JP3710000B2 - トーショナルダンパの振動減衰装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジン等のようにトルク変動を伴う原動機の伝動系に緩衝の目的で挿入して用いるトーショナルダンパの振動減衰装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなトーショナルダンパの従来例としては、例えば、本願出願人が先に出願した特願平5−222358号明細書に記載されたものがある。このトーショナルダンパは、概念的には図4および図5のようなものであり、相互に駆動結合すべき2回転体(例えばエンジン出力軸およびトルクコンバータ)の一方(例えばトルクコンバータ)にボルト1で結合されたハブプレート2および該ハブプレートに同軸隣合わせに配して他方の回転体(例えばエンジン出力軸)にボルト3で結合されたサイドプレート4,5と、これらハブプレート2およびサイドプレート4,5間で動力伝達を行うよう円周方向に配したトーションスプリング6とを具える。
【0003】
トーションスプリング6は、ハブプレート2に軸線方向へ貫通させて形成した矩形窓2a内に、円周方向へ延在するよう収納し、該矩形窓から張り出すトーションスプリング6の線輪部分をサイドプレート4,5の矩形窓4a,5a内に受容する。これにより、トーションスプリング6の両端は矩形窓2a,4a,5aの円周方向両端に着座して、ハブプレート2とサイドプレート4,5とを相対回転中立位置に弾支し、合わせてトーションスプリング6は、これらハブプレート2とサイドプレート4,5との間で動力伝達を行うことができる。
【0004】
かくて、エンジン出力軸の回転は、ボルト3、サイドプレート4,5、トーションスプリング6、ハブプレート2、およびボルト1を順次介してトルクコンバータに伝達され、この動力伝達中、トーションスプリング6の弾性変形によってトルク変動を吸収し、所定の緩衝機能を果たすことができる。
【0005】
ところで、エンジンの始動時等における共振によって回転振動が発生すると、これはハブプレート2とサイドプレート4,5との間に大きな相対回転を惹起するが、かかる回転振動を以下の機構により減衰させる。
【0006】
すなわち、この従来のトーショナルダンパの振動減衰装置は、サイドプレート4,5の内面に回転係合させたリテーニングプレート7,8を向い合わせに具え、これらリテーニングプレート7,8間に摩擦ブロック9を介在させる。そして、皿ばね10をサイドプレート5およびリテーニングプレート8間に縮設して、リテーニングプレート8をリテーニングプレート7に向け附勢し、これにより摩擦ブロック9をリテーニングプレート7,8、したがってサイドプレート4,5に摩擦接触させる。
【0007】
摩擦ブロック9は、ハブプレート2の軸線方向に貫通させて形成したハブプレート窓部(円周方向長孔)2bに挿通し、このハブプレート窓部2bは摩擦ブロック9を径方向においてはこれを拘束するが、円周方向両方向には摩擦ブロック9を隙間αだけ、ハブプレート2に対し相対移動させ得る形状にする。さらに、トルクコンバータにボルト1で結合されるハブプレート2に形成した、摩擦ブロック9用のハブプレート窓部2bの両端には、衝撃吸収材11が設けられている。
【0008】
かかる振動減衰装置は、以下の如くに作用する。すなわち、隙間α未満の小さなトーショナルダンパの捩れ角のもとでは、摩擦ブロック9がハブプレート窓部2bの両端に衝接するに至らず、摩擦ブロック9はリテーニングプレート7,8に挟まれてこれらとともに、つまりサイドプレート4,5とともに、ハブプレート2に対し相対的に変位する。したがって、摩擦ブロック9は前記トーショナルダンパの緩衝機能に何等の影響も及ぼさず、トルク変動を確実に吸収することができる。
【0009】
ところで、エンジンの始動時等における共振によって回転振動が発生すると、これがハブプレート2とサイドプレート4,5との間にα以上の大きな相対回転(トーショナルダンパの大きな捩れ変位)を惹起する結果、摩擦ブロック9がハブプレート窓部2bの端部に設けた衝撃吸収材11に衝接してハブプレート2に係合する。かかるハブプレート2との係合により摩擦ブロック9は、サイドプレート4,5と一緒に変位し得なくなり、摩擦ブロック9はサイドプレート4,5に摩擦抵抗を付与し、図6に示すようにα以上のトーショナルダンパ捩れ変位領域で大きなヒステリシストルクを生起させる。このヒステリシストルクにより、上記の回転振動が減衰され、振動を抑制することができる。
その際、摩擦ブロック9は、サイドプレート4とともに円周方向制限範囲αだけハブプレート2に対し相対変位したとき、このハブプレート2に直接に衝突せず、衝撃吸収材11を介して衝接することとなるので、衝突に伴い大きな金属音が発生したり、反発に伴い振動が発生する問題を解消することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトーショナルダンパの振動減衰装置においては、ハブプレート窓部の両端の衝接部に夫々衝撃吸収材を設けることにより衝接に伴う音や振動を抑制する構造としていたため、ハブプレートの衝接部の全てに衝撃吸収材が必要になる結果、全体で摩擦ブロックの数の2倍の衝撃吸収材を配置する必要があり、部品点数が多くなって組立の作業性が低下し、コストアップを招く。
【0011】
本発明は、ハブプレート窓部の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を連結して衝 撃吸収材の所要数を半減させることにより、上記問題を解決することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、本発明の請求項1の構成は、相互に駆動結合すべき2つの回転体の一方に結合されたハブプレートおよび該ハブプレートに同軸隣合わせに配して他方の回転体に結合されたサイドプレートと、これらハブプレートおよびサイドプレート間で動力伝達を行うよう円周方向に配したトーションスプリングと、前記サイドプレートに摩擦接触するよう押圧され、前記ハブプレートに対し円周方向制限範囲を規定するハブプレート窓部内での相対移動後に衝接して係合する複数の摩擦ブロックとを具え、該摩擦ブロックの前記ハブプレートとの衝接部に衝撃吸収材を配置したトーショナルダンパにおいて、前記摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を、前記仕切部の回転軸線方向の両側面の片側もしくは両側で連結したことを特徴とするものである。
【0013】
上記において、前記摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を、前記仕切部の回転軸線方向の両側面の内の、熱容量の大きい方の片側で連結するのが、熱劣化を考慮して連結部を決定することにより衝撃吸収材の耐久性を確保するとともに、衝撃吸収材のコストダウンを図る上で好ましい。
【0014】
上記において、連結した衝撃吸収材の回転軸線方向寸法を前記摩擦ブロックの回転軸線方向寸法よりも小さくし、この連結した衝撃吸収材を前記摩擦ブロックに対し回転軸線方向の両側面の両側に配置されたリテーニングプレートの回転軸線方向の間隔の間に、両リテーニングプレートに接触しないように、両リテーニングプレートからそれぞれ回転軸線方向の隙間が形成されるように配置するのが、摩擦ブロック、衝撃吸収材、ハブプレート、リテーニングプレート等のレイアウトを、連結していない衝撃吸収材を用いている上記従来例と同一にして、設計の共通化を図る上で好ましい。
【0015】
【作用】
本発明の請求項1の構成においては、ハブプレートに結合した回転体と、サイドプレートに結合した回転体との間での動力伝達がトーションスプリングを介してなされる間のトルク変動がトーションスプリングの弾性変形により吸収され、所定の緩衝機能が果たされる。
【0016】
ここで、共振によりトーショナルダンパの回転振動が発生すると、これに伴うハブプレートおよびサイドプレート間の大きな相対回転により、摩擦ブロックは当初、摩擦接触しているサイドプレートとともに、そしてハブプレートに対し相対的に円周方向へ移動するが、円周方向制限範囲内(ハブプレート窓部内)での相対移動後に、ハブプレートに衝接して係合する。よって、上記円周方向制限範囲内での相対移動後に、摩擦ブロックとサイドプレートとの間に摩擦抵抗(ヒステリシストルク)が発生し、これにより上記の回転振動を減衰させることができる。
【0017】
ところで、摩擦ブロックと、これが円周方向制限範囲内での相対移動後に衝接して係合するハブプレートとの衝接部に、衝撃吸収材を介在させたから、当該係合が衝撃吸収材を介してなされることとなり、当該係合に伴い発生する金属音や、反発に伴い発生する振動を低減することができる。
【0018】
その際、前記衝撃吸収材として、摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を前記仕切部の回転軸線方向の両側面の片側もしくは両側で連結した衝撃吸収材を用いているので、装置全体で使用する衝撃吸収材の所要数は上記従来例に対し半減することになり、コストダウンを図ることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1(a)、(b)は夫々、本発明のトーショナルダンパの振動減衰装置の第1実施例の要部の構成を示す図およびそのA−A断面図である。図1(a)、(b)中、上述した従来例(特願平5−222358号明細書)を示す図4および図5と同様な部分には同一符号を付けてある。この第1実施例は、以下の変更を加えた部分を除き、上述した従来例と同様に構成する。
【0020】
この第1実施例は、図4および図5に示す従来例のトーショナルダンパの振動減衰装置に対する改良提案である。すなわち、図4および図5に示す従来例では、トーショナルダンパを介して相互に駆動結合すべきエンジン出力軸およびトルクコンバータ(何れも図示せず)の内、トルクコンバータにボルト1で結合されるハブプレート2に形成した摩擦ブロック9用のハブプレート窓部(円周方向長孔)2bの両端に夫々衝撃吸収材11を設けていたが、本実施例では、以下のようにして衝撃吸収材の使用数を半減させている。
なお、図1(a)では、摩擦ブロック9を図4の従来例と同一形状、同一寸法にしたハブプレート窓部2b内に従来例と同一の角度を占めるように配置しているので、遊び角も従来例と同一の角度αになる。よって、摩擦ブロック9は、リテーニングプレート7,8、ハブプレート2およびサイドプレート4,5に対する相対的位置関係を何等変更されておらず、従来例と同一レイアウトになっている。
【0021】
本実施例においては、上記従来例においてハブプレート窓部2bの両端に夫々設けていた衝撃吸収材11に相当する部材を、図1(a)、(b)に示すように連結して、一体化している。すなわち、図1(a)において2個所のハブプレート窓部2b間の仕切部2cを介して隣接する2つの衝撃吸収材12aおよび12bを、図1(b)に示すように仕切部2cの回転軸線方向の両側面の片側で連結して一体化した衝撃吸収材12としており、この図1(b)ではリテーニングプレート7側で連結している。このように連結することにより、摩擦ブロック9が発生するヒステリシストルクに影響が及ばないようにしている。なお、仕切部2cの回転軸線方向の両側面の両側で連結して一体化した衝撃吸収材12を用いてもよい。
【0022】
ここで、リテーニングプレート7側で衝撃吸収材12aおよび12bを連結した理由は、反対側(リテーニングプレート8側)で衝撃吸収材12aおよび12bを連結すると、図5に示すように、リテーニングプレート8は皿バネ10によって摩擦ブロック9に押圧付勢されているためサイドプレート5を経て熱を逃がし難く、サイドプレート4に直接熱を逃がすことができるリテーニングプレート7よりも熱容量が小さくなることから、摩擦ブロック9の摺動に伴いリテーニングプレート摺動面より発生する発熱量が同一であってもリテーニングプレート8側の方が温度上昇が大きくなり、熱劣化を受け易くなるからである。
【0023】
また、図1(b)に示すように、衝撃吸収材12は、その回転軸線方向寸法D1 を摩擦ブロック9の回転軸線方向寸法D2 よりも小さくして、衝撃吸収材12を摩擦ブロック9に対し回転軸線方向の両側面の両側に配置されたリテーニングプレート7、8の回転軸線方向の間隔D2 の範囲内に、リテーニングプレート7、8に接触しないように配置されている。このように衝撃吸収材12を配置することにより、摩擦ブロック9の押圧力(図2の摩擦ブロック9内に上下方向の矢印で示す)の大きさ、ひいてはヒステリシストルクの大きさに影響を及ぼさない構成としている。
【0024】
なお、上記において、衝撃吸収材12の回転軸線方向寸法(厚さ)D1 が摩擦ブロック9の回転軸線方向寸法(厚さ)D2 よりも大きいと、リテーニングプレート7、8の回転軸線方向の押圧力が衝撃吸収材12に作用して、摩擦ブロック9の回転軸線方向の押圧力(図2に摩擦ブロック9内の小さい矢印で示す)が発生しなくなるため、D1 はD2 よりも小さくする必要がある。
【0025】
以上の構成の本実施例において、共振によりトーショナルダンパの回転振動が発生すると、これに伴うハブプレート2およびサイドプレート4、5間の大きな相対回転により、摩擦ブロックは、当初、摩擦接触しているサイドプレートとともにハブプレート2に対し相対的に円周方向に移動するが、円周方向制限範囲内(ハブプレート窓部2b内)での相対移動後に、ハブプレート2に衝接して係合する。その間、リテーニングプレート7、8はディッシュプレート(図示せず)によって図2の上下方向の大きい矢印で示す方向に押圧されており、摩擦ブロック9はそのリテーニングプレートの押圧力を受けている。よって、上記円周方向制限範囲内での相対移動後には、摩擦ブロックとサイドプレートとの間に摩擦抵抗(ヒステリシストルク)が発生し、これにより上記の回転振動を減衰させることができる。
【0026】
ところで、摩擦ブロックと、これが円周方向制限範囲内での相対移動後に衝接して係合するハブプレートとの衝接部に、衝撃吸収材12を介在させたから、当該係合が衝撃吸収材12を介してなされることとなり、当該係合に伴い発生する金属音や、反発に伴い発生する振動を低減することができる。
【0027】
その際、衝撃吸収材として、摩擦ブロック9を収容するハブプレート窓部2b間の仕切部2cを介して隣接する2つの衝撃吸収材12a、12bを仕切部2cの回転軸線方向の両側面のリテーニングプレート7側で連結した衝撃吸収材12を用いているので、装置全体で使用する衝撃吸収材の所要数を上記従来例に対し半減させてコストダウンすることができる。
また、この第1実施例においては、図1(a)、(b)に示すように衝撃吸収材12を配置したため、衝撃吸収材の装着のための特別な構造や接着剤等を必要とせずに、衝撃吸収材12をハブプレート窓部2bの仕切部2cに容易に嵌合することができ、作業性がよい。
【0028】
図3(a)、(b)は夫々、本発明のトーショナルダンパの振動減衰装置の第2実施例の要部の構成を示す図およびそのB−B断面図である。この第2実施例は、上記第1実施例に対し2つの衝撃吸収材の連結方法を変更している。
すなわち、上記第1実施例では、2個所のハブプレート窓部2b間の仕切部2cを介して隣接する2つの衝撃吸収材12aおよび12bを、仕切部2cの回転軸線方向の両側面の片側で連結して一体化した衝撃吸収材12としているが、本実施例では、図3(b)に示すように、2個所のハブプレート窓部2b間の仕切部2cを介して隣接する2つの衝撃吸収材13aおよび13bを、仕切部2cの回転軸線方向の両側面の片側で別部材の高剛性体(連結部材)14により連結して、一体化した衝撃吸収材13としている。
【0029】
この第2実施例では、衝撃吸収材13の圧縮バネ定数を以下のようにして小さくしている。すなわち、圧縮バネ定数kは、次式で表わされる。
【数1】
k=(S/L)E ただし、E;衝撃吸収材の材料の弾性係数、S;衝撃吸収材の荷重受圧断面積、L;衝撃吸収材の円周方向寸法(厚さ)である。
このkを小さくするためには厚さLを大きくする必要があるが、厚さLを大きくした場合、ハブプレート窓部2b内においてある所定値以上の遊び角αを確保するためには摩擦ブロック9等のレイアウトが困難になってしまう。
【0030】
そこで、上記図3(b)のような隙間dを有するレイアウトを採用し、ハブプレート窓部2bの仕切部2cの両側に配置される衝撃吸収材13a、13bの両方を作用させることにより、2Lの厚さを有する衝撃吸収材と同一の圧縮バネ係数kを得るようにしている。
すなわち、摩擦ブロック9が衝撃吸収材13aに衝接すると、その衝撃力は高剛性体14を介して衝撃吸収材13bに伝達され、衝撃吸収材13bは図3(b)に示す隙間d内で高剛性体14およびハブプレート2によって圧縮されるため、衝撃吸収材13bは衝撃力吸収のための圧縮力を分担することになる。結果的に、ハブプレート窓部2bに対し摩擦ブロック9が衝接する際に、衝撃吸収材13aおよび13bは衝撃荷重を直列に受けることになり、2Lの厚さを有する衝撃吸収材と等しい圧縮バネ係数を有することになる。よって、衝撃吸収材等のレイアウトを上記従来例と同一にしたとき、圧縮バネ係数kを約1/2まで小さくすることが可能になり、上記従来例と同一スペースに従来例の2倍の厚さを有する衝撃吸収材を設けた場合と同様の圧縮バネ係数が得られる。
【0031】
以上の構成の本実施例において従来例と同様にして振動減衰作用をなす際には、摩擦ブロック9がサイドプレート4とともに円周方向制限範囲αだけハブプレート2に対し相対変位したとき、ハブプレート2に直接に衝突せず、摩擦ブロック9の衝接部に設けた衝撃吸収材13を介して接触することとなり、当該係合に伴い大きな金属音が発生したり、反発に伴い振動が発生する不具合が防止される。
【0032】
なお、上記各実施例において、上述した衝撃吸収材(衝撃吸収材12、12a、12b、13、13a、13)は、例えば、パラ系芳香族ポリアミド繊維のフェルト織組織で作った衝撃吸収材により構成するのが好適である。この場合、衝撃吸収材を付加したことが原因で振動減衰装置、ひいてはトーショナルダンパの熱安定性が悪化したり、強度低下を招いたり、耐摩耗性が低下する等の弊害を伴うことがない。
【0033】
【発明の効果】
かくして本発明のトーショナルダンパの振動減衰装置の請求項1の構成によれば、2つの衝撃吸収材を連結した衝撃吸収材を用いているため、摩擦ブロックとサイドプレートまたはハブプレートとの係合は前記衝撃吸収材を介してなされることとなり、当該係合に伴い大きな金属音が発生する問題や、反発に伴い振動が発生する問題を解消することができる。
その際、前記衝撃吸収材として、摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を前記仕切部の回転軸線方向の両側面の片側もしくは両側で連結した衝撃吸収材を用いているので、装置全体で使用する衝撃吸収材の所要数は上記従来例に対し半減することになり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b)は本発明のトーショナルダンパの振動減衰装置の第1実施例の要部の構成を示す図およびそのA−A断面図である。
【図2】 第1実施例の作用を説明するための図である。
【図3】 (a),(b)は本発明のトーショナルダンパの振動減衰装置の第2実施例の要部の構成を示す図およびそのB−B断面図である。
【図4】 従来のトーショナルダンパの振動減衰装置を示す図である。
【図5】 従来のトーショナルダンパの振動減衰装置を示す図である。
【図6】 上記従来例によるヒステリシストルク特性を示す図である。
【符号の説明】
2 ハブプレート
2b ハブプレート窓部(円周方向長孔)
2c 仕切部
4 サイドプレート
5 サイドプレート
6 トーションスプリング
7 リテーニングプレート
8 リテーニングプレート
9 摩擦ブロック
12、12a 、12b 、13、13a 、13b 衝撃吸収材
14 高剛性体(連結部材)
L 衝撃吸収材13の円周方向寸法
α 遊び角
Claims (3)
- 相互に駆動結合すべき2つの回転体の一方に結合されたハブプレートおよび該ハブプレートに同軸隣合わせに配して他方の回転体に結合されたサイドプレートと、これらハブプレートおよびサイドプレート間で動力伝達を行うよう円周方向に配したトーションスプリングと、前記サイドプレートに摩擦接触するよう押圧され、前記ハブプレートに対し円周方向制限範囲を規定するハブプレート窓部内での相対移動後に衝接して係合する複数の摩擦ブロックとを具え、該摩擦ブロックの前記ハブプレートとの衝接部に衝撃吸収材を配置したトーショナルダンパにおいて、
前記摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を、前記仕切部の回転軸線方向の両側面の片側もしくは両側で連結したことを特徴とするトーショナルダンパの振動減衰装置。 - 前記摩擦ブロックを収容するハブプレート窓部間の仕切部を介して隣接する2つの衝撃吸収材を、前記仕切部の回転軸線方向の両側面の内の、熱容量の大きい方の片側で連結したことを特徴とする請求項1記載のトーショナルダンパの振動減衰装置。
- 連結した衝撃吸収材の回転軸線方向寸法を前記摩擦ブロックの回転軸線方向寸法よりも小さくし、この連結した衝撃吸収材を前記摩擦ブロックに対し回転軸線方向の両側面の両側に配置されたリテーニングプレートの回転軸線方向の間隔の間に、両リテーニングプレートに接触しないように、両リテーニングプレートからそれぞれ回転軸線方向の隙間が形成されるように配置したことを特徴とする請求項1または2記載のトーショナルダンパの振動減衰装置。
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