JP3714016B2 - ロータリバルブおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧式パワーステアリングに用いるロータリバルブおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを油圧力でアシストする油圧式パワーステアリングにおいては、ハンドル操舵によって相対回転されるバルブボディとバルブシャフトからなるロータリバルブが用いられ、このロータリバルブによってパワーシリンダへの圧油の給排が制御されるようになっている。
【0003】
この種のロータリバルブには、図11に示すように、バルブボディ1の内周に円周上複数の制御溝2が形成され、一方、バルブシャフト3の外周に円周上複数の制御溝4が形成され、両者の溝エッジ部の間で可変絞り部VL、VRが形成される。なお、図中P1は供給ポート、C1、C2はシリンダポート、R1は排出ポートを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、バルブボディ1の制御溝2は、ブローチ加工によって形成され、バルブシャフト3の制御溝4は、研削加工によって形成されるが、これら制御溝2、4の溝分割角度θX、θYの精度によって、可変絞り部VL、VRの一方が絞られた際に円周上複数の可変絞り部の絞り面積に差が生ずるようになり、絞り音が発生しやすくなる。
【0005】
すなわち、バルブボディ1に対してバルブシャフト2が相対回転すると、例えば図11に示すように、可変絞り部の一方(VR)が縮小され、作動油の圧力が上昇するが、この際、縮小された円周上複数の可変絞り部VRの絞り面積差により、低圧側に排出される圧油がそれら複数の可変絞り部VRに均等に分散されなくなり、絞り面積の大きな可変絞り部に偏って流れる現象を生ずる。これはまた、ハンドルの最大舵角時に、円周上のある可変絞り部が閉止されても、他の可変絞り部は未だ開口状態にあり、圧油の流れが開口している可変絞り部に集中する結果を招く。
【0006】
このように、圧油が円周上複数の可変絞り部を均等に分散して流れないことにより、絞り音が発生しやすくなる。
特にバルブボディは、ブローチ加工の後、熱処理されるため、仮にブローチ加工により溝分割角度が理論値(設計値)通り加工できたとしても、その後の熱処理によってバルブボディが歪み、溝分割角度に誤差を生ずることもある。この熱処理による歪みは、バルブボディの内周に形成される溝の分割角度が不等ピッチの場合により影響を受けやすくなる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、バルブボディあるいはバルブシャフトの溝分割角度の精度に拘わらず、円周上複数の可変絞り部の絞り面積を均等に保持できるようにすることにより、絞り音の発生を抑制できるロータリバルブおよびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、油圧ポンプとリザーバとの間に設けられパワーシリンダへの作動油の給排を制御するロータリバルブを備えた油圧式パワーステアリングにおいて、前記ロータリバルブは、互いに相対回転可能に嵌合するバルブボディとバルブシャフトとからなり、前記バルブボディの内周には円周上複数の凹溝が形成され、前記バルブシャフトの外周には円周上複数の凹溝が形成され、これらバルブボディおよびバルブシャフトの各凹溝の両縁部には、バルブボディおよびバルブシャフトの各凹溝の理論上の分割角度位置より等角度位置にエッジ部を設けるための追加加工部を形成してなるものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1に記載のロータリバルブにおいて、バルブシャフトの追加加工部によって形成されたエッジ部に圧力制御用の面取部を形成してなるものである。
請求項3の発明は、油圧式パワーステアリングに用いるロータリバルブの製造方法にして、前記ロータリバルブを構成するバルブボディの内周とバルブシャフトの外周に、理論値より溝幅を小さくした円周上複数の凹溝をそれぞれ加工する凹溝加工工程と、前記バルブボディに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして追加加工を施し、理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を形成するバルブボディ追加加工工程と、前記バルブシャフトに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして追加加工を施し、理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を形成するバルブシャフト追加加工工程とからなるものである。
【0010】
また請求項4の発明は、請求項3に記載のロータリバルブの製造方法において、前記バルブシャフト追加加工工程は、前記バルブシャフトに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして傾斜角度の異なる切欠部と面取部を加工して理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を設けるようにしたものである。
【0011】
【実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は油圧式パワーステアリングの概念的な油圧系統図を示すもので、この油圧式パワーステアリングは、主として、図略の自動車エンジンによって駆動され所要流量の作動油を吐出する油圧ポンプ10と、リザーバ11と、操舵トルクをアシストするパワーシリンダ12と、図略のハンドルの操作に応じて作動しパワーシリンダ12への作動油の給排を制御するロータリバルブ13とによって構成されている。
【0012】
前記ロータリバルブ13は、4つの流路をブリッジ接続した構成からなり、4つの流路の一方の対角線上の接続点には前記油圧ポンプ10とリザーバ11がそれぞれ接続され、他方の対角線上の接続点には前記パワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rがそれぞれ接続されている。
【0013】
前記ロータリバルブ13の上流側および下流側の各流路には、センタオープンタイプの可変絞りV1、V2およびV3、V4がそれぞれ介挿されている。そして可変絞りV1、V2を介してパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rと油圧ポンプ10が接続され、また可変絞りV3、V4を介してパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rとリザーバ11が接続されている。
【0014】
これら可変絞りV1〜V4は、ハンドルの例えば時計回りの操舵によって一方の可変絞りV1、V4の絞り面積が縮小方向に変化されるとともに、他方の可変絞りV2、V3の絞り面積が拡大方向に変化され、反対に反時計回りの操舵によって一方の可変絞りV1、V4の絞り面積が拡大方向に変化されるとともに、他方の可変絞りV2、V3の絞り面積が縮小方向に変化されるように構成されている。
【0015】
図2は前記ロータリバルブ13を備えたラックアンドピニオン式ステアリングギヤの具体的構成を示すもので、ギヤハウジング20にはハンドルに連結される入力軸21と操向車輪に連結される出力軸22が同一の軸線上にそれぞれ回転可能に収納され、これら入力軸21と出力軸22はトーションバー23を介して相対回転可能に連結されている。
【0016】
前記入力軸21および出力軸22にはロータリバルブ13を構成するバルブシャフト25とバルブボディ26がそれぞれ連設され、これらバルブシャフト25とバルブボディ26は互いに相対回転可能に嵌合されている。
【0017】
前記出力軸22の先端にはピニオン軸27が形成され、このピニオン軸27にラック軸28が噛合されている。ラック軸28は前記ギヤハウジング20に摺動可能に収納され、その両端は図略のタイロッド等を介して操向車輪に連結されるようになっている。ラック軸27上には前記パワーシリンダ12のピストン29(図1)が設けられ、このピストン29によってパワーシリンダ12内を左右の油圧室12L、12Rに区画している。
【0018】
前記バルブシャフト25の外周には、図3の展開図で示すように、円周上複数の制御溝31が形成され、これら制御溝31と同数の制御溝32がバルブボディ26の内周に形成されている。しかして制御溝31、32の両エッジ部の間で上記した可変絞りV1〜V4が構成される。なお、以下の実施の形態においては、一例としてバルブシャフト25の外周およびバルブボディ26の内周に8個ずつの制御溝31,32がそれぞれ円周上等角度間隔に形成されたロータリバルブ13について説明する。従って、この場合の溝分割角度の理論値は45度となる。
【0019】
なお、図3中、P1はバルブボディ26に形成された供給ポート、C1、C2はバルブボディ26に形成されたシリンダポート、R1はバルブシャフト25に形成された排出ポートを示し、供給ポートP1は前記ギヤハウジング20に形成された供給口33(図2)を介して油圧ポンプ10の吐出ポートに接続され、シリンダポートC1、C2はシリンダ口34、35(図2)を介してパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rに接続され、排出ポートR1はバルブシャフト25の内周および排出口36(図2)を介してリザーバ11に接続されている。
【0020】
次に上記した構成のロータリバルブ14の具体的構成およびその製造方法を図4ないし図7に基づいて説明する。
まず、図4に示すように、バルブボディ26の内周には、円周上等角度間隔に8個の凹溝32Aがブローチ加工によって軸方向に形成される。このときの凹溝32Aの溝幅θX1は理論上の溝幅θX2(図6)より小さく形成され、後の追加加工によって理論上の溝幅にされて前記制御溝32として機能するようになる。続いてバルブボディ26は焼入れされ、硬化処理が施される。その後、図5に示すように、バルブボディ26の両端部に凹溝32Aの開口端を閉塞するシールリング40,41が嵌着される。次いでバルブボディ26の内周およびシールリング40,41の内周が所定の内径寸法に共加工され、これらバルブボディ26およびシールリング40,41の内周面がバルブシャフト25との嵌合面となる。
【0021】
しかる後、図6に示すように、前記8個の凹溝32Aのうちの1つの凹溝(以後この凹溝を基準凹溝32A1と称する)の溝中心O1を基準にして基準凹溝32A1の両縁部に溝中心O1に対して対称な傾斜切欠面32B、32Bが、砥石車GWを有するNC研削盤によって追加加工される。かかる追加加工は、バルブボディ26の回転と砥石車GWの進退の2軸同時制御によって達成される。これにより溝中心O1から等角度θX2/2だけ隔てた一対のエッジ部32C、32Cが形成される。かかるエッジ部32C、32C間の角度θX2は、理論上の溝幅寸法に一致する。
【0022】
基準凹溝32A1のエッジ部32C、32Cの形成に引き続いて、基準凹溝32A1に隣接する凹溝(以後この凹溝を隣接凹溝32A2と称する)の両縁部に前記と同様な切欠面32B、32BがNC研削盤によって加工され、隣接凹溝32A2の両側に新たなエッジ部32C、32Cが形成される。しかして、この隣接凹溝32A2の切欠面加工においては、隣接凹溝32A2の溝中心を基準にするのではなく、前記基準凹溝の溝中心O1から理論上の分割角度θXA(45度)だけ位相の異なる仮想の中心O2に対して対称な位置に切欠面32B、32BがNC研削盤によって加工される。
【0023】
このように、NC研削盤の砥石車GWを理論上の分割角度θXAから割出した図6の軌跡T1に沿って数値制御することにより、バルブボディ26のすべての溝32Aの両縁部に切欠面32B、32Bが加工され、エッジ部32C、32Cが形成される。
【0024】
上記したように形成された凹溝両縁部のエッジ部32C、32Cは、ブローチ加工された凹溝の分割角度のバラツキに影響されることなく、理論上の溝分割角度を基準としたものとなり、かつ理論上の溝幅寸法に一致したものとなる。
【0025】
なお、上記したバルブボディ26の加工においては、バルブボディ26の内周のブローチ加工工程の後に、焼入れ工程、シールリング40,41の嵌着工程、バルブボディ26およびシールリング40,41の内周加工工程を実施し、しかる後、切欠面32B、32Bの追加加工工程を施すようにしたが、ブローチ加工工程、焼入れ工程に引き続いて切欠面の追加加工工程を施し、その後にシールリング40、41の嵌着工程、バルブボディ26およびシールリング40、41の内周加工工程を行うようにすることもできる。
【0026】
他方、バルブシャフト25の外周には、図4に示すように、一定幅の砥石車を持つNC研削盤によって凹溝31Aが軸方向に形成される。この凹溝31Aは、バルブシャフト25を溝分割角度ずつ位相割出ししながら円周上等角度間隔に8個形成される。このときの溝幅θY1も上記したバルブボディ26の場合と同様に、理論上の溝幅θY2(図6)より小さく形成され、後の追加加工によって理論上の溝幅にされて前記制御溝31として機能するようになる。凹溝31Aの加工の後、図6に示すように、8個の凹溝31Aのうちの1つの凹溝(以後この凹溝を基準凹溝31A1と称する)の溝中心O3を基準にして基準凹溝31A1の両縁部に溝中心O3に対して対称な傾斜切欠面31B、31BがNC研削盤によって追加加工される。かかる追加加工も、バルブシャフト25の回転と砥石車GWの進退の2軸同時制御によって達成される。これにより溝中心O3から等距離θY2/2だけ隔てた一対のエッジ部31C、31Cが形成される。かかるエッジ部31C、31C間の距離θY2は、理論上の溝幅寸法に一致する。
【0027】
基準凹溝31A1のエッジ部31C、31Cの形成に引き続いて、基準凹溝31A1に隣接する凹溝(以後この溝を隣接凹溝31A2と称する)の両縁部に前記と同様な切欠面31B、31BがNC研削盤によって加工され、隣接溝31A2の両縁部に新たなエッジ部31C、31Cが形成される。この場合においても、隣接凹溝31A2の切欠面加工は、隣接凹溝31A2の溝中心を基準にするのではなく、前記基準凹溝31A1の中心O3から理論上の溝分割角度θYA(45度)だけ位相の異なる仮想の中心O4に対して対称な切欠面31B、31BがNC研削盤によって加工される。このようにしてバルブシャフト25の全ての溝31Aに切欠面31B、31Bが加工される。このように、NC研削盤の砥石車を理論上の分割角度θYAから割出した図6の軌跡T2に沿って数値制御することにより、バルブシャフト25の全ての溝31Aの両縁部に切欠面31B、31Bが加工され、エッジ部31C、31Cが形成される。
【0028】
上記したように形成された凹溝両縁部のエッジ部31C、31Cは、凹溝の理論上の分割角度を基準に形成されることになり、研削加工された凹溝の分割角度のバラツキに影響されないものとなる。
【0029】
このようにして制御溝31,32を加工されたバルブボディ26およびバルブシャフト25は、図7に示すように、相対回転可能に嵌合され、中立時にバルブボディ26の制御溝32の中心に、バルブシャフト25の制御溝31間の突部が対応するように組付けられる。そしてこの状態においては、バルブボディ26の制御溝32の両エッジ部32C、32Cからバルブシャフト25の制御溝31の両エッジ部31C、31Cまでの角度θ1は、バルブボディ26の溝分割角度θXA1あるいはバルブシャフト25の溝分割角度θYA1(図4)等の誤差に拘わらず、円周上8個所ですべて同一となり、その結果、バルブボディ26およびバルブシャフト25の相対回転による絞り部閉止角度を円周上複数の個所で常に同じにすることができる。
【0030】
すなわち、図7に示すように、バルブボディ26の実際の溝分割角度θXA1が理論上の溝分割角度θXAに対してΔθXAだけずれている場合でも、エッジ部32Cは理論上の溝分割角度θXAに対して定められた位置に形成されることになる。
【0031】
上記したように構成した本実施の形態においては、油圧ポンプ10より吐出された作動油は、ロータリバルブ13の供給ポートP1に供給される。操舵の中立状態においては、供給ポートP1に供給された作動油はセンタオープンタイプの可変絞りV1、V3およびV2、V4を通って排出ポートR1よりリザーバ11に等分的に排出されるため、パワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rには差圧が発生しない。
【0032】
しかしながら、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクによって、バルブボディ26に対しバルブシャフト25が例えば時計回り(図3の右方向)に相対回転されると、前記可変絞りV2、V3の絞り面積が縮小されるとともに、可変絞りV1、V4の絞り面積が拡大される。これによりパワーシリンダ12の両油圧室12L、12Rに差圧が発生する。このパワーシリンダ12の両油圧室12L、12Rの差圧によってアシストトルクが発生し、軽快な操舵が達成される。
【0033】
ところで、バルブボディ26に対するバルブシャフト25の相対回転により、可変絞りV2、V3の絞り面積が縮小され、遂には閉止されるに至るが、可変絞りV2、V3の絞り面積が縮小されると、高圧の圧油が制限された可変絞りV2、V3を介して排出されるようになり、絞り音が発生する原因となる。
【0034】
この場合、円周上8個所の可変絞りV2、V3が均等な絞り面積であれば、高圧の圧油は8個所の可変絞りV2、V3に均等に分散されて排出され、絞り音の発生を抑制できる。
【0035】
この点、本実施の形態においては、凹溝31A、32Aの加工誤差等による溝分割精度に拘わらず、円周上8個所の可変絞りV2、V3の絞り面積が不均等になることがなく、またハンドルの最大舵角時においても同時に閉止されるため、高圧の圧油がより大きな可変絞り部を偏って流れる際に生ずる絞り音(シュー音)の発生を抑制できるようになる。
【0036】
図8は本発明の他の実施の形態を示すもので、前記バルブシャフト25の溝の両縁部に形成したエッジ部31C、31Cに、さらに圧力制御用の面取部31D、31Dを前記NC研削盤によって形成するようにしたものである。なお、先の実施の形態と同じ部分には同一の符号を符し、説明を省略する。
【0037】
すなわち、前記面取部31D、31Dの形成においても、上記した切欠面31B、31Bの形成と同様に、基準凹溝31A1の溝中心O3を基準にした理論上の分割角度に応じて追加加工される。その結果、各凹溝の両縁部には面取部31D、31Dの切り上がり部とバルブシャフト25外周とが交わる位置に新たなエッジ部31E、31Eが形成され、このエッジ部31E、31Eは理論上の分割角度位置より等角度位置(θY21/2)に位置する。これにより、バルブボディ26のエッジ部からバルブシャフト25のエッジ部31Eまでの角度θ11は、バルブボディ26の溝分割角度あるいはバルブシャフト25の溝分割角度等の誤差に拘わらず、円周上すべて同じとなる。
【0038】
上記した実施の形態においては、バルブシャフト25およびバルブボディ26に複数の制御溝31,32をそれぞれ円周上等角度間隔に配列したロータリバルブ13について説明したが、本発明は制御溝を円周上不等角度間隔に形成した各種構造のロータリバルブに適用可能であり、以下にその一例を図9、図10に基づいて説明する。
【0039】
図9、図10は操舵の中立時のハンドル剛性感を高めるためにセンタクローズドバルブを備えたロータリバルブを示し、このロータリバルブの構成自体は、例えば本件出願人の出願に係わる特開平6−127401号公報、および特開平7−132842号公報に詳細に記載されている。
【0040】
かかる構成のロータリバルブにおいては、センタクローズドバルブの存在により、バルブボディ26の制御溝を円周上等角度間隔に設けることができず、このためにブローチ加工後の焼入処理によりバルブボディ26に歪みを生じやすくなる。このためにブローチ加工による溝分割角度の精度が確保されていても、焼入後においては溝分割角度に誤差を生ずる結果となる。また、かかるロータリバルブにおいては、センタクローズドバルブの存在により、圧油の排出通路が円周上6個所に減少され、より正確な絞り面積の均等化が求められる。つまり、本発明を適用するのにきわめて好適なロータリバルブであるといえる。
【0041】
この実施の形態におけるロータリバルブ113は、図9に示すように、4つの流路をブリッジ接続した2組のバルブ部を並列接続した構成からなる。一方の組の4つの流路の一方の対角線上の接続点には油圧ポンプ10とリザーバ11がそれぞれ接続されている。他方の組の4つの流路の一方の対角線上の接続点には油圧ポンプ10とリザーバ11がそれぞれ接続されるとともに、他方の対角線上の接続点にはパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rがそれぞれ接続されている。
【0042】
前記一方の組の上流側および下流側の各流路には、センタオープンタイプの可変絞りV1、V2およびV3、V4がそれぞれ介挿されている。前記他方の組の上流側の流路には、センタクローズドタイプの可変絞りV5、V6が介挿され、下流側の流路には、センタオープンタイプの可変絞りV7、V8が介挿されている。そしてセンタクローズドタイプの可変絞りV5、V6を介してパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rと油圧ポンプ10が接続され、またセンタオープンタイプの可変絞りV7、V8を介してパワーシリンダ12の左右の油圧室12L、12Rとリザーバ11が接続されている。
【0043】
ここで、センタクローズドタイプの可変絞りV5、V6は、図10に示すように、操舵の中立時およびその近辺においては、共に閉止状態に維持され、この状態においてはパワーシリンダ12の両油圧室12L、12Rには圧油が供給されず、パワーシリンダ12には差圧が発生しないため、中立付近でのハンドル剛性が高められる。
【0044】
この実施の形態においても、センタクローズドタイプの可変絞りV5、V6部を除く6個所の可変絞りを構成するバルブシャフト25とバルブボディ26の凹溝の両縁部に先に述べた実施の形態と同様な追加加工工程を施すことによって、絞り音の低減に寄与できるようになる。
【0045】
上記した各実施の形態によれば、以下に述べる効果が期待できる。
バルブシャフト25の外周およびバルブボディ26の内周にそれぞれ形成した凹溝31A、32Aの両側に、理論上の溝分割位置を基準にして切欠面31B、32Bを追加形成することにより、理論上の溝分割位置を基準にしたエッジ部31C、32Cを形成できる。
【0046】
従って、バルブシャフト25およびバルブボディ26の溝分割精度に拘わらず、バルブシャフト25およびバルブボディ26の両エッジ部31C、32C間で形成される円周上複数の可変絞りの絞り面積を等しく保つことができるようになる。これによって、可変絞り縮小時の圧油を複数の可変絞りに均等に分散して排出でき、絞り音の発生を抑制できる。
【0047】
これはまた、バルブシャフト25の外周およびバルブボディ26の内周にそれぞれ形成すべき凹溝31A、32Aの加工精度をラフにすることを可能にでき、厳しい精度管理を不要にできる。
【0048】
また、前記バルブシャフト25のエッジ部31Cに圧力制御用の面取部31Dを理論上の溝分割位置を基準にして追加形成することにより、上記した絞り音の発生を抑えながら、操舵トルク(バルブ回転角)に対する圧力特性を任意に設定できる。
【0049】
さらに、制御溝31、32を円周上不等角度間隔に形成する必要のあるロータリバルブに適用することにより、焼入等による溝分割角度誤差に拘わらず、上記した絞り音の発生を有効に抑えることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、バルブシャフトおよびバルブボディの凹溝の分割角度に誤差があっても、それに拘わらず凹溝の両エッジ部によって構成される複数の可変絞りの閉じ角のバラツキを防止し得、それによって可変絞りの縮小によって圧力上昇される圧油は、複数の可変絞りに均等に分散されて排出されるようになり、絞り音の発生を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す油圧式パワーステアリングの油圧系統図である。
【図2】ステアリングギヤの具体例を示す断面図である。
【図3】ロータリバルブを展開した展開図である。
【図4】ロータリバルブの製造方法を示す図である。
【図5】ロータリバルブの製造方法を示す図である。
【図6】ロータリバルブの製造方法を示す図である。
【図7】ロータリバルブの嵌合状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態を示す図1に相応する図である。
【図10】図9におけるロータリバルブを展開した展開図である。
【図11】従来のロータリバルブを示す図である。
【符号の説明】
10 油圧ポンプ
11 リザーバ
12 パワーシリンダ
13 ロータリバルブ
25 バルブシャフト
26 バルブボディ
31、32 制御溝
31A、32A 凹溝
31B、32B 追加加工部(切欠面)
31C、32C エッジ部
31D 面取部

Claims (4)

  1. 油圧ポンプとリザーバとの間に設けられパワーシリンダへの作動油の給排を制御するロータリバルブを備えた油圧式パワーステアリングにおいて、前記ロータリバルブは、互いに相対回転可能に嵌合するバルブボディとバルブシャフトとからなり、前記バルブボディの内周には円周上複数の凹溝が形成され、前記バルブシャフトの外周には円周上複数の凹溝が形成され、これらバルブボディおよびバルブシャフトの各凹溝の両縁部には、バルブボディおよびバルブシャフトの各凹溝の理論上の分割角度位置より等角度位置にエッジ部を設けるための追加加工部を形成してなるロータリバルブ。
  2. 請求項1に記載のロータリバルブにおいて、バルブシャフトの追加加工部によって形成されたエッジ部に圧力制御用の面取部を形成してなるロータリバルブ。
  3. 油圧式パワーステアリングに用いるロータリバルブの製造方法にして、前記ロータリバルブを構成するバルブボディの内周とバルブシャフトの外周に、理論値より溝幅を小さくした円周上複数の凹溝をそれぞれ加工する凹溝加工工程と、前記バルブボディに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして追加加工を施し、理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を形成するバルブボディ追加加工工程と、前記バルブシャフトに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして追加加工を施し、理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を形成するバルブシャフト追加加工工程とからなるロータリバルブの製造方法。
  4. 請求項3に記載のロータリバルブの製造方法において、前記バルブシャフト追加加工工程は、前記バルブシャフトに加工された凹溝の両縁部に理論上の溝分割角度を基準にして傾斜角度の異なる切欠部と面取部を加工して理論上の溝分割角度位置から定められた角度位置にエッジ部を設けるようにしてなるロータリバルブの製造方法。
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