JP3711504B2 - 工業用クメンヒドロペルオキシドのフェノール、アセトン及びα−メチルスチレンへの酸分解方法 - Google Patents

工業用クメンヒドロペルオキシドのフェノール、アセトン及びα−メチルスチレンへの酸分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はいわゆるクメン法によるフェノール、アセトン、及びα−メチルスチレン(AMS)の合成に関する。
【0002】
【従来の技術】
クメン法は2段階よりなり、その第1段階はクメンの空気酸素によるクメンヒドロペルオキシド(CHP)への酸化であり、そしてその第2段階はCHPの酸触媒によるフェノールとアセトンとへの解裂(分解)である。CHP分解の間にいわゆる「フェノールタール」として知られている不要な生成物がフェノール、アセトン及びAMSとともに形成される。このフェノールタールの量はCHP分解過程を実施する方法によってほとんど決定され、そして最もよく採用されている方法においてはフェノール1トン当たり50ないし60kgになり、そして伝統的方法では120〜180kgになる。
【0003】
現在まで、当業者の努力はプロセスの選択性や収率を高めるのに向けられていた。しかしながら選択性とともにプロセスの作業率又は公称能力もフェノール−アセトン製造装置の総合生産性をはかる重要な因子の1つである。現在までこれら2つの要求を同時に満足させることは不可能であった。
【0004】
最も最近の技術的向上は米国特許第5,254,751号に記述されたCHP分解法に基づいている。工業的CHP分解はこの方法によれば、図1に示されているように行われる。この方法は2段階で次のように実施される。
【0005】
第1段階は硫酸によって触媒作用されるCHP分解段階であり、これは管−胴型の3つの直列に設けられた反応器A、B及びCの中で行われ、反応熱はそれら反応器の管側空間に供給される冷却水によって除かれ、そして反応分解生成物は供給されるCHPの重量に対する再循環重量で10〜25/1の比率でその反応装置を通して循環される。硫酸触媒は最も便利にはこれをライン14を通してその再循環反応分解生成物に加えることによってそれら反応器へ供給される。ポンプ2がその再循環される分解反応生成物及び硫酸触媒をミキサ16へ移送し、このミキサに新鮮な工業用CHPがライン17を通して加えられ、このラインから混合物が反応器Aへ送られる。プロセス選択性を高めるためにその循環している分解反応物の流れに追加的な量の水及びアセトンが供給される。アセトンはCHPの装入量に依存して次の基準式(I)によって供給される。
【0006】
【数3】
Figure 0003711504
〔但しGacは分解のために供給されるアセトンのt/hrで表わした量であり、GCHPは分解のために供給される工業用CHPのt/hrで表わした量であり、そして[CHP]は工業用CHPの中のCHPの重量濃度である。〕
【0007】
この明細書にあげられている各基準式のそれぞれを確立するに当たり、各量はメートルトン(トンまたはtで表される)で測定した。しかしながら同じ選ばれた量単位が各成分について一貫して用いられる限りいかなる重量尺度も用いることができる。
【0008】
工業用CHPは当業者には、例えばジメチルベンジルアルコール(DMBA)、クメン、アセトフェノン(AP)及び他の類似の各種物質のような不純物の変化量を含む不純クミルヒドロペルオキシドとして知られているものであって、これはクメンからフェノールを製造する方法の最初の段階であるクメンの酸化からの生成流出物である。
【0009】
アセトンを再循環させる技術は、3つの反応器(この方法の第1段階のプロセス区分1におけるA、B及びC)のそれぞれにおいて各反応器の中のCHP転化率30〜60%、25〜50%及び30〜10%において大気圧のもとでそれぞれ50〜62℃、62〜57℃及び57〜50℃という緊密に制御された温度範囲により定められるプロセス選択性を与える上で非常に重要である。反応器A、B及びCは任意の形の通気手段13により大気に通じている。
【0010】
CHP分解反応は高発熱性であるので、100%CHPの1メートルトン当たり30〜35m2以上の合計比熱交換面積を有する各反応器が用いられる。このCHP分解反応の潜在的危険性のために、供給される100%CHPの1メートルトン当たり45〜60m2以上の比表面積を有する反応器に設計することはより安全な慣習である。
【0011】
その第1段階におけるCHP分解の進行のオンライン監視は特別に設計されたカロリメータ3(ミニリアクタ)によって行われる。これはその最後の反応器の出口ラインに設けられている。カロリメータの入口の流れと出口の流れとの間の温度差(ΔT1)は分解反応生成物の流れの中に残存する未分解CHPの量の或る定量的な尺度である。典型的なΔT1の値は4〜16℃であり、これはこの方法の第1段階の最後の反応器から出てくる遊離のCHPの0.6ないし2.3重量%に相当する。CHPの分解の間にその工業用CHPの供給流の中に存在するジメチルベンジルアルコール(DMBA)不純物も同時にCHPと部分的に反応してジクミルペルオキシド(DCP)の中間生成物を生ずる。
【0012】
CHPの分解反応時間はCHPの循環量及びその転化率について上述した範囲内で30秒から3分間まで、好ましくは45秒ないし2分間の間で変化する。
【0013】
第2段階、すなわちDCPの分解は引き続いてプラグフロー反応器である2つの装置4及び7の中で行われる。水酸化アンモニウム水溶液が反応器4へライン15を通して供給されて硫酸の一部がNH4HSO4に変換される。すなわちDCP分解は2元触媒(H2SO4+NH4HSO4)により、装置7の中で90〜110℃の温度において各成分の制御された比率を用いて実施される。生成物の加熱は熱交換器6によって実施される。
【0014】
そのプロセス区分1の各反応器A、B及びCの中でのCHPの分解は大気圧のもとで行われ、そして適当に設計された通気手段13を通して大気へ通じている。反応器4の中でのDCPの分解は大気圧の下で行われ、そして反応器7の中では2気圧以上の圧力の下で行われる。反応器7と蒸発器8との間に減圧弁22が存在する。
【0015】
分解反応生成物中のアセトンの一部は蒸発器8の中でほぼ大気圧またはそれ以下、そして好ましくは約500〜600mmHg(絶対)において蒸発される。分解反応生成物の残りはボトム流として蒸発器から排出され、そして更に処理して生成物フェノールと生成物アセトンとにするためにライン20を通して移送される。蒸発したアセトンは冷却器9の中で冷却されて液状に凝縮される。この液状アセトンは、ポンプ11を通してこの方法の区分1の中の各反応器A、B及びCへポンプ給送される前に槽10へ送られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上に記述した方法が本発明に至るまでのプロセス選択性の最も高い水準を与える。しかしながらこれは下記のような実質的に改善することのできるいくつかの部分を含んでいる。
【0017】
1)相当な量の熱交換(100%CHPのトン当たり50m 2 以上)を与えるのに大容量の各反応器が必要であり、これは高い装置費及び高い設備投資並びに装置の変動容量をもたらす。
【0018】
2)その中間槽(反応器4)は大気圧のもとで運転され、そしてその分解反応混合物を下流側の、この方法の第2段階におけるDCP転化反応器7へ送り出すためにポンプ5が必要である。
【0019】
3)CHP分解工程の区分Iにおける低い温度は反応器4の中での未分解CHPの高い水準(0.5ないし2%)を許容し、これはもしH2SO4:NH4HSO4の比率が適正でないときは危険な状態をもたらしかねない。
【0020】
4)正確な比率を維持するためにアンモニア水とH2SO4とのそれぞれ少ない量を正確に配量するのが困難であり、そして精度が低いときはH2SO4の中和が不足している場合にAMSの2量体及びフェノール錯化合物の形成をもたらし、或いはH2SO4の中和が過剰である場合に不完全なDCPの分解をもたらす。両方の場合ともに所望の生成物の収率は低下し、従って「フェノールタール」の生成量が上昇する。
【0021】
5)反応分解生成物の中にH2SO4とNH4HSO4とが存在することはこれらの触媒の酸触媒としての性質が4〜7倍も上昇することをもたらし、そして同時にそれらの濃度がアセトン蒸発の間に槽8の中で上昇することをもたらす。この槽の中で種々の副反応が進行し、そして副反応生成物の形成はこの方法の選択性を低下させる。上述したNH4OHの低い添加量はこのような状況を更に悪化させ、そしてフェノール1トンについて10〜20kgの出発供給クメンの損失をもたらし、またAMSの収率は理論値の60%程度にまで低下し得る。
【0022】
6)非常に弱酸性の触媒(H2SO4+NH4HSO4)でDCP分解反応器7を運転することはこの反応器の供給物1トン当たり0.8m3という高い反応器容積を必要とし、これは本発明の方法における供給物1トン当たり0.4〜0.5m3に相当するほどに好ましくない。
【0023】
7)前記基準式(I)によるCHP分解装置へのアセトンの供給はその凝縮のための高い要求熱量をもたらして高い熱交換容量を有する装置が必要となり、これもまた変動を許容するように大型にした装置費をもたらす。
【0024】
【課題を解決するための手段】
これと対照的に、本発明によれば各プロセス単位の生産性が高められ、建設される新しい設備の装置容積の縮小により設備投資が低下し、また方法が単純化されるけれども、高いプロセス選択性が維持される。
【0025】
従来技術の方法は図1に示してある。
【0026】
本発明の方法は図2にフローシートで説明されている。
【0027】
本発明の方法においてはCHP分解段階及びDCP分解段階は直列に連結されたいくつかの反応器の中で同じ圧力のもとに実施される。CHPの供給流は硫酸触媒を含む分解反応生成物の循環回路の中に供給される。従来技術の方法と同様に、硫酸触媒は好都合にはライン14を通して循環回路へ供給され、そして工業用CHPはライン17を介して添加され、ミキサ16の中でその再循環されるCHP分解反応混合物と混合される。従来技術の方法では反応器A、B及びCは大気に通じているけれども、本発明の方法においてはライン21が反応器A、B、C及び7のオーバーヘッドを一緒に連結して全ての反応器が同じ高められた圧力に保たれるようになっている。4つの反応器A、B、C及び7は全て同じ圧力になっており、そして反応器4は本発明の方法では除かれてしまっているので、図1に示した従来技術の方法においてライン15を介して供給されるアンモニア水は本発明の方法においては減圧弁22の後の蒸発器8へ供給するラインに送り込まれる。このアンモニア水は図2に示すように、反応器7の中にアンモニアが存在しないことを確実にするために、蒸発器8の直前に添加するのが最も好都合であるけれども、反応器7以降の添加点が弁22の前であるか後であるかは、反応器7の中にアンモニアが存在しない限り重要ではない。
【0028】
本発明においてはこの方法の第1及び第2段階が同じ高められた圧力において運転されるように設計されているので、ポンプ類及び反応器4の設備費は不必要である。本発明の第1段階の各反応器は従来技術の方法におけるよりも高い温度において運転され、そしてこの高い温度はその分解反応混合物の沸点より低くするためにより高い圧力の使用を必要とする。本発明の第1段階におけるこの高い圧力は第2段階の圧力と同じであり、それによりポンプ類の必要が除かれる。
【0029】
前記第1段階のCHP分解及び第2段階のDCP分解槽中の圧力は好ましくは約2気圧から約10気圧、より好ましくは約3気圧から約5気圧である。
【0030】
CHPの分解が起こるときに生ずる熱はこの方法の第1段階のプロセス区分1の各反応器A、B及びCにおいて冷却水により除去される。供給されるCHPの量に対する反応器循環量の重量割合は約26:1以上であるが、但し約40:1以下であり、好ましくは約26:1ないし約35:1である。
【0031】
本発明の方法によれば、アセトンはこの方法の第1段階のプロセス区分1の反応器Aに供給され、そしてその供給量は分解のために供給される工業用CHPの量に依存して下記の基準式(II)によって決定される:
【0032】
【数4】
Figure 0003711504
〔但しGacは分解のために供給されるアセトンのt/hrで表わした量であり、GCHPは分解のために供給される工業用クミルヒドロペルオキシドのt/hrで表わした量であり、そして[CHP]は工業用クミルヒドロペルオキシドの中のクミルヒドロペルオキシドの重量濃度である〕
【0033】
この基準式は、最も一般的に入手できる工業用CHPの流れに対して適しており、例えば約75重量%から約92重量%までのCHP濃度を有するものに適している。
【0034】
より広い適用範囲を有するより広い基準式が見出されており、そして工業用CHPの供給原料のより広い範囲を用いる方法の制御の基準を提供する。
【0035】
この基準式(III)は次の通りである:
【0036】
【数5】
Figure 0003711504
〔但しGacは分解のために供給されるアセトンのt/hrで表わした量であり、GCHPは分解のために供給される工業用クミルヒドロペルオキシドのt/hrで表わした量であり、[CHP]は工業用クミルヒドロペルオキシドの中のクミルヒドロペルオキシドの重量濃度であり、[DMBA]は工業用クミルヒドロペルオキシドの中のジメチルベンジルアルコールの重量濃度であり、[Cum]は工業用クミルヒドロペルオキシドの中のクメンの重量濃度であり、そして[AP]は工業用クミルヒドロペルオキシドの中のアセトフェノンの重量濃度である〕
【0037】
この基準式は40重量%までのような低いCHP濃度、及び約98重量%のような高いCHP濃度、好ましくは約50%ないし約90%、そしてより好ましくは約60%ないし約85%のCHP濃度を有する流れにまで本発明の適用範囲を拡張する。
【0038】
本発明においてはそのCHP分解方法の第1段階においてより高い温度及びより高いCHP転化率が採用される。各反応器A、B及びCの転化率のプロファイルはそれぞれ、55〜78%、60〜94%及び90〜98%に制御される。CHPの総合転化率は本発明においてはほとんど完全である。CHPの総合転化率を前に述べたΔT1の信号により示すために反応器Cの出口のところにカロリメータ(ミニリアクタ)3が設けられている。このΔT1の典型的な値は約0.4℃から約2.1℃までである。反応器A、B及びCの典型的な温度プロファイルは約3ないし約4気圧の圧力においてそれぞれ約67〜約82℃、約63〜約82℃及び約57〜約70℃、好ましくは約68〜約79℃、約65〜約78℃及び約60〜約69℃である。
【0039】
反応器Cの出口におけるCHP濃度は0.1〜0.45重量%、そして好ましくは0.2〜0.4重量%に保たれ、そしてCHP分解時間は17秒間から28秒間に保たれる。100%CHP1トン当たり17〜25m2の合計比熱交換面積を有する反応器が本発明の方法において用いられる。
【0040】
反応器Cからの分解反応混合物は反応器7へ加熱器6を介して供給されるが、ここでDCP及びDMBAの所望の生成物への転化が行われる。
【0041】
反応器7の中でDCP及びDMBAの98%の転化率をもたらすのに十分な量の水がライン20を介して、反応器Cから排出される生成物ラインの中の静的ミキサ19へ供給される。分解生成物中の水の含有量は3重量%を越えないように、そして好ましくは1.3〜2.0重量%となるように制御される。
【0042】
分解反応生成物との水の混合点以降のDPCとDMBAとの分解の制御はこの方法の第1段階のプロセス区分1の各反応器A、B及びCを反応器7へ連結するラインと平行に設けられた第2のミニリアクタ(カロリメータ)12において測定される温度差ΔT2をオンラインで監視することによって行なわれる。このミニリアクタ12の中の温度はその入口及び出口の両方において制御される。
【0043】
カロリメータ12の設計は、カロリメータ12の中での分解反応生成物の滞留時間がDCPとDMBAとのフェノール、アセトン及びAMSへの全転化に十分である限り重要ではない。これは典型的にはその分解反応生成物の後流(slipstream)の低い流れによって達成される。
【0044】
この方法の温度制御は第1カロリメータのΔT1と第2カロリメータのΔT2との間の差である温度差ΔTによって行なわれる。このΔTの絶対値は0.2〜3℃の範囲内に保たれる。
【0045】
蒸発器8への生成物入口におけるアセトンの蒸発の間の化学的損失を排除するために、ライン18を通してH2SO4を中性塩(硫酸塩)に完全に中和するのに必要な量でアルカリ中和剤を供給する。この中和剤としてはNa2CO3、NH4OH及びNaOHを用いることができるけれども、1ないし10重量%濃度のアンモニア水が好ましい。
【0046】
本発明の方法は下記の利点を提供する。
【0047】
1)方法のフレキシビリティーがより大きく、これは工業用CHPのCHP含有量のより広い範囲(40〜98重量%)を高いプロセス効率水準において用いることを許容する。
【0048】
2)装置の生産性が実質的な設備投資なしに2〜2.5倍に高められる。この方法の高い作業率にもかかわらず、選択性は最大限にとどまる(AMSの収率は理論値の78〜80%である)。
【0049】
3)建設されるべき新しい分解装置における設備投資は50ないし60%も低下するが、これは下記による:
a)CHP分解反応は、CHP1トン当たりの比熱交換面積40〜60m2を有する従来の典型的な反応器に比して低い比熱交換面積(CHP1トン当たり17〜25m2)を有する反応器の中で行なわれる。
b)DCPの分解反応は2つではなくて1つの反応器の中で行なわれる。
両方の反応器が同じ圧力で運転されるので、これら2つの反応器は単一ユニットに総合することができる。
【0050】
4)再循環されるアセトンの量の低下とプロセスの構成からポンプ5を省略することによって方法の実施のためのエネルギー消費量が低下する。
【0051】
5)DCP分解段階へのアンモニアの供給流が除かれ、そして水だけを添加するためにH2SO4の酸触媒としての性質の制御が単純化される。
【0052】
6)CHP分解過程がΔT=ΔT2−ΔT1によるプロセス制御によって単純化され、これがそのCHP分解段階においてもまたそのDCP分解段階においても同様にプロセス選択性を自動的に維持するのを支援する。
【0053】
7)アセトンの蒸発の前におけるH2SO4の完全な中和は望ましくない種々の副反応の排除に役立つ。
【0054】
加えて、従来技術の方法における低沸点アセトンの排出源がこの新しい技術を使用する方法においては、プロセス区分1の各反応器A、B及びCをDCP分解反応器7と結合することによって除かれる。
【0055】
【実施例】
以下の実施例1〜13によって本発明を従来技術を代表する比較例1と比較して説明するが、これによってなんら制限されるものではない。
【0056】
比較例1
図1に示した従来技術の方法を用いて重量%で下記の組成を有する工業用CHPを、合計反応容積10.08m3を有する3つの管−胴型反応器よりなる反応器ブロックへ連続的に供給する:
クメンヒドロペルオキシド 82.500重量%
クメン 12.721重量%
ジメチルベンジルアルコール 4.325重量%
アセトフェノン 0.453重量%
1時間当たり26トンの工業用CHPを各CHP反応器A、B及びCへ供給する。基準式(I)を用いた計算に基づいて5492kg/hrのアセトンを加える。この反応器に16kg/hrの硫酸を供給し、その際分解反応生成物は再循環させる。この分解反応のためにそれら反応器は、100%CHPの1トンに対して58m2/t−CHP(CHP1トンあたり)となる比伝熱面積の値に相当する合計伝熱面積1254m2を有する。
【0057】
CHP分解の反応器中滞留時間は74秒である。各反応器からの出口ラインにおける温度はそれぞれ58℃、55℃及び50℃である。各反応器からの出口におけるCHP転化率はそれぞれ38%、73%及び85%である。ミニリアクタ3における温度低下の値(ΔT1)は5.6℃である。そのCHPは分解反応器の入口でその反応性の分解反応混合物と1:16の比率(循環率が16である)で混合される。硫酸10kgをその循環路に加える。
【0058】
DCPの分解は順に運転される2つのプラグフロー反応器の中でその第1反応器の中では58℃の低い温度で、そして第2反応器の中では93℃の温度で行なわれる。5%濃度のアンモニア水の33.8kg/hrが、後の重硫酸アンモニウムへの転化のための硫酸の中和度が50%になるように第1反応器へ供給される。
【0059】
3つの管−胴型反応器の中でのCHP分解及び2つのプラグフロー反応器の中でのDCPの分解は、CHP分解反応器及びDCP分解の第1反応器の中における大気圧及びDCP分解の第2反応器における3〜5気圧のように、異なった圧力において行なわれる。
【0060】
DCP分解反応器の中での滞留時間は反応器4の中で420秒、そして反応器7の中で2030秒である。
【0061】
アセトンはこの分解装置へポンプ11によって槽10から供給される。このアセトンはDCPの反応性分解混合物から減圧のもとに蒸発器8の中で蒸発され、そして冷却器9の中で液体に凝縮される。
【0062】
それら各反応器の中で起こる全ての反応の結果として、下記が得られる:
【0063】
【表1】
Figure 0003711504
【0064】
この比較例1及び引き続く各実施例におけるクメン消費量の値は本発明の方法の有効性を比較する目的でのみ示すものであり、これは全フェノールプロセスの僅かに一部にしか相当しない。他のクメン回収操作(本発明の一部ではない)が全過程におけるクメン消費の測定に含まれるときはその総合クメン消費量は更に大いに低くなり、典型的には1トン当たり1307〜1310kgである。
【0065】
実施例1
本発明のこの例は生産性が比較例1の2.3倍に上昇することを示す。この例及び以下の各実施例において記述される本発明の方法は図2に示したように実施される。この例の全ての反応器は同じ圧力のもとに運転され、そして全系の運転圧力は4kg/cm2である。
【0066】
1時間当たり60トンの工業用CHPをそれらCHP分解反応器へ供給する。その組成は比較例1におけると同じである。工業用CHPの分解は26/1の再循環率において行ない、その際各反応器の入口温度はそれぞれ68℃、67℃及び60℃であり、各反応器の累積CHP転化率はそれぞれ62%、94%及び98%である。
【0067】
槽10からの凝縮アセトンは下記式(II)で計算して6890kg/hrの供給量でその分解装置(プロセス区間1)へ供給する:
【0068】
【数6】
Figure 0003711504
ここでGacはアセトンの量であり、GCHPは工業用クミルヒドロペルオキシドの量であって、ともにt/hrで表わしたものである。ここで用いるトン(t)は1000kgに等しい。[CHP]は工業用ヒドロペルオキシドの中の重量濃度で表したCHP含有量である。この分解反応装置のミニリアクタ3の中での温度低下の値はΔT1=0.4℃である。
【0069】
DCP分解反応器7へ供給するラインを通して水を482kg/hrの量で供給し、それにより分解反応生成物の中の水の濃度は反応器出口において1.63重量%となり、そして反応時間は485秒である。
【0070】
分解反応生成物を水と混合して後の点において第2ミニリアクタ(カロリメータ)12が設けられており、ここでその出口と入口において温度低下(ΔT2)の値を測定する。この方法の制御は本質的に絶対温度低下の値
ΔT=ΔT2−ΔT1=0.65℃
によって行なう。
【0071】
アセトン蒸発器8への生成物流入ラインに10重量%の濃度でアンモニア水を145kg/hrの量でライン18を通して供給してアセトン蒸発器8の中での所望生成物の化学的損失を排除する。
【0072】
以上の結果として下記が得られる:
【0073】
【表2】
Figure 0003711504
【0074】
実施例2
この例は本発明の方法を減少させた容積及び減少させた伝熱面積、また従って低い比伝熱面積を有する各反応器A、B及びCの中で実施することを示す。この方法は実施例1に記載した構成に従って行なう。しかしながら該実施例2において用いた装置についてはCHP分解の反応系の容積は比較例1よりも2.8倍小さく、この系の伝熱面積は比較例1におけるよりも3.5倍小さく、そしてDCP分解の比熱交換面積は比較例1に記載した同様な値よりも3倍小さい。
【0075】
比較例1にあげたと同じ組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり26トン供給する。各CHP分解反応器(プロセス区分1のA、B及びC)よりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において79℃、75℃及び69℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ77%、96%及び98%である。
【0076】
実施例1にあげた式(II)により計算して4312kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置へ供給する。
【0077】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は638秒である。
【0078】
以上の結果として下記が得られる:
【0079】
【表3】
Figure 0003711504
【0080】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.34℃である。
【0081】
絶対温度差の値ΔT=ΔT2−ΔT1=0.66℃である。
【0082】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化度が100%となるように、63kg/hrの供給量で供給する。
【0083】
実施例3
この例は本発明の方法を、比熱交換面積が100%CHPの1トン当たり25m2と測定された反応器A、B及びCにおいて実施することを示す。
【0084】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり26トン供給する。CHP分解の各反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において67℃、66℃及び61℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ62%、87%及び94%である。
【0085】
実施例1にあげた式(II)により計算して4312kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置へ供給する。
【0086】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は640秒である。
【0087】
以上の結果として下記が得られる:
【0088】
【表4】
Figure 0003711504
【0089】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=1.26℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値はΔT2=1.98℃である。
【0090】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.72℃である。
【0091】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化度が100%となるようにライン18を通して63kg/hrの供給量で供給する。
【0092】
実施例4
この例は本発明の方法の、分解装置当たり工業用CHPのより低い供給量及びより高い循環率における高い選択性を示す。
【0093】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり22トン供給する。CHP分解反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ7.2kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において72℃、78℃及び67℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ65%、92%及び97%である。
【0094】
実施例1にあげた式(II)により計算して4192kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0095】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は865秒である。
【0096】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.82℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値はΔT2=1.68℃である。
【0097】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.86℃である。
【0098】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化度が100%となるようにライン18を通して48kg/hrの供給量で供給する。
【0099】
以上の結果として下記が得られる:
【0100】
【表5】
Figure 0003711504
【0101】
実施例5
この例は本発明の方法の、分解装置当たり工業用CHPの中間的な供給量における高い選択性を示す。
【0102】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり35トン供給する。再循環率は26である。CHP分解反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ11.80kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において74℃、71℃及び65℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ70%、93%及び97%である。
【0103】
実施例1にあげた式(II)により計算して4821kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0104】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は487秒である。
【0105】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.64℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値はΔT2=1.91℃である。
【0106】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は1.27℃である。
【0107】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるようにライン18を通して80kg/hrの供給量で供給する。
【0108】
以上の結果として下記が得られる:
【0109】
【表6】
Figure 0003711504
【0110】
実施例6
この例は本発明の方法の、分解装置当たり工業用CHPの中間的な供給量におけるプロセスの高い選択性の再現性を示す。この例においては工業用CHPの中のCHP含有量は比較例1及び実施例1〜5よりも実質的に高い。
【0111】
下記の組成、すなわち
CHP 91.5重量%
クメン 2.0重量%
DMBA 5.5重量%
アセトフェノン 1.0重量%
を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり35トン供給する。
【0112】
再循環率は26である。CHP分解反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は、各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において71℃、67℃及び61℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ75%、94%及び98%である。
【0113】
実施例1にあげた式(II)により計算して4444kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置へ供給する。
【0114】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は640秒である。
【0115】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.49℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は1.38℃である。
【0116】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.89℃である。
【0117】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化度が100%となるように63kg/hrの供給量で供給する。
【0118】
以上の結果として下記が得られる:
【0119】
【表7】
Figure 0003711504
【0120】
以上の諸例は工業用CHPの種々の水準の供給量において種々の条件のもとでこの方法の高い選択性が優れた再現性とともに得られることを示している。
【0121】
実施例7
この例及び以下の諸例(例9ないし14)は、アセトンの添加のために基準式(III)を採用し、そして工業用CHPの中のCHPの広い含有量範囲、すなわち40〜90重量%にわたって効率的かつ効果的にした本発明の方法の好ましい具体例によって生産性が比較例1のそれの2.3倍に上昇することを示す。この方法は実施例1に比して装置レイアウトを変更することなく実施する。本発明の方法の全ての反応器はそれら全ての反応器が互いに塔頂で連結されているために同じ圧力のもとで運転され、そしてこの系の全体の圧力は4kg/cm2である。
【0122】
槽10から凝縮したアセトンをその分解装置へ下記式(III)により計算して6890kg/hrの量で供給する:
【0123】
【数7】
Figure 0003711504
〔但しGacは分解のために供給されるアセトンのt/hrで表わした量であり、GCHPは分解のために供給される工業用CHPのt/hrで表わした量であり、[CHP]は工業用CHPの中のCHPの重量濃度であり、[DMBA]は工業用CHPの中のDMBAの重量濃度であり、[Cum]は工業用CHPの中のクメンの重量濃度であり、そして[AP]は工業用CHPの中のアセトフェノン(AP)の重量濃度である〕
【0124】
CHP分解のために各反応器A、B及びCに工業用CHPを1時間当たり60トン供給する。組成は比較例1におけると同じである。各反応器に同様に硫酸を21.3kg/hrの量で供給する。工業用CHPの分解は各反応器入口温度それぞれ68℃、67℃及び60℃において、それぞれCHP転化率59%、94%及び98%において循環率26/1で行なう。
【0125】
この分解装置のミニリアクタ3において温度低下の値はΔT1=0.4℃である。
【0126】
DCP分解の反応器7への生成物供給ラインに水を455kg/hrの量でライン20及び静的ミキサ19を通して供給し、それによって分解反応生成物の中での反応器出口における後者の濃度が1.58重量%となるようにし、そして分解時間は485秒間である。
【0127】
分解反応生成物を水と混合した後の或る点に第2ミニリアクタ12(カロリメータ)を設け、ここで出口及び入口で温度低下の値ΔT2を測定する。方法の制御は本質的に絶対温度低下の値
ΔT=ΔT2−ΔT1=0.62℃
によって行なう。
【0128】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるように141kg/hrの供給量でライン18を通して供給する。
【0129】
以上の結果として下記が得られる:
【0130】
【表8】
Figure 0003711504
【0131】
実施例8
この例は本発明の方法を減少させた容積及び減少させた伝熱面積、また従って低い比伝熱面積を有する各反応器の中で実施することを示す。この方法は実施例7に記載した構成に従って行なう。しかしながらこの例において用いた装置についてはCHP分解の反応系の容積は比較例1よりも2.8倍小さく、この系の伝熱面積は比較例1におけるよりも3.5倍小さく、そしてDCP分解の比熱交換面積は比較例1に記載した同様な値よりも3倍小さい。
【0132】
比較例1にあげたと同じ組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器A、B及びCへ1時間当たり26トン供給する。各CHP分解用の反応器A、B及びC(プロセス区分1)よりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は、各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において73℃、70℃及び65℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ66%、90%及び96%である。
【0133】
実施例7にあげた式(III)により計算して4312kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0134】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は630秒である。
【0135】
以上の結果として下記が得られる:
【0136】
【表9】
Figure 0003711504
【0137】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.95℃である。
【0138】
絶対温度差の値ΔT=ΔT2−ΔT1=0.58℃である。
【0139】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるように、63kg/hrの供給量でライン18を通して供給する。
【0140】
実施例9
この例は本発明の方法を、比熱交換面積が100%CHPの1トン当たり25m2の反応器において実施することを示す。
【0141】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり26トン供給する。CHP分解のための各反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において67℃、66℃及び60℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ62%、82%及び90%である。
【0142】
実施例7にあげた式(III)により計算して4313kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置へ供給する。
【0143】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は640秒である。
【0144】
以上の結果として下記が得られる:
【0145】
【表10】
Figure 0003711504
【0146】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=2.17℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は3.11℃である。
【0147】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.94℃である。
【0148】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるようにライン18を通して63kg/hrの供給量で供給する。
【0149】
実施例10
この例は本発明の方法の、分解装置当たり工業用CHPのより低い供給量及びより高い循環率における高い選択性を示す。
【0150】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器へ1時間当たり22トン供給する。CHP分解反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ8.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において72℃、78℃及び67℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ68%、94%及び98%である。
【0151】
実施例7にあげた式(III)により計算して4191.4kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0152】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は737秒である。
【0153】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.39℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は0.99℃である。
【0154】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.6℃である。
【0155】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるようにライン18を通して55.1kg/hrの供給量で供給する。
【0156】
以上の結果として下記が得られる:
【0157】
【表11】
Figure 0003711504
【0158】
実施例11
この例は本発明の方法の、分解装置当たり工業用CHPの中間的な供給量における高い選択性を示す。
【0159】
比較例1にあげた組成を有する工業用CHPを各CHP分解反応器A、B及びCへ1時間当たり35トン供給する。循環率は26である。CHP分解反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ13.1kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において73℃、71℃及び66℃の温度で行ない、その際CHP転化率はそれぞれ55%、82%及び91%である。
【0160】
実施例7にあげた式(III)により計算して6410kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0161】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は467秒である。
【0162】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=2.09℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は3.04℃である。
【0163】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.95℃である。
【0164】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるように88.7kg/hrの供給量で供給する。
【0165】
以上の結果として下記が得られる:
【0166】
【表12】
Figure 0003711504
【0167】
上記の実施例11は、CHP分解装置による生産率の比較的高い水準(すなわち1時間当たり25トンに対して1時間当たり35トン)における本発明の有用性を示す。
【0168】
以下の諸例は工業用CHP供給流の中のCHPの異なった種々の含有量において本発明の有用性を示す。実施例12は非常にCHPに富んだ供給流を示す。実施例13は非常にCHPの少ない供給流を示す。
【0169】
実施例12
この工業用CHPの例は本発明の方法のより高いCHP濃度での高い選択性を示す。
【0170】
下記の組成、すなわち
CHP 67 重量%
クメン 28.6重量%
DMBA 4 重量%
アセトフェノン 0.4重量%
を有する工業用CHPを、各CHP分解反応器A、B及びCへ1時間当たり35トン供給する。
【0171】
循環率は26である。CHP分解のために反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ9.3kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は、各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において72.5℃、68℃及び61℃の温度で行ない、その際CHPの転化率はそれぞれ78%、96%及び98%である。
【0172】
実施例7にあげた式(III)により計算して4444kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0173】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は642秒である。
【0174】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=0.36℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は1.46℃である。
【0175】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は1.1℃である。
【0176】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるように63kg/hrの供給量で供給する。
【0177】
以上の結果として下記が得られる:
【0178】
【表13】
Figure 0003711504
【0179】
実施例13
この例は本発明の方法のより低いCHP濃度での高い選択性を示す。
【0180】
下記の組成、すなわち
CHP 67 重量%
クメン 28.6重量%
DMBA 4 重量%
アセトフェノン 0.4重量%
を有する工業用CHPを、各CHP分解反応器A、B及びCへ26トン供給する。
【0181】
循環率は26である。CHP分解のために反応器A、B及びCよりなる再循環回路へ11.8kg/hrの硫酸を供給する。工業用CHPの分解は、各反応器A、B及びCのそれぞれの出口において69℃、63℃及び62℃の温度で行ない、その際CHPの転化率はそれぞれ68%、96%及び98%である。
【0182】
実施例7にあげた式(III)により計算して2376kg/hrの流量で再循環アセトンを槽10からCHP分解装置(プロセス区分1)へ供給する。
【0183】
DCP分解反応器7の中での反応生成物の滞留時間は516秒である。
【0184】
この分解装置のミニリアクタ3において、温度低下の値はΔT1=1.58℃である。循環回路出口のところで反応生成物に水を供給した後に配置されたミニリアクタ12の中での温度低下の値は2.04℃である。
【0185】
絶対温度差の値(ΔT=ΔT2−ΔT1)は0.46℃である。
【0186】
アセトン蒸発器8の生成物供給ラインにこのアセトン蒸発器の中での所望生成物の化学的損失を排除するために、10重量%濃度のアンモニア水を、アセトン蒸発器8の中での酸の硫酸アンモニウムへの転化率が100%となるように79kg/hrの供給量でライン18を通して供給する。
【0187】
以上の結果として下記が得られる:
【0188】
【表14】
Figure 0003711504
【0189】
下記は本発明の操作と米国特許第5,254,751号の方法の操作との比較である。
【0190】
米国特許第5,254,751号の方法と比較して本発明の分解方法はより早い流量で、かつより「たくましく」進行する。本発明の方法における3つの反応器A、B及びCはより小型であり、かつより高い温度(そして沸騰を押さえるためにより高い圧力で)運転される。
【0191】
【表15】
Figure 0003711504
【0192】
それら3つの反応器を通じてのCHP転化の態様は米国特許第5,254,751号のそれと異なっている。本発明においてはCHP供給の大いに高い%割合が第1反応器Aの中で反応している。反応器Cからは本質的に未反応CHPは排出することが許されない。ΔT1カロリメータは非常に低い値(1℃以下)に制御される。
【0193】
【表16】
Figure 0003711504
【0194】
本発明の方法においてはより高い循環率(26:1ないし40:1)が反応器A、B及びCにおいて採用されてCHPの追加的希釈がもたらされ、それによりより高い分解反応速度において安全性が維持される。反応器Aに供給されるCHP濃度は米国特許第5,254,751号の方法における4.5〜5重量%に対して2.5〜3重量%である。本発明の方法の段階1におけるCHPの滞留時間は17〜28秒であるのに対して米国特許第5,254,751号におけるそれは50〜60秒である。
【0195】
第1段階の反応については硫酸、水及びアセトンの濃度は両方法ともに本質的に同じである。両方の場合ともに硫酸触媒の濃度は300ppmである。
【0196】
本発明の方法においては第1及び第2段階の排気部は一緒に連結されてそれにより両段階は同じ高められた圧力において運転される。これがポンプや付属設備の設備費用の節約をもたらす。
【0197】
以上に記述した諸例及び実験結果並びに推定結果は本発明を説明し、記述するものであって、本発明を特にここに開示されたそれらのパラメータのみに限定しようとするものではない。すなわち、本明細書を精読したならば以上の記述の種々の変形態様が明らかであり、そしてそれらは本願の特許請求の範囲に定義される発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0198】
各例からの諸データを下記の第1表に総括する。
【0199】
【表17】
Figure 0003711504
【0200】
比較例1においてはCHP分解反応器A、B及びCの圧力は大気圧であり、そしてDCP分解反応器7の圧力は3気圧である。
【0201】
実施例1〜13においてはCHP分解反応器の圧力もDCP分解反応器の圧力も4気圧である。
【0202】
【表18】
Figure 0003711504
【0203】
【表19】
Figure 0003711504

【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の方法の説明的フローシート。
【図2】本発明の方法の説明的フローシート。
【符号の説明】
1 プロセス区分
3 ミニリアクタ
4 反応器
7 反応器
8 蒸発器
12 ミニリアクタ
16 ミキサ
19 静的ミキサ
22 減圧弁
A 反応器
B 反応器
C 反応器

Claims (12)

  1. 工業用クミルヒドロペルオキシドの酸触媒分解工程及びジクミルペルオキシドの分解工程を含むクメンからのフェノール及びアセトンの改良された製造方法であって、ジクミルペルオキシドを含むクミルヒドロペルオキシド分解反応混合物を得るための第1槽中での工業用クミルヒドロペルオキシドの分解、及び大気圧以上である前記第1槽と、クミルヒドロペルオキシド分解反応混合物をクミルヒドロペルオキシド分解のための第1槽からジクミルペルオキシド分解のための第2槽へ移送するためのポンプ及びサージ槽が不要であるように、同圧力で第2槽中での前記ジクミルペルオキシドの分解工程を含んでなる工業用クミルヒドロペルオキシドからのフェノール、アセトン及びα−メチルスチレンの製造方法。
  2. 前記クミルヒドロペルオキシド分解及びジクミルペルオキシド分解槽中の圧力が2気圧から10気圧である請求項1の製造方法。
  3. 前記圧力が3気圧から5気圧である請求項2の製造方法。
  4. クミルヒドロペルオキシドが直列に接続された管−胴型循環反応器である複数の槽中で分解され、ジクミルペルオキシドがプラグフロー反応器である単一槽中で分解される請求項1の製造方法。
  5. クミルヒドロペルオキシドが、次の温度プロファイル
    第1反応器(67℃から82℃)
    第2反応器(63℃から82℃)
    第3反応器(57℃から70℃)
    を有する3つの反応器中で分解される請求項4の製造方法。
  6. 前記温度プロファイルが
    第1反応器(68℃から79℃)
    第2反応器(65℃から78℃)
    第3反応器(60℃から69℃)
    である請求項5の製造方法。
  7. 第2槽の後に圧力が大気圧又はそれ以下に減じられ、分解物中に存在するアセトンが部分的に蒸発、凝縮及び第1槽へ戻され、そしてアセトンが部分的に蒸発させられる前であるが、反応分解混合物が第2槽を出た後でこの分解混合物にアンモニア水が加えられることにより残留酸触媒がその中和塩に変換される請求項1の製造方法。
  8. 工業用クミルヒドロペルオキシド供給物が、74重量%から92重量%のクミルヒドロペルオキシドであり、アセトンを下記基準式に従いクミルヒドロペルオキシド分解槽へ再循環させる請求項1の製造方法。
    Figure 0003711504
    〔但し、Gacは分解に供されるアセトン量(t/hr)、GCHPは分解に供される工業用クミルヒドロペルオキシド量(t/hr)及び[CHP]は工業用クミルヒドロペルオキシド中のクミルヒドロペルオキシド重量濃度を表わす。〕
  9. クミルヒドロペルオキシド分解混合物が、40重量%から98重量%のクミルヒドロペルオキシドであり、アセトンを下記基準式に従いクミルヒドロペルオキシド分解槽へ再循環させる請求項1の製造方法。
    Figure 0003711504
    〔但し、Gacは分解に供されるアセトン量(t/hr)、GCHPは分解に供される工業用クミルヒドロペルオキシド量(t/hr)、[CHP]は工業用クミルヒドロペルオキシド中のクミルヒドロペルオキシドの重量濃度、[DMBA]は工業用クミルヒドロペルオキシド中のジメチルベンジルアルコールの重量濃度、[Cum]は工業用クミルヒドロペルオキシド中のクメンの重量濃度、及び[AP]は工業用クミルヒドロペルオキシド中のアセトフェノンの重量濃度を表わす。〕
  10. クミルヒドロペルオキシド分解反応混合物の一部が再循環ラインを通してクミルヒドロペルオキシド槽へ再循環され、
    上記再循環されたクミルヒドロペルオキシド分解反応混合物の一部分がそれを通して通過する、入口と出口を有する第1のカロリメータがこの再循環ラインに平行に接続されており、この部分の温度を上記入口及び上記出口のところで測定して第1温度差(ΔT1)を求め、
    また入口と出口とを有する第2のカロリメータが、そのクミルヒドロペルオキシド分解槽をジクミルペルオキシド接触分解槽に連結するラインへ、かつこれと平行に、このクミルヒドロペルオキシド分解反応混合物に水が加えられた点の後で接続されており、この第2カロリメータの入口及び出口を通して、上記ジクミルペルオキシド分解槽へ移送されているクミルヒドロペルオキシド分解反応混合物の一部分が通過し、この第2カロリメータへの入口及びこの第2カロリメータの出口において上記部分の温度を測定して第2温度差(ΔT2)を求め、
    そして上記第1温度差と第2温度差との差の絶対値ΔT=ΔT2−ΔT1の値が0.2℃ないし3℃の範囲内である請求項1の製造方法。
  11. クミルヒドロペルオキシド分解反応混合物の一部を、上記第1槽を通して再循環させ、その際その再循環率が、供給されるクメンヒドロペルオキシドの1重量部に対して、再循環される分解反応混合物20重量部から40重量部までの量である請求項1の製造方法。
  12. 再循環率が、供給されるクメンヒドロペルオキシド1重量部に対して、再循環される分解反応混合物26重量部から35重量部までの量である請求項11の製造方法。
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