JP3711049B2 - 積みブロック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路わきの擁壁や河川の護岸等の構築に用いられる積みブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路わきの擁壁等は、コンクリート製の積みブロックを積み重ねることによって構築されることが多い。
例えば、道路わきの法面に擁壁を構築するには、法面の傾斜に合わせて積みブロックを積み重ねていく作業と、積みブロックと法面を有する地盤の間の空隙内に裏込めコンクリートを流し込む作業とを一段ずつ交互に行なえばよい。
しかしながら、地盤中に雨水が浸透すると、土圧の増加によって、擁壁等が崩壊するおそれがある。
【0003】
そのため、例えば、積みブロック自体に水抜き用の孔を設けておき、この孔から地盤中の水を排水させることが行なわれている。その一例として、特開平5−339954号公報には、特定の位置に貫通孔及び半割の孔溝を設けた積みブロックを上下に積み重ねることによって、上側の積みブロックの貫通孔と、下側の積みブロックの貫通孔(水平方向に隣接する2つの積みブロックの半割の孔溝を組み合わせて形成されたもの)とが接続されて、全体として、積みブロックの裏側(背面)から前面(正面)まで貫通する水抜き用孔が形成されるようにした技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の水抜き用の孔は、積みブロックの前面に排水口を有している。積みブロックを多数積み重ねて構築された擁壁等の前面には、多数の排水口が点在することになる。水抜き用の孔から排出された水は、下方に位置する積みブロックの前面に沿って落下し、その際、水中に混じる土砂等をこれら積みブロックの前面上に付着させ、水の落下跡である汚れを形成させていた。この汚れは、積みブロックからなる擁壁等の外観を劣化させるという問題があった。
また、積みブロックの前面に排水口を設けると、それ自体、外観を悪くするという問題があった。特に、積みブロックの前面を擬石等で化粧して、装飾性を高めた場合において、積みブロックの前面に排水口が存在すると、当該排水口が目障りになって、積みブロックの美観を損なっていた。
【0005】
さらに、積みブロックの前面に排水口を設けると、積みブロックからなる擁壁等の下を通過する歩行者等が、上方から落下してくる水によって衣服等を汚されるおそれがあった。
したがって、本発明の目的は、擁壁等で支持された地盤中の水を効率的に排水して、土圧から擁壁等を保護することができるとともに、積みブロックの前面に排水口を有さず、外観(景観性)を良好に保持することのできる積みブロックを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する積みブロックを組み合わせることによって、積みブロックの前面に排水口を設けることなく、地盤中の水を効率的に排水することができることに想到し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本願請求項1に記載の積みブロックは、前壁部と、該前壁部の裏面側に設けられる後壁部と、上記前壁部と上記後壁部の間に介在する中間部とを備えた積みブロックであって、上記前壁部と上記後壁部と上記中間部とによって、排水用の切欠部が形成されており、上記後壁部には、当該後壁部の裏面(すなわち、積みブロックの裏面)から上記排水用の切欠部に貫通する水抜き用の孔が穿設されていることを特徴とする。
このように構成すれば、地盤中の水は、積みブロックの後壁部に穿設された水抜き用の孔を通って、前壁部と後壁部の間に形成された排水用の切欠部に流れ込んだ後、前壁部の裏側を流下して、下方の積みブロックの内部(排水用の切欠部)へと移動し、最終的に最下段の積みブロックに達した後、外部に排水されることができる。
【0008】
上記積みブロックは、上記排水用の切欠部が、上記中間部の下方に形成された切欠部分を有し、かつ、上記水抜き用の孔が、当該中間部の下方に形成された切欠部分に達するように穿設されているように構成することができる(請求項2)。
このように構成すれば、水抜き用の孔は、中間部の上方に位置する切欠部分に達するように水抜き用の孔を設けた場合には形成させることのできないような急な角度の傾斜をも有することができる。それによって、比較的緩い傾斜面を有する擁壁等を構築する場合であっても、本発明の積みブロックを適用することが可能になる。
上記積みブロックは、上記排水用の切欠部が、上記中間部の上方に形成された切欠部分を有し、かつ、当該中間部の上方に形成された切欠部分が、側方に向かって傾斜する底面を有するように構成することができる(請求項3)。
このように構成すれば、上方に位置する積みブロックから流れ落ちてきた水は、中間部の上方に形成された切欠部分の底面(すなわち、中間部の上面)上を迅速かつ円滑に移動することができる。
上記積みブロックは、上記後壁部が、上下方向に当該後壁部同士を連結するための連結部(例えば、上面に設けられる凸部と、該凸部に対応させて下面に設けられる凹部)を有するように構成することができる(請求項4)。
このように構成すれば、積みブロック同士を上下方向に確実かつ堅固に連結することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の積みブロックの一例を説明する。図1は、本発明の積みブロックの一例を用いて構築した擁壁及びその周囲の構造を示す断面図、図2は、図1中の積みブロックを示す正面図、図3は、図1中の積みブロックを示す背面図、図4は、図1中の積みブロックを示す平面図、図5は、図1中の積みブロックを示す側面図、図6は、図5中のA−A線で切断した矢視断面図、図7は、本発明の積みブロックの他の例(変形例)を示す、図6と同様に切断した断面図、図8は、本発明の積みブロックの更なる他の例(変形例)を示す、図6と同様に切断した断面図、図9は、図1中の擁壁(部分)を示す正面図、図10は、図9に示す擁壁(部分)を図6と同様に切断した断面図である。図中、同一の名称を有する各構成部分については、原則として同一の符号を付している。本発明の積みブロックは、図面に示すもの以外に、特許請求の範囲に含まれる限りにおいて種々の形態をとることができる。
【0010】
なお、本明細書中において、積みブロックに関し、擁壁等の築造物を構築した状態を基準にして、各構成部分の位置及び方向を説明する。具体的には、擁壁の構築時に露出面が形成される側を「前方」と称し、垂直面または傾斜面を有する地盤に接する側を「後方」または「裏側」と称し、前後方向と垂直に交わる水平な方向を「側方」または「幅方向」と称する。積みブロックは、上下方向の高さ(縦)寸法と、幅方向の幅(横)寸法と、前後方向の厚さ寸法を有する。
【0011】
本発明の積みブロックは、コンクリートを型枠に投入して、振動による締固め等を行なった後、脱型することによって製造される。コンクリートとしては、特に材料や配合割合は限定されないが、強度やコスト等を考慮すると、18〜30N/mm2程度の圧縮強度を発現するものが好ましい。ただし、後述のように、積みブロックの前壁部を装飾するために、前壁部の一部を天然石等で構成することもできる。
【0012】
本発明の積みブロック1は、図1〜図6に示すように、積みブロック1の施工後に露出面となる前面を有する前壁部2と、前壁部2の裏面側に設けられる後壁部3と、これら前壁部2と後壁部3の間に介在する中間部4とを備えている。また、前壁部2と後壁部3と中間部4とによって、排水用の切欠部5が形成されている。排水用の切欠部5は、図6に示すように、中間部4の上方に位置する切欠部分5aと、中間部4の側方に位置する切欠部分5bと、中間部4の下方に位置する切欠部分5cとからなる。
前壁部2は、図2及び図4に示すように、適宜の厚みを有する矩形の板状体の片面に、適宜の厚みの露出部分を残して複数の天然石を埋め込んだかの如き形態を有する。このような形態を作製するには、まず、積みブロック1の作製に用いる型枠内に予め所定の凹凸形状を設けて、前面に凹凸形状を有する板状のコンクリート成形体を形成すればよい。なお、積みブロックの美観を向上させるために、凸部の表面に顔料等で所定の模様及び色彩を付けることは好ましい。
なお、擬石を用いる代わりに、本物の天然石をコンクリート内に埋め込んだり、あるいは貼り付けたりして、装飾性を高めてもよい。
【0013】
本発明においては、積みブロック1の前面に排水口を設けないことによる外観(景観性)の向上を目的の一つにしているので、前壁部2の前面には、種々の化粧(擬石、色付け等)を施し、景観性を高めることが望ましい。
前壁部2の寸法は、特に限定されないが、例えば、300〜1000mm(縦)×500〜2,000mm(横)×50〜100mm(厚さ)程度である。前壁部2の前面に設けられる凹凸形状の部分の厚さは、特に限定されないが、前壁部の厚さの半分以下とすることが好ましい。
【0014】
後壁部3は、図3〜図5に示すように、前壁部2から適宜の距離を隔てて対向する位置に、前壁部2と平行に形成されている。後壁部3は、前壁部2の縦及び横寸法と略同一の縦及び横寸法を有し、かつ適宜の厚さ寸法を有する矩形の板状体である。
より詳しくは、後壁部3は、通常、前壁部2よりも若干大きな縦及び横寸法を有するように構成される。それによって、図1に示すように、積みブロックを平面状に積み重ねた際に、前壁部2同士の間にわずかな隙間(例えば、10〜50mm程度の幅を有する隙間)を生じさせることができる。この隙間は、積みブロック同士が若干折曲して接続された場合に対応するための遊びの部分である。
後壁部3には、水抜き用の孔6が、幅方向に適宜の間隔を隔てて2つ設けられている。水抜き用の孔6は、後壁部3の裏面(図3参照)から、中間部4の下方の切欠部分5c(図6参照)まで貫通するものであり、図5中に点線で示すように、後方から前方に向かって下降する傾斜角度が付けられている。
【0015】
水抜き用の孔6の傾斜角度は、施工場所の法面の傾斜に合わせて、積みブロック1が傾斜した状態で積み重ねられることを考慮して定められる。すなわち、垂直壁を構築するために積みブロックが鉛直方向に積み重ねられるのであれば、水抜き用の孔6の傾斜角度(積みブロックにおいて後方から前方に向かって下降する角度)は、小さくても差し支えない。しかしながら、図1に示すような傾斜面上に積みブロックを積み重ねる場合には、水抜き用の孔6の傾斜角度が小さいと、施工後に、水抜き用の孔6が後方(地盤の側)から前方(露出面の側)に向かって上昇する傾斜を有することになりかねない。このような傾斜の逆転が起きると、水抜き用の孔6を通じて地盤から積みブロック1の内部へと水を誘導することができず、水抜き用の孔6は、本来の役割を果すことができなくなる。そこで、施工場所の法面の傾斜角度を考慮して、積みブロック1の施工後であっても、水抜き用の孔6が、後方(地盤の側)から前方(露出面の側)に向かって下降する傾斜を有するように、当該水抜き用の孔6に一定以上の傾斜角度を付けるのである。
【0016】
水抜き用の孔6を設ける位置は、任意であるが、次の理由で、後壁部3の裏面から中間部4の下方の切欠部分5cに達するように設けることが好ましい。すなわち、後壁部3の裏面から中間部4の上方の切欠部分5aに達するように水抜き用の孔6を設けようとすると、上述のように水抜き用の孔6には傾斜角度が付けられていることから、後壁部3は、中間部4の上方側に一定以上の寸法を有していなければならない。しかし、この寸法を確保するためには、図1からも明らかなように、中間部4の上方に一定以上の深さの切欠部分5aを設けなければならず、その結果、中間部4の上下方向の寸法が小さくなり、積みブロック1全体の強度が低下することになる。そのため、水抜き用の孔6は、中間部4の下方の切欠部分5cに達するように設けることが好ましいのである。
なお、後壁部3に穿設する水抜き用の孔6は、1つあるいは3つ以上としてもよい。ただし、例えば、幅が1,000mm程度の積みブロックの場合には、施工時の作業負担や水抜きの効果の面から、水抜き用の孔6の数を2つまたは3つとするのが好ましい。
【0017】
後壁部3には、積みブロック1同士を上下方向に連結するための連結部7が設けられている。すなわち、後壁部3の上面には、円錐台形状の凸部7aが、幅方向に適宜の距離を隔てて2つ設けられている。また、これら凸部7aに対応して、後壁部3の下面には、凸部7aと嵌合可能な形状を有する凹部7bが2つ設けられている。このように後壁部3に連結部7(凸部7a及び凹部7b)を設けることによって、擁壁を構築する作業を容易かつ迅速に行なうことができ、しかも、擁壁の構造を強固にすることができる。
なお、後壁部3の連結部7は、積みブロック1を積み重ねた際に前後方向及び幅方向に位置ずれするのを阻止することができる構造であればよく、図5に示すもの以外に種々の形状とすることができる。
【0018】
後壁部3の上面及び下面は、連結部7(凸部7a及び凹部7b)の部分を除き、平面状に形成されている。そのため、後壁部3は、ぐらつくことなく安定した状態で連結される。
後壁部3の側面は、図4に示すように、水平方向の切断面が略半円形状である曲面として形成されている。このように後壁部3の側面を曲面状に丸めることによって、曲がりくねった道路沿いに擁壁を構築するような場合であっても、水平方向に隣接する積みブロック1同士を滑らかに接続することができる。
ただし、平面状の擁壁を構築する場合には、後壁部3の側面は、積みブロック1の幅方向に対して垂直に切り取った平面状に形成してもよい。
後壁部3の厚さは、特に限定されないが、例えば、80〜300mm程度である。また、後壁部3に穿設される水抜き用の孔6の内径は、例えば、外径75mmの塩ビ管(水抜き用の管)を挿通する場合、75〜100mm程度に定められる。
【0019】
積みブロック1の中間部4は、前壁部2と後壁部3の間に介在する部分であり、図6に示すように、前壁部2及び後壁部3の縦及び横寸法の中に収まるように形成されている。そのため、前壁部2の裏面(内側の面)と後壁部3の前面(内側の面)と中間部4の周面とによって、中間部4の全周面に沿った排水用の切欠部5が形成されている。排水用の切欠部5は、積みブロック1を積み重ねた際に、水抜き用の孔6と連通する排水路を形成することになる。
図6中、中間部4は、2つの平面が逆V字状に交差する形状に形成された上面4aと、上面4aの両側端から鉛直方向に垂下して形成される2つの側面4bと、該2つの側面4bの下端部を両端部とする、水平方向に延びる平坦な面からなる下面4cとを有する。積みブロック1が積み重ねられた場合、図10に示すように、中間部4の上面4aは、上方から落下してくる水を受けて、この水を側方に移動させるのに用いられ、中間部4の側面4bは、鉛直方向に延びる排水路の垂直壁となり、中間部4の下面4cは、下方に位置する積みブロック1の中間部4の上面4aと共に排水路を形成し、該排水路の天井面となる。
【0020】
中間部4は、図6に示すもの以外に種々の形状に形成することができる。例えば、図7に示すように、上面4aを1つの平面(傾斜面)のみによって形成することができる。また、図8に示すように、中間部4を2つの部分に分離するとともに、各部分の上面4a,4aを積みブロック1の中央に向かって下降する傾斜面として形成し、積みブロック1の中央に設けた鉛直方向に延びる切欠部(貫通孔)5bを通して、水が落下するように構成することもできる。
【0021】
中間部4の上面4aは、水平面とすることもできるが、図6〜図8に示すように側方に傾斜した面として形成することが好ましい。この傾斜面の勾配は、通常、3%以下である。このように上面4aに傾斜を付けることによって、水を円滑かつ迅速に側方に移動させ、効率的に排水することができる。
中間部4の厚さは、特に限定されないが、例えば、30〜80mm程度である。また、中間部4の周囲に形成される排水用の切欠部5の深さは、特に限定されないが、例えば、50〜100mm程度である。
【0022】
次に、本発明の積みブロック1を用いて擁壁を構築する方法について説明する。
図1に示すように、まず、裏込め砕石8と布基礎9によって、積みブロック1を敷設するための基礎部分を構成する。次いで、一段目の積みブロック1を布基礎9に沿って幅方向に敷設していく。この際、一段目の積みブロック1の中間部4の下方に位置する切欠部5cと、布基礎9とによって、排水路が形成されるので、この排水路の両端を排水溝に接続するなどして、擁壁の完成後に外部に排水できるようにしておく。その後、一段目の積みブロック1と地盤10の法面(裏込め砕石8)の間の空隙内に、一段目の積みブロック1の上端近くまで裏込めコンクリート11を充填する。
【0023】
次に、二段目の積みブロック1を積み重ねた場合に当該二段目の積みブロック1の水抜き用の孔6の位置に合致すると推測される位置において、適宜の長さを有する塩ビ管(水抜き用の管)12を地盤10中に埋め込んだ後、塩ビ管12の露出した端部を二段目の積みブロック1の水抜き用の孔6に適宜の深さだけ差し込むと共に、二段目の積みブロック1の連結部7(凹部7b)を一段目の積みブロック1の凸部7aと嵌合させて、二段目の積みブロック1を一段目の積みブロック1上に積み重ねる。
この際、図9及び図10に示すように、二段目の積みブロック1は、一段目の積みブロック1に対して半身だけ側方にずらして配置される。それによって、擁壁の構造を堅固にすることができるとともに、擁壁内に網の目状に排水路が形成されて、円滑に排水することができる。
二段目の積みブロック1を幅方向に積み終えた後、二段目の積みブロック1と地盤10の法面(裏込め砕石8)の間の空隙内に、二段目の積みブロック1の上端近くまで裏込めコンクリート11を充填する。
更に、二段目の積みブロック1と同様にして、三段目の積みブロック1を施工し、最後に三段目の積みブロック1の上方をコンクリートで被覆すれば、擁壁13が完成する。
【0024】
擁壁13の完成後、地盤10中の水は、図1及び図10に示すように、塩ビ管12を通って後壁部3の水抜き用の孔6から積みブロック1内の排水路(切欠部5)に排出される。排出された水は、下方に位置する積みブロック1の切欠部分5aの底面(すなわち、中間部4の上面)に落下して、側方に移動し、積みブロック1同士の間に形成された鉛直方向の排水路(すなわち、切欠部分5b同士が組み合わさって形成された貫通孔)を通って下方に落下する。落下した水は、下方に位置する積みブロックの中間部4の上面4aの中央部(すなわち、逆V字状に形成された上面4aの頂点付近)に落ち、左右に分かれて、上面(傾斜面)4a上を側方に流れていく。このように、水は、擁壁13の内部に網の目状に連通して形成された排水路の中を下降していき、最終的に最下段の積みブロックに到達した後、外部に排水される。
【0025】
【発明の効果】
本発明の積みブロックによれば、地盤中の水を効率的に排水することができるとともに、積みブロックの露出面である前面に排水口が設けられていないため、水の落下に伴う汚れを前面に形成させることがない。
また、擬石等で化粧して積みブロックの景観性を高めた場合、積みブロックの前面に多数の排水口が点在したのでは、排水口の存在自体によって景観性が損なわれてしまう。この点、本発明の積みブロックにおいては、積みブロックの前面に施された装飾に対して、目障りになるものが全く存在せず、良好な景観性を得ることができる。
さらに、本発明の積みブロックによれば、積みブロックの内部を水が落下するように構成しているため、積みブロックからなる構築物の下を通過する歩行者等が、上方から落下してくる水によって衣服等を汚されるおそれもない。
したがって、本発明の積みブロックは、垂直面や法面を施工対象として構築される擁壁(例えば、道路わきの切土や盛り土によって形成される斜面の保護壁)や、河川の護岸等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積みブロックの一例を用いて構築した擁壁及びその周囲の構造を示す断面図である。
【図2】図1中の積みブロックを示す正面図である。
【図3】図1中の積みブロックを示す背面図である。
【図4】図1中の積みブロックを示す平面図である。
【図5】図1中の積みブロックを示す側面図である。
【図6】図5中のA−A線で切断した矢視断面図である。
【図7】本発明の積みブロックの他の例(変形例)を示す、図6と同様に切断した断面図である。
【図8】本発明の積みブロックの更なる他の例(変形例)を示す、図6と同様に切断した断面図である。
【図9】図1に示す擁壁(部分)の正面図である。
【図10】図9に示す擁壁(部分)を図6と同様に切断した断面図である。
【符号の説明】
1 積みブロック
2 前壁部
3 後壁部
4 中間部
4a 上面
4b 側面
4c 下面
5 排水用の切欠部
5a 上方の切欠部分
5b 側方の切欠部分
5c 下方の切欠部分
6 水抜き用の孔
7 連結部
7a 凸部
7b 凹部
8 裏込め砕石
9 布基礎
10 地盤
11 裏込めコンクリート
12 塩ビ管(水抜き用の管)
13 擁壁
Claims (4)
- 前壁部と、該前壁部の裏面側に設けられる後壁部と、上記前壁部と上記後壁部の間に介在する中間部とを備えた積みブロックであって、
上記前壁部と上記後壁部と上記中間部とによって、排水用の切欠部が形成されており、
上記後壁部には、当該後壁部の裏面から上記排水用の切欠部に貫通する水抜き用の孔が穿設されていることを特徴とする積みブロック。 - 上記排水用の切欠部が、上記中間部の下方に形成された切欠部分を有し、かつ、上記水抜き用の孔が、当該中間部の下方に形成された切欠部分に達するように穿設されている請求項1に記載の積みブロック。
- 上記排水用の切欠部が、上記中間部の上方に形成された切欠部分を有し、かつ、当該中間部の上方に形成された切欠部分が、側方に向かって傾斜する底面を有する請求項1又は2に記載の積みブロック。
- 上記後壁部が、上下方向に当該後壁部同士を連結するための連結部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の積みブロック。
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