JP3716243B2 - 紐繋ぎ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紐繋ぎ装置に関し、さらに詳しくは、それぞれに互いに並列している一対の紐孔列付きシートの一つを備えている開口両縁に、前記紐孔列の紐孔を紐手段で順番に交差挿通して前記開口を締める紐繋ぎ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、開口両縁にそれぞれ互いに並列している一対の紐孔列付きシートの一つを備えてなり、前記紐孔列の紐孔503を紐手段4で順番に交差挿通してから結びをつけることにより、前記開口を締めるもの、例えば紐付き衣服、紐付きテント及び紐付き靴5などがある。以下紐付き靴5を例として説明する。通常の紐付き靴は、主としてつま革501と、履き口502と、つま革501から履き口502までに互いに並列している一対の紐孔列付きシート7,7と、両端402,402を互いに交差しながら前記一対の紐孔列付きシート7,7の紐孔503を順番に挿通している紐手段4とからなる(図1の下半部参照)。
【0003】
このような靴は、前記靴紐の両端402,402をそれぞれつま革501に一番近い一対の紐孔の一つを挿通してから互いに交差しながら互いに並列している2の紐孔列の紐孔を順番に挿通し、最後に前記履き口に一番近い一対の紐孔の間に飾りとしてバタフライ形の結びをつける(図示せず)が、前記バタフライ形の結びをつけることが子供にとって非常に困難である。それがために、前記一本しかない紐手段4の代わりに、図1及び図2の靴に使用されているような紐繋ぎ装置が市販されている。
【0004】
この紐繋ぎ装置は、図示のように、靴5の一対の、互いに並列している紐孔列付きシート7の間に配置され、前記互いに並列している紐孔列の紐孔503を交差挿通して最後の一対の紐孔503から一対の紐端部402をそれぞれ延出させる紐手段4と、一対の紐端部402を、それを上下に沿って横断するように形成してある開閉可能な通孔3(常時閉)を通過させてから反対側へ引っ張ってそれを靴5の方へ摺動させ、一対のシート7,7の少なくとも前記最後の一対の紐孔503を有する両端を寄せて、紐手段4と合わせて固定するバタフライ飾り付き管形クリップ2とからなる。しかしながら、このような紐繋ぎ装置の靴5などの開口に対する締付けは、クリップ2における開閉可能な通孔3の紐端部402に対する挟持によるのみであるので、弛み易いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点に鑑みてなされたものであり、即ち、紐手段の弛みを防止できる紐繋ぎ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、一対の、互いに並列している紐孔列付きシートの間に配置され、前記互いに並列している紐孔列の紐孔を交差挿通して最後の一対の紐孔から一対の紐端部をそれぞれ延出させる紐手段と、前記一対の紐端部を、それを横断するように形成してある一対の通孔をそれぞれ通過させてから反対側へ引っ張ってそれを前記紐孔列付きシートの方へ摺動させ、前記一対のシートの少なくとも前記最後の一対の紐孔を有する両端を寄せて、前記紐手段と合わせて固定する管形クリップとからなる紐繋ぎ装置であって、前記クリップは、内外2の管形ピースから同軸に組み合ってなった入れ子管の内部に付勢手段を入れ、常時の伸位置から前記付勢手段に抗しながら押圧されて縮位置に到達することができるようにさせてなり、且つ、前記一対の通孔を形成するために、前記内外2の管形ピースそれぞれの管壁の両側にそれぞれ一対の互いに上下対向している穴が開設してあり、これらの穴は、前記常時の伸位置において前記内外2の管形ピースの穴の対向が小通孔になり、前記縮位置において内外2の管形ピースの穴の対向が大通孔になるように配置されており、また、前記いずれの紐端部の前記通孔を通過した後の部分は第1の飾りが形成してあり、且つ、前記紐端部の前記第1の飾りの前の部分は断面が前記小通孔の断面より大であって、前記小通孔を通過できない止め部になったことを特徴とする紐繋ぎ装置を提供する。
【0007】
前記構成による紐繋ぎ装置は、前記紐端部の前記第1の飾りの前の部分は、断面が前記小通孔の断面より大であって、前記小通孔を通過できない止め部になったため、それぞれに互いに並列している一対の紐孔列付きシートの一つを備えている開口両縁に取付けられた状態下において、前記クリップが常時の伸位置にある場合、前記紐手段の前記通孔に対する脱出摺動を阻止することができるので、紐手段の弛みを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について紐付き靴を例に説明する。まず、図3から図8を用いて本発明の第1の実施形態の紐繋ぎ装置及びこれを利用した紐付き靴200を述べる。図示するように、本実施形態の紐繋ぎ装置は、紐手段20と、管形クリップ10とからなる。
【0009】
図3に示すように、紐手段20は、紐付き靴200における一対の、互いに並列している紐孔列付きシート23の間に配置されており、前記互いに並列している紐孔列の紐孔220を交差挿通して最後の一対の紐孔220から一対の紐端部32、32をそれぞれ延出している。且つ、紐手段20は二本の紐22、22からなり、一対の紐端部32、32は別々にそれらにおける一本の一端部からなったものである。
【0010】
また、クリップ10は、内外2の管形ピース12、11から同軸に組み合ってなった入れ子管の内部に付勢手段としてばね13を入れ、常時の伸位置からばね13に抗しながら押圧されて縮位置に到達することができるようになっており、且つ、内外2の管形ピース12、11それぞれの管壁の両側にそれぞれ一対の互いに上下対向している穴114、114、115、115が開設してある。これらの穴114、114、115、115は、前記常時の伸位置において内外2の管形ピース12、11の穴114、114、115、115の対向が小通孔Iになり(図6を参照)、前記縮位置において内外2の管形ピース12、11の穴114、114、115、115の対向が大通孔IIになる(図7を参照)ように配置されている。
【0011】
また、前記いずれの紐端部32、32の前記通孔を通過した後の部分は第1の飾り31が形成してあり、且つ、紐端部32、32の第1の飾り31の前の部分は断面が小通孔Iの断面より大であって(図6を参照)、小通孔Iを通過できない止め部33となっている。
【0012】
なお、第1の飾り31は、紐端部32、32が小通孔Iを通過してからループ30、30を形成するように曲がり、そして、小通孔Iを出たところと接合して止め部33となった後、引き続いて反対方向へ延伸してなるものである。さらに、クリップ10の上面に、結び目になっている第2の飾り40がついている。ループ30、30と紐端部32、32と第2の飾り40との組み合わせで、バタフライのような紐結びが構成される(図4を参照)。
【0013】
紐付き靴200を履く場合、クリップ10を常時の伸位置からばね13に抗しながら押圧して縮位置に到達させてから、一対の紐端部32、32を、穴114、114、115、115をそれぞれ通過させて反対側へ引っ張って、管形クリップ10を止め部33を超えて紐孔列付きシート23の方へ摺動させると共に、前記縮位置から元の伸位置に復帰させることにより、一対のシート23の少なくとも履き口210に一番近い最後の一対の紐孔220を有する両端を寄せて固定することができる(図4を参照)。この時、クリップ10の通孔が小通孔Iになった。その後、たとえ紐22、22が少し弛んだとしても、図5、6の示すように、止め部33の断面が小通孔Iの断面より大きいため、それを通過することなくクリップ10の外周面112上に係止される。
【0014】
一方、紐付き靴200を脱ごうとする場合では、まず図7に示すように、クリップ10を常時の伸位置からばね13に抗しながら押圧して縮位置に到達させる。これにより、止め部33の断面が大通孔IIの断面より小さいため、紐端部32、32は容易に大通孔IIを通過してクリップ2を紐孔列付きシート23から離間させ、紐22、22を弛めることができる(図8を参照)。
【0015】
次に、図9及び図10を用いて本発明の第2の実施形態の紐繋ぎ装置を説明する。本第2の実施形態の紐繋ぎ装置は、前記第1の実施形態の紐繋ぎ装置において、内管形ピース12の外上面と外管形ピース11の内上面との間に、前記伸位置時に、止め部33を収容するための隙間が保留されており、また、外管形ピース11の上側の穴114、115にそれぞれ該穴を横断し且つループ30、30を通過した係止棒116、116が形成してあるように構成された。係止棒116により、止め部33の上側の穴114、115からの逸脱を防止することができる。
【0016】
次に、図11及び図12を用いて本発明の第3の実施形態の紐繋ぎ装置を説明する。本第3の実施形態の紐繋ぎ装置は、前記第2の実施形態の紐繋ぎ装置において、一対の紐端部32、32の中の一つだけは、止め部としての結び目330を作ることで断面を大通孔IIの断面よりも大きくしており、大通孔IIを通過できないように構成された。これにより、クリップ10を片側の紐端部32上に往復摺動させることで紐の繋ぎ・弛みを簡単にすることができる。なお、紐22の前記断面の大きい方の紐端部32の結び目330から前記最後の一の紐孔220まで延伸した連結部25は、前記最後の一の紐孔220の裏についている紐22の摺動を阻害するための固定部材24によって所定の長さに保持されている。
【0017】
ところで、前記三つの実施形態における紐手段20も二本の紐22、22からなり、いずれの紐22も、一端32(即ち前記紐端部)にループ30及び止め部33などが形成された後、他端211が、前記互いに並列している紐孔列の、履き口210に一番近い最後の一対の紐孔220から、紐孔220を交差挿通され、つま革に一番近い一対の紐孔220までに延伸されてから前記紐孔列付きシート23の下側に塞がれるものとしたが、これに限らず、一本の紐だけで前記つま革に一番近い一対の紐孔220から履き口210前まで互いに交差しながら紐孔220を順番に挿通し、履き口210に一番近い最後の一対の紐孔220を挿通して前記2の紐端部32を突出させてから、紐端部32上にループ30、30及び止め部33などを形成するようにしてもよい。
【0018】
以上説明した実施の形態は、あくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものにおいてなされたものであり、本発明はそうした具体例に限定して狭義に解釈されるものではなく、本発明の精神とクレームに述べられた範囲で、いろいろと変形して実施できるものである。
【0019】
【発明の効果】
本発明の紐繋ぎ装置によれば、紐端部が小通孔を通過することがないため、紐の弛みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の紐繋ぎ装置及びそれを用いる靴を示す斜視図である。
【図2】図1に示す紐繋ぎ装置の拡大説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の紐繋ぎ装置及びそれを用いる靴を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の紐繋ぎ装置を用いた靴を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の紐繋ぎ装置を示す拡大説明図である。
【図6】図5における6−6矢印方向の一部拡大断面図である。
【図7】図5における6−6矢印方向の一部拡大断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の紐繋ぎ装置が弛む様子を示す拡大説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の紐繋ぎ装置を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の紐繋ぎ装置を示す拡大説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の紐繋ぎ装置を示す拡大説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の紐繋ぎ装置が弛む様子を示す拡大説明図である。
【符号の説明】
10 管形クリップ
11 外管形ピース
12 内管形ピース
13 ばね
20 紐手段
211 紐の他端
22 紐
23 紐孔列付きシート
24 固定部材
25 連結部
30 ループ
31 第1の飾り
32 紐端部
33 止め部
330 止め部としての結び目
40 第2の飾り
112 外周面
114、115 穴
116 係止棒
200 紐付き靴
210 履き口
220 紐孔
I 小通孔
II 大通孔
Claims (6)
- 一対の、互いに並列している紐孔列付きシートの間に配置され、前記互いに並列している紐孔列の紐孔を交差挿通して最後の一対の紐孔から一対の紐端部をそれぞれ延出させる紐手段と、
前記一対の紐端部を、それを横断するように形成してある一対の通孔をそれぞれ通過させてから反対側へ引っ張ってそれを前記紐孔列付きシートの方へ摺動させ、前記一対のシートの少なくとも前記最後の一対の紐孔を有する両端を寄せて、前記紐手段と合わせて固定する管形クリップと、からなる紐繋ぎ装置であって、
前記クリップは、内外2の管形ピースから同軸に組み合ってなった入れ子管の内部に付勢手段を入れ、常時の伸位置から前記付勢手段に抗しながら押圧されて縮位置に到達することができるようにさせてなり、且つ、前記一対の通孔を形成するために、前記内外2の管形ピースそれぞれの管壁の両側にそれぞれ一対の互いに上下対向している穴が開設してあり、これらの穴は、前記常時の伸位置において前記内外2の管形ピースの穴の対向が小通孔になり、前記縮位置において前記内外2の管形ピースの穴の対向が大通孔になるように配置されており、
各紐端部は、前記小通孔を通過してからループを形成するように曲がって第1の飾りを形成し、そして、前記小通孔を出たところと接合して止め部となり、引き続いて反対方向へ延伸してなり、
該止め部は、断面が前記小通孔の断面より大であって、前記小通孔を通過できない構成であることを特徴とする紐繋ぎ装置。 - 前記クリップの上面に更に第2の飾りがついており、該第2の飾りが結び目であることを特徴とする請求項1に記載の紐繋ぎ装置。」
- 前記止め部は断面が前記大通孔の断面より小であって、前記大通孔を通過することができることを特徴とする請求項1に記載の紐繋ぎ装置。
- 前記紐手段は二本の紐からなり、前記一対の紐端部は別々にそれらにおける一本の一端部からなったことを特徴とする請求項1に記載の紐繋ぎ装置。
- 前記内管形ピースの外上面と前記外管形ピースの内上面との間に、前記伸位置時に、前記止め部を収容するための隙間が保留されており、また、前記外管形ピースの上側の前記穴に該穴を横断し且つ前記ループを通過した係止棒が形成してあり、前記係止棒により、前記止め部の前記上側の穴からの逸脱を防止することができることを特徴とする請求項1に記載の紐繋ぎ装置。
- 前記一対の紐端部の中の一つだけは、断面が前記大通孔の断面よりも大であって、前記大通孔を通過できないことを特徴とする請求項1に記載の紐繋ぎ装置。
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