JP3709248B2 - 内視鏡用鉗子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡を使用して体腔内を観察しながら処置を行う内視鏡用鉗子に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入し、生体組織等を把持して細胞等を採取したり、患部等を処置する内視鏡用鉗子は、操作部と、挿入部と、この挿入部の先端に設けられた一対のジョーを有する先端作用部とから構成されている。
【0003】
前記内視鏡用鉗子の操作部には固定ハンドルと可動ハンドルを有しており、可動ハンドルに鋸歯状の歯を有するラチェットを設け、このラチェットを固定ハンドルに形成したスリット状の開口部に通し、この開口部の上縁を鋭角の爪状とした係止爪を形成し、この係止爪にラチェットの歯を係止することができるようになっている。
【0004】
したがって、固定ハンドルの係止爪に可動ハンドルに設けたラチェットの歯を係止してラチェットを有効状態とし、また、前記開口部の側方を切り欠いて開口部を設け、前記ラチェットを側方に弾性変形させて前記開口部を通過させ、ラチェットを固定ハンドルの側方に位置させることにより、ラチェットの歯は前記係止爪と係合することができなくなりラチェットの機能は停止してラチェット無効状態となる。
【0005】
また、EP 0,555,103 は、ラチェットは操作部の可動ハンドルの下端に固定され、ラチェットの鋸歯状の歯に係合する係止爪を板ばねで形成し、係止爪は固定ハンドルの下端に固定されている。
【0006】
そして、前記板ばねをレバーで側方(下方)から押して弾性変形させることにより、板ばねの端部の係止部が移動し、ラチェットに係合できる状態、つまりラチェット有効状態とし、前記レバーで押す力を解放すると、係止爪が弾性力で下方に移動し、板ばねの端部の係止部がラチェットに係合できなくなって、ラチェット無効状態となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の内視鏡用鉗子の前者のものは、有効状態、無効状態の間の移行の操作を行い難い。ラチェットとハンドルとが接触し、摩擦により操作抵抗になる。ハンドルの強度が低下するなどの問題がある。
【0008】
後者のものは、鉗子を操作している側の手で操作することができない。つまり、片手操作ができないため操作性が悪い。また、係止爪がばねそのものなので弾力性と強度とが両立し得ない。このため強度が不十分になり易いという問題がある。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら酷使に耐え、また操作性に優れた内視鏡用鉗子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、前記挿入部を保持する固定ハンドルと、前記固定ハンドルに旋回可能に取り付けた可動ハンドルとからなり、前記固定ハンドルと前記可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェットを設け、前記可動ハンドルの旋回支点を移動させることにより、前記ラチェットが有効な状態と無効な状態とを切り替えることを特徴とする。
【0011】
可動ハンドルの旋回支点を移動することにより、可動ハンドルの旋回軸をラチェット側に位置させると、固定ハンドルと可動ハンドルの各ラチェットは相互に係合できる位置になり、ハンドル操作に伴い、可動ハンドルが動いている間はそれぞれのラチェットの弾力性により、それぞれの歯を乗り越えながら移動する。可動ハンドルが停止すると、その位置で相手の歯とその歯を乗り越えた歯の背面同士で係合して停止し、ハンドルの位置を固定する。
【0012】
また、可動ハンドルの旋回支点を逆方向に移動することにより、可動ハンドルの旋回軸をラチェットの逆側に位置させ、可動ハンドルがラチェットの歯の高さ分相手のラチェットから外れる方向に移動する。
【0013】
この結果、固定ハンドルと可動ハンドルのそれぞれのラチェットの歯同士は接触することが無くなる。これにより、可動ハンドルは何者にも妨げられることなく旋回させることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1は内視鏡用鉗子の全体構成図、図2はラチェット有効状態の操作部の断面図、図3はラチェット無効状態の操作部の断面図である。
【0015】
図1に示すように、内視鏡用鉗子は、操作部1と、この操作部1に設けられた挿入部2およびこの挿入部2の先端に設けられた先端作用部3とから構成されている。先端作用部3は一対のジョー4と、これを保持する保持部5とからなり、生体組織等の対象部位を操作する把持部、鋏部、または剥離部を有している。
【0016】
挿入部2は先端作用部3を先端部に保持する外筒6と、この外筒6の内部の操作力を伝達する操作ロッド7からなっている。また、操作部1は挿入部2の外筒6を保持する固定ハンドル8と、挿入部2の操作ロッド7に連結し、固定ハンドル8と回動自在に支持される可動ハンドル9とから構成されている。
【0017】
前記操作部1について詳述すると、図2および図3に示すように、挿入部2の外筒6はその後端部が固定ハンドル8の先端部8aに固定されている。固定ハンドル8の先端部8aに続く部分には、可動ハンドル9を支持する旋回支点としての偏心軸10を取り付ける取り付け部8bが形成されている。
【0018】
取り付け部8bには可動ハンドル9が嵌入するスリット部8cと偏心軸10が嵌合する軸孔8d、8mが設けられている。固定ハンドル8の末端側には前記先端部8aから延長するアーム部8eとアーム部8eの端部にリング状の指掛け部8fが形成されている。
【0019】
前記偏心軸10にはその側面に延長して偏心軸10を回転させるレバー部10aが設けられている。さらに、偏心軸10には小径部10b、大径部10c、偏心部10dが形成され、小径部10bは固定ハンドル8の軸孔8dに、大径部10cは固定ハンドル8のもう一つの軸孔8mに嵌合している。取り付け部8bに取り付けた偏心軸10には可動ハンドル9がその旋回軸となる軸孔9aで偏心部10dと嵌合して取り付けられている。
【0020】
可動ハンドル9の末端側には前記軸孔9aから延長するアーム部9bとアーム部9bの端部にリング状の指掛け部9cが形成されている。前記固定ハンドル8の先端部8aの内部には前記操作ロッド7が延在する通路8gが形成されている。前記操作ロッド7は、前記通路8gから伸張してアーム部8eとアーム部9bとの間に位置している。
【0021】
さらに、アーム部8eと指掛け部8fとの間には第1支軸11を取り付ける軸孔8iが設けられている。可動ハンドル9のアーム部9bと指掛け部9cとの間には第2支軸12を取り付ける軸孔9eが設けられている。
【0022】
前記第1支軸11には第1リンク13の第1端部13aが回動自在に取り付けられ、前記第2支軸12には第2リンク14の第1端部14aが回動自在に取り付けられている。前記操作ロッド7の後端部7aには第3支軸15が設けられ、この第3支軸15には第1リンク13と第2リンク14の各第2端部13b、14bが共通に回動自在に取り付けられている。
【0023】
前記固定ハンドル8の指掛け部8fには末端に延長部8jが設けられ、延長部8jの端部にはラチェット部8kが形成されている。同様に前記可動ハンドル9の指掛け部9cには末端に延長部9fが設けられ、延長部9fの端部にラチェット部9gが形成されている。そして、前記各延長部8j、9fは略円周上に位置するよう形成されている。
【0024】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
操作部1のハンドルを握り可動ハンドル9を操作することにより、挿入部2内で操作ロッド7が進退し、先端作用部3のジョー4を開閉して生体組織等の対象部位を把持、剥離または切断することができる。
【0025】
図2は、ラチェット有効状態を示し、可動ハンドル9は偏心軸10を支点として旋回し、固定ハンドル8との間で第1、2のリンク13、14を介して第3支軸15を変位させ、操作ロッド7に進退動作を行わせる。偏心軸10は、そのレバー部10aが図の位置において可動ハンドル9を末端側に変位させており、その結果、固定ハンドル8と可動ハンドル9のラチェット部8k、9gが係合可能な状態となっている。
【0026】
ラチェット部8k、9gは各延長部8j、9fがある長さを有していることにより弾力性を有し、各ラチェット部8k、9gの歯の頂点同士が接触したときに弾性的に変位し相互に乗り越えることが可能となる。
【0027】
図3はラチェット無効状態を示し、ラチェット部8k、9gの係合を解除するときは、レバー部10aを時計回りに旋回させることにより、偏心軸10の偏心部10dが可動ハンドル8をラチェット部8k、9gが離間する方向に変位させ、その結果、ラチェット部8k、9gの係合が解除される。また、レバー部10aの位置をこの図の状態に保持することにより、ラチェット部8k、9gは常時無効な状態となる。
【0028】
前述した第1の実施形態によれば、構造が簡単で、強度に優れ、酷使に耐えられるという効果がある。
図4は、第2の実施形態を示し、操作部1は固定ハンドル16と可動ハンドル17とから構成されている。固定ハンドル16と可動ハンドル17とは共通の旋回軸18に旋回可能に連結されている。挿入部2の外筒6はその後端部を固定ハンドル16の先端部16aに固定されている。
【0029】
固定ハンドル16にはアーム部16bと指掛け部16cが設けられ、アーム部16bの指掛け部16cの近傍の部分にはスリット部16dが形成されている。可動ハンドル17の頂部17aは操作ロッド7と連結されている。可動ハンドル17にはアーム部17bと指掛け部17cが設けられている。さらに、アーム部17bにはスリット17dが形成され、スリット17dにはラチェット19が第1支軸20により旋回可能に取り付けられている。
【0030】
さらに、スリット17dには付勢ばね21がラチェット19に対しては第1取り付け部21aにおいて第2支軸22で、可動ハンドル17に対しては第2取り付け部21bにおいて第3支軸23で回転可能に取り付けられている。
【0031】
付勢ばね21はばね21cの両端に第1取り付け部21a、第2取り付け部21bを直接取り付けた構造でも良い。また、付勢ばね21は湾曲した板ばねでも良い。また、付勢ばね21は第1取り付け部21a、第2取り付け部21bを、摺動して伸縮自在の軸(図示しない)でつなぎ、最も伸張した状態で、ばね21cの自由長より短いものとしばね21cに装備荷重(プリロード)を与えたものでも良い。
【0032】
この場合、付勢ばね21は全体として、伸びきった状態でも所定の長さ以上にはならない。第1支軸20、第2支軸22、第3支軸23の位置関係は第1支軸20〜第3支軸23の間を三角形の最も長い一辺とし、第1支軸20−第2支軸22、第2支軸22−第3支軸23のそれぞれの間を前記の三角形の残りの2辺とした配置とする。
【0033】
固定ハンドル16に設けたスリット部16dは半円形であり、アーム部16bの先端側の面に開口し開口部16eとなる。開口部16eの上縁の鋭角部はラチェット19に設けた複数の歯19aと係合する係合部16fとなる。
【0034】
ラチェット19の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部19bを形成している。
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
【0035】
図4の実線は、ラチェット有効状態で、ラチェット19は係合部16fと係合し、第2支軸22は後方に位置して付勢ばね21の伸張力を時計回りの方向の回転力としてラチェット19に伝える。この状態において、可動ハンドル17を時計回りの方向に旋回させると、ラチェット19は先端側に移動し、ラチェット19の歯19aの先端側の斜面に係合部16fが乗り上げることによりラチェット19は押し下げられる。
【0036】
さらに、可動ハンドル17を旋回させると、歯19aは係合部16fを乗り越えて次の歯に係合することになる。この時、前記旋回力により係合部16fとの係合が維持される。この状態で、押し下げ部19bを押し下げると、第2支軸22は付勢ばね21をさらに圧縮する方向に移動し、押し下げ部19bを押し下げる力に抵抗する。
【0037】
この抵抗力に抗して押し下げ部19bを押し下げると、歯19aと係合部16fの係合が解除され、可動ハンドル17を反時計回りの方向に旋回させる(開く)ことができる。
【0038】
図4の想像線は、ラチェット無効状態を示し、さらに押し下げ部19bを押し下げると、第1支軸20、第2支軸22、第3支軸23が一直線上に並ぶ位置で前記の抵抗する力は最大に達し、上記位置を過ぎると付勢ばね21の伸張力はラチェット19を反時計回りの方向に回転させる力となる。この状態において、歯19aと係合部16fの係合は、解除されたままとなり、固定ハンドル16、可動ハンドル17の操作に一切関与しない。
【0039】
前述した第2の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が容易である。また、片手操作が可能である。さらに、ラチェットの有効無効状態の選択が、ラチェットの通常の解除動作をほんの少し大きくするだけで可能であるという効果がある。
【0040】
図5および図6は第3の実施形態を示し、操作部1は固定ハンドル24と可動ハンドル25とから構成されている。固定ハンドル24と可動ハンドル25とは共通の旋回軸26で旋回可能に連結されている。
【0041】
挿入部2の外筒6はその後端部を固定ハンドル24の先端部24aに固定され、固定ハンドル24にはアーム部24bと指掛け部24cが設けられている。さらにアーム部24bの指掛け部24cの近傍の部分にスリット部24dが形成されている。
【0042】
可動ハンドル25の頂部25aは操作ロッド7と連結され、可動ハンドル25にはアーム部25bと指掛け部25cが設けられている。さらにアーム部25bにはスリット部25dが形成されている。スリット部25dにはラチェット27を支軸28により旋回可能に取り付けられている。
【0043】
さらに、ラチェット27を付勢ばね29により、時計回りの方向に付勢する。固定ハンドル24に設けたスリット部24dは半円形であり、アーム部24bの先端側の面に開口し、開口部24eとなっている。スリット部24dにはラチェット27に設けた複数の歯27aと係合する係合部材30が設けられている。
【0044】
ラチェット27の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部27bを形成している。スリット部25dには支軸28を支軸として解除部材31が旋回可能に取り付けられている。解除部材31の延長部31aにはノッチ部31bが形成され、さらに、解除部材31にはレバー部31cが設けられている。さらに、レバー部31cには復座ばね31´が設けられている。
【0045】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図5はラチェット有効状態を示し、解除部材31が実線で示す位置の時、ラチェット27は付勢ばね29に当接して付勢力を与えられる。この結果、ラチェット27は固定ハンドル24、可動ハンドル25を閉じる操作を拘束することなく、開く操作に歯27aが係合部材30に係合して抵抗する。
【0046】
図6はラチェット無効状態を示し、レバー部31cを操作して解除部材31のノッチ部31bに付勢ばね29の端部を係合させる。復座ばね31´の付勢力により、付勢ばね29が大きく変位した状態で固定される。この結果、ラチェット27は付勢力を与えられず、また、付勢ばね29に接触する位置まで自重で回転した場合も歯27aと係合部材30とが離れているため、固定ハンドル24、可動ハンドル25の操作に無関係となる。また、押し下げ部27bをさらに押し下げると、復座ばね31´の付勢力により解除部材31は回転して付勢ばね29から外れて元に戻る。
【0047】
前述した第3の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が容易である。また、片手操作が可能である(操作部を把持している片手だけでラチェットの有効無効状態の選択が可能である。)という効果がある。
【0048】
図7〜図10は第4の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。図7に示すように、スリット部25dにはラチェット32が偏心軸33により旋回可能に取り付けられている。
【0049】
さらに、ラチェット32を付勢ばね29により、時計回りの方向に付勢する。スリット部24dにはラチェット32に設けた複数の歯32aと係合する係合部材30が設けられている。ラチェット32の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部32bを形成している。
【0050】
図8に示すように、偏心軸33には小径部33aと大径部33bと偏心部33cとが形成され、小径部33a、大径部33bにより可動ハンドル25に旋回可能に取り付けられている。さらに、偏心軸33にはレバー部33dが設けられ、これにより外部より操作(旋回)可能とする。ラチェット32には軸孔32cを形成し、偏心軸33の偏心部33cに旋回可能に取り付けられている。
【0051】
図9に示すように、レバー部33dは指掛け部25cの近傍にあり、指掛け部25cに通した指で操作可能な方向に向けて設置してある。
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
【0052】
図7はラチェット有効状態を示し、図7の実線で示す状態のラチェット32は付勢ばね29と当接しており、付勢力を与えられている。図7のB−Bで示す方向の断面では、図7で示すように偏心部33cは付勢ばね29に接近している。
【0053】
この状態では、ラチェット32は係合部材30と係合する方向に付勢され、固定ハンドル24、可動ハンドル25を閉じる方向の操作により、歯32aが係合部材30の係合部30aを乗り越えながら全体として先端側に向かって変位する。固定ハンドル24、可動ハンドル25を開く方向の操作に対しては歯部32aが係合部30aと係合することにより抵抗する。
【0054】
図10はラチェット無効状態を示し、図9に示す矢印の方向にレバー部33dを操作して偏心軸33を180度回転させることにより、図8中の偏心部33cは基端側に変位し、図10に示す位置にラチェット32が移動する。
【0055】
この結果、ラチェット32は付勢ばね29に当接しなくなり、歯部32aが係合部材30に係合しようとする付勢力は失われる。この状態では固定ハンドル24、可動ハンドル25は拘束されることなく開閉両方向に移動させることができる。
【0056】
前述した第4の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単である。また、片手操作が可能である。さらに、可動ハンドル25を操作している指を外すことなく、そのままラチェット32の有効無効状態の選択が可能であるという効果がある。
【0057】
図11および図12は第5の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。図11に示すように、スリット部25dにはラチェット34を支軸28により旋回可能に取り付けられている。さらに、ラチェット34を付勢ばね29により、時計回りの方向に付勢する。
【0058】
スリット部24dにはラチェット34に設けた複数の歯34aと係合する係合部材30が設けられている。ラチェット34の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部34bを形成している。
【0059】
ラチェット34には付勢ばね29に向かって延びる延長部34cを設けられ、さらに延長部34cには当接面34dと背面34eが設けられている。スリット部25dにはレバー35が設けられ、レバー35にはラチェット34の延長部34cの背面34eとの係合部35a,35bが形成されている。係合部35a,35bは前記背面34eに適合した形状をしている。
【0060】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図11はラチェット有効状態を示し、ラチェット34は付勢ばね29によって付勢され係合部材30に係合可能な状態である。図11の状態で、係合部35aは背面34eと向かい合うが隙間を持って離れていて、押し下げ部34bの操作によるレバー35の揺動を邪魔することはない。
【0061】
図12はラチェット無効状態を示し、レバー35を時計回りの方向に回転させることにより係合部35bを背面34eに当接させる。係合部35bは係合部35aよりも突出しているので付勢ばね29に抗して延長部34cを旋回させ係合部材30から離れさせる。
【0062】
延長部34cは付勢ばね29と係合部35bに挟まれてガタ無く位置決めされ保持される。この状態では、ラチェット34は係合部材30と係合することはできず、固定ハンドル24と可動ハンドル25を自由に開閉することができる。
【0063】
前述した第5の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単である。また、片手操作が可能であるという効果がある。
図13および図14は第6の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。可動ハンドル25のスリット部25dにはラチェット36が支軸28により旋回可能に取り付けられている。固定ハンドル24のスリット部24dにはラチェット36に設けた複数の歯36aと係合する係合部材30が設けられている。
【0064】
ラチェット36の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部36bを形成している。ラチェット36の支軸28の近傍には延長部36cが形成されている。延長部36cの端部には鉤状の係止爪36dが形成されている。係止爪36dは可動ハンドル25の係合部25eに係合している。
【0065】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図13の実線および図14の想像線はラチェット有効状態を示し、係止爪36dが係合部25eに係合した状態では、可動ハンドル25を先端側に変位させると、歯36aが延長部36cにより弾性的に係合部材30の係合部30aを乗り越える。可動ハンドル25を基端側に変位させようとすると、歯36aが係合部30aに係合するため、乗り越えることができず停止させられる。
【0066】
図14の実線はラチェット無効状態を示し、係止爪36dを押し下げて係合部25eとの係合を解除すると、係止爪36dはスリット部25dに潜り込み、スリット部25dの内面25fに当接して係合部材30から離れる方向にラチェット36を付勢する。
【0067】
この結果、ラチェット36は可動ハンドル25の操作に無関係となる。復帰させる場合には、延長部36cを矢印の方向に押すことにより、係止爪36dが内面25f上を滑り係合部25eを乗り越えて係合する。
【0068】
前述した第6の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単である。また、片手操作が可能であるという効果がある。
図15は第7の実施形態を示し、構成要件は第6実施形態と同様であり、第6の実施形態の変形例である。固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。ラチェット37を可動ハンドル25に固定し、係合部材38を固定ハンドル24に支軸39により旋回可能に取り付けたものである。
【0069】
係合部材38には爪状の係合部38aが形成され、先端側には幅広に形成した押し下げ部38bが設けられている。基端側には湾曲延長部38cが形成され、湾曲延長部38cの端部は鉤状の係止爪38dが形成されている。係止爪38dは固定ハンドル24の第1係合部24fに係合され、スリット部24dには第1係合部24fに続く第2係合部24gが形成されている。
【0070】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図15はラチェット有効状態を示し、図15の状態で、可動ハンドル25を閉じる方向に操作すると、ラチェット37は先端側に移動する。この時、歯37aが係合部38aを先端側に回転させつつ次々と乗り越えていく。可動ハンドル25を開く方向に操作すると、歯37aは係合部38aを基端側に回転させようとするが、湾曲延長部38cが抵抗するため回転できず停止させられる。
【0071】
係止爪38dを押し上げて第1係合部24fから外し、第2係合部24gに係合させると、係合部38aは先端側に回転し、歯37aと係合不能(無効状態)になる。この結果、ラチェット37は可動ハンドル25の操作に無関係となる。復帰操作させる場合には、湾曲延長部38cを先端側に押すことにより、係止爪38dが第2係合部24gから外れて第1係合部24fに係合し、元に戻る。
【0072】
前述した第7の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単であるという効果がある。
図16および図17は第8の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。スリット部25dにはラチェット40を支軸28により旋回可能に取り付けられている。スリット部24dにはラチェット40に設けた複数の歯40aと係合する係合部材30が設けられている。
【0073】
ラチェット40の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部40bが形成されている。ラチェット40の支軸28の近傍には側方への延長部40cが形成され、延長部40cには伝達部材41を支軸42により回動自在に取り付けられている。
【0074】
伝達部材41にはレバー状またはノブ状の操作部材(図示しない)が設けられている。伝達部材41は付勢ばね29と当接してラチェット40を係合部材30に当接する方向に付勢する。伝達部材41の付勢ばね29との当接部41aは支軸42から所定距離離れて形成され、非当接部41bは前記所定距離より接近させて形成されている。伝達部材41の形状は略三角形であるが、偏心させた円形でも四角形でもそれ以外の形状でも上記の条件を満たせばこの限りではない。
【0075】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図16の実線および図17の想像線はラチェット有効状態を示し、当接部41aを付勢ばね29に当接させると、歯40aと係合部30aとが係合している状態で付勢ばね29を所定量変形させて十分な付勢力を得ることができる。
【0076】
この状態で、可動ハンドル25を閉じる操作により歯40aが係合部30aを乗り越えながらラチェット40を移動させることができる。この時、可動ハンドル25を開く操作は歯40aと係合部30aとが係合することにより阻止される。
【0077】
押し下げ部40bを押し下げると、付勢ばね29をさらに変形させながら係合部材30との係合が解除され、ラチェット無効状態となり、伝達部材41を回転させて非当接部41bを付勢ばね29に対向させると、当接部41aと非当接部41bとの支軸42からの距離の差により歯40aは係合部30aから離れて係合しなくなる。
【0078】
この時、当接部41aは腹面25gと当接し、付勢ばね29の付勢力により伝達部材41は係合部材30とラチェット40との間隔を保ったまま固定される。この状態では可動ハンドル25の開閉操作はラチェット40から何らの制約も受けない。
【0079】
前述した第8の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単であるという効果がある。
図18および図19は第9の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25の構成は第3の実施形態と同様である。可動ハンドル25のスリット部25dにはラチェット43を支軸28により旋回可能に取り付けられている。固定ハンドル24のスリット部24dにはラチェット43に設けた複数の歯43aと係合する係合部材30が設けられている。
【0080】
ラチェット43の端部は90度捻ってさらに下向きに曲げ、術者が操作して押し下げる押し下げ部43bを形成している。ラチェット43の支軸28の近傍には、側方(上方)への延長部43cが形成されている。
【0081】
延長部43cは付勢ばね29と当接してラチェット43を係合部材30に当接する方向に付勢される。付勢ばね29と可動ハンドル25との間に解除部材44が介在されている。解除部材44の付勢ばね29と可動ハンドル25との間で変位する部分、当接部44aは付勢ばね29、可動ハンドル25、延長部43cの3者に囲まれているので脱落することはない。
【0082】
さらに、解除部材44の側方両端には術者が操作するための円形の把持部44bが設けられている。2つの把持部44bにより付勢ばね29、可動ハンドル25を両側方から挟む形にしているので、側方から脱落することもない。
【0083】
当接部44aの断面形状は円形以外の長辺と短辺を有する矩形或いは三角形或いは楕円形又はこれらと類似の形状とする。把持部44bの形状は円形であるが、多角形、星形、その他の操作しやすい形状であればどんな形状でも良い。また、把持部44bの外周には滑り止めのための刻み(ローレット)を形成してある。
【0084】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図18の実線および図19の想像線はラチェット有効状態を示し、当接部44aの短辺側が付勢ばね29、可動ハンドル25に対向している状態のとき、解除部材44は付勢ばね29の作動を全く阻害しないのでラチェット43は本来の動作を行う。
【0085】
図19の実線はラチェット無効状態を示し、当接部44aの長辺側が付勢ばね29、可動ハンドル25に対向して当接している状態(想像線で示す状態)のとき、付勢ばね29の付勢力が無効となるのでラチェット43はその機能を失い、可動ハンドル25の操作はフリーとなる。
【0086】
前述した第9の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単であるという効果がある。
図20〜図23は第10の実施形態を示し、固定ハンドル24、可動ハンドル25、ラチェット26の構成は、第3の実施形態と同様である。固定ハンドル24に設けた係合部材30の両側に固定ハンドル24ごと挟む形で、コの字形の弾性の阻止部材45が設けられている。阻止部材45は固定ハンドル24の後面24hに対向する背面45aと固定ハンドル24の側面に対向する側面45bとを有している。
【0087】
背面45aには、ラチェット26の歯26aの頂部に当接して摺動する摺動部45cと、術者が操作するための操作部45dと、係合部材30を取り付ける2つのピン46に係合する両側で4カ所の溝45eと、上側の溝に設けた位置決めのための2カ所の凹部45fと、阻止部材45の背面側に設けた、阻止部材45をピン46と凹部45fとが係合する方向に付勢する付勢部45gとが形成されている。
【0088】
次に、前述のように構成された内視鏡用鉗子の作用について説明する。
図20および図21はラチェット有効状態を示し、下側の凹部45fとピン46とを係合させ、摺動部45cが歯26aと接触しない状態とする。ラチェット本来の機能を発揮させられる状態である。
【0089】
図23はラチェット無効状態を示し、上側の凹部45fとピン46とを係合させ、摺動部45cが歯26aと接触した状態とする。ラチェット26は下に押し下げられて、係合部材30と係合できない。固定ハンドル24および可動ハンドル25の開閉操作に伴ってラチェット26は摺動部45cに接触しながら滑り、操作の邪魔になることはない。
【0090】
以上述べた実施形態の全てにおいて、固定ハンドルと可動ハンドルとに取り付けるラチェットと係合部材との組み合わせを逆にした構成も可能である。また、ラチェットを固定とし、係合部材を可動とし、付勢手段を係合部材に取り付けた構成も可能である。
【0091】
前述した第10の実施形態によれば、構造が簡単で、操作が簡単であるという効果がある。
図24〜図26は開示例を示し、図24は手術用鉗子のラチェット部が係合している状態の操作部を示し、図25はラチェット部の係合が解除している状態を示し、図26は図25のD−D線に沿う断面図である。
【0092】
手術用鉗子は、操作部51と、生体内に挿入される挿入部52及び処置部を有する先端作用部(図示しない)とから構成されている。
操作部51には挿入部52を回動自在に保持する操作部本体53と一体的に形成された末端がリング状の固定ハンドル54と、支点部材55により固定ハンドル54に回動自在に接続され、処置部の駆動軸56と結合している末端がリング状の可動ハンドル57が設けられている。
【0093】
固定ハンドル54には、ばね状部材からなるラチェット部材58が回動自在に接続されている。ラチェット部材58は回動中心付近に付勢ばね59との当接部60及び凸部61を形成し、さらに可動ハンドル57に向かう方向の先端側につめ部62を形成する。つめ部62の下方には楔状の歯部63を有する係脱部材64が設けられている。
【0094】
ラチェット部材58の下方には、ラチェット部材58の凸部61と当接する凸部65を有するばね状部材からなるラチェットレバー66が固定ハンドル54に回動自在に接続されている。ラチェットレバー66の可動ハンドル57に向かう方向の先端側には楔状の歯部67を有する係脱部材68が設けられ、その反対側には指で操作するためのレバー部材69が設けられている。
【0095】
また、可動ハンドル57には、ラチェットアーム70が固定されており、ラチェットアーム70には、ラチェット部材58のつめ部62と係合する複数の刻み71が固定ハンドル54に向けて形成されている。さらに、ラチェットアーム70の両側にはラチェット部材58が横方向に移動するのを規制する規制部材72がラチェットアーム70と一体的に設けられている。
【0096】
次に、前述のように構成された手術用鉗子の作用について説明する。
図24の状態で、可動ハンドル57を時計方向に回動させると駆動軸56が後端側に移動し、処置部が駆動する。このとき、ラチェット部材58のつめ部62は付勢ばね59の付勢力に逆らってラチェットアーム70の刻み71上を滑りながら移動し、可動ハンドル57が反時計方向に回動するのを規制する形で刻み71と係合する。すなわち、図24の状態では可動ハンドル57は反時計方向に回動されることはない。
【0097】
一方、図24の状態でレバー部材69を下方に押すと、ラチェットレバー66が反時計方向に回動し、係脱部材68が上方に移動する。また、ラチェット部材58の凸部61がラチェットレバー66の凸部65を介して、力を受けるため、ラチェット部材58は付勢ばね59の付勢力に逆らいながら時計方向に回動する。このとき、係脱部材64は下方に移動し、図25及び図26に示すように、係脱部材68の歯部67と係脱部材64の歯部63が係合する。
【0098】
その際は、歯部67と歯部63はラチェット部材58とラチェットレバー66のばね性により、お互いに押し付けられるようにして係合している。このとき、可動ハンドル57は時計方向及び反時計方向に回動可能であり、ラチェット部73の規制を受けることはない。また、ラチェットレバー66は固定ハンドル54の指掛け部74と干渉しない位置に固定されている。
【0099】
また、図25の状態よりさらにレバー部材69を下方に押すと係脱部材68と係脱部材64の係合は解除され、付勢ばね59の付勢力により図24の状態に戻る。なお、ラチェットレバー66を図24と図25の中間の位置になるように操作することにより、ラチェット部73の一時的な解除が可能となる。
【0100】
この開示例によれば、ラチェット部73が解除した状態でラチェット部材8を固定可能であり、その際ラチェットレバー16は固定ハンドル4の指掛け部74と干渉しない位置に固定されるため、ラチェット機構を有さない手術用鉗子と同様の操作性が得られる。
【0101】
前述した実施の形態によれば、次の構成が得られる。
(付記1) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、前記挿入部を保持する固定ハンドルと、前記固定ハンドルに旋回可能に取り付けた可動ハンドルとからなり、前記固定ハンドルと前記可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェットを設け、前記可動ハンドルの旋回支点を移動させることにより、前記ラチェットが有効な状態と無効な状態とを切り替えることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0102】
(付記2) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、前記挿入部を保持する固定ハンドルと、前記固定ハンドルに旋回軸により旋回可能に取り付けた可動ハンドルとからなり、前記固定ハンドルと前記可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェット部を設け、前記可動ハンドルの旋回軸を偏心軸とし、前記旋回軸を移動させることにより、前記ラチェット部同士の係合が可能な状態と不可能な状態とを切り替えることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0103】
(付記3) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、前記挿入部を保持する固定ハンドルと、前記固定ハンドルに旋回軸により旋回可能に取り付けた可動ハンドルとからなり、前記固定ハンドルと前記可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェットを設け、前記可動ハンドルの旋回軸を前記可動ハンドルに対して偏心して回転する偏心軸とし、前記偏心軸を回転させることにより、前記可動ハンドルの旋回軸を移動させて前記可動ハンドルを径方向に移動させ、前記ラチェットが有効な状態と無効な状態とを切り替えることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0104】
(付記4) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と前記一対のハンドルのもう一つに設け、前記ラチェット部材に係合する係合部材と前記ラチェット部材を前記係合部材と係合する方向に付勢する付勢手段とからなり、前記付勢手段の付勢力伝達機構が、係合方向への付勢と非係合方向への付勢との境界となる思案点を有し、前記思案点以外の位置において、係合方向への付勢と非係合方向への付勢との2つの状態のうちのいずれかを選択可能としたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0105】
(付記5) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる、内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回する一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルの一つに、支軸によって揺動可能に取り付けたラチェットと、前記ラチェットを付勢する付勢手段を設け、前記一対のハンドルのもう一つに前記ラチェットに係合する係合部材を設け、前記付勢手段は、前記ラチェットに付勢力を伝達する部位と前記ラチェットの支軸との位置関係により付勢力のベクトルが前記支軸の中心を通る思案点を有し、前記思案点以外の2つの位置関係を、前記ラチェットの有効状態と無効状態との2つの状態として選択可能としたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0106】
(付記6) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回する一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルの一つのハンドルに、第1支軸によって揺動可能にラチェットを取り付け、前記一対のハンドルのもう一つのハンドルに、前記ラチェットと係合する係合部を設け、前記ラチェットと前記一対のハンドルの一つのハンドルとにそれぞれ第2、第3支軸によって旋回可能に付勢手段を取り付け、第1、第2、第3支軸が、第1、第3支軸間を長辺とする三角形を成すよう配置したことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0107】
(付記7) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、一方向のみの旋回を許容する制限機構を設け、前記制限機構は相互に係合する一対の係合部材からなり、前記一対の係合部材を係合方向に付勢する付勢手段を有し、前記付勢手段を前記制限機構を解除する方向に弾性変形させて、前記付勢手段に係合し保持する解除部材を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0108】
(付記8) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、ラチェット部材と係合部材とからなり、前記ラチェット部材と前記係合部材とを相互に係合する方向に付勢する付勢部材を有し、前記付勢部材を付勢する方向と逆の方向に変位させて保持する解除部材を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0109】
(付記9) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルにそれぞれその末端に指掛け部を設け、前記一対のハンドルの一つに、旋回可能に支持されたラチェット部材を設け、前記一対のハンドルのもう一つに、前記ラチェット部材と係合する係合部材を設け、前記一対のハンドルの一つに、前記ラチェットを前記係合部と係合する方向に付勢する付勢部材を設け、前記一対のハンドルの一つに、旋回可能に支持され、旋回により前記付勢部材を付勢方向と逆の方向に変形させて係合し、前記付勢部材を保持する解除部材を設け、前記解除部材に旋回運動の半径方向に延出する操作部を形成し、前記解除部材を取り付けたハンドルの前記指掛け部の前記旋回軸に面した側に配置したことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0110】
(付記10) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の旋回の軸を、前記一対のハンドルの一つに対して偏心して旋回する偏心軸とし、前記偏心軸を回転させることにより、前記ラチェット部材の旋回の軸を移動させて前記付勢部材との当接を解除し、前記ラチェット部材と前記係合部材との係合が不可能な状態とすることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0111】
(付記11) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる、内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の旋回の軸を、前記一対のハンドルの一つに対して偏心して旋回する偏心軸とし、前記偏心軸を前記一対のハンドルの一つの端部の指掛け部の近傍に設け、前記偏心軸を回転させることにより、前記ラチェット部材の旋回の支点が移動して前記付勢部材との当接が解除され、前記ラチェット部材と前記係合部材との係合が不可能な状態となることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0112】
(付記12) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材を前記係合部材と係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の旋回の軸を、前記一対のハンドルの一つに対して偏心して旋回する偏心軸とし、前記偏心軸を前記一対のハンドルの一つの端部の指掛け部の近傍に設け、前記偏心軸の端部に操作(旋回)用の操作部材を設け、前記操作部材を操作することにより、前記偏心軸が回転し前記ラチェット部材の軸が移動し、前記付勢手段との当接が解除され、前記ラチェット部材と前記係合部材との係合が不可能な状態となることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0113】
(付記13) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に取り付けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材を前記係合部材から離間する方向に変位させて保持する保持部材を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0114】
(付記14) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な第1ハンドルと第2ハンドルとからなり、前記第1、第2のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記第1ハンドルに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記第2ハンドルに設けた前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記第1ハンドルに設けた前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する付勢部材とからなり、前記第1ハンドルに、前記ラチェット部材又は前記付勢部材に当接し、旋回して当接部が移動する解除部材を旋回可能に取り付け、前記当接部が平坦部または凹部で、上記当接部を移動させることにより、前記ラチェット部材を旋回させ、前記係合部材と係合した位置と前記係合部材と離間して係合を解除した位置との間を移動させることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0115】
(付記15) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な第1ハンドルと第2ハンドルとからなり、前記第1、第2のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記第1ハンドルに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記第2ハンドルに設けた、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記第1ハンドルに設けた、前記ラチェット部材を前記係合部材と係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の旋回の軸の近傍に旋回運動の半径の方向に延出する延長部を形成し、前記延長部の前記付勢部材との当接部に対向する側に、前記第1ハンドルに対して旋回可能に解除部材を取り付け、前記解除部材はその旋回軸近傍に前記ラチェット部材の延長部に対する係合部と逃げ部とを有し、それ自身の旋回運動の半径方向に延出する操作部を有し、前記解除部材の前記操作部を前記第1ハンドルの前記旋回軸の反対側に配置し、前記延長部と前記係合部とが係合した状態と、前記延長部が前記係合部と対向した状態とを切り替えることを可能としたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0116】
(付記16) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合し、単一方向の変位のみを許容する二つの係合要素からなる係止機構を設け、前記係止機構が、前記二つの係合要素のうちの一つを、前記一対のハンドルのいずれかに固定し、前記二つの係合要素のうちのもう一つを、前記一対のハンドルのもう一つに揺動可能に取り付け、前記揺動可能な係合要素をもう一つの係合要素に対して付勢する付勢手段を、前記揺動可能な係合要素に一体に形成し、前記付勢手段の付勢力の作用端に、弾性変形によって作用対象から係合を解除することが可能な係合部を形成したことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0117】
(付記17) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合し、単一方向の変位のみを許容する二つの係合要素からなる係止機構を設け、前記係止機構が、前記二つの係合要素のうちの一つを、前記一対のハンドルのいずれかに固定し、前記二つの係合要素のうちのもうーつを、前記一対のハンドルのもう一つに揺動可能に取り付け、前記揺動可能な係合要素をもう一つの係合要素に対して付勢する付勢手段を、前記揺動可能な係合要素に一体的に形成し、前記付勢手段の付勢力の作用端に、前記の付勢する方向に変位、係合及び解除可能な係止機構を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0118】
(付記18) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェットの旋回中心側の端部に、側方に延出する弾性付勢部分を形成し、前記弾性付勢部分の端部に、前記ラチェット部材を取り付けたハンドルと係合する係合機構を形成し、前記係合機構が、前記ラチェット部材の解除方向の動作に抗して付勢力を発揮し、外力によって係合を解除することが可能で、解除後は逆方向の動作によって自動的に係合することを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0119】
(付記19) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の前記付勢部材と当接する当接部に前記当接部に回動可能に取り付けられ、偏心して回動する伝達部材を設け、前記伝達部材を回動させることにより、前記付勢部材の付勢力を増減させ、前記ラチェット部材を、前記係合部材と係合可能な状態と係合不可能な状態との間で変位させることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0120】
(付記20) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の前記付勢部材と当接する当接部に前記当接部に回動可能に取り付けられ、回転により前記当接部の当接面を越えて突出する伝達部材を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0121】
(付記21) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記ラチェット部材の前記付勢部材と当接する当接部に略三角形の伝達部材を回動可能に取り付け、前記伝達部材の三角形の一辺を前記付勢部材の前記ラチェット部材との当接面に当接させ、前記ラチェット部材を前記係合部材と当接する方向に付勢することを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0122】
(付記22) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記付勢部材と前記一対のハンドルのうち前記付勢部材を取り付けたハンドルとの間に介在して前記ラチェット部材と前記付勢部材との当接を阻止し、付勢力を無効とする阻止手段を設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0123】
(付記23) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記付勢部材と、前記一対のハンドルのうち前記付勢部材を取り付けたハンドルとの間に、回転して寸法の変化する円以外の断面形状を有する解除部材を設け、前記解除部材を回転させ、前記付勢部材を変位させて、前記ラチェット部材と前記係合部材との係合を解除することを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0124】
(付記24) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記付勢部材と、前記一対のハンドルのうち前記付勢部材を取り付けたハンドルとの間に、矩形断面形状を有する解除部材を設け、前記解除部材に回転させるための把持部を設け、前記矩形断面の長辺の長さが、前記付勢部材を変位させて、前記ラチェット部材と前記係合部材との係合を解除させるのに十分な長さであることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0125】
(付記25) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記係合部材に、前記係合部材と前記ラチェット部材との間に介在して係合を阻止する阻止部材を前記係合部材と前記ラチェット部材との間に介在しない状態を選択可能にして設けたことを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0126】
(付記26) 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、前記操作部は、一つの旋回軸に取り付けられ相互に旋回可能な一対のハンドルよりなり、前記一対のハンドルに、相互に係合して一方向のみの移動を許容するラチェット機構を設け、前記ラチェット機構は、前記一対のハンドルの一つに旋回可能に設けたラチェット部材と、前記一対のハンドルのもう一つに設けられ、前記ラチェット部材に係合する係合部材と、前記ラチェット部材を前記係合部材に係合する方向に付勢する付勢部材とからなり、前記係合部材の周囲に移動可能に解除部材を取り付け、前記解除部材に前記ラチェット部材に対向する端面を形成し、前記端面の大きさを、前記ラチェット部材に係合せずに滑るのに十分な大きさとし、前記解除部材を移動させて、前記係合部材より先に前記ラチェット部材に当接させ、前記解除部材が前記ラチェット部材に係合せず滑ることを特徴とする内視鏡用鉗子。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、内視鏡用鉗子の操作部を挿入部を保持する固定ハンドルと、この固定ハンドルに旋回可能に取り付けた可動ハンドルとから構成し、固定ハンドルと可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェット部を設け、可動ハンドルの旋回支点を移動させることにより、ラチェット部が有効な状態と無効な状態とを切り替えることができるようにしたから、簡単な構成でありながら、酷使に耐え、また操作性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す内視鏡用鉗子の全体の側面図。
【図2】同実施形態の操作部を示し、(a)は縦断側面図、(b)はA−Aに沿う断面図。
【図3】同実施形態の操作部を示す縦断側面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す内視鏡用鉗子の操作部の一部断面した側面図。
【図5】この発明の第3の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図6】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図7】この発明の第4の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図8】図7のB−B線に沿う断面図。
【図9】同実施形態の指掛け部の側面図。
【図10】同実施形態のラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図11】この発明の第5の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図12】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図13】この発明の第6の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図14】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図15】この発明の第7の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図16】この発明の第8の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図17】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図18】この発明の第9の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図19】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図20】この発明の第10の実施形態を示し、ラチェット有効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図21】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図22】図21のC−C線に沿う断面図。
【図23】同実施形態を示し、ラチェット無効状態の操作部の一部断面した側面図。
【図24】手術用鉗子の操作部を示す一部断面した側面図。
【図25】同手術用鉗子のラチェット解放状態の一部断面した側面図。
【図26】図25のD−D線に沿う断面図。
【符号の説明】
1…操作部
2…挿入部
3…先端作用部
4…ジョー
8…固定ハンドル
9…可動ハンドル
8k,9g…ラチェット部
Claims (1)
- 操作部と、挿入部と、一対のジョーを有する先端作用部とからなる内視鏡用鉗子において、
前記操作部は、前記挿入部を保持する固定ハンドルと、前記固定ハンドルに旋回可能に取り付けた可動ハンドルとからなり、前記固定ハンドルと前記可動ハンドルとの双方の端部に、それぞれアーチ状に相手側に延びるラチェットを設け、前記可動ハンドルの旋回支点を移動させることにより、前記ラチェットが有効な状態と無効な状態とを切り替えることを特徴とする内視鏡用鉗子。
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-
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