JP3709172B2 - 鋼製樋床構造躯体およびその築造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉からの溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋の底面・側面に構成される鋼製樋床・樋壁構造躯体およびその築造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉設備にあっては、高炉から流出する溶銑や溶滓等の高温流動体を導く大樋、溶銑樋、溶滓樋等の樋が構築されているが、従来の樋構造の多くは、図9に示すような、樋本体1の樋壁2が鉄筋コンクリート(RC)で構成された鉄筋コンクリート(RC)製樋壁が中心である。
【0003】
樋本体1及び樋壁2が、例えば図10のように設置されるタイプにおいて、樋本体1は、H形鋼などの鉄骨梁14上に設置したPC(プレキャストコンクリート)製などの床4の上にRC造の樋壁2が構築されている。図11において、両樋壁2の上端の間は樋蓋12で閉塞されており、その両外側は樋蓋12と同一平面の操業床13とされている。
【0004】
この鉄筋コンクリート製樋壁構造は、耐熱性と施工性の面で、次の問題点が指摘されている。
【0005】
▲1▼高炉設備の稼動中は、高温環境下に曝されるため、長時間の使用により、樋壁を構成するコンクリート中の水分が蒸発して、強度低下・弾性係数低下・中性化進行などを誘発する。
【0006】
▲2▼樋壁が熱膨張する時に、コンクリートに内部応力が発生し、変形拘束部にひび割れが生じ、強度が低下する。また、高炉設備の稼動状況により、溶銑や溶滓等の流動・停止が繰り返し行われるため、コンクリート中の内部応力の発生が繰り返され、ひび割れによる強度低下を促進する。
【0007】
▲3▼前記▲1▼、▲2▼の対策として、耐熱コンクリートの採用・樋壁内部の耐火物の仕様高度化、厚さ増加などが提案されているが、通常の鉄筋コンクリート構造と比べて数倍ものコストを要する。
【0008】
▲4▼鉄筋コンクリートの施工にあたっては、鉄筋→型枠→コンクリート打設→養生→型枠外しなど、現場作業を中心に多工程かつ多能工を必要とするため、工期・費用が多大となる。
【0009】
前記の問題点▲1▼については、コンクリートの特性上回避できないものであり、コスト節減化や設備の更なる長寿命化が求められている状況下では、致命的な問題となる。
【0010】
また、問題点▲2▼については、熱膨張を拘束しないような接合部の工夫や、内部応力に耐えうるコンクリート断面の設定などにより対応しているが、限界があり、より大きな変形に対しては効果がなく、コスト増加にもつながる。
【0011】
また、問題点▲4▼については、短工期での高炉改修(建設)を達成する上でのクリテカルとなっている。
【0012】
従来のコンクリート製樋壁構造の問題点を解消するために、鉄骨と鋼製壁板で構築された鋼製樋壁構造を有するものがある。すなわち、支柱、胴縁及び鋼製壁板の各構成部材を上下または左右に可動自在に接合して、樋壁を構築することにより、各構成部材の熱膨張による座屈変形を防止する先行技術につき、本出願人が提案している(特願平10−92287、特開平11−269517)。
【0013】
図11によって説明すると、床面15上に普通鋼または耐火鋼板製の樋壁16が構築されている。鋼製樋壁16の外側は横胴縁17を介して、床面15に立設した普通鋼製または耐火鋼製の支柱(縦胴縁)18に支持されている。支柱の外側において、床面15と上部梁材20の間に鉄骨柱19が立設されている。図11において、両樋壁2の上端の間は樋蓋12で閉塞されており、その両外側は樋蓋12と同一平面の操業床13とされている。前記鋼製樋壁16は、所要の高さ(例えば、3.0〜4.0m)及び、数十mの長さで構築される。
【0014】
前記の先行例では、鋼製樋壁16により鉄筋コンクリート樋壁の欠点が改良されていると共に、上部梁材20や鉄骨支柱19への熱膨張変形の伝播回避を可能にしていると共に、鋼製樋壁16は、鉄骨支柱19間に伸縮可能に取付けられている横胴縁17に、左右方向に長いルーズホールに形成されたボルト孔にボルトを挿通することにより、該鋼製樋壁16の左右方向への熱膨張を吸収可能に取付けられている。
【0015】
しかし、前記の構造では、ボルト・ナット等による鋼製樋壁16の内外両側からの面倒な施工作業や、鋼製樋壁16への胴縁用接合金物(図示省略)の溶接作業にも労力を要するということがあり、これらにより、鋼製樋壁を構築するにあたって、壁板の加工手間、施工のコスト、歩掛りなどの点で、さらに改良の余地が残されていた。
【0016】
また、前記の鋼製樋壁構造にあっては、樋本体1の構造および、樋本体1の支持構造(樋床構造)に関しては依然として従来のままであり、樋床構造を断熱遮断性に優れた構造とすることで、樋本体1自体の構造を簡略化し、或いは、樋本体1をコンパクト化し、占有スペースを可及的に小さくすることについての改良は従来提案されていない。
【0017】
すなわち、従来構造の樋本体1にあっては、樋溝を流れる高温流動体の床下方向への熱遮断を確実にするため、煉瓦・バラス等を多重の層に厚く積層して構築しているが、この樋本体の構造では占有スペースが大きく必要となると共に、現場作業を中心に多工程かつ多能工を必要とし、工期・費用が多大となることがある。
【0018】
本出願人は、鋼製樋壁に関して、前記とは別に特願2001−68244、特願2001−73570(いずれも、未公開)を提案している。この2つの先行技術は、溶銑や溶滓等の高温流動体により熱膨張する樋壁に過大な荷重が作用したとき、その荷重が樋壁の壁面に付着した荷重吸収機能によって吸収しコントロールされるため、従前のような樋壁を構築する各構成部材の座屈変形による破壊を防止し、壁板の加工手間、施工コスト、歩掛りなどの点を改良するものであるが、樋床構造に関しては依然従来のままであると共に、樋壁に関しても、なお一層の構造簡略化の余地が残されていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の樋構造において、樋本体の樋床下方への熱伝達を遮断できる支持構造(樋床構造)については、改良はなされておらず、したがって、樋本体は、煉瓦・バラス等を多重の層に積層して構築しているため、樋本体は大型になると共に、現場作業を中心に多工程かつ多能工を必要とし、工期・費用が多大となるという問題がある。また、樋壁については、鋼製樋壁の構造を一層、簡略化すると共に、安価・工期短縮を可能とし、さらに、熱劣化対策・熱膨張対策が可能であることが分かった。
【0020】
本発明は、前記従来の欠点に鑑みてなされ、角型鋼管を用いて鋼製樋床・樋壁を構築するという新規な発想の下に提案するものであり、従来の樋床・樋壁構造と比べ、熱劣化対策・熱膨張対策・安価・短工期を実現する鋼製樋床・樋壁を提案することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、次のように構成する。
【0022】
第1の発明は、高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋において、樋流れ方向と直角方向に伸長する複数の角型鋼管を樋底部に設置して樋床を構成したことを特徴とする。
【0023】
第2の発明は、第1の発明において、前記角型鋼管の樋溝を流れる高温流動体から熱を受ける底面に、角型鋼管長手方向に伸長して該角型鋼管の熱膨張吸収用スリットを開設したことを特徴とする。
【0024】
第3の発明は、第2の発明における前記熱膨張吸収用スリットを、テープで閉塞したことを特徴とする。
【0025】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明における前記複数の角型鋼管の間に、該角型鋼管の熱膨張による伸び吸収しろを形成したことを特徴とする。
【0026】
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明における前記樋床を構成する角型鋼管の中空部を自然対流または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前記角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とする。
【0027】
第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明における鋼製樋床において、強度を必要とする部位では、前記角型鋼管内に中詰めコンクリートを充填することを特徴とする。
【0028】
第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明における前記複数本の角型鋼管を事前に組立て一体化することにより樋床ユニットとして構成し、現場にて該樋床ユニットを鋳床上に設置して樋床を構築することを特徴とする。
【0029】
第8の発明は、第1〜第6の何れかの発明における鋼製樋床を構成する各角型鋼管の端部に、樋壁を構成する角型鋼管を整列して立設することで、角型鋼管製樋床・樋壁ユニットを事前に構成し、現場にて樋床・樋壁ユニットを鋳床上に設置することを特徴とする。
【0030】
第9の発明は、第8の発明における角型鋼管製樋床・樋壁ユニットを複数組み事前に組み立てて樋床・樋壁ブロックを構築し、現場にて樋床・樋壁ブロックを鋳床上に設置することを特徴とする。
【0031】
第10の発明は、第9の発明における樋床・樋壁ブロックの連結部に熱膨張吸収しろを形成したことを特徴とする。
【0032】
第11の発明は、第1〜第8の何れかの発明における樋壁を構成する角型鋼管の中空部を自然対流または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前記樋壁用角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とする。
【0033】
【作用】
本発明によると、高炉の鋳床に設置される溶銑や溶滓等の高温流動体の流動用の樋において、樋床・樋壁を複数本の角型鋼管を平行に配設して構成するので、角型鋼管の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・製作・プレファブ化が容易であると共に、施工現場では設置のみでよく、したがって、鉄骨工事が大部分を占めるため、多工程かつ多能工が不要であり、工期 費用の増大を抑制可能である。
【0034】
また、樋床・樋壁用角型鋼管の切断・接合のみによる工場での加工・製作・プレファブ化が容易なことを利用して、当該角型鋼管を数本単位で接合する、ユニット化、ブロック化での施工が可能であり、現場作業の省力化が一層可能である。
【0035】
また、樋床・樋壁用角型鋼管において、樋溝を流れる高温流動体により熱を直接受ける側の底部にスリットを形成することで、鋼材の熱膨張を容易に吸収でき、さらに、スリットをテープで塞ぐことで、鋼管内部へのバラス・耐火物など異物の浸入を防護する。
【0036】
さらに、上下方向や左右方向に曲がって延長する樋床・樋壁における隅角部では溶銑や溶滓等の高流動体が樋床・樋壁に押し込むので、強度を必要とするが、この部位では角型鋼管内に中詰めコンクリートを充填することで強度補強できる。
【0037】
さらに、樋床・樋壁として角型鋼管の適用による許容温度条件の緩和・熱伝達効率向上などがある。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
【0039】
図1、図2は、本発明の基本概要図で、図1は鋼製樋床・樋壁構造ユニット9を示し、図2は樋床・樋壁構造ユニット9を複数組配設して、鋼製樋9aを構築している状態を示す。
【0040】
図1に示す鋼製樋9aにおいて、樋流れ方向(イ)と直角方向に伸長する複数の樋床用角型鋼管21を、それぞれの側面が互いに接するように樋底部に整列配置して樋床21aが構成されている。また、樋床用角型鋼管21の両端部の上側面に複数の樋壁用角型鋼管24を、それぞれの側面が互いに接するように整列配置して立設し、ボルト、溶接などの接合手段を用いて固定して樋壁24aが構成されている。樋床と樋壁を構成する各角型鋼管21、24の寸法と断面形状は適宜に構成してよい。図示例では、正方形の樋壁用角型鋼管24の一辺の長さが、同じく正方形の樋床用角型鋼管21の一辺の長さの2倍に設けてあって、1本の樋壁用角型鋼管24が2本の樋床用角型鋼管21に跨った状態で立設されている。
【0041】
図1の鋼製樋9aを構成する部材を、前記ユニット化の場合を含めて、次の▲1▼〜▲6▼の何れかを単位部材として、この単位部材毎に製作し、施工することができる。
【0042】
▲1▼まず最小基本単位として、樋床用角型鋼管21を1本毎に製作し、施工現場において樋床用角型鋼管21を1本毎に樋底部予定位置に設置して鋼製樋床を構築する。
【0043】
▲2▼複数本の樋床用角型鋼管21を事前に溶接にて接合して鋼製樋床ユニットとし、この鋼製樋床ユニットを単位部材として、施工現場に運びユニット単位で設置して鋼製樋床を構築する。
【0044】
▲3▼前記▲1▼、▲2▼によって先行設置された樋床用角型鋼管21の端部に、1本毎に製作された樋壁用角型鋼管24を施工現場において立設して鋼製樋壁・樋床を構築する。
【0045】
▲4▼複数本の樋壁用角型鋼管24を事前に溶接にて接合して、鋼製樋壁ユニットを構成し、施工現場において各樋壁ユニット毎に、前記▲1▼、▲2▼によって先行設置された樋床用角型鋼管21に立設して鋼製樋壁・樋床を構築する。
【0046】
▲5▼1本の樋床用角型鋼管21と1本の樋壁用角型鋼管24を事前に溶接にて接合して、側面から見て溝形の鋼製樋床・樋壁ユニットを構成し、各ユニットを施工現場において1ユニット毎に樋底部予定位置に設置して鋼製樋床・樋壁を構築する。
【0047】
▲6▼前記▲5▼の鋼製樋床・樋壁ユニットを複数組事前に溶接にて接合して鋼製樋床・樋壁ブロックを構成し、各ブロックを施工現場においてブロック毎に樋底部に設置して鋼製樋床・樋壁を構築する。
【0048】
前記▲1▼〜▲6▼の何れの製作・施工工程を実施するかは任意であり、例えば図2は、前記▲6▼によって鋼製樋床・樋壁を構築している態様を示す。
【0049】
前記の樋床用角型鋼管21と樋壁用角型鋼管24で構成される樋溝22を約1500℃の溶銑や溶滓等の高炉からの湯(高温流動体)が流れた場合、樋床の底も湯の放射熱によって200〜300℃の高温になるので、樋床用角型鋼管21は大きく熱膨張し変形するおそれがある。この場合、各樋床用角型鋼管が固定的に接合されていると、各部材の熱膨張による変形が拘束され、各構成部材に非常に大きな応力が働いて、それにより樋床が座屈変形し、破壊しやすいという問題が生じる。
【0050】
本発明では、このような高温流動体からの入熱に伴う鋼製樋壁の変形対策として、(1)樋床用角型鋼管21の上面にスリットを形成する、(2)樋床用角型鋼管21の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収しろ(熱膨張吸収用間隙)を形成する、(3)前記(1)、(2)を組合わせる、の何れかで対応している。
【0051】
図3は前記(1)の例を示し、樋床用角型鋼管21において高温流動体から最も熱を受ける底面(図では上面)に、角型鋼管の長手方向に伸長して該角型鋼管の熱膨張吸収用スリット25を開設している。熱膨張吸収用スリット25の溝幅は適宜幅でよい。また、長手方向に伸長するスリット端部25aは樋床用角型鋼管21の端縁まで伸びていても良いが、角型鋼管端部には樋壁を立設する関係上、管端部の手前で止めている。このスリット25はスチールテープなどのテープ34で閉塞し、樋床用角型鋼管21の内部にバラス・耐火物などの異物が浸入するのを防止している。
【0052】
樋床用角型鋼管21の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収しろ(熱膨張吸収用間隙)32を形成する場合は、この熱膨張吸収用間隙は、1本の樋床用角型鋼管21の間毎に形成してもよいし、数本置きに形成してもよい。この場合、熱膨張吸収用間隙(伸び吸収しろ)32を閉塞する手段として、例えば、図3のように、隣合う一方の樋床ユニット21aの端部の樋床用角型鋼管21の樋側の上側面に、かつ樋流れ方向と直角方向に伸長して間隙閉塞板33を設置する。間隙閉塞板33は、前記間隙32を閉じ、隣合う他方の樋床ユニット21aの端部の樋床用角型鋼管21の上側面と摺動自在に接している。したがって、常時は間隙閉塞板33で間隙32を閉じているから、バラス・耐火物が熱膨張吸収用間隙(伸び吸収しろ)32から樋床下部に浸入しないと共に、樋床用角型鋼管21が熱膨張するときは、間隙閉塞板33が他方の樋床用角型鋼管21の上側面と接して摺動自在することで、各樋床用角型鋼管21に無理な応力が発生することがない。
【0053】
樋溝22を流れる高温流動体からの入熱は鋼製樋壁24aにあっても鋼製樋床21aと同様である。この鋼製樋壁24aの変形対策として、樋床用角型鋼管21と同様の対策をとるのがよい。すなわち、(1)樋壁用角型鋼管24の樋溝内側の側面中央部に上下方向に伸長する熱膨張吸収用スリットを形成し、このスリットをテープで閉塞する、(2)樋壁用角型鋼管24の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収しろ(熱膨張吸収用間隙)を形成する、(3)前記(1)、(2)を組合わせる、の何れかで対応するのがよい(これらは樋床と略同じ構造につき、図示省略する)。
【0054】
樋床用角型鋼管21の断面は中空であり、図4(A)に示す自然冷却方式または、図4(B)に示す強制冷却方式で樋床用角型鋼管21を積極的に冷却することで、樋床用角型鋼管21が具備する断熱性を一層向上させることができる。
【0055】
図4(A)に示す自然冷却方式にあっては、樋床用角型鋼管21の両端を大気中に開放し、鋼管内に自然対流で冷却風を図示矢印のように流通させるものである。図4(B)に示す強制冷却方式にあっては、樋床用角型鋼管21の一端を送風ファンを含む冷却設備38に接続し、鋼管内に冷却風を強制対流で流通させるものである。
【0056】
また、樋床用角型鋼管21は、図4(A)に示すようにH形鋼製の鉄骨梁14に固着すると、図4(B)に示すように、コンクリートの床面15に直に固着する場合がある。
【0057】
図4(A)の固着部の詳細構造は、図5(A)、(B)、(C)に示すとおりである。鉄骨梁14の上フランジにボルト26を立設し、樋床用角型鋼管21の底面には、当該角型鋼管21が樋流れ方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な程度にボルト26よりも大径の孔27を開口すると共に、孔27の上方の角型鋼管21の上面にはハンドホール29を開設する。前記角型鋼21の底面には、ボルト孔を有するずれ止めプレート30を固着し、前記ずれ止めプレート30の上には座金31を取り付け、座金31の上からナット35を締結することで、樋床用角型鋼管21を鉄骨梁14に固着している。ナット35を締結した後、前記ハンドホール29を塞ぎプレート37で閉塞する。
【0058】
図4(B)の固着部の詳細構造は、図6(A)、(B)、(C)に示すとおりである。コンクリートの床面15には、高さ調整用モルタル28を介して所定の間隔をあけてアンカーボルト36を立設し、樋床用角型鋼管21の底面には、当該角型鋼管21が樋流れ方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔27を開口すると共に、孔27の上方の角型鋼管21の上面にはハンドホール29を開設する。前記角型鋼管21の底面には、ボルト孔を有するずれ止めプレート30を固着し、前記ずれ止めプレート30の上には座金31を取り付け、座金31の上からナット35を締結することで、樋床用角型鋼管21をコンクリートの床面15に固着している。ナット35を締結した後、前記ハンドホール29を塞ぎプレート37で閉塞する。
【0059】
樋床用角型鋼管21の図5、図6に示した固定構造は一例であり、その他の固定構造でもよい。また、前記ボルト26や、アンカーボルト36による固定手段は、樋床用角型鋼管21の1本毎でもよいし、複数の樋床用角型鋼管21を接合してなる樋床ユニット21aの場合は、各ユニット間毎に1本のジョイント部において、ボルト26やアンカーボルト36で固定するように設けてもよい。
【0060】
図7は、樋壁用角型鋼管24の上端部を閉じる天板46の例を示している。天板46は、各角型鋼管毎に個別に設けてもよいが、樋壁ユニット24aを構成する場合は、該ユニットを構成する複数の角型鋼管に渡って伸長する1枚の天板46で構成してもよい。左右の鋼製樋壁16の天板46に両端が乗るように樋蓋12が載置される。
【0061】
前記樋床や樋壁が上下方向や、左右方向に曲がっている場合において、その隅角部に位置している樋床用角型鋼管21や樋壁用角型鋼管24などの強度を必要とする部位では、樋壁の内部空間に必要に応じてコンクリートなどを充填して強度を向上させるのがよい。
【0062】
図8は、鋼製樋床・樋壁構造の具体的構造を示す。同図において、鋼製樋床・樋壁構造における樋床用角型鋼管21がコンクリートの床面15上に、高さ調整用モルタル28を介して立設されたアンカーボルト(図示省略)で固着されている。樋床用角型鋼管21の一端部には、冷却設備38が接続されている。樋壁用角型鋼管24の両外側において、床面15と上部梁材20の間に鉄骨柱19が立設している。図8において、両樋壁用角型鋼管24の上端の間は樋蓋12で閉塞されており、その両外側は樋蓋12と同一平面の操業床13とされている。
【0063】
本発明は、実施形態に示した各部の構成を必要に応じて設計変更して実施することは構わない。例えば、樋床用角型鋼管21や樋壁用角型鋼管24からなる樋路が所定角度で連続していて隅角部が形成される場合に、その隅角部において、隣合う2つの角型鋼管の側壁は面接触できない部位では、所定の角度に折り曲げた接合金物を用いて、角度を持って交わる左右の角型鋼管の側面を接合してコーナー連結部を構成するとよい(図示省略する)。
【0064】
【発明の効果】
本発明によると、鋼製樋床・樋壁構造のそれぞれの耐熱性・施工性などの面での問題点を解決しつつ、高炉改修(建設)に要する費用削減・工期短縮を達成することができる。
【0065】
すなわち本発明によると、高炉の鋳床に設置される溶銑や溶滓等の高温流動体の流動用の樋において、樋床・樋壁を複数本の角型鋼管等の中空部を有する樋壁部材を立設して構成するので、この樋床・樋壁部材の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・製作・プレファブ化が容易であると共に、施工現場では立設のみでよく、多能工が不要であり、工期 費用の増大を抑制可能である。
【0066】
また、角型鋼管製の樋床と樋壁部材の切断・接合のみによる工場での加工・製作・プレファブ化が容易なことを利用して、当該角型鋼管等の樋壁部材を数本単位で接合するブロック施工が可能であり、現場作業の省力化が一層可能である。
【0067】
また、角型鋼管等の樋床・樋壁部材において、樋溝を流れる高温流動体からの熱を直接受ける側の側部にスリットを形成することで、鋼材の熱膨張を容易に吸収でき、さらに、スリットをテープで塞ぐことで、樋床・樋壁部材の内部空間へのバラス・耐火物などの異物の侵入を保護することができる。さらに、鋼製樋床・樋壁を構成する単位部材間の連結部に、熱膨張による伸び吸収しろを形成することによっても、当該鋼製樋壁の熱膨張を容易に吸収できる。
【0068】
また、角型鋼管製の樋床・樋壁は中空内部が断熱層となり簡潔な構造にして断熱性に優れるので、樋設備の小型化、構造の簡略化が可能である。角型鋼管の中空内部に自然対流または強制対流で冷却媒体を流通させることで、冷却効果は一層向上する。
【0069】
さらに、上下、左右方向に曲がりながら延長する樋路の隅角部では溶銑や溶滓等の高温流動体が樋床・樋壁を押し込むので、その部位では強度を必要とするが、そこでは角型鋼管の内部空間に中詰めコンクリートを充填することで補強できる。
【0070】
さらに、本発明では、角型鋼管の鋼製樋床・樋壁部材の適用による許容温度条件の緩和・熱伝達効率向上などがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼製樋床・樋壁構造躯体の基本概要図である。
【図2】樋床・樋壁構造ユニットを複数組配設して、鋼製樋を構築している状態の概要斜視図である。
【図3】上側の側面に熱膨張吸収用スリットを形成し、テープで閉塞した角型鋼管製樋床の斜視図である。
【図4】図(A)、(B)は、角型鋼管製樋床が、自然冷却方式と強制冷却方式による冷却機能を具備した鋼製樋床・樋壁構造躯体の側面図である。
【図5】図(A)は、4図(A)における角型鋼管製樋床の固定構造の断面図、(B)、(C)は、図5(A)のa−a、b−b断面図である。
【図6】図(A)は、4図(B)における角型鋼管製樋床の固定構造の断面図、(B)、(C)は、図6(A)のc−c、d−d断面図である。
【図7】(A)、(B)は、樋壁用角型鋼管の上端に取付ける天板の取付け態様を示す側面図と平面図、(C)は、樋壁用角型鋼管の上端部と樋蓋との取合い部の側面図である。
【図8】実施形態に係る鋼製樋床・樋壁構造の断面図である。
【図9】従来の鉄筋コンクリート樋壁を具備した樋構造の斜視図である。
【図10】従来の鉄筋コンクリート樋壁を具備した樋構造の断面図である。
【図11】従来の鋼製樋壁構造の断面図である。
【符号の説明】
1 樋本体
1a 樋溝
2 樋壁
3 鉄筋コンクリート製樋
4 床
12 樋蓋
13 操業床
14 鉄骨梁
15 床面
16 鋼製樋壁
17 横胴縁
18 支柱(縦胴縁)
19 鉄骨柱
20 上部梁材
21 樋床用角型鋼管
21a 樋床ユニット
22 樋溝
24 樋壁用角型鋼管
24a 樋壁ユニット
25 熱膨張吸収用スリット
26 ボルト
27 孔
28 高さ調整用モルタル
29 ハンドホール
30 ずれ止めプレート
31 座金
32 熱膨張吸収用間隙
33 間隙閉塞板
34 テープ(間隔閉塞材)
35 ナット
36 アンカーボルト
37 塞ぎプレート
38 冷却設備
46 天板
Claims (11)
- 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋において、樋流れ方向と直角方向に伸長する複数の角型鋼管を樋底部に設置して樋床を構成したことを特徴とする鋼製樋床構造躯体。
- 前記角型鋼管の樋溝を流れる高温流動体から熱を受ける底面に、角型鋼管長手方向に伸長して該角型鋼管の熱膨張吸収用スリットを開設したことを特徴とする請求項1項記載の鋼製樋床構造躯体。
- 前記熱膨張吸収用スリットを、テープで閉塞したことを特徴とする請求項2記載の鋼製樋床構造躯体。
- 前記複数の角型鋼管の間に、該角型鋼管の熱膨張による伸び吸収しろを形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の鋼製樋床構造躯体。
- 前記樋床を構成する角型鋼管の中空部を自然対流または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前記角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の鋼製樋床構造躯体。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の鋼製樋床において、強度を必要とする部位では、前記角型鋼管内に中詰めコンクリートを充填することを特徴とする鋼製樋床構造躯体。
- 請求項1〜6の何れか1項記載の鋼製樋床を構築するに際し、前記複数本の角型鋼管を事前に組立て一体化することにより樋床ユニットとして構成し、現場にて該樋床ユニットを鋳床上に設置して樋床を構築することを特徴とする樋床築造方法。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の鋼製樋床を構成する各角型鋼管の端部に、樋壁を構成する角型鋼管を整列して立設することで、角型鋼管製樋床・樋壁ユニットを事前に構成し、現場にて樋床・樋壁ユニットを鋳床上に設置することを特徴とする樋床・樋壁築造方法。
- 請求項8記載の角型鋼管製樋床・樋壁ユニットを複数組み事前に組み立てて樋床・樋壁ブロックを構築し、現場にて樋床・樋壁ブロックを鋳床上に設置することを特徴とする樋床・樋壁築造方法。
- 樋床・樋壁ブロックの連結部に熱膨張吸収しろを形成したことを特徴とする請求項9記載の樋床・樋壁築造方法。
- 請求項8〜10の何れか1項記載の樋壁を構成する角型鋼管の中空部を自然対流または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前記樋壁用角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とする樋床・樋壁築造方法。
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