JP3710107B2 - ドアクローザの停止装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアクローザの停止装置(以下単に停止装置という)に係り、特に、扉の任意の開角度でドアクローザを停止させることができる新規な停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドアクローザは、周知のように、所謂オイルダンパーによる緩衝を利用しつつばねで扉を閉鎖する装置である。
【0003】
ところで、ドアクローザを装着した扉は何時も閉鎖方向に付勢されているから、扉口における家具や大きな荷物の通過の際にこのドアクローザの閉鎖力が邪魔になることがある。
【0004】
その為、扉の開角度を一時的に一定値に保持し、大きな荷物の通過の際扉を押えておかなくても済む停止装置が種々提案されている。
【0005】
その代表的なものは、ドアクローザのピニオンと扉或いは扉枠とを連結するV字形のリンク機構に停止装置を組込むもので、例えばリンク機構の関節部にクリック装置を設け、リンク機構がある一定の開脚度に達したときクリック装置が働いてリンク機構のその開脚度を準安定的に保つ。
【0006】
また、他の停止装置は、ドアクローザのシリンダ内のラック及びピニオンの噛み合い構造に工夫を凝らし、扉が開いてその開角度がある一定値に達すると、ラックとピニオンの噛み合いが外れてばねに付勢されたラックがピニオンを回動させることができなくなる為、ドアクローザの閉鎖作用を停止させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、従来の停止装置は、何れも、保持できる扉の開角度がある程度大きく、しかも一定値である。従って、通気の為ドアチェーンを掛けた状態で扉を僅かに開ける、ということはできないし、また、人が通過するに充分な角度を超えて大きく扉を開けなければ停止装置が作動しない、など、改良すべき点がある。
【0008】
この発明は、扉の任意の開角度で作動し、しかも構造が簡単である新規な停止装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、ピストンの低圧側の端部に嵌装されたピストンリングと、ピストンの低圧側の端部に組み込まれたボール弁と、作動油が充填されたシリンダーの低圧側の開口端を閉塞するシリンダリアキャップを液密に貫通し、シリンダーの軸線と平行な第1操作杆と、シリンダー内におけるこの第1操作杆と同軸に延在する杆体で、内端に上記ボール弁を開閉するトリガーピンを突設し、外端部を第1操作杆と長さ方向に摺動可能に係合させると共に、相対回動を拘束された第2操作杆と、この第2操作杆の内端部をボール弁に連係させる回転−直線運動変換機構とを有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。
図1において符号1はゴム製のピストンリングを示し、このピストンリング1は、ラック2を形成したピストン3の低圧側の端部に嵌装されている。
【0011】
なお、図2に明示するように、このピストンリング1の外周を例えばテフロンシート1a等で被覆し、ピストンリング1と作動油を充填したシリンダー4(図1参照)の内周面との滑りを良くする。
【0012】
上記のようにピストン3にピストンリング1を嵌装すると、クローザの作動時作動油がピストンリング1をシリンダー4の内周面に押し付けるように弾性変形させ、その結果作動油の漏洩が完全に防止される。
【0013】
ちなみに、ピストンリング1は、図3(A)に示すように、生ゴムシート1bに接着剤によりテフロンシート1aを重合して所定の形に打ち抜き、図3(B)に示すように、型に入れて浅いカップ状に加硫成形し、図3(C)に示すように、成形後中央部を打ち抜いて製造する。
【0014】
また、ピストン3の低圧側の端部には、図1及び図2に示すように、全体を符号5で示すボール弁が組み込まれている。
【0015】
図示の実施例におけるボール弁5は、図2に明示するように、ピストン3の低圧側の端部を同軸に貫通する作動油の環流孔6を弁胴とし、O−リング7を介してピストン3の低圧側の端面にねじ8止めされたフランジ付の弁座筒9の内側の開口端縁を弁座とし、ボール11を弁体とする開閉弁である。
【0016】
なお、図2において符号12はボール11がボール弁5から逸脱することを防止する係止ロッドで、ピストン3の低圧側の端部を直径方向に貫通している(図1参照)。
【0017】
一方、図1に示すように、シリンダー4の低圧側の内筒部には、第1操作杆13がシリンダー4と同軸に延在しており、その外端部(図1で符号を通常に見て右端部)は、シリンダー4の低圧側の開口端を閉塞するシリンダリアキャップ14を液密に貫通している。
【0018】
図示の実施例では、この第1操作杆13は、内周面にその母線に沿ってガイド溝15を形成した案内筒16と、この案内筒16の外端部に圧入されたフランジ付の操作軸17との2部品からなっている。
【0019】
上記のように第1操作杆を2つの部品で構成した理由は、ガイド溝15をブローチ盤で加工し易くするためである。
【0020】
上記操作軸17のシリンダリアキャップを貫通する部分にはO−リング7を嵌装して第1操作杆13とシリンダリアキャップ14との嵌合部を液密に封止する一方、操作軸17のシリンダリアキャップ外面付近に止め輪18を嵌着し、操作軸17に一体に形成されたフランジと共に第1操作杆のシリンダリアキャップからの抜け止めとする。
【0021】
また、第1操作杆13のシリンダリアキャップ14外に突出した外端には、図示しないセットねじにより、レバー状の外部操作部材19が装着されている。
【0022】
他方、図1及び図2に示すように、前記弁座胴9と一体のフランジの外面に、弁座胴9と同軸にガイド筒21が一体に形成されている。
【0023】
このガイド筒21のフランジ部付近には、図2に明示するように、少なくとも1個の連通孔22が開口しており、また、中央部には、螺旋或いは螺旋状をなすカム溝23が開口している。
【0024】
そして、このガイド筒21には、内端にトリガーピン24を突設した棒状の第2操作杆25の内端部が回動かつ摺動可能に嵌合している。
【0025】
また、この第2操作杆25の内端部外周面に突設された係合ピン26(図2参照)は、上記カム溝23に摺動可能に係合している。
【0026】
上記した構成により、第2操作杆25がその中心軸線回りを回転すると、カム溝23と係合ピン26との相対移動によって生じる楔作用により、第2操作杆25は全体としてその中心軸線方向に移動する。すなわち、カム溝23と係合ピン26とは、回転−直線運動変換機構20を構成する。
【0027】
更にまた、第2操作杆25の外端部は、図1に示すように、案内筒16に摺動可能に嵌合しており、加えて、第2操作杆25の外端部外周面に突設された係止ピン27は案内筒16の内筒に形成された前記ガイド溝15に摺動可能に係合している。
【0028】
上記した構成により、図1に実線で示す扉閉鎖時における第2操作杆25の位置から、図1に2点鎖線で示す扉開放時における第2操作杆25の位置に至るまで、第1及び第2操作杆13、25は干渉すること無くシリンダー軸線方向における相対位置関係を連続的に変えることができる。
【0029】
換言すれば、第1及び第2操作杆13、25を1本の棒と見たとき、この棒はシリンダー内で伸縮することができる。
【0030】
また、第2操作杆25は、係止ピン27と案内筒のガイド溝15との係合により、第1操作杆13の軸線、すなわち図示の実施例ではシリンダーの軸線回りの相対回動ができないように拘束されている。
【0031】
なお、図1において符号28は油抜き孔を示し、この油抜き孔28の存在により、案内筒16内の作動油を圧縮すること無く、第2操作杆25の移動が円滑に行われるが、案内筒16にその母線に沿ってスリットを形成すればこの油抜き孔は必要無いことは勿論である。
【0032】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による停止装置は、ドアクローザの通常の使用状態、すなわち停止装置を作動させないときには、外部操作部材19を図1に実線で示す角度位置に置く。
【0033】
このときには、図2に示すように、回転−直線運動変換機構の係合ピン26はカム溝23のボール弁5に近い端部に位置しており、その為第2操作杆25の内端のトリガーピン24はボール11を弁座から排除してボール弁5を開いている。
【0034】
周知のように、ドアクローザは、ピストン3に圧縮された作動油がシリンダー内に組み込まれたオリフィスを通るときの粘性抵抗を利用して緩衝する一種の油圧装置である。
【0035】
上記オリフィスをシリンダーの高圧側の開口端を閉塞するシリンダキャップ内に設けるドアクローザもあるし、また、シリンダーに平行なオリフィス孔に設けるものもある。
【0036】
しかしながら、何れのタイプのドアクローザでも、オリフィスを通った作動油をシリンダーの低圧部に戻す排出孔(図示せず)は、ピストンの全行程において、ピストンの低圧側の端部より高圧側に開口している。
【0037】
換言すれば、上記排出孔は必ず本発明におけるボール弁5より高圧側に存在する。それは、排出孔がピストンの低圧側の端部より低圧側に存在するようにドアクローザを設計した場合、ピストンの低圧側の端部がその排出孔を閉塞する場合が必ずあり、その場合にはオリフィスを通った作動油がシリンダーに戻らないので、ドアクローザが停止してしまうからである。
【0038】
上記した理由により、ドアクローザの種類によらず、ピストン3の高圧側への移動(扉閉鎖時)又は低圧側への移動(手による扉の開放時)の何れの場合も、作動油はボール弁5を通過する。
【0039】
すなわち、扉閉鎖時には、作動油は高圧側からボール弁5を通り、連通孔22(図2参照)を通ってシリンダーの低圧側に抜ける。一方、扉開放時には、作動油は連通孔22、ボール弁5の順でボール弁に関し高圧側に抜ける。
【0040】
何れの場合も、ボール弁5が開いていれば上記作動油の流通には差し支えない訳で、換言すればドアクローザは正常に作動する。
【0041】
この発明による停止装置を作動させて、閉鎖しようとする扉を途中で停止させるには、図1に示す外部操作部材19を例えば手指により手前側に動かして、紙面に垂直にする。
【0042】
このとき、シリンダリアキャップ14側から見て第1及び第2操作杆13、25は一体的に時計方向に回動する。
【0043】
この回動により、第2操作杆に突設された係合ピン26(図2参照)がカム溝23内をボール弁5から離間する方向に移動し、その結果、図4に示すように、係合ピン26と一体のトリガーピン24がボール弁5のボール11と干渉しない位置にまで退避する。
【0044】
すると、ボール弁5を通って低圧側に抜けようとする作動油の圧力により、ボール11が弁座に着座してボール弁5が閉じる。
【0045】
前記したように、オリフィス孔を通った作動油の排出孔はボール弁5に関し高圧側にあるから、ボール弁5より前方のシリンダ内空間は作動油が充填された閉じられた空間となる。
【0046】
その為、ピストン3はそれ以上高圧側、すなわち扉閉鎖方向に移動することができず、扉はその開角度位置で停止する。
【0047】
この発明による停止装置の作動を解除するには、外部操作部材19を図1に示す元の角度位置に戻す。
【0048】
すると、シリンダリアキャップ14側から見て第1及び第2操作杆13、25は反時計方向に一体的に回動し、回転−直線運動変換機構20が図2に示す常態に戻る。
【0049】
このときには、トリガーピン24がボール11を弁座から排除し、ボール弁5が開くので、通常のドアクローザの作動により扉が閉じる、すなわち停止装置が解除されるのは前記したとおりである。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ピストンの低圧側の端部にボール弁を組み込み、これを第1及び第2操作杆、回転−直線運動変換機構及びトリガーピンを介して外部から開閉できるようにしたので、簡単な機構でドアクローザの停止装置を提案するという所期の目的を達成している。
【0051】
また、ボール弁をピストンの低圧側の端部に組み込むようにしたから、オリフィスがシリンダーの高圧側の開口を閉塞するシリンダキャップに組み込まれたドアクローザにも、また、シリンダーに平行なオリフィス孔にオリフィスが組み込まれたドアクローザにもこの発明を適用することができ、汎用性が高い、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に一実施例による停止装置の鉛直な平面による縦断面図。
【図2】図1に示す停止装置の水平な平面による要部拡大縦断面図で、停止装置が作動していない常態を示す。
【図3】ピストンリングの製造法の一例を説明するための線図。
【図4】図1に示す停止装置の水平な平面による要部拡大縦断面図で、停止装置が作動している状態を示す。
【符号の説明】
1 ピストンリング
3 ピストン
4 シリンダー
5 ボール弁
6 環流孔
11 ボール
13 第1操作杆
14 シリンダリアキャップ
15 ガイド溝
19 外部操作部材
20 回転−直線運動変換機構
21 ガイド筒
22 連通孔
23 カム溝
24 トリガーピン
25 第2操作杆
26 係合ピン
27 係止ピン
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアクローザの停止装置(以下単に停止装置という)に係り、特に、扉の任意の開角度でドアクローザを停止させることができる新規な停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドアクローザは、周知のように、所謂オイルダンパーによる緩衝を利用しつつばねで扉を閉鎖する装置である。
【0003】
ところで、ドアクローザを装着した扉は何時も閉鎖方向に付勢されているから、扉口における家具や大きな荷物の通過の際にこのドアクローザの閉鎖力が邪魔になることがある。
【0004】
その為、扉の開角度を一時的に一定値に保持し、大きな荷物の通過の際扉を押えておかなくても済む停止装置が種々提案されている。
【0005】
その代表的なものは、ドアクローザのピニオンと扉或いは扉枠とを連結するV字形のリンク機構に停止装置を組込むもので、例えばリンク機構の関節部にクリック装置を設け、リンク機構がある一定の開脚度に達したときクリック装置が働いてリンク機構のその開脚度を準安定的に保つ。
【0006】
また、他の停止装置は、ドアクローザのシリンダ内のラック及びピニオンの噛み合い構造に工夫を凝らし、扉が開いてその開角度がある一定値に達すると、ラックとピニオンの噛み合いが外れてばねに付勢されたラックがピニオンを回動させることができなくなる為、ドアクローザの閉鎖作用を停止させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、従来の停止装置は、何れも、保持できる扉の開角度がある程度大きく、しかも一定値である。従って、通気の為ドアチェーンを掛けた状態で扉を僅かに開ける、ということはできないし、また、人が通過するに充分な角度を超えて大きく扉を開けなければ停止装置が作動しない、など、改良すべき点がある。
【0008】
この発明は、扉の任意の開角度で作動し、しかも構造が簡単である新規な停止装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、ピストンの低圧側の端部に嵌装されたピストンリングと、ピストンの低圧側の端部に組み込まれたボール弁と、作動油が充填されたシリンダーの低圧側の開口端を閉塞するシリンダリアキャップを液密に貫通し、シリンダーの軸線と平行な第1操作杆と、シリンダー内におけるこの第1操作杆と同軸に延在する杆体で、内端に上記ボール弁を開閉するトリガーピンを突設し、外端部を第1操作杆と長さ方向に摺動可能に係合させると共に、相対回動を拘束された第2操作杆と、この第2操作杆の内端部をボール弁に連係させる回転−直線運動変換機構とを有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。
図1において符号1はゴム製のピストンリングを示し、このピストンリング1は、ラック2を形成したピストン3の低圧側の端部に嵌装されている。
【0011】
なお、図2に明示するように、このピストンリング1の外周を例えばテフロンシート1a等で被覆し、ピストンリング1と作動油を充填したシリンダー4(図1参照)の内周面との滑りを良くする。
【0012】
上記のようにピストン3にピストンリング1を嵌装すると、クローザの作動時作動油がピストンリング1をシリンダー4の内周面に押し付けるように弾性変形させ、その結果作動油の漏洩が完全に防止される。
【0013】
ちなみに、ピストンリング1は、図3(A)に示すように、生ゴムシート1bに接着剤によりテフロンシート1aを重合して所定の形に打ち抜き、図3(B)に示すように、型に入れて浅いカップ状に加硫成形し、図3(C)に示すように、成形後中央部を打ち抜いて製造する。
【0014】
また、ピストン3の低圧側の端部には、図1及び図2に示すように、全体を符号5で示すボール弁が組み込まれている。
【0015】
図示の実施例におけるボール弁5は、図2に明示するように、ピストン3の低圧側の端部を同軸に貫通する作動油の環流孔6を弁胴とし、O−リング7を介してピストン3の低圧側の端面にねじ8止めされたフランジ付の弁座筒9の内側の開口端縁を弁座とし、ボール11を弁体とする開閉弁である。
【0016】
なお、図2において符号12はボール11がボール弁5から逸脱することを防止する係止ロッドで、ピストン3の低圧側の端部を直径方向に貫通している(図1参照)。
【0017】
一方、図1に示すように、シリンダー4の低圧側の内筒部には、第1操作杆13がシリンダー4と同軸に延在しており、その外端部(図1で符号を通常に見て右端部)は、シリンダー4の低圧側の開口端を閉塞するシリンダリアキャップ14を液密に貫通している。
【0018】
図示の実施例では、この第1操作杆13は、内周面にその母線に沿ってガイド溝15を形成した案内筒16と、この案内筒16の外端部に圧入されたフランジ付の操作軸17との2部品からなっている。
【0019】
上記のように第1操作杆を2つの部品で構成した理由は、ガイド溝15をブローチ盤で加工し易くするためである。
【0020】
上記操作軸17のシリンダリアキャップを貫通する部分にはO−リング7を嵌装して第1操作杆13とシリンダリアキャップ14との嵌合部を液密に封止する一方、操作軸17のシリンダリアキャップ外面付近に止め輪18を嵌着し、操作軸17に一体に形成されたフランジと共に第1操作杆のシリンダリアキャップからの抜け止めとする。
【0021】
また、第1操作杆13のシリンダリアキャップ14外に突出した外端には、図示しないセットねじにより、レバー状の外部操作部材19が装着されている。
【0022】
他方、図1及び図2に示すように、前記弁座胴9と一体のフランジの外面に、弁座胴9と同軸にガイド筒21が一体に形成されている。
【0023】
このガイド筒21のフランジ部付近には、図2に明示するように、少なくとも1個の連通孔22が開口しており、また、中央部には、螺旋或いは螺旋状をなすカム溝23が開口している。
【0024】
そして、このガイド筒21には、内端にトリガーピン24を突設した棒状の第2操作杆25の内端部が回動かつ摺動可能に嵌合している。
【0025】
また、この第2操作杆25の内端部外周面に突設された係合ピン26(図2参照)は、上記カム溝23に摺動可能に係合している。
【0026】
上記した構成により、第2操作杆25がその中心軸線回りを回転すると、カム溝23と係合ピン26との相対移動によって生じる楔作用により、第2操作杆25は全体としてその中心軸線方向に移動する。すなわち、カム溝23と係合ピン26とは、回転−直線運動変換機構20を構成する。
【0027】
更にまた、第2操作杆25の外端部は、図1に示すように、案内筒16に摺動可能に嵌合しており、加えて、第2操作杆25の外端部外周面に突設された係止ピン27は案内筒16の内筒に形成された前記ガイド溝15に摺動可能に係合している。
【0028】
上記した構成により、図1に実線で示す扉閉鎖時における第2操作杆25の位置から、図1に2点鎖線で示す扉開放時における第2操作杆25の位置に至るまで、第1及び第2操作杆13、25は干渉すること無くシリンダー軸線方向における相対位置関係を連続的に変えることができる。
【0029】
換言すれば、第1及び第2操作杆13、25を1本の棒と見たとき、この棒はシリンダー内で伸縮することができる。
【0030】
また、第2操作杆25は、係止ピン27と案内筒のガイド溝15との係合により、第1操作杆13の軸線、すなわち図示の実施例ではシリンダーの軸線回りの相対回動ができないように拘束されている。
【0031】
なお、図1において符号28は油抜き孔を示し、この油抜き孔28の存在により、案内筒16内の作動油を圧縮すること無く、第2操作杆25の移動が円滑に行われるが、案内筒16にその母線に沿ってスリットを形成すればこの油抜き孔は必要無いことは勿論である。
【0032】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による停止装置は、ドアクローザの通常の使用状態、すなわち停止装置を作動させないときには、外部操作部材19を図1に実線で示す角度位置に置く。
【0033】
このときには、図2に示すように、回転−直線運動変換機構の係合ピン26はカム溝23のボール弁5に近い端部に位置しており、その為第2操作杆25の内端のトリガーピン24はボール11を弁座から排除してボール弁5を開いている。
【0034】
周知のように、ドアクローザは、ピストン3に圧縮された作動油がシリンダー内に組み込まれたオリフィスを通るときの粘性抵抗を利用して緩衝する一種の油圧装置である。
【0035】
上記オリフィスをシリンダーの高圧側の開口端を閉塞するシリンダキャップ内に設けるドアクローザもあるし、また、シリンダーに平行なオリフィス孔に設けるものもある。
【0036】
しかしながら、何れのタイプのドアクローザでも、オリフィスを通った作動油をシリンダーの低圧部に戻す排出孔(図示せず)は、ピストンの全行程において、ピストンの低圧側の端部より高圧側に開口している。
【0037】
換言すれば、上記排出孔は必ず本発明におけるボール弁5より高圧側に存在する。それは、排出孔がピストンの低圧側の端部より低圧側に存在するようにドアクローザを設計した場合、ピストンの低圧側の端部がその排出孔を閉塞する場合が必ずあり、その場合にはオリフィスを通った作動油がシリンダーに戻らないので、ドアクローザが停止してしまうからである。
【0038】
上記した理由により、ドアクローザの種類によらず、ピストン3の高圧側への移動(扉閉鎖時)又は低圧側への移動(手による扉の開放時)の何れの場合も、作動油はボール弁5を通過する。
【0039】
すなわち、扉閉鎖時には、作動油は高圧側からボール弁5を通り、連通孔22(図2参照)を通ってシリンダーの低圧側に抜ける。一方、扉開放時には、作動油は連通孔22、ボール弁5の順でボール弁に関し高圧側に抜ける。
【0040】
何れの場合も、ボール弁5が開いていれば上記作動油の流通には差し支えない訳で、換言すればドアクローザは正常に作動する。
【0041】
この発明による停止装置を作動させて、閉鎖しようとする扉を途中で停止させるには、図1に示す外部操作部材19を例えば手指により手前側に動かして、紙面に垂直にする。
【0042】
このとき、シリンダリアキャップ14側から見て第1及び第2操作杆13、25は一体的に時計方向に回動する。
【0043】
この回動により、第2操作杆に突設された係合ピン26(図2参照)がカム溝23内をボール弁5から離間する方向に移動し、その結果、図4に示すように、係合ピン26と一体のトリガーピン24がボール弁5のボール11と干渉しない位置にまで退避する。
【0044】
すると、ボール弁5を通って低圧側に抜けようとする作動油の圧力により、ボール11が弁座に着座してボール弁5が閉じる。
【0045】
前記したように、オリフィス孔を通った作動油の排出孔はボール弁5に関し高圧側にあるから、ボール弁5より前方のシリンダ内空間は作動油が充填された閉じられた空間となる。
【0046】
その為、ピストン3はそれ以上高圧側、すなわち扉閉鎖方向に移動することができず、扉はその開角度位置で停止する。
【0047】
この発明による停止装置の作動を解除するには、外部操作部材19を図1に示す元の角度位置に戻す。
【0048】
すると、シリンダリアキャップ14側から見て第1及び第2操作杆13、25は反時計方向に一体的に回動し、回転−直線運動変換機構20が図2に示す常態に戻る。
【0049】
このときには、トリガーピン24がボール11を弁座から排除し、ボール弁5が開くので、通常のドアクローザの作動により扉が閉じる、すなわち停止装置が解除されるのは前記したとおりである。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ピストンの低圧側の端部にボール弁を組み込み、これを第1及び第2操作杆、回転−直線運動変換機構及びトリガーピンを介して外部から開閉できるようにしたので、簡単な機構でドアクローザの停止装置を提案するという所期の目的を達成している。
【0051】
また、ボール弁をピストンの低圧側の端部に組み込むようにしたから、オリフィスがシリンダーの高圧側の開口を閉塞するシリンダキャップに組み込まれたドアクローザにも、また、シリンダーに平行なオリフィス孔にオリフィスが組み込まれたドアクローザにもこの発明を適用することができ、汎用性が高い、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に一実施例による停止装置の鉛直な平面による縦断面図。
【図2】図1に示す停止装置の水平な平面による要部拡大縦断面図で、停止装置が作動していない常態を示す。
【図3】ピストンリングの製造法の一例を説明するための線図。
【図4】図1に示す停止装置の水平な平面による要部拡大縦断面図で、停止装置が作動している状態を示す。
【符号の説明】
1 ピストンリング
3 ピストン
4 シリンダー
5 ボール弁
6 環流孔
11 ボール
13 第1操作杆
14 シリンダリアキャップ
15 ガイド溝
19 外部操作部材
20 回転−直線運動変換機構
21 ガイド筒
22 連通孔
23 カム溝
24 トリガーピン
25 第2操作杆
26 係合ピン
27 係止ピン
Claims (1)
- ピストンの低圧側の端部に嵌装されたピストンリングと、ピストンの低圧側の端部に組み込まれたボール弁と、作動油が充填されたシリンダーの低圧側の開口端を閉塞するシリンダリアキャップを液密に貫通し、シリンダーの軸線と平行な第1操作杆と、シリンダー内におけるこの第1操作杆と同軸に延在する杆体で、内端に上記ボール弁を開閉するトリガーピンを突設し、外端部を第1操作杆と長さ方向に摺動可能に係合させると共に、相対回動を拘束された第2操作杆と、この第2操作杆の内端部をボール弁に連係させる回転−直線運動変換機構とを有することを特徴とするドアクローザの停止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35320195A JP3710107B2 (ja) | 1995-12-30 | 1995-12-30 | ドアクローザの停止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35320195A JP3710107B2 (ja) | 1995-12-30 | 1995-12-30 | ドアクローザの停止装置 |
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JPH09184355A JPH09184355A (ja) | 1997-07-15 |
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- 1995-12-30 JP JP35320195A patent/JP3710107B2/ja not_active Expired - Fee Related
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