JP5841034B2 - 超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、超音波ビームを送受信することにより生体内の臓器等の検査対象物の撮像を行って、検査対象物の検査または診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラムに関し、特に、以前に求めた音速の値を基に最適音速の探索範囲を設定し、音速算出時間を短縮し、フレームレートを向上させる超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラムに関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波画像診断装置等の超音波検査装置が実用化されている。一般に、この種の超音波検査装置は、複数の素子(超音波トランスデューサ)を内蔵した超音波探触子(超音波プローブ)と、この超音波探触子に接続された装置本体とを有しており、超音波探触子の複数の素子から検査対象物(被検体)に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波探触子で受信して、その受信した超音波エコー信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
超音波検査装置においては、超音波画像を生成するとき、被検体の検査対象領域、例えば、生体内の臓器またはその臓器内の病巣等に探触子の複数の素子から焦点を合わせて超音波ビームを送信し、検査対象領域の反射体、例えば、臓器または病巣等の表面または界面からの超音波エコーを複数の素子を介して受信している。しかし、同一の反射体で反射された超音波エコーを複数の素子で受信するので、送信素子から送信された超音波ビームの焦点位置に位置する反射体で反射され、送信素子で受信された超音波エコー信号に対して、同一の反射体で反射され、送信素子と異なるその他の素子で受信された超音波エコー信号は遅延することになる。このため、複数の素子で受信した超音波エコー信号をA/D(アナログ/デジタル)変換して素子データにとした後、素子データを受信フォーカス処理して、即ち遅延補正して位相を合わせ整相加算して音線信号を生成し、こうして得られた音線信号に基づいて超音波画像を生成している。
従来の超音波診断装置では、被検体内における超音波の音速は一定であると仮定し、超音波の音速を、予め設定した或る値に固定して、受信フォーカス処理を行っていた。
しかし、生体内の脂肪層、筋肉層等の組織の違いにより音速は異なるので、被検体内における超音波の音速は一様ではない。また、太った被検者と、やせた被検者とでは、脂肪層または筋肉層の厚さが異なる。すなわち、超音波の音速には、個人差がある。
そのため、超音波の音速を固定していた従来の超音波診断装置では、被検体内の実際の音速と、設定した音速とが異なると、被検体内で反射されて素子に至る超音波エコーの到達時間が、設定した遅延時間とズレてしまう。
その結果、適正な位相整合を行うことができず、受信フォーカスが不適正になってしまい、得られる超音波画像の画質が劣化するという問題が有る。また、得られる超音波画像が、実際の被検体に対して歪んでしまうという問題も有る。
このような問題に対し、超音波診断装置では、被検体内における音速を決定(算出)し、この音速を用いて、受信フォーカス処理を行うことが行われている。
例えば、特許文献1には、診断領域(超音波画像上)を分割してなる着目領域を設定して、超音波の送受信を行い、適宜設定した複数の音速(設定音速)を用いて、得られた素子データに対して受信フォーカス処理を行って、各着目領域において、予め設定した複数の音速(設定音速)毎にフォーカス指標を算出し、算出したフォーカス指標を用いて、着目領域における音速を決定する超音波診断装置が記載されている。
フォーカス指標としては、コントラストおよび輝度等が例示され、例えば、フォーカス指標としての輝度が最も高かった設定音速を、着目領域における音速として決定している。
特許文献1では、フォーカス指標を用いて決定した音速に基づいて、遅延時間を補正し、整相加算して、受信フォーカス処理を行い。さらに、減衰を補正した後、包絡線検波処理を施して、輝度画像(Bモード画像)を作成することが記載されている。
特開2011−92686号公報
上述の特許文献1においては、着目領域における音速を決定するために、音速値を網羅的に探索している。このため、着目領域における音速値の決定に時間を要するという問題点がある。また、音速値の決定に時間を要することにより、フレームレートも低くなる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、音速値の算出時間を短縮することができる超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、超音波ビームを用いて検査対象物を検査するための超音波画像を取得する超音波診断装置であって、検査対象物内の音速を決定する音速決定部と、音速決定部で、音速を探索する範囲を設定する音速探索範囲設定部とを有し、音速探索範囲設定部は、空間および時間の少なくとも一方について所定の範囲内で求められている音速を用いて音速探索範囲を設定することを特徴とする超音波診断装置を提供するものである。
例えば、音速探索範囲の設定に用いられる音速は、超音波画像において、音速決定部で音速が決定される領域に、近接した領域の音速である。
例えば、音速探索範囲の設定に用いられる音速は、超音波画像において、音速決定部で音速が決定される領域を含むように超音波画像を複数の領域に分割したときに、複数の領域のうち、音速決定部で音速が決定される領域とは別の領域の音速である。
例えば、さらに、超音波画像の各領域の音速が記憶された超音波画像を1フレーム毎、少なくとも1つ以上の所定の前のフレーム分記憶する記憶部を有し、音速探索範囲の設定に用いられる音速は、音速決定部で音速が決定される領域と、記憶部に記憶された少なくとも1つの所定の前のフレームの超音波画像に対応する領域の音速か、または記憶部に記憶された少なくとも1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速に所定の処理を行って得られた少なくとも1つの超音波画像の各領域の音速に対応する領域の音速のいずれかである。ここで、所定の処理は、例えば、記憶部に記憶された少なくとも1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速の平均値、または音速の中央値を算出することである。
本発明の第2の態様は、超音波ビームを用いて検査対象物を検査するための超音波画像を取得する超音波画像生成方法であって、検査対象物内の少なくとも1つの領域について音速を決定する工程と、他の領域の音速を決定する際に、空間および時間の少なくとも一方について所定の範囲内で求められている音速を用いて音速探索範囲を設定する工程とを有することを特徴とする超音波画像生成方法を提供するものである。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の超音波画像生成方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
本発明の超音波診断装置および超音波診断方法によれば、以前に求めた音速値を基に最適の音速探索範囲を設定することにより、音速算出時間を短縮することができ、ひいてはフレームレートを向上させることができる。
本発明の超音波診断装置の構成の一例を概念的に示すブロック図である。 図1に示す超音波診断装置のデータ解析部の構成の一例を概念的に示すブロック図である。 (a)は、音速探索範囲の再設定の一例を説明するための模式図であり、(b)は、音速探索範囲の再設定の他の例を説明するための模式図である。 図1に示す超音波診断装置のデータ解析部での音速決定方法を説明するためのフローチャートである。 超音波診断装置の音速決定方法を説明するためのフローチャートである。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラムを詳細に説明する。
図1は、本発明の超音波診断装置の構成の一例を概念的に示すブロック図である。
図1に示すように、超音波診断装置10は、超音波プローブ12と、超音波プローブ12に接続される送信部14および受信部16と、A/D変換部18と、素子データ記憶部20と、データ解析部23と、画像生成部24と、表示制御部26と、表示部28と、制御部30と、操作部32と、格納部34とを有する。
図示例においては、送信部14、受信部16、A/D変換部18、素子データ記憶部20、データ解析部23、画像生成部24、表示制御部26、表示部28、制御部30、操作部32、および格納部34が、超音波診断装置10の装置本体を構成する。
超音波プローブ12(以下、プローブ12とする)は、通常の超音波検査装置に用いられる振動子アレイ36を有する。
振動子アレイ36は、1次元または2次元アレイ状に配列された複数の素子、即ち超音波トランスデューサを有している。これらの超音波トランスデューサは、検査対象物(以下、被検体という)の超音波画像の撮像の際に、それぞれ送信部14から供給される駆動信号に従って超音波ビームを被検体に送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。本例では、振動子アレイ36の複数の超音波トランスデューサの内の一組を成す所定数の超音波トランスデューサの各々は、1つの超音波ビームの各成分を発生し、一組の所定数の超音波トランスデューサは、被検体に送信する1つの超音波ビームを発生する。
各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、またはPMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子で構成される。
このような振動子の電極に、パルス状または連続波状の電圧を印加すると、印加された電圧に応じて圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波の超音波を発生する。また、各振動子から発生した超音波は、各振動子の駆動の遅延に応じて、設定された領域を焦点として、この焦点に収束して合成されて(すなわち送信フォーカスされて)、超音波ビームが形成される。
また、振動子は、被検体内で反射された超音波エコーが入射することで伸縮し、この伸縮の大きさ応じた電気信号を発生する。この電気信号が、受信信号として、受信部16に出力される。
送信部14は、例えば、複数のパルサを有し、プローブ12の各超音波トランスデューサ(振動子)に、駆動信号を供給する(駆動電圧を印加する)。
送信部14は、例えば、複数のパルサを含んでおり、プローブ12の各超音波トランスデューサ(振動子)に、駆動信号を供給する(駆動電圧を印加する)。
例えば、駆動信号は、制御部30からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、振動子アレイ36の一組の所定数の超音波トランスデューサ(以下、超音波素子という)から送信される超音波ビーム成分が1つの超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して組を成す複数の超音波素子に供給する。
さらには、複数の超音波トランスデューサが送信する超音波が、設定した焦点に収束する目的とする超音波ビームを形成するように、駆動信号の遅延量(駆動電圧の印加タイミング)を調節する送信フォーカスを行って、駆動信号を超音波トランスデューサに供給する。なお、この送信遅延パターンは、後述する環境音速に応じて補正されたものでもよい。このようにして、プローブ12(振動子アレイ36)から被検体に、目的とする超音波ビームが送信される。
受信部16は、制御部30からの制御信号に応じて、振動子アレイ36の各超音波素子によって超音波ビームと被検体との間の相互作用によって発生された超音波エコーを被検体から受信して、受信信号、即ち超音波素子毎のアナログ素子信号を増幅して出力し、増幅されたアナログ素子信号をA/D変換部18に供給する。
なお、本発明の超音波診断装置10において、超音波の送受信の方法は、基本的に、公知の超音波診断装置と同様である。
従って、1回の超音波の送受信(1本の超音波ビームの送信、およびこの送信に対応する超音波エコーの受信)において、超音波を発生する超音波トランスデューサの数(送信開口の数)、および超音波を受信(受信部16が受信信号を受け取る)する超音波トランスデューサの数(受信開口の数)は、共に、複数であれば、限定は無い。また、1回の送受信において、送信と受信とで、開口数は、同じでも異なってもよい。
また、少なくとも方位方向(アジマス方向(超音波トランスデューサの配列方向))に隣接する超音波ビームで、送信領域が重複していれば、1つの超音波画像を形成するための超音波の送受信の回数(音線数)、および送受信の中心となる超音波トランスデューサ(中心素子)の間隔(すなわち走査線の密度)にも限定はない。従って、超音波で走査する領域に対応する全ての超音波トランスデューサを中心素子として超音波の送受信を行ってもよく、2個置き、または4個置きなどの所定間隔の超音波トランスデューサを中心素子として超音波の送受信を行ってもよい。
A/D変換部18は、受信部16に接続され、受信部16から供給されたアナログの受信信号を、アナログ/デジタル変換して、デジタルの受信信号である素子データとする。
A/D変換部18は、A/D変換した素子データを素子データ記憶部20に供給する。
素子データ記憶部20は、A/D変換部18から供給された素子データを、順次、記憶する。また、素子データ記憶部20は、制御部30から入力されるフレームレートに関する情報(例えば、超音波の反射位置の深度、走査線の密度、視野幅を示すパラメータ)、超音波画像における素子データの座標位置等の位置情報を、各素子データに関連付けて格納する。
好ましくは、素子データ記憶部20は、少なくとも1つの超音波画像(1フレームの超音波画像)に対応する全ての素子データを記憶し、かつ、少なくとも超音波画像の表示を終了するまでは、表示中および表示前の超音波画像の素子データを消去しない。
データ解析部23は、A/D変換部18または素子データ記憶部20にあるA/D変換された素子データを用いて、被検体内における着目領域の超音波の音速を決定する部位である。決定された音速は、素子データ記憶部20に供給され、超音波画像の各領域または各位置座標に対応つけて1フレームの超音波画像毎、少なくとも1つ以上の所定のフレーム分、素子データ記憶部20に記憶される。このため、被検体内の着目領域の音速を求める際に、以前に算出した被検体内のある領域の音速を利用することができる。
なお、データ解析部23および被検体内における超音波の音速に関しては、後に詳述する。
画像生成部24は、制御部30による制御に基づいて、A/D変換部18または素子データ記憶部20から供給された素子データから受信データ(音線信号)を生成し、この受信データから超音波画像を生成するものである。
画像生成部24は、整相加算部38、検波処理部40、DSC42、画像処理部44、および画像メモリ46を有する。
整相加算部38は、A/D変換部18または素子データ記憶部20から供給された素子データを整合加算して受信フォーカス処理を行い、受信データを生成する。
被検体内の1つの反射点との間の距離は、各各超音波トランスデューサで異なる。そのため、同じ反射点で反射された超音波エコーであっても、各超音波トランスデューサに超音波エコーが到達する時間が異なる。整相加算部38は、制御部30が選択した受信遅延パターンに応じて、各超音波トランスデューサ毎の超音波エコーの到達時刻の差(遅延時間)に相当する分、各受信データを遅延し、遅延時間を与えた受信データを整合加算することによりデジタル的に受信フォーカス処理を行い、受信データを生成する。
整相加算部38は、生成した受信データを、検波処理部40に供給する。
ここで、整相加算部38は、データ解析部23によって、被検体内における超音波の音速値が決定されて、供給されている場合には、この音速を用いて、遅延時間または受信遅延パターン等の補正を行って、受信フォーカス処理を行う。
なお、環境音速が決定されていない場合には、整相加算部38は、受信遅延パターンを用いた公知の方法で、受信フォーカス処理を行う。
検波処理部40は、整相加算部38が生成した受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内における断層の画像情報(輝度画像情報)であるBモード画像データを生成する。
DSC(digital scan converter)48は、検波処理部40で生成されたBモード画像データを、通常のテレビジョン信号の走査方式に対応する画像データに変換(ラスター変換)する。
画像処理部44は、DSC42から入力されるBモード画像データに、階調処理等の各種の必要な画像処理を施して、表示に供するためのBモード画像データとする。画像処理部44は、画像処理済のBモード画像データを、表示のために表示制御部26に出力し、および/または、画像メモリ46に格納する。
画像メモリ46は、画像処理部44が処理したBモード画像データを格納する、公知の記憶手段(記憶媒体)である。画像メモリ46に格納されたBモード画像データは、必要に応じて、表示部28で表示するために表示制御部26に読み出される。
表示制御部26は、画像処理部44によって所定の画像処理が施されたBモード画像データを用いて、表示部28に動画の超音波画像または静止画の超音波画像を表示させる。表示部28は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部26の制御の下で、動画の超音波画像または静止画の超音波画像を表示する。
制御部30は、操作者により操作部32から入力された指令に基づいて超音波診断装置10の各部の制御を行う部位である。
また、制御部30は、操作部32を用いて操作者によって入力された各種の情報を、必要な部位に供給する。例えば、操作部32に、画像生成部24の整相加算部38で用いられる遅延時間算出に必要な情報を、必要に応じて、送信部14、受信部16、素子データ記憶部20、画像生成部24および表示制御部26等の各部に供給する。
操作部32は、操作者が入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル等から形成することができる。
また、操作部32は、操作者が、必要に応じて各種の情報を入力するための、入力機能を備えている。例えば、操作部32は、プローブ12(超音波トランスデューサ)の情報、プローブ12(振動子アレイ)における送信開口および受信開口、重ね合わせる素子データ数および方法などの素子データの生成に関する情報、ならびに超音波ビームの焦点位置等を入力するための、入力機能を備えている。
これらは、例えば、撮影部位(診察部位)の選択、画質の選択、撮影する超音波画像の深度の選択等によって、入力される。
また、操作部32は、フリーズボタンを備えており、Bモード画像の表示中に、フリーズボタンが押下されると、フリーズボタン押下時に表示されているBモード画像が、表示部28に静止画として表示される。これにより、操作者は、静止画によってBモード画像を詳細に観察することができる。
格納部34は、制御部30が超音波診断装置10の各部の制御を実行するための動作プログラム、送信遅延パターンおよび受信遅延パターン、素子データの生成に関する情報、さらには、操作部32から入力されたプローブ12の情報、送信開口および受信開口、焦点位置の情報など、制御部30が超音波診断装置の動作および制御を行うための必要な情報等を格納するものである。
格納部34には、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM等の公知の記録媒体を用いることができる。
なお、超音波診断装置10において、データ解析部23、整相加算部38、検波処理部40、DSC42、画像処理部44、および表示制御部26等は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成される。しかしながら、本発明においては、これらの部位をデジタル回路で構成してもよい。
他方、データ解析部23は、A/D変換部18または素子データ記憶部20から供給された素子データを用いて、被検体内の超音波の音速を決定する。
図2に、データ解析部23の構成をブロック図で概念的に示す。
図2に示すようにデータ解析部23は、着目領域設定部70、送信フォーカス制御部72、音速探索範囲設定部74、フォーカス指標算出部76および音速決定部78を有する。
着目領域設定部70は、制御部30からの指示に応じて、Bモード画像上(超音波画像上)において着目領域を設定するものである。
データ解析部23において、被検体の音速は着目領域毎に決定する。着目領域は、超音波画像において、超音波の音速が算出される計算座標に相当する。
本例において、着目領域設定部70は、Bモード画像の画面全体を格子状に分割して、その個々を着目領域とする。
この分割の数(格子の数)は、予めデフォルトで設定されていても良く、操作者が方位方向および/または深度方向で任意に設定できるようにしてもよい。分割数がデフォルトで設定されている場合には、画像サイズ毎および観察部位毎に、異なる設定を有してもよい。さらに、予め複数の分割数を設定しておき、操作者が選択できるようにしてもよい。
なお、本発明において、着目領域は、Bモード画像を格子状に分割した各領域に限定はされない。
例えば、受信データ(Bモード画像データ)生成する全ての画素(全ての画素に対応する位置(領域))を、着目領域としてもよい。言い換えれば、前述の画面を分割する態様において、受信データを生成する全画素に対応して、画面を格子状に分割してもよい。
あるいは、画面全体ではなく、予め設定された、もしくは、複数の選択肢から選択された、画面の一部分について格子状に分割して、その個々を着目領域としてもよい。また、画面全体ではなく、操作者が設定した領域ROIに対応して、着目領域を設定してもよい。なお、画面の一部分または領域ROI内で着目領域を設定する場合にも、分割は、前記画面全体と同様に行えばよい。また、画面全体での着目領域の設定と、領域ROI内での着目領域の設定とを、操作者が選択できるようにしてもよい。
また、分割する形状は格子状に限らず、例えば、コンベックスプローブによる超音波画像のような扇形のBモード画像であれば、分割する形状もこれに合わせて扇形にしても良い。この場合も、上記の各態様は、全て利用可能である。
なお、着目領域は、画像が大きく変動した場合(画像特徴量の変動値が閾値を超えた場合など)、観察倍率の変更または観察深度の変更などの観察条件の変更が行われた場合等に、変更あるいは更新してもよく、着目領域の変更あるいは更新を、操作者が指示できるようにしてもよい。
着目領域設定部70は、さらに、設定した着目領域に対して、音速の決定に対応する超音波の送信(送信フォーカス)を行うための焦点(焦点の位置)を設定する。
焦点は、観察部位、音線数、送受信の開口数、プローブ12の種類等に応じて、予めデフォルトで設定されていてもよく、操作者が選択または入力指示してもよく、デフォルトでの設定と操作者による指示都を選択できるようにしてもよい。
送信フォーカス制御部72は、着目領域設定部70が設定した着目領域および焦点に応じて送信部14が送信フォーカスを実行するように、制御部30に送信フォーカス指示を行うものである。
音速探索範囲設定部74は、制御部30の制御に基づき、環境音速の決定において、受信データに対して受信フォーカスを実行するための設定音速を指定するものであり、所定の範囲の音速探索範囲が設定される。音速探索範囲設定部74に、設定音速V(音速探索範囲)の開始音速Vstと終了音速Vendが設定される。
本例では、設定音速は、最初に計算する音速値と、2番目以降に計算する音速値とでは、音速探索範囲の設定方法が異なる。
最初に計算する音速値の音速探索範囲については、開始音速Vstおよび終了音速Vendを含む設定音速は、予めデフォルトで設定されていてもよく、また、開始音速Vstおよび終了音速Vendのみを操作者が任意に入力して、間の刻み幅(所定ステップ音速量ΔV)のみがデフォルトで設定されていてもよく、あるいは、操作者が任意に入力するようにしてもよい。また、設定音速、その刻み幅がデフォルトで設定される場合には、観察部位または性別等に応じて、複数種類の設定音速が設定され、操作者が、適宜選択できるようにしてもよい。
最初に計算する音速値については、一例として、開始音速Vstとして1400m/sが、終了音速Vendとして1700m/sが設定され、それに応じて、所定の刻み幅として、40m/secの間隔で設定音速が設定される。
一方、2番目以降に計算する音速値については、空間および時間の少なくとも一方について所定の範囲内で求められている音速を用いて音速探索範囲が、音速探索範囲設定部74に設定される。以下、具体的に説明する。
図3(a)は、音速探索範囲の再設定の一例を説明するための模式図であり、(b)は、音速探索範囲の再設定の他の例を説明するための模式図である。
図3(a)では、簡略化のため、振動子アレイ36は、5個の超音波トランスデューサが配列されたものとして示しており、これら超音波トランスデューサの配列ピッチで音線L1〜L5が形成されるものとしている。この場合、領域80が最初に求められ、それ以降、音線L1のX方向(深さ方向)の領域82が求められる。そして、Y方向の音線L2にずれて、X方向に沿って順次音速が求められる。
図3(a)の最初の領域80の音速を求める場合には、従来通り方法で音速を求める。
X方向にずれた領域82については、領域80の音速を用いて音速探索範囲を音速探索範囲設定部に設定する。領域82での音速探索範囲は、例えば、領域80の音速に対して±50m/sの範囲とする。例えば、領域80の音速が1500m/sであれば、音速探索範囲は1500±50m/sである。
また、音線L3の領域84の音速を求める場合、例えば、領域84に所定の範囲で近接する領域84aの音速、領域84bの音速、領域84cの音速および領域84dの音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。この場合、算出する領域84と、領域84a〜84dとの距離に応じて、用いる音速に対して重み付けをして、音速探索範囲も設定してもよい。
なお、近接する領域としては、音線が1ライン隣のものに限定されるものではなく、音線L1の領域82等の音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。
図3(a)の各音線L1〜L5では、振動子アレイ36からX方向に順次音速値を算出するが、この場合、各音線L1〜L5において、振動子アレイ36側で既に算出された音速値を用いることが好ましい。
また、超音波画像に対して、領域Rが設定されていて、例えば、領域R内で領域86以外の領域について音速が求められている場合には、領域R内の領域の音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。これ以外に、領域R内の領域86の音速を求める際、領域80等の音速を音速探索範囲の設定に用いることもできる。
超音波画像に対して、音速が決定される領域を含むように複数の領域に分割したときに、複数の領域のうち、音速が決定される領域とは別の領域の音速を用いて、音速探索範囲を設定することもできる。
このように、空間的に隣接した画素の音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。これ以外にも、時間的に隣接した領域の音速用いて、音速探索範囲を設定することができる。時間的に隣接したとは、既に音速が算出された以前のフレームのことである。
図3(b)に示す超音波画像90の領域90aについて音速を求める場合、以前のフレームの超音波画像92において、領域90aと対応する領域92aの音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。なお、以前のフレームとは、少なくとも1フレーム前であればよく、どの位前のフレームの超音波画像を用いるかは特に限定されるものではない。超音波画像92よりも以前のフレームの超音波画像94において、領域90aと対応する領域94aの音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。
例えば、動いている組織では、用いるフレームは数フレーム前のものとし、組織に変化がない場合には、用いるフレームは、動いている組織によりも更に前のフレームを用いることができる。
以前のフレームの音速を用いる場合には、さらに上述の空間的に隣接する領域と組み合わせることもできる。すなわち、以前のフレームにおける隣接する領域の音速を用いて、音速探索範囲を設定することができる。
また、図3(b)に示す超音波画像90の領域90aについて、以前のフレームの超音波画像において領域の音速を用いて音速探索範囲を設定する場合、少なくとも1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速に所定の処理を行って得られた少なくとも1つの各領域の音速に対応する領域の音速を用いることもできる。なお、所定の処理とは、例えば、1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速の平均値、または各領域での音速の中央値を算出することである。
このように、複数のフレームの音速の平均値、または音速の中央値を音速探索範囲の設定に利用することができる。例えば、フレームの超音波画像92で領域90aと対応する領域92aの音速とフレームの超音波画像94で領域90aと対応する領域94aの音速の平均値を、超音波画像90の領域90aの音速探索範囲の設定に用いることができる。
上記以外にも、例えば、操作者により着目領域(ROI:Region of Interest)が設定された場合には、超音波画像については時間方向を重視し、音速探索範囲は、以前のフレームを用いて決定することが好ましい。なお、着目領域の設定は、例えば、超音波プローブ12の停止およびフリーズボタンの押下により検出することができる。
また、被検体が動くようなものである場合には、時間的に隣接するのではなく、空間的に隣接するものに基づいて音速探索範囲を設定する。この場合、操作者による指示入力により、いずれかを設定に用いるかを決定してもよく、さらに、既に算出されたフレームの画像特徴を解析することにより、いずれかを設定に用いるかを超音波診断装置10で決定するようにしてもよい。
例えば、被検体が静止している場合には音速探索範囲を狭く、被検体が動くようなものである場合には音速探索範囲を広く設定してもよい。また、設定した音速探索範囲で、音速の決定ができない場合には、音速探索範囲を拡張するようにしてもよい。
フォーカス指標算出部76は、A/D変換部18の素子データまたは素子データ記憶部20の素子データを用いて、音速探索範囲設定部74が指定した複数の設定音速毎に受信データに対して受信フォーカスを行って、受信データのフォーカス指標を算出するものである。
音速決定部78は、複数の設定音速毎のフォーカス指標に基づき、着目領域の環境音速を決定するものである。
以下、データ解析部23での被検体内における超音波の音速の決定方法について説明する。図4は、データ解析部での音速決定方法を説明するためのフローチャートである。なお、本発明において、データ解析部23での音速決定方法は、この方法に限定はされず、超音波診断装置で行われている各種の音速決定方法(音速の算出方法)が利用可能である。
データ解析部23での音速決定方法では、まず、制御部30からの指示に応じて、着目領域設定部70が着目領域および焦点を設定する(ステップS10)。
素子データが供給されると、データ解析部23は、必用に応じて素子データを所定の部位に記憶させると共に、音速探索範囲設定部74に、音速探索範囲を設定し、設定音速Vの開始音速Vstと終了音速Vendを設定する(ステップS12)。さらに、設定音速Vに開始音速Vstをセットする(ステップS14)。
次いで、フォーカス指標算出部76が、各着目領域に対応して、音速探索範囲設定部74が指定した複数の設定音速毎に素子データに対して受信フォーカスして、受信データのフォーカス指標を算出する(ステップS16)。
具体的には、フォーカス指標算出部76は、着目領域における受信データ(超音波画像データ/超音波画像)の積分値、2乗積分値、ピーク値、鮮鋭度(シャープネス)、コントラスト、輝度値、半値幅、周波数スペクトル積分、最大値、直流成分で規格化された周波数スペクトル積分値もしくは2乗積分値、または自己相関値等をフォーカス指標として算出する。
次いで、音速探索範囲設定部74にて、設定音速Vが終了音速Vendに達したかどうか判定し(ステップS18)、設定音速Vが終了音速Vend未満ならば(No)、所定ステップ音速量ΔV、例えば、40m/sを設定音速Vに加算して(ステップS20)、着目領域のフォーカス指標を算出する。
このルーチンを繰り返し、設定音速Vが終了音速Vendに達したと判定すると(Yes)、音速決定部78にて、複数の設定音速毎のフォーカス指標に基づき、最も高いフォーカス指標の設定音速を着目領域の音速とするなどして、着目領域の音速を決定する(ステップS22)。例えば、超音波画像の輝度をフォーカス指標として、着目領域において、最も高輝度な超音波画像が得られた音速を、その着目領域の音速とする。
すなわち、本例における着目領域の音速とは、プローブ12(振動子アレイ36(超音波トランスデューサ))から、或る着目領域までの音速が一定であると仮定した際の、超音波プローブ12と着目領域との間の領域の平均的な音速である。
データ解析部23で得られた音速は、整相加算部38に供給されて超音波画像の生成に利用される。この場合、得られた音速値は適正な値であるため、良好な超音波画像が得られる。
また、超音波診断装置10においては、素子データ記憶部20に記憶された素子データを用いて超音波画像の表示を行うこともできる。この場合、操作部32からの指示入力により、制御部30は、超音波診断装置10の動作モードを素子データ記憶部20再生モード(以下、単に再生モードという)に切り替える。
再生モードでは、制御部30は、素子データ記憶部20から素子データを読み出して、画像生成部24の整相加算部38に供給する。これ以後の動作は、Bモード画像の場合と同様であるため、その詳細な説明は省略する。これにより、素子データ記憶部20に格納された素子データに基づく超音波画像(動画または静止画)が表示部28に表示される。
超音波診断装置10は、基本的に以上のように構成されるものである。
以下、図5に示すフローチャートを参照し、超音波診断装置10における音速決定方法を詳細に説明する。
図5は、超音波診断装置の音速決定方法を説明するためのフローチャートである。
本発明のプログラムは、超音波診断装置10が有するコンピュータに、以下の音速決定方法を実行させるプログラムである。
なお、本発明において、音速を決定するタイミング(音速の更新タイミング)には、特に限定はなく、公知の超音波診断装置と同様に行えば良い。例えば、測定開始の指示に応じて1回だけ行ってもよく、画像が大きく変動した場合(画像特徴量の変動値が閾値を超えた場合など)に音速の決定を行ってもよく、適宜決定した所定フレーム数毎または所定時間の経過毎に音速の決定を行ってもよく、操作者の入力指示に応じて音速の決定を行ってもよく、これらの音速決定のタイミングの2以上を、適宜、選択できるようにしてもよい。
超音波診断装置10において、音速を決定する際には、超音波画像において音速を決定する範囲、決定範囲で音速を算出する位置(着目領域)、すなわち、計算座標を設定しておく。そして、制御部30から指示により、着目領域設定部70に着目領域および焦点を設定する。
図5に示すように、最初に音速を算出する計算座標(以下、初期座標という)の音速探索範囲を設定する(ステップS30)。このとき、音速探索範囲を、例えば、1400〜1700m/sとし、間隔を40m/s間隔とする。
次に、決定範囲における初期座標と最終座標を設定する(ステップS32)。
次に、初期座標の音速を、上述の図3に示す方法を用いて算出する(ステップS34)。この場合、着目領域の設定に応じて、送信フォーカス制御部72は、設定された着目領域および焦点に対して送信部14が送信フォーカスを実行するように、制御部30に送信フォーカス指示を行う。
これに応じて、送信部14が、プローブ12(振動子アレイ36の対応する超音波トランスデューサ(素子))を駆動して被検体に超音波ビームを送信し、被検体で反射された超音波エコーが素子によって受信され、アナログの受信信号が、超音波トランスデューサ(素子)から受信部16に出力される。
受信部16は、アナログの受信信号に、増幅等の所定の処理を施して、A/D変換部18に供給する。A/D変換部18は、受信部16から供給されたアナログの受信信号をA/D変換して、デジタルの受信信号である素子データとする。素子データは、素子データ記憶部20に記憶される。データ解析部23は、A/D変換部18、または素子データ記憶部20から供給された素子データを用いて、被検体内における超音波の音速を決定する。このとき、図3のフローチャートにおいて、ステップS12で、音速探索範囲の最小値と最高値とを設定する。それ以降、既に詳細に説明した音速決定のステップS14〜ステップS22により初期座標の音速が決定される。
次に、計算座標が最終座標であるか否かを判定する(ステップS36)。ステップS36において、最終座標と判定されなければ、計算座標が更新される(ステップS38)。そして、更新された計算座標に対して、音速探索範囲を再設定する(ステップS40)。
音速探索範囲の再設定方法は、2番目の計算座標であれば、最初の計算座標の音速が用いられる。例えば、最初の音速値が1500m/sであれば、音速探索範囲を1500±50m/sとする。
また、3番目以降であれば、上述の方法を用いて音速探索範囲を再設定することができる。なお、既に少なくとも1フレームの超音波画像の音速が算出されている場合には、上述のように以前のフレームでの音速を用いることができる。
音速探索範囲の再設定後、更新された計算座標での音速が決定される(ステップS34)。
次に、計算座標が最終座標であるか否かを判定する(ステップS36)。そして、最終座標と判定されなければ、計算座標が更新され(ステップS38)、音速探索範囲が再設定され(ステップS40)、更新された計算座標での音速が算出される(ステップS34)。この一連の工程を、超音波画像の音速の算出範囲において、計算座標が最終座標になるまで繰り返し、全ての計算座標の音速を算出する。算出された音速は、上述のように素子データ記憶部20に、超音波画像の各領域に対応つけて1フレームの超音波画像毎、所定のフレーム分記憶される。また、算出された音速は、超音波画像の生成に利用されるが、適正な値であるため、良好な超音波画像が得られる。
本例では、2番目以降の計算座標について、以前に算出した音速に基づいて音速探索範囲を再設定することにより、最適の音速探索範囲を設定することができ、網羅的に音速探索範囲を設定するよりも音速探索範囲を狭くすることができる。例えば、被写体内で局所的に大きく音速値が変化する部分が少ない肝臓などの部位に有効である。
また、2フレーム以降であれば、以前のフレームで求めた音速に基づいて音速探索範囲を再設定することにより、音速探索範囲を狭くすることができる。例えば、フレーム間の音速値の変化が小さい場合に有効である。
さらに、以前の複数のフレームで求めた音速の領域ごとの平均値または中央値に基づいて音速探索範囲を再設定することにより、ロバストな音速値によって、音速探索範囲を狭くすることができる。
このように、音速の算出に要する時間を短縮することができ、フレームレートを向上させることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の超音波診断装置、超音波画像生成方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 超音波診断装置
12 (超音波)プローブ
14 送信部
16 受信部
18 A/D変換部
20 素子データ記憶部
22 素子データ処理部
24 画像生成部
26 表示制御部
28 表示部
30 制御部
32 操作部
34 格納部
36 振動子アレイ
38 整相加算部
40 検波処理部
42 DSC
44 画像処理部
46 画像メモリ
70 着目領域設定部
72 送信フォーカス処理部
74 設定音速指定部
76 フォーカス指標算出部
78 音速判定部

Claims (7)

  1. 超音波ビームを用いて検査対象物を検査するための超音波画像を取得する超音波診断装置であって、
    前記検査対象物内の音速を決定する音速決定部と、
    前記音速決定部で、音速を探索する範囲を設定する音速探索範囲設定部とを有し、
    前記音速探索範囲設定部は、空間および時間の少なくとも一方について所定の範囲内で求められている音速を用いて音速探索範囲を設定することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記音速探索範囲の設定に用いられる音速は、超音波画像において、前記音速決定部で音速が決定される領域に、近接した領域の音速である請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記音速探索範囲の設定に用いられる音速は、超音波画像において、前記音速決定部で音速が決定される領域を含むように前記超音波画像を複数の領域に分割したときに、前記複数の領域のうち、前記音速決定部で音速が決定される領域とは別の領域の音速である請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. さらに、超音波画像の各領域の音速が記憶された超音波画像を1フレーム毎、少なくとも1つ以上の所定の前のフレーム分記憶する記憶部を有し、
    前記音速探索範囲の設定に用いられる音速は、前記音速決定部で音速が決定される領域と、前記記憶部に記憶された少なくとも1つの所定の前のフレームの超音波画像に対応する領域の音速か、または前記記憶部に記憶された少なくとも1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速に所定の処理を行って得られた少なくとも1つの超音波画像の各領域の音速に対応する領域の音速のいずれかである請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記所定の処理は、前記記憶部に記憶された少なくとも1つ以上の所定の前のフレームの超音波画像の各領域の音速の平均値、または音速の中央値を算出することである請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 超音波ビームを用いて検査対象物を検査するための超音波画像を取得する超音波画像生成方法であって、
    前記検査対象物内の少なくとも1つの領域について音速を決定する工程と、
    他の領域の音速を決定する際に、空間および時間の少なくとも一方について所定の範囲内で求められている音速を用いて音速探索範囲を設定する工程とを有することを特徴とする超音波画像生成方法。
  7. 請求項6に記載の超音波画像生成方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラム。
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