JP3717595B2 - 超音波手術装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シースに挿通した超音波プローブにより組織の切除等の処置を行う超音波手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
一般的な超音波吸引装置は図9で示す如く、内部に吸引管路71を形成した超音波プローブ72を外套シース73内に挿通してなり、超音波プローブの先端を外套シース73の先端から突き出すようにして使用する。超音波プローブ72と外套シース73の間の隙間は送水路74となっている。
【0003】
しかし、これまでの超音波吸引装置の使用法としては、外套シース73まで体腔内に挿入することはあっても、組織内に穿刺的に差し込むのは超音波プローブ72の部分のみであり、外套シース73の部分まで組織内に刺し込むような使い方はなされていなかった。以下、先行例を具体的に挙げて、それらの問題点を述べる。
【0004】
(1) 特開平4−329943号公報
これにはシース先端にセラミック製のビークを付けた実施例が開示されている。シースのビークとプローブとの間の隙間を十分にとっておかないと、プローブとビークの摩耗によりプローブが破損する虞があるため、プローブとビークの間には十分な隙間を形成してある。このため、プローブとビークの間の段差が大きい。仮の話であるが、プローブのみならずそのプローブを包囲するシースまでも充実した組織内に差し込んで挿入するとした場合、プローブとビークの間に大きい段差があるため、組織内へシースの差込み挿入性が悪く、シースまで組織内に深く差込み挿入するには適さないものである。
なお、この公報のものはプローブを包囲するシースまで充実した組織内に直接深く差込み挿入して切除等の処置を行うことまで想定したものではないことは言うまでもない。
【0005】
(2) 特公昭60−6654号公報
この超音波吸引器のシースは視野を確保するためか、先細りのテーパーが付けられてはいるが、そのシースの先端とプローブの間には大きな段差があり、仮の話であるが、プローブのみならずそのプローブを包囲するシースまでも充実した組織内に差し込んで挿入するとした場合、プローブとビークの間に大きい段差があるため、組織内へシースの差込み挿入性が悪く、シースまで組織内に深く差込み挿入するには適さないものである。
なお、この公報のものはプローブを包囲するシースまで充実した組織内に直接に深く差込み挿入して切除等の処置を行うことまで想定したものではないことは言うまでもない。
【0006】
この超音波吸引器のシースが融点の低いプラスチックで製作された場合にはそのシースまで組織の中に挿入して力をかけると、シースが容易に変形してプローブの表面と接触して溶けてしまう。また、シースを金属で作った場合には(1) の場合のようにプローブの耐性が落ちるという問題がある。
【0007】
なお、プローブとシースの段差を小さくしようとすると、その間に形成される送水路が小さく狭くなり十分な送水ができなくなるため、プローブとシースの段差を小さくできないものである。
【0008】
(3) 特公昭47−39197号公報
この公報装置のシースはテフロンで作られ、そのシースによってプローブから組織への伝熱を防止するものである。ただし、この手術器具は眼科手術に用いられるものであり、組織表面に形成した切開部を通じての体腔内への挿入の意図はあるが、その挿入される部分はシースの最先端部分のみであり、また、充実した組織にシースを直接に差し込んで挿入するものではない。また、シースの後端側は急激に径が大きくなっており、体腔内の奥深くまで挿入することは困難なものであり、体腔内の奥深くまで差込み挿入することを意図するものではない。 これにあってはプローブと、これを挿通するシースの先端との間には比較的大きな段差がある。このため、シースの部分まで充実した組織内に深く刺し込んで挿入するには適さないものである。
【0009】
この先行例の構成において、そのシース及びプローブを太く長いものにすると、先に述べた特公昭60−6654号公報のものと同じ形態のものになってしまう。また、この先行例のシースはプローブを囲むものであり、ビークというものはない。
【0010】
以上述べたように先行例にあってはいずれも外套シースの先端部分まで充実した組織内にもぐり込ませる使い方はなく、その想定もない。いずれのものもプローブとこれを包囲する外套シース先端との間に比較的大きな段差部分が形成されており、このため、シースの部分まで組織内に深く刺し込んで使用することは到底、困難なものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところはプローブを包囲するシースまで充実した組織に差し込む際の穿刺挿入性が良く、シースまで充実した組織内に差し込んで使用することができる超音波手術装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超音波振動を発生する超音波振動子と、この超音波振動子に接続された超音波振動部材と、前記超音波振動部材を囲むように設けられたシースと、このシースの先端部に設けられた前記超音波振動子を挿通するビークと、を具備し、前記ビークはフッ素樹脂からなると共に、前記ビークの先端部分の径は、前記ビークの前記シース側部分の径より小さいことを特徴とする超音波手術装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1ないし図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
(構成)
図1は第1実施形態に係る超音波手術装置の構成を概略的に示すものである。同図中、1はハンドピースであり、このハンドピース1はグリップ部を構成する把持本体2を有し、この把持本体2には図示しない超音波振動子が内蔵されている。超音波振動子には例えばランジュバン型振動子などが用いられる。超音波振動子は駆動信号コード3を通じて超音波発振器4に接続される。超音波発振器4は図示しない操作スイッチ、例えばフットスイッチを操作することにより駆動信号を発生する。この駆動信号は駆動信号コード3を通じて前記超音波振動子に伝送され、その超音波振動子を振動させる。
【0014】
ハンドピース1の超音波振動子には図示しないホーンを介してプローブ5が接続されている。このプローブ5は超音波伝達部材を構成するものである。プローブ5はシース6で覆われている。シース6はその基端部分が前記ハンドピース1の把持本体2の先端に取着されている。そして、図2で示されるように、プローブ5とシース6はハンドピース1の中心軸の延長線に対して同軸的に配置されて設けられている。プローブ5とシース6の間の隙間は送液路7を形成している。
【0015】
前記プローブ5はチタン合金またはアルミなどの音響特性の良好な材質で円筒状の棒材から作られている。そして、このプローブ5はその内部に管路を形成し、この管路を吸引路8としている。この吸引路8はハンドピース1の中心軸上を延長して把持本体2の内部を貫通する吸引路9に連通しており、この吸引路9はハンドピース1の把持本体2の後端で前記吸引チューブ11に接続されている。吸引チューブ11は吸引ポンプ12に接続されている。
【0016】
また、吸引チューブ11の途中には吸引ビン13が介挿されている。吸引ビン13は吸引チューブ11を通じて吸引する気体中に含まれる液状物または固形物を取り込み収容することによりその吸引気体中から液状物または固形物を除去する。このため、吸引ポンプ12には気体のみが送られる。
【0017】
プローブ5とシース6の間に形成された送液路7はハンドピース1の把持本体2に接続された送水チューブ15に接続され、この送水チューブ15は水頭を与えるべくスタンド16によって高い位置に設置された送水タンク17に接続されている。送水タンク17には生理食塩水が収納されている。なお、この送水系としては水頭を与える方式のみならず、送水ポンプを組み込んで、より強制的な送水を行うようにした方式のものでもよい。
【0018】
図2はハンドピース1の先端部を拡大して示す断面図である。シース6の先端にはビーク21が設けられている。ビーク21は筒状のチップ部材からなり、シース6に対して同軸的に取着固定されている。ビーク21はその後端部外周部分に小径部22を形成している。この小径部22の外周に前記シース6の先端部分を密に被嵌し、小径部22の先端側段差にシース6の先端を突き当てた状態で、ビーク21はシース6に取着固定されている。シース6とビーク21は接着や超音波溶着あるいは一体成形など様々な方法で連結される。シース6の外周とビーク21の外周は同形で大きさも同じであり、両者の外周が連なるように接続されている。
【0019】
ビーク21の基端部における内径は極力、シース6の内径と等しくなるように形成されているが、ビーク21の先端部内径は可能な限り小さく形成されており、この先端部内腔部分によって可能な限り、プローブ5との間隙を小さくするプローブ対向部23を構成している。ビーク21の外周面は途中部分から先端に向かって径が小さくなる先細りのテーパ部24が形成されている。このため、ビーク21の先端からなるビーク端面25は狭く、シース6の外周面に可能な限り近付くように形成される。従って、プローブ5の外周とビーク端面25の間に形成される段差tはプローブ5とシース6の外径差に比べてかなり小さい。具体的には段差tはプローブ5とシース6の外径差の1/2以下が望ましく、この第1実施形態ではその外径差の1/3に形成されている。
【0020】
ビーク21の材質はプローブ5との接触を考慮すると、セラミック、金属などよりも樹脂が適している。特に耐熱性と摺動性に優れたフッ素樹脂、例えばいわゆるテフロンなどが良い。また、PEEK、PEI、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミドなど耐熱性エンジニアリングプラスチックなども使用できる。
【0021】
ビーク21と連結されるシース6は金属などでも使用可能であるが、シース6に側面から荷重がかかったときにプローブ5と接触する虞もあるので、ビーク21と同様、耐熱性樹脂が適当と考えられる。また、シース6は射出成形などで製作することも考えられるが、プローブ5の長さに自由に対応できることを考慮すると、押出し成形などで製作されるチューブを使用するのがよいと考えられる。また、シース6の内径はプローブ5の外周との間に送水液の流路を確保するためにその両者の間には十分な間隙が必要である。
【0022】
(作用)
図3は第1実施形態の超音波手術装置を用いて、腋臭症の吸引治療または脂肪吸引治療を行う使用法の一例を示す。図3に示すように、超音波振動子を超音波発振させながらプロープ5の先端を皮膚26に当て、脂肪層27など、腔の無いところの組織をプロープ5の先端の超音波振動の作用で組織を乳化し、送水路7から送水し、吸引路8を通じて吸引しながらプロープ5の先端で組織を切除しつつシース6のビーク21で、そのテーパ部24を利用して組織を押し広げながら突き刺す。そして、プロープ5だけでなくそれを包囲するシース6まで深く突き刺して挿入し、組織内へ奥深く進めていく。
【0023】
(効果)
プロープ5の外周とビーク端面25とで形成される段差tが小さいため、挿入時おいてそのビーク端面25が組織に突き当たることもなく、スムーズに挿入できる。また、テーパ部24があるためにより挿入性が向上している。また、シース6、及び特にビーク21が摺動材料で構成されている場合にはその素材自身が持つ自己滑り性のために穿刺挿入性が高まり、組織への挿入がより容易になる。ビーク21が摺動材料で作られているため、プロープ5の振動時にビーク21がプローブ5と接触するような事態が起きても激しい摩耗を抑えることができる。また、ビーク21は耐熱性にも優れる。
【0024】
[第2実施形態]
図4を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
(構成)
図4は第2実施形態のハンドピース1の先端部を示す。この第2実施形態の構成は前述した第1実施形態と基本的に同じであるが、そのハンドピース1のプローブ5における先端部がその先端に向かって径が小さくなっていくプローブテーパ部31が設けられている点が相違する。このプローブテーパ部31は前記ビーク21に設けられたテーパ部24にその斜面が揃う連続的な状態に配設するようにするとより良い(図4の状態)。
【0025】
(作用)
第1実施形態に同じであるが、プローブ5の先端部分にプローブテーパ部31を付加したので、その作用で組織に差し込みが容易になる。
(効果)
プローブ5の先端部分にプローブテーパ部31を付加したので、第1実施形態よりも挿入性が向上する。
【0026】
[第3実施形態]
図5を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
(構成)
図5は第3実施形態のハンドピース1の先端部を示す。この第3実施形態の構成は前述した第1,2実施形態と基本的に同じであるが、ハンドピース1のシース6におけるビーク21の内面にフッ素樹脂などの摺動性材料で作られた摺動部材、つまり摺動リング41が取着されている。
【0027】
(作用)
前記第1,2実施形態に同じように使用する。
(効果)
シース6のビーク21にはプローブ5との接触部に摺動リング41を設けたから第1実施形態と同様にプロープ5の振動時にビーク21がプローブ5と接触するような事態が起きても激しい摩耗を抑えることができる。また摺動リング41に耐熱性に優れたものを用いれば、そのビーク21の耐熱性を向上することができる。
【0028】
また本実施形態ではビーク21の本体を特に摺動性のよい部材で作る必要がないためにそのビーク本体を強度の強いもので作り、耐性を向上させるなどの工夫が容易である。
【0029】
[第4実施形態]
図6を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
(構成)
図6は第4実施形態のハンドピース1の先端部を示す。この第4実施形態の構成は前述した第1,2,3実施形態と基本的に同じであるが、ハンドピース1のシース6におけるビーク21に送水路7と外部を連通する少なくとも1つ以上の送水孔51を設けたものである。送水孔51を設ける位置は特に限定されないが、図6でビーク21におけるテーパ部24の部分に設けることが望ましい。テーパ部24の壁部にはその周方向に沿って等間隔で配置され、例えば8つの送水孔51が貫通して設けられている。送水孔51は外側開口端は前方へテーパ部24の斜面に前方へ向くように形成され、内側開口端はプローブ対向部23を避けて送水路7に大きく連通するように形成されている。
【0030】
(作用)
基本的な作用は第1,2,3実施形態に同じである。送水液は送水路7を通り送水孔51より大部分のものが外部に送水される。送水液の極一部のものがプローブ5とビーク21の間の隙間から先端に送水される。
【0031】
(効果)
シース先端から送水する通路が十分確保されるため、送水するためにプローブ5とビーク21の間の間隙を十分とる必要がない。従って、プローブ5とビーク端面25の段差を、より小さくすることができ、これによれば、シース6の挿入性が増す。
【0032】
[第5実施形態]
図7,8を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。
(構成)
図7,8はいずれも第5実施形態のハンドピース1の先端部を示す。この第5実施形態の構成は、前述した第1実施形態と基本的に同じであるが、次の点で相違する。すなわち、ビーク21には1つ以上の送水用切欠き部61を設けたものである。切欠き部61の形状等については特に限定はされないが、この第5実施形態ではシース6の長手軸方向に平行で溝状の形状である。また、ビーク21の上部のみ、または上下それぞれに配置して設ける。そして、この切欠き部61は前記送水孔51と同様な送水口の機能をもつものである。
【0033】
(作用)
基本的な作用は第1,2,3実施形態に同じであるが、送水液は切欠き部61を通りその大部分のものが外部に送水される。送水液の極一部のものがプローブ5とビーク21の間の隙間から先端に送水される。
【0034】
(効果)
シース先端から送水する通路が十分確保されるため、送水するためにプローブ5とビーク21の間の間隙を十分とる必要がない。従って、プローブ5とビーク端面25の段差をより小さくすることができ、これによれば、シース6の挿入性が増す。
【0035】
なお、第4実施形態の送水孔51と第5実施形態の送水用切欠き部61の両方を組み合わせてシース6の先端部分に設けるようにしてもよい。
また、本発明にあってはプローブ5内の管路を送水管路とし、プローブ5とシース6の間に吸引路とするようにしてもよい。
【0036】
本発明は一般的な超音波吸引器と同様な用途にはもちろん使用できるが、本発明の最も効果的な使用法は、腋臭症、脂肪吸引法など、プローブを露出させながら処置するのではなく、プローブを包囲するシースの部分までも充実した組織内に深く刺込み挿入し組織を切除していく症例に有効である。つまり、シースを含めてこれの組織への挿入性が関係してくる症例に好適する。
【0037】
<付記>
1.超音波振動を発生する超音波振動子と、この超音波振動子に接続された超音波振動部材と、前記超音波振動部材を囲むように設けられたシースと、このシースの先端部に設けられた少なくとも内面部分が摺動性材料で作られたビークとを具備したことを特徴とする超音波手術装置。
【0038】
2.前記超音波振動部材内に管路を形成し、この管路を吸引管路とし、前記シースと前記超音波振動部材との間の隙間を送水路として利用する第1項に記載の超音波手術装置。
3.前記シースの内面部分が少なくとも摺動部材で作られたことを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
【0039】
4.前記ビークの外表面部が摺動部材で作られたことを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
5.前記シースがフッ素樹脂製チューブより作られたことを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
6.前記ビークがフッ素樹脂材料から作られたことを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
7.前記ビークの内径は前記シース内径より小さいことを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
【0040】
8.前記ビークは先端から後端側に向かって大きくなるテーパ状の外周面部が設けられていることを特徴とする第1項に記載の超音波手術装置。
9.前記超音波振動部材の先端部分には前記ビークに設けられたテーパ状の外周面部に略連続するような先細のテーパ部が設けられていることを特徴とする第8項に記載の超音波手術装置。
【0041】
10.超音波振動を発生する超音波振動子を内蔵したグリップ部と、前記超音波振動子に接続され内部に吸引管路を具備する超音波振動部材と、前記超音波振動部材を囲むように設けられているシースと、前記シースの先端部に設けられた少なくとも内周面部分が摺動材料で作られ、少なくとも1つの内面と外面とが連通した孔を有するビークとを具備したことを特徴とする超音波手術装置。
【0042】
11.前記ビークには先端から後端側に向かって大きくなるテーパ状の外周面部が設けられていることを特徴とする第10項に記載の超音波手術装置。
12.前記孔は前記テーパ状の外周面部に設けられたことを特徴とする第11項に記載の超音波手術装置。
【0043】
13.超音波振動を発生する超音波振動子を内蔵したグリップ部と、前記超音波振動子に接続され内部に吸引管路を具備する超音波振動部材と、前記超音波振動部材を囲むように設けられているシースと、前記シース先端部に設けられた少なくとも内周面部分が摺動材料で作られ、少なくとも1つの切欠き部を有するビークとを具備したことを特徴とする超音波手術装置。
14.前記ビークには先端から後端側に向かって大きくなるテーパ状の外周面部が設けられていることを特徴とする第13項に記載の超音波手術装置。
【0044】
前記第10〜14項のものは、さらに挿入性が良く、多量の送水も可能な超音波吸引器を提供することができる。また、ビークの内面と外面とが連通した孔より送水液を逃がすことができるため、超音波振動部材の外径とビークの内径とはほぼ同一にできる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波手術装置において超音波振動部材とビークとの摩擦熱が減少するため、超音波振動部材の外径とビークの内径とを可能な限り近付けることができる。従って、超音波振動部材とシースの段差を小さくできる。そして、シースまでの組織に挿入する際の挿入性を確保し、さらにその挿入性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る超音波手術システムの概略的な構成説明図。
【図2】第1実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部の断面図。
【図3】第1実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの使用状態の説明図。
【図4】第2実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部の断面図。
【図5】第3実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部の断面図。
【図6】第4実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部の断面図。
【図7】第5実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部を側方から見た断面図。
【図8】第5実施形態に係る超音波手術装置のハンドピースの先端部を上方から見た断面図。
【図9】従来の超音波手術装置のハンドピースの先端部の断面図。
【符号の説明】
1…ハンドピース、2…グリップ部の把持本体、3…駆動信号コード、4…超音波発振器、5…プローブ、6…シース、7…送液路、8…吸引路、21…ビーク、23…プローブ対向部、24…テーパ部、25…ビーク端面、26…皮膚、27…脂肪層。
Claims (5)
- 超音波振動を発生する超音波振動子と、
この超音波振動子に接続された超音波振動部材と、
前記超音波振動部材を囲むように設けられたシースと、
このシースの先端部に設けられた前記超音波振動子を挿通するビークと、を具備し、
前記ビークはフッ素樹脂からなると共に、前記ビークの先端部分の径は前記ビークの前記シース側部分の径より小さいことを特徴とする超音波手術装置。 - 前記ビークの先端部外周に形成された先端に向かって径が小さくなる第1のテーパ部と、前記超音波振動部材の先端部外周に形成された先端に向かって径が小さくなる第2のテーパ部とを有し、第1のテーパ部と第2のテーパ部の斜面が略連続する状態で揃うことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
- 前記ビークの内面に摺動リングを設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
- 前記ビークの外周面に開口すると共に前記シース内と連通する送水孔を前記ビークに形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
- 前記ビークの外周面に開口すると共に前記シース内と連通する1つ以上の送水用切欠き部を前記ビークに形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
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