JP3710844B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子フォーカスによる走査法を採用した超音波診断装置に係り、特にその電子フォーカスにおけるフォーカス点位置の制御,超音波画像の表示,表示画面上での計測に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波診断装置では、生体内の音速をある決まった音速(通常はJISで定められた1530m/s)と仮定して、電子フォーカスにおける遅延時間計算、モニタ上への画像表示、表示画像上での各種計測が行われている。
【0003】
また、生体内の音速不均一による画質劣化を補正するために、超音波アレイプローブの各アレイで受信されたエコー信号間の相互相関を計算し、それにより電子フォーカスの遅延時間に補正をかけるという研究が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超音波診断を行う場合、特に体表からの検査では、音速が異なる組織が層状に分布している部分を画像化して診断する場合が多い。例えば腹部検査で肝臓を診る場合、生体内組織は超音波プローブ側から見ると概略、表皮,表皮下脂肪組織,筋肉を経て肝臓というように層状構造を成している。また甲状腺を観察する場合、表皮,筋肉,および甲状腺の層状構造を成し、経頭蓋骨で脳を診る場合、表皮,頭蓋骨,および脳の層状構造を成し、乳腺を診る場合、表皮,表皮下脂肪組織,および乳腺の層状構造を成している。つまり、診断対象により組織構造は異なる。
【0005】
ここで問題となるのは、音速の異なる組織の境界部分でスネルの法則に従った屈折が起こることである。これにより実際のフォーカス位置が意図したフォーカス位置からずれる。また受信フォーカスをエコー受信中に変更できるように構成した超音波診断装置においては、意図した位置からのエコーが返ってくる時間が変化することによって、見掛け上、受信フォーカス位置がずれる。この2つのフォーカス位置のずれは双方とも同じ方向に作用するため、全体のフォーカス位置のずれは無視できないものとなり、画像のボケ、信号レベルの低下となって超音波画像の画質などに悪影響を及ぼしていた。
【0006】
例えば、音速が1530m/sとは異なる生体組織に対し、生体が音速1530m/sの均一な音速の超音波伝達媒体であると仮定して表示手段への超音波画像を表示した場合、画像歪が生じることになるし、表示した超音波画像上で距離,面積,周囲長などの計測を行った場合、計測誤差が生じることになる。
【0007】
これを診断部位別に検討してみる。超音波経路上に存在する組織の音速と、設定された音速1530m/sとの差が大きいほど、またその組織の層の厚みが大きいほど、フォーカスのずれ量が大きくなる。実際に問題となる組織は、骨,筋肉,脂肪などであり、個人差はあるものの、骨は3000m/s,筋肉は1590m/s,脂肪は1470m/s程度の値が報告されている。これから考えると経頭蓋骨で脳を診る場合、肝臓を診る場合,及び甲状腺を診る場合は近距離方向に、乳腺を診る場合は遠距離方向に、フォーカスが意図した位置(生体が音速1530m/sの均一な音速の超音波伝達媒体であると仮定した場合の位置)からずれることになる。
【0008】
この生体内の音速不均一に因る画質劣化を補正するために、超音波アレイプローブの各アレイで受信されたエコー信号間の相互相関を計算し、それにより電子フォーカスの遅延時間に補正をかけるという研究が行われている。
【0009】
この方法は自動的に補正が行われること、対象とする組織構造が層状でなくともよいことなど幾つかの利点があるが、しかし、装置のハードウェア規模が大きくなってしまうこと、自動補正のために、均一なスペックルのエコーが必要なことなど欠点も有している。
【0010】
本発明は通常の診断で頻繁に現れる、異なった音速の組織が層状に存在する場合の診断に好適であって、簡単なしかもスペックルの均一性に無関係な装置構成ながら、そのような場合の超音波画像の画質劣化および画像歪を改善するとともに、画像上での計測誤差を減らすことができる超音波診断装置を提供することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、被検体の内部を超音波信号で走査し、その超音波信号のエコー信号に基づいて超音波画像をモニタに得るようにした超音波診断装置において、前記被検体の音速特性に対して設定された前記超音波信号の設定音速を検査者がマニュアルで変更できる音速変更手段を備え、前記音速変更手段は、前記被検体の異なる診断部位に応じ且つその診断部位の層状の組織構造に応じた深さ範囲およびその深さ範囲毎の前記設定音速から成るパターンデータを予め記憶するパターン記憶手段と、検査者が前記診断部位に応じてそのパターンデータを選択するパターン選択手段と、その選択されたパターンデータを前記モニタ上に表示するパターン表示手段と、を有する。
【0012】
また本発明は、第2の態様として、被検体の内部を超音波信号で走査し、その超音波信号のエコー信号に基づいて超音波画像をモニタに得るようにした超音波診断装置において、前記被検体の深さ方向に分割される当該被検体の複数の領域それぞれに対して設定される前記超音波信号の設定音速を、検査者からのマニュアルに拠る指示に基づいて当該領域毎に変更可能な音速変更手段と、この変更した設定音速を前記モニタに表示する音速表示手段と、を備えている。
【0013】
さらに、好適には、前記音速変更手段は、前記被検体の深さ方向の位置に応じた音速を示す音速バーのデータを作成する手段であり、前記音速表示手段は前記音速バーを前記モニタ上に表示する手段であり、前記音速バーは、前記深さ方向に分割された1つまたは複数の音速域を有し、この音速域毎に前記設定音速を割り当てた構成である。また、前記モニタ上に表示された前記音速バーの前記音速域の境界位置を検査者がマニュアルで変更できる音速域変更手段と、前記音速域の各々に割り当てられた設定音速を検査者がマニュアルで変更できる音速個別変更手段とをさらに設けた。
【0014】
さらに、上述の第1の態様においては、例えば、前記エコー信号の電子フォーカス処理を行う受信処理手段と、前記音速変更手段により変更された設定音速に対応して前記電子フォーカス処理によるフォーカス点の位置変化を補正するフォーカス補正手段とをさらに設けることができる。
【0015】
また、例えば、上述の第1の態様において、前記音速変更手段により変更された設定音速に基づいて前記モニタ上に表示されている超音波画像を更新させる更新手段をさらに設けることができる。
【0016】
【作用】
検査者は、被検体の音速特性に応じて、被検体の深さ方向の複数の領域それぞれの超音波信号に対する設定音速の変更をマニュアルで指示できる。これにより、設定音速が変される。この変更された設定音速はモニタ上に表示される。
また、検査者は、例えば、被検体の異なる診断部位に応じ且つその診断部位の層状の組織構造に応じた音速特性に対応して、超音波信号に対する設定音速をマニュアルで変更できる。この場合、被検体の異なる診断部位に応じ且つその診断部位の層状の組織構造に応じた深さ範囲およびその深さ範囲毎の設定音速から成るパターンデータが選択され、モニタ上に表示される。
【0017】
この設定音速は、例えば被検体の深さ方向の位置(範囲)に対応する設定音速を表わす音速バーとして表示される。それらの音速域や設定音速はマニュアルで任意に変更できる。
【0018】
さらに、設定音速の変更に対応して、受信エコーに対する電子フォーカスのフォーカス位置の変化やモニタ上に表示されている画像が更新される。
【0019】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1〜図3に基づき説明する。
【0020】
図1に示す超音波診断装置は電子スキャン方式でBモード断層像を取得する装置であり、超音波プローブ10を備えている。このプローブ10は複数の振動子を配列させたフェーズド・アレイ形の例えば電子コンベクスプローブで成る。
【0021】
プローブ10の各振動子の電極は、超音波パルス信号を送受信するための送信回路11および受信処理回路12に接続されるとともに、この送受の両回路11,12は送受信制御回路13に接続されている。この送受信制御回路13は一定時間毎にレートパルス及び送信用の遅延時間パターンを送信回路13に送る。これにより送信回路13のチャンネル毎のパルサが起動し、所望深さ位置に電子フォーカスを掛けた超音波パルス信号をプローブ10を介して被検体に向けて送信できる。なお、送信時の遅延制御(電子フォーカス)は省いてもよい。プローブ10は超音波ラスタ位置制御回路14からラスタ位置情報を受けており、そのラスタ位置の超音波ビーム形成を担う予め決められた複数の振動子が逐一選択されつつ、かかる送信が行われる。
【0022】
また送受信制御回路13は、レートパルス出力毎に、受信用の遅延時間パターンを受信処理回路12に出力する。これにより受信処理回路12は受信エコーパルスを整相加算して検波し、その検波信号をBモードの画像信号として出力する。
【0023】
この受信処理回路12の出力側は、D/A変換器18を介してTVモニタ19に至る。このため、受信処理回路12から出力されたBモードの画像信号はA/D変換器15でデジタル量に変換されて画像メモリ16に一時書き込まれる。この書込みデータは、書込み/読出し制御回路20によって所定アドレス順序及び所定タイミングで順次読み出され、超音波走査から標準TV走査に変換される。この変換データは、加算器17で、キャラクタ/マーカ用メモリ21から出力されたキャラクタやマーカなどの情報が画素毎に重畳された後、D/A変換器18でアナログ量に変換される。このアナログ量の画像信号がTVモニタ19に送られ、Bモードの断層像がリアルタイムに表示される。
【0024】
なお、TVモニタ19には記録器22が併設されている。また、D/A変換器18,書込み/読出し制御回路20,及びキャラクタ/マーカ用メモリ21はビデオ同期信号発生器23からの同期信号により同期制御される。
【0025】
さらに図1に示す如く、この超音波診断装置にはホストCPU24が備えられ、このホストCPU24にキーボードやマウスなどを含む入力器25がインターフェース26を介して接続されている。入力器25は操作パネル上に設けられた設定音速変更用のツマミ25aも含む。ホストCPU24はまた、キャラクタ/マーカ用メモリ21,外部インターフェース27,送受信制御回路13にも接続されている。これにより、ホストCPU24は設定音速をメモリ21に書き込むことができる。さらにホストCPU24はその設定音速を送受信制御回路13に出力し、送受信制御回路13はその出力に基づいてフォーカス点位置の変化を補正することができる。
【0026】
ホストCPU24はまた書込み/読出し制御回路20にも接続され、設定音速をこの制御回路20に接続する。これに応答して書込み/読出し制御回路20はその設定音速及び表示スケール(1mmを何ピクセルとして表示するか)に基づいて画像メモリ16に対する書込みアドレスを発生及び指示する。
【0027】
本実施例では、被検体内での画像化用の超音波ビームが通過する部分は均一な媒質で構成され、全てある一定音速の特性を有していると仮定している。このような媒質特性に対処すべく、ホストCPU24は図2に示す如く処理を行う。
【0028】
まず図2のステップ30で、ホストCPU24は音速設定用のツマミ25aからの電気的出力を読み込む。そして、ステップ31にて、それまで記憶していた設定音速値と比較することにより音速変更を行うか否かを判断する。つまり、検査者がツマミ25aを回すとステップ31でYES(設定音速の変更)と判断される。検査者がツマミ25aを回さない間は、ステップ30,31の処理を繰り返しながら待機する。
【0029】
設定音速が変更されると、ステップ31から32,33に移行し、ホストCPU24は記憶すべき設定音速値を更新するとともに、その最新の音速値をキャラクタ/マーカ用メモリ21に新しく書き込む。この書込み値は加算器17で標準TV走査のフレーム画像の所定位置に、設定音速を示す数字データとして重畳される。これによりTVモニタ19(又は記録器22)の画面には例えば図3に示す如く、それまでの設定音速値に代えて最新の音速値がリアルタイムに重畳表示される。このようにツマミを回す毎にTVモニタ19には常に最新の設定音速が表示され、検査者は、その設定値を画面上で容易に確認することができる。
【0030】
さらに、ステップ34に移行し、ホストCPU24は新しく設定された音速値を送受信制御回路13に出力する。この出力に呼応して送受信制御回路13は、設定音速値の変化分だけ送受信フォーカス点の位置変化の補正を行う。この補正は例えば、1つの基準音速となる1530m/sの値で計算した遅延時間データに、更新した設定音速値との間の音速比を掛けて新しい遅延時間データをリアルタイムに発生させることで行われる。この新しい遅延時間データのパターンは送信回路11および受信処理回路12に送られ、変更した分の設定音速値だけフォーカス点の位置が自動的に変更される。
【0031】
なお、この補正の1つの変形例としてしは、変更可能な範囲の設定音速全てに対する電子フォーカスのための遅延時間データ全部を予め送受信制御回路13(またはホストCPU24)の内部メモリに記憶させておいて、設定音速を変更する毎にその遅延時間データに照会するようにしてもよい。これによりメモリ容量は幾分増えるものの、非常に簡単にフォーカス点の位置を補正できる。
【0032】
次いで、ステップ35に移行してホストCPU24は、変更した設定音速値を書込み/読み出し制御回路20にも出力する。これにより、書込み/読出し制御回路20はその変更した最新の設定音速値と指示されている表示スケール情報とに基づいて画像メモリ16への書込みアドレスをリアルタイムに変更する。この結果、TVモニタ19には、変更された設定音速を正確に反映したBモード断層像がリアルタイムに表示される。このため、TVモニタ19の画像上で各種物理量の計測を行う場合であっても、画像メモリ16で事前にその書込みが補正されているため、そのまま画像上で正確な計測を行うことができる。
【0033】
なお、上述のように画像メモリ16への書込み時に設定音速の変更に対する補正処理を行わないようにすることも可能で、その場合には画像上での計測値をホストCPU24で、対応する変更分だけ補正計算するようにすればよい。
【0034】
続いて、上記第1実施例の変形例を図4〜図7に基づいて説明する。
【0035】
近年の超音波診断装置では対応エコー信号の受信中に、生体の深さに応じて受信フォーカス点を変化させていく技法(ダイナミックフオーカス)が一般に行われている。このような装置を使用する場合、実際に電子フォーカスのための遅延時間データを変化させなくても、その受信フォーカス点を変化させるタイミングをずらしてやることにより、等価的に本発明の目的が達成できる。
【0036】
図4及び図5はかかる第1変形例を示すもので、前述の第1実施例で説明した設定音速の情報を受けた送受信制御回路13の部分的なブロック構成(図4)及びその動作(図5)を示す。なお、この変形例では、超音波プローブ10はフェーズド・アレイ・タイプの電子リニアプローブであるとして説明する。
【0037】
送受信制御回路13は図4に示す如く遅延回路40と、コントロール電圧発生器41とを備えている。遅延回路40は電圧制御増幅器40a,40a、遅延線40b…40b、バリキャップ40c…40cを図示の如く接続して備え、バリキャップを使用した可変時間遅延線を構成している。この可変時間遅延線により連続的に受信フォーカス点を変化させる。バリキャップ40c…40cにはコントロール電圧発生器41から容量可変用のコントロール電圧(逆方向電圧)が供給される。このコントロール電圧発生器41は、その時点の設定音速を受けて、この設定音速が例えば1530m/sの基準値ならば、コントロール電圧をその予め定めた基準値から対応ビーム出力時点からの時間経過に伴って徐々に上昇させる(図5のVS 参照)。
【0038】
しかし、設定音速が基準値よりも高くなると、その高い度合に応じてコントロール電圧をより高い値からより緩やかな勾配で連続的に変化させ(図5のVH 参照)、反対に低くなると、その低い度合に応じてコントロール電圧を低い値からより急な勾配で連続的に変化させる(図5のVL 参照)。
【0039】
これに応じて遅延回路40で発生する受信遅延時間も図5のTS (設定音速が基準値の場合)、TH (設定音速が基準値よりも高い場合)、TL (設定音速が基準値よりも低い場合)で各々示す如く、超音波ビームの出力時点からの時間経過に伴って連続的に徐々に下がる。
【0040】
これによって、設定音速の高低に応じて受信フォーカ点の連続変化のタイミングが変わるので、前述の目的を達成できる。
【0041】
さらに図6及び図7に第2の変形例を示す。この第2の変形例は、第1の変形例と同様に受信フォーカス点を変えるタイミングを制御するものであるが、第1の変形例が連続可変であるのに対して、かかるタイミングをステップ状に変化させるものである。
【0042】
図6に示す送受信制御回路13は、遅延時間を遅延パターンに応じて切り替えることのできる2系統の遅延線DL1,DL2を有した遅延回路45を備え、その遅延線DL1,DL2のアナログ形のスイッチ46で切り替えて出力するようになっている。スイッチ46には切替えクロック発生器47からの切替えクロックが与えられており、このクロックによりスイッチ46の切替えタイミングが遅延線DL1側またはDL2側に切り替えられる。切替えクロック発生器47は前述した第1実施例の如く検査者が決めて設定音速に応じて切替えクロックのオン(切替えは遅延線DL1側)、オフ(切替えは遅延線DL2側)のタイミングを変更する。すなわち設定音速がその基準値(例えば1530m/s)より速い場合、その速い程度に応じて図7の1点鎖線で示す如く、オンからオフへの立上げを速め、且つオフからオンへの立上げも速める方にシフトさせる。反対に設定音速がその基準値よりも遅い場合、その遅い程度に応じてオンからオフ及びオフからオンへの切替えを図7の点線で示す如く図中右側にシフトさせる。
【0043】
2つの遅延線DL1及びDL2には、例えば最初体表からの深さ0〜1cm及び1〜2cmの場合のフォーカス点5mm及び15mmの遅延が指令され、次いで深さ2〜3cm及び3〜4cmの場合のフォーカス点25mm及び35mmといった具合に順次,遅延が指令される。
【0044】
この結果、音速が基準値(1530m/s)の場合の受信フォーカス距離が図7に示す如く、超音波ビーム反射タイミングからの時間経過に伴ってステップ状に深められるとともに、設定音速の大小に対応してそのステップ状の切替えタイミングが調節される。つまり、基準音速時のフォーカス切替え時期(深さ)を調節することで、見掛け上受信フォーカスが合うことになり、第1実施例と等価な作用効果が得られる。
【0045】
上述した第1実施例及びその第1,第2の変形例では診断対象を含む走査部位全体が一定音速の均一な媒質であると仮定していたが、走査部位に依っては音速の異なる層が1つ又は複数、目的とする診断対象の手前に存在し、その層状構造部分を通して超音波ビームを送受しなければならないことが多い。例えば、前述したように経頭蓋骨で脳を診断する場合,肝臓を診断する場合,甲状腺を診断する場合などがそれに該当する。
【0046】
以下、この目的で実施する第2,第3実施例を説明する。なお、これらの実施例において、第1実施例を示す図1のハード構成と同一又は同等の構成要素には同一符号を用いてその説明を簡略化又は省略する。
【0047】
第2実施例を図8,図9で示す。この実施例のTVモニタ19には図8に示す如く、表示される音速バーSBが表示される。この音速バーSBは設定音速と生体の深さとの関係を色相や輝度などで表わした細長いスケールであり、複数の音速域に分割され、この音速域毎に設定音速が割り当てられる。TVモニタ19には音速バーSBの複数の音速域の生体深さ方向の範囲を変更するための音速域変更スイッチ50,50と、それらの音速域に対する設定音速を変更するための音速アップダウンスイッチ51…51がスクリーン上の所定位置に一体に形成されている。これらの音速域変更スイッチ50,50及び音速アップダウンスイッチ51…51は入力器25のマウスによって変更できるようになっている。
【0048】
ホストCPU24は図9に示す処理を行う。ステップ60では、音速域(例えば2つ領域)の深さ方向の範囲及びそれらの設定音速の予め定めた初期値を内部メモリから読み出す。次いで、ステップ61〜63の処理(図1のステップ33〜35と同様)が行われる。これにより、キャラクタ/マーカ用メモリ21により音速バーSBと共に図8に示す画面がTVモニタ19上に表示される。
【0049】
次いで、ホストCPU24はステップ64で、画面上の音速域変更スイッチ50,50の出力信号を読み込み、ステップ65でその信号値から音速域を変更するか否かを判断する。この判断により、オペレータがトラックボール等をカーソル移動させ、音速域変更スイッチ50,50の位置を上下させたと認識した場合、ステップ68にて操作パネル上の確認用の「SET」スイッチ(図示せず)がオンか否かを判断し、オンになると、ステップ69〜71(図1のステップ33〜35と同様の処理)を行う。この内、ステップ69の処理によって音速バーSBの各音速域の範囲を音速域変更スイッチ50,50が示した新しい位置に合せる。
【0050】
ステップ65でNO、すなわち音速バーSBの音速域は変更しないと判断された場合、ホストCPU24はステップ66で音速アップダウンスイッチ51…51の出力信号を読み込み、さらにステップ67でその信号値に基づいて音速域の設定音速を変更するか否かを判断する。この判断でYES(変更する)の場合、前記ステップ68〜70の処理が行われる。この内、ステップ69のキャラクタ/マーカ用メモリ21を使った処理により、例えば体表に最も近い一番上の音速域の設定音速が「1580m/s」から「1570m/s」に変更される。
【0051】
ステップ71の後のステップ72に「処理終了」か否かの判断がセットされているため、検査者が処理終了の指示を出さない限り、ステップ64〜67の処理を繰り返しながら待機する。
【0052】
このため、上述した音速域の変更、設定音速の変更の両方又は一方をトラックボール等でカーソル移動させて適宜行うことができる。したがって、筋肉層など、その層状構造の各厚みが被検体の個体差によって異なっても、その厚みに合せて音速バーSBの音速域の範囲を修正または微調整できるとともに、各層が如何なる生体部分から成るかなどに応じて、その設定音速を適宜に調整・変更することができる。
【0053】
このため、特別なハードウェアを付加する必要も無く、比較的簡単な処理を行うだけで、被検体内の層状の音速変化に応じて受信フォーカス点の見掛け上の位置を制御でき、画像のボケを防止して良好な画質を得ることができる。また、画像上の各種計測も精度良く行うことができる。さらに前述した従来の音速不均一に対する自動補正の場合のように、特に均一なスペックルエコーが必要であるということもない。
【0054】
続いて第3実施例を図10,図11に基づいて説明する。
【0055】
この実施例に係る超音波診断装置の操作パネルには図10に示す如く、1つ又は複数のセレクトスイッチ80a…80cが設けられている。このセレクトスイッチ80(80a…80c)は、例えば肝臓(LIVER ),甲状腺(TYROID),経頭蓋骨(TRANSCRANIAL)用であり、それらの部位が診断対象のときにオペレータによって押されるものである。
【0056】
ホストCPU24は図11に示す処理を行う。つまり、ステップ90でセレクトスイッチ80の出力信号を読み込み、ステップ91で何れかのスイッチ80a(…80c)が押されたか否かを判断しながら待機する。ステップ91でYES(何れかのスイッチが選択された)と判断した場合、ステップ92に移行し、選択部位に応じて予め記憶している音速域及びその各域の設定音速のデータを内部メモリからワークメモリに読み出す。診断部位によって各層を形成する組織名及びその深さ方向の位置,厚みなどが殆ど同じであることが多いので、予め何種類かの診断部位を決めて各部位毎に音速域/音速をパターン化しておく。その後、ホストCPU24はステップ93〜96の処理(図2のステップ33〜36と同様の処理)を行って、TVモニタ19上には例えば図10に示す如く、予め定めた3層(各層の設定音速は各々、3000m/s,1530m/s,1480m/s)からなる音速バーSBが自動的に調整される。
【0057】
本実施例ではこのように検査者が診断部位を指定するだけで、自動的に層状の音速域及びその音速が設定され、受信エコーがその音速によって制御されるとともに、TVモニタ19上にもその旨表示される。このため、検査者が画面上でトラックボールなどを操作して音速域や音速値を手動制御する手間が省け、操作効率が良くなる。
【0058】
なお、この第3実施例と前述した第2実施例とを組み合せ実施してもよい。すなわち、診断部位を指定することにより予めパターン化させた音速域,音速値データを自動的に読み出すととともに、そのデータを手動で微調整できるようにするものである。これにより、操作性が良くなるとともに、個人差による音速域,音速値データの変更にも容易に対処できる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検査者は、例えば組織構造の音速特性に基づいて、超音波信号の設定音速をマニュアルで変更できるようにし、これに対応して、設定音速を表示するとともに、その変更の仕方,設定音速の表示態様、受信エコー、電子フォーカス点の位置変化、さらにはモニタ上の表示画像を補正又は更新できるようにた。このため、通常の診断で頻繁に現れる、異なった音速の組織が層状に存在する場合の診断に好適であって、簡単なしかもスペックルの均一性に無関係な装置構成ながら、そのような場合の超音波画像の画質劣化および画像歪を改善するとともに、画像上での計測誤差を減らすことができる超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る超音波診断装置のブロック図。
【図2】同実施例におけるホストCPUの処理を示すフローチャート。
【図3】検査者が操作するツマミと画像上の設定音速の対応を説明する図。
【図4】同実施例の第1変形例に係る送受信制御回路の部分回路図。
【図5】同第1変形例の動作を示すタイミングチャート。
【図6】同実施例の第2変形例に係る送受信制御回路の部分ブロック図。
【図7】同第2変形例の動作を示すタイミングチャート。
【図8】本発明の第2実施例におけるモニタ画像の一例を示す図。
【図9】同第2実施例におけるホストCPUの処理例を示すフローチャート。
【図10】本発明の第3実施例におけるセレクトスイッチとモニタ画像との対応を説明する図。
【図11】同第3実施例におけるホストCPUの処理例を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 超音波プローブ
11 送信回路
12 受信処理回路
13 送受信制御回路
16 画像メモリ
17 加算器
19 TVモニタ
20 書込み/読出し制御回路
21 キャラクタ/マーカ用メモリ
24 ホストCPU
25 入力器
25a ツマミ
50,51,80 スイッチ
SB 音速バー

Claims (7)

  1. 被検体の内部を超音波信号で走査し、その超音波信号のエコー信号に基づいて超音波画像をモニタに得るようにした超音波診断装置において、
    前記被検体の音速特性に対して設定された前記超音波信号の設定音速を検査者がマニュアルで変更できる音速変更手段を備え、
    前記音速変更手段は、前記被検体の異なる診断部位に応じ且つその診断部位の層状の組織構造に応じた深さ範囲およびその深さ範囲毎の前記設定音速から成るパターンデータを予め記憶するパターン記憶手段と、検査者が前記診断部位に応じてそのパターンデータを選択するパターン選択手段と、その選択されたパターンデータを前記モニタ上に表示するパターン表示手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記エコー信号の電子フォーカス処理を行う受信処理手段と、前記音速変更手段により変更された設定音速に対応して前記電子フォーカス処理によるフォーカス点の位置変化を補正するフォーカス補正手段とをさらに設けた請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記音速変更手段により変更された設定音速に基づいて前記モニタ上に表示されている超音波画像を更新させる更新手段をさらに設けた請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 被検体の内部を超音波信号で走査し、その超音波信号のエコー信号に基づいて超音波画像をモニタに得るようにした超音波診断装置において、
    前記被検体の深さ方向に分割される当該被検体の複数の領域それぞれに対して設定される前記超音波信号の設定音速を、検査者からのマニュアルに拠る指示に基づいて当該領域毎に変更可能な音速変更手段と、
    この変更した設定音速を前記モニタに表示する音速表示手段と、を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 前記音速変更手段は、前記被検体の深さ方向における前記複数の領域の位置に応じた音速を示す音速バーのデータを作成する手段を有し、
    前記音速表示手段は前記音速バーを前記モニタ上に表示する手段を有する請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 前記音速バーは、前記複数の領域に対応して分割された複数の音速域を有し、この音速域毎に前記設定音速を割り当てた構成である請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記モニタ上に表示された前記音速バーの前記音速域の境界位置を検査者がマニュアルで変更できる音速域変更手段と、
    前記音速域の各々に割り当てられた設定音速を検査者がマニュアルで変更できる音速個別変更手段と、をさらに設けた請求項6記載の超音波診断装置。
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