルスE1Aで感染された細胞に投与することができ、E1Aオンコ蛋白質の作用を逆転させる細胞成長サプレッサとして作用することができる。E1A蛋白質作用のこの逆転は、網膜芽細胞腫の癌腫瘍における細胞成長の均衡を回復させる。したがって、pRb2はたとえば網膜芽細胞腫の両眼間癌のような種々の癌を処置するため腫瘍サプレッサ剤として有用であると思われる。さらにpRb2はE1A蛋白質に関連した配列を有する他のDNA腫瘍ウィルスオンコ蛋白質を結合および同定するための有用な研究手段にもなりうる。
合成、作成および分析の各手法に関し引用した刊行物を全て参考のためここに引用する。
以上、本発明を実施例につき詳細に説明したが、本発明の思想および範囲を逸脱することなく各種の改変をなし得ることが当業者には了解されよう。
配列リスト
(1)一般的情報:
(i)出願人:アントニオ ジオルダーノ
(ii)発明の名称:腫瘍サプレッサ蛋白質PRB2、関連遺伝子産生物およびそれをコードするDNA
(iii)配列の数:4
(iv)通信宛先:
(A)宛名:サイデル、ゴンダ、ラボンニャ アンド モナコ、P.C.
(B)町名:ツー ペン センター、スウート1800
(C)市名:フィラデルフィア
(D)州名:ペンシルバニア
(E)国名:アメリカ合衆国
(F)ZIP:19102
(v)コンピュータ解読フォーム:
(A)メディア種類:ディスケット、3.50インチ、720Kb
(B)コンピュータ:IBM PS/2
(C)作動システム:MS−DOS
(D)ソフトウエアー:ワードパーフェクト5.1
(vi)現出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:1994年8月12日
(C)分類:
(vii)先行出願データ:
(A)出願番号:US 08/106,493
(B)出願日:1993年8月12日
(viii)代理人の情報:
(A)氏名:ダニエル エイ モナコ
(B)登録番号:30,480
(C)参照番号:6056−188 PC
(ix)電信情報:
(A)電話:(215)568−8383
(B)テレファックス:(215)568−5549
(2)SEQ ID NO:1の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:3249塩基対
(B)種類:核酸
(C)鎖型:一本鎖
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:1:
(3)SEQ ID NO:2の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1082アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:2:
(4)SEQ ID NO:3の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:6アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:3:
(5)SEQ ID NO:4の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:6アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:4:
本発明は、E1A形質転換ドメインに結合する網膜芽細胞腫系統群の腫瘍サプレッサ蛋白質(pRb2)に関するものである。さらに本発明は、pRb2をコードするDNAおよび関連遺伝子産生物にも関するものである。
発明の背景
多くの種類のヒト癌は現在では、細胞内における成長レギュレータの不均衡によって生ずると思われている。陰性制御の成長レギュレータの減少および/またはその失活は癌状態をもたらしうる。さらに陽性調節成長レギュレータの増加も癌状態を引き起こしうる。
最初の腫瘍サプレッサ遺伝子が同定されて以来、癌研究にて多くの努力は新たな腫瘍サプレッサ遺伝子の同定およびヒト癌におけるその関与に集中されている。多くの種類のヒト癌は、まだ同定されてない推定の腫瘍サプレッサ遺伝子における異型接合性の喪失[ラスコ等、アニュアル・レビュー・ジェネティックス、第25巻、第281〜296頁(1991)]により、クヌードソンの「ツーヒット」仮説[クノードソン、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス、USA、第68巻、第820〜823頁(1971)]にしたがって出現すると思われる。
最も研究された腫瘍サプレッサ遺伝子の1種は網膜芽細胞腫感受性遺伝子(rb)であり、その遺伝子産生物(pRb)は、細胞分裂の調節に重要な役割を演ずることが示されている。静止期の細胞においてpRbは、たとえばE2Fのような転写因子との相互作用による細胞サイクルに必要とされる遺伝子の転写を抑制することにより、細胞の静止状態を維持するのに貢献する[ワグナー等、ネイチャー、第352巻、第189〜190頁(1991);ネビンス、サイエンス、第258巻、第424〜429頁(1992);およびヒーベルト等、ジーンス・デベロップメント、第6巻、第177〜185頁(1992)]。この活性の喪失は、機能的pRbを置換した後のpRb細胞における形質転換表現型の復帰により証明されるように、細胞形質転換を誘発することができる[フアング等、サイエンス、第242巻、第1563〜1565頁(1988);ブックスタイン等、サイエンス、第247巻、第712〜715頁(1990);およびスメギ等、セル・グロース・ディファレンス、第1巻、第247〜250頁(1990)]。
細胞サイクルに入った後、pRbは細胞サイクル依存性キナーゼによりホスホリル化されると思われ[リース等、EMBOジャーナル、第10巻、第4279〜4290頁(1991);ヒュー等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第12巻、第971〜980頁(1992);ヒンズ等、セル、第70巻、第993〜1006頁(1992);マツシメ等、ネイチャー、第35巻、第295〜300頁(1992)]、これは転写因子からのその解離を可能にし、したがって細胞サイクルを介する進行に必要とされる遺伝子の発現を可能にすると思われる。注目すべきことに、pRbと細胞サイクルレギュレータ(たとえばサイクリン)および細胞サイクル依存性キナーゼとの結合はその機能に対する普遍的特性を示唆する。
しかしながら、ヒト癌におけるpRb関与は限られた数の腫瘍種類に限定され、前記仮説による普遍的機能は細胞種類−特異的に他の遺伝子産生物によっても発揮されうることを示唆する。相応に、マウスにおけるrb遺伝子のノックアウトは特定細胞種類に対してのみ数日間の胚発生後に影響を及ぼす[ジャックス等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス、USA、第68巻、第820〜823頁(1992);リー等、ネイチャー、第359巻、第288〜294頁(1992);クラーケ等、ネイチャー、第359巻、第328〜330頁(1992)]。
ヒトDNA腫瘍ウィルスからの数種の形質転換性蛋白質が細胞増殖を活性化させる能力は、細胞サイクルの調節に関与する細胞因子の同定につき有用な手段となっている。したがって細胞成長の陰性レギュレータは、網膜芽細胞腫遺伝子の産生物と共に生ずるので、これらウィルス蛋白質による失活の効果的標的となりうる。
アデノウィルスE1A、SV40 T抗原および乳頭腫ウィルスE7は、pRbに結合すると判明した3種のウィルス蛋白質である。この結合は、細胞サイクル遺伝子の発現に必要とされる転写因子の放出をもたらしうる[ネビンス、サイエンス、第258巻、第424〜429頁(1992);バンダラ等、ネイチャー、第351巻、第494〜497頁(1991)]。
これら3種のウィルス蛋白質に見られるモチーフの保持は、pRbとの相互作用および複合体形成を可能にする[モラン、Curr.Op.Gen.Dev.、第3巻、第63〜70頁(1993)]。アデノウィルスE1A蛋白質の場合、このモチーフは成長活性化に必要とされる形質転換性ドメイン2に位置する。さらにpRb関連産生物p107もこの領域で結合する[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989)]。
さらにドメイン2は、追加E1A−結合性蛋白質p130の相互作用の部位でもある[ギオルダーノ等、オンコジーン、第6巻、第481〜485頁(1991)]。これは、p130がpRbおよびp107に対する構造関連性を有することを示唆するようになった[モラン、Curr.Op.Gen.Dev.、第3巻、第63〜70頁(1993)]。
pRbおよびp107におけるE1A−結合性ドメインは「ポケット領域」と称する保持領域[ケリン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第10巻、第3761〜3769頁(1990);エビン等、セル、第66巻、第1155〜1164頁(1991)]であって、これら蛋白質の機能にて主たる役割を演ずると思われる。このポケットは2つの領域AおよびBにより構造的に形成され、これら領域はpRbおよびp107で保持されると共にpRbおよびp107における異なる寸法の非保持スペーサにより分離される。
pRbおよびp107の他に、E1Aに対する抗体を用いる共免疫沈澱実験により同定された他の細胞E1A−結合性蛋白質が存在する。これら細胞蛋白質は主ポリペプチドp300、p130、p60/サイクリンAおよび数種の他の副ポリヘプチドを包含する[イー等、バイロロジー、第147巻、第142〜153頁(1985);ハーロウ等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第6巻、第1579〜1589頁(1986);ギオールダーノ等、セル、第58巻、第981〜990頁(1989);ギオルダーノ等、サイエンス、第253巻、第1271〜1275頁(1991)]。N−末端領域への結合はp300に対し限定的であることが示され[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989);スタイン等、ジャーナル・バイロロジー、第64巻、第4421〜4427頁(1990)]、pRb2は常にこの領域に結合しなかった。E1A蛋白質の両ドメイン1および2は、次の群の蛋白質のE1A結合に必要であることが示されている:pRb、p107、p60/サイクリンAおよびp130[エガン等、モレキュラ・セルラ・バイオロジー、第8巻、第3955〜3959頁(1988);ホワイト等、セル、第56巻、第67〜75頁(1989);ギオルダーノ等、サイエンス、第253巻、第1271〜1275頁(1991)]。さらに、E1A−928突然変異体はp107およびp60/サイクリンAに結合するが、pRbおよびp130には結合しないことが従来示されている。
pRbとたとえばE2Fのような転写因子との結合はポケット領域における相互作用によって生じ[レイショードフリ等、ジーン・ディベロップメント、第5巻、第1200〜1207頁(1991)]、p107もこの種の結合特性を発揮することが最近示された[カオ等、ネイチャー、第355巻、第176〜179頁(1992)]。さらにポケット領域は、pRb蛋白質の機能の欠如が形質転換表現型の獲得に関与すると思われる数種のヒト癌にて突然変異すると判明した[ヒュー等、EMBOジャーナル、第9巻、第1147〜1153頁(1990);フアング等、(1990)]。
細胞成長抑制に関与しうる新規なrb−関連遺伝子の同定および配列決定につきニーズが存在する。特定細胞種類にて同様に腫瘍サプレッサ活性を有するrbに関連する遺伝子およびその蛋白質産生物も必要とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は野生型および突然変異型のE1A蛋白質の略図である。突然変異型はpm928/961、dl 2−36、dl 38〜67およびdl 73〜120である。各突然変異の性質を図示する。
第2図は野生型E1A蛋白質とグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)蛋白質との融合作成物(レーン2)、並びにGST蛋白質に融合したE1A突然変異体作成物:すなわちdl 2〜36(レーン3)、dl 38〜67(レーン4)、dl 73〜120(レーン5)およびpm928/961(レーン6)に対するpRb2蛋白質の結合を示すSDS−PAGEゲルである。E1Aを融合してないGST蛋白質を比較(レーン1)として示し、これはpRb2蛋白質との結合を示さない。
発明の要点
本発明は、ヒトpRb2遺伝子DNA配列からなるDNA配列を含む組換DNAクローン化ビークルを提供する。好適DNA配列はSEQ ID NO:1による配列である。このDNAは、SEQ ID NO:2によるアミノ酸配列をコードする配列からなっている。
他の実施形態において本発明は、SEQ ID NO:2によるアミノ酸配列を主として有する蛋白質を提供する。好ましくはSEQ ID NO:2に対応する蛋白質はホスホリル化されない。
他の実施形態において本発明は上記クローン化ビークルのDNAにより形質転換された宿主細胞ラインを提供し、この宿主細胞ラインはクローン化ビークルからDNAを発現して蛋白質を産生させる。好ましくは、このDNAはSEQ ID NO:1による配列を有し、産生された蛋白質はSEQ ID NO:2による配列を有する。
発明の詳細な説明
pRb2蛋白質は、従来まだ配列決定されずかつ特性化されてない腫瘍サプレッサ蛋白質のpRb系列群の要員である。この蛋白質は、pRbおよびp107と同様にアデノウィルスE1A蛋白質に結合するのでpRb2と命名された。したがって、pRb2をコードするcDNA配列はpRb2遺伝子と命名された。rb遺伝子のドメイン1および2から得られたプローブを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して、次のようにpRb2 cDNA配列を同定した。
合成の退化(変性)オリゴヌクレオチドを、pRbおよびp107におけるスペーサにフランキングする保持アミノ酸配列に基づいて命名した。これらオリゴヌクレオチドをプライマーAおよびプライマーBと称し、pRb2 cDNA配列を分離すると共にクローン化させるPCRプライマーとして使用した。
プライマーAは、アミノ酸配列Phe−Tyr−Lys−Val−Ile−Glu(SEQ ID NO:3)をコードする18個のヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドである。プライマーAの5′末端も9個のヌクレオチドを含有してBamHI制限部位を形成する。プライマーBは、アミノ酸配列Gln−Asp−Leu−His−Arg−Asp(SEQ ID NO:4)をコードする18個のヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドである。プライマーBの5′末端も9個のヌクレオチドを含有してHindIII制限部位を形成する。
18量体プライマーAおよびBのそれぞれはpRbおよびp107のポケット領域における保持部分に対応する。2個の制限部位(プライマーAについてはBamHIおよびプライマーBについてはHindIII)を用いて、増幅PCR断片を市販入手しうるベクター(pBlueスクリプト、ストラタジーン社、ラ・ヨラ、CA)に便利にサブクローンさせた。
PCR産生物を、ヒト293およびHeLa細胞からcDNA保存物(ライブラリー)をスクリーニングするためのプローブとして使用した。このスクリーニングから、数種の陽性クローンを同定した。これらクローンを配列決定すると共に、全長cDNAを含有するクローンにつき分析した。
HeLa cDNAクローンの1種は、コザック開始配列[コザック、ジャーナル・モレキュラ・バイオロジー、第196巻、第947〜950頁(1987)]に適合しうる推定開始コドンを含有した。このクローンは、3,249塩基対下流停止コドンで終端する独特の読取枠を示した(SEQ ID NO:1参照)。完全配列は、推定開始部位を含まない読取枠の上流55塩基対およびポリAテールで終端する3′非コード化領域を含む。この読取枠は約120kDの推定分子量を有する1,082個のアミノ酸のポリペプチド(SEQ ID NO:2)をコードした。このcDNAクローンをrb2と称し、したがってコード化蛋白質をpRb2と命名した。
蛋白質pRb2の配列(SEQ ID NO:2)はpRbおよびp107蛋白質の配列と比較してp107に対し53%の高レベルの同一性およびpRb2に対し32%の同一性を示す。これは、p107に対するpRb2の一層近い関係を示唆する。これら3種の蛋白質におけるアミノ酸配列の部分比較は、ポケット領域がpRb2中に主としてドメインAおよびBのレベルで明かに保持されることを示す。これは、pRb2がpRbおよびp107と同様な性質、たとえばポケット領域を介して生ずることが知られた細胞サイクル関連の蛋白複合体の形成を示唆する。これは、pRb2が細胞サイクルのメカニズムに関与することを示唆する。さらに、pRb2とp107との間のCおよびN−末端部分に見られる高い同一性は、pRb2およびp107をpRbから区別させうるp107およびpRb2の機能における前記領域の役割を示唆する。
pRb2 cDNAクローンを、線状化pBlueスクリプト−pRb2に対するT7 RNAポリメラーゼキャッピング反応によりインビトロでRNAセグメントに転写させた。得られた転写生成物(RNAセグメント)をフェノール/クロロホルム溶液で抽出すると共にエタノール溶液で沈澱させた。
転写生成物を、ウサギ網状赤血球溶解物(プロメガ、バイオテク社、マジソン、WI)および放射性標識としてのS35−メチオニンを用いて蛋白質中へインビトロ翻訳するための基質として使用した[ペルハム等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第67巻、第248〜256頁(1976)]。数種の切形型蛋白質を産生させた。最大pRb2蛋白質型は、SDS−PAGEにより約120kDまで移動した。最も顕著なバンドは約90kDまで移動した蛋白質型に相当し、第3の蛋白質型は85kDまで移動することが判明した。
分離の後、120kDのpRb2蛋白質、並びにその90kDおよび85kD切形型をE1A蛋白質結合特性につき試験した。E1A結合結果を、pRbおよびp107蛋白質のE1A結合特性と比較した。pRbおよびp107の両蛋白質は、その各ポケット領域を介しアデノウィルスE1A蛋白質に結合する。pRb2蛋白質により示されるE1A蛋白質結合は、pRb2蛋白質が細胞分裂の調節に重要な役割を有することを示す。pRb2のE1A結合能力を次のように決定した。
野生型および突然変異型のE1A蛋白質が得られた。突然変異の性質を第1図に示す。結合分析を行って、翻訳溶液が予め除去されたインビトロ翻訳pRb2蛋白質(120kDおよび切形型90kDおよび85kD蛋白質)に対する野生型および突然変異型E1A蛋白質の結合につき試験した。これら3種のインビトロ翻訳された主型pRb2蛋白質のそれぞれはE1Aに結合した。
E1AのN−末端部分を含むE1A欠失突然変異(dl 2〜36)はE1Aに対するpRb2の結合に影響を与えなかった。pRb2の結合は、E1Aの形質転換性ドメイン(E1A突然変異体dl 38〜67およびdl 73〜120)を含む欠失突然変異によっても影響されなかった。これは、E1Aに対するpRb2の結合がE1Aのこれら領域を介し生じないことを示唆する。しかしながら、pRb2蛋白質が結合する能力は、E1Aの形質転換性ドメイン2における二重点突然変異(double point mutation)を有するE1A突然変異蛋白質(Cysが位置124におけるGlyにつき置換され、かつLysが位置135にてGluにつき置換されたE1A突然変異体pm928/961)を使用した場合には、殆ど完全に排除された。したがって、pRb2に結合するには、E1Aの形質転換性ドメイン2が必要とされる。これは、pRb2のE1A−結合能力が少なくとも部分的にE1Aの形質転換活性に関与することを示唆する。
pRb2蛋白質は分子量においてp130蛋白質に類似すると共にこれら両者はE1A野生型および突然変異体の蛋白質に対し類似の結合特性を有するが、これら2種の蛋白質は同一でない。p130蛋白質はSerおよびThr残基にてホスホリル化されるのに対し、pRbはホスホリル化されない。さらに、p130は2種以上のホスホリル化型で存在する。
pRb2 cDNAを含有するpBlueスクリプト−pRb2と称するクローン化ベクターを1993年8月11日付けでアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックビル、MDに寄託し、受託番号75521が付与された。
pRb2 cDNAを含有するプラスミドを含んだイー・コリpBlueスクリプト−pRb2と称するイー・コリ細菌株を1993年8月11日付けでATCC、ロックビル、MDに寄託し、受託番号69383が付与された。
遺伝子工学の分野における当業者には、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列または本発明のpRb2蛋白質をコードする関連配列を使用して、微生物過程によりpRb2蛋白質を産生させることが周知されている。pRb2を産生させるためのSEQ ID NO:1のヌクレオチド配列の使用は、本発明によるpBlueスクリプト−pRb2クローン化ベクターを用いることにより当業者に一層容易となる。
pRb2蛋白質をコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに融合させると共に宿主(すなわち真核性(酵母もしくは哺乳動物細胞)または原核性(細菌細胞))への形質転換もしくはトランスフェクトは、他の周知の蛋白質、たとえばインシュリン、インターフェロン、ヒト成長ホルモン等を産生させる際に使用される標準的方法である。その同様な手法または明らかな改変を用いて本発明に相当する微生物手段または哺乳動物組織培養技術によりpRb2蛋白質を作成することもできる。
pRb2蛋白質をコードする核酸分子を、組換pRb2蛋白質を産生させるための標準的組換DNA技術に使用するため公知のベクターに挿入することができる。標準的組換DNA技術はサムブルック等編、モレキュラ・クローニング:ラボラトリー・マュニアル、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス社(1989)およびアウスイーベル等、カレント・プロトコールス・イン・モレキュラ・バイオロジー、J.ウィリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク、NY(1991)に記載された技術を包含する。ベクターは円形もしくは非円形とすることができる。宿主は原核性でも真核性でもよい。好適な原核性宿主はイー・コリを包含する。好適な真核性宿主は酵母、昆虫および哺乳動物細胞を包含する。好適な哺乳動物細胞は霊長類細胞、たとえばサル ウィルスにより形質転換されたサル細胞(たとえばCOS細胞)、ヒト細胞および支那ハムスター卵巣(CHO)細胞を包含する。
当業者は、SEQ ID NO:1で示したcDNA断片がpRb2をコードする唯一のDNA断片であるという事実を了解するであろう。pRb2をコードする実質的な類似性を持った他の均等なDNAセグメントも直ちに具体化されよう。さらに本発明は、この種の均等DNA配列をも包含する。
さらに、SEQ ID NO:2における均等アミノ酸の置換もpRb2蛋白質活性に影響を与えないと思われる。これらアミノ酸置換も当業者により具体化されよう。この種の均等アミノ酸配列も本発明に包含される。
以下、限定はしないが実施例により本発明を例示する。
実施例
実施例1:pRb2 cDNAおよびアミノ酸配列の取得
A.PCRプライマーの合成
プライマーAおよびBを標準的オリゴヌクレオチド合成技術により合成し、精製した。
プライマーAは、SEQ ID NO:3によるポリペプチド配列をコードする18個のヌクレオチドを含有した。5′末端は9個の追加ヌクレオチドを有して、BamHI制限部位を形成した。プライマーBは、SEQ ID NO:4によるポリペプチド配列をコードする18個のヌクレオチドを含有した。5′末端は9個の追加ヌクレオチドを有し、HindIII制限部位を形成した。
B.ヒト293 cDNA保存物のPCR増幅
λ−ZAPII cDNA保存物を、標準技術を用いてヒト293細胞からのRNAの逆転写によって得た。cDNA保存物を上記実施例1AからのプライマーAおよびBによりPCRを介して増幅させた。PCRは、ジェネアンプ(登録商標)をキット[パーキン・エルマー・シータス社、ノーウォーク、CN)を用いて製作業者の指針にしたがい行った。要するに、94℃における1分間の変性と37℃における1分間のアニールと68℃における2分間の延長とを含む30サイクルを行った後、15分間の延長を行った。この結果、pRbおよびp107セグメントの他に、1kb断片のPCR増分が生じた。
C.1kb断片のサブクローン化およびヌクレオチド配列決定
増幅された1kb断片をpBlueスクリプト ベクター(ストラタジーン)にサブクローン化させた。サブクローン化の後、ヌクレオチド配列決定をシクエナーゼキット(ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカルス社)のジデオキシ法により行った。1kb断片のヌクレオチド配列はpRbおよびp107の各cDNAに対し或る程度のホモロジーを示した。
D.293およびHeLa細胞からのcDNA保存物の検定
1kb断片を、追加cDNA保存物をスクリーニングするためのプローブとして用いた。それぞれヒト293およびHeLa細胞(ストラトジーン)からのλ−ZAPII cDNA保存物を、ランダム プライマー法(ベーリンガー・マンハイム社)によりα−P32−CTPで標識された1kb断片を用いてスクリーニングした。要するに、λ−ZAPファージを大腸菌BB4菌株の細菌に吸着させると共に寒天培地に塗沫した。ニトロセルロースフィルタを高厳密プロトコールにてPCRプローブにハイブリッド化させ、このプロトコールは予備ハイブリッド化混合物:すなわち5×SSPE、10×デンハルト溶液、150μg/mLニシン精子DNA、50%ホルムアミドおよび2%SDSを含んだ。ハイブリッド化混合物はこの予備ハイブリッド化混合物に106cpm/mLの1kb PCRプローブを添加した。さらに、それぞれ42℃にて20分間にわたり0.2×SSCおよび0.1%SDSで3回洗浄した。
E.検定からの陽性クローンの分析
実施例1Dの検定過程から数種の陽性クローンを見出した。インビボ切除(ストラタジーン)を数種の陽性λ−ZAPクローンにつき行った。cDNAクローンを含有するpBlueスクリプト ベクターが得られた。これらcDNAクローンを再現させると共に、各cDNAクローンのヌクレオチド配列決定を実施例1Cに上記したように行った。この配列決定の結果を、1kb断片を含む全長cDNAにつき解析した。
HeLa cDNAクローンの1種は、コザック開始配列に適合しうる推定開始コドンを含有した。このクローンは、3,249塩基対下流停止コドンで終端する独特の読取枠を示した(SEQ ID NO:1参照)。完全配列は推定開始部位を含まない読取枠の上流の55塩基対およびポリAテールで終端する3′非コード化領域を含んだ。この読取枠は、約120kDの推定分子量を有する1,082アミノ酸のポリペプチド(SEQ ID NO:2)をコードした。このcDNAクローンをrb2と命名し、したがってコードされた蛋白質をpRb2と命名した。pRb2遺伝子でクローン化させたpBlueスクリプト ベクターをpBlueスクリプト−pRb2と命名した。
蛋白質pRb2の配列(SEQ ID NO:2、これは対応のcDNA配列から得られる)は、pRbおよびp107蛋白質配列と比較して、p107に対し53%およびpRbに対し32%の高レベルの同一性を示した。これは、p107に対するpRb2の一層近い関係を示唆する。これら3種の蛋白質配列の部分比較は、ポケット領域がpRb2に主としてドメインAおよびBのレベルで明かに保持されることを示す。
実施例2:インビトロ翻訳pRb2のE1A結合
A.pBlueスクリプト−pRb2の転写および翻訳
実施例1EのpBlueスクリプト−pRb2 cDNAクローンを、線状化pBlueスクリプト−pRb2に対するT7 RNAポリメラーゼ キャッピング反応によりインビトロでRNAセグメントに転写させた。得られた転写生成物(RNAセグメント)をフェノール/クロロホルム溶液で注出すると共に、エタノール溶液で沈澱させた。
転写生成物RNA断片を、ウサギ網状赤血球溶解物(プロメガ、バイオテク社、マジソン、WI)および放射性標識としてのS35−メチオニンを用いて、蛋白質中にインビトロ翻訳するための基質として用いた[ペルハム等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第67巻、第248〜256頁(1976)]。数種の切形型の蛋白質を産生させた。最大のものは、SDS−PAGEにより約120kDまで移動した。これらバンドの最も顕著なものは約90kDまで移動し、第3のものは85kDまで移動することが判明した。
B.野生型および突然変異型E1A蛋白質の取得
野生型および突然変異型のE1A蛋白質を得た。突然変異型はpm928/961、dl 2〜36、dl 38〜67およびdl 73〜120であった。突然変異の性質を第1図に示す。野生型および突然変異型のE1AをpGEX−2Tにサブクローン化させると共に、GST−融合蛋白質としてイー・コリで発現させた。E1A蛋白質を次いで標準技術によりイー・コリ培養物から分離した。
C.pRb2およびE1A蛋白質の結合分析
結合分析を行って、実施例2Bの野生型および突然変異型E1A蛋白質と翻訳溶液が予備除去された実施例2Aのインビトロ翻訳pRb2蛋白質との結合につき試験した。pRb2蛋白質(120kD、90kDおよび85kD)をグルタチオン−セファロースおよびGST−グルタチオン−セファロースの各ビーズにより、1mMのDTTと1mMのPMSFと10μg/mLのロイペプチンとを含有するNETN緩衝液にて4℃で予備清澄させた。
2μgの各E1A蛋白質を予備清澄されたpRb2と共に4℃にて1時間培養し、グルタチオン−セファロースビーズを添加し、次いでさらに1時間培養した。これら蛋白質を標準プロトコールにしたがいSDS−PAGEにより分割し、フジ写真画像解析装置を用いて蛋白質シグナルを発生させた。
結合分析の結果を第2図に示し、これは野生型E1A(レーン2)およびE1A突然変異体作成物:すなわちdl 2〜36(レーン3)、dl 38〜67(レーン4)、dl 73〜120(レーン5)およびpm928/961(レーン6)に対する結合を示すSDS−PAGEである。E1Aが融合してないGSTを比較(レーン1)として含ませた。外生RNAを持たないウサギ網状赤血球翻訳反応から生じたインビトロ翻訳生成物をも比較として含ませ、これは何らのシグナルを与えなかった(図示せず)。
主たる3種のインビトロ翻訳されたpRb2蛋白質のそれぞれ(120kD、90kDおよび80kD)はE1Aに結合した。E1AのN−末端部分を含む欠失突然変異(dl 2〜36)はpRb2の結合に対し影響を与えなかった。pRb2に対するE1A結合はdl 38〜67またはdl 73〜120欠失突然変異により影響を受けず、これら両者はE1Aの形質転換性ドメイン1を含む。これは、E1Aに対するpRb2の結合がこれら領域では生じないことを示唆する。しかしながら結合は、E1Aの形質転換性ドメイン2における二重点突然変異を有するE1A融合蛋白質(E1A突然変異体pm928/961、ここでCysは位置124にてGlyにつき置換され、Lysは位置135にてGluにつき置換された)を用いた場合には、ほぼ完全に排除された。したがって、pRb2に対する結合にはE1Aの形質転換性ドメイン2が必要とされる。これは、pRb2のE1A−結合能力が少なくとも部分的にE1Aの形質転換活性に関与することを示唆する。
比較目的で、pRbおよびp107蛋白質を得ると共に、野生型および突然変異型E1A蛋白質に対する結合分析を行った。pRb2蛋白質は、pRbおよびp107蛋白質に類似する結合特性を示した。
pRb2蛋白質はpRb蛋白質と同様にE1A蛋白質を結合するので、このpRb2蛋白質はアデノウィルスE1AまたはE1A蛋白質に関連するオンコプロテインを産生する関連DNAウィルスで感染された細胞を同定するための有用な診断手段となる。pRb2のE1A結合能力により、この蛋白質はアデノウィルスE1Aで感染された細胞に投与することができ、E1Aオンコ蛋白質の作用を逆転させる細胞成長サプレッサとして作用することができる。E1A蛋白質作用のこの逆転は、網膜芽細胞腫の癌腫瘍における細胞成長の均衡を回復させる。したがって、pRb2はたとえば網膜芽細胞腫の両眼間癌のような種々の癌を処置するため腫瘍サプレッサ剤として有用であると思われる。さらにpRb2はE1A蛋白質に関連した配列を有する他のDNA腫瘍ウィルスオンコ蛋白質を結合および同定するための有用な研究手段にもなりうる。
合成、作成および分析の各手法に関し引用した刊行物を全て参考のためここに引用する。
以上、本発明を実施例につき詳細に説明したが、本発明の思想および範囲を逸脱することなく各種の改変をなし得ることが当業者には了解されよう。
配列リスト
(1)一般的情報:
(i)出願人:アントニオ ジオルダーノ
(ii)発明の名称:腫瘍サプレッサ蛋白質PRB2、関連遺伝子産生物およびそれをコードするDNA
(iii)配列の数:4
(iv)通信宛先:
(A)宛名:サイデル、ゴンダ、ラボンニャ アンド モナコ、P.C.
(B)町名:ツー ペン センター、スウート1800
(C)市名:フィラデルフィア
(D)州名:ペンシルバニア
(E)国名:アメリカ合衆国
(F)ZIP:19102
(v)コンピュータ解読フォーム:
(A)メディア種類:ディスケット、3.50インチ、720Kb
(B)コンピュータ:IBM PS/2
(C)作動システム:MS−DOS
(D)ソフトウエアー:ワードパーフェクト5.1
(vi)現出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:1994年8月12日
(C)分類:
(vii)先行出願データ:
(A)出願番号:US 08/106,493
(B)出願日:1993年8月12日
(viii)代理人の情報:
(A)氏名:ダニエル エイ モナコ
(B)登録番号:30,480
(C)参照番号:6056−188 PC
(ix)電信情報:
(A)電話:(215)568−8383
(B)テレファックス:(215)568−5549
(2)SEQ ID NO:1の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:3249塩基対
(B)種類:核酸
(C)鎖型:一本鎖
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:1:
(3)SEQ ID NO:2の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1082アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:2:
(4)SEQ ID NO:3の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:6アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:3:
(5)SEQ ID NO:4の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:6アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
(xi)配列説明:SEQ ID NO:4:
Claims (5)
- アミノ酸配列SEQ ID NO:2を有する蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とする分離及び精製されたDNA。
- ヌクレオチド配列SEQ ID NO:1を含むことを特徴とする請求項1のDNA。
- 請求項1又は2に記載のDNAを含むことを特徴とする組換えベクター。
- 請求項3の組換えベクターにより形質転換された宿主細胞。
- 請求項4の宿主細胞により生産される分離された蛋白質。
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