JP2003293018A - 鋼製樋床構造躯体およびその築造方法 - Google Patents
鋼製樋床構造躯体およびその築造方法Info
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Abstract
かつ、先行技術に係る鋼製樋床構造と比べて、安価・短
工期な鋼製樋床構造を提供することである。 【解決手段】 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等
の高温流動体が流動する樋において、樋流れ方向と直角
方向に伸長する複数の樋床用角型鋼管21を樋底部に設
置して樋床ユニット21aを構成し、前記樋床用角型鋼
管21の樋溝22を流れる高温流動体から熱を受ける側
の底面に、角型鋼管の長手方向に伸長して該角型鋼管の
熱膨張吸収用スリット25を開設し、このスリット25
をテープ34で閉塞したことを特徴とする。
Description
溶滓等の高温流動体が流動する樋の底面・側面に構成さ
れる鋼製樋床・樋壁構造躯体およびその築造方法に関す
るものである。
溶銑や溶滓等の高温流動体を導く大樋、溶銑樋、溶滓樋
等の樋が構築されているが、従来の樋構造の多くは、図
9に示すような、樋本体1の樋壁2が鉄筋コンクリート
(RC)で構成された鉄筋コンクリート(RC)製樋壁
が中心である。
うに設置されるタイプにおいて、樋本体1は、H形鋼な
どの鉄骨梁14上に設置したPC(プレキャストコンク
リート)製などの床4の上にRC造の樋壁2が構築され
ている。図11において、両樋壁2の上端の間は樋蓋1
2で閉塞されており、その両外側は樋蓋12と同一平面
の操業床13とされている。
性と施工性の面で、次の問題点が指摘されている。
れるため、長時間の使用により、樋壁を構成するコンク
リート中の水分が蒸発して、強度低下・弾性係数低下・
中性化進行などを誘発する。
内部応力が発生し、変形拘束部にひび割れが生じ、強度
が低下する。また、高炉設備の稼動状況により、溶銑や
溶滓等の流動・停止が繰り返し行われるため、コンクリ
ート中の内部応力の発生が繰り返され、ひび割れによる
強度低下を促進する。
ートの採用・樋壁内部の耐火物の仕様高度化、厚さ増加
などが提案されているが、通常の鉄筋コンクリート構造
と比べて数倍ものコストを要する。
鉄筋→型枠→コンクリート打設→養生→型枠外しなど、
現場作業を中心に多工程かつ多能工を必要とするため、
工期・費用が多大となる。
の特性上回避できないものであり、コスト節減化や設備
の更なる長寿命化が求められている状況下では、致命的
な問題となる。
しないような接合部の工夫や、内部応力に耐えうるコン
クリート断面の設定などにより対応しているが、限界が
あり、より大きな変形に対しては効果がなく、コスト増
加にもつながる。
炉改修(建設)を達成する上でのクリテカルとなってい
る。
解消するために、鉄骨と鋼製壁板で構築された鋼製樋壁
構造を有するものがある。すなわち、支柱、胴縁及び鋼
製壁板の各構成部材を上下または左右に可動自在に接合
して、樋壁を構築することにより、各構成部材の熱膨張
による座屈変形を防止する先行技術につき、本出願人が
提案している(特願平10−92287、特開平11−
269517)。
普通鋼または耐火鋼板製の樋壁16が構築されている。
鋼製樋壁16の外側は横胴縁17を介して、床面15に
立設した普通鋼製または耐火鋼製の支柱(縦胴縁)18
に支持されている。支柱の外側において、床面15と上
部梁材20の間に鉄骨柱19が立設されている。図11
において、両樋壁2の上端の間は樋蓋12で閉塞されて
おり、その両外側は樋蓋12と同一平面の操業床13と
されている。前記鋼製樋壁16は、所要の高さ(例え
ば、3.0〜4.0m)及び、数十mの長さで構築され
る。
筋コンクリート樋壁の欠点が改良されていると共に、上
部梁材20や鉄骨支柱19への熱膨張変形の伝播回避を
可能にしていると共に、鋼製樋壁16は、鉄骨支柱19
間に伸縮可能に取付けられている横胴縁17に、左右方
向に長いルーズホールに形成されたボルト孔にボルトを
挿通することにより、該鋼製樋壁16の左右方向への熱
膨張を吸収可能に取付けられている。
等による鋼製樋壁16の内外両側からの面倒な施工作業
や、鋼製樋壁16への胴縁用接合金物(図示省略)の溶
接作業にも労力を要するということがあり、これらによ
り、鋼製樋壁を構築するにあたって、壁板の加工手間、
施工のコスト、歩掛りなどの点で、さらに改良の余地が
残されていた。
本体1の構造および、樋本体1の支持構造(樋床構造)
に関しては依然として従来のままであり、樋床構造を断
熱遮断性に優れた構造とすることで、樋本体1自体の構
造を簡略化し、或いは、樋本体1をコンパクト化し、占
有スペースを可及的に小さくすることについての改良は
従来提案されていない。
は、樋溝を流れる高温流動体の床下方向への熱遮断を確
実にするため、煉瓦・バラス等を多重の層に厚く積層し
て構築しているが、この樋本体の構造では占有スペース
が大きく必要となると共に、現場作業を中心に多工程か
つ多能工を必要とし、工期・費用が多大となることがあ
る。
別に特願2001−68244、特願2001−735
70(いずれも、未公開)を提案している。この2つの
先行技術は、溶銑や溶滓等の高温流動体により熱膨張す
る樋壁に過大な荷重が作用したとき、その荷重が樋壁の
壁面に付着した荷重吸収機能によって吸収しコントロー
ルされるため、従前のような樋壁を構築する各構成部材
の座屈変形による破壊を防止し、壁板の加工手間、施工
コスト、歩掛りなどの点を改良するものであるが、樋床
構造に関しては依然従来のままであると共に、樋壁に関
しても、なお一層の構造簡略化の余地が残されていた。
て、樋本体の樋床下方への熱伝達を遮断できる支持構造
(樋床構造)については、改良はなされておらず、した
がって、樋本体は、煉瓦・バラス等を多重の層に積層し
て構築しているため、樋本体は大型になると共に、現場
作業を中心に多工程かつ多能工を必要とし、工期・費用
が多大となるという問題がある。また、樋壁について
は、鋼製樋壁の構造を一層、簡略化すると共に、安価・
工期短縮を可能とし、さらに、熱劣化対策・熱膨張対策
が可能であることが分かった。
れ、角型鋼管を用いて鋼製樋床・樋壁を構築するという
新規な発想の下に提案するものであり、従来の樋床・樋
壁構造と比べ、熱劣化対策・熱膨張対策・安価・短工期
を実現する鋼製樋床・樋壁を提案することを目的とす
る。
め、本発明は、次のように構成する。
溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋において、樋流
れ方向と直角方向に伸長する複数の角型鋼管を樋底部に
設置して樋床を構成したことを特徴とする。
角型鋼管の樋溝を流れる高温流動体から熱を受ける底面
に、角型鋼管長手方向に伸長して該角型鋼管の熱膨張吸
収用スリットを開設したことを特徴とする。
膨張吸収用スリットを、テープで閉塞したことを特徴と
する。
における前記複数の角型鋼管の間に、該角型鋼管の熱膨
張による伸び吸収しろを形成したことを特徴とする。
における前記樋床を構成する角型鋼管の中空部を自然対
流または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前
記角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とする。
における鋼製樋床において、強度を必要とする部位で
は、前記角型鋼管内に中詰めコンクリートを充填するこ
とを特徴とする。
における前記複数本の角型鋼管を事前に組立て一体化す
ることにより樋床ユニットとして構成し、現場にて該樋
床ユニットを鋳床上に設置して樋床を構築することを特
徴とする。
における鋼製樋床を構成する各角型鋼管の端部に、樋壁
を構成する角型鋼管を整列して立設することで、角型鋼
管製樋床・樋壁ユニットを事前に構成し、現場にて樋床
・樋壁ユニットを鋳床上に設置することを特徴とする。
管製樋床・樋壁ユニットを複数組み事前に組み立てて樋
床・樋壁ブロックを構築し、現場にて樋床・樋壁ブロッ
クを鋳床上に設置することを特徴とする。
・樋壁ブロックの連結部に熱膨張吸収しろを形成したこ
とを特徴とする。
明における樋壁を構成する角型鋼管の中空部を自然対流
または強制対流方式の冷却媒体通路とすることで、前記
樋壁用角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴とす
る。
や溶滓等の高温流動体の流動用の樋において、樋床・樋
壁を複数本の角型鋼管を平行に配設して構成するので、
角型鋼管の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・
製作・プレファブ化が容易であると共に、施工現場では
設置のみでよく、したがって、鉄骨工事が大部分を占め
るため、多工程かつ多能工が不要であり、工期 費用の
増大を抑制可能である。
のみによる工場での加工・製作・プレファブ化が容易な
ことを利用して、当該角型鋼管を数本単位で接合する、
ユニット化、ブロック化での施工が可能であり、現場作
業の省力化が一層可能である。
溝を流れる高温流動体により熱を直接受ける側の底部に
スリットを形成することで、鋼材の熱膨張を容易に吸収
でき、さらに、スリットをテープで塞ぐことで、鋼管内
部へのバラス・耐火物など異物の浸入を防護する。
長する樋床・樋壁における隅角部では溶銑や溶滓等の高
流動体が樋床・樋壁に押し込むので、強度を必要とする
が、この部位では角型鋼管内に中詰めコンクリートを充
填することで強度補強できる。
による許容温度条件の緩和・熱伝達効率向上などがあ
る。
照して説明する。
1は鋼製樋床・樋壁構造ユニット9を示し、図2は樋床
・樋壁構造ユニット9を複数組配設して、鋼製樋9aを
構築している状態を示す。
向(イ)と直角方向に伸長する複数の樋床用角型鋼管2
1を、それぞれの側面が互いに接するように樋底部に整
列配置して樋床21aが構成されている。また、樋床用
角型鋼管21の両端部の上側面に複数の樋壁用角型鋼管
24を、それぞれの側面が互いに接するように整列配置
して立設し、ボルト、溶接などの接合手段を用いて固定
して樋壁24aが構成されている。樋床と樋壁を構成す
る各角型鋼管21、24の寸法と断面形状は適宜に構成
してよい。図示例では、正方形の樋壁用角型鋼管24の
一辺の長さが、同じく正方形の樋床用角型鋼管21の一
辺の長さの2倍に設けてあって、1本の樋壁用角型鋼管
24が2本の樋床用角型鋼管21に跨った状態で立設さ
れている。
ユニット化の場合を含めて、次の〜の何れかを単位
部材として、この単位部材毎に製作し、施工することが
できる。
管21を1本毎に製作し、施工現場において樋床用角型
鋼管21を1本毎に樋底部予定位置に設置して鋼製樋床
を構築する。
接にて接合して鋼製樋床ユニットとし、この鋼製樋床ユ
ニットを単位部材として、施工現場に運びユニット単位
で設置して鋼製樋床を構築する。
用角型鋼管21の端部に、1本毎に製作された樋壁用角
型鋼管24を施工現場において立設して鋼製樋壁・樋床
を構築する。
接にて接合して、鋼製樋壁ユニットを構成し、施工現場
において各樋壁ユニット毎に、前記、によって先行
設置された樋床用角型鋼管21に立設して鋼製樋壁・樋
床を構築する。
用角型鋼管24を事前に溶接にて接合して、側面から見
て溝形の鋼製樋床・樋壁ユニットを構成し、各ユニット
を施工現場において1ユニット毎に樋底部予定位置に設
置して鋼製樋床・樋壁を構築する。
組事前に溶接にて接合して鋼製樋床・樋壁ブロックを構
成し、各ブロックを施工現場においてブロック毎に樋底
部に設置して鋼製樋床・樋壁を構築する。
するかは任意であり、例えば図2は、前記によって鋼
製樋床・樋壁を構築している態様を示す。
管24で構成される樋溝22を約1500℃の溶銑や溶
滓等の高炉からの湯(高温流動体)が流れた場合、樋床
の底も湯の放射熱によって200〜300℃の高温にな
るので、樋床用角型鋼管21は大きく熱膨張し変形する
おそれがある。この場合、各樋床用角型鋼管が固定的に
接合されていると、各部材の熱膨張による変形が拘束さ
れ、各構成部材に非常に大きな応力が働いて、それによ
り樋床が座屈変形し、破壊しやすいという問題が生じ
る。
入熱に伴う鋼製樋壁の変形対策として、(1)樋床用角
型鋼管21の上面にスリットを形成する、(2)樋床用
角型鋼管21の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収し
ろ(熱膨張吸収用間隙)を形成する、(3)前記
(1)、(2)を組合わせる、の何れかで対応してい
る。
鋼管21において高温流動体から最も熱を受ける底面
(図では上面)に、角型鋼管の長手方向に伸長して該角
型鋼管の熱膨張吸収用スリット25を開設している。熱
膨張吸収用スリット25の溝幅は適宜幅でよい。また、
長手方向に伸長するスリット端部25aは樋床用角型鋼
管21の端縁まで伸びていても良いが、角型鋼管端部に
は樋壁を立設する関係上、管端部の手前で止めている。
このスリット25はスチールテープなどのテープ34で
閉塞し、樋床用角型鋼管21の内部にバラス・耐火物な
どの異物が浸入するのを防止している。
ント部に伸び吸収しろ(熱膨張吸収用間隙)32を形成
する場合は、この熱膨張吸収用間隙は、1本の樋床用角
型鋼管21の間毎に形成してもよいし、数本置きに形成
してもよい。この場合、熱膨張吸収用間隙(伸び吸収し
ろ)32を閉塞する手段として、例えば、図3のよう
に、隣合う一方の樋床ユニット21aの端部の樋床用角
型鋼管21の樋側の上側面に、かつ樋流れ方向と直角方
向に伸長して間隙閉塞板33を設置する。間隙閉塞板3
3は、前記間隙32を閉じ、隣合う他方の樋床ユニット
21aの端部の樋床用角型鋼管21の上側面と摺動自在
に接している。したがって、常時は間隙閉塞板33で間
隙32を閉じているから、バラス・耐火物が熱膨張吸収
用間隙(伸び吸収しろ)32から樋床下部に浸入しない
と共に、樋床用角型鋼管21が熱膨張するときは、間隙
閉塞板33が他方の樋床用角型鋼管21の上側面と接し
て摺動自在することで、各樋床用角型鋼管21に無理な
応力が発生することがない。
鋼製樋壁24aにあっても鋼製樋床21aと同様であ
る。この鋼製樋壁24aの変形対策として、樋床用角型
鋼管21と同様の対策をとるのがよい。すなわち、
(1)樋壁用角型鋼管24の樋溝内側の側面中央部に上
下方向に伸長する熱膨張吸収用スリットを形成し、この
スリットをテープで閉塞する、(2)樋壁用角型鋼管2
4の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収しろ(熱膨張
吸収用間隙)を形成する、(3)前記(1)、(2)を
組合わせる、の何れかで対応するのがよい(これらは樋
床と略同じ構造につき、図示省略する)。
図4(A)に示す自然冷却方式または、図4(B)に示
す強制冷却方式で樋床用角型鋼管21を積極的に冷却す
ることで、樋床用角型鋼管21が具備する断熱性を一層
向上させることができる。
は、樋床用角型鋼管21の両端を大気中に開放し、鋼管
内に自然対流で冷却風を図示矢印のように流通させるも
のである。図4(B)に示す強制冷却方式にあっては、
樋床用角型鋼管21の一端を送風ファンを含む冷却設備
38に接続し、鋼管内に冷却風を強制対流で流通させる
ものである。
に示すようにH形鋼製の鉄骨梁14に固着すると、図4
(B)に示すように、コンクリートの床面15に直に固
着する場合がある。
(A)、(B)、(C)に示すとおりである。鉄骨梁1
4の上フランジにボルト26を立設し、樋床用角型鋼管
21の底面には、当該角型鋼管21が樋流れ方向及び樋
流れ直角方向に熱膨張可能な程度にボルト26よりも大
径の孔27を開口すると共に、孔27の上方の角型鋼管
21の上面にはハンドホール29を開設する。前記角型
鋼21の底面には、ボルト孔を有するずれ止めプレート
30を固着し、前記ずれ止めプレート30の上には座金
31を取り付け、座金31の上からナット35を締結す
ることで、樋床用角型鋼管21を鉄骨梁14に固着して
いる。ナット35を締結した後、前記ハンドホール29
を塞ぎプレート37で閉塞する。
(A)、(B)、(C)に示すとおりである。コンクリ
ートの床面15には、高さ調整用モルタル28を介して
所定の間隔をあけてアンカーボルト36を立設し、樋床
用角型鋼管21の底面には、当該角型鋼管21が樋流れ
方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔27を開口す
ると共に、孔27の上方の角型鋼管21の上面にはハン
ドホール29を開設する。前記角型鋼管21の底面に
は、ボルト孔を有するずれ止めプレート30を固着し、
前記ずれ止めプレート30の上には座金31を取り付
け、座金31の上からナット35を締結することで、樋
床用角型鋼管21をコンクリートの床面15に固着して
いる。ナット35を締結した後、前記ハンドホール29
を塞ぎプレート37で閉塞する。
固定構造は一例であり、その他の固定構造でもよい。ま
た、前記ボルト26や、アンカーボルト36による固定
手段は、樋床用角型鋼管21の1本毎でもよいし、複数
の樋床用角型鋼管21を接合してなる樋床ユニット21
aの場合は、各ユニット間毎に1本のジョイント部にお
いて、ボルト26やアンカーボルト36で固定するよう
に設けてもよい。
じる天板46の例を示している。天板46は、各角型鋼
管毎に個別に設けてもよいが、樋壁ユニット24aを構
成する場合は、該ユニットを構成する複数の角型鋼管に
渡って伸長する1枚の天板46で構成してもよい。左右
の鋼製樋壁16の天板46に両端が乗るように樋蓋12
が載置される。
曲がっている場合において、その隅角部に位置している
樋床用角型鋼管21や樋壁用角型鋼管24などの強度を
必要とする部位では、樋壁の内部空間に必要に応じてコ
ンクリートなどを充填して強度を向上させるのがよい。
を示す。同図において、鋼製樋床・樋壁構造における樋
床用角型鋼管21がコンクリートの床面15上に、高さ
調整用モルタル28を介して立設されたアンカーボルト
(図示省略)で固着されている。樋床用角型鋼管21の
一端部には、冷却設備38が接続されている。樋壁用角
型鋼管24の両外側において、床面15と上部梁材20
の間に鉄骨柱19が立設している。図8において、両樋
壁用角型鋼管24の上端の間は樋蓋12で閉塞されてお
り、その両外側は樋蓋12と同一平面の操業床13とさ
れている。
必要に応じて設計変更して実施することは構わない。例
えば、樋床用角型鋼管21や樋壁用角型鋼管24からな
る樋路が所定角度で連続していて隅角部が形成される場
合に、その隅角部において、隣合う2つの角型鋼管の側
壁は面接触できない部位では、所定の角度に折り曲げた
接合金物を用いて、角度を持って交わる左右の角型鋼管
の側面を接合してコーナー連結部を構成するとよい(図
示省略する)。
それぞれの耐熱性・施工性などの面での問題点を解決し
つつ、高炉改修(建設)に要する費用削減・工期短縮を
達成することができる。
置される溶銑や溶滓等の高温流動体の流動用の樋におい
て、樋床・樋壁を複数本の角型鋼管等の中空部を有する
樋壁部材を立設して構成するので、この樋床・樋壁部材
の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・製作・プ
レファブ化が容易であると共に、施工現場では立設のみ
でよく、多能工が不要であり、工期 費用の増大を抑制
可能である。
・接合のみによる工場での加工・製作・プレファブ化が
容易なことを利用して、当該角型鋼管等の樋壁部材を数
本単位で接合するブロック施工が可能であり、現場作業
の省力化が一層可能である。
て、樋溝を流れる高温流動体からの熱を直接受ける側の
側部にスリットを形成することで、鋼材の熱膨張を容易
に吸収でき、さらに、スリットをテープで塞ぐことで、
樋床・樋壁部材の内部空間へのバラス・耐火物などの異
物の侵入を保護することができる。さらに、鋼製樋床・
樋壁を構成する単位部材間の連結部に、熱膨張による伸
び吸収しろを形成することによっても、当該鋼製樋壁の
熱膨張を容易に吸収できる。
が断熱層となり簡潔な構造にして断熱性に優れるので、
樋設備の小型化、構造の簡略化が可能である。角型鋼管
の中空内部に自然対流または強制対流で冷却媒体を流通
させることで、冷却効果は一層向上する。
長する樋路の隅角部では溶銑や溶滓等の高温流動体が樋
床・樋壁を押し込むので、その部位では強度を必要とす
るが、そこでは角型鋼管の内部空間に中詰めコンクリー
トを充填することで補強できる。
・樋壁部材の適用による許容温度条件の緩和・熱伝達効
率向上などがある。
である。
製樋を構築している状態の概要斜視図である。
テープで閉塞した角型鋼管製樋床の斜視図である。
冷却方式と強制冷却方式による冷却機能を具備した鋼製
樋床・樋壁構造躯体の側面図である。
床の固定構造の断面図、(B)、(C)は、図5(A)
のa−a、b−b断面図である。
床の固定構造の断面図、(B)、(C)は、図6(A)
のc−c、d−d断面図である。
付ける天板の取付け態様を示す側面図と平面図、(C)
は、樋壁用角型鋼管の上端部と樋蓋との取合い部の側面
図である。
ある。
の斜視図である。
造の断面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等
の高温流動体が流動する樋において、樋流れ方向と直角
方向に伸長する複数の角型鋼管を樋底部に設置して樋床
を構成したことを特徴とする鋼製樋床構造躯体。 - 【請求項2】 前記角型鋼管の樋溝を流れる高温流動体
から熱を受ける底面に、角型鋼管長手方向に伸長して該
角型鋼管の熱膨張吸収用スリットを開設したことを特徴
とする請求項1項記載の鋼製樋床構造躯体。 - 【請求項3】 前記熱膨張吸収用スリットを、テープで
閉塞したことを特徴とする請求項2記載の鋼製樋床構造
躯体。 - 【請求項4】 前記複数の角型鋼管の間に、該角型鋼管
の熱膨張による伸び吸収しろを形成したことを特徴とす
る請求項1〜3の何れか1項記載の鋼製樋床構造躯体。 - 【請求項5】 前記樋床を構成する角型鋼管の中空部を
自然対流または強制対流方式の冷却媒体通路とすること
で、前記角型鋼管に冷却機能を具備させたことを特徴と
する請求項1〜4の何れか1項記載の鋼製樋床構造躯
体。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載の鋼製樋
床において、強度を必要とする部位では、前記角型鋼管
内に中詰めコンクリートを充填することを特徴とする鋼
製樋床構造躯体。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項記載の鋼製樋
床を構築するに際し、前記複数本の角型鋼管を事前に組
立て一体化することにより樋床ユニットとして構成し、
現場にて該樋床ユニットを鋳床上に設置して樋床を構築
することを特徴とする樋床築造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項記載の鋼製樋
床を構成する各角型鋼管の端部に、樋壁を構成する角型
鋼管を整列して立設することで、角型鋼管製樋床・樋壁
ユニットを事前に構成し、現場にて樋床・樋壁ユニット
を鋳床上に設置することを特徴とする樋床・樋壁築造方
法。 - 【請求項9】 請求項8記載の角型鋼管製樋床・樋壁ユ
ニットを複数組み事前に組み立てて樋床・樋壁ブロック
を構築し、現場にて樋床・樋壁ブロックを鋳床上に設置
することを特徴とする樋床・樋壁築造方法。 - 【請求項10】 樋床・樋壁ブロックの連結部に熱膨張
吸収しろを形成したことを特徴とする請求項9記載の樋
床・樋壁築造方法。 - 【請求項11】 請求項8〜10の何れか1項記載の樋
壁を構成する角型鋼管の中空部を自然対流または強制対
流方式の冷却媒体通路とすることで、前記樋壁用角型鋼
管に冷却機能を具備させたことを特徴とする樋床・樋壁
築造方法。
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---|---|---|---|
JP2002104701A JP3709172B2 (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | 鋼製樋床構造躯体およびその築造方法 |
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