JP3714565B2 - 隙間張設用のラス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は隙間張設用のラス、詳しくは建築,構築物の築造過程において、横架するH型鋼と垂直壁等の間で大小幅の隙間が生じたときに、該隙間を岩綿等の耐火下地材の吹付け,塗装にて閉塞するために該下地材の支え用として張設するラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術としては本願出願人の出願に係る実開平6−4237号公報がある。該公報は金属細線の組編形状にてなるラスの両面に突出条が交互するウェーブを付し、該ラスの一面の突出条に直交して溶接可能の太さを備えた焼鈍鉄線を間隔を置いて複数本取付けたことを特徴とする隙間張設用のラスを記載している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該公報はラスの一端を焼鈍鉄線を用いてH型鋼のフランジ部分に溶接取付けして張設するため、建築,構築現場にはラスのほか溶接機材と、溶接技術に熟練した作業員を確保して派遣しなければならないという課題があって、ラスの張設が容易でないという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は建築,構築過程においてH型鋼と垂直壁等の間に隙間が生じた場合に該隙間を耐火下地材の吹付け、塗装にて閉塞するために該隙間に下地材の支え用として張設するラスであって、該ラスは一側端部の全長に該ラスごと切断調整の可能な金属薄板にてなる挟み止め部材を取付けて隙間張設用のラスとし、該挟み止め部材は取付代に続いて背板をもとに弾力的に開閉する向き合い形の2枚の挟み止め片と、該2枚の挟み止め片の開放端部に外開きガイドと該外開きガイドの一方の基端に抜出し防止爪を設けてなり、前記ラスの一側を該挟み止め部材にて前記H型鋼のフランジ部分に挟み止め取付け、該ラスの他側を垂直壁等の外面に折当てまたは突当てあるいは挿込み取付けするようにして、かかる課題を解決しようとするものである。
【0005】
【作用】
本発明はラスの一側にあらかじめスポット溶接により取付けした挟み止め部材にてH型鋼のフランジ部分に挟み止め取付けし、ラスの他側は垂直壁等の壁面に設ける溝に挿込み、または突当てあるいは折当てして張設するのである。なお、ラスの張設に当ってラスの長手方向に突出し端が生ずるときはラスを挟み止め部材ごと切断して長さ調整をするのである。
【0006】
【実施例】
以下図面に基づいて実施例を説明する。
【0007】
凹凸曲面形の連続ウェーブ1aを付したラス1の一側端部の全長に挟み止め部材2をスポット溶接3付け取付けして隙間張設用のラス4を形成する。
【0008】
挟み止め部材2は弾力性を備えるとともにラスごと切断調整の可能な2枚の金属薄板にてなり、一端を接合してラス1との間のスポット溶接用の取付代2aを形成し、取付代2aに続いて扁平な挟み止め片2bと、曲折して直交する方向に短く形成する背板2cを挟んで挟み止め片2bに向き合う形の挟み止め片2dを形成してなる。なお背板2cはH型鋼5のフランジ部分5aの厚みよりやや幅長にて形成する。また挟み止め片2b,2dは開放端部を互いに外開き方向に曲折して外開きガイド2e,2fを形成する。外開きガイド2e,2fは図1に示すように扁平形または図5に示すように曲面形にて形成する。また外開きガイド2e,2fの一方の基端には図4に示すように切り立てにて抜出し防止爪2gを設けている。
【0009】
建築物の構築過程において横架するH型鋼5と垂直壁6間に図2に示すような隙間7が生じたときは、上記形成の隙間張設用のラス4の一端を挟み止め部材2を用いてH型鋼5のフランジ部分5aに挟み止め取付けし、他端を垂直壁6の壁面に折当て、または突当て、あるいは垂直壁面に溝を設けて挿込み取付けする。
【0010】
このようにして隙間7に張設したラス4の外側より岩綿などの耐火下地材8を吹付けまたは塗装して隙間7を閉塞するのである。
【0011】
なお挟み止め部材2は図1に示すように外開きガイド2e,2fの基端が閉じているが図3に示すように背板2cの背面に手指を当ててH型鋼5のフランジ部分5aに押込むと、背板2cをもとに挟み止め片2dが開いて難なく挟み止め取付けし得ることとなる。
【0012】
またラス4の他端は垂直壁6の壁面に沿って折当て取付けすることが最善である。壁面への接触が面接触となるために仮止め状態が著しく安定し、さらに折当て部分が吹付け,塗装する下地材8にて被覆されて強化されるほか、ラス4の幅長が隙間7に較べて多少大きくても切断することなく取付けることができてラス1の隙間張設を容易に進めることができることとなる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上のようにして、隙間張設用に凹凸曲面形の連続ウェーブを付して形成するラスの一側端部の全長に弾力性を有してラスごと切断調整の可能な金属薄板にて背板をもとに開閉する挟み止め部材を形成して取付け、該ラスの一側をH型鋼のフランジ部分に挟み止め部材をもって挟み止め取付けするようにしたので、従来の溶接取付けによって生じていた溶接資材の建築現場への輸送と熟練した溶接作業員の確保と派遣を不要にして何人でも容易且つ簡単にH型鋼のフランジ部分への取付け作業を進めることができるという効果を生ずる。
【0014】
挟み止め部材は弾性ある金属薄板製であって、且つ抜出し防止爪を有すことによってH型鋼のフランジ部分に緊密に挟み止め取付けすることができ、取付後はみだりに抜出しないという効果を生ずる。
【0015】
また挟み止め部材に外開きガイドを設けたので、H型鋼のフランジ部分に挟み入れしやすいという効果を生ずる。
【0016】
さらに挟み止め部材はラスごと切断調整が可能なため、隙間張設に際して長手方向に突出部分が生じた場合はラスごと切断して長さを調整することができるという効果を生ずる。
【0017】
挟み止め部材にラスとの間の取付代を設けたので、ラスとの間で確実且つ正確にスポット溶接して取付けすることができるという効果を生ずる。
【0018】
また挟み止め部材に背板を設けたので、向き合い形の挟み止め片は該背板をもとに確実に開閉してH型鋼のフランジ部分に容易に挟み止めすることができるという効果を生ずる。
【0019】
隙間張設用のラスの他端を垂直壁面に折当て取付けするとともに、該折当て部分を吹付け,塗装する下地材にて被覆することにより、該ラスの垂直壁側の取付面を強化することができ、またラスの幅長が隙間幅より多少大きくても垂直壁面に対して折当て取付けすることにより、切断を要せずして取付けることができて、取付け作業を能率的に進めることができるという効果を生ずる。
【0020】
ラスに凹凸曲面形の連続ウェーブを付したので、吹付け,塗装する下地材を厚塗りして強化することができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案隙間張設用のラスの1実施例を示す斜視図である。
【図2】 同、H型鋼と垂直壁間の隙間張設例、また張設して耐火下地材を吹付け,塗装した状態を示す断面図である。
【図3】 背板の背面に手指を当ててH型鋼のフランジ部分に挟み止め部材を押込む作業状態を示す拡大部分図である。
【図4】 抜出し防止爪の形成例を示す挟み止め片の斜視図である。
【図5】 外開きガイドを曲面形にて形成した例を示す側面図である。
【符号の説明】
1はラス
2は挟み止め部材
2aは取付代
2bは挟み止め片
2cは背板
2dは挟み止め片
2e,2fは外開きガイド
2gは抜出し防止爪
3はスポット溶接部
4は隙間張設用のラス
5はH型鋼
5aはフランジ部分
6は垂直壁等
7は隙間
8は耐火下地材
Claims (1)
- 建築,構築過程においてH型鋼と垂直壁等の間に隙間が生じた場合に該隙間を耐火下地材の吹付け、塗装にて閉塞するために該隙間に下地材の支え用として張設するラスであって、該ラスは一側端部の全長に該ラスごと切断調整の可能な金属薄板にてなる挟み止め部材を取付けて隙間張設用のラスとし、該挟み止め部材は取付代に続いて背板をもとに弾力的に開閉する向き合い形の2枚の挟み止め片と、該2枚の挟み止め片の開放端部に外開きガイドと該外開きガイドの一方の基端に抜出し防止爪を設けてなり、前記ラスの一側を該挟み止め部材にて前記H型鋼のフランジ部分に挟み止め取付け、該ラスの他側を垂直壁等の外面に折当てまたは突当てあるいは挿込み取付けするようにしたことを特徴とする隙間張設用のラス。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16783595A JP3714565B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 隙間張設用のラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16783595A JP3714565B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 隙間張設用のラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08338116A JPH08338116A (ja) | 1996-12-24 |
JP3714565B2 true JP3714565B2 (ja) | 2005-11-09 |
Family
ID=15856972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16783595A Expired - Fee Related JP3714565B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 隙間張設用のラス |
Country Status (1)
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1995
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