JP3710936B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
例えば、衣類乾燥機は、乾燥させる衣類を収容する筒状の回転ドラムを有している。この回転ドラムは、その筒の軸と平行な、前後に延びる回転軸の周りに回転するように構成されており、回転ドラム内に熱風が導入されることで、熱風と衣類とが攪拌されて、衣類を乾燥する。熱風は回転ドラムの後面を通じて流出するようになっており、この空気流中の埃や糸屑等の異物を捕獲するためにフィルタが設けられている。
【0003】
回転ドラムとフィルタとは、ねじ止めにより着脱自在に固定されていた。フィルタの着脱時の操作性を向上させるため、フィルタの外周に回転ドラムの後面に垂直になるようにして、平坦な板状の爪が設けられていた。この爪が、回転ドラムの後面に形成された案内孔に嵌まって、フィルタを回転ドラムの後面の所定のねじ止め位置に案内するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のフィルタが乾燥運転時の熱により伸縮して、フィルタと回転ドラムの後面との間に隙間が生じることが想定される。この隙間を無くし、フィルタと回転ドラムの後面との間への埃の侵入を防止するために、フィルタは多数のねじで固定されていた。このように、多数のねじを必要とするので、製造コストが高くなり、また、フィルタの着脱も面倒になっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、運転時に回転ドラムの後面とフィルタとの間の隙間の発生を防止しつつ、ねじ止め箇所を低減でき、且つフィルタ着脱の操作性を向上できる衣類乾燥機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に記載の発明の衣類乾燥機は、後面および後面の周縁から前方に延びる筒状の周面を有し、後面中央部が回転自在に保持されていて、内部に収容した衣類を乾燥させるための回転ドラムと、この回転ドラムの後面中央部を中心として後面に配置されたフィルタとを備えた衣類乾燥機において、上記後面には、後面中央部の周囲に点在するようにして複数の係止孔が形成され、フィルタには、係止孔に嵌まるように後方に突出した複数の爪が備えられ、この爪の径方向外側の表面には、係止孔の外縁と引っ掛かり可能な凸部が形成されるとともに、後面中央部に対する爪の温度膨張度合いは、係止孔に比べて大きくされ、回転ドラム内の温度が高くなると、回転ドラムの後面中央部と爪との距離が、後面中央部と係止孔との距離より長くなり、さらに、フィルタを回転ドラムの後面に固定するねじ機構を備え、爪は、ねじ機構のある位置を避けて配置されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、爪を係止孔に挿入すれば、爪の凸部が係止孔の外縁に引っかかり、フィルタを回転ドラムの後面に容易に取り付けることができる。また、爪の凸部と係止孔の外縁との引っ掛かりを解除しつつ、爪を係止孔から引き抜けば、フィルタを回転ドラムの後面から容易に取り外すことができる。このように、着脱は爪を係止孔へ挿脱すればよく、ねじ止めに比べて容易である。
【0008】
また、乾燥運転時の熱風により回転ドラム内が高温になると、回転ドラムの後面中央部と爪との距離は、後面中央部と係止孔との距離よりも長くなるので、乾燥運転時に爪の凸部と係止孔の外縁とが確実に引っかかる結果、上述の隙間の発生を確実に防止することができる。
【0011】
また、乾燥運転時に比べて低温になる運転停止時に、爪の凸部と係止孔の外縁との引っかかりを弱くできるので、フィルタをより一層容易に着脱することができる。
【0012】
ここで、爪の温度膨張度合いが係止孔よりも大きい構成としては、フィルタが熱膨張係数の大きい部材を含む構造や、温度に応じて大きく撓む部分を含む構造を例示できる。
【0021】
さらに、フィルタをねじ機構によりがたつきなく固定することができる。また、爪とねじ機構とが互いに協働しているので、隙間の発生を確実に防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の衣類乾燥機の概略構成の側面断面図である。
【0025】
本衣類乾燥機Aは、箱状のハウジング1内に、衣類を内部に収容する回転ドラム2を有している。ハウジング1の前面には、開口1aが形成され、ここには開閉扉3が取り付けられている。この開閉扉3を開けて、開口1aを通じて、衣類を回転ドラム2内に出し入れする。
【0026】
回転ドラム2は、ステンレス鋼で略円筒状に形成されており、後面2aおよびこの後面2aの周縁から前方に延びる筒状の周面を有している。回転ドラム2の後面2aには開口6が形成され、この開口6を覆ってフィルタ7と、プレフィルタ8bと、フィルタカバー8aとが、後方より順に取り付けられている。プレフィルタ8bは、フィルタ7に対して、糸屑等の相対的に大きな異物を捕獲するためのものであり、フィルタカバー8aとともに、着脱容易に取り付けられている。
【0027】
また、回転ドラム2は、前後に延びる回転軸を有している。すなわち、回転ドラム2は、その前部でハウジング1に設けられた環状のドラム支持板4により回転自在に支持されている。また、回転ドラム2の後面2aの中央部が、ここに挿通された支持軸5によって回転自在に保持されている。
【0028】
回転ドラム2の後方には、回転ドラム2の内部に空気を流すための送風機9が設けられている。この送風機9は、支持軸5に固定された両面ファン10と、この両面ファン10を収容するファンケーシング11とを有している。このファンケーシング11内には、両面ファン10の前後に、乾燥風路12および冷却風路13が区画されている。
【0029】
冷却風路13は、ハウジング1の後面板1bに形成された外気取入口14を介して機外と連通している。両面ファン10が回転すると、外気が外気取入口14を通じて取り込まれて、両面ファン10を冷却しつつ、冷却風路13内を流れた後、ハウジング1の底板1cに形成された外気排出口33を通じて機外へ排出される。
【0030】
乾燥風路12は、回転ドラム2の後面にある開口6を通じて、回転ドラム2内と連通している。また、乾燥風路12は、回転ドラム2の下方に設けられた循環ダクト21の後端に接続されている。循環ダクト21の前端はドラム支持板4の下部に形成された熱風流入口22に接続されており、この熱風流入口22を通じて循環ダクト21と回転ドラム2内部とは連通している。このように、回転ドラム2、乾燥風路12および循環ダクト21によって空気循環路が構成されている。また、熱風流入口22の近傍の循環ダクト21内には、ヒータ23が設けられている。
【0031】
ハウジング1内の下部には、モータ26が設けられている。モータ26は前後に出力軸24,25を有している。出力軸24にはドラムプーリ27が固定され、ドラムプーリ27と回転ドラム2には、ドラムベルト28が巻き掛けられている。一方、出力軸25にはファンプーリ30が取り付けられ、ファンプーリ30と両面ファン10に駆動連結されるプーリ31とには、ファンベルト32が巻き掛けられている。
【0032】
モータ26が回転駆動されると、回転ドラム2および両面ファン10が回転する。両面ファン10が回転すると、乾燥風路12内の空気が循環ダクト21に送られる。循環ダクト21に送られた空気は、ヒータ23によって加熱されて高温の熱風となり、熱風流入口22を通じて回転ドラム2内に導入される。回転ドラム2内では、回転ドラム2の回転によって熱風と衣類とが攪拌されて、衣類に含まれている水分が蒸発して、衣類が乾燥される。水分を含む空気は、回転ドラム2内からその後方へ流出し、乾燥風路12内に吸い込まれる。ここで、空気は、上述したように冷却された両面ファン10により冷却されて水分を除去されて後、循環ダクト21へ送られる。このように、空気は上述の空気循環路を繰り返し循環する。その間、乾燥風路12内で、空気中に含まれる水分は、両面ファン10の表面に凝結して水滴となり、循環ダクト21の下部に形成された排水口34から外部に排水される。
【0033】
また、空気は、回転ドラム2内から後方へ流出する際に、プレフィルタ8bで糸屑等を除去され、フィルタ7で埃を除去される。
【0034】
ところで、フィルタ7の裏面(後側の面)と回転ドラム2の後面2aとの間に隙間が生じることが想定される。このような隙間があると、埃が乾燥風路12や循環ダクト21内に入り込んでしまう。
【0035】
本衣類乾燥機1では、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aにその内部側から後述する取付構造によって取り付けている。これにより、フィルタ7のねじ止め箇所を少なくしつつ、上述の隙間の発生を確実に防止でき、且つフィルタ7を回転ドラム2の後面2aに容易に着脱することができる。
【0036】
以下、詳細に説明する。なお、以下の説明では、回転ドラム2の回転軸の延びる方向を軸方向とし、回転ドラム2の後面2aに関する径方向および周方向を径方向および周方向として説明する。
【0037】
図2は、図1の衣類乾燥機の回転ドラムの後部を拡大して示す側面断面図である。なおフィルタ7の枠72は、図3のC−C−C断面を示す。図3は、フィルタの後面図である。
【0038】
回転ドラム2の後面2aの中央部には、支持軸5が嵌合されるボス部41が取り付けられている。フィルタ7は、ボス部41により中心位置を位置決めされて取り付けられている。また、フィルタ7の周縁部にある爪50と回転ドラム2の後面2aにある係止孔51とが引っ掛かり、また、フィルタ7にある挿通孔60を通るビス62と後面2aにある雌ねじ孔(図示せず)とがねじ止めされている。
【0039】
雌ねじ孔および係止孔51は、回転ドラム2の後面2aの複数箇所に形成されている。係止孔51は、後面2aに、この中央部の周囲に点在するようにして形成され、中心に対して同じ径方向位置に、等配に配置されている。また、係止孔51は、略矩形に形成されている。
【0040】
また、ボス部41の外周面41aとフィルタ7の内周面7aとは、互いに嵌合する嵌合部42を構成している。この嵌合部42により、フィルタ7の中心と、回転ドラム2の後面2aの中心とを位置合わせすることができる。
【0041】
フィルタ7は、空気流中の埃等を捕獲する、例えば、繊維状部材からなる濾材71と、この濾材71を保持する枠72とを有している。枠72は、外周縁を形成するリム73と、このリム73の中心にあるハブ74と、このハブ74とリム73とを接続して径方向に延びる複数のアーム75とを有している。これら各部の間に、開口が区画されており、この開口を覆って上述の濾材71が取り付けられている。
【0042】
また、フィルタ7のリム73の裏面には、スポンジ状の弾性部材からなるパッキン76が取り付けられている。このパッキン76は、フィルタ7の裏面の外周縁の全周にわたって貼着されている。このパッキン76により、フィルタ7のリム73の裏面と回転ドラム2の後面2aとの間が確実に封止されている。
【0043】
フィルタ7の枠72は、プラスチックス等の樹脂製であり、回転ドラム2に比べて熱膨張係数が大きい。また、フィルタ7の枠72は、ビス62用の複数の挿通孔60と、回転ドラム2の係止孔51を挿通するように後方に立設された複数の爪50とを有している。この爪50の径方向外側の表面には、係止孔51の径方向の外側縁部である外縁51a(図4参照)と引っ掛かり可能に、径方向の外方に突出する凸部55が形成されている。
【0044】
挿通孔60は、アーム75の径方向にリム73寄り部分に設けられており、4か所のアーム75に設けられている。挿通孔60は、隣接する爪50同士の略中間位置にあるアーム75に設けられている。爪50と挿通孔60とは交互に、周方向に略均等になるように等配に配置されている。
【0045】
爪50は、ねじ機構の挿通孔60のある角度位置を避けて等配で配置されている。爪50は、パッキン76よりも内径側のリム73に、後方に向けて立設されている。
【0046】
爪50は、係止孔51に嵌まることで、フィルタ7を周方向に関して位置合わせ可能に設けられ、この位置合わせ状態で、挿通孔60と回転ドラム2の後面2aにある雌ねじ孔とが、軸方向に見て重なり合っている。
【0047】
図4は、図2のD部を拡大して示す側面断面図であり、常温時を示す。図5は、図4の爪のB矢視図である。図6は、図2のD部を拡大して示す側面断面図であり、高温時を示す。
【0048】
爪50は、径方向の厚みが周方向の厚みに比べて薄い矩形の断面を有しており、径方向に撓み易くなっている。それゆえ、後述する凸部55が係止孔51の外縁に引っ掛かりながらであっても、爪50を係止孔51に挿通させることができる。
【0049】
凸部55は、径方向の外方に向けて略4角錐状に突出している。すなわち、凸部55は、後方に行くにしたがって径方向の内側に向かって傾斜する傾斜面56と、前方に行くにしたがって径方向の内側に向かって傾斜する根元斜面57と、周方向に傾斜する側部斜面58とを含んでいる。各斜面が接続されている部分が凸部55の先端55aとなっている。
【0050】
凸部55の先端55aは、これに対応する係止孔51の外縁51aに対して、フィルタ7の交換時に、例えば、乾燥運転時に比べて相対的に低温の常温で、引っ掛かりを回避するように、径方向に等しい位置に配置されている。それゆえ、後述するようにフィルタ7を着脱し易い。なお、凸部55の先端55aは、係止孔51の外縁51aに対して、径方向の内方の位置に配置されていても、同様の作用効果を得ることができる。この場合、先端55aと外縁51aとは、径方向に僅かな隙間を開けるように、互いに接近していると、停止時に容易に着脱でき、しかも、運転時に確実にひっかけることができて好ましい。
【0051】
このように、上述の爪50と係止孔51とが、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aに引っかけて取り付けるための第1の取付構造を構成している。また、ビス62と挿通孔60と後面2aにある雌ねじ孔とで構成するねじ機構63が、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aに固定するための第2の取付構造を構成している。
【0052】
本衣類乾燥機Aでは、運転停止時にフィルタ7を容易に着脱して、フィルタ7の洗浄や交換等のメンテナンスをすることができる。
【0053】
取り付けには、フィルタ7の爪50を係止孔51に嵌めれば、取り付けることができる。まず、フィルタ7の内周面7aを、ボス部41の外周面41aに嵌めて、中心を合わせる。この状態で、爪50を係止孔51に容易に挿入することができる。爪50を係止孔51に挿入すると、爪50の凸部55と係止孔51とが引っ掛かるようにできる。これと同時に周方向にフィルタ7を位置合わせできるので、上述の雌ねじ孔と挿通孔60とは、位置合わせされる結果、ビス62を容易にねじ込むことができる。
【0054】
取り外しには、まず、フィルタカバー8aおよびプレフィルタ8bを取り外す。次に、ビス62を取り外し、フィルタ7を前方に移動させると、爪50を係止孔51から容易に抜くことができ、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aから容易に取り外すことができる。
【0055】
乾燥運転時で、回転ドラム2内部の温度が低い場合には、フィルタ7は、ねじ機構63により後面2aに隙間なく確実に固定されている。
【0056】
また、乾燥運転時で、回転ドラム2内部の温度が高くなると、爪50の凸部55が係止孔51の外縁51aにより一層強く引っ掛かるようになる。というのは、乾燥運転時の熱風により回転ドラム2内部が高温になると、温度膨張度合いが大きくされた枠72は回転ドラム2の後面2aに比べて径方向の外側に大きく伸びるからである。その結果、凸部55が係止孔51に強く引っ掛かるので、フィルタ7が反ったり撓むような場合であっても、フィルタ7と後面2aとの間の隙間の発生を防止することができる。従って、フィルタ7と後面2aとの間に埃が侵入することを防止することができる。
【0057】
ここで、回転ドラム2の後面2aよりも温度膨張度合いが大きい枠72としては、上述のように枠72が回転ドラム2よりも熱膨張係数の大きい部材で形成されている場合の他、温度に応じて大きく撓む部分を含む構造を有していてもよい。また、フィルタ7が回転ドラム2の内側に反るように変形する場合に、その結果として、爪50の外周側表面が径方向の外側に変位する場合も含むものである。
【0058】
このように本実施の形態によれば、爪50を係止孔51に挿入すれば、爪50の凸部55が係止孔51に引っかかり、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aに容易に取り付けることができる。また、爪50の凸部55と係止孔51の外縁51aとの引っ掛かりを解除しつつ、爪50を係止孔51から引き抜けば、フィルタ7を回転ドラム2の後面2aから容易に取り外すことができる。
【0059】
このように、爪50を係止孔51へ挿脱すればよいので、フィルタ7をねじ止めに比べて容易に着脱できる。
【0060】
また、乾燥運転時の温度の上昇に伴って、爪50の凸部55が径方向の外方へ変位する場合に、爪50の外周側表面にある凸部55が係止孔51の外縁51aに強く引っ掛かるので、フィルタ7と後面2aとの間の隙間の発生を防止することができる。
【0061】
その結果、ねじ止めだけで防止していた従来の構造に比べてねじ止め箇所を少なくできる。例えば、ねじ止め箇所を従来の8か所に対して本実施の形態では4か所に少なくでき、しかも、隙間を確実に防止することができる。このように、ねじ止め箇所を少なくできるので、ビス62等の部品コストや、回転ドラム2の雌ねじ孔のための加工コストを低減でき、しかもフィルタ7の着脱の操作性が向上して、フィルタ7を容易に着脱することができる。
【0062】
特に、樹脂製の枠72とステンレス鋼製の回転ドラム2との組み合わせにより、回転ドラム2の後面2aの中央部に対する爪50の温度膨張度合いは、係止孔51に比べて大きくされている。これにより、乾燥運転時に回転ドラム2内の温度が高くなると、回転ドラム2の後面2a中央部と爪50との距離は、後面2aの中央部と係止孔51との距離よりも長くなるので、爪50の凸部55と係止孔51の外縁とが確実に引っかかる結果、上述の隙間の発生を確実に防止することができる。また、乾燥運転時に比べて低温になる運転停止時に、爪50の凸部55と係止孔51の外縁との引っかかりを弱くできるので、フィルタ7をより一層容易に着脱することができる。
【0063】
さらに、図4に示すように、フィルタの交換時である常温で、凸部55の先端55aは、これに対応する係止孔51の外縁51aに対して、径方向に等しい位置に配置されているので、先端55aと外縁51aとが引っ掛からないようにして、フィルタ7をより一層容易に着脱することができる。
【0064】
また、傾斜面56を係止孔51の外縁に沿わせ、凸部55と係止孔51とをスムーズに引っ掛けることができるので、フィルタ7を回転ドラム2により一層容易に取り付けることができる。
【0065】
また、根元斜面57を係止孔51の外縁に沿わせつつ爪50を係止孔51から抜くことで、凸部55と係止孔51との引っ掛かりを解除することができる。その結果、運転停止後間もない場合等で回転ドラム2内部の温度が高い場合にも、フィルタ7を取り外すことができる。
【0066】
また、図6に示すように、高温となる乾燥運転時に、根元斜面57と係止孔51の外縁51aとが引っかかるので、根元斜面57により回転ドラム2の後面2aにフィルタ7が引き寄せられる結果、上述の隙間の発生をより一層確実に防止することができる。
【0067】
また、フィルタ7をねじ機構63によりがたつきなく固定することができる。しかも、このねじ機構63のある位置を避けて爪50が配置されていることにより、爪50とねじ機構63とが互いに協働して、例えば、低温時にも隙間の発生を確実に防止することができる。特に、爪50とねじ機構63とが均等に配置されている場合には、より一層好ましい。
【0068】
また、フィルタ7は、回転ドラム2の中心に嵌合部42により位置合わせされ、また、爪50と係止孔51とにより周方向に位置合わせされているので、ビス62のねじ締めが容易である。また、上述の隙間防止用の爪50を利用して位置合わせできるので、構造も簡素化できる。
【0069】
また、ステンレス鋼製の回転ドラム2は、傷つき難く、且つ錆が発生せず清潔さを保つことができる。
【0070】
また、フィルタ7と回転ドラム2とは、熱膨張係数の異なる構成であるので、簡素な構造で、その温度膨張度合いを確実に異ならせることができる。
【0071】
また、凸部55が係止孔51に引っかかるので、パッキン76による封止効果を確実に得ることができる。
【0072】
また、空気循環路を有する衣類乾燥機Aでは、埃を含む空気が湿った風路内を通ると、風路に埃が付着し易いうえに再度加熱される際に埃も加熱されることから、埃を確実に除去できる本発明が好ましい。
【0073】
なお、フィルタ7は、上述の構成には限定されず、例えば、枠と濾材とが一体に形成されたものでもよいし、枠72と爪50とが別体で形成されてもよい。
【0074】
また、爪50の凸部55は、傾斜面56および根元斜面57を有していたが、これには限定されない。例えば、何れか一方だけでもよいし、また、両方ともに設けられない凸部55でも構わない。
【0075】
また、凸部55は、回転ドラム2の内部が常温の停止時に、係止孔51と引っかからない程度に突出していたが、これには限定されない。例えば、運転停止時に、凸部55と係止孔51の外縁との間に引っ掛かりがあってもよい。この場合には、引っ掛かりの程度は、接触する程度が好ましい。
【0076】
また、フィルタ7における、爪50と挿通孔60との配置や数は、上述のものに限定されない。例えば、爪50と挿通孔60の数が異なってもよいし、このような場合には、等配でない配置も考えられる。また、第2の取付構造としてねじ機構63以外の着脱可能な公知の構造を利用してもよい。
【0077】
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0078】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、爪を係止孔へ挿脱すればよく、フィルタをねじ止めに比べて容易に着脱できる。また、乾燥運転時に、爪が径方向外方へ変位する場合に、爪の外側表面の凸部が係止孔の外縁に強く引っ掛かるので、フィルタと後面との間の隙間の発生を防止することができる。その結果、ねじ止め箇所を少なくすることができる。
【0079】
また、爪と係止孔との温度膨張度合いを異ならせているので、乾燥運転時に爪の凸部と係止孔の外縁とが確実に引っかかる結果、上述の隙間の発生を確実に防止することができる。また、低温の運転停止時に、爪の凸部と係止孔の外縁との引っかかりを弱くできて、フィルタをより一層容易に着脱することができる。
【0083】
さらに、フィルタをがたつきなく固定できる。しかも、爪とねじ機構とが互いに協働して確実に隙間の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す衣類乾燥機の概略構成の側面断面図である。
【図2】図1の衣類乾燥機の回転ドラムの後部を拡大して示す側面断面図である。なお枠は、図3のC−C−C断面を示す。
【図3】図1の衣類乾燥機のフィルタの枠の後面図である。
【図4】図2のD部を拡大して示す側面断面図であり、常温時を示す。
【図5】図4の爪のB矢視図である。
【図6】図2のD部を拡大して示す側面断面図であり、高温時を示す。
【符号の説明】
A 衣類乾燥機
2 回転ドラム
2a 後面
7 フィルタ
42 嵌合部
50 爪
51 係止孔
51a 外縁
55 凸部
55a 先端
63 ねじ機構
Claims (1)
- 後面および後面の周縁から前方に延びる筒状の周面を有し、後面中央部が回転自在に保持されていて、内部に収容した衣類を乾燥させるための回転ドラムと、この回転ドラムの後面中央部を中心として後面に配置されたフィルタとを備えた衣類乾燥機において、
上記後面には、後面中央部の周囲に点在するようにして複数の係止孔が形成され、
フィルタには、係止孔に嵌まるように後方に突出した複数の爪が備えられ、
この爪の径方向外側の表面には、係止孔の外縁と引っ掛かり可能な凸部が形成されるとともに、
後面中央部に対する爪の温度膨張度合いは、係止孔に比べて大きくされ、回転ドラム内の温度が高くなると、回転ドラムの後面中央部と爪との距離が、後面中央部と係止孔との距離より長くなり、
さらに、フィルタを回転ドラムの後面に固定するねじ機構を備え、
爪は、ねじ機構のある位置を避けて配置されていることを特徴とする衣類乾燥機。
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