JP3715567B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−RWディスクやDVD+RWディスク等の書換え記録可能な情報記録媒体に、ユーザが要求したデータを記録し又は再生する情報記録再生装置に関し、特に、バックグラウンドフォーマットを中断してディスクを取り出す際の一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)の記録方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RWディスクやDVD+RWディスクなどの書換え記録可能な情報記録媒体を用いたファイルシステムとして、ユニバーサルディスクフォーマット(UDF:Universal Disc Format)がある。UDFは様々なデバイス上で使用され、各々のデバイスの特徴を生かした記録フォーマットを利用しているファイルシステムである。CD−RWやDVD+RWはデータの上書きが可能であるため、データの記録再生をランダムに行うランダムUDFが採用されている。
【0003】
CD−RWの場合、データの記録再生をランダムに行うためには、記録領域の全面或いは指定領域に対して予めダミーデータで記録を行うフォーマットを行う必要がある。
【0004】
また、DVD+RWの場合も、従来のDVD−ROMドライブとの互換性の観点から未記録領域をダミーデータで埋める必要がある。
【0005】
このように、フォーマットはディスク全面或いは指定領域に対してダミーデータを埋め尽くすため、フォーマットの処理時間は情報記録媒体の大容量化に比例して増大してしまう問題がある。
【0006】
このような問題に対し、例えば、特開平11−134799号公報によれば、フォーマット処理をバックグラウンドで行い、フォーマット要求後、短時間でユーザが要求するデータの記録再生を可能にする情報記録再生装置が提案されている。同公報例はCD−RWディスクにおけるバックグラウンドフォーマットに関するものであるが、DVD+RWディスクにおいても同様のバックグラウンドフォーマットが提案されている。
【0007】
バックグラウンドフォーマットでは、ユーザからのデータ記録再生要求がない時間を使用して、未記録(フォーマット)領域をダミーデータで埋める処理を行う。バックグラウンドフォーマット中、ユーザからデータ記録再生要求が発生した場合、フォーマット処理を中断して、ユーザ要求によるデータ記録再生を行う。このように、バックグラウンドフォーマット中は、ユーザが要求するデータ記録再生と、バックグラウンドフォーマットによるダミーデータの記録を並行して行う必要がある。
【0008】
また、バックグラウンドフォーマット中、フォーマット完了前にユーザがディスクを取り出すことが可能である。ディスクを取り出す際にはデータ記録領域に続いて一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)を記録することで、取り出したディスクを従来のDVD−ROMドライブなどで読み出すことが可能となる。Temporary Lead Outはバックグラウンドフォーマット若しくはユーザ要求によるデータ記録を行った領域のうち、最も外周に位置する領域の終了アドレスLWA(Last Written Address)から記録される。Temporary Lead Outを記録したディスクに対しては、ユーザ要求によりTemporary Lead Out開始位置からフォーマットを再開することが可能となっている。
【0009】
一方、上述のDVD+RWなどを、マスタリング用ディスクを作成や、オリジナルディスクのバックアップとしてコピーを作成するなどの用途に用いる場合がある。このような用途ではディスク全面をフォーマットする必要は無く、逆に、ユーザが作成したいサイズでフォーマットを終了させることが望まれる。
【0010】
このような要求に対しては、ユーザがデータ記録後、Temporary Lead Outを記録してディスクを取り出すことで、ディスクのサイズを可変にすることが可能となる。また、Temporary Lead Outによりディスクサイズを可変にすることで、このディスクへのデータの追記を容易に行うことが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Temporary Lead Out記録によりディスクサイズを可変にする場合、以下の問題がある。
【0012】
バックグラウンドフォーマット中、ユーザ要求によりフォーマットを中断してデータ記録を行った後、再びバックグラウンドフォーマットを開始するまでの時間はドライブに依存している。このため、ユーザがデータ記録を行った領域よりもLWAが先に進んでしまう場合がある。Temporary Lead OutはLWAから記録されるため、必ずしもユーザが記録を行った領域に引き続いてTemporary Lead Outが記録されるとは限らない。つまり、ユーザが記録したい位置からTemporary Lead Outを記録することを保証することができない。
【0013】
従って、マスタリング用ディスクの作成や、オリジナルディスクのバックアップとしてコピーを作成するなどの用途に用いる場合、ユーザが意図したサイズのディスクの作成を保証することは困難である。
【0014】
そこで、本発明は、バックグラウンドフォーマットを中断して、Temporary Lead Out を記録してディスクの取り出しを行う場合に、ユーザが指定する位置にTemporary Lead Outを記録することができる情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、書換え記録可能な情報記録媒体に対するフォーマット処理をバックグラウンドで行う手段と、バックグラウンドフォーマット中にフォーマット処理を中断して前記情報記録媒体を取り出す手段と、前記情報記録媒体を取り出す際に一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)を記録する手段とを有する情報記録再生装置であって、ユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける受付手段を備え、この受付けた位置に一時的なリードアウトを記録させるようにした。
【0016】
従って、バックグラウンドフォーマット処理において、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの情報記録媒体を作成することが可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報記録再生装置において、前記受付手段は、フォーマットを開始する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける。
【0018】
従って、バックグラウンドフォーマット処理において、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの情報記録媒体を作成することが可能となる。特に、ユーザとしてはフォーマットを開始する際に所望の一時的なリードアウト位置を指定すればよい。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の情報記録再生装置において、前記受付手段は、バックグラウンドフォーマットを中断する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける。
【0020】
従って、バックグラウンドフォーマット処理において、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの情報記録媒体を作成することが可能となる。特に、ユーザとしてはバックグラウンドフォーマットを中断する時点で所望の一時的なリードアウト位置を指定すればよく、前もって指定しておかなくてもよいため、利便性が増す。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報記録再生装置において、前記受付手段により受付けた一時的なリードアウト位置に関する判定手段を備え、指定された一時的なリードアウト開始位置が、既にフォーマットで記録した領域内にあった場合、ユーザに対しエラー報知させるようにした。
【0022】
請求項3記載の発明において、バックグラウンドフォーマットを中断する際に一時的なリードアウト位置を指定する場合、ユーザが指定した一時的なリードアウト位置が既にフォーマット済であった場合、指定された位置から一時的なリードアウトを記録すると、一時的なリードアウト位置よりも外周に記録されているデータは無効になってしまう。ここに、本発明においては、指定された一時的なリードアウト開始位置が、既にフォーマット済領域であった場合、ユーザに対してエラー報知して終了させることにより、一時的なリードアウト開始位置よりも外周部のデータが無効になることが防止される。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の情報記録再生装置において、前記受付手段により受付けた一時的なリードアウト位置に関する判定手段を備え、指定された一時的なリードアウト開始位置が、ユーザ要求により記録した領域よりも小さかった場合、ユーザに対しエラー報知させるようにした。
【0024】
請求項3記載の発明において、バックグラウンドフォーマットを中断する際に一時的なリードアウト位置を指定する場合、一時的なリードアウト開始位置よりも外周にユーザデータが記録されていた場合、指定された位置から一時的なリードアウトを記録すると、一時的なリードアウト位置よりも外周に記録されているデータは無効になってしまう。ここに、本発明においては、指定された一時的なリードアウト開始位置が、ユーザ要求により記録した領域よりも小さい場合、ユーザに対してエラー報知して終了させることにより、一時的なリードアウト開始位置よりも外周部のデータが無効になることが防止される。
【0025】
請求項6記載の発明は、書換え記録可能な情報記録媒体に対するフォーマット処理をバックグラウンドで行う手段と、バックグラウンドフォーマット中にフォーマット処理を中断して前記情報記録媒体を取り出す手段と、前記情報記録媒体を取り出す際に一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)を記録する手段とを有する情報記録再生装置であって、ユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける受付手段を備え、バックグラウンドフォーマットが中断している状態において、受付けた位置に一時的なリードアウトを記録させるようにした。
【0026】
ユーザ要求によるデータ記録前にバックグラウンドフォーマットを中断してから、ユーザ要求によるデータ記録を行うことで、データ記録完了後、バックグラウンドフォーマットの再開を避けることが可能になる。現在、一時的なリードアウトの記録はバックグラウンドフォーマットを中断する際に行うものであるが、バックグラウンドフォーマット中に限らず、一時的なリードアウトの記録を行うようにすれば、ユーザが意図した位置から一時的なリードアウトを記録することが可能になる。この点、本発明においては、バックグラウンドフォーマット中でなくても、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズのディスクを作成することが可能となる。特に、書き込むデータサイズによって一時的なリードアウト位置をユーザが指定することができ、指定が容易である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
【0028】
本実施の形態の情報記録再生装置は、図1に示すように、書換え記録可能な情報記録媒体であるDVD+RW等の光ディスク1を回転させるスピンドルモータ2と、半導体レーザを搭載して光ディスク1の記録領域にレーザ光Lを照射する光ピックアップ3と、その光ピックアップ3をその内部に設けられているシークモータと共同して光ディスク1の半径方向に移動させる粗動モータ4を備えている。
【0029】
また、モータ2の回転制御を行なう回転制御系5と、粗動モータ4の駆動制御を行なう粗動モータ制御系6と、光ピックアップ3の制御を行なう光ピックアップ制御系7と、光ピックアップ3によって読み取ったデータの信号及び光ディスク1の記録領域に書き込むデータの信号を送受する信号処理系8と、CPU,ROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって実現され、上記制御系5〜7及び処理系8の制御と共に、本発明に係るバックグラウンドフォーマットの中断、再開、Temporary Lead Out(一時的なリードアウト)記録などの機能を実現するための処理を行なうコントローラ9を備えている。光ディスク1から読み出したデータはキャッシュメモリ10に蓄えられる。
【0030】
さらに、コントローラ9は外部インタフェース11を介してホストコンピュータ20に接続されており、光ディスク1から読み取り、キャッシュメモリ10に蓄えられたデータをホストコンピュータ20へ送出し、光ディスク1に書き込むデータをホストコンピュータ20から一旦キャッシュメモリ10に受け取る処理も行なう。
【0031】
このホストコンピュータ20は、CPU,ROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって実現され、HDD或いは外部から着脱可能なFDや光ディスク等のコンピュータ読取り可能な記憶媒体21を備えている。記憶媒体21は、本発明に係る各種の機能をコントローラ9に実現させるためのプログラムを格納したHDD或いは外部から着脱可能なFD,光ディスク等のメディアである。そして、ホストコンピュータ20は、記憶媒体21から読み取ったプログラムをコントローラ9にインストールして、コントローラ9に本発明に係る各種の機能を実現させる。
【0032】
図2に、光ディスク1、具体的には、DVD+RWの場合における、バックグラウンドフォーマットによるダミーデータの記録と、ユーザ要求によるデータ記録・再生、Temporary Lead Out記録の例を模式的に示す。
【0033】
まず、ブランクディスクが挿入された場合、図2(a)に示すように、フォーマットの初期化処理でリードイン領域の一部だけを記録してユーザからのデータ記録再生を可能にし、バックグラウンドフォーマットにより、内周からデータ未記録領域をダミーデータで記録していく(バックグランドフォーマット処理機能)。
【0034】
このバックグラウンドフォーマット中に、ユーザからホストコンピュータ20を通じてデータ記録再生要求があった場合、図2(b)に示すように、バックグラウンドフォーマット処理を停止し、ユーザデータの記録再生を行う。
【0035】
ユーザが要求したデータ記録再生が終了すると、図2(c)に示すように、前回停止したアドレスからバックグラウンドフォーマットを再開する。
【0036】
さらに、ユーザからホストコンピュータ20を通じてバックグラウンドフォーマットの中断要求があった場合、図2(d)に示すように、Last Written AddressよりTemporary Lead Outを記録してフォーマットを中断する(フォーマット処理中断・ディスク取り出し機能及びTemporary Lead Out記録機能)。
ここで、図2(c)において、バックグラウンドフォーマットの再開はドライブに依存しているため、フォーマット中断要求で記録されるTemporary Lead Out位置は、図2(b)で示したように、ユーザデータを記録し終わった位置とは限らない。このため、ユーザが望むデータサイズでディスクを作成することが保証されない。
【0037】
そこで、本実施の形態では、バックグランドフォーマット処理機能に関して、図3に示すような処理制御によりTemporary Lead Out位置の受付機能を付加し、ユーザ所望の位置にTemporary Lead Outを記録できるようにしたものである。
【0038】
図3に示す概略フローチャートを参照して、コントローラ9により実行されるその処理制御例を説明する。この処理制御は、バックグラウンドフォーマット開始要求を受けることにより実行される。この要求を受けた場合、まず、ホストコンピュータ20を通じてユーザにより指定したTemporary Lead Out位置(TLO位置)の情報を取得し(ステップS1)、バックグラウンドフォーマットを開始する。ここに、ステップS1の処理が受付手段の機能として実行とされる。
【0039】
バックグラウンドフォーマット中は、ユーザからのデータ記録要求があるかをチェックし(S2)、ユーザ要求があった場合は、バックグラウンドを中断してデータ記録し、再びバックグラウンドフォーマットを開始する(S3)。
【0040】
その後、バックグラウンドフォーマットが指定されたTLO位置まで達したかどうかをチェックし(S4)、達していなければ、再びユーザ要求のチェックを行い(S2)、TLO位置まで達した場合はTemporary Lead Outを記録し(S5)、一連のバックグラウンドフォーマットを終了する。
【0041】
なお、ホストコンピュータ20を用いたユーザによるTLO位置の指定としては、例えば、FormatコマンドのパラメータとしてFormatサイズを指定するようにすればよい。DVD+RWの場合であれば、FormatサイズはMAX LBA=230540固定であるが、パラメータで指定されたサイズがMAXよりも小さければ、指定されたサイズだけフォーマットが完了した時点でTemporary Lead Outを記録させることが可能となる。
【0042】
従って、本実施の形態によれば、バックグラウンドフォーマット処理において、TLO位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの光ディスク1を作成することが可能となる。このためにも、ユーザとしてはフォーマットを開始する際に所望のTLO位置を指定すればよい。
【0043】
本発明の第二の実施の形態を図4に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0044】
基本的には、第一の実施の形態と同様であるが、ユーザからのTLO位置の指定の受付けを、バックグランドフォーマットを中断する際としたものである。
【0045】
図4に示す概略フローチャートを参照して、コントローラ9により実行されるその処理制御例を説明する。この処理制御は、バックグラウンドフォーマット開始要求を受け、バックグラウンドフォーマットを開始することにより実行される。バックグラウンドフォーマット中は、ユーザからのデータ記録要求があるかをチェックし(S2)、ユーザ要求があった場合は、バックグラウンドを中断してデータ記録し、再びバックグラウンドフォーマットを開始する(S3)。その後、ホストコンピュータ20を通じてユーザからバックグラウンドフォーマットの中断要求があるかをチェックし(S11)、中断要求がなければ再びユーザからのデータ記録要求があるかどうかをチェックする(S2)。
【0046】
バックグラウンドフォーマット中断要求があった場合は、併せてユーザにより指定されたTLO位置の情報を取得し(S12)、バックグラウンドフォーマットが指定されたTLO位置まで達したかどうかをチェックする(S13)。ここに、ステップS12の処理が受付手段の機能として実行とされる。TLO位置まで達していなければ(S13のN)、TLO位置までフォーマットを行った後(S13のY)、Temporary Lead Outを記録して(S5)、バックグラウンドフォーマットを終了する。
【0047】
従って、本実施の形態によれば、バックグラウンドフォーマット処理において、TLO位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの情報記録媒体を作成することが可能となる。特に、ユーザとしてはディスク取り出し等を意図するバックグラウンドフォーマットの中断を指示する時点で、併せて、所望の一時的なリードアウト位置を指定すればよく、前もって指定しておかなくてもよいため、利便性が増す。
【0048】
本発明の第三の実施の形態を図5に基づいて説明する。前述の第二の実施の形態のように、バックグラウンドフォーマットを中断する際にTLO位置を指定する場合、ユーザが指定したTLO位置が既にフォーマット済であった場合、又は、Temporary Lead Out開始位置よりも外周にユーザデータが記録されていた場合、指定された位置からTemporary Lead Outを記録すると、TLO位置よりも外周に記録されているデータは無効になってしまう。本実施の形態は、このような点を考慮したものである。
【0049】
図5に示す概略フローチャートを参照して、コントローラ9により実行されるその処理制御例を説明する。この処理制御は、バックグラウンドフォーマット開始要求を受け、バックグラウンドフォーマットを開始することにより実行される。バックグラウンドフォーマット中は、ユーザからのデータ記録要求があるかをチェックし(S2)、ユーザ要求があった場合は、バックグラウンドを中断してデータ記録し、再びバックグラウンドフォーマットを開始する(S3)。その後、ホストコンピュータ20を通じてユーザからバックグラウンドフォーマットの中断要求があるかをチェックし(S11)、中断要求がなければ再びユーザからのデータ記録要求があるかどうかをチェックする(S2)。
【0050】
バックグラウンドフォーマット中断要求があった場合は、併せてユーザにより指定されたTLO位置の情報を取得し(S12)、そのTLO位置がLast Written Address(LWA)よりも小さいかどうかをチェックする(S14)。このステップS14のチェックは、既にフォーマット済であるか、又は、Temporary Lead Out開始位置よりも外周にユーザデータが記録されているか否かのチェックに相当し、判定手段の機能として実行される。
【0051】
指定されたTLO位置がLWA以上であれば、指定されたTLO位置までバックグラウンドフォーマットが達したかどうかをチェックし(S13)、TLO位置までフォーマットを行った後(S13のY)、Temporary Lead Outを記録して(S5)、バックグラウンドフォーマットを終了する。
【0052】
一方、指定されたTLO位置がLWAよりも小さければ(S14のY)、ホストコンピュータ20を通じてユーザに対しエラー報告を行い(S15)、バックグラウンドフォーマットを終了する。
【0053】
従って、本実施の形態によれば、指定されたTLO位置が、既にフォーマット済領域であった場合、或いは、指定されたTemporary Lead Out開始位置よりも外周にユーザデータが記録されていた場合には、指定された通りにTemporaryLead Outを記録することなく、ユーザに対してエラー報知して終了させることにより、Temporary Lead Out開始位置よりも外周部のデータが無効になることを防止できる。
【0054】
本発明の第四の実施の形態を図6に基づいて説明する。前述したように、ユーザ要求によるデータ記録前にバックグラウンドフォーマットを中断してから、ユーザ要求によるデータ記録を行うことで、データ記録完了後、バックグラウンドフォーマットの再開を避けることが可能になる。現在、Temporary Lead Outの記録はバックグラウンドフォーマットを中断する際に行うものであるが、バックグラウンドフォーマット中に限らず、Temporary Lead Outの記録を行うようにすれば、ユーザが意図した位置からTemporary Lead Outを記録することが可能になる。このような点を考慮し、本実施の形態では、バックグラウンドフォーマット中に限らず、Temporary Lead Outの記録を受付けることにより、ユーザが指定した位置にTemporary Lead Outを記録できるようにしたものである。
【0055】
図6に示す概略フローチャートを参照して、コントローラ9により実行されるその処理制御例を説明する。まず、バックグラウンドフォーマット開始後の任意の時点で、ユーザからバックグラウンドフォーマットの中断要求を受けた場合は(S21のY)、バックグラウンドフォーマットを中断する(S22)。その後、ホストコンピュータ20を通じてユーザからデータ記録要求があるか否かをチェックし(S23)、データ記録要求を受けた場合は(S23のY)、その要求に従いデータ記録を行う(S24)。ここで、ホストコンピュータ20を通じてユーザからTemporary Lead Out記録要求があれば(S25)、その要求に従いTemporary Lead Outを記録し(S26)、処理を終了する。ステップS25の処理が受付手段の機能として実行される。
【0056】
即ち、本実施の形態では、バックグラウンドフォーマット中でなくてもTemporary Lead Outを記録可能としていることを特徴とする。ユーザ要求によるデータ記録後は、バックグラウンドフォーマットは中断されているため、ユーザが記録した領域の次のアドレスがLast Written Address(LWA)であり、バックグラウンドフォーマットによりLWAが先に進むことはない。従って、書き込むデータサイズによってそのままTLO位置をユーザが指定することができ、ユーザが意図したデータサイズのディスクを作成することが可能となる。
【0057】
なお、これらの実施の形態では、光ディスク1としてDVD+RWを用いた場合への適用例として説明したが、他の書換え可能な光ディスク、例えば、CD-RW等にも同様に適用できるのはもちろんである。また、これらの実施の形態では、光ディスク記録再生装置への適用例として説明したが、バックグラウンドフォーマット機能と、バックグラウンドフォーマットを中断して媒体を取り出す機能と、ディスクを取り出す際にTemporary Lead Outを記録する情報記録再生装置全般に適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、バックグラウンドフォーマット処理において、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズの情報記録媒体を作成することができる。
【0059】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の情報記録再生装置において、フォーマットを開始する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付けることにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、ユーザとしてはフォーマットを開始する際に所望の一時的なリードアウト位置を指定すればよいこととなる。
【0060】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の情報記録再生装置において、バックグラウンドフォーマットを中断する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付けることにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、ユーザとしてはバックグラウンドフォーマットを中断する時点で所望の一時的なリードアウト位置を指定すればよく、前もって指定しておかなくてもよいため、利便性を増すことができる。
【0061】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明において、バックグラウンドフォーマットを中断する際に一時的なリードアウト位置を指定する場合、ユーザが指定した一時的なリードアウト位置が既にフォーマット済であった場合、指定された位置から一時的なリードアウトを記録すると、一時的なリードアウト位置よりも外周に記録されているデータは無効になってしまうが、指定された一時的なリードアウト開始位置が、既にフォーマット済領域であった場合には、ユーザに対してエラー報知して終了させるようにしたので、一時的なリードアウト開始位置よりも外周部のデータが無効になることを防止することができる。
【0062】
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の発明において、バックグラウンドフォーマットを中断する際に一時的なリードアウト位置を指定する場合、一時的なリードアウト開始位置よりも外周にユーザデータが記録されていた場合、指定された位置から一時的なリードアウトを記録すると、一時的なリードアウト位置よりも外周に記録されているデータは無効になってしまうが、指定された一時的なリードアウト開始位置が、ユーザ要求により記録した領域よりも小さい場合には、ユーザに対してエラー報知して終了させるようにしたので、一時的なリードアウト開始位置よりも外周部のデータが無効になることを防止することができる。
【0063】
請求項6記載の発明によれば、バックグラウンドフォーマット中でなくても、一時的なリードアウト位置をユーザが指定した位置に記録することを保証することができ、ユーザが意図したデータサイズのディスクを作成することが可能となり、特に、書き込むデータサイズによって一時的なリードアウト位置をユーザが指定することができ、指定が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す情報記録再生装置のブロック図である。
【図2】バックグランドフォーマット処理例を示す模式図である。
【図3】処理制御例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第二の実施の形態の処理制御例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第三の実施の形態の処理制御例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第四の実施の形態の処理制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
S1 受付手段
S12 受付手段
S14 判定手段
S25 受付手段
Claims (6)
- 書換え記録可能な情報記録媒体に対するフォーマット処理をバックグラウンドで行う手段と、バックグラウンドフォーマット中にフォーマット処理を中断して前記情報記録媒体を取り出す手段と、前記情報記録媒体を取り出す際に一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)を記録する手段とを有する情報記録再生装置であって、
ユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける受付手段を備え、
この受付けた位置に一時的なリードアウトを記録させるようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記受付手段は、フォーマットを開始する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付けることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
- 前記受付手段は、バックグラウンドフォーマットを中断する際にユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付けることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
- 前記受付手段により受付けた一時的なリードアウト位置に関する判定手段を備え、指定された一時的なリードアウト開始位置が、既にフォーマットで記録した領域内にあった場合、ユーザに対しエラー報知させることを特徴とする請求項3記載の情報記録再生装置。
- 前記受付手段により受付けた一時的なリードアウト位置に関する判定手段を備え、指定された一時的なリードアウト開始位置が、ユーザ要求により記録した領域よりも小さかった場合、ユーザに対しエラー報知させることを特徴とする請求項3記載の情報記録再生装置。
- 書換え記録可能な情報記録媒体に対するフォーマット処理をバックグラウンドで行う手段と、バックグラウンドフォーマット中にフォーマット処理を中断して前記情報記録媒体を取り出す手段と、前記情報記録媒体を取り出す際に一時的なリードアウト(Temporary Lead Out)を記録する手段とを有する情報記録再生装置であって、
ユーザにより指定された一時的なリードアウト位置を受付ける受付手段を備え、
バックグラウンドフォーマットが中断している状態において、受付けた位置に一時的なリードアウトを記録させるようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。
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