JP3712822B2 - 網終端装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポイント−マルチポイント型のATM−PDS(Asynchronous Transfer Mode - Passive Double Star) 伝送システムにおいて、局内の加入者線端局装置(SLT)にPDS区間を介して収容される網終端装置(ONU)に関する。
【0002】
特に、網の混み具合に応じてPDS伝送帯域をリアルタイムに変更し、輻輳を未然に防ぐABR(Available Bit Rate) 方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
ATM伝送システムには、伝送帯域が変化するABR方式と呼ばれる帯域制御方式がある(参考文献:ATM Forum af-tm-0056.000 Traffic Manegement Specification Version 4.0)。
ABR方式では、RM(資源管理:Resource Management)セルが送信側端末から受信側端末まで前方RMセルとして伝送され、受信側端末から送信側端末まで後方RMセルとして伝送される。このRMセルが送信側端末から受信側端末に渡され、受信側端末から戻ってくるまでの間に、送信側端末や中継する伝送装置等が伝送可能な帯域自体(ACR)、輻輳表示(CI)、帯域非増加指示(NI)等を書き込むことにより、送信側端末に送信可能な伝送帯域が指示される。また、送信側端末に向かうデータセルのATMオーバヘッドのペイロードタイプを表すPTビットに網輻輳を示すビットを書き込むことにより、送信側端末に送信可能な伝送帯域が暗示的に指示される場合もある。
【0004】
すなわち、非輻輳時には、RMセルまたはデータセルに輻輳表示がなく、送信側端末はセル送出を設定された手順で段階的にピークセルレートまで加速する。一方、輻輳時には、RMセルまたはデータセルに輻輳表示が行われ、送信側端末はセル送出を設定された手順で段階的に最小セルレートまで減速する。ABR方式では、このようにして輻輳を未然に防ぎながら帯域の有効活用を可能にしている。
【0005】
しかし、従来から提案されているPDS伝送システムには、ABR方式に従って動作するABR端末に対する配慮がない。たとえば、文献(信学技報CS89-12 「分散制御型ATM光加入者伝送系の検討」)に示されるようなPDS区間の可変帯域化が検討されているが、このような帯域変化に対応してPDS伝送システム自体にABR端末に新たに割り当てられた帯域を通知する機能がなく、帯域を有効利用することが困難であった。そこで、PDS伝送システムのPDS伝送帯域変化をABR端末に通知する方法として、例えばABRサービス対応のATMスイッチを縦続に接続する構成が考えられている。このATMスイッチは、自己の出力側の輻輳状況を入力側の装置にRMセルで通知する機能を有するものとする。
【0006】
図19は、ABRサービスに対応するATM−PDS伝送システムの構成例を示す。
図において、局側で加入者線を終端する加入者線端局装置(SLT)51は、光ファイバおよび分岐素子で構成されるPDS区間52を介して複数の網終端装置(ONU)53を収容し、PDS伝送システムを構成する。網終端装置53とABR端末54との間には、ABRサービス対応のATMスイッチ55と、PDS伝送システムとABRサービスの制御遅延を吸収するバッファ56が配置される。ABR端末54から網終端装置53の方向へは前方RMセルが伝送され、網終端装置53からABR端末54の方向へは後方RMセルが伝送される。
【0007】
ここで、網終端装置53に割り当てられたPDS伝送帯域が減少すると、ATMスイッチ55から網終端装置53への伝送が滞り、ATMスイッチ55の出力側に輻輳状態が発生する。ATMスイッチ55は、この輻輳状態の発生を後方RMセルに表示してABR端末54に通知する。ABR端末54は、この輻輳状態が表示されたRMセルの到達により、PDS伝送帯域の減少を間接的に認識する。
【0008】
一方、網終端装置53に割り当てられたPDS伝送帯域が増加し、ATMスイッチ55の出力側の輻輳状態が解消されると、ATMスイッチ55は輻輳状態の解消を後方RMセルに表示してABR端末54に通知する。ABR端末54は、このRMセルの到達によりPDS伝送帯域の増加を間接的に認識する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図19に示す構成では、ATMスイッチ55がPDS伝送帯域の変化に伴う輻輳状態を検出した後にABR端末54に通知している。すなわち、網終端装置53はABR端末54にPDS伝送帯域の変化を直接通知する手段がなく、ATMスイッチ55を介してABR端末54にその旨が通知されるので、伝送帯域の変化に迅速に対応することができなかった。さらに、ATMスイッチ55の認識に要する時間遅れを吸収するためのバッファ56が必要となり、装置構成の複雑化に伴うコスト上昇と、伝送遅延時間の増加に伴う伝送品質の劣化が避けられなかった。
【0010】
本発明は、簡単な構成によりABR端末へPDS伝送帯域の変化を通知でき、容易にPDS伝送システムの帯域可変化に対応することができる網終端装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の網終端装置は、加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段からPDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、PDS区間の送出可能帯域を示す情報からABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、PDS/ATM終端手段から出力されるセルに書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込んでABR端末に送出するセル書換手段とを備える。これにより、PDS伝送帯域の変化をABR端末に通知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態−請求項1,12,13,14,15,16)
図1は、本発明の網終端装置の第1の実施形態を示す。
図において、加入者線端局装置(SLT)51は、PDS区間52を介して網終端装置(ONU)10aを収容する。網終端装置10aにはABR端末54が直接接続される。
【0013】
PDS区間52を介して加入者線端局装置51から到着する下りセルは、網終端装置10aのPDS/ATM終端手段11に入力される。PDS/ATM終端手段11は、自己PID(ポーリング制御領域)検出手段12により、下りセルのオーバヘッドのポーリング制御領域のPIDビットを検出し、PIDが自分宛の場合に網終端装置10aは上りセルを送信する。
【0014】
また、使用可能帯域読出手段13のPID個数読出手段14は、自己PID検出手段12による単位時間当たりの検出回数をカウントする。書換情報算出手段15は、PID個数読出手段14のカウント値をビットレート換算し、ABR端末54に通知する使用可能帯域としてセル書換手段16に送出する。なお、自己PIDの個数を読み出す単位時間は、同一の伝送システムに接続される各網終端装置ごとに上りセルを割り付ける時間に合わせて、例えば1ミリ秒、または3ミリ秒、または 125ミリ秒の整数倍、または56セルの伝送に要する時間の整数倍に設定することにより、ABR端末54に通知する値が安定する効果が期待できる。
【0015】
セル書換手段16は、ABR端末54宛のセルに書換情報算出手段15から与えられた情報(使用可能帯域)を書き込み、ABR端末54に送出する。なお、セル書換手段16は、データセルのみまたはRMセルのみに書き込みを行ってもよく、一部の書き込み指示値を省略してもよい。このようにして、ABR方式の帯域通知の方法に従い、ABR端末54にPDS区間の使用可能な伝送帯域を通知することができる。
【0016】
ここで、書換情報算出手段15の構成について図17を参照して説明する。書換情報算出手段15は、使用可能帯域読出手段13のPID個数読出手段14のカウント値を入力して使用可能帯域を算出する使用可能帯域算出手段21と、使用可能帯域算出手段21で算出した使用可能帯域を記憶する記憶手段22と、記憶手段22に記憶された過去の使用可能帯域と新たに使用可能帯域算出手段21で算出された使用可能帯域とを比較する比較手段23とにより構成される。
【0017】
比較手段23の動作について図18を参照して説明する。
ABR端末54から網終端装置10aに前方RMセルが到着すると、使用可能帯域算出手段21は使用可能帯域読出手段13からの情報を基に、後方RMセルに書き込む使用可能帯域を算出する。
比較手段23は、算出された使用可能帯域が前回の使用可能帯域より大きい場合には、算出された使用可能帯域をセル書換手段16に送出し、後方RMセルに書き込む。このとき、輻輳通知と非増加通知は書き込まない。
【0018】
また、算出された使用可能帯域が前回の使用可能帯域と等しい場合には、算出された使用可能帯域をセル書換手段16に送出し、後方RMセルに書き込む。このとき、すでに非増加通知がされていなければ非増加通知も書き込む。ただし、輻輳通知は書き込まない。
また、算出された使用可能帯域が前回の使用可能帯域より小さい場合には、算出された使用可能帯域をセル書換手段16に送出し、後方RMセルに書き込む。このとき、すでに輻輳通知がされていなければ輻輳通知も書き込み、非増加通知がされていなければ非増加通知も書き込む。さらに並行して、次の前方RMセルが到着するまでの間に、ABR端末54に向かって網終端装置10aが送出する下りデータセルに輻輳通知を書き込む。
【0019】
このようにして、新たに算出した使用可能帯域と過去の値とを比較することにより、ABR端末54に様々な通知法で使用可能帯域を逐次通知することができる。なお、書換情報算出手段15は使用可能帯域算出手段21のみで構成し、常に新たに算出した使用可能帯域をABR端末54に同様の通知法で通知するようにしてもよい。
【0020】
(第2の実施形態−請求項2)
図2は、本発明の網終端装置の第2の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図1に示す第1の実施形態の構成において、RMセルをABR端末54と網終端装置10bとの間で往復させ、ABR端末54から網終端装置10bに到着したRMセルをPDS区間52に送出せず、RMセル分のPDS帯域をデータセルに振り分けるようにしたところにある。
【0021】
すなわち、網終端装置10bでは、ABR端末54から到着するセルをセル分離手段31に入力してRMセルとデータセルに分離し、データセルはPDS/ATM終端手段11に送出し、RMセルはセル合流手段32に送出する。セル合流手段32は、セル分離手段31で分離されたRMセルと、PDS/ATM終端手段11から出力されるセル(データセルおよびRMセル)とを合流してセル書換手段16に送出する。その他の構成および動作は第1の実施形態と同様である。
【0022】
(第3の実施形態−請求項3)
図3は、本発明の網終端装置の第3の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図2に示す第2の実施形態の構成において、セル書換手段16をRMセル書換手段33およびセル書換手段34に分離し、それぞれの出力をセル合流手段32で合流させるところにある。
【0023】
すなわち、網終端装置10cでは、セル分離手段31で分離されたRMセルをRMセル書換手段33に入力し、書換情報算出手段15から与えられる情報で書き換えてセル合流手段32に送出する。また、PDS/ATM終端手段11から出力されるセル(データセルおよびRMセル)をセル書換手段34に入力し、書換情報算出手段15から与えられる情報で書き換えてセル合流手段32に送出する。セル合流手段32は、RMセル書換手段33およびセル書換手段34で書き換えられたセルを合流してABR端末54に送出する。その他の構成および動作は第2の実施形態と同様である。
【0024】
(第4の実施形態−請求項4)
図4は、本発明の網終端装置の第4の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図3に示す第3の実施形態の構成からセル書換手段34を取り除いたところにある。
すなわち、網終端装置10dでは、セル分離手段31で分離されたRMセルをRMセル書換手段33に入力し、書換情報算出手段15から与えられる情報で書き換えてセル合流手段32に送出する。セル合流手段32は、RMセル書換手段33で書き換えられたRMセルと、PDS/ATM終端手段11から出力されるセル(データセルおよびRMセル)とを合流してABR端末54に送出する。その他の構成および動作は第3の実施形態と同様である。
【0025】
(第5の実施形態−請求項5)
図5は、本発明の網終端装置の第5の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図3に示す第3の実施形態の構成からRMセル書換手段33を取り除いたところにある。
すなわち、網終端装置10eでは、セル分離手段31で分離されたRMセルをセル合流手段32に送出する。また、PDS/ATM終端手段11から出力されるセル(データセルおよびRMセル)をセル書換手段34に入力し、書換情報算出手段15から与えられる情報で書き換えてセル合流手段32に送出する。セル合流手段32は、セル分離手段31で分離されたRMセルと、セル書換手段34で書き換えられたセルを合流してABR端末54に送出する。その他の構成および動作は第3の実施形態と同様である。
【0026】
なお、以上示した各実施形態において、使用可能帯域読出手段13は、PDS区間52の送出可能帯域を示す情報の代わりに、ABR端末54の使用可能帯域を示す情報を読み出す構成であってもよい(請求項6)。また、その場合に、書換情報算出手段15は、使用可能帯域読出手段13からの情報をそのままセル書換手段16,34またはRMセル書換手段33に送出する構成でもよい(請求項7)。
【0027】
(第6の実施形態−請求項10,11)
図6は、本発明の網終端装置の第6の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図1に示す第1の実施形態の構成において、ABR端末54から加入者線端局装置51に向かうセルの状態から、ABR端末54が実際に使用している帯域を観測し、使用情報として書換情報算出手段15に与える使用帯域観察手段35を備えるところにある。書換情報算出手段15では、使用可能帯域読出手段13から与えられるPDS区間の使用可能帯域を示す情報と、使用帯域観察手段35から与えられる使用情報から、ABR端末54に通知する使用可能帯域の値を算出する。
【0028】
使用帯域観察手段35は、加入者線端局装置51に送信するセルを蓄積するバッファのセル数を計測するキュー値観測手段により実現できる。この場合には、第1の実施形態のものより、セルロスの発生を小さくすることができる。また、使用帯域観察手段35は、ABR端末54から入力されるダミーセルを含まないATMセルの伝送速度と、ダミーセルを含むATMセルの伝送速度からABR端末54が実際に使用している帯域を観察するATM帯域観測手段により実現できる。この場合には、複数の網終端装置からの上りセルを単一のPDS媒体で伝送するPDS区間の帯域を有効に使用することができる。なお、キュー値観測手段とATM帯域観測手段を組み合わせて使用帯域観察手段35を構成してもよい。
【0029】
(第7の実施形態−請求項10)
図7は、本発明の網終端装置の第7の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図2に示す第2の実施形態の構成に、第6の実施形態において説明した使用帯域観察手段35を付加したところにある。
(第8の実施形態−請求項10)
図8は、本発明の網終端装置の第8の実施形態を示す。
【0030】
本実施形態の特徴は、図3に示す第3の実施形態の構成に、第6の実施形態において説明した使用帯域観察手段35を付加したところにある。
(第9の実施形態−請求項10)
図9は、本発明の網終端装置の第9の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図4に示す第4の実施形態の構成に、第6の実施形態において説明した使用帯域観察手段35を付加したところにある。
【0031】
(第10の実施形態−請求項10)
図10は、本発明の網終端装置の第10の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図5に示す第5の実施形態の構成に、第6の実施形態において説明した使用帯域観察手段35を付加したところにある。
(第11の実施形態−請求項1,17)
図11は、本発明の網終端装置の第11の実施形態を示す。
【0032】
第1の実施形態の構成では、使用可能帯域読出手段13として、自己PID検出手段12に接続されたPID個数読出手段14を用いた例を示した。本実施形態の特徴は、自己PID検出手段12に接続されたPID個数読出手段14の代わりに、PDS−OAM(保守運用)セル終端手段41に接続されたPDS−OAM記載情報読出手段42を用いるところにある。
【0033】
加入者線端局装置51は、網終端装置10kの使用可能帯域を下りPDS−OAMセルの未使用領域に書き込むものとする。網終端装置10kのPDS−OAM記載情報読出手段42は、この下りPDS−OAMセルに書き込まれた使用可能帯域を読み出し、書換情報算出手段15はこの網終端装置10kの使用可能帯域をABR端末54に通知する使用可能帯域としてセル書換手段16に与える。
【0034】
ただし、網終端装置10kが使用可能なセル位置、または網終端装置10kが使用可能な単位時間当たりのセル数、ABR端末54が単位時間当たりに使用可能なセル数のように、ABR端末54にそのまま使用可能帯域として通知できない形で示されている場合には、ABR方式に従った通知形態の数値に換算する。このように、本実施形態では、第1の実施形態に比べて自己PID個数の計数が不要な分だけ網終端装置の構成を簡単にすることができる。
【0035】
(第12の実施形態−請求項17,18)
図12は、本発明の網終端装置の第12の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図11に示す第11の実施形態の構成において、PDS−OAMセルにABR端末54の使用可能帯域を書き込むことにより、PDS−OAM記載情報読出手段42で読み出した情報(使用可能帯域)をそのままセル書換手段16に送出するところにある。すなわち、書換情報算出手段15を不要にすることができるので、第1の実施形態および第11の実施形態に比べて網終端装置10mの構成を簡単にすることができる。
【0036】
(第13の実施形態−請求項1,19)
図13は、本発明の網終端装置の第13の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態における自己PID検出手段12に接続されたPID個数読出手段14の代わりに、下り領域記載情報読出手段43に接続されたPDS領域情報読出手段44を用いるところにある。ここで、使用可能帯域または送出可能帯域を書き込む下り領域の形は、セルの形でなくてもよいし、ビット単位やバイト単位の伝送領域であってもよい。
【0037】
加入者線端局装置51は、下り伝送帯域の一部に網終端装置10nの使用可能帯域を書き込むものとする。網終端装置10nのPDS領域情報読出手段44は、この下り伝送帯域の一部に書き込まれた使用可能帯域を読み出し、書換情報算出手段15はこの網終端装置10nの使用可能帯域をABR端末54に通知する使用可能帯域としてセル書換手段16に与える。
【0038】
ただし、網終端装置10nが使用可能なセル位置、または網終端装置10kが使用可能な単位時間当たりのセル数、ABR端末54が単位時間当たりに使用可能なセル数のように、ABR端末54にそのまま使用可能帯域として通知できない形で示されている場合には、ABR方式に従った通知形態の数値に換算する。このように、本実施形態では、第1の実施形態に比べて自己PID個数の計数が不要な分だけ網終端装置の構成を簡単にすることができる。
【0039】
(第14の実施形態−請求項19,20)
図14は、本発明の網終端装置の第14の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図13に示す第13の実施形態の構成において、下り伝送帯域の一部にABR端末54の使用可能帯域を書き込むことにより、PDS領域情報読出手段44で読み出した情報(使用可能帯域)をそのままセル書換手段16に送出するところにある。すなわち、書換情報算出手段15を不要にすることができるので、第1の実施形態および第13の実施形態に比べて網終端装置10pの構成を簡単にすることができる。
【0040】
(第15の実施形態−請求項1,21)
図15は、本発明の網終端装置の第15の実施形態を示す。
第1の実施形態の構成では、使用可能帯域読出手段13として、自己PID検出手段12に接続されたPID個数読出手段14を用いた例を示した。本実施形態の特徴は、自己PID検出手段12に接続されたPID個数読出手段14の代わりに、PDSセルオーバヘッド終端手段45に接続されたPDSセルオーバヘッド記載情報読出手段46を用いるところにある。
【0041】
加入者線端局装置51は、網終端装置10qの使用可能帯域を下りPDSセルオーバヘッドの未使用領域に書き込むものとする。網終端装置10qのPDSセルオーバヘッド記載情報読出手段46は、この下りPDSセルオーバヘッドに書き込まれた使用可能帯域を読み出し、書換情報算出手段15はこの網終端装置10qの使用可能帯域をABR端末54に通知する使用可能帯域としてセル書換手段16に与える。
【0042】
ただし、網終端装置10qが使用可能なセル位置、または網終端装置10kが使用可能な単位時間当たりのセル数、ABR端末54が単位時間当たりに使用可能なセル数のように、ABR端末54にそのまま使用可能帯域として通知できない形で示されている場合には、ABR方式に従った通知形態の数値に換算する。
このように、本実施形態では、第1の実施形態に比べて自己PID個数の計数が不要な分だけ網終端装置の構成を簡単にすることができる。
【0043】
(第16の実施形態−請求項21,22)
図16は、本発明の網終端装置の第16の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、図15に示す第15の実施形態の構成において、PDSセルオーバヘッドにABR端末54の使用可能帯域を書き込むことにより、PDSセルオーバヘッド記載情報読出手段46で読み出した情報(使用可能帯域)をそのままセル書換手段16に送出するところにある。すなわち、書換情報算出手段15を不要にすることができるので、第1の実施形態および第15の実施形態に比べて網終端装置10rの構成を簡単にすることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の網終端装置は、下りセルの自己PID個数、PDS−OAMセル、PDSセルオーバヘッド、または下り伝送帯域の一部に記載された情報から、PDS区間の使用可能帯域を示す情報を読み出し、さらにその情報からABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出し、ABR端末に送出するセルにその使用可能帯域の値を書き込むことにより、PDS伝送帯域の変化をABR端末に通知することができる。なお、PDS−OAMセル、PDSセルオーバヘッド、または下り伝送帯域の一部に記載された情報がABR端末に通知する使用可能帯域の値を示している場合には、そのままその値をABR端末に送出するセルに書き込む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の網終端装置の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の網終端装置の第2の実施形態を示すブロック図。
【図3】本発明の網終端装置の第3の実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明の網終端装置の第4の実施形態を示すブロック図。
【図5】本発明の網終端装置の第5の実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明の網終端装置の第6の実施形態を示すブロック図。
【図7】本発明の網終端装置の第7の実施形態を示すブロック図。
【図8】本発明の網終端装置の第8の実施形態を示すブロック図。
【図9】本発明の網終端装置の第9の実施形態を示すブロック図。
【図10】本発明の網終端装置の第10の実施形態を示すブロック図。
【図11】本発明の網終端装置の第11の実施形態を示すブロック図。
【図12】本発明の網終端装置の第12の実施形態を示すブロック図。
【図13】本発明の網終端装置の第13の実施形態を示すブロック図。
【図14】本発明の網終端装置の第14の実施形態を示すブロック図。
【図15】本発明の網終端装置の第15の実施形態を示すブロック図。
【図16】本発明の網終端装置の第16の実施形態を示すブロック図。
【図17】書換情報算出手段15の構成例を示すブロック図。
【図18】比較手段23の動作例を示すフローチャート。
【図19】ABRサービスに対応するATM−PDS伝送システムの構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
10,53 網終端装置(ONU)
11 PDS/ATM終端手段
12 自己PID検出手段
13 使用可能帯域読出手段
14 PID個数読出手段
15 書換情報算出手段
16 セル書換手段
21 使用可能帯域算出手段
22 記憶手段
23 比較手段
31 セル分離手段
32 セル合流手段
33 RMセル書換手段
34 セル書換手段
35 使用帯域観察手段
41 PDS−OAMセル終端手段
42 PDS−OAM記載情報読出手段
43 下り領域記載情報読出手段
44 PDS領域情報読出手段
45 PDSセルオーバヘッド終端手段
46 PDSセルオーバヘッド記載情報読出手段
51 加入者線端局装置(SLT)
52 PDS区間
54 ABR端末
55 ATMスイッチ
56 バッファ
Claims (22)
- 一方でPDS区間を介して加入者線端局装置(SLT)にポイント−マルチポイント接続され、他方でABR方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置において、
前記加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段から前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、
前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、
前記PDS/ATM終端手段から出力されるセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込んで前記ABR端末に送出するセル書換手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 一方でPDS区間を介して加入者線端局装置(SLT)にポイント−マルチポイント接続され、他方でABR方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置において、
前記加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段から前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、
前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、
前記ABR端末から入力されるデータセルおよびRMセルを分離し、データセルを前記PDS/ATM終端手段に送出するセル分離手段と、
前記PDS/ATM終端手段から出力されるセルと前記セル分離手段で分離されたRMセルとを合流するセル合流手段と、
前記セル合流手段から出力されるセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込んで前記ABR端末に送出するセル書換手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 一方でPDS区間を介して加入者線端局装置(SLT)にポイント−マルチポイント接続され、他方でABR方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置において、
前記加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段から前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、
前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、
前記PDS/ATM終端手段から出力されるセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込むセル書換手段と、
前記ABR端末から入力されるデータセルおよびRMセルを分離し、データセルを前記PDS/ATM終端手段に送出するセル分離手段と、
前記セル分離手段で分離されたRMセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込むRMセル書換手段と、
前記セル書換手段および前記RMセル書換手段で書き換えられたセルを合流して前記ABR端末に送出するセル合流手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 一方でPDS区間を介して加入者線端局装置(SLT)にポイント−マルチポイント接続され、他方でABR方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置において、
前記加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段から前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、
前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、
前記ABR端末から入力されるデータセルおよびRMセルを分離し、データセルを前記PDS/ATM終端手段に送出するセル分離手段と、
前記セル分離手段で分離されたRMセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込むRMセル書換手段と、
前記PDS/ATM終端手段から出力されるセルと前記RMセル書換手段で書き換えられたセルを合流して前記ABR端末に送出するセル合流手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 一方でPDS区間を介して加入者線端局装置(SLT)にポイント−マルチポイント接続され、他方でABR方式に従って動作するABR端末を接続する網終端装置において、
前記加入者線端局装置からの下りPDS区間を終端するPDS/ATM終端手段から前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報を読み出す使用可能帯域読出手段と、
前記PDS区間の送出可能帯域を示す情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する書換情報算出手段と、
前記PDS/ATM終端手段から出力されるセルに、前記書換情報算出手段で算出された使用可能帯域の値を書き込むセル書換手段と、
前記ABR端末から入力されるデータセルおよびRMセルを分離し、データセルを前記PDS/ATM終端手段に送出するセル分離手段と、
前記セル書換手段で書き換えられたセルと前記セル分離手段で分離されたRMセルを合流して前記ABR端末に送出するセル合流手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS区間の送出可能帯域を示す情報の代わりに、ABR端末の使用可能帯域を示す情報を読み出す構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1,2,5のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS区間の送出可能帯域を示す情報の代わりに、ABR端末の使用可能帯域を示す情報を読み出す構成であり、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段からの情報をそのままセル書換手段に送出する構成である ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項3に記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS区間の送出可能帯域を示す情報の代わりに、ABR端末の使用可能帯域を示す情報を読み出す構成であり、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段からの情報をそのままセル書換手段またはRMセル書換手段に送出する構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項4に記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS区間の送出可能帯域を示す情報の代わりに、ABR端末の使用可能帯域を示す情報を読み出す構成であり、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段からの情報をそのままRMセル書換手段に送出する構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の網終端装置において、
ABR端末から加入者線端局装置に向かうセルの状態からABR端末が実際に使用している帯域を観測し、使用情報として書換情報算出手段に与える使用帯域観察手段を備え、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段から与えられるPDS区間の使用可能帯域を示す情報と前記使用帯域観察手段から与えられる使用情報から、前記ABR端末に通知する使用可能帯域の値を算出する構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項10に記載の網終端装置において、
使用帯域観察手段は、加入者線端局装置に送信するセルを蓄積するバッファのセル数を計測するキュー値観測手段、またはABR端末から入力されるダミーセルを含まないATMセルの伝送速度とダミーセルを含むATMセルの伝送速度からABR端末が実際に使用している帯域を観察するATM帯域観測手段の一方または両方を組み合わせた構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の網終端装置において、
書換情報算出手段は、
使用可能帯域読出手段および使用帯域観察手段からの情報を基にPDS区間の使用可能帯域を算出する使用可能帯域算出手段と、
前記使用可能帯域算出手段で算出した使用可能帯域を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された過去の使用可能帯域と新たに使用可能帯域算出手段で算出された使用可能帯域とを比較し、その大小関係に応じた書換情報を出力する比較手段と
を備えたことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1,2,3,5,7,8のいずれかに記載の網終端装置において、
セル書換手段は、RMセルまたはデータセルの少なくとも一方を書き換える構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵された自己PID検出手段で検出される単位時間当たりの自己PIDの個数を読み出すPID個数検出手段を備えた
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項14に記載の網終端装置において、
自己PIDの個数を読み出す単位時間は、同一の伝送システムに接続される各網終端装置ごとに上りセルを割り付ける時間に合わせて設定する構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項14に記載の網終端装置において、
自己PIDの個数を読み出す単位時間は、1ミリ秒または3ミリ秒または125 ミリ秒の整数倍または56セルの伝送に要する時間の整数倍に設定する構成である ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵されたPDS−OAMセル終端手段で、PDS−OAMセルに記載された網終端装置が送出可能なセル位置、または網終端装置が送出可能な単位時間当たりのセル数、または網終端装置の送出可能帯域、またはABR端末の使用可能帯域、またはABR端末が単位時間当たりに使用可能なセル数の内の少なくとも1つを読み取るPDS−OAM記載情報読出手段を備えた
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1,2,3,5,7,8のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵されたPDS−OAMセル終端手段で、PDS−OAMセルからABR端末の使用可能帯域を読み取るPDS−OAM記載情報読出手段を備え、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段から読み出された使用可能帯域をそのままセル書換手段に与えるか、記憶手段に記憶された過去の使用可能帯域と比較して所定の情報をセル書換手段に与える構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵された下り領域記載情報読出手段で、下り伝送帯域の一部に記載された網終端装置が使用可能なセル位置、または網終端装置が使用可能な単位時間当たりのセル数、または網終端装置の使用可能帯域、またはABR端末の使用可能帯域、またはABR端末が単位時間当たりに使用可能なセル数の内の少なくとも1つを読み取るPDS領域情報読出手段を備えた
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1,2,3,5,7,8のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵された下り領域記載情報読出手段で、下り伝送帯域の一部からABR端末の使用可能帯域を読み取るPDS領域情報読出手段を備え、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段から読み出された使用可能帯域をそのままセル書換手段に与えるか、記憶手段に記憶された過去の使用可能帯域と比較して所定の情報をセル書換手段に与える構成である
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵されたPDSセルオーバヘッド終端手段で、PDSセルオーバヘッドに記載された網終端装置が送出可能なセル位置、または網終端装置が送出可能な単位時間当たりのセル数、または網終端装置の送出可能帯域、またはABR端末の使用可能帯域、またはABR端末が単位時間当たりに使用可能なセル数の内の少なくとも1つを読み取るPDSセルオーバヘッド記載情報読出手段を備えた
ことを特徴とする網終端装置。 - 請求項1,2,3,5,7,8のいずれかに記載の網終端装置において、
使用可能帯域読出手段は、PDS/ATM終端手段に内蔵されたPDSセルオーバヘッド終端手段で、PDSセルオーバヘッドからABR端末の使用可能帯域を読み取るPDSセルオーバヘッド記載情報読出手段を備え、
書換情報算出手段は、使用可能帯域読出手段から読み出された使用可能帯域をそのままセル書換手段に与えるか、記憶手段に記憶された過去の使用可能帯域と比較して所定の情報をセル書換手段に与える構成である
ことを特徴とする網終端装置。
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