JP3710802B2 - 歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも残存歯が存在する口腔内に適用するために作製しようとするインレーやクラウン等の歯牙補綴物における歯牙の色調に合った好適な色調の歯科用レジンや歯科用ポーセレン等の歯牙材料の選択を支援するために使用される歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法であって、特に高価な専用機や周辺機器等を必要とせず一般に市販されているコンピュータやデジタルカメラ等を用いることができると共に、高度な情報処理に関する知識を必要とせず誰でも簡単に使用することができる歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法に関するものである。
一般に、インレーやクラウン等の歯牙補綴物を作製する際に使用される歯科用レジンや歯科用ポーセレン等の歯牙材料は、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯(作製しようとする歯牙補綴物がインレー等である場合には窩洞が存在する歯牙、作製しようとする歯牙補綴物がクラウンやブリッジ等である場合には隣在歯)と作製される歯牙補綴物との色調の違いによって、歯牙補綴物が不自然となってしまうことがないように、その歯牙材料の種類によってまちまちであるが、通常は同じ種類の歯牙材料について数色から数十色の色調の異なった歯牙材料が予め用意されている。
そして、歯牙補綴物を作製する専門家である歯科技工士に歯牙補綴物の作製を依頼する歯科医は、これらの数多くの色調の異なった歯牙材料の中から、歯牙補綴物の作製対象の歯牙の色調と最も調和の取れた色調の歯牙材料を選択決定するために、数多くの色調の異なった歯牙材料の色見本等と作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯とを見比べることにより、歯牙材料の色調を選択決定する作業を行わなければならないが、実際には歯牙の色調は人により千差万別であり、また同一人の歯牙であってもその個々の歯牙の色調は一定でないので、歯牙補綴物の作製対象の歯牙の色調と最も調和の取れた色調の歯牙材料を選択決定する作業は非常に難しい作業であった。
従って、このような歯牙材料の色調を選択決定する作業をより正確に行おうとすると、この歯牙材料の色調を選択決定する作業は歯牙補綴物の作製者である歯科技工士に委ねられることになり、この場合には歯科技工士が臨床に立ち会って歯牙材料の色調を選択決定する作業を行う方法や、歯科医が作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯を銀塩カメラやデジタルカメラ等で撮影した後にその写真や画像データの記憶された媒体を郵送したり、画像データを電気通信回線を通じて送信したりすることによって、その写真や画像データを歯科技工士に送り、その写真や画像データを見て歯科技工士が歯牙材料の色調を選択決定する作業を行う方法があった。
しかしながら、歯科技工士が臨床に立ち会う方法では、歯科技工士がわざわざ歯科医院に出向かなくてはならないので非常に効率が悪く、また歯科技工士が写真や画像データを見る方法では、歯科医が撮影する際に使用した機器やフイルム等の特性、撮影時の光源,露出や角度、現像時の機器や紙、画像データの場合では表示するディスプレーやビデオカードの特性、更には歯科医の撮影技量等の様々な要因によって、写真や画像データに撮影された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と実際の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯との色調が異なってしまい、写真や画像データでは実際の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調を正確に再現することが困難であるので、そのような実際の色調と異った写真や画像データを見て歯科技工士が歯牙材料の色調を選択決定しても、歯牙補綴物の作製対象の歯牙の色調に合った好適な色調の歯牙補綴物を作製することができないという欠点があった。
そこで、欠損歯を有する時の歯列をスチルビデオカメラ又はCCDカメラで撮影して得た映像を入力して記憶し、該映像の非欠損歯側の映像の色調をデジタル解析して記憶し、その色調デジタル信号と予め記憶している上記欠損歯を作製する物質の色調調整剤の個別色調をデジタル解析して得た色調デジタル信号テーブルとを基に、上記欠損歯を作製する物質の色調調整剤の混合割合を演算算出すると共に記憶する装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
しかしながら、前記したように様々な要因により写真や画像データでは実際の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調を正確に再現することが困難であることから、このような装置の場合においても歯列をカメラ等で撮影して得た非欠損歯側の映像と、実際の非欠損歯側とではその色調が異なってしまうことになってしまうので、結局この装置で非欠損歯側の映像の色調をデジタル解析して得た結果は、実際の非欠損歯側の色調をデジタル解析して得られる結果とは異なってしまうという欠点があった。
そこで、歯牙等の被写体の正確な色調を表示装置に再現する手段として、被写体と表示装置に表示された映像の両方の色情報を測定できる色調測定手段と、その色情報が一致するように表示内容の色調を補正制御する色調補正制御手段からなる装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
しかしながら、このような装置では患者を被写体として撮影する歯科治療医院側及びその色調を補正された映像が表示される表示装置を見る歯科技工士側にそれぞれ色情報を測定するための専用の色調測定装置を置く必要があり、しかも患者を被写体として撮影する歯科治療医院と歯科技工士とが離れた場所に位置している場合には、それぞれの場所に専用の色調補正制御装置を置かなくてはならないので、膨大な費用がかかってしまうという欠点があり、また専用の色調測定装置や色調補正制御装置等の特殊な装置が使用されるので、高度な情報処理に関する知識が必要になるという欠点もあり、また患者を被写体として撮影する歯科治療医院では、色調測定装置で被写体及び表示装置を測定し、その測定した値によって色調補正制御装置が色調の補正値を算出し、また補正値に基づいて表示装置に表示される映像を真の色調に変換再生して表示して、更に歯科技工士がその変換再生された映像を見て歯牙材料の色調を選択決定するまで、患者は専用の色調測定装置を歯牙にあてがった状態で口腔内が見えるように口腔を大きく開けた状態に維持しなければならないので、大きな精神的肉体的な負担を強いられるという欠点もあり、更に最終的には歯科技工士がその変換再生された映像を見て歯牙材料の色調を選択決定するものであるので、歯科技工士の技量が未熟である場合には、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と最も調和の取れた色調の歯牙材料を選択決定することができない危険性もあるという欠点もあった。
特開平4-338465号公報 特開平8-229057号公報
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、少なくとも残存歯が存在する口腔内に適用するために作製しようとするインレーやクラウン等の歯牙補綴物における歯牙の色調に合った好適な色調の歯科用レジンや歯科用ポーセレン等の歯牙材料の選択を支援するために使用される歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法であって、特に高価な専用機や周辺機器等を必要とせず一般に市販されているコンピュータやデジタルカメラ等を用いることができると共に、高度な情報処理に関する知識を必要とせず誰でも簡単に使用することができる歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、コンピュータに、予め歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データとその歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルを予め記憶さておくと共に、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とを同時に撮影した画像データを入力し、その画像データ内の基準具の色調の色調情報データと基準具の歯牙基準色と一致した識別情報データを有するデータテーブルの歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値を算出し、この色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調を補正し、データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出し、その抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力すれば、特に高価な専用機や周辺機器等を必要とせず、一般に市販されているコンピュータやデジタルカメラ等を用いて、また高度な情報処理に関する知識を必要とせず誰でも簡単に作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調に合った好適な色調の歯牙材料の選択を支援するプログラム及び方法を得ることができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明の一つは、少なくとも残存歯が存在する口腔内に適用するために作製しようとする歯牙補綴物における歯牙の色調に合った好適な色調の歯牙材料の選択を支援するためにコンピュータを、
歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルを予め記憶しておく歯牙基準色データ記憶手段、
作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と、少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データを入力する画像データ入力手段、
該画像データ入力手段により入力される画像データにおける基準具の歯牙基準色の識別情報データを入力する識別情報データ入力手段、
該画像データ入力手段により入力された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する画像歯牙データ分析手段、
該画像データ入力手段により入力された画像データ内の基準具の色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する画像基準具データ分析手段、
前記歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから該識別情報データ入力手段により入力された基準具の歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出する基準具歯牙基準色データ抽出手段、
該画像基準具データ分析手段により数値化された基準具の色調の色調情報データと、該基準具歯牙基準色データ抽出手段により抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出する補正値算出手段、
該補正値算出手段により算出された色調補正値であるδL*値,δa*値,δb*値を該画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データであるL*値,a*値,b*値から減算して補正する歯牙色調データ補正手段、
該歯牙色調データ補正手段により補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、該歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、該補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式1に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、データテーブルから該補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出する歯牙色調基準色データ抽出手段、
該歯牙色調基準色データ抽出手段により抽出され補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する歯牙基準色識別情報データ出力手段、
として機能させるための歯牙材料色調選択支援プログラムである。
Figure 0003710802
また本発明の他の一つは、歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルが予め記憶されたコンピュータに、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データを入力すると共に、画像データに撮影された基準具の歯牙基準色の識別情報データを入力し、入力された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と基準具の色調とをそれぞれ分析して色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させ、前記データテーブルから入力された基準具の歯牙基準色の識別情報データと一致した識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出させ、基準具における歯牙基準色の色調情報データと抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出させた後、算出された色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データを前記δL*値,δa*値,δb*値を減算することにより補正させ、しかる後に補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、前記データテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式2に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、前記データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出させ、その抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力させることを特徴とする歯牙材料色調選択支援方法である。
Figure 0003710802
また、前記歯牙材料色調選択支援プログラムにおいて、識別情報データ入力手段に、画像データ入力手段により入力される画像データ内の基準具の少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データが予め入力されていれば、画像データに撮影される基準具の歯牙基準色の識別情報データを識別情報データ入力手段にその都度入力する必要がないので好ましいことも究明したのである。
更に、前記歯牙材料色調選択支援プログラムにおいて、コンピュータを更に、補正値算出手段により算出された色調補正値に基づいて画像データ入力手段により入力された画像データ全体の色調を補正する画像データ補正手段、
該画像データ補正手段により補正された画像データを出力する補正画像データ出力手段、
として機能させれば、色調補正値に基づいて補正された画像データを得ることができて好ましいことも究明したのである。
本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法は、前記した構成より成るものであるから、特に高価な専用機や周辺機器等を必要とせず、一般に市販されているコンピュータやデジタルカメラ等を用いて、また高度な情報処理に関する知識を必要とせず誰でも簡単に作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調に合った好適な色調の歯牙材料の選択を支援することができるばかりでなく、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データの歯牙基準色のL*a*b*表色系による色調情報データと予め記憶されたデータテーブルのL*a*b*表色系による色調情報データとに基づいて色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出するものであるので、歯科医が撮影する際に使用した機器やフイルム等の特性、撮影時の光源,露出や角度、現像時の機器や紙、画像データの場合では表示するディスプレーやビデオカードの特性、更には歯科医の撮影技量等の様々な要因に左右されることなく、実際の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調情報データを正確に算出することができる。
そして、算出された色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データを前記δL*値,δa*値,δb*値を減算することにより補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、データテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式3に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データの補正後の数値と一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色を抽出し、その抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力するものであるので、歯科医師や歯科技工士の技量に左右されることなく、誰でもが簡単に作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と最も調和の取れた色調の歯牙材料を選択決定することができる。
Figure 0003710802
更に、単に作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データを使用するものであるから、被写体である患者は、一度だけデジタルカメラ等で作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯とその近傍に基準具とが見える状態にして撮影されるのみでよいので、患者の負担が格段に軽減されているにも拘わらず、患者は最も好適な色調の歯牙補綴物を得ることができる。
更に、前記した構成の歯牙材料色調選択支援プログラムにおいて、識別情報データ入力手段に、画像データ入力手段により入力される画像データ内の基準具の少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データが予め入力されていれば、画像データに撮影される基準具の歯牙基準色の識別情報データを識別情報データ入力手段にその都度入力する手間が省けるばかりでなく、基準具の色調の識別情報データの入力ミスにより誤った色調の歯牙補綴物を作製してしまうことがないと共に、いつも同じ基準具を使用することができて好ましい。
更に、前記した構成の歯牙材料色調選択支援プログラムにおいて、コンピュータを更に、補正値算出手段により算出された色調補正値に基づいて画像データ入力手段により入力された画像データ全体の色調を補正する画像データ補正手段、
該画像データ補正手段により補正された画像データを出力する補正画像データ出力手段、
として機能させれば、色調補正値に基づいて補正された画像データを得ることができるばかりでなく、正確に再現された画像データを歯科技工士が目視によって確認できるので、好適な色調の歯牙材料の選択決定のミスを殆ど防ぐことができて好ましい。
以下、図面により本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラム及び歯牙材料色調選択支援方法について詳細に説明する。
図1は本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムの構成の1の実施例を示すブロック図、図2は本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムの1の実施例の動作概要を示すフローチャート、図3は本発明に使用される画像データの1例を示す説明図、図4は本発明における基準具の歯牙基準色の設定入力画面の1例を示す説明図、図5は本発明における作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯及び基準具の歯牙基準色の領域選択設定画面の1例を示す説明図、図6は本発明における作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する結果表示画面の1例を示す説明図である。
本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムは、少なくとも残存歯(天然歯はもちろん人工歯等でもよい。)が存在する口腔内に適用するために作製しようとする歯牙補綴物における歯牙の色調に合った好適な色調の歯牙材料の選択を支援するためにコンピュータを機能させるものであり、詳しくは図1に示す如くキーボードやスキャナ等から構成されたコンピュータの入力部を画像データ入力手段及び識別情報データ入力手段として、ハードディスクドライブやCD−ROMドライブ等から構成されたコンピュータの記憶部を歯牙基準色データ記憶手段として、CPUやメインメモリ等から構成されたコンピュータの演算処理部を画像歯牙データ分析手段,画像基準具データ分析手段,基準具歯牙基準色データ抽出手段,補正値算出手段,歯牙色調データ補正手段,歯牙色調基準色データ抽出手段及び画像データ補正手段として、またディスプレーやプリンタ等から構成されたコンピュータの出力部を歯牙基準色識別情報データ出力手段及び補正画像データ出力手段として機能させるものである。
歯牙基準色データ記憶手段は、歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルを予め記憶しておくものであり、基準具歯牙基準色データ抽出手段や歯牙色調基準色データ抽出手段からのデータの照合に対してデータを提供する役目を果たすものである。
この歯牙基準色データ記憶手段に予め記憶されているデータテーブルは、複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられた識別情報データと、その識別情報データに対応した歯牙基準色の色調を数値化した色調情報データとで構成されており、この識別情報データとしては、例えば「White」,「Colonial Yellow」等の如く歯牙基準色の色調の名称を直接表現したようなものであってもよく、また「0M1」,「A3」,「1R2.5」等の如く任意に割り当てられた英数字等で表現されているものであってもよい。
また、色調情報データは、数値や座標として示すことが可能であるコンピュータの演算処理に適した国際照明委員会(CIE)が標準化したカラーモデルであるL*a*b*表色系に基づくものであるので、ディスプレーやビデオカード等の機器の特性に依存することなく、色調を数値化できるのである。即ち、このL*a*b*表色系では、色調を明度(明るさ)を示すL*,色相(赤と緑の度合い)を示すa*,彩度(黄と青の度合い)を示すb*という3つの要素に解析し、そしてL*値,a*値,b*値という3つの数値で色調を表現するものであり、このL*a*b*表色系によって2つの色調の違いのズレ量を表現する場合には、この3つの要素であるL*,a*,b*という3軸より成る座標に、それぞれの色調のL*値,a*値,b*値を座標上の点として表わし、この2点間の座標上の直線距離を2つの色調の違いのズレ量とみなして、このズレ量をΔEという値で表現するものであり、この2つの色調の違いのズレ量を表すΔEがゼロである場合には、2つの色調は全く同一であることになり、このΔEの値が大きくなればなる程、2つの色調の違いが大きいことになる。このようにL*a*b*表色系では、色調の違いのズレ量をΔEという数値で比較することができるのである。
そして、色調情報データを算出する際には、それぞれの歯牙基準色にJISZ8716に規定されている標準光D65を照射しその色調を計測して色調情報データの数値を算出すれば、歯牙基準色の色調の正確な色調情報データの数値を得ることができるので好ましい。
画像データ入力手段は、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sと、少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具Kとが同時に撮影されている画像データを入力するものであり、コンピュータの演算処理部で行われる画像歯牙データ分析手段や画像基準具データ分析手段等の一連の演算処理の起点となると共に、歯牙色調基準色データ抽出手段において最終的に出力される作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを得るために作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sが撮影された画像データをコンピュータに入力する役目を果たす。
この画像データ入力手段としては、例えばUSBやIEEE1394等のインターフェイスを用いてデジタルカメラとコンピュータとをケーブルで繋いでデジタルカメラ内のメモリ等に記憶された画像データを転送してコンピュータに入力したり、画像データが記憶されたデジタルカメラ内のメモリカード等をデジタルカメラから脱着してそのメモリカード等をコンピュータのインターフェイスに差し込んで画像データを転送してコンピュータに入力したり、他のコンピュータ内に記憶された画像データのファイルをLANやインターネットのメールを用いて転送してコンピュータに入力したり、または銀塩カメラで撮影された写真をコンピュータに接続されたスキャナで読み込んで画像データに変換してその画像データをコンピュータに入力したりする様々な手段が存在するが、画像データをコンピュータに読み込んで入力することができる手段であれば特に限定されない。
この画像データ入力手段によって入力される画像データは、図3に示すように作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sと、少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具Kとが同時に撮影されているものである必要がある。
この基準具Kとしては、例えば1つ又は複数の歯牙基準色を紙等に印刷した色見本のようなものや、歯牙基準色に対応する歯牙材料で作製した棒状のもののような少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有するものであれば何でもよいが、歯牙を模写したような形状に形成された複数の疑似歯牙がそれぞれ別々の歯牙基準色に着色されているものを、歯牙基準色の色調を有する少なくとも1つ以上の疑似歯牙を基準具K(図3に示した例では2つ)として用いれば、基準具Kが歯牙を模写したような形状に形成されているから、撮影する際に基準具Kの好適な撮影位置を目視で判断し易く、また一般的に歯牙材料を製造するメーカではそれぞれの歯牙材料について歯牙を模写したような形状に形成されそれぞれの歯牙材料の歯牙基準色に着色された疑似歯牙としていわゆる歯科用シェードガイドと呼ばれるものも予め製作しているから、このような歯科用シェードガイドを基準具Kとして利用すれば、基準具Kを別途製作する手間を省くことができ、更に通常は歯科用シェードガイドには、そのセット内のそれぞれの疑似歯牙にそれぞれを識別するための記号等が附されているので、この記号をデータテーブルの識別情報データとして使用することもできて好ましい。
また基準具Kの歯牙基準色は、少なくとも1つであれば最終的に作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを得ることが可能であるが、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データをより高い精度で得るには、基準具Kの歯牙基準色と識別情報データ入力手段に入力される基準具Kの歯牙基準色の識別情報データとが多ければ多い程よいが、患者の口腔の大きさの制約、識別情報データを入力する手間やコンピュータの演算処理能力等の観点から、基準具Kの歯牙基準色は2つ〜3つであることが望ましい。
識別情報データ入力手段は、画像データ入力手段により入力される画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを入力するものであり、基準具歯牙基準色データ抽出手段が画像データ内の基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出する際に、その基準具Kの歯牙基準色の識別情報データがデータテーブル内のどの歯牙基準色の識別情報データであるかという情報を歯牙基準色データ抽出手段に提供する役目を果たす。
この識別情報データ入力手段に入力される基準具Kの歯牙基準色の識別情報データは、少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データであればよいが、前記したようにより高い精度の高い結果を得るためには、入力される歯牙基準色は2つ〜3つであることが望ましい。
そして、この識別情報データ入力手段に基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを入力するには、画像データ入力手段により画像データを入力する際に画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データをキーボードやマウス等を用いてその都度入力してもよいが、識別情報データ入力手段に、画像データ入力手段により入力される画像データ内の基準具の少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データが予め入力されていれば、画像データに撮影される基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを識別情報データ入力手段にその都度入力する手間が省けるばかりでなく、基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの入力ミスにより誤った色調の歯牙補綴物を作製してしまうことがないと共に、いつも同じ基準具Kを使用することができて好ましい。
この識別情報データ入力手段に予め少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データが入力されている態様の場合には、予め使用する基準具Kの数やその歯牙基準色の識別情報データを入力すればよく、例えば図4に示すように常に使用する基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの設定入力画面を設けてそれぞれの基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを入力する。この図4では基準具Kの歯牙基準色の識別情報データが入力されると、基準具歯牙基準色データ抽出手段により基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データが抽出されて表示されている。
画像歯牙データ分析手段は、画像データ入力手段により入力された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化するものであり、補正値算出手段によって算出された色調補正値に基づいて歯牙色調データ補正手段によって画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データが補正される際に、歯牙色調データ補正手段に画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを提供する役目を果たす。この画像歯牙データ分析手段が画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析する際には、例えば画像データ内の歯牙又は隣在歯Sの一部分の色調をスポット的に抽出しその範囲内における複数点の色調を分析し色調情報データとして数値化するものであってもよく、また図5に示す如く画像データ内の歯牙又は隣在歯Sの数十パーセントに及ぶ範囲の色調を一度に分析しその平均値を色調情報データとして数値化するものであってもよい。
この画像歯牙データ分析手段が画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する演算処理は、少なくとも歯牙色調データ補正手段が作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する演算処理を行う前までに行う必要があるが、歯牙色調データ補正手段が演算処理を行う前であれば、例えば画像歯牙データ分析手段による演算処理を行う画像基準具データ分析手段が画像データ内の基準具Kの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する演算処理と同時に行ってもよい。
画像基準具データ分析手段は、画像データ入力手段により入力された画像データ内の基準具Kの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化するものであり、補正値算出手段が色調補正値を算出する際に、補正値算出手段に数値化された画像データ内の歯牙基準色の色調を有する基準具Kの色調の色調情報データを提供する役目を果たす。この画像基準具データ分析手段が画像データ内の基準具Kの色調を分析する際には、例えば画像データ内の基準具Kの色調をスポット的に抽出しその範囲内における複数点の色調を分析し色調情報データとして数値化するものであってもよく、また図5に示す如く画像データ内の基準具Kの数十パーセントに及ぶ範囲の色調を一度に分析しその平均値を色調情報データとして数値化するものであってもよい。
この画像基準具データ分析手段及び画像歯牙データ分析手段により分析され数値化される色調情報データは、歯牙基準色データ記憶手段に予め記憶されたデータテーブルの色調情報データと同じL*a*b*表色系に基づいたデータであることが必要である。
基準具歯牙基準色データ抽出手段は、歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから識別情報データ入力手段により入力された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出するものであり、補正値算出手段が色調補正値を算出する際に、補正値算出手段に基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを提供する役目を果たす。
この基準具歯牙基準色データ抽出手段は歯牙基準色データ記憶手段と協働して、識別情報データ入力手段により入力された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを基に、その識別情報データと一致する識別情報データをデータテーブルへ照合し、その識別情報データと一致した歯牙基準色の色調情報データをデータテーブルから抽出するものであり、例えばデータテーブルが英数字の文字列より成る識別情報データとその識別情報データと対応した歯牙基準色をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとから構成されており、歯牙基準色の色調情報データの英数字の文字列と,歯牙基準色をL*a*b*表色系により数値化したそれぞれのL*値,a*値及びb*値とがそれぞれ一覧表の如く対応した状態にデータテーブルが形成されている場合には、基準具歯牙基準色データ抽出手段は識別情報データ入力手段により入力された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの文字列と一致した文字列を有する歯牙基準色の色調情報データを照合し、データテーブルからその一致した文字列を有する歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値及びb*値を抽出する。
補正値算出手段は、画像基準具データ分析手段により数値化された基準具Kの色調の色調情報データと、基準具歯牙基準色データ抽出手段により抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出するものであり、歯牙色調データ補正手段が画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する際に、歯牙色調データ補正手段に色調補正値を提供する役目を果たす。
この補正値算出手段によって色調補正値を算出する処理については、画像基準具データ分析手段により数値化された歯牙基準色の色調を有する基準具Kの色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値と、基準具歯牙基準色データ抽出手段により抽出された歯牙基準色の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出して、これらの値を色調補正値とするものであり、具体的には例えば画像基準具データ分析手段により数値化された基準具Kの歯牙基準色の色調の色調情報データの数値がそれぞれL*=77.08,a*=1.71,b*=8.92であって、基準具歯牙基準色データ抽出手段により抽出された歯牙基準色の色調情報データの数値がそれぞれL*=76.15,a*=1.50,b*=9.00である場合には、色調補正値はそれぞれの数値の差であるδL*=0.93,δa*=0.21,δb*=-0.08となる。
そして、識別情報データ入力手段によって入力される画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データが2つ以上ある場合には、この補正値算出手段によりそれぞれの基準具Kの歯牙基準色の色調の色調情報データについて、歯牙基準色の色調情報データの数値との差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出して、算出されたそれぞれのδL*値,δa*値,δb*値の平均値を色調補正値として算出すれば、より正確な色調補正値を得ることができて好ましい。
歯牙色調データ補正手段は、補正値算出手段により算出された色調補正値に基づいて画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正するものであり、歯牙色調基準色データ抽出手段が歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色を抽出する際に、歯牙色調基準色データ抽出手段に補正された正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを提供する役目を果たす。
この歯牙色調データ補正手段によって作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する処理は、補正値算出手段により算出された色調補正値であるδL*値,δa*値,δb*値画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値から減算することにより補正すれば、正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを得ることができる。具体的には例えば、画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データの数値がそれぞれL*=77.99,a*=3.41,b*=11.92であって、色調補正値がそれぞれδL*=0.93,δa*=0.21,δb*=-0.08である場合には、この色調補正値により補正された正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データの数値はそれぞれL*=77.06,a*=3.20,b*=12.00となる。
歯牙色調基準色データ抽出手段は、歯牙色調データ補正手段により補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式4に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の色調情報データを抽出するものであり、歯牙基準色識別情報データ出力手段が作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する際に、歯牙基準色識別情報データ出力手段に補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の色調情報データを提供する役目を果たす。
Figure 0003710802
この歯牙色調基準色データ抽出手段が歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから歯牙色調データ補正手段により補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の色調情報データを抽出する処理としては、先ず補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、データテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出する。
次に、算出されたデータテーブル内のそれぞれの歯牙基準色の色調情報データのΔL*値,Δa*値,Δb*値に基づいて、データテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データについて、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データとの色調の違いのズレ量を表すΔEを算出する。この色調の違いのズレ量を表すΔEを算出する方法としては、算出されたΔL*値,Δa*値,Δb*値を下記の数式に代入して算出す
Figure 0003710802
最後に、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから歯牙色調データ補正手段により補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の色調情報データを抽出する処理ができる。
歯牙基準色識別情報データ出力手段は、歯牙色調基準色データ抽出手段により抽出された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力するものであり、一連の手段による処理の最終結果である補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する役目を果たす。
この歯牙基準色識別情報データ出力手段によって出力される歯牙色調基準色データ抽出手段により抽出された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データは、例えばコンピュータに別途接続されたプリンタによって紙に印刷されて出力されたり、図6に示す如くディスプレー上に表示されて出力されたりしてもよい。
このような構成の本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムにおいて、コンピュータを更に、補正値算出手段により算出された色調補正値に基づいて画像データ入力手段により入力された画像データ全体の色調を補正する画像データ補正手段、この画像データ補正手段により補正された画像データを出力する補正画像データ出力手段、として更に機能させれば、入力された画像データ全体が色調補正値に基づいて補正された画像データを得ることができるばかりでなく、正確に再現された画像データを歯科技工士が目視によって確認できるので、好適な色調の歯牙材料の選択決定のミスを殆ど防ぐことができて好ましい。
この画像データ補正手段は、画像データ全体のそれぞれのドットの色調を分析して、画像データ全体のドットのL*値,a*値,b*値を算出して、その算出された画像データ全体のそれぞれのドットのL*値,a*値,b*値に、補正値算出手段により算出された色調補正値のδL*値,δa*値,δb*値を算して、画像データ全体の色調を補正する。
そして、補正画像データ出力手段によって出力される画像データ補正手段により補正された画像データは、例えばコンピュータに別途接続されたプリンタによって紙に印刷されて出力されたり、ディスプレー上に表示されて出力されたり、または画像データのファイルとしてハードディスクドライブ等のコンピュータの記憶部に出力し、そのファイルをLANやインターネットのメールを用いて別のコンピュータに送信したりしてもよい。
次に、このような構成の本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムの使用方法及び歯牙材料色調選択支援方法について説明する。
初めに準備として、ハードディスクドライブ等のコンピュータの記憶部に、歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルを記憶させる操作を行う。
この操作は、通常は歯牙材料色調選択支援プログラムをコンピュータにインストールする際に、インストールプログラムによって自動的にデータテーブルもコンピュータの記憶部に記憶されるが、データテーブルが単なる一覧表の如きデータファイルに格納されている場合には、そのデータテーブルが格納されているデータファイルを手動でコンピュータの記憶部に記憶させてもよい。
このような準備が完了した後に、図2のフローチャートに示すような一連の処理を行う。先ず、最初の処理として作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sと、少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具Kとが同時に撮影されている画像データを入力する処理を行うと共に、その画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを入力する処理を行う。
この画像データの入力処理は、画像データをUSBやIEEE1394等のインターフェイスを用いてデジタルカメラとコンピュータとをケーブルで繋いで、デジタルカメラ内のメモリ等に記憶された画像データを転送してコンピュータに入力したり、画像データが記憶されたデジタルカメラ内のメモリカード等をデジタルカメラから脱着してそのメモリカード等をコンピュータのインターフェイスに差し込んで画像データを転送してコンピュータに入力したり、他のコンピュータ内に記憶された画像データのファイルをLANやインターネットのメールを用いて転送してコンピュータに入力したり、または銀塩カメラで撮影された写真をコンピュータに接続されたスキャナで読み込んで画像データに変換してその画像データをコンピュータに入力したりすることによって行う。
この画像データの入力処理によって入力される画像データとしては、8ビットや16ビットの色情報を持たせる方式のものを用いることもできるが、表現できる色の数が多い24ビットや32ビットの色情報を持たせる方式のものを用いることが望ましく、また画像データの画像形式としては、例えばJPGE形式、Bitmap形式やTIFF形式等の画像を点の集まりとして記憶する画像形式を用いることができる。
また、基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの入力処理は、例えば図4に示すようなディスプレーに表示された基準具Kの歯牙基準色の設定入力画面によりキーボートやマウス等のコンピュータの入力部を用いて行う。この設定入力画面では、先ずマウスを用いてプルダウンをクリックして所望の基準具Kの歯牙基準色の色の数を選択し、次に設定入力した基準具Kの歯牙基準色の色の数の分だけ、マウスを用いてプルダウンをクリックしてそれぞれの所望の歯牙基準色の識別情報データを選択することにより、基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの設定入力を行う。
この基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの入力処理は、画像データの入力処理を行う際にその都度行ってもよいが、予め基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの入力処理を行っておけば、その都度入力処理する手間が省けるばかりでなく、基準具Kの歯牙基準色の識別情報データの入力処理ミスにより誤った色調の歯牙補綴物を作製してしまうことがないと共に、いつも同じ基準具を使用することができて好ましい。
次に、画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と画像データ内の歯牙基準色の色調を有する基準具Kの色調とをそれぞれ分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理を行う。この数値化処理は、画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの領域と画像データ内の歯牙基準色の基準具Kの領域とを自動的に認識し、それぞれの領域の色調を分析して、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調と基準具Kの色調とを色調情報データとして数値化するようにして行ってもよく、また図3に示すような作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sと歯牙基準色の色調を有する基準具Kとが同時に撮影されている画像データ内で、マウスを用いて個別に手動によりそれぞれの画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの領域と画像データ内の基準具Kの領域とを設定して、それぞれの領域の色調を分析して、歯牙補綴物の作製対象の歯牙Sの色調と歯牙基準色が着色された基準具Kの色調とを色調情報データとして数値化するようにして行ってもよい。
この数値化処理において、画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理と、画像データ内の基準具Kの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理とを同時に行っても個別に行ってもよいが、画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理は、少なくとも色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する処理を行う前までには完了させておく必要があり、一方画像データ内の基準具Kの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理は、基準具Kの色調を有する歯牙基準色の色調情報データと抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値を算出する処理を行う前までには完了させておく必要がある。
次いで、データテーブルから入力された基準具Kの色調を有する歯牙基準色の識別情報データと一致した識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出させる処理を行う。この抽出処理は、画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データを入力する処理によって入力された画像データに撮影された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データに基づいて、コンピュータの記憶部に予め記憶させた歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルから、基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致した識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出させるものである。
次いで、基準具Kの歯牙基準色の色調情報データと抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値を算出する処理を行う。この算出処理は、画像データ内の基準具Kの色調を分析し色調情報データとして数値化させる処理によって数値化された基準具Kの歯牙基準色の色調情報データと、データテーブルから入力された基準具Kの歯牙基準色の識別情報データと一致した識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出させる処理によって抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出するものである。
この算出処理によって算出された色調補正値は、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する処理により正確な色調に補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを得る際に使用されるものであるだけでなく、画像データ全体の色調を補正して正確な色調の画像データを得る際に使用することもできる。
次いで、算出された色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する処理を行う。この補正処理は、色調補正値を算出する処理によって算出された色調補正値であるδL*値,δa*値,δb*値を、画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させる処理によって数値化された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯SのL*値,a*値,b*値から減算して色調を補正して、正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調を得るための処理である。
次いで、データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出する処理を行う。この抽出処理は、コンピュータの記憶部に予め記憶させた歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルから、算出された色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データを補正する処理によって補正された正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出するものである。
この補正された正確な作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データの抽出方法としては、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データはL*a*b*表色系に基づいたものであるので、下記の数式6に基づいてズレ量を表すΔEを算出し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出するのである。
Figure 0003710802
最後に、抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力する処理を行う。この出力処理は、データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯Sの色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出する処理によって抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力するものである。
この出力処理によって得られる出力結果は、例えばコンピュータに別途接続されたプリンタによって紙に印刷されて出力されたり、図6に示すようにディスプレー上に表示されて出力されたりしてもよく、また図6に示すような表示画面である場合には、画面の下方に位置する「結果の保存」のボタンをマウス等でクリックすることにより、その画面に表示された出力結果をデータファイルとしてハードディスク等のコンピュータの記憶部に記憶させて保存することができ、またそのコンピュータの記憶部に保存された出力結果のデータファイルをフレキシブルディスク等のリムーバブルディスクに複製したり、インターネットのメールの添付ファイルとして添付したりすることによって、出力結果を歯科技工士に送ることができる。また、出力結果は2次元や3次元の色調マップを用いて色調情報データを表示するとより判り易いので好ましい。
本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムの構成の1実施例を示すブロック図である。 本発明に係る歯牙材料色調選択支援プログラムの1実施例の動作概要を示すフローチャートである。 本発明に使用される画像データの1例を示す説明図である。 本発明における基準具の歯牙基準色の設定入力画面の1例を示す説明図である。 本発明における作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯及び基準具の歯牙基準色の領域選択設定画面の1例を示す説明図である。 本発明における作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する結果表示画面の1例を示す説明図である。
符号の説明
S 作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯
K 基準具

Claims (4)

  1. 少なくとも残存歯が存在する口腔内に適用するために作製しようとする歯牙補綴物における歯牙の色調に合った好適な色調の歯牙材料の選択を支援するためにコンピュータを、
    歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルを予め記憶しておく歯牙基準色データ記憶手段、
    作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と、少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データを入力する画像データ入力手段、
    該画像データ入力手段により入力される画像データにおける基準具の歯牙基準色の識別情報データを入力する識別情報データ入力手段、
    該画像データ入力手段により入力された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する画像歯牙データ分析手段、
    該画像データ入力手段により入力された画像データ内の基準具の色調を分析し色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化する画像基準具データ分析手段、
    前記歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブルから該識別情報データ入力手段により入力された基準具の歯牙基準色の識別情報データと一致する識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出する基準具歯牙基準色データ抽出手段、
    該画像基準具データ分析手段により数値化された基準具の色調の色調情報データと、該基準具歯牙基準色データ抽出手段により抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出する補正値算出手段、
    該補正値算出手段により算出された色調補正値であるδL*値,δa*値,δb*値を該画像歯牙データ分析手段により数値化された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データであるL*値,a*値,b*値から減算して補正する歯牙色調データ補正手段、
    該歯牙色調データ補正手段により補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、該歯牙基準色データ記憶手段に記憶されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、該補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式1に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、データテーブルから該補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データを有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出する歯牙色調基準色データ抽出手段、
    該歯牙色調基準色データ抽出手段により抽出され補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と一致又は近似した歯牙基準色の識別情報データを出力する歯牙基準色識別情報データ出力手段、
    として機能させるための歯牙材料色調選択支援プログラム。
    Figure 0003710802
  2. 識別情報データ入力手段に、画像データ入力手段により入力される画像データ内の基準具の少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データが予め入力されている請求項1に記載の歯牙材料色調選択支援プログラム。
  3. コンピュータを更に、補正値算出手段により算出された色調補正値に基づいて画像データ入力手段により入力された画像データ全体の色調を補正する画像データ補正手段、
    該画像データ補正手段により補正された画像データを出力する補正画像データ出力手段、
    として機能させる請求項1又は2に記載の歯牙材料色調選択支援プログラム。
  4. 歯牙材料の色調の基準となる複数の歯牙基準色をそれぞれ識別するために割り当てられる識別情報データと、その歯牙基準色の色調をL*a*b*表色系により数値化した色調情報データとが対応させられているデータテーブルが予め記憶されたコンピュータに、作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯と少なくとも1つの歯牙基準色の色調を有する基準具とが同時に撮影されている画像データを入力すると共に、画像データに撮影された基準具の歯牙基準色の識別情報データを入力し、入力された画像データ内の作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調と基準具の色調とをそれぞれ分析して色調情報データとしてL*a*b*表色系により数値化させ、前記データテーブルから入力された基準具の歯牙基準色の識別情報データと一致した識別情報データを有する歯牙基準色の色調情報データを抽出させ、基準具における歯牙基準色の色調情報データと抽出された歯牙基準色の色調情報データとを略一致させるための色調補正値として両色調情報データのL*値,a*値,b*値同士の差を表すδL*値,δa*値,δb*値を算出させた後、算出された色調補正値に基づいて作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データを前記δL*値,δa*値,δb*値を減算することにより補正させ、しかる後に補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値を基に、前記データテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのそれぞれのL*値,a*値,b*値の数値について、補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データのL*値,a*値,b*値との差を表すそれぞれのΔL*値,Δa*値,Δb*値を算出して下記の数式2に代入し、算出されたデータテーブル内の総ての歯牙基準色の色調情報データのΔEの数値の中で、ゼロ又は最もゼロに近いΔEの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出することにより、前記データテーブルから補正された作製しようとする歯牙補綴物の歯牙又は隣在歯の色調の色調情報データと一致又は近似した色調情報データの数値を有する少なくとも1つの歯牙基準色の識別情報データを抽出させ、その抽出された歯牙基準色の識別情報データを出力させることを特徴とする歯牙材料色調選択支援方法。
    Figure 0003710802
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