JP3713879B2 - 油膜検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水面上の油膜を検知する装置に関する。詳しくは、浄水場、養殖場などに流入する油分、また、工場排水施設などから流出する油分を、水面上の油膜として自動的に検知する油膜検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
浄水場においては、原水の油汚染が水質事故の約半数を占め取水停止や浄水場の清掃が必要になる重大事故であるために、また、養殖場では、油の流入によって生産物が汚染または死滅する危険があるために、これらの取水施設への油の流入を常時監視する方法と装置が求められている。一方、工場においては、油分の混入した排水を公共水域に排出することは水質汚染として社会的な問題であるために、排水基準を満たす必要があり、処理後の排水中に油分が残っているかどうかを連続的に監視する方法と装置が求められている。
【0003】
浄水場において取水への油の流入を自動検知する方法としては、例えば、(1)反射率測定法、(2)TVカメラによる画像監視法などがある。また、工場において排水中の油分の検知方法としては、例えば、(3)ヘキサン抽出・重量法、(4)抽出・赤外線吸収測定法、(5)乳化・濁度測定法、(6)蛍光測定法などが従来から知られている。
【0004】
これらの測定方法のそれぞれの概要について、次に簡単に記述する。
(1)反射率測定法は、光源にレーザやLEDを用いて光線を水面上にあて、反射した光の反射率が油膜の存在によって増大することを利用して油膜を検知するものである。
(2)TVカメラによる画像監視法は、照明装置によって水面を照らし、TVカメラでこの水面を撮影し、得られた画像を2値化するが、ここで油膜の反射率が水よりも大きいことを利用して、2値化のしきい値を水面と油膜の反射率の間におき、油膜を検知する方法である。
【0005】
(3)ヘキサン抽出・重量法は試料中の油分をn−ヘキサンで抽出した後80°Cでn−ヘキサンのみを揮散させて残留した物質の質量を測定して油分の量を知る方法である。
(4)抽出・赤外線吸収測定法は、四塩化炭素などの抽出溶媒に油分を抽出し、赤外線分析計で油分に特有な波長3.4μm付近の吸収スペクトルを測定して油分濃度を測定する方法である。
【0006】
(5)乳化・濁度測定法は試料中の油分を超音波などで乳化し、この乳化前後における濁度の変化から油分濃度を測定する方法である。
(6)蛍光測定法は試料水に紫外光を照射し、油分から発生する照射光より長い特定の波長の蛍光を測定して油分濃度を測定する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来から各種の油分検知装置が利用されているが、一般にこれらの装置は、連続自動測定が難しいこと、微量油分の検出が困難なこと、誤動作が多いこと、などの問題がある。以下にこれらの問題をさらに詳しく説明する。
例えば、浄水場の取水施設への油の流入監視を例にとってみる。原水の油汚染は、河川などへの油の不法投棄や事故による油の流出が主な原因であり、いつ起こるかわからないために、24時間の連続自動監視が必要とされる。また、飲料用水に用いられる点からも、油の汚染は微量でも重大事故となり、ppb〜ppmオーダーの微量油分を検知できる能力が要求される。しかし現状の装置にはこれらの要求を満足するものがないため、多くの浄水場では24時間体制で人が水のにおいをかいで検査したり取水口を目視観察するといった多大な労力を要する方法が未だにとられている。
【0008】
上述の各測定法の問題点について、次に簡単に述べる。
(1)反射率測定法と(2)TVカメラによる画像監視法とは、連続自動監視が可能な方法で、静水面では有効に油膜を検知できるが、水面が波立ち反射光が乱反射した場合や、油以外の浮遊物が通過した場合には、反射光強度が変化してしまい、誤動作するという問題がある。これを防ぐために、出力信号にピーク保持回路を用いて波立ちの影響を低減する方法もあるが、油膜のない正常時の信号出力(ベースライン)が大きくなるなどの理由から感度が十分でなく、微量の油分を検知できないという問題点が残る。
【0009】
(3)ヘキサン抽出・重量法と(4)抽出・赤外線吸収測定法とは、連続自動監視が困難という問題がある。これらの方法はJIS・K0101、JIS・K0102に規定された方法であるが、抽出という前処理が必要であり、例え複雑な操作を自動化したとしても、機構が複雑でメンテナンスが大変であり、また、廃液の処理を行わなければならないという欠点があるために、連続自動測定には向いていない。
【0010】
(5)乳化・濁度測定法は、浮上油があると超音波照射でも瞬間的乳化が行われにくいことや、熱履歴をうけて劣化した乳化油は粒度が安定でないこと、また試料中に濁質が共存すると測定値に影響するなどの理由で、測定誤差が大きくなり、微量油分の検出が行えないという問題がある。
(6)蛍光測定法は、油から発する微弱な蛍光を検出するために、ある程度まとまったの油量を必要とすることから、微量油分の検出が困難である。また、劣化した油など油の種類によっては蛍光で検知できないという問題がある。
【0011】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、浄水場、養殖場に流入する微量な油分、または工場排水施設から油出する微量な油分を高感度で正確に連続自動監視する油膜検知装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明では照射光のP偏光成分とS偏光成分とを利用し、以下に説明する4通りの手段を利用した油膜検知装置を提供する。本発明の第1の装置では、油膜の浮遊する水面にP偏光成分とS偏光成分の両方を同時に含む光ビームを照射する投光手段と、照射された前記光ビームによる前記水面からの反射光をP偏光成分とS偏光成分とに分ける偏光分離手段と、分離したP偏光成分とS偏光成分の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の光量比を演算し、前記光電変換手段からの信号出力が予め定めた基準値より低いことを検知した場合のみ、前記光量比を演算した信号をホールドする機能を有する演算手段と、その演算出力を水面に油膜のない正常時の基準値と比較する比較手段とを技術的手段として採用する。
【0013】
本発明の第2の装置では、油膜の浮遊する水面にP偏光成分とS偏光成分の両方を同時に含む光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームは入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線と入射光軸とのなす角度(以下、入射角と記す)を60〜90°にして照射された前記光ビームによる前記水面からの反射光をP偏光成分とS偏光成分とに分ける偏光分離手段と、分離したP偏光成分とS偏光成分の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の反射光量を各々正常時の基準値と比較する比較手段と、S偏光成分の反射光量が正常時と比較して増加したことと、P偏光成分の反射光量が正常値と比較して一定または減少したことを判定する判定手段とを備え、その判定結果からの2つの条件を満足した場合に水面上の油膜の存在を判定することを技術的手段として採用する。
【0014】
本発明の第3の装置では、油膜の浮遊する水面にP偏光成分を有する光ビームとS偏光成分を有する光ビームを水面の波の周期に比べて早い周期の変調で交互に同軸にして照射する投光手段と、前記水面から反射したP偏光成分の反射光とS偏光成分の反射光の光量を各々前記変調に同期して電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の光量比を演算し、前記光電変換手段からの信号出力が予め定めた基準値より低いことを検知した場合のみ、前記光量比を演算した信号をホールドする機能を有する演算手段と、その演算出力を正常時の基準値と比較する比較手段とを技術的手段として採用する。
【0015】
本発明の第4の装置では、油膜の浮遊する水面にP偏光成分を有する光ビームとS偏光成分を有する光ビームを水面の波の周期に比べて早い周期の変調で交互に同軸にして、前記光ビームは入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線と入射光軸とのなす角度(以下、入射角と記す)を60〜90°にして照射する投光手段と、前記水面から反射したP偏光成分の反射光とS偏光成分の反射光の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の反射光量を各々正常時の基準値と比較する比較手段と、S偏光成分の反射光量が正常時と比較して増加したことと、P偏光成分の反射光量が正常値と比較して一定または減少したことを判定する判定手段とを備え、その判定結果からの2つの条件を満足した場合に水面上の油膜の存在を判定することを技術的手段として採用する。
【0016】
本発明の第1の手段は、油膜の有る水面と無い水面で、反射した光のP偏光成分とS偏光成分との比が異なることを利用して油膜を検知する。
電磁波である光は、伝播方向に垂直な面内で振動する横波であるので、その面内で方向性のある振動をする。この振動の電界ベクトルの方向が偏光の特性を示す。振動が特定の方向に保たれているとき、その光ビームは直線偏光特性をもつと言い、特定の方向に偏らず全ての方向に不規則に変化するときには、無偏光特性をもつという。また、電界ベクトルの軌跡が円形のものを円偏光、楕円形のものを楕円偏光と呼ぶ。
【0017】
これらの任意の光線の偏光成分は、伝播方向に垂直で互いに直行する2つの成分に分解できる。本発明の第1の手段のように、入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線および入射光軸を含む平面に平行な偏光成分(P偏光成分)と垂直な偏光成分(S偏光成分)の2つの成分を同時に含む光ビームを照射するには、無偏光特性または円偏光特性の光ビームを照射するか、直線偏光特性の光ビームをその偏光方向が入射光軸と水面の法線を含む平面に対して傾けて(例えば45°)にして照射すればよい。図5に水面、入射光、P偏光面、S偏光面との相互の関係を示す。
【0018】
P偏光成分とS偏光成分は水面で各々独立に反射されると考えることができる。そしてその反射光強度は、フレネルの反射係数で規定され、光線の入射する入射角度と媒質の屈折率(または誘電率)によって各々独立に変化する。そのために水面に油膜が存在する場合には、油と水の屈折率の違いによってP偏光成分とS偏光成分の反射光強度が各々独立に変化する。そこで、反射光のP偏光成分とS偏光成分を分離し、各々の反射光強度をそれぞれ測定し、その比をとると、油膜の存在によってその値が変わるため、これにより油膜を検知することができる。
【0019】
この手段の特徴は、光学的な測定であるため、複雑な操作を必要とせず簡便に連続的に油膜を検知できることの他、水面の波立ちや浮遊する異物の影響を受けにくく、正確で高感度に油膜を検知できることである。水面が波立ったり異物が浮遊してくると乱反射光が生じるため、単に反射光の強度をモニタするだけであると、その強度が変化して安定な測定が行えず感度が低下してしまう。
【0020】
これに対して、P偏光成分とS偏光成分の比をモニタするようにすると、水面が波立って反射光の強度が変化しても、一定の反射角で受光しているかぎり偏光成分の比は変化しにくいために、安定で高感度な測定が行うことができる。また、水面に浮遊する異物がある場合、ある範囲の入射角度でモニタすれば、S偏光成分をP偏光成分で除した比は、油膜の存在により水に比べて大きくなるのに対し、異物の場合は偏光が解消してその比は小さくなるため、この違いによって油膜と異物を判別することができる。このように、発明した油膜検知装置は水面の波立ちや浮遊する異物の影響を受けにくく、正確で高感度に油膜を検知できる。
【0021】
本発明の第2の手段は、水面からの反射光をある範囲の受光角度においてモニタした場合、油膜の存在によって、反射光のS偏光成分は増加するが、P偏光成分は一定または減少するという現象を利用して、油膜を検知する。この手段の投光部、偏光分離部、光電変換部は、本発明の第1の手段と同じで、反射光のP偏光成分とS偏光成分の強度をそれぞれ測定する。水面に油膜が存在した場合、油と水の屈折率の違いによってP偏光成分とS偏光成分の反射光強度が各々独立に変化するが、その変化の仕方をより詳細に調べると、次のようになる。
【0022】
S偏光成分は、水面と平行な振動方向をもち、水分子の電荷を水面と平行な方向に振動させて反射光をつくる。その効果は、屈折率の大きい媒質のときにより大きく、油膜の場合には、反射光の強度が増加する。一方、P偏光成分は、水面に対して垂直な平面内で振動し、反射光の振動方向と同じ方向の電荷の振動成分のみが、反射光量に寄与する。そのために反射角度によってその効果が変わる。水面と入射光軸のなす角度が小さい場合(入射角が大きい場合)、屈折率のより大きい油膜のときに反射光の強度は一定または減少する。従って、この違いによって油膜を検知することができる。
【0023】
この第2の手段は、本発明の第1の手段と同じように油膜を検知できるが、「S偏光成分の増加」と「P偏光成分の一定または減少」という2つの条件を満足した場合にのみ油膜と判定するようになっているため、油膜でないものを油膜と誤って判定することがより少なくなる。本発明の第3の手段は、第1の手段と同じように、油膜の有る水面と無い水面で、反射した光のP偏光成分とS偏光成分の比が異なることを利用して油膜を検知する。第1の手段と違うのは、P偏光特性を有する光ビームとS偏光特性を有する光ビームを同軸にして交互に照射して、反射光のP偏光成分とS偏光成分の強度を1つの光電変換器で測定するようにしたことであり、これによって偏光分離手段を省略したことを特徴とする。
【0024】
本発明の第4の手段は、第2の手段と同じように、水面からの反射光をある範囲の受光角度においてモニタした場合、油膜の存在によって、反射光のS偏光成分は増加するがP偏光成分は一定または減少する現象を利用して油膜を検知する。第2の手段と違うのは、P偏光特性を有する光ビームとS偏光特性を有する光ビームを同軸にして交互に照射して、反射光のP偏光成分とS偏光成分の強度を1つの光電変換器で測定するようにしたことであり、これによって偏光分離手段を省略したことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各種実施例について、図を用いて述べる。
[実施例1]
発明の第1の実施例としての油膜検知装置を図1に示す。
円偏光特性を有するレーザー光源1を用いて、P偏光成分(図中では、P偏光成分の振動方向2を上下の矢印で示す)とS偏光成分(図中では、S偏光成分の振動方向3を中心に黒点のある円で示す)とを均等に含む光ビーム4を、油膜5の浮遊する波立った水面6に、ある入射角7で斜めから照射する(入射角7とは入射光軸8が水面6と交わる点に立てた水面の法線9と入射光軸8とのなす角度をいう)。水面6からの反射光10をピンホール11で光路制限をした後、偏光ビームスプリッタ12に通し、P偏光成分13とS偏光成分14とに分離する。分離したP偏光成分13とS偏光成分14をフォトダイオード15とフォトダイオード16で各々光電変換して各々の光量を電気信号に変換する。
【0026】
各々の電気信号をアンプ17とアンプ18でそれぞれ増幅した後、演算回路19に入力する。演算回路19は入力信号に基づきP偏光成分とS偏光成分の光量比を演算出力する。またコンパレータ20はアンプ18から分岐した信号が基準電圧21より低いことを検知し信号を出力する。ホールド回路22は演算回路19からの信号をコンパレータ20の信号出力に従ってホールドする。これは、ピンホール11の光路制限のために反射光10がフォトダイオード16に届かずにアンプ18の信号レベルが低下しているとき、演算回路19の信号をホールドしてこれを無効とするための処理である。ホールド回路22からの信号出力を平均演算回路23で移動平均した後、比較回路24に入力する。比較回路24は水面に油膜のない正常時に相当する基準値25と入力信号を比較し、あらかじめ設定した範囲を超えたときに油膜があると判定し、外部に警報26を出力する。
【0027】
表1に、実施例1の装置で油膜の無い水面と種々の油膜が浮遊する水面と異物の浮遊する水面を測定したときのP偏光成分とS偏光成分との反射光量の比のデータを示す。この表の測定は、レーザ光の波長は633nm、入射角は70°であり、また、油膜の膜厚は0.5〜50μmである。
【0028】
【表1】
Figure 0003713879
P偏光成分とS偏光成分の反射光量の比は油膜の有る場合は無い場合に比べて1.2〜1.7倍と大きく、微量な油膜の有無を十分検知できることがわかる。また、異物はP偏光成分とS偏光成分の反射光量の比が0.3〜0.4倍と小さく、油膜と異物の判別が可能なことがわかる。
【0029】
表1のデータは、入射角が70°の場合のデータであるが、その他の入射角の場合について以下に説明する。図6には、油膜の無い水面と屈折率1.5、厚さ1μmの油膜の浮遊する水面における、入射角に対するS偏光成分とP偏光成分の反射光量比の変化を示す。入射角45°〜60°付近のデータがスケールオーバしていて具体的数値を示していないのは、この付近ではP偏光成分の反射強度が極めて小さく計測誤差が大きいためである。図6から、油膜のある場合と無い場合の計測差が大きいのは入射角60°〜90°であり、この範囲の入射角で測定すると効率よく油膜を検知できことがわかる。
【0030】
水面が揺れているときの信号処理過程を図7に示す。この図には、(1)反射光のP偏光成分の強度を示すアンプ16の出力と、(2)S偏光成分の強度を示すアンプ17の出力と、(3)P偏光成分とS偏光成分の光量比を示す演算回路19の出力と、(4)ホールド回路21の出力と、(5)平均演算回路25の出力が示されている。水面の揺れのために、(1)P偏光成分の強度と(2)S偏光成分の強度は大きく乱れているが、(3)P偏光成分とS偏光成分の光量比は乱れが少ない。そして(4)ホールド回路の出力はさらに安定していて、最終処理された(5)平均演算回路25の出力信号はほとんど乱れていない。このことから水面が揺れても油膜を正確に検知できることが分かる。
【0031】
以上のように、発明の第1の実施例の装置は、光学的な測定であるため、複雑な操作を必要とせず簡便に連続的に油膜を検知できることの他、水面の波立ちや浮遊する異物の影響を受けにくく、正確で高感度に油膜を検知できる。
図7の例では、光源に円偏光特性のレーザ光源を用いたが、無偏光特性のレーザ光源を用いてもよい、ただし、市販の無偏光特性レーザ光源はP偏光成分とS偏光成分の強度が数秒の周期で変化するものが多いため、その場合は光量の補正を行う必要がある。また、直線偏光のレーザ光源を、その偏光方向が入射光軸と水面の法線を含む平面に対して傾けて(例えば45°にして)照射してもよい。この場合は、傾ける角度が変わるとP偏光成分とS偏光成分の強度が変わるので、各々の初期光量の確認が必要である。
【0032】
水面の揺れが小さい場合には、反射光の光路制限を行うためのピンホール11と反射光が遮光された期間の信号出力を無効にするためのコンパレータ20とホールド回路22と平均演算回路23は必要が無く、演算回路19の出力をそのまま、比較回路24に入力すればよい。
[実施例2]
発明の第2の実施例としての油膜検知装置を図2に示す。
【0033】
この図において図1に示した符号と同一のものは同一物を示している。この実施例では、本発明の第1の手段と同じように、反射光のP偏光成分の強度がアンプ17から、S偏光成分の強度がアンプ18からそれぞれ出力され、アンプ17からの信号は比較回路27に、アンプ18からの信号は比較回路28に、それぞれ入力される。比較回路27は、水面に油膜のない正常時のP偏光成分の強度に相当する基準値29と入力信号を比較し、入力信号が基準値29と同じまたは小さくなったときに、判定回路30へ信号を出力する。比較回路28は、水面に油膜のない正常時のS偏光成分の強度に相当する基準値31と入力信号を比較し、入力信号が基準値31より大きくなったときに、判定回路30へ信号を出力する。判定回路30は、比較回路27と比較回路28の出力信号の論理積をとり、S偏光成分の強度のみが増加したことを確認したときに、油膜があると判定し、外部に警報26を出力する。
【0034】
図8に、油膜の無い水面と屈折率1.5、厚さ1μmの膜膜の浮遊する水面のそれぞれについて、入射角に対するS偏光成分とP偏光成分の反射光量の変化が示されている。入射角60°〜90°の範囲において、P偏光成分の光量は、油膜の有るときと無いときで差がないのに対して、S偏光成分の光量は、油膜の有るときに大きくなっている。この実施例2の装置は、実施例1の装置と同じように油膜を検知できるが、「S偏光成分の増加」と「P偏光成分の一定または減少」という2つの条件を満足した場合にのみ油膜と判定するようになっているため、油膜でないものを油膜と誤って判定することがより少なくなる。
[実施例3]
発明の第3の実施例としての油膜検知装置を図3に示す。
【0035】
この図において図1、図2に示した符号と同一のものは同一物を示している。この実施例では、直線偏光特性のレーザ光源32の発するP偏光特性の光ビームともう一つの直線偏光特性のレーザ光源33の発するS偏光特性の光ビームを、水面の波の周期に比べて十分に速い周期でON/OFF変調して交互に点灯し、ミラー34とハーフミラー35を用いて同軸にして、水面6に照射する。水面6からの反射光10は直接フォトダイオード15で光電変換し、光ビームのON/OFF変調に同期してP偏光成分13とS偏光成分14の光量を各々電気信号に変換する。これから後の信号処理は実施例1と同様である。この実施例の特徴は、偏光ビームスプリッタ12を省略して1つのフォトダイオード15でP偏光成分13とS偏光成分14の光量を測定するようにしたことであり、実施例1と同じ性能が得られる。
[実施例4]
発明の第4の実施例としての油膜検知装置を図4に示す。
【0036】
この図において図1、図2、図3に示した符号と同一のものは同一物を示している。この実施例では、実施例3と同じように、レーザ光源32とレーザ光源33を用いてP偏光特性を有する光ビームとS偏光特性を有する光ビームを交互に照射して、反射光のP偏光成分とS偏光成分の強度を1つの光電変換器15で測定するようにした。信号処理は実施例2と同様である。この実施例の特徴は、実施例3と同じように、偏光ビームスプリッタ12を省略して1つのフォトダイオード15でP偏光成分13とS偏光成分14の光量を測定するようにしたことであり、実施例2と同じ性能が得られる。
【0037】
実施例1〜4の図には油膜検知装置の設置方法が示されていないが、水位の変化しない水槽ではその周囲に固定して、水位の変化する河川、海洋等では浮きフロートに乗せて水面に浮かして設置する方法を採用することができる。また、太陽光などの外乱光の影響があるときには、受光部の光電変換器の前に、投光ビームの波長のみを通す干渉フィルタを設けたり、投光ビームを変調してその変調周波数のみを信号処理部で選別したりして、外乱光の影響を除くことができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の油膜検知装置は、浄水場、養殖場などに流入する油分、または、工場排水施設などから流出する油分を、水面上の油膜として自動的に検知する油膜検知装置に関し、従来の装置の問題点である、連続自動測定が難しいこと、微量油分の検出が困難なこと、誤動作が多いことを解決するために考案されたものであり、油膜の有る水面と無い水面で反射した光のP偏光成分とS偏光成分の比が異なること、また、油膜の存在によって、反射光のS偏光成分は増加するがP偏光成分は一定または減少する現象を利用して油膜を検知するので、水面の波立ちや浮遊する異物の影響を受けることなく、簡便で連続的に高感度で正確に油膜を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油膜検知装置の第1の発明例の模式図
【図2】油膜検知装置の第2の発明例の模式図
【図3】油膜検知装置の第3の発明例の模式図
【図4】油膜検知装置の第4の発明例の模式図
【図5】水面、入射光、P偏光面、S偏光面との相互の関係を示す図
【図6】油膜の無い水面と膜膜の浮遊する水面における、入射角に対するS偏光成分とP偏光成分の反射光量の比の変化を示す図
【図7】水面が揺れているときの信号処理過程を示す図。
【図8】油膜の無い水面と膜膜の浮遊する水面における、入射角に対するS偏光成分とP偏光成分の反射光量の変化を示す図
【符号の説明】
1: レーザ光源
2: S偏光成分の振動方向
3: P偏光成分の振動方向
4: 光ビーム
5: 油膜
6: 水面
7: 入射角
8: 入射光軸
9: 水面の法線
10: 反射光
11: ピンホール
12: 偏光ビームスプリッタ
13: P偏光成分
14: S偏光成分
15: フォトダイオード
16: フォトダイオード
17: アンプ
18: アンプ
19: 演算回路
20: コンパレータ
21: 基準電圧
22: ホールド回路
23: 平均演算回路
24: 比較回路
25: 基準値
26: 警報
27: 比較回路
28: 比較回路
29: 基準値
30: 判定回路
31: 基準値
32: レーザ光源
33: レーザ光源
34: ミラー
35: ハーフミラー

Claims (5)

  1. 油膜の浮遊する水面に、入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線および入射光軸を含む平面に平行な偏光成分(以下、P偏光成分と記す)と前記平面に垂直な偏光成分(以下、S偏光成分と記す)の両方の成分を同時に含む光ビームを照射する投光手段と、照射された前記光ビームによる前記水面からの反射光をP偏光成分とS偏光成分とに分ける偏光分離手段と、分離したP偏光成分とS偏光成分の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の光量比を演算し、前記光電変換手段からの信号出力が予め定めた基準値より低いことを検知した場合のみ、前記光量比を演算した信号をホールドする機能を有する演算手段と、その演算出力を水面に油膜のない正常時の基準値と比較する比較手段とを備え、その比較結果から水面上の油膜の有無を判定する油膜検知装置。
  2. 油膜の浮遊する水面に、P偏光成分とS偏光成分の両方を同時に含む光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームは入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線と入射光軸とのなす角度(以下、入射角と記す)を60〜90°にして照射された前記光ビームによる前記水面からの反射光をP偏光成分とS偏光成分とに分ける偏光分離手段と、分離したP偏光成分とS偏光成分の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の反射光量を各々正常時の基準値と比較する比較手段と、S偏光成分の反射光量正常時と比較して増加したことと、P偏光成分の反射光量が正常値と比較して一定または減少したことを判定する判定手段とを備え、その判定結果からの2つの条件を満足した場合に水面上の油膜の存在を判定する油膜検知装置。
  3. 油膜の浮遊する水面に、P偏光特性を有する光ビームとS偏光特性を有する光ビームを水面の波の周期に比べて早い周期の変調で交互に同軸にして照射する投光手段と、前記水面から反射したP偏光成分の反射光とS偏光成分の反射光の光量を各々前記変調に同期して電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の光量比を演算し、前記光電変換手段からの信号出力が予め定めた基準値より低いことを検知した場合のみ、前記光量比を演算した信号をホールドする機能を有する演算手段と、その演算出力を水面に油膜のない正常時の基準値と比較する比較手段とを備え、その比較結果から水面上の油膜の有無を判定する油膜検知装置。
  4. 油膜の浮遊する水面に、P偏光特性を有する光ビームとS偏光特性を有する光ビームを水面の波の周期に比べて早い周期の変調で交互に同軸にして、前記光ビームは入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線と入射光軸とのなす角度(以下、入射角と記す)を60〜90°にして照射する投光手段と、
    前記水面から反射したP偏光成分の反射光とS偏光成分の反射光の光量を各々電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段からの信号出力に基づきP偏光成分とS偏光成分の反射光量を各々正常時の基準値と比較する比較手段と、S偏光成分の反射光量正常時と比較して増加したことと、P偏光成分の反射光量が正常値と比較して一定または減少したことを判定する判定手段とを備え、その判定結果からの2つの条件を満足した場合に水面上の油膜の存在を判定する油膜検知装置。
  5. 請求項1または3の装置において、入射光軸が水面と交わる点に立てた水面の法線と入射光軸とのなす角度(以下、入射角と記す)を60〜90°とした油膜検知装置。
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