JP3716055B2 - 管路混練装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
開示技術は、建設産業におけるトンネルの地山や法面等に対する吹付コンクリート打設等を行う場合や食品産業における素材処理に際して用いる管路混練装置の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、鉄道や道路、トンネル、水路等の暗渠、開渠はライフラインや交通網等の全国的なネットワークにより全国津々浦々に亘って広範囲に構築されてきている。
【0003】
かかる構築物の建設に際しては、地山に対する掘削を行った後に該地山や法面の保形性は勿論のこと、崩壊や漏水防止等のために、場所打コンクリートに比し作業性や即応性に優れている点から所謂ショットクリート等による如く、吹付コンクリートが湿式や乾式等の方式で広く用いられている。
【0004】
これらの湿式、乾式の吹付コンクリート工事は場所打コンクリートに比し一長一短はあるものの、作業環境に対する塵埃発生防止や粉塵発生抑制等の点から現在湿式方式が広く用いられるようになっているが、地山や法面に対して早期の設計強度を現出するために管路にセメント、粗骨材、細骨材等を混入したスラリー状の基材に対し無機塩系の急結剤を吹付ノズルの直前で混入させて壁面に噴出させる態様であるために、図6に示す様に、コンクリート混合基地に於いて、水1、セメント2、骨材3を計量し、ミキサー4にて混合して所定配合の生コンクリートを作製し、ホッパー3´ を介しこれをアジテータ3´´よりアジテートしながら吹付地まで運搬した後、吹付機5に投入されホース5´ 内を圧送されてガンノズル5´´から地山や法面に吹付けられるようにされている。
【0005】
この際、急結剤6は、ガンノズル5´´の手前約3〜5m位置で、ホース6´´内を圧送され、該ホース6´´に設けられた所定のY字型供給管5´´´ を通じてホース5´ 内に圧入され、生コンリートと混合撹拌されて吹き付けられるシステムとなっている。
【0006】
しかしながら、当該Y字型供給管5´´´ による急結剤6の圧入方法では、ガンノズル5´´までの圧送中に生コンクリートと均一に混合することが不可能な場合が多い。
【0007】
これを対処するに、例えば、図7,図8に示す様な、所謂スタティックミキサー8やスケアーミキサー8´ 等の管路混練装置が上記吹付コンクリートシステムに組み込まれることもある。
【0008】
しかしながら、該種スタティックミキサー8やスケアーミキサー8´ 等の管路混練装置においてはそのブレード9が捻られたり、又、プレート9´ も相互に直角に交差して軸方向に所定段数複数セットされている設計態様が採られており、したがって、かかる管路混練装置8,8´ はその形状構造は固定式であり、各ブレード、プレート9,9´ は流体に対する流過工程での攪拌、混合効率は良いものの、管路に於ける粗骨材、細骨材に加えて急結剤を混入されるスラリー態様では、当該粗骨材や細骨材が管路中に分散されはするものの、所謂パウダータイプの急結剤は当該図6に示す様に、被吹付壁面7に対するガンノズル5´´の手前、例えば、3m等の所定部位に混入されることから、管路混練装置8,8´ 内でのセメント、粗骨材、細骨材との混合、攪拌プロセスにおいて均一に分散、混合、攪拌され難く、粉粒状のまま所謂だま等の浮粉状態を維持して生コンクリートとして吹き付けされるために、吹付コンリートの品質の低下を招く虞があり、又、設計凝結硬度や強度との間に差が生じかねないという欠点があった。
【0009】
又、上述した如く、かかる管路混練装置8,8´ におけるブレード9やプレート9´ は狭隘な管路内に於いて固設されているために送給中に閉塞を生じ、スムーズな吹き付けが出来難くなる難点があり、作業能率の低下を招き結果的に吹き付け精度の向上が図れないという不具合があった。
【0010】
更に、管路に於ける送給圧を高めて流速を高めると、ブレード9やプレート9´ の損耗を招き、耐久性の低下や機能劣化を招く虞があるという不都合さもあった。
【0011】
これに対処するに、出願人の先願考案である実開平5−37331号公報記載の考案が開発されて管路の軸方向、即ち、流過方向に偏平形状の絞り部を90°ずつ位相を変えて所定段数複数に形成した一種の管路混練装置が開発され、機械的駆動部が無いことにより耐久性が良好なうえにメンテナンスが不要で、攪拌,混合効率が良好なものが開発されて各種プラントに設置されて優れた実稼動に供されている。
【0012】
即ち、図9乃至図12に示す態様の如く、図6に示す在来一般態様同様に生コンクリートと無機質系等の急結剤6とを均一に分散、混合、攪拌させてガンノズル5´´より岩盤や地山面の壁面7に所定の吹付コンクリートの施工を行うに際し、所定ユニット長さの断面円筒状のケーシング11をフランジ12を介し設定長さ連結し、ガンノズル5´´を先端にフランジ等で連結すると共に図6同様に送給された生コンクリートを輸送する配管13にフランジ12´ 等で連結され、例えば、ガンノズル5´´の先端から3m等の輸送配管13に無機塩系等の急結剤6に対するインレットポート14が設けられてパウダータイプの急結剤6を生コンクリートに混入するようにされている。
【0013】
而して、ユニット長さのケーシング11にあってはその内部に同心的に管路混練装置本体を成すゴム等のチューブ17が設けられ、そのフランジ18がケーシング11のフランジ12に挟着されて共締め的に固定されている。
【0014】
そして、図10に示す通り管路混練装置本体のゴム等のチューブ17には軸方向長手方向に所定ピッチを介し90°ずつ位相を変えた偏平形状の絞り部19,19が形成されている。
【0015】
尚、該偏平形状の絞り部19のケーシング11のユニット長さにおける段数は、例えば、1ユニット長さに2、3段所定段数等形成するようにされている。
【0016】
該ゴムチューブ17と所定の金属製のケーシング11との間にはインレットポート16により、例えば、水、油等の封液20が設定圧で圧入され、メンテナンス時においてはアウトレットポート16´ から排液交換することが出来るようにされて、ゴムチューブ17の所定の被圧状態を保持するようにされている。
【0017】
而して、各偏平形状の絞り部19に於いては内側にバンド状のゴムリング21´ をゴムチューブ17に装着され、その外側には金属スプリング21´´が加硫処理等により一体化されている弾性リング21が巻装されて絞り部19を拡縮自在にされている。
【0018】
そして、通常のセット状態では図10に示す様に、弾性リング21,21は長手方向に絞り部19を90°周方向で位相を変えて相互に交差する姿勢で巻装されている。
【0019】
そして、図11,図12に示す様に、各弾性リング21は長径短径方向に拡縮自在にされ、管路2´ 中に混在している粗骨材、細骨材が粒径にもよるが、又、素材相互のブリッジ作用等により流過プロセスで偏平形状の絞り部19に於いて閉塞作用を起こす場合においては、ゴムチューブ17に流過方向に被圧状態が形成されて弾性リング21を拡開して容易に通過し、通過後は混合、攪拌機能を回復するべく該弾性リング21はリセット姿勢に偏平形状に復元縮小し、ゴムチューブ17の偏平形状の絞り部19を形成する。
【0020】
そのため、当該偏平形状の絞り部19に於ける閉塞状態が生じない場合には、長手方向所定段数の各偏平形状の絞り部19,19…の重畳作用により充分に輸送プロセスにおける分散、混合、攪拌が設計通りに行われる。
【0021】
そして、ゴムチューブ17の断面円形の一般部、及び、偏平形状の絞り部19に於ける偏平形状は封液20により確実に保形されることになる。
【0022】
而して、管路混練装置10において、生コンクリートが一次混合状態で輸送配管13から圧送され、その素材中にパウダータイプの無機塩等の所定の急結剤6がインレットポート14から輸送配管13内に圧入されて混合状態にされ、管路混練装置10内へ送給されてケーシング11のゴムチューブ17内に送給されると、該ゴムチューブ17はケーシング11内の封液20を介し偏平形状の絞り部19,19…が相互に90°ずつ位相を変えて配設されていることにより、流過素材は畳重的に所定段数複数拡縮されて均一分散状態での混合、攪拌が行われ、生コンクリートは勿論のこと、急結剤6も確実に均一分散混合され、従来の如く未混合部分があるようなことはなく、全体的に所定の流動性を有した均一状態でガンノズル5´´へ圧送されて所定に岩盤や法面等の壁面7への吹付コンクリートに供される。
【0023】
しかしながら、前述した如く、管路中に生コンクリートが混入されていることにより偏平形状の絞り部19で閉塞が生ずるような潜在的可能性があるが、その場合は、当該偏平形状の絞り部19で被圧状態が形成され、弾性リング21の内側のゴムリング21´ が続いて金属スプリング21´´が広がって閉塞を起こしている生コンクリートを逃がし、直ちにその弾性リング21のスプリングバックにより初期セット状態に復位し、混合、攪拌機能を直ちに回復する。
【0024】
かかる経時的な姿勢変化は各偏平形状の絞り部19に於いても行われることから自動的に偏平形状の絞り部19に於ける揉み込むような圧縮作用が経時的に反復され、この点からも混合攪拌がより促進される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当該先行技術においては軸方向所定段数の偏平形状絞り部19が固定的に形成されていることから、上述粗骨材や細骨材や急結剤を混入された絞り部19等でスラリーの流過混合を行うに際しては流過する素材の流量や圧力変化が対応範囲を超えると封液20の量的な条件により閉塞が生じ易いという不具合があり、建設工事用の狭隘な部分に於ける管路混練装置の利点を損なうという不利点があった。
【0026】
又、高硬度の骨材3がゴムチューブ17の絞り部19,19…を流過するために、該ゴムチューブ17が破損して封液20が内部に浸入し、吹付コンクリートの濃度に変化を来たし、吹き付け面の精度を低下するという欠点もあった。
【0027】
そして、絞り部19に於ける閉塞状態の解放に際し、流過する生コンクリートの抵抗により各弾性リング21がガンノズル5´´側へずれ込むような力も作用しようとすると、弾性リング21の内側のゴムリング21´ がゴムチューブ17に緊密に圧着されていることによりその摩擦力を介してずれ込むような虞がある難点もあった。
【0028】
そして、上述問題点は建設産業における岩盤や法面に対する吹付コンクリートの素材ばかりでなく、他の全く異なる産業、例えば、食品産業におけるハム・ソーセージ等の素材の混練等において、食品素材に対する色材添加に際し、これらの素材の相互に均一な分散状態での混練が素材の変質を避けて確実に製造されるに際しても管路混練が用いられているが、上述図7,図8の固定エレメントを有する管路混練装置では手こね(手もみ)作用による詰物の風味や感触が得られ難いというデメリット等があり、多方面において用いられている管路混練のネックともなっていた。
【0029】
【発明の目的】
この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく建設産業に於ける岩盤の法面に対する吹付コンクリートや食品産業に用いる管路混練装置の本来的な輸送機能と混合、攪拌機能を併せ有する秀れた点を生かしながらも、混入するパウダータイプの急結剤の浮粉状態の発生や粗骨材、細骨材による詰まり現象や食品産業における素材混練等に生ずる問題点を解決すべき技術的課題とし、輸送される各素材が手もみ作用に類似する混練作用により均一に分散、攪拌、混合されて確実に先端ノズルから送出させることが出来、しかも、経時的に詰まり等も生ぜず、耐久性を伸ばすことが出来るようにして各種産業における混合技術利用分野等に益する優れた管路混練装置を提供せんとするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は前述課題を解決するために、トンネル内の地山の岩盤や法面等の地山に対し吹付コンクリートにより支保工等を形成するに際し、又、ハム・ソーセージ等の食品を製造するに際し、円筒状のケーシング内に弾性チューブを設け、該弾性チューブが挟搾部と拡張部を有するユニットチューブの連結体からなる管路混練装置を用いるに、各素材を輸送パイプやホースを介し輸送しながら、均一に分散、撹拌、混合をすることが出来るようにし、その際、各連結接合しているユニットチューブはその端部が略直円形の拡張部と該両収縮部間に一体に接続されている略偏平の拡縮部とより形成され、各ユニットチューブの端部の略直円形の拡大部にはシールリングが嵌着自在にされる等して介装され、そして、相隣るユニットチューブ相互の収縮部は90°等の位相差を介して接続され、更に、該ユニットチューブは耐摩耗性弾性材により形成されると共に、その肉部に独立起泡がマイクロバルーン等を有して散在されて形成され、該ユニットチューブの相互の連結は拡大部の端面に介装される位置決めピンにより所定の位相差を有して位置決めされ、所定長さ直線状の連結状態であったり、所定にカーブした曲線状に形成される等されているようにした技術的手段を講じたものである。
【0031】
【作用】
而して、上記管路混練装置に相互に材質の異なる流過素材がパイプ、或いは、ホースにより所定に送給されてくると、各ユニットチューブにおいてはその端部の断面形状が略真円状の拡大部分より、断面積が連続して縮少する収縮部により挟搾され、その拡張と挟搾とが各ユニットチューブにおいて反復して行われ、したがって、輸送される各素材は各ユニットチューブ内に於てその流過プロセスにて腸管における蠕動の如く手こね(手もみ)作用に類似する作用を受け、確実な混練作用が受けられ、しかも、その流過プロセスにおいては硬度が大である素材や安息角により閉塞したり、収縮部より大きなそれぞれの素材の流過においてはユニットチューブがその弾性により拡張し、閉塞を防止してスムーズな流過を成し、又、該ユニットチューブの肉部に形成されているマイクロバルーンを含む独立起泡がアキュームレーター作用を成して確実に素材のスムーズな流過を付与し、大硬度の素材や安息角により閉塞したり、収縮部より大きなそれぞれの素材の流過後には該独立起泡による、又、弾性チューブの弾性による拡張により各ユニットチューブは復元し、該弾性チューブの耐摩耗性の材質によって何ら損傷を受けることがなく、均一拡散、撹拌、混合等の混練機能を常に保持するようにし、設計通りの処理作用が行われる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の実施しようとする形態を図1乃至図5に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0033】
尚、図6以下と同一形態部分は同一符号を用いて説明するものとする。
【0034】
図示実施形態はトンネル内壁の岩盤や法面等の地山に対して吹付コンクリートによる支保工を形成するに際し、生コンクリート、及び、シリカフュームを混練し、より強固な強度とリバウンド率の低減を図ることが出来るようにする管路混練装置の態様であって、10´ はこの出願の発明の要旨を成す管路混練装置であり、その所定径、所定長の金属製のケーシング11´ の管端にはガンノズル5´´が接続され、基端部にはフランジ12´´を介して所定に連結されているパイプ、或いは、ホース13´ が接続され、又、ケーシング11´ の基端部に対してはそのフランジ21を介しシールリング21´ を有して緊密に連結されている。
【0035】
而して、該ケーシング11´ 内にはその長手方向にこの出願の発明の要旨の中心を成す耐摩耗性弾性材、例えば、ウレタンゴム製のユニットチューブ22,22…がシール裡に相互に所定数接続されている。
【0036】
而して、各ユニットチューブ22においては図1に示す様に、耐摩耗性弾性材のウレタンゴムを円筒状の素材として両端部は拡大部23として、その端部は略真円状に形成され、該両端部の拡大部23,23間には両側からの凹部25が形成されて拡大部23に続く収縮部24が当該図1の(ロ)に示す様に、拡大部23の拡張部23´ に対し挟搾部24´ を連続して形成され、したがって、1ユニットチューブ22においては両端部の拡大部23,23内の拡張部23´ に続いて断面積が連続して縮少している幅狭で径方向に押しつぶされた偏円状の収縮部24内の挟搾部24´ が連通して形成されている。
【0037】
又、拡大部23の一方の端面26にはリング状のノッチ27が環設され、又、他方の端面26には該リング状のノッチ27に嵌着自在なシールリング28が突出して形成され、図3に示す様に、各ユニットチューブ22が相隣って固設状態にケーシング11´ 内に相互連結される状態では各ユニットチューブ22の拡大部23の端面26が確実にシールされるようにされている。
【0038】
而して、該ユニットチューブ22の拡大部23の端面26には一方側の端面と他方側の端面には90°位相差を変えて位置決めピン孔29が穿設されて位置決めピン30を介して相隣るユニットチューブ22,22が長手方向において周方向に90°位相差を変えて接続されるようにされており、したがって、図2に示す基本的態様の如く、相隣るユニットチューブ22,22は両者の端面26においては拡大部23の拡張部23´ がスムーズに接続され、又、各ユニットチューブ22の両端面26,26間の略中央部にあっては長手方向に90°位相差を介し断面偏平状態の楕円形状の収縮部24がその内部の挟搾部24´ を形成して相互に90°位相差を介して接続されている。
【0039】
したがって、セメントや水や骨材等の生コンクリートとシリカフューム等の素材のスラリーがパイプ、或いは、ホース13´ から流入して各ユニットチューブ22を流過するプロセスにおいては収縮部24と拡大部23の挟搾部24´ と拡張部23´ の断面積は変化し、したがって、該スラリーの流過プロセスにおいて流量変化と拡張と収縮を90°の位相差を介して長手方向に流速のアンバランスを反復し流量や圧力のバランス等による膨脹と縮少を反復されながら、腸管における蠕動の如き一種の手こね(手もみ)作用を受けて流過プロセスにおいて混合撹拌を反復し、比較的短い流過プロセスにおいて確実な混練作用が行われる。
【0040】
而して、当該流過プロセスにおける混練作用時において不測にして骨材等の硬度の大きな、しかも、大サイズの素材が流過して収縮部24の挟搾部24´ 、或いは、拡大部23の拡張部23´ においてその流過に支障をきたすような閉塞現象が生じようとする場合には、該ユニットチューブ22の弾性作用により該ユニットチューブ22自体が拡縮を生じて当該大硬度で大サイズの骨材等の異物の流過をスムーズに行う。
【0041】
尚、この際も該各ユニットチューブ22の肉部22´ に製造時に形成されているマイクロバルーンを含む独立起泡22´´が圧縮されて潰されて一種のアキュームレーター作用を受けて当該大硬度で大サイズの異物の流過を助勢し、流過後は該独立起泡22´´が膨脹し、当該ユニットチューブ22の弾性と独立起泡22´´の圧縮や膨縮を介し全てのスラリーの素材のスムーズな流過を保証する。
【0042】
尚、実験によれば、かかる管路混練装置10´ をガンノズルの直前の2〜3m付近に介装させることによるデータは図4に示す横軸に時間h、縦軸に一軸圧縮強度fをとると、トンネル等の岩盤や法面等の地盤に対する一軸圧縮強度fはこの出願の発明の管路混練装置を介装させたデータ(一点鎖線)が介装させないデータ(実線)のものよりも2倍近くの良好なデータが得られることが分った。
【0043】
尚、この出願の発明の実施形態は上述実施形態に限るものでないことは勿論であり、例えば、図5に示す様に、各ユニットチューブの両端面26に形成したリング状のノッチ27に対しては別製の金属製等のリング状のシール体28´ を準備して該リング状のシール体28´ の周面の一部にブリッジ31を介し、位置決めピン30を設けて各ユニットチューブ22の端面26のリング状のノッチ27に嵌着してシール作用を図ると共に位置決めピン30をして位置決めピン孔29に貫装させることにより、相隣るユニットチューブ22,22の長手方向90°の位相差を介しての相互接続を図るようにする等種々の態様が採用可能である。
【0044】
又、該管路混練装置10´ は図3に示す様な直線状のものに限らず、端面26を斜設することにより、所定の曲率にカーブした態様にすることも出来るものである。
【0045】
又、設計変更的には各ユニットチューブにおける拡大部の長手方向の位相差は90°に限らず、他の30°,45°等の連続変化の位相差を与えることが出来るものである。
【0046】
又、シール体はユニットチューブと同材質に限らず、金属製ものでも良いものである。
【0047】
又、各ユニットチューブの端面の態様は該ユニットチューブの軸方向中心に対し直交するものでなく、適宜な角度に斜切するようにすることが可能であることも勿論である。
【0048】
又、適用対象は上述建設産業における吹付コンクリートの施工のみならず、例えば、肉類のミンチの腸詰め製品のハム・ソーセージ等を作製するに際し、当該ミンチに色材を腸詰め直前に混入して変質を見ることなく、手こね(手もみ)式の風味のある腸詰め製品等の食品とするような使用態様も可能である。
【0049】
又、その他にも薬品や化粧品や化成品等さまざまな産業分野にも応用が可能であり、上述在来態様の如く、各ユニットエレメントの外側に封液等の水を外装させなくても良いために、ゴムチューブの水漏れ等による材質の変質等が避けられる。
【0050】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的に建設産業におけるトンネルの岩盤や法面等の地山に対する吹付コンクリートに対しガンノズルの直前にシリカフューム等の異材質のものを混入し、経時的に変質することなく均質に分散混合撹拌し、混練して吹き付けするような際に、又、ミンチに色材を混入し、腸詰め直前に均質状態に混練するような場合に、流過するスラリー状等の素材の旋回流動が避けられ、進行方向に対し拡縮作用を短工程のプロセスで高頻度に反復して受けることにより、各材質の均一な分散混合撹拌が図られ、しかも、その流量、圧力のバランスによって腸管の蠕動に類いする手こね(手もみ)同様の均一な混練作用が付与され、しかも、その流量、圧力のアンバランスによって材質変化がなく、最終的に先端のノズルから送出されるという優れた効果が奏される。
【0051】
しかも、ケーシング内に所定数相互に接続されて連結されるユニットチューブが耐摩耗性弾性材製であり、その両端部の略真円状の拡大部の拡張部間に偏平状の収縮部の挟搾部が形成されていることにより、各ユニットチューブをスラリー等の素材が流過するプロセスにおいて該収縮部と拡大部とで頻繁に拡縮作用を受け、しかも、エレメント等が内装されていないために、邪魔板によるハイシャーも受けず、周方向の旋回動が成されず、流速の差を変化させながら前方に送り出されるプロセスにおいて手こね(手もみ)式の混練作用を受けるために、材質的に変質等はしない均質分散撹拌混合の混練が確実に受けられるという効果があり、しかも、流過プロセスにおいて大硬度、大サイズ等の異物が流過するような場合においても各ユニットチューブが弾性材であるために、その弾性を介し拡縮してスムーズな流過を保証し、更に、該ユニットチューブの肉部にマイクロバルーンを有する独立起泡が形成されているために、該独立起泡もまた収縮して異物流過を助勢することが出来るという優れた効果が奏される。
【0052】
しかも、拡縮状態は異物流過後にユニットチューブの耐摩耗性弾性材のために直ちに復元するために、その混練機能は何ら損われることなく、確実に終始保証されるという優れた効果が奏される。
【0053】
又、拡大部にはシールリングが嵌着自在にされていることにより、そのシール性は確実に保証されコンタミネーションの対応という効果もある。
【0054】
そして、該ユニットチューブが耐摩耗性弾性材製であるために耐久性が良好であり、単に円筒状等のケーシング内に充填するだけで良いのでほとんど故障等がなく、メンテナンスも不要であり、したがって、保守、点検、整備等のメンテナンスもかからず、この点からもコスト的に安くつくという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ユニットチューブの説明図であり、(イ)は収縮部と拡大部を含む縦断面図であり、(ロ)は半端面図の透視図であり、(ハ)は収縮部と拡大部を含む半平断面図であり、(ニ)はユニットチューブの斜視図である。
【図2】長手方向90°の位相差を介して接続した一対のユニットチューブの接続斜視図である。
【図3】この出願の発明の管路混練装置の部分縦断面図である。
【図4】1実施形態の実験データのグラフ図である。
【図5】同実施形態のユニットチューブの縦断面図である。
【図6】一般態様のコンクリート吹き付けのフローシステム図である。
【図7】在来態様の管路管路装置の模式斜視図である。
【図8】同じく在来態様に基づく管路混練装置の模式斜視図である。
【図9】旧来態様の管路混練装置の全体概略側面図である。
【図10】同部分切断斜視図である。
【図11】図10の一部断面図である。
【図12】同図10の他の一部断面図である。
【符号の説明】
10´ 管路混練装置
22 弾性チューブ
23´ 拡張部
24´ 挟搾部
22 ユニットチューブ
23 拡大部
24 収縮部
22´´ 独立起泡
28 シールリング
26 端面
30 位置決めピン
Claims (7)
- 混練装置本体を成す弾性チューブの内部が挟搾部と拡張部が連続してなるチューブ有する管路混練装置において、該チューブが耐摩耗性弾性材で、且つ該チューブの肉部に独立起泡が散在的に形成されており、略直円形の拡張部と略直円形の拡張部に断面積が連続的に縮少しながら一体に接続されている略偏平の収縮部とより形成され、該チューブが設定長さに連結されていることを特徴とする管路混練装置。
- 上記連結が最小単位の挟搾部と拡張部よりなるユニットチューブとして直線状にされていることを特徴とする請求項1記載の管路混練装置。
- 上記連結が最小単位の挟搾部と拡張部よりなるユニットチューブとして曲線状にされていることを特徴とする請求項1記載の管路混練。
- 上記ユニットチューブの拡張部端部の端面にシールリングが嵌着自在に形成されていることを特徴とする請求項1記載の管路混練装置。
- 上記ユニットチューブの拡張部端部に位置決めピンが配設されていることを特徴とする請求項1記載の管路混練装置。
- 上記ユニットチューブが長手方向にて上記収縮部を周方向に位相差を有して連結されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の管路混練装置。
- 上記位相差が90°にされていることを特徴とする請求項6記載の管路混練装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21910496A JP3716055B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 管路混練装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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