JP3713205B2 - 局所的に選択された補間関数でもってイメージをスケーリングする方法及び装置 - Google Patents
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Description
発明の属する技術分野
本発明は、デジタル・イメージ補間の分野に関し、より詳細には、より良い補間関数の選択のためにピクセル単位で補間されるイメージのタイプを検出する改良された方法に関する。
【0002】
従来の技術
イメージは、典型的には単一の大きさで提供されて、さまざまな使用のためにその大きさを大きくしたり又は小さくしたり(スケーリング)する必要がある。イメージをスケーリングすることは、ビデオ作成、編集、マルチメディア・コンテンツ作成、デスクトップ・ハブリッシュング、写真、及びフォトコピーなどのさまざまな分野で行なわれる。スケーリングされたイメージが元のイメージの忠実な補間であることが重要である。イメージを大きくスケーリングする過程において、補間は追加的情報を生成して、拡大されたイメージを生成するために充填されなければならないため、正確な複製ではない。同様にして、イメージを小さくスケーリングする時、減少されたイメージを生成するために、減少は、いくつかの情報を除去することが必要である。
【0003】
補間関数は、補間された又は減少されたイメージを生成するために使用できる関数である。しかし、これらの補間関数は、補間されたデジタル・イメージのぼやけやエイリアシングのいずれかを発生する。エイリアシングはぎざぎざの端を生成する。鮮明な端を有する文字、コンピュータ・ライン・グラフイックス、又はその他のイメージから主として構成されるイメージにおいて、端を保存し、イメージのぼやけを防ぐ補間関数を選択することが大切である。同様に、鮮明な端を有しない、グラフイックス、自然のイメージ、スキャナー入力又はその他のイメージから主として構成されるイメージにおいて、ぎざぎざした端を生成することを避けて代りにイメージを僅かにぼやかす補間関数を選択することが大切である。
【0004】
米国特許第5,553,201号において、ムラマツ氏は小さなスケール・ファクターにより補間されるイメージに対しては計算的により安価な補間関数を使用し、大きなスケール・ファクターにより補間されるイメージに対しては計算的により高価な補間関数を使用することが望まれることを教示している。この手法の欠点は、イメージのタイプについて対応するのではなく、実行されるスケーリングの量について対応している点である。
【0005】
米国特許第5,018,024号において、タニオカ氏はイメージについてのディザーリング・プロセスを選択するためにピクセルの正方形ブロック内で色遷移の数を計算することが望まれることを教示している。この手法の欠点は、計算的に集中投資が必要であり、イメージのタイプの局所的な変化に対応できないことである。
【0006】
従って、ピクセル単位でイメージについて最も適した補間関数を選択するために使用でき、そして計算的に単純な補間のためにピクセルのタイプを識別するための方法が必要とされている。
【0007】
発明の開示
源イメージをスケーリングする方法が開示される。源イメージは複数のピクセルを有し、そして源イメージはスケール・ファクターによりスケールされる。源イメージのピクセルの一つが目標ピクセルとして選択される。目標ピクセルのタイプに基づいて、補間関数が選択され、そして源イメージは目標ピクセルをスケーリングするために選択された補間関数を使用してスケーリングされる。
【0008】
目標ピクセルのタイプを決定することは、目標ピクセルを取り囲む近傍のピクセルを検査し、目標ピクセルがその近傍のものと類似かどうかを決定する。もし目標ピクセルが近傍のピクセルと類似している場合、ピクセルは人工イメージのタイプとして分類される。もしピクセルが近傍のピクセルと非類似である場合、それは自然イメージのタイプとして分類される。
【0009】
ピクセルで構成されたイメージをスケール・ファクターによりスケーリングする装置が開示される。装置は、前記ピクセルの中から目標ピクセルと前記目標ピクセルに近接した1組のピクセルを選択し、そして目標ピクセルのタイプを決定するための局所イメージ解析器を含む。装置は、水平1次補間係数及び垂直1次補間係数によりパラメータ化された1次補間関数を含む。装置は、水平及び垂直1次補間係数を定義するための補間係数発生器を含む。装置は、水平1次補間係数及び垂直1次補間係数を有する1次補間関数を使用するスケール・ファクターにより目標ピクセルの近傍の前記イメージをスケーリングするためのイメージ・スケラーを含む。
【0010】
詳細な説明
A.全体外観
イメージの第1タイプは、人工イメージである。人工イメージの例は、コンピュータ文字及びコンピュータ生成グラフイックスを含む。このタイプのイメージはコンピュータで生成されるので、人工イメージ内のどんなピクセルについて、一般に同じピクセル値又は色を有する近接するピクセルが存在する。イメージの第2タイプは、自然イメージである。自然イメージの例は、走査されたイメージ及びデジタル・カメラを使用して撮られたイメージである。自然イメージは雰囲気及び電子雑音を含む。従って、自然イメージのどのピクセルについて、同じピクセル値又は色を有する近接したピクセルを見付けることは難しい。最良の結果を作るため、補間関数は補間されるイメージのタイプに基づいて選択されるべきである。
【0011】
単一のイメージが、散在する人工及び自然イメージの両方を一緒に含むことができため、本発明はピクセル単位でピクセルのタイプを決定するための装置及び方法を開示する。そして、ピクセル・タイプに基づいて、イメージの各ピクセルをスケーリングするために異なる補間関数が適用できる。
【0012】
さらに、補間関数がスケーリング・ファクターに基づいて調節できることが望ましい。これは人工イメージが補間される時に特に真実である。これは2つのファクター:強度変化と瞬時コントラスト、の間のバランスを見付けることである。一例として、等しい幅の垂直のストライプからなるイメージを考える。もし、イメージが非整数スケール・ファクターにより補間される場合、各ストライプは結果として得られるイメージにおいて等しい幅を有することはできない。補間関数に依存して、強度変化又はコントラストのいずれかが犠牲にされる。もし、最も近接した補間が使用される場合、コントラストは保存される。しかし、強度変化は高い。しかし、より滑らかな補間関数はより少ない強度変化とより少ないコントラストを有する。スケーリング・ファクターに依存して、結果として得られるイメージは多かれ少なかれ美学的に許容できる。小さなスケーリング・ファクターに対して、より低いコントラストが典型的に許容される。大きなスケーリング・ファクターに対して、より高いコントラストがより望まれる。
【0013】
この結果、スケーリング・ファクターと共に変化できる人工イメージに対する調節可能な補間関数を設計することが有用である。式1は、水平方向にai、垂直方向にbjの1次補間係数でもって源ピクセルp(m,n)を1次補間することにより導出された結果のピクセルq(m+Δm、n+Δn)値の公式である。
【0014】
【数1】
【0015】
これはさらに、式2に示されるように1次補間係数を限定することにより、さらに洗練できる。
【0016】
【数2】
【0017】
補間関数に関するこれらの制限にもかかわらず、Δm及びΔnに依存した1次補間係数を作ることにより調節を行なうことができる。Δmに依存する水平係数aiのみを考慮し、式3に示される1次補間係数を使用することで、双1次補間が与えられる。
【0018】
【数3】
【0019】
これらの基本的な公式及び式(4)に示される1次補間係数を使用することで、パラメータ化された補間関数のクラスが生成される。この例ではエッジ重み付け(EW)のタイプは、係数λにより決定される。
【0020】
【数4】
【0021】
1次補間係数は正でなければならず、1より小さい。この結果、λは0から2の範囲である。このクラスの2つのメンバーは、EW1、λ=1、及びEW2、λ=2である。
【0022】
強度変化及び瞬時コントラストの観点から、λパラメータ化された補間関数の性能が検討される。スケール・ファクターsに対して、強度変化Vは式5に示される多項式で近似できる。
【0023】
【数5】
【0024】
イメージング・システムの設計者は、許容できるレベルの変化を選択でき、補間関数は、スケール・ファクターと許容できる変化レベルからλを計算することで、補間関数のクラスから選択できる。
【0025】
スケール・ファクターsについての瞬時コントラストCは、式6により近似できる。
【0026】
【数6】
【0027】
イメージング・システムの設計者は、許容できるレベルの瞬時コントラストを選択でき、補間関数は、スケール・ファクターと許容できるコントラスト・レベルからλを計算することで、補間関数のクラスから選択できる。
【0028】
典型的に、スケーリング・ファクターがある値、例えば、2.0、よりも小さい時、変化レベルは瞬時コントラストよりもイメージの外観についてより重要である。大きなスケーリング・ファクターについて、瞬時コントラストは強度変化よりもより重要である。従って、システム設計者は、スケーリング・ファクターと変化及び瞬時コントラストの所望のレベルに基づいた、選択の範囲を有する。関数EW1及びEW2は、システムで使用できるこのクラスからの2つの例である。しかし、より一般的に、関数はその一般的にパラメータ化された形式で使用できる。
【0029】
B.補間されたイメージ
図1は、本発明により補間されているイメージを示す。本発明は、異なる補間関数を異なる部分を適当にスケーリングするために使用できるように、イメージの人工と自然イメージの部分を識別することが可能である。
【0030】
図1は、本発明により補間されるイメージを示し、入力100、入力行110、文字G 112A、グレイスケール写真114A、スケールされた文字G 112B、出力150、及び出力行160を含む。
【0031】
入力100は入力行110を含む。出力150は、出力行160を含む。入力100は2つの別個のイメージ、文字G 112Aとグレイスケール写真114Aとから構成される。出力150は、2つの別個のイメージ、スケーリングされた文字G 112B及びスケーリングされたグレイスケール写真114Bから構成される。
【0032】
入力100は、デジタル・イメージである。デジタル・イメージはピクセルから構成される。デジタル・イメージのピクセルは、行と列の行列に配置される。ピクセルpの位置はその行と列:p(m、n)により指定できる。ピクセルp(m、n)は列m及び行nにある。
【0033】
入力行110は、入力100内のピクセルの一行である。多くのコンピュータ・グラフイックス・アルゴリズムは、メモリ装置が行順序で読出されそして書込まれるため、典型的に、行順序で動作する。1つの実施の形態では、本発明はピクセルの行について動作する。別の実施の形態では、本発明はピクセルの行及び列の両方について動作する。この例において、本発明の行に基づいた動作が考察される。p(m)の表示は、現在行のm番目のピクセルを示すのに用いることができる。
【0034】
出力150は、デジタル・イメージである。出力150は、スケール・ファクターに依存して、入力100よりも多い又は少ないピクセルを含む。この例においては、スケール・ファクターは水平方向に2.0であり、垂直方向に1.0である。これは、出力150は水平方向には入力100の2倍のピクセルを有し、垂直方向には入力100と同じ数のピクセルを有することを意味する。もし、スケール・ファクターが水平方向に0.5ならば、出力150は水平方向に入力100の半分のピクセルを有するであろう。出力行160は、スケール・ファクターによりスケーリングされた後の入力行110に対応する出力150内のピクセルの行である。スケール・ファクターが水平方向に2であるため、出力行160は入力行110よりも2倍多いピクセルを含む。出力行160に追加されたピクセルは、入力行110の内容に基づいて補間されている。テーブル1は、出力行160が2つのタイプのピクセル、入力行110からのもの及び補間されたもの、から構成されていることを示す。
【0035】
【表1】
【0036】
入力行の部分のピクセルはテーブル1において、黒点で示されていて、イメージをスケールするために補間される必要の有るピクセルはテーブル1において、白点で示されている。
【0037】
異なる補間関数は、出力行160内の追加されたピクセル、白点、のためのピクセル値を計算するために異なる手法を採用する。より良い補間関数は、出力150がより高品質であるように、出力行160のために充填されるピクセル値を生成する。
【0038】
減少の場合、スケール・ファクターは1.0よりも小さく、ピクセルは除去されなければならない。出力行160は、入力行110よりも少ないピクセルから構成され、そしてピクセル値のすべてが計算されなければならない。
【0039】
入力100は2つの異なったイメージ・タイプ、イメージの左手側の文字G 112A及びイメージの右手側のグレイスケール写真114A、を含む。文字G 112Aは人工イメージであり、一方、グレイスケール写真114Aは自然イメージである。文字G 112Aをスケーリングする時、文字G 112Aを構成する黒いピクセルと周囲の白い背景との間のピクセル値の鋭い不連続性が保存されるべきである。もし、文字G 112Aの端がぼやけると、それは文字の形状を識別することを困難にする。これに対して、グレイスケール写真114Aは連続的なピクセル値を有し、それをスケーリングする時は、鋭い不連続性の端の生成、又は、写真のエイリアシングを避けなければならない。もし、エイリアシングが発生すると、補間プロセスによりグレイスケール写真114A中に導入された誤った端が、イメージを見え難くする。
【0040】
入力100は、多数のピクセルにより分離された人工イメージと自然イメージの部分を含む。しかし、2つのタイプのイメージが入力100内で、重なり合い、又は、大変近く位置することは可能である。従って、高度に局所化された態様でイメージ・タイプを決定する方式を採用することが望まれる。
【0041】
C.ピクセル・タイプ決定器を持つイメージ・スケーラー
図2は、動的にピクセル・タイプに基づいてスケーリング関数を選択するイメージ・スケーラーのハードウェアのブロック図である。
【0042】
図2は、ピクセル・タイプ決定器210、スケーラー250、及びメモリ270を含む。ピクセル・タイプ決定器210は、入力行200を入力として受取る。入力行200は、ピクセル値の集まりである。入力行200は入力行110又は他のピクセルの行であってよい。ピクセル値は、ピクセルのグレイスケール強度0から256を各バイトが表す、1つのバイトとして記憶できる。他の実施の形態において、ピクセル値はピクセルについて全ての色の値を含む数バイトであってよい。ピクセル・タイプ決定器210は、入力行200を検査し、そして、入力行200内のピクセルについてのピクセル・タイプを決定する。ピクセル・タイプ決定器210は、ピクセル・タイプ220を出力する。ピクセル・タイプは、入力行200内のピクセルに対応する値の行である。ピクセル・タイプ行220内の各値は人工又は自然のいずれかを示す。1つの実施の形態では、1が人工イメージ・ピクセルを表すのに使用され、そして0が自然イメージ・ピクセルを表すのに使用される。ピクセルp(m、n)のタイプは、e(m、n)で表される。nは入力行200に固定されるから、ピクセル・タイプ220は行n内のピクセルp(m)についてのe(m)値の行である。
【0043】
スケーラー250は、入力行200、ピクセル・タイプ220、スケール・ファクター230及びフォース・モード240を入力として受取る。スケール・ファクター230は、入力行が水平にスケールされるべき程度を表す正の実数である。スケール・ファクター230が1より小さい時、入力行200は減少される。スケール・ファクター230が1よりも大きいか又は等しい時、入力行200は補間される。この技術を使用してイメージを水平方向及び垂直方向の両方へスケールすることが可能である。しかし、スケーラー250は水平スケーリングだけを行なう。フォース・モード240は、ユーザがイメージを人工又は自然のいずれかに示すことにより、ピクセル・タイプ決定器210の値を重ね書きすることができる。フォース・モード240は、全行に対するピクセル・タイプ決定器210の値を重ね書きする1つの値であること、又は、ピクセル単位で与えられることができる。この例では、フォース・モード240は、イメージ単位で与えられて、無視、強制自然、及び強制人工の3つの値を有することができる。この例の以降では、フォース・モード240は無視するように設定されていると仮定する。
【0044】
水平方向のスケール・ファクターのみが考察されているため、各入力行は1つの出力行を生成する。より一般的には、スケーラー250は、水平及び垂直の両方向に適当に補間、又は減少するために全体イメージにアクセスする必要があるであろう。同様に、より一般的には、スケーラー250からの出力が、出力行260というよりも出力イメージであってよい。
【0045】
スケーラー250は、出力行260を生成する。出力行260を生成する際、スケーラー250は、入力行200のそのピクセルに適用するため、メモリ270からスケーリング関数を選択するため、各ピクセルについてピクセル・タイプ220を使用する。ピクセル・タイプ決定器210はピクセル・タイプ220を決定するため、選択された補間関数は入力行200内の各ピクセルのイメージ・タイプ、人工又は自然イメージのいずれか、について適当である。
【0046】
メモリ270は、どんな数の補間関数を含むことができる。メモリ内に記憶された各補間関数は、人工又は自然イメージにより適当かを示すためにタグが付けられている。メモリ内に記憶されている補間関数は、式4に示されるようなλによる1次係数のパラメータ化を使用する式1の1次補間などの、パラメータ化された補間関数であってよい。スケーラー250は、現在のピクセル・タイプに適当であるタグが付けられた補間関数をメモリから選択できる。この例では、人工イメージをスケーリングするための2つの関数、スケール人工関数274及びスケール人工関数276がある。従って、もし現在のピクセルのピクセル・タイプが人工イメージ・ピクセルであれば、スケール人工関数274又はスケール人工関数276のいずれかが使用できる。
【0047】
この例では、スケーラー250は、入力行200の各ピクセルについてピクセル・タイプを決定するため、ピクセル・タイプ220を検査する。例えば、入力行200は、ピクセル・タイプe(a)=1、又は人工イメージ・ピクセルのピクセルp(a)を有するかもしれない。一方、入力行200の別のピクセルp(b)はピクセル・タイプe(b)=0、又は自然イメージ、を有するかもしれない。スケーラー250がスケール・ファクター230によりピクセルp(m)を補間する時、それはスケーリング関数を選択するためにe(m)の値を使用する。この例において、e(b)は0、又は自然イメージであり、スケール自然関数272がピクセルp(b)を補間するために使用できる。同様に、e(a)が1、又は人工イメージであると、スケール人工関数274又はスケール人工関数276が、ピクセルp(a)を補間するために使用できる。
【0048】
各補間関数が、さらに選択プロセスを洗練するために、それと一緒に追加の情報を記憶することが可能である。例えば、スケール人工関数274は、ある量以下のスケール・ファクターのためのものであると示すことができる。この例では、スケール自然関数272は双1次補間、スケール人工関数274はEW1補間、そしてスケール人工関数276はEW2補間である。EW1補間はあるスケール・ファクターで最良に作動するが、一方、EW2アルゴリズムは他のものに対して最良に作動する。従って、スケーラー250は、スケール・ファクターか゜しきい値スケーリング・ファクターより小さい時、より滑らかな補間関数EW2のスケール人工関数274を選択できる。典型的なしきい値スケーリング・ファクターは、2.0から4.0の範囲である。より鋭い補間関数EW1のスケール人工関数276は、しきい値よりも大きなスケール・ファクターに対するものである。
【0049】
D.ピクセル・タイプ決定器の詳細
図3は、ピクセル・タイプ決定器の論理図である。これは、図2のピクセル・タイプ決定器210として使用できる。
【0050】
図3は、独特論理ブロック320A−C及び独特性確証論理ブロック360を含む。独特論理ブロック320A−Cは、ピクセルがその隣接するものから別個又は独特であるかどうかを解析する。独特性確証論理ブロック360は、周囲のピクセルも独特であるかどうかに関して集められた情報に基づいて始めの独特性の決定を洗練する。
【0051】
独特論理ブロック320Aは第1ピクセル302、第2ピクセル304、目標ピクセル306、第3ピクセル308、及び第4ピクセル310を入力として受取る。独特論理ブロック320Aの出力は、もし目標ピクセル306がいずれかのその隣接ピクセル、第1ピクセル302、第2ピクセル304、第3ピクセル308、及び第4ピクセル310と同じならば、1である。そして目標ピクセル306が独特である時に0である。独特論理ブロック320Aの出力は予備的ピクセル・タイプ決定344、又はd(m)である。
【0052】
独特論理ブロック320Aへの入力ピクセルは、入力行110(図1参照)などのピクセル行の一部である。入力は入力行110内の目標ピクセル306を取り囲む。入力間の対応及び行内のピクセルの位置はテーブル2に示されている。
【0053】
【表2】
【0054】
p(m)、目標ピクセル306、の右側のピクセルはそれらのピクセル・タイプを決定するために処理されなければならない。p(m)の左側のピクセルはそれらのピクセル・タイプが既に決定されている。このように、ピクセル・タイプ決定は1つの行でイメージの左端からイメージの右端へとわたる。
【0055】
第1ピクセル302、第2ピクセル304、第3ピクセル308、及び第4ピクセル310は、比較器322−328にそれぞれ結合している。目標ピクセルは比較器322−328に結合されている。比較器322−328は、2つのピクセルが同一ならば1を出力し、それ以外は0を出力する。比較器322−328の出力はORゲート330に結合されている。ORゲート330の出力は予備的目標決定344であり、もし少なくとも1つの比較器322−328が1であれば、1を出力し、それ以外は0を出力する。
【0056】
独特論理ブロック320B−Cは独特論理ブロック320Aと同様に構成できる。代替的に、遅延回路が、d(m+1)が比較されるまで、d(m−1)及びd(m)の結果を記憶するために使用できる。独特論理ブロック320Bは第1決定342、又はd(m−1)を発生する。独特論理ブロック320Cは第2決定346、又はd(m+1)を発生する。予備的ピクセル・タイプ決定と行内のピクセルの位置との間の対応がテーブル3に示されている。
【0057】
【表3】
【0058】
独特論理ブロック320A−Cの出力が一旦、計算されると、独特性確証論理ブロック360が、目標ピクセル306のタイプを決定できる。
【0059】
独特性確証論理ブロック360は、入力として、目標ピクセル306についての目標決定344と、第1決定342と、第2決定346とを受取る。独特性確証論理ブロック360は、目標ピクセル306のピクセル・タイプを識別する。式7は、入力から目標ピクセル・タイプ382を計算するための数学公式である。
【0060】
【数7】
【0061】
これは、目標決定344及び第1決定342をORゲート362及びANDゲート364へ結合することにより、計算できる。第2決定346及びORゲート362の出力は、ANDゲート366に結合される。ANDゲート364−366の出力はORゲート368に結合される。ORゲート368の出力は目標ピクセル・タイプ382である。目標ピクセル306が人工イメージ・ピクセルである時、目標ピクセル・タイプ382は1であり、自然イメージ・ピクセルについては、0である。
【0062】
別の実施の形態において、第2決定346及び第1決定342の排他的論理和が0の時、d(m+1)又は第1決定342が目標ピクセル・タイプ382、eH(m)として使用される。
【0063】
E.詳細な実施例
図4は、図1に示したものに類似した源イメージを示す。図5A−Eは、図3の論理回路を使用して図4中の源イメージからのデータの行を処理する異なる段階を示す。
【0064】
図4は、源イメージ400と、詳細な行402と、人工イメージ目標ピクセル410と、自然イメージ目標ピクセル412と、第3目標ピクセル414とを含む。
【0065】
源イメージ400は、デジタル・イメージであり、行と列の行列に配されたピクセルから構成される。詳細な行402は、源イメージ400内のピクセルの行である。人工イメージ目標ピクセル410は、詳細な行402内の文字「G」の左端である詳細な行402内のピクセルである。自然イメージ目標ピクセル412は、詳細な行402内の女性のグレイスケール写真内にある。第3目標ピクセル414は、単一ピクセル幅線が詳細な行402を横切る所の源イメージ400内の単一ピクセル幅線の単一の黒いピクセルである。この例において、各ピクセルは0、黒から、7、白までのグレイスケール強度値を有する。
【0066】
図5Aは、図3により構成されるようなピクセル・タイプ決定器210への入力の詳細を示す図である。かっこ()で囲まれた3つの異なる目標ピクセルに対する、独特論理ブロック320Aへの入力、p(m−2)からp(m+2)が示される。ピクセル・タイプを完全に計算するのに必要とされる追加のピクセル値がブラケット{}により囲まれている。目標ピクセル・タイプ382、eH(m)、は、目標ピクセルの左の3つのピクセル及び右の3つのピクセルに依存する。詳細な図502は、人工イメージ目標ピクセル410についてのピクセル値入力を示す。詳細な図504は、自然目標ピクセル412についてのピクセル値入力を示す。詳細な図506は、第3目標ピクセル414についてのピクセル値入力を示す。
【0067】
詳細な行402が処理される時、図5Aに示される入力は図5Bに与えられる。図5Bは、独特論理ブロック320Aを含む。全体の行が図5Cに示されるような詳細な行402について予備的ピクセル・タイプ決定を計算するために、独特論理ブロック320A(図3を参照)により処理される。
【0068】
図5Cは、詳細な行402のピクセルに対する予備的ピクセル・タイプ、d(m)、の詳細な図を示す。詳細な図508は、人工イメージ目標ピクセル410に対する予備的決定及び最も近い近傍の予備的決定を示す。詳細な図510は、自然イメージ目標ピクセル412に対する予備的決定及び最も近い近傍の予備的決定を示す。詳細な図512は、第3目標ピクセル414に対する予備的決定及び最も近い近傍の予備的決定を示す。
【0069】
図5Cからの予備的決定は図5Dに供給される。図5Dは独特性確証論理ブロック360(図3参照)を含む。その結果の目標ピクセル・タイプ382が図5Eに示されている。
【0070】
図5Eにおいて、目標ピクセル・タイプ382が3つの異なる目標ピクセルに対して示される。詳細な図514は人工イメージ目標ピクセル410についてのピクセル・タイプを示す。詳細な図516は自然イメージ目標ピクセル412についてのピクセル・タイプを示す。詳細な図518は第3目標ピクセル414についてのピクセル・タイプを示す。
【0071】
1.人工イメージ目標ピクセル
人工イメージ目標ピクセル410は、詳細な行402内の文字「G」の端の前の最後の白いピクセルである。図5Aの詳細な図502に、周囲のピクセル値が示されている。「G」を構成する黒いピクセルは、0であり、一方、白い背景のピクセルは、7である。
【0072】
図5Bの独特な論理ブロック320Aで、4つの周囲のピクセルと目標ピクセルとの比較が、予備的決定として、1、又は人工イメージの結果を生ずる。
【0073】
より詳細には、人工イメージ目標ピクセル410が目標ピクセル306である。文字目標ピクセル410の左側のピクセル値7の2つのピクセルは、第3ピクセル308及び第4ピクセル310である。文字目標ピクセル410の右側のピクセル値0の2つのピクセルは、第1ピクセル302及び第2ピクセル304である。
【0074】
図5において、入力が予備的ピクセル・タイプ決定ブロック320A内で処理される。比較器322−328は目標ピクセルと周囲のピクセルの各々を比較する。ここで、文字目標ピクセル410は目標ピクセル306であり、第1ピクセル302と比較されて、等しくない、0の結果を生ずる。目標ピクセル306は、第2ピクセル304と比較されて、等しくない、0の結果を生ずる。目標ピクセル306は、第3ピクセル308と比較されて、等しい、1の結果を生ずる。目標ピクセル306は、第4ピクセル310と比較されて、等しい、1の結果を生ずる。これらの結果は、一緒に論理和が取られて、人工イメージ目標ピクセル410に対する目標決定として1の結果を生ずる。これが、詳細な図508内の人工イメージ目標ピクセル410に対する予備的ピクセル・タイプ決定を含む図5Cにて示される。
【0075】
2つの周囲のピクセルに対する予備的ピクセル・タイプは文字目標ピクセル410の目標ピクセル・タイプ382を計算するのに必要なため、それらは独特論理ブロック320Aにより上述したのと同じ方法により計算される。
【0076】
そして、詳細な図508において示される予備的ピクセル・タイプ決定が、人工イメージ目標ピクセル410についての最終ピクセル・タイプを計算するために使用される。予備的ピクセル・タイプは、独特性確証論理ブロック360が最終ピクセル・タイプを計算する図5Dに供給される。
【0077】
図5Dにおいて、独特性確証論理ブロック560により使用された目標決定344は、図5Bにおいて計算され、図5Cに示される値である。第1決定342及び第2決定346が図5Cに同じく示されている。ここで、第1決定342の1が目標決定344の1と、ANDゲート364で、論理積が取られて、1を計算する。これらの2つの値の論理和も1であり、そしてそれがORゲート362の結果である。ORゲート362の結果が第2決定346の1とANDゲート366で論理積がとられて、1を計算する。ANDゲート364の結果とANDゲート366の結果が、一緒に論理和を取られて、ORゲート368により目標ピクセル・タイプ382を発生する。
【0078】
図5Eには、人工イメージ目標ピクセル410のピクセル・タイプが示されている。詳細な図514において、人工イメージ目標ピクセル410のタイプが、1、又は人工イメージ・ピクセルで示される。
【0079】
2.自然イメージ目標ピクセル
自然イメージ目標ピクセル412の処理は、前の場合と同様に進められる。自然イメージ目標ピクセル412の周囲を取り囲む詳細な行の自然イメージ部分の入力ピクセルは、さまざまに異なった値を有する。詳細な図504は、自然イメージ目標ピクセル412を取り囲む異なるピクセル値を示す。
【0080】
結果として得られた独特性決定が詳細な図510中に示されている。自然イメージ目標ピクセル412は0の予備的決定、又は自然イメージ・ピクセルを有する。この決定は洗練されて、自然イメージ目標ピクセル412のピクセル・タイプが0、又は自然イメージであることを、詳細な図516中に示す。
【0081】
3.第3目標ピクセル
第3目標ピクセル414の処理は、前述の場合と同様に行なわれる。第3目標ピクセル414は周囲のピクセルから不連続性の特異点であるため、独特論理ブロック320Aによる目標決定は、第3目標ピクセル414が自然イメージ・ピクセル0である。しかし、詳細な図512は周囲のピクセルが予備的決定段階で人工イメージ・ピクセルとしてタイプ付けられている。
【0082】
もし第3目標ピクセル414が自然イメージ・ピクセルとして取扱われると、それは間違って自然イメージとして識別されているため、線の固い端をぼやかす補間イメージを生成するであろう。独特性確証論理ブロック360は、ピクセルが独特である、d(m)=0、ことが近隣のピクセルの決定から支持されていることを保証する重要な役割を果たす。
【0083】
ここで、第3目標ピクセル414についての予備的決定は0であるけれども、現在の予備的決定を使用する代わり、周囲の予備的決定の排他的論理和は0であり、ここで処理された最後のピクセルの予備的決定は1、又は人工イメージ・ピクセルであった、が使用される。このようにして、第3目標ピクセルは正確に人工イメージ・ピクセルとして識別され、そして線が保存される。
【0084】
F.処理の説明
図6は、ピクセル単位でイメージに基づいて補間関数を選択する方法を示すプロセス・フローチャートである。
【0085】
開始ブロック500において、源イメージがスケール・ファクターと共に与えられる。源イメージは入力100(図1)又はその他のデジタル・イメージであることができる。スケール・ファクターは適用される水平方向スケーリング量を表す実数として与えられる。
【0086】
そして、イメージ解析が行単位で開始される処理ブロック610に制御が送られる。各行はピクセル・タイプ決定器を使用してピクセル単位で解析される。これは図3の論理回路を使用することにより実行される。
【0087】
そして、独特論理ブロック320A(図3参照)を使用して各ピクセルの独特性を決定する処理ブロック620に制御が送られる。処理ブロック620は独特性決定を有するビットの行を出力する。ビットd(m)は、ピクセルp(m)が独特、例えば、異なるピクセル値を有する2つのピクセルで左及び右を囲まれている、であるならば、0である。ビットd(m)は、それ以外は、ピクセルp(m)について、1である。この処理はイメージの行の全てについて繰返される。代替的に、式8が独特性を決定するため使用できる。
【0088】
【数8】
【0089】
そして、独特性確証論理ブロック360(図3参照)を使用して各ピクセルの独特性が確かめられる処理ブロック630に制御が送られる。この処理は、行の中の周囲のピクセルについての独特性を見ることによりピクセルが独特であるという初期判定を洗練する。結果は、行内の各ピクセルp(m)に対するピクセル・タイプの決定のビットeH(m)の行である。ビットeH(m)はもしピクセルp(m)が人工ピクセルであると、1であり、そして、もしピクセルp(m)が自然ピクセルであると、0である。代替的に、式7をeH(m)の値を計算するために使用できる。この処理はイメージの行の全てに対して繰返される。
【0090】
そして、ピクセル・タイプに基づいて各ピクセルについて補間関数が選択される処理ブロック640に制御が送られる。イメージをスケールするために使用できるいくつかの補間関数がある。補間関数は、その関数が人工イメージ又は自然イメージをスケーリングするために最適であるかどうかを示すタグと一緒に記憶できる。メモリ270(図2参照)は、それらが最適に動作するイメージのタイプを示すタグが付けられた3つの補間関数を含む。各ピクセルに対して、eH(m)決定と一致したタグを持った補間関数が選択される。このようにして、eH(a)=1を持ったピクセルp(a)、又は人工イメージ・ピクセル、に対して、スケール人工関数274又はスケール人工関数276のいずれかが選択される(図2参照)。同様に、eH(b)=0を持ったピクセルp(b)、又は自然イメージ・ピクセル、に対して、スケール自然関数272が選択される(図2参照)。いくつかの実施の形態においては、スケール・ファクターが一致タグを有する異なる補間関数の中から選択するため使用できる。例えば、スケール人工関数274が、あるしきい値スケーリング・ファクターよりも小さいスケール・ファクターのために使用でき、そしてスケール人工関数276がしきい値スケーリング・ファクターよりも大きいスケール・ファクターのために使用できる。
【0091】
そして、選択された補間関数を使用してイメージが補間される処理ブロック650へ制御が送られる。イメージの補間は、イメージの各ピクセルに対して処理ブロック640により識別された補間関数を使用して進められる。これは、特定のピクセルに対して使用される補間関数がピクセル・タイプ、人工又は自然、に適していること、及び、ぼやけ及びエイリアシングの好ましくない補間人工物を最小にすることを保証する。人工イメージ・ピクセルについては、ぼやけが最小化される。何故ならば、処理ブロック640により選ばれた補間関数は人工イメージ、例えば、端の保存、に適しているからである。同様に、自然イメージ・ピクセルについては、エイリアシングが最小化される。何故ならば、選択された補間関数が自然イメージに適しているからである。
【0092】
この処理は、スケーリングされた出力イメージと共に終了ブロック660で終わる。
【0093】
G.色ピクセルの取扱い
図7は、色ピクセル比較器の論理図である。色ピクセル比較器は、図3の独特論理ブロック320Aの比較器322−328として使用することができる。
【0094】
図7は、比較器322B、ピクセル702及びピクセル704、比較器712、比較器714、比較器716、及びANDゲート720を含む。比較器322Bは、比較器712−716及びANDゲート720を含む。
【0095】
ピクセル702の色成分とピクセル704の色成分が、比較器712−716により互いに比較される。比較器712−716は2つの入力色成分が同じである時に1を出力し、それ以外は、0を出力する。比較器712−716の結果はANDゲート720に結合される。ANDゲート720はもし全ての色成分が同一であると1を出力し、それ以外は0を出力する。
【0096】
コンピュータ・イメージ内のピクセルは典型的に3色成分、赤成分、緑成分、及び青成分、から構成される。ピクセル702及びピクセル704は各々、赤、緑、及び青成分を有する。代替的に、これらの色成分は色合い、純度、及び明るさなどの他のシステムで表現できる。
【0097】
ここで、ピクセル702及びピクセル704は、ピクセル702の緑成分が0であり、一方、ピクセル704の緑成分が1であるので、色成分の全てが同一ではないため、異なっていることに気付く。このように、比較器714からの出力は0となり、ANDゲート720の出力は0である。
【0098】
比較器322Bは、色ピクセルがそれらのピクセル・タイプを決定することを可能にするため、図3の独特論理ブロック320A内の比較器322−328の代りに使用できる。
【0099】
H.最適化されたピクセル・タイプ決定器
図8は、ピクセル・タイプ決定器の論理図を示す。論理設定は図3のピクセル・タイプ決定器のそれと同様である。しかし、図8のピクセル・タイプ決定器は遅延要素と比較器に必要とされる回路の量を減少するために最適化されている。
【0100】
図8の上左側のピクセル・タイプ決定器内に、1度に1つ、ピクセルが流入する。入力ピクセル830が論理回路に流入する時、入力ピクセル830は遅延器800及び比較器806へ流入する。入力ピクセル830はp(m+2)である。遅延器800−804は、ピクセル・タイプ決定e(m−1)がスケーラー250に到達すると同時にピクセルp(m−1)が入力としてスケーラー250に供給されるように、設定される。遅延器800は第1出力ピクセル832、p(m+1)、を発生する。第1出力ピクセル832は、遅延器802に流入する。遅延器802は第2出力ピクセル834、p(m)、を発生する。第2出力ピクセル834は遅延器804に流入する。遅延器804は、第3出力ピクセル836、p(m−1)、を発生し、そして第3出力ピクセルをスケーラー250に供給する。
【0101】
最適化されたピクセル決定器はパイプラインのように動作するため、図3のピクセル決定器内に使用された4つの比較器の機能は、遅延器に結合された2つの比較器により置き換えることができる。比較器806への入力は入力ピクセル830及び第2出力ピクセル834に結合されている。比較器806の出力は1ビット遅延器810及びORゲート816内に流入する。1ビット遅延器810の出力は1ビット遅延器814に結合している。1ビット遅延器814の出力はORゲート816に結合されている。比較器808への入力は第1出力ピクセル832及び第2出力ピクセル834に結合されている。比較器808の出力は1ビット遅延器812及びORゲート816に流入する。1ビット遅延器812の出力はORゲート812に流入する。比較器806−808はもし2つの入力が同一であるならば1を出力し、それ以外は0を出力する。
【0102】
ORゲート816は、ORゲート330(図3参照)と機能的に等価な結果を計算する。1ビット遅延器810−814を持った比較器806−808の構成は比較器の数を減少し、そして、ピクセル・タイプ決定器のパイプライン構成を容易にする。ORゲート816の出力は、第1予備的タイプ決定840、d(m)である。
【0103】
第1予備的タイプ決定840は、1ビット遅延器818への入力である。1ビット遅延器818の出力は第2予備的タイプ決定842、d(m−1)、である。第2予備的タイプ決定は、1ビット遅延器820への入力である。1ビット遅延器820の出力は第3予備的タイプ決定844、d(m−2)、である。
【0104】
予備的タイプ決定840−844は、第3出力ピクセル836、p(m−1)、に対してピクセル・タイプ決定850、e(m−1)、を計算するために、独特性確証論理ブロック360(図3参照)へ供給することができる。ピクセル・タイプ決定850は、スケーラー250へ供給される。
【0105】
I.二次元での動作
今までの議論は主としてピクセル・タイプ決定の1次元手法に焦点をあてていた。しかし、本発明は容易にいくつかの異なった方法で二次元に拡張できる。
【0106】
1つの実施の形態において、eH(m,n)を計算するために行にピクセル・タイプ決定処理を実行した後、処理がeV(m,n)を計算するために列について繰返される。そして、2つの結果が一緒に論理和を取られて、最終ピクセル・タイプ決定、e(m,n)=eH(m,n)OReV(m,n)、を計算する。そして、e(m,n)が補間関数を選択するために使用される。e(m,n)=1、又は人工、の時、ピクセルのそのタイプに適した補間関数が選択され、それ以外は、自然ピクセルに対する補間関数が選択される。
【0107】
別の実施の形態では、異なる補間関数が水平及び垂直方向に使用することができる。ここで、eH(m,n)はピクセルp(m,n)について水平補間関数を選択するために使用され、そしてeV(m,n)はそのピクセルについて垂直補間関数を選択するのに使用される。
【0108】
さらに別の実施の形態では、垂直経路は全く作られず、そして、e(m,n)=eH(m,n)である。すなわち、水平ピクセル・タイプ決定が、垂直経路の追加無しに、ピクセルに対する補間関数を選択するために使用される。これでも上述した2つの経路の実施の形態に必要な追加の計算及びハードウェア無しで高品質の結果を発生する。
【0109】
J.隣接するピクセル・タイプが不一致の時の補間関数の選択
1次元方向に2つの源ピクセル間を補間するためにどんなピクセルを補完するにも少なくとも2つのピクセルが必要とされるため、もし2つの源ピクセル位置において隣接ピクセル・タイプが異なれば問題となる。テーブル4に示されるような次の水平方向補間を考える。
【0110】
【表4】
【0111】
補間されたピクセルは異なるタイプを持った隣接源ピクセルに関係するため、補間関数の選択を決めるためにタイプの不一致が存在する。補間が二次元方向になされる時、テーブル5に示されるように、4つのピクセルが源ピクセル間にピクセルを補間するために使用される。
【0112】
【表5】
【0113】
従って、隣接ピクセル・タイプが不一致の時に、適当な補間関数を選択するための決定方式が望ましい。
【0114】
1つの手法では、もしいずれか1つの源ピクセルが人工イメージ・ピクセルと決定された場合、人工イメージ補間関数が使用される。別の手法では、もしいずれか1つの源ピクセルが自然イメージ・ピクセルと決定された場合、自然イメージ補間関数が使用される。第3の手法は、優勢な源ピクセル・タイプに基づいて補間関数が採用される。もしより多くの源ピクセルが人工イメージ・ピクセル・タイプであれば、人工イメージ補間関数が使用される。それ以外は、自然イメージ補間関数が使用される。もし源ピクセルが2つのタイプ間に等しく分かれているならば、他の2つの手法の1つが使用できる。
【0115】
K.結論
本発明のいくつかの実施の形態は、CD−ROMなど又は他のコンピュータ使用可能媒体に含まれる。コンピュータ使用可能媒体は、ピクセル・タイプ決定、補間及びスケーリング機能のためのソフトウェアとスケーラー・プログラムとを含む。
【0116】
本発明のいくつかの実施の形態は、電磁波形式にて含まれる。電磁波形式は、ピクセル・タイプ決定、補間及びスケーリング機能のためのソフトウェアとスケーラー・プログラムとを含む。
【0117】
以上、ピクセル単位でイメージ・タイプに基づいた補間関数を選択するための装置及び方法が説明された。方法はイメージ・タイプについて大変局所化された決定を可能にする。この方法は、ピクセル単位で、イメージの各部について、最も適したタイプの補間関数を選択する独特な利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により補間されるイメージを示す図。
【図2】ピクセル・タイプに基づいて動的にスケーリング関数を選択するイメージ・スケーラーのハードウェア・ブロック図。
【図3】ピクセル・タイプ決定器の論理を表す図。
【図4】図1に示されたのと類似した源イメージを示す図。
【図5A】図3の論理回路内でデータの行を処理する異なる段階を示す図。
【図5B】図3の論理回路内でデータの行を処理する異なる段階を示す図。
【図5C】図3の論理回路内でデータの行を処理する異なる段階を示す図。
【図5D】図3の論理回路内でデータの行を処理する異なる段階を示す図。
【図5E】図3の論理回路内でデータの行を処理する異なる段階を示す図。
【図6】ピクセル単位でのイメージ・タイプに基づいて補間関数を選択する方法を説明するプロセスの流れを示すフローチャート。
【図7】色ピクセル比較器の論理を表す図。
【図8】最適化されたピクセル・タイプ決定器の論理を表す図。
Claims (15)
- 第1の複数のピクセルを含んだ源イメージを、スケール・ファクターでもってスケーリングする方法であって、
前記複数のピクセル内の目標ピクセルが人工イメージ領域内のピクセルに対応する第1タイプか又は自然イメージ領域内のピクセルに対応する第2ピクセルかを決定し、該決定は前記目標ピクセルに近いピクセルの一組を処理することを含み、そして、もし、前記目標ピクセルがピクセルの一組と類似の場合は第1ピクセル・タイプとして識別し、もし、前記目標ピクセルがピクセルの一組と非類似の場合は第2ピクセル・タイプとして識別し、
もし、前記目標ピクセルが前記第1タイプとして識別された場合、前記目標ピクセルに対して第1補間関数を選択し、もし、前記目標ピクセルが前記第2タイプとして識別された場合、前記目標ピクセルに対して第2補間関数を選択し、
前記目標ピクセルをスケーリングするため、前記第1補間関数及び前記第2補間関数の選択された1つを使用して前記源イメージをスケーリングする、
各段階を有する方法。 - もし、ピクセルの前記一組内のピクセルが前記目標ピクセルと一致する値を持つものがない場合、前記目標ピクセルはピクセルの前記一組内のピクセルと非類似であり、それ以外は、類似である、請求項1に記載の方法。
- 前記識別が、
前記目標ピクセルに隣接している第2ピクセルが第1ピクセル・タイプか又は第2ピクセル・タイプかどうかを決定する第1決定と、
前記目標ピクセルに隣接している第3ピクセルが第1ピクセル・タイプか又は第2ピクセル・タイプかを決定する第2決定と、
前記第1及び第2決定に応答して前記目標ピクセルが第1ピクセル・タイプか又は第2ピクセル・タイプかどうかを識別する段階とをさらに含み、そして該識別する段階は、
a)前記第2ピクセルのピクセル・タイプが前記第3ピクセルのピクセル・タイプと同一である時、前記目標ピクセルは前記第2ピクセルのピクセル・タイプを持つと決定され、
b)前記第2ピクセルのピクセル・タイプが前記第3ピクセルのピクセル・タイプと同一ではなく且つ前記目標ピクセルがピクセルの一組内のピクセルと類似の時、前記目標ピクセルは前記第1ピクセル・タイプを持つと決定され、
c)そして、前記第2ピクセルのピクセル・タイプが前記第3ピクセルのピクセル・タイプと同一ではなく且つ前記目標ピクセルがピクセルの一組内のピクセルと非類似の時、前記目標ピクセルは前記第2ピクセル・タイプを持つと決定される、
ことをさらに含む請求項1に記載の方法。 - 少なくとも1つの第1タイプのエッジ重み付けを持つ補間関数及び第2タイプのエッジ重み付けを持つ補間関数を含んだ複数の補間関数から第1補間関数を選択することを含む請求項1に記載の方法。
- 前記第2補間関数が、双1次補間関数を含む請求項1に記載の方法。
- 前記複数のピクセルの各ピクセルが、複数のデータ要素からなり、前記複数のデータ要素が赤データ要素、緑データ要素、青データ要素、色合いデータ要素、純度データ要素、輝度データ要素、及び明るさデータ要素の1つ又は複数を含む請求項1に記載の方法。
- ピクセルから構成されるイメージをスケール・ファクターによりスケーリングするための装置であって、
前記ピクセル内から目標ピクセル及び目標ピクセルに近いピクセルの一組を識別して、前記目標ピクセルについてタイプを決定するための局所イメージ解析器と、該局所イメージ解析器は、目標ピクセルが人工イメージ領域内のピクセルに対応する第1ピクセル・タイプか又は自然イメージ領域内のピクセルに対応する第2ピクセル・タイプかを決定するために目標ピクセルとピクセルの一組を処理し、そして、もし、前記目標ピクセルがピク セルの一組と類似の場合は第1ピクセル・タイプとして識別し、もし、前記目標ピクセルがピクセルの一組と非類似の場合は第2ピクセル・タイプとして識別する論理を含み、
水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数によりパラメータ化された1次補間関数を実行する論理と、
水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数を定義するための補間係数発生器と、
目標ピクセルが第1ピクセル・タイプの時は前記目標ピクセルが第2ピクセル・タイプの時とは異なる補間関数を使用して、水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数を有する1次補間関数を使用して、スケール・ファクターにより前記目標ピクセルの近傍の前記イメージをスケーリングするためのイメージ・スケーラーと、
を有する装置。 - 前記局所イメージ解析器が、
類似及び相違の少なくとも1つである複数の結果を生成するため、前記目標ピクセルを前記目標ピクセルに近いピクセルの前記一組内の各ピクセルと比較する複数のピクセル比較器と、
前記目標ピクセルについて前記タイプを、
a)前記複数の結果内の少なくとも1つの結果が類似である時は、第1ピクセル・タイプ、
b)前記複数の結果内のどの結果も類似でない時は、第2ピクセル・タイプ、
と識別するためのタイプ決定器と、
を含む請求項7に記載の装置。 - 前記補間係数発生器が、目標ピクセルのタイプが第2ピクセル・タイプである時、1次補間を双1次補間にするため、水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数を定義する請求項8に記載の装置。
- 前記補間係数発生器が、1次補間を第1タイプのエッジ重み付けを持つ補間関数及び第2タイプのエッジ重み付けを持つ補間関数の少なくとも1つにするため、水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数を定義する請求項8に記載の装置。
- 前記補間関数係数発生器が、水平方向1次補間係数及び垂直方向1次補間係数を定義するため、スケール・ファクター及びターゲット・ピクセルのタイプを使用する請求項7に記載の装置。
- 前記補間関数係数発生器が、水平方向1次補間係数を定義するため、スケール・ファクター及び予め定められた変化レベルを使用する請求項7に記載の装置。
- 前記補間関数係数発生器が、垂直方向1次補間係数のパラメータ化を定義するため、スケール・ファクター及び予め設定された変化レベルを使用する請求項7に記載の装置。
- 前記補間関数係数発生器が、水平方向1次補間係数のパラメータ化を定義するため、スケール・ファクター及び瞬時コントラストの組を使用する請求項7に記載の装置。
- 前記補間関数係数発生器が、垂直方向1次補間係数のパラメータ化を定義するため、スケール・ファクター及び瞬時コントラストの組を使用する請求項7に記載の装置。
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