JP3709839B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒形状をなす成形品(筒状体)の射出成形に用いられる射出成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機は、互いの間にキャビティを形成する一対の金型のうちの一方の金型が設けられる固定板(金型取付板)と、他方の金型が設けられる可動板(金型取付板)と、これら固定板と可動板とを相対的に近接、離間させてこれら金型の型締め及び型開きを行う型締め装置とを有しており、型締め装置によって型締めされた金型のキャビティ内に、プランジャによって熱可塑性樹脂等の溶融原料を射出することで成形品を得るものである。
プランジャから金型のキャビティ内への溶融原料の射出方式としては、プランジャと金型との間に、マニホールドと、マニホールドと金型との間に設けられてマニホールドからキャビティ内への原料の射出を制御するバルブとを設け、これらマニホールド及びバルブを加熱することで金型の直前まで常に原料を溶融させた状態としておくホットランナ方式と呼ばれる方式がある。この方式は、固化したランナを除去する手間がなく、また溶融原料のほぼ全量を成形品とすることができるので経済的である。
【0003】
ここで、図4の縦断面図に示すような、筒状部41aの一端側に該一端に向かうにつれて漸次縮径されるテーパー部41bが設けられる筒状体41の成形を行う場合には、図5の縦断面図に示す構成の射出成形用金型42が用いられる。この射出成形用金型42のうち、一方の金型をなす固定型46にはテーパー部41bの外面を形成する凹部47が形成され、この凹部47にバルブBのゲートGが開口される。
他方の金型をなす可動型48には筒状部41aの外周面を形成する内周面を有する穴49が型開閉方向に沿って形成され、該穴49内には、前記固定型46の凹部47及び前記可動型48の穴49の内周面との間にキャビティ51を形成するコア50が、可動板側から挿通される。このコア50は、外周面50aが前記筒状部41aの外周面を形成し、先端面50bがテーパー部41bの内面を形成する構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような射出成形用金型42において、キャビティ51内に複数のバルブBから溶融原料Mを射出する構成を採用した場合、従来は、これらバルブBのゲートGを、固定型46の凹部47において互いに最も離間した位置に開口するよう、凹部47の最外周部に開口させていた。
しかし、この構成では、各バルブBのゲートGは、キャビティ51において筒状部41aを形成する部位に対向する位置に開口しているので、各ゲートGからキャビティ51内に射出された溶融原料Mは、キャビティ51においてテーパー部41bを形成する部位よりも筒状部41aを形成する部位により流れ込みやすい。
【0005】
すなわち、各ゲートGから射出された溶融原料Mは、図5に矢印で示すように、各ゲートGから型開閉方向に直交する方向(筒状体41の周方向に相当する方向)に流れるよりも、型開閉方向(筒状体41の軸線方向に相当する方向)に沿ってより積極的に流れることとなる。ここで、キャビティ51において筒状部41aを形成する部位を平面に展開して見た場合、射出工程の初期段階では、この溶融原料Mの流れは、長軸がゲートGを通り型開閉方向に平行となる半楕円形状をなしている。
【0006】
すると、隣接するゲートGから射出される溶融原料Mの流れ同士は、キャビティ51において筒状部41aを形成する部位で接触、合流することとなる。また、射出工程の初期段階では、各溶融原料Mの流れは前記のように半楕円形状をなすので、隣接する溶融原料Mの流れは型開閉方向に沿って幅広い範囲で接触、合流することとなる。
ここで、隣接する溶融原料Mの流れが合流した後は、これら溶融原料Mの流れは一体となり、型開閉方向に沿って流れることとなる。
【0007】
射出成形品において、異なる溶融原料Mの流れ同士の合流部では、これら溶融原料M同士の流れる向きの違いや温度差による影響、特に、溶融原料Mが熱可塑性樹脂等の高分子である場合には溶融原料Mの分子の配向方向の差による影響から、その形状精度が低下してしまう。
この射出成形用金型42を用いて得られる筒状体41では、上記のように筒状部41aにおいてテーパー部41b側の端部は、溶融原料Mの流れの合流部によって形成されているので、この部分の形状精度を確保することが困難となる。特に、筒状部41aが円筒体である場合には、筒状部41aの内周面の真円度を確保することが困難であった。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされたもので、筒形状の成形品の形状精度を向上させることができる射出成形用金型を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。
本発明にかかる射出成形用金型は、筒状部の一端側に該一端側に向かうにつれて漸次縮径されるテーパー部が設けられる筒状体の射出成形に用いられ、溶融した原料を供給するプランジャから、マニホールドと、該マニホールドに並列に設けられる複数のバルブとを介して、キャビティ内に前記原料が射出されるホットランナ式の射出成形用金型であって、前記キャビティ内に開口される前記各バルブのゲートが、前記キャビティにおいて前記テーパー部を形成する部位のうち、前記筒状部の内周面を形成する面よりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されており、前記テーパー部の内面を形成する面のうち前記バルブのゲートに対向する部分には、湯溜め部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
このように構成される射出成形用金型においては、各バルブのゲートが、キャビティにおいてテーパー部を形成する部位のうち、筒状部の内周面を形成する面よりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されているので、各バルブのゲートからキャビティ内に射出された溶融原料は、まずキャビティにおいてテーパー部を形成する部位に流れ込み、その後に筒状部を形成する部位に流れ込むこととなる。すなわち、各バルブのゲートから射出された溶融原料は、各ゲートから筒状体の軸線方向に相当する方向に沿って流れるだけでなく、テーパー部を形成する部位で筒状体の周方向に相当する方向に沿ってより積極的に流れることとなる。射出工程の初期段階では、キャビティにおいて筒状部を形成する部位を平面に展開して見た場合、この溶融原料の流れは、ゲートを中心とした半円形状に近くなる。
【0011】
そして、隣接するゲートから射出される溶融原料同士は、キャビティにおいてテーパー部を形成する部位において接触、合流しやすくなり、隣接する溶融原料の流れ同士は、テーパー部を形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部を形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部を形成する部位におけるこれら溶融原料の流れの合流部の幅がより狭くなる。
このように隣接する溶融原料の流れが合流した後は、これら溶融原料の流れは一体となって流れる。
【0012】
また、この射出成形用金型は、テーパー部の外面を形成する面とテーパー部の内面を形成する面との間のキャビティ間隔Dtが、筒状部の外周面を形成する面と筒状部の内周面を形成する面との間のキャビティ間隔Dsよりも大きくとられている構成としてもよい。
この場合には、キャビティにおいて筒状部を形成する部位の開口面積よりもテーパー部を形成する部位の開口面積が大きいため、各バルブのゲートから射出された溶融原料が、キャビティにおいて筒状部を形成する部位よりもテーパー部を形成する部位により流れ込みやすくなる。
【0013】
また、この射出成形用金型は、テーパー部の内面を形成する面のうちバルブのゲートに対向する部分には、湯溜め部が形成されている
この湯溜め部を設けることで、キャビティ内には湯溜りが形成されることとなって形成される湯溜りに流れ込んで一時的に貯留されてからキャビティ内に拡散するので、ゲートの開口方向に偏って溶融原料が流れることが防止される。
ここで、この湯溜め部は、単に溶融原料を一時貯留する湯溜りをキャビティ内に形成するための単なる凹部によって構成してもよい。
また、湯溜め部は、溶融原料をより積極的に流したい方向に延びる溝、例えばテーパー部の周方向に延びる溝によって構成してもよい。この場合には、この溝によって形成される湯溜りによって溶融原料が導かれるので、キャビティにおいて溶融原料をより積極的に流したい方向、例えば筒状部を形成する部位よりもテーパー部を形成する部位により積極的に流れ込ませることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第一の実施の形態〕
以下、本発明にかかる射出成形用金型の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。ここで、本実施の形態にかかる射出成形用金型において、前記従来の射出成形用金型と同一または同様の部分については同じ符号を用いて説明する。
本実施の形態にかかる射出成形用金型1は、互いの間にキャビティを形成する一対の金型であって、そのうちの一方の金型である固定型2は、前記従来の射出成形機の固定板に取り付けられ、他方の金型である可動型48及びダイ50は、可動板に取り付けられる。
【0015】
そして、型締め装置によって型締めされたこれら射出成形用金型1のキャビティ3内に、プランジャによって熱可塑性樹脂等の溶融原料を射出して固化させることで、前記の筒状体41が得られる。
この射出成形用金型1は、プランジャからキャビティ3内への溶融原料の射出方式として、プランジャとの間にマニホールド及びバルブBを設けたホットランナ方式を採用したものであり、マニホールドに並列に設けられた複数のバルブBを介して、複数箇所からキャビティ3内に溶融原料が射出される構成としている。
【0016】
本実施の形態にかかる射出成形用金型1は、筒状部41aが円筒形状をなし、テーパー部41bが筒状部41aの一端側を頂点とする円錐形状をなす筒状体41の射出成形に用いられるものである。
固定型2には、その内面47aが底部に向かうにつれて縮径される円錐面をなす凹部47が形成されている。この内面47aは、前記テーパー部41bの外面を形成するものである。
可動型48には、型開閉方向に沿った断面円形の穴49が形成されている。
この穴49は、凹部47と同軸かつ同径とされており、その内周面49aは、前記筒状部41aの外周面を形成するものである。
【0017】
可動型48の穴49内には、固定型2の凹部47の内面47a及び可動型48の穴49の内周面49aとの間にキャビティ3を形成する棒状のコア50が、穴49と同軸にしてかつ先端を固定型2に向けて挿通される。
このコア50は、穴49よりも小径の円柱形状をなすコア本体4と、コア本体4において固定型2側を向く先端側にコア本体4と同軸にして形成されて先端に向かうにつれて縮径されるテーパー状の先端部5とを有している。
コア本体4の外周面50aは、前記筒状部41aの外周面を形成するものであり、先端部5のなす先端面50bは、前記テーパー部41bの内面を形成するものである。
そして、前記複数のバルブBのゲートGは、固定型2の凹部47の内面47aにおいて、コア50の外周面50aよりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されている。すなわち、ゲートGは、コア50の先端面50bに対向する位置に開口されている。
本実施の形態では、バルブBを二基設けており、これらバルブBのゲートGは、凹部47の内面47aの中心を挟んで反対側の位置に開口させている。
【0018】
以下より、このように構成される射出成形用金型1を用いて行った筒状体41の射出成形の様子について説明する。
筒状体41の射出成形は、前記のように、射出成形機を動作させて、プランジャからマニホールド及び二基のバルブBを介して、型締めされた射出整形用金型1のキャビティ3内に溶融原料(本実施の形態では熱可塑性樹脂)を射出することで行われる。
【0019】
両バルブBのゲートGは、固定型2の凹部47の内面47aにおいて、コア50の外周面50aよりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されており、コア50の先端面50bに対向する位置に開口されている。
このため、両ゲートGからキャビティ3内に射出された溶融原料Mは、まずキャビティ3において、凹部47の内面47aとコア50の先端面50bとの間(テーパー部を形成する部位)に流れ込み、その後に可動型48の穴49の内周面49aとコア50の外周面50aとの間(筒状部41aを形成する部位)に流れ込むこととなる。
【0020】
すなわち、各バルブBのゲートGから射出された溶融原料Mは、各ゲートGから型開閉方向(筒状体41の軸線方向に相当する方向)に沿って流れるだけでなく、テーパー部41bを形成する部位で筒状体41の周方向に相当する方向に沿ってより積極的に流れることとなる。
これにより、両ゲートGから射出される溶融原料M同士は、キャビティ3においてテーパー部41bを形成する部位において接触、合流しやすくなり、両溶融原料Mの流れ同士は、テーパー部41bを形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部41aを形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部41aを形成する部位におけるこれら溶融原料Mの流れの合流部の幅がより狭くなる。
【0021】
また、射出工程の初期段階では、キャビティ3において筒状部41aを形成する部位を平面に展開して見た場合、この溶融原M料の流れは、ゲートGを中心とした半円形状をなすので、隣接する溶融原料Mの流れは型開閉方向に沿ってごく狭い範囲で接触、合流することとなる。
このように隣接する溶融原料Mの流れが合流した後は、これら溶融原料Mの流れは一体となって流れる。
【0022】
このように、本実施形態にかかる射出整形用金型1によれば、両バルブBのゲートGからキャビティ3内に射出された溶融原料Mの流れ同士は、テーパー部41bを形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部41aを形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部41aを形成する部位におけるこれら溶融原料Mの流れの合流部の幅がより狭くなる。
これにより、この射出成形用金型1を用いて得られる筒状体41の筒状部41aにおいてテーパー部41b側の端部は、溶融原料Mの合流部によっては形成されないか、もしくは合流部によって形成される範囲を最低限にすることができるので、この部分の形状精度を確保して、筒状体41の形状精度、特に、筒状部41aの内周面の真円度を向上させることができる。
【0023】
〔第二の実施の形態〕
次に、本発明の第二の実施の形態について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。ここで、本実施の形態にかかる射出成形用金型において、第一の実施の形態に示す射出成形用金型1と同一または同様の部分については同じ符号を用いて説明する。
本実施の形態にかかる射出成形用金型11は、第一の実施の形態に示す射出成形用金型1とほぼ同様の構成を有するものであって、キャビティ3において、前記テーパー部41bの外面を形成する凹部47の内面47aとテーパー部41bの内面を形成する先端面50aとの間のキャビティ間隔Dtを、キャビティ3において筒状部41aの外周面を形成する内周面49aと筒状部41aの内周面を形成する外周面50aとの間のキャビティ間隔Dsよりも大きくとったことを特徴とするものである。
ここで、キャビティ間隔Dtとキャビティ間隔Dsとの比は、5:4から3:2の範囲内とされている。本実施の形態では、Dt:Ds=3:2としている。
【0024】
この射出成形用金型11によれば、キャビティ3において筒状部41aを形成する部位の開口面積よりもテーパー部41bを形成する部位の開口面積が大きいため、両バルブBのゲートGから射出された溶融原料Mが、キャビティ3において筒状部41aを形成する部位よりもテーパー部41bを形成する部位により流れ込みやすくなる。
これによって、両バルブBのゲートGからキャビティ3内に射出された溶融原料Mの流れ同士は、テーパー部41bを形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部41aを形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部41aを形成する部位におけるこれら溶融原料Mの流れの合流部の幅がより狭くなる。
【0025】
ここで、キャビティ間隔Dtとキャビティ間隔Dsとの比が、5:4よりも小さいと、キャビティ間隔Dtをキャビティ間隔Dsよりも大きくとったことによる効果が薄くなってしまう。また、キャビティ間隔Dtとキャビティ間隔Dsとの比が、3:2よりも大きいと、テーパー部41bの肉厚が筒状部41aの肉厚に対して極端に大きくなってしまい、テーパー部41bにひけや気泡の発生を生じる要因となってしまう。
このため、キャビティ間隔Dtとキャビティ間隔Dsとの比は、5:4から3:2の範囲内とすることが好ましい。
【0026】
〔第三の実施の形態〕
次に、本発明の第二の実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。ここで、本実施の形態にかかる射出成形用金型において、第二の実施の形態に示す射出成形用金型11と同一または同様の部分については同じ符号を用いて説明する。
本実施の形態にかかる射出成形用金型21は、第二の実施の形態にかかる射出成形用金型11において、キャビティ3のテーパー部41bの内面を形成する面のうちバルブBのゲートGに対向する部分、すなわちコア50の先端部5の先端面50bの外周部に、テーパー部41bの周方向に沿った溝状の切欠きからなる湯溜め部22を全周にわたって形成したものである。この湯溜め部22を設けることによって、キャビティ3内には湯溜り23が形成されることとなる。ここで、先端面50bに対する湯溜め部22の深さHは、前記テーパー部41bの外面を形成する凹部47の内面47aとテーパー部41bの内面を形成する先端面50aとの間のキャビティ間隔Dtの40%から60%の範囲内に設定している。
【0027】
この射出成形用金型21によれば、両バルブBのゲートGから射出された溶融原料Mは、まず湯溜め部22によってキャビティ3内に形成される湯溜り23に流れ込んで一時的に貯留されてからキャビティ内に拡散することとなってゲートGの開口する方向(型開閉方向)に偏って溶融原料Mが流れることが防止されるとともに、この溶融原料Mが湯溜め部22によって形成される湯溜り23に沿ってテーパー部41bの周方向に導かれて、キャビティ3において筒状部41aを形成する部位よりもテーパー部41bを形成する部位により積極的に流れ込みやすくなる。
これによって、両バルブBのゲートGからキャビティ3内に射出された溶融原料Mの流れ同士は、テーパー部41bを形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部41aを形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部41aを形成する部位におけるこれら溶融原料Mの流れの合流部の幅がより狭くなる。
ここで、先端面50bに対する湯溜め部22の深さHが、前記キャビティ間隔Dtの40%よりも浅いと、湯溜り23の効果が薄くなってしまう。また、湯溜め部22の深さHが、前記キャビティ間隔Dtの60%よりも大きいと、湯溜り23の断面積が大きくなりすぎて、射出成形によって得られる筒状体41のテーパー部41bに極端な肉厚部が形成されることとなり、ひけや気泡の発生を生じる要因となってしまう。
このため、先端面50bに対する湯溜め部22の深さHは、前記テーパー部41bの外面を形成する凹部47の内面47aとテーパー部41bの内面を形成する先端面50aとの間のキャビティ間隔Dtの40%から60%の範囲内とすることが好ましい。
【0028】
ここで、本実施の形態では、湯溜め部22を、コア50のテーパー部41bの全周にわたって形成される溝によって構成した例を示したが、これに限られることなく、湯溜め部22は、溶融原料Mをより積極的に流したい他の方向に延びる溝とすることができ、例えばテーパー部41bの母線に沿った溝によって構成してもよく、また単に溶融原料Mを一時貯留するための単なる凹部によって構成してもよい。
また、本実施の形態では、第二の実施の形態に示す射出成型用金型11においてコア50の先端面50bに湯溜め部22を形成した例を示したが、これに限られることなく、第一の実施の形態に示す射出成型用金型1においてコア50の先端面50bに湯溜め部22を形成した構成としてもよい。
【0029】
ここで、上記各実施の形態では、固定型2の凹部47内に、バルブBのゲートGを二箇所開口させた例を示したが、これに限られることなく、二箇所以上の複数箇所にゲートGを開口させてもよい。ゲートGの開口数を多くすることで、キャビティ3において筒状体41の周方向に相当する方向の溶融原料の流れの対称性を向上させることができるので、成形される筒状体41の周方向の形状精度をより向上させることができる。
また、上記各実施の形態では、筒状体41のテーパー部41bを円錐形状とした例を示したが、これに限らず、例えばテーパー部41bを円錐台形状としてもよい。この場合には、凹部47の内面及びコア50の先端面50bは、ともに円錐台形状とされる。
また、この射出成形用金型は、熱可塑性樹脂の射出成形に用いるほか、低融点金属等の他の熱可塑性材料の射出成形に用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる射出成形用金型によれば、各バルブのゲートが、キャビティにおいてテーパー部を形成する部位のうち、筒状部の内周面を形成する面よりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されているので、隣接するバルブのゲートから同時にキャビティ内に射出された溶融原料の流れ同士は、キャビティにおいてまずテーパー部を形成する部位に流れ込んでこの部位で接触、合流しやすくなり、テーパー部を形成する部位においてすでに合流したのちに筒状部を形成する部位に流れ込むか、もしくは筒状部を形成する部位におけるこれら溶融原料の流れの合流部の幅がより狭くなる。
これにより、この射出成形用金型を用いて得られる筒状体の筒状部においてテーパー部側の端部は、溶融原料の合流部によっては形成されないか、もしくは合流部によって形成される範囲を最低限にすることができるので、この部分の形状精度を確保して、筒形状の成形品の形状精度を向上させることができる。特に、成形品の筒状部が円筒形状をなしている場合には、その内周面の真円度を向上させることができる。
【0031】
さらに、この射出成形用金型は、キャビティにおいてテーパー部の外面を形成する面とテーパー部の内面を形成する面との間のキャビティ間隔Dtを、キャビティにおいて筒状部の外周面を形成する面と筒状部の内周面を形成する面との間のキャビティ間隔Dsよりも大きくとることで、各バルブのゲートから射出された溶融原料をよりテーパー部を形成する部位により流れ込みやすくすることができ、得られる成形品の筒状部において溶融原料の流れ同士の合流部によって形成される部分をなくすか、より低減することができる。
【0032】
また、キャビティにおいてテーパー部の内面を形成する面のうちバルブのゲートに対向する部分に、湯溜め部を形成することで、キャビティ内には湯溜りが形成されるので、各バルブのゲートから射出された溶融原料を、まず湯溜りに流れ込ませて一時的に貯留してからキャビティ内に拡散させることとなり、ゲートの開口方向、すなわち型開閉方向に偏って溶融原料が流れることが防止されて、テーパー部を形成する部位により流れ込みやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の第二の実施の形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の第三の実施の形態にかかる射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。
【図4】 射出成形によって成形される筒状体の形状を示す縦断面図である。
【図5】 筒状体の成形に用いられる従来の射出成形用金型の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 射出成形用金型 3 キャビティ
22 湯溜め部 41 筒状体
41a 筒状部 41b テーパー部
47a 内面(テーパー部の外面を形成する面)
49a 内周面(筒状部の外周面を形成する面)
50a 外周面(筒状部の内周面を形成する面)
50b 先端面(テーパー部の内面を形成する面)
B バルブ

Claims (1)

  1. 筒状部の一端側に該一端側に向かうにつれて漸次縮径されるテーパー部が設けられる筒状体の射出成形に用いられ、溶融した原料を供給するプランジャから、マニホールドと、該マニホールドに並列に設けられる複数のバルブとを介して、キャビティ内に前記原料が射出されるホットランナ式の射出成形用金型であって、前記キャビティ内に開口される前記各バルブのゲートが、前記キャビティにおいて前記テーパー部を形成する部位のうち、前記筒状部の内周面を形成する面よりも径方向内側の位置にそれぞれ開口されており、
    前記テーパー部の内面を形成する面のうち前記バルブのゲートに対向する部分には、湯溜め部が形成されていることを特徴とする射出成形用金型。
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